第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

  当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間(以下「当第1四半期」)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行もあり、経済活動の正常化が進み、緩やかに回復の動きがみられました。一方、世界的な物価上昇の継続に加え、欧米を中心とした金融引き締め、長期化するウクライナ情勢などの地政学的リスクによる世界経済への影響が不安視され、先行きは不透明な状況が続いております。

このような環境下、当社グループは、2022年4月よりスタートした「グループ力を発揮し、持続可能な事業の成長に向けて、チャレンジし続ける Challenge for Sustainable Growth」をスローガンとする3カ年の中期経営計画において、「グループ連携の強化」、「収益力の改善」、「新たな価値を生み出す事業の創出」、「魅力ある会社づくり」という基本方針のもと、高付加価値製品の生産能力の拡充、オープンイノベーション推進による新規事業創出、車載向け製品の取り組み強化、デジタル化による業務プロセスの効率化、サステナビリティ事業への取組み、多様な人財が活躍できる環境づくり、SDGs活動の推進などに取り組んでおります。

これらの結果、当第1四半期の売上高は前年同期比562百万円減収(12.9%減収)の3,800百万円、営業利益は同345百万円減益(86.8%減益)の52百万円、経常利益は同346百万円減益(81.4%減益)の79百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同277百万円減益(92.6%減益)の22百万円となりました。

 

①財政状態

(資産合計)

当第1四半期末の資産合計は、前連結会計年度末比491百万円増加の14,444百万円となりました。

流動資産は前連結会計年度末比262百万円増加の9,091百万円となりました。これは主に原材料及び貯蔵品が143百万円、その他が199百万円減少したものの、現金及び預金が296百万円、受取手形及び売掛金が232百万円増加したことによるものであります。

固定資産は前連結会計年度末比228百万円増加の5,353百万円となりました。これは主に有形固定資産が249百万円増加したことによるものであります。

(負債合計)

当第1四半期末の負債合計は、前連結会計年度末比611百万円増加の5,156百万円となりました。

流動負債は前連結会計年度末比141百万円増加の3,608百万円となりました。これは主に賞与引当金が83百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が237百万円増加したことによるものであります。

固定負債は前連結会計年度末比469百万円増加の1,547百万円となりました。これは主に長期借入金が473百万円増加したことによるものであります。

(純資産合計)

当第1四半期末の純資産合計は、前連結会計年度末比120百万円減少の9,288百万円となりました。これは主に利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益により22百万円増加及び配当により146百万円減少したことによるものであります。

 

②経営成績

(売上高)

売上高は、前年同期比562百万円減収(12.9%減収)の3,800百万円となりました。

(売上原価、販売費および一般管理費、営業利益)

売上原価は、前年同期比214百万円減少(5.8%減少)の3,476百万円となりました。

販売費および一般管理費は、前年同期比3百万円減少(1.2%減少)の271百万円となりました。

その結果、営業利益は、前年同期比345百万円減益(86.8%減益)の52百万円となりました。

(経常利益)

営業外収益は、前年同期比2百万円増加の36百万円となり、営業外費用は、前年同期比4百万円増加の9百万円となりました。

その結果、経常利益は、前年同期比346百万円減益(81.4%減益)の79百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する四半期純利益)

特別損失10百万円、法人税等合計46百万円を計上しました。

その結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比277百万円減益(92.6%減益)の22百万円となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

[アンチモン事業]

同事業の原料であり、製品販売価格の基準ともなるアンチモン地金の国際相場は、当第1四半期においては、小幅な上下動を繰り返しながら、ほぼ横ばいで推移しました。平均価格は、トン当たり約12,080ドルとなり、前年同期比13.7%の下落となりました。円建てでは同8.6%の下落となりました。

同事業の主製品である三酸化アンチモンには様々な用途があります。主たる用途は、プラスチック材料の難燃剤です。プラスチックは、自動車、家電、産業機械、住宅などに用いられる電化製品の電気絶縁材料として広く用いられていますが、一般に燃えやすい性質を持っています。そのようなプラスチックにハロゲン系難燃剤と共に三酸化アンチモンを添加することで、高い難燃性を付与して電気機器の短絡や劣化による発火のリスクを減らし、火災による人的被害や経済的損失を防止することに大きく貢献しています。

同事業の販売状況につきましては、自動車分野など製造業全般の生産は回復してきていますが、部品などについては在庫調整が続いており、販売数量は前年同期比97トン減少(6.9%減少)の1,307トンとなりました。

その結果、同事業の当第1四半期の売上高は、販売数量の下落により、前年同期比71百万円減収(3.0%減収)の2,321百万円となりました。セグメント利益は、同88百万円減益(48.2%減益)の95百万円となりました。

 

[金属粉末事業]

同事業の主原料である銅の国内建値は、当第1四半期平均でトン当たり約1,218千円となり、前年同期比5.2%の下落となりました。

同事業の主製品は、電子部品の導電材料向け銅およびその他の金属粉末、パワーインダクタ向けの鉄系合金粉、自動車部品や産業機械部品などの粉末冶金製品向けの焼結材料としての金属粉末で、各種製品の高機能化や利便性に貢献しています。

また、DXの推進、IoTやAIの活用、5G対応端末の普及、自動車のEV化やエレクトロニクス化の流れなどを背景に電子部品のニーズは高まっています。

電子部品向け金属粉末の販売状況につきましては、新型コロナウイルス感染症対策として、在宅勤務を中心としたテレワークの急速な普及や教育などのオンライン化への取組みが、スマートフォンやパソコンなどの通信機器端末の需要を拡大していましたが、オンライン需要が一巡すると共に、物価上昇の影響でスマートフォンやパソコン市場が低迷し、需要が低調なことより、販売数量は前年同期比58トン減少(22.8%減少)の196トンとなりました。

粉末冶金向け金属粉末の販売状況につきましては、自動車分野での生産回復が見られるものの、引き続き在庫調整の影響により、販売数量は前年同期比134トン減少(36.5%減少)の233トンとなりました。

全体の販売数量は前年同期比192トン減少(30.9%減少)の429トンとなりました。

その結果、同事業の当第1四半期の売上高は、販売数量の減少により、前年同期比491百万円減収(25.0%減収)の1,471百万円となりました。セグメント利益は、操業度低下や電力料金高騰によるコスト増加などの影響で同257百万円減益の51百万円のセグメント損失となりました。

 

[その他]

不動産賃貸事業等の当第1四半期の売上高は7百万円、セグメント利益は5百万円となりました。

(2)経営方針、経営戦略等

当第1四半期連結会計期間において、当社グループの定めている経営方針、経営戦略等について重要な変更はありません。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の優先的に対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

また、当第1四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の金額は、23,408千円となっております。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①資金需要

当社グループの運転資金需要の主なものは、当社グループ製品製造のための原材料の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等による営業費用に充当するためのものです。営業費用の主なものは、運賃・保管料、人件費であります。

②財務政策

当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部留保資金の他、借入金により資金調達しております。借入金による資金調達に関しましては、短期借入金のほか、長期安定資金調達の為に一部は長期借入金にて対応しております。

2023年6月30日現在の短期借入金残高は1,459百万円となっております。

生産設備などの長期資金は、長期借入金で調達しております。2023年6月30日現在の長期借入金残高は761百万円となっております。

なお、当第1四半期においては、安定した事業運営の為に、借入金の一部を現預金にて保有しており、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を確保しております。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。