第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

なお、当中間連結会計期間よりサービス区分を変更しているため、新しいサービス区分にて記載しております。

 

(1) 業績の状況

当中間連結会計期間(2024年1月1日~2024年6月30日)における日本の経済は、賃金上昇や景気対策、内需の回復によって一定の成長が見られたものの、ロシアによるウクライナ侵略の長期化や中東情勢の不安定化、堅調な米国経済がもたらす大幅な円安進行、物価の上昇といった多くの懸念材料によって、依然として不安定な状況が続いております。

このような経済環境の中、当社グループが属するIT業界は、AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)などの技術革新により、急速な成長を続けております。とりわけ生成AIの登場・進化は、労働人口の減少をはじめとする社会課題だけでなく、新たなビジネスモデルの創出やイノベーションの促進に大きく貢献しております。当中間連結会計期間においても生成AI技術の進歩は目覚しく、特に自然言語処理と画像生成において顕著な進歩を遂げております。より高度な文章生成やリアル感のある画像作成が可能になった一方で、企業が持つ大量のデータと生成AIの利便性をどのように活かすか、生成AIの回答精度や応答スピードと同様に課題の1つとなっております。

当中間連結会計期間におきまして、AIインテグレーションサービス、DXサービスの各サービス区分で大型案件が進行しております。近年推し進めている顧客のロイヤルクライアント化が売上単価の増加に大きく貢献しており、AIソリューション事業の需要は、幅広い業界で拡大し複数の案件が並行で推進されております。

 

当社グループは、AIソリューション事業を以下の3つのサービス区分に分けて事業を推進しております。

 

AIインテグレーションサービス:生成AI、Copilot、エッジAIなどのコンサルティング・開発案件

DXサービス:プラットフォーム開発、DXコンサルティング、Azureクラウド開発、ローコード開発など

プロダクトサービス:自社サービス、クラウド利用料などの代理店販売モデル

※当中間連結会計期間より「OPSサービス」を廃止しております。(理由については後述参照)

中間連結会計期間比に記載の数字は、前中間連結会計期間においてもOPSサービスの数字をAI、DX、プロダクトの3サービス区分に振り分けた数字と比較して記載しております。

 

AIインテグレーションサービス

当社グループでは、IoTを活用したエッジAI案件に加えて、前中間連結会計期間から生成AIに対するGPTサービスラインナップを拡充して、生成AI案件の推進に注力しております。チャットベースの生成AI利用から、すでに顧客サービスや業務利用に向けた開発案件を複数実施しております。顧客が保持する大量の業務データは、データプラットフォーム上で取り扱うことによって効率的に生成AIへ学習させることができます。データプラットフォーム上でデータの分析・可視化と生成AIを利用した開発の両方を行える会社は稀有な存在であり、当社グループではこれに内製化支援も含めて顧客と伴走したプロジェクト推進を実施しております。

当中間連結会計期間におきましては、生成AI案件の成長、及びエッジAI案件の売上拡大によって、AIインテグレーションサービス売上高は670,005千円(前中間連結会計期間43.7%増)となりました。

 

 

DXサービス

当社グループのDXサービス案件は、Microsoft Azureを中心としたクラウドサービスのプラットフォーム開発や企業のDX化に向けたコンサルテーション、業務の効率化を目的としたローコード開発となっております。主にモダナイゼーションと呼ばれる古いシステムを先進的な技術・手法に更新・改善する案件や、Microsoft Power Platformに代表されるローコードツールを活用した内製化支援を行っております。企業のDX化に向けた動きは、前中間連結会計期間から引き続き堅調に推移しております。

当中間連結会計期間におきましては、既存顧客に対する顧客深耕が進み1顧客から複数の案件を受注する機会が増えているものの、前中間連結会計期間と比べると遂行中となる大型案件の規模感の違いから、DXサービス売上高は599,594千円(前中間連結会計期間6.1%減)となりました。

 

プロダクトサービス

プロダクトサービスは、人月に頼らない2つの収益モデルを軸としております。

 

自社サービスモデル:自社サービスSyncLectの初期導入費+月額ライセンス費

他社サービスモデル:クラウドサービス利用料(月額回収)やIoT機器の仕入れ販売による販売代理店型

 

当中間連結会計期間におきましては、生成AI活用プラットフォーム「SyncLect Generative AI」を軸にサービス開発を行っており、マイクロソフト社からのエンタープライズ系企業を中心とした顧客紹介やインバウンド施策による問い合わせを通じた新規顧客を安定的に獲得できております。その結果、プロダクトサービス売上高は63,085千円(前中間連結会計期間18.6%増)となりました。

 

OPSサービス

当中間連結会計期間から、以下の理由によりOPS区分は廃止しております。

・成長戦略の1つとして掲げている「収益基盤の強化」対策として、売上単価向上施策に取り組んでおり、単価が低く設定されやすい運用保守フェーズへの対策としてDevOps(※)を前提とした契約の取り方、案件の回し方にシフトできたこと

・ロイヤルクライアント化の推進によって、DevOpsによる開発手法が伴走型のプロジェクト推進を要望する顧客ニーズとマッチし、開発と運用をセットで受注する準委任契約が多くなったこと

なお、前中間連結会計期間でOPS区分に計上されていた案件は、案件数でDXへ80%、AIに15%、プロダクトに5%移管しております。

※DevOpsとは、開発を意味するDevelopmentと、運用を意味するOperationsを組み合わせた造語で、厳密な定義はないものの、開発チームと運用チームが協力することで、迅速かつ柔軟なサービス提供を行うための考え方や仕組みを表します。

 

以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は1,332,685千円(前中間連結会計期間比15.1%増)、営業利益151,124千円(前中間連結会計期間比223.4%増)、経常利益150,475千円(前中間連結会計期間比214.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益100,976千円(前中間連結会計期間比234.7%増)となりました。

当社グループでは、AIを活用し更なる顧客サービスの実現を目指すAIソリューション事業の単一セグメントで推進しております。

 

(2) 財政状況の分析

(資産)

中間連結会計期間末の総資産は、1,516,327千円となり、前連結会計年度末と比較して222,089千円の増加となりました。

流動資産は1,444,906千円となり、前連結会計年度末と比較して218,410千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金203,016千円、売掛金及び契約資産3,516千円、前払費用18,754千円が増加したことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末と比較して3,679千円増加し、71,421千円となりました。主な要因は、無形固定資産1,830千円減少したものの、有形固定資産4,665千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

中間連結会計期間末における負債合計は432,986千円となり、前連結会計年度末と比較して100,407千円の増加となりました。これは主に、買掛金17,304千円、未払費用17,618千円、未払法人税等31,892千円、契約負債が18,870千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

中間連結会計期間末における純資産合計1,083,341千円となり、前連結会計年度末と比較し121,682千円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により利益剰余金が100,976千円増加したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、203,016千円増加し、1,100,915千円となりました。

   当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、202,453千円(前中間連結会計期間35,290千円の獲得)となりました。

主な要因は、売上債権及び契約資産の増加3,516千円、法人税等の支払額15,480千円があったものの、税金等調整前中間純利益150,475千円、減価償却費7,987千円、仕入債務の増加17,304千円、契約負債の増加18,870千円、未払金の増加14,098千円、未払費用の増加17,618千円があったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、11,372千円(前中間連結会計期間は10,749千円の支出)となりました。

主な要因は、有形固定資産の取得11,372千円があったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、10,250千円(前中間連結会計期間は2,744千円の獲得)となりました。

主な要因は、株式の発行による収入10,250千円によるものであります。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

中間連結会計期間の研究開発費の総額は2,989千円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。