第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

 当社グループは「働くをもっと楽しく、創造的に」というミッションのもと、人生の大半を過ごすことになる「働く」という時間において、ただ生活の糧を得るためだけではなく、1人でも多くの人がより楽しく、自由な創造性を存分に発揮できる社会を実現することを目指し、仕事の効率化や創造的な働き方を実現するサービスの開発・提供に取り組んでおります。

 このようなミッションのもと、現在の主力サービスであるビジネスチャットツール「Chatwork」は国内中小企業を中心とした顧客企業の労働生産性の向上や働き方の多様性を提供しており、国内利用者数NO1(注1)のサービスとなります。中長期のビジョンとしてこのビジネスチャットの中小企業市場における圧倒的なシェアを背景に、あらゆるビジネスの起点となるビジネス版スーパーアプリとしてプラットフォーム化していく事でさらなる中小企業のDX化に貢献してまいります。

 当中間連結会計期間においては、「Chatwork」の普及とビジネスチャットのプラットフォームを活かした周辺サービスの拡大に投資をおこなってまいりました。前期に実施した価格改定によるARPUの上昇、BPaaS(注2)の自社サービスとしてリリースした「Chatwork アシスタント」等の施策により事業は順調に拡大をしております。

 以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は3,994,967千円(前中間連結会計期間比36.6%増)、EBITDA(注3)は313,132千円(前中間連結会計期間は134,521千円の損失)、営業利益は27,304千円(前中間連結会計期間は424,811千円の営業損失)、経常利益は16,473千円(前中間連結会計期間は427,185千円の経常損失)、親会社株主に帰属する中間純利益は24,874千円(前中間連結会計期間は418,378千円の親会社株主に帰属する中間純損失)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次の通りであります。

 

(Chatworkセグメント)

 売上高は3,920,425千円(前中間連結会計期間比39.5%増)、セグメント利益は17,929千円(前中間連結会計期間は459,578千円のセグメント損失)となりました。

 

 

Chatworkアカウント事業のARR(注4)、課金ID数、ARPU推移

 

2021年12月期

第4四半期末

2022年12月期

第4四半期末

2023年12月期

第4四半期末

2023年12月期

中間期末

2024年12月期

中間期末

ARR(百万円)

3,426

4,391

6,180

4,726

6,735

課金ID数(万)

54.7

66.8

73.1

72.0

75.4

ARPU(円)

529.4

547.4

672.4

548.3

715.5

 

 

(セキュリティセグメント)

 セキュリティセグメントについては、引き続き当社としては積極的な事業拡大は行わない方針としております。その結果、売上高は74,541千円(前中間連結会計期間比34.4%減)、セグメント利益は9,374千円(前中間連結会計期間比73.0%減)となりました。

 

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて351,241千円増加し、6,624,732千円となりました。これは主に、のれんが59,583千円減少、ソフトウエアが67,823千円減少、現金及び預金が407,865千円増加したことによるものであります。

(負債)

 当中間連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べて180,915千円増加し、4,032,187千円となりました。これは主に、長期借入金が113,507千円減少、契約負債が179,623千円増加、未払金が55,172千円増加、未払法人税等が47,927千円増加したことによるものであります。

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて170,325千円増加し、2,592,544千円となりました。これは主に、資本金が72,738千円増加、資本剰余金が72,738千円増加、利益剰余金が24,874千円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は39.1%(前連結会計年度末は38.6%)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて407,865千円増加し、2,510,353千円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは782,141千円の収入となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益16,473千円の計上、前払費用が191,908千円減少、契約負債が179,623千円増加、減価償却費を155,640千円計上したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、288,828千円の支出となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出263,550千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、84,156千円の支出となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出108,314千円によるものであります。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

  当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

 

(注)1.Nielsen NetView 及びNielsen Mobile NetView Customized Report 2023年5月度調べ月次利用者(MAU:Monthly Active User)調査。調査対象はChatwork、Microsoft Teams、Slack、LINE WORKS、Skypeを含む44サービスをChatwork株式会社にて選定。

  2.Business Process as a Serviceの略。ソフトウェアの提供ではなく、業務プロセスそのものを提供するクラウドサービスであり、クラウド経由で業務アウトソーシング(BPO)が可能

  3.EBITDA=営業損益+減価償却費及び無形固定資産償却費+株式報酬費用

  4.Annual Recurring Revenueの略。毎年継続して発生する収益 MRR(Monthly Recurring Revenue、毎月繰り返し得ることのできる売り上げ)の12倍

 

3 【経営上の重要な契約等】

(1) 会社分割 (簡易新設分割)

当社は、2024年2月9日開催の取締役会において、当社のBPaaS(Business Process as a Service)事業を、新設分割により新設する株式会社kubellパートナーに承継させることを決議し、2024年4月1日に設立いたしました。

詳細は、「第4 経理の状況 1中間連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。