当第1四半期累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
当第1四半期累計期間(2023年4月1日~2023年6月30日)における日本経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、緩やかな回復基調の動きが見られたものの、物価高の進行、為替変動や地政学リスク等の懸念もあり、先行き不透明な状況が続きました。CM(コンストラクション・マネジメント=発注者支援事業)業界に影響を与える建設投資、設備投資については、公共投資および民間投資は一定の水準で推移しているものの、景気の先行きが不透明な中で、慎重な姿勢が続く状況となりました。
当社は、「フェアネス」と「透明性」の経営理念に基づき、顧客側に立つプロとして、顧客の建設プロジェクトの目標達成を支援しております。
当期のCM(コンストラクション・マネジメント)は、プロジェクトの早期立ち上げ支援や、数多くのプロジェクトで品質の適正化・スケジュール短縮・コスト縮減に加え、脱炭素化やSDGs関連(環境共生・BCP・長寿命化等)について支援する他、働き方の可視化や施設の維持保全等に関るDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進することで、発注者へより高い「CMの価値」を提供しております。
当第1四半期累計期間における受注高は、発注者の新規案件への意思決定が、昨今の大きな物価変動や建設業界の人材不足に配慮していることもあり、過去最高だった前年第1四半期の受注実績に比較して当初想定通り下回る結果になっております。当第1四半期累計期間の売上高は、過去最高であった前年同期実績と同等となりましたが、優秀な人材の確保を目的として期初から実施した社員の処遇向上による人件費の増加と、DXの更なる推進を目的とした一部外部リソースの活用による経費の増加等によって、当第1四半期累計期間の経常利益は前年同期実績を下回る結果となりました。
これらの結果、当第1四半期の売上高は997百万円(前年同期比0.1%増)、売上総利益は487百万円(同8.1%減)、営業利益は113百万円(同37.1%減)、経常利益は114百万円(同36.9%減)、四半期純利益は79百万円(同37.0%減)となりました。
事業のセグメントの業績は次のとおりです。
当社では、次の4つのセグメントを設けておりますが、自社開発したプロジェクト管理システム等の活用によって、顧客の期待に応えられる人材が所属セグメントに縛られることなくマルチにプロジェクトに対応することで、顧客満足度の向上、サービス品質の向上を実現し、セグメント間の負荷を調整し全体としての業務効率を向上させております。
当社のCM手法によるプロジェクト立ち上げ支援及び、PM(プロジェクト・マネジメント)サービスは、オフィス移転の可否や働き方改革の方向性を検討する構想段階およびビルの選定から引越しまで高度な専門性を有し、ワンストップで支援することが可能であります。企業がアフターコロナへの働き方を模索する中で、働き方改革及びDXに自ら取り組む先進企業として当社の認知度が高まり、大企業のグループ統合や中央官庁における働き方改革支援及び執務環境整備プロジェクトの引き合いが増加しました。
当第1四半期累計期間は、外務省のオフィス改革に関するコンサルティング業務(2023年度分)を公募にて選定される等、公共分野の支援も増加しております。
当第1四半期累計期間のオフィス事業の売上高は、163百万円(前年同期比21.2%減)、セグメント損失35百万円(前年同期セグメント利益0百万円)となりました。
数多くの地方自治体庁舎や国立大学を始めとする公共施設において当社のCMサービスが評価されました。民間企業においては、グローバル企業の国内拠点となる大型研究施設、生産施設、商業施設及び学校法人施設の再構築や、日本最大の鉄道会社による大規模商業施設や各地方拠点施設、大手IT会社等の保有施設の電気・空調・衛生設備更新等の実績を重ね、既存顧客から継続的に引き合いを頂くと共に、新規顧客からの引き合いも増加しております。同時に所有施設全体の脱炭素化に向けた環境施策も強く求められるようになり、この4月に新設した脱炭素CM部GXソリューションチームを中心とした当社専門技術者によって、脱炭素化ロードマップ策定や具体的な脱炭素化施策を支援すると共に、ZEBやLEEDなどの認証取得においても基本計画段階から顧客の高い環境要求水準に対応しています。
当第1四半期累計期間は、国土交通省の「2023年度地方公共団体における入札契約改善に向けたハンズオン支援業務」を公募にて選定され、国土交通省から10年連続での公募での選定となりました。また、文部科学省「グローバル・スタートアップ・キャンパスフラッグシップ拠点(仮称)整備に係る基本計画策定に関する調査・検討事業」の企画競争に応募し、審査の結果当社の提案が採択され、本事業についての契約を締結しました。その他、世田谷区、渋谷区、目黒区、千葉県、倉敷市(岡山県)等における庁舎や施設建設、多くの国立大学法人のプロポーザルに当社が応募し、発注者支援事業者として選定されました。
また、一般社団法人日本コンストラクション・マネジメント協会が主催する「CM選奨2023」において当社がCM業務を行った「千葉商科大学付属高等学校 新校舎整備計画CM業務」「森永製菓株式会社 鶴見サイト再構築CM業務」「株式会社プラニック プラスチックリサイクル工場建設プロジェクト」の3件で受賞し、7年連続の受賞となりました。
さらに、2023年6月にドイツ・ミュンヘンで行われた国際コンストラクションプロジェクトマネジメント協会(ICPMA: International Construction Project Management Association)主催のICPMA Awards 2023において、当社が支援した「株式会社プラニック プラスチックリサイクル工場建設プロジェクト」が「Overall Project Achievement」を受賞しました。
当第1四半期累計期間のCM事業の売上高は、645百万円(前年同期比6.7%増)、セグメント利益137百万円(同1.6%減)となりました。
顧客保有資産の最適化をサポートするCREM(コーポレート・リアルエステート・マネジメント)事業は、当社技術者集団による透明なプロセス(CM手法)とデジタル活用による情報の可視化やデータベース活用によって、多拠点施設同時進行の新築・改修・移転や基幹設備の更新、脱炭素化のための機能最適化更新支援等を行っております。
当第1四半期も新規顧客を含む大企業や自治体、金融機関向けを中心に、個別プロジェクト毎の進捗状況を可視化し、工事コストやスケジュール管理及び保有資産のデータベース化による資産情報の一元管理とデータ活用によって効率的なプロジェクト管理を提供しました。発注者支援事業として顧客の多拠点施設整備を効率化し、「CMの価値提供」が評価されました。
当第1四半期累計期間のCREM事業の売上高は、施設等を多拠点に保有する既存顧客側の投資計画や予算等の影響により減少し、128百万円(前年同期比22.0%減)、セグメント損失9百万円(前年同期セグメント利益34百万円)となりました。
④ DX支援事業
当社が自社開発し、10年以上の運用実績がある独自システムを活用して、顧客の働き方や施設の維持保全等に関るDX化を推進するDX支援事業を2021年4月より開始しました。DX化による働き方改革に取り組む企業や団体が増えている中、働く人が自らのアクティビティを可視化して生産性向上につなげるシステムMeihoAMS(※1)、建設プロジェクトや施設の維持保全業務を可視化・一元管理することでDX化を支援するシステムMPS(※2)への関心が高まっております。
当第1四半期累計期間は、独自システムに更に機能を追加するシステム開発等を行い、また、2023年1月より、DX支援事業を全社横断型で推進する新たな組織として「DX推進部」を設置することで更なる顧客のDX化への支援を推進しております。
サービス開始3期目となる当第1四半期のDX支援事業は、多くの引き合いを頂き、売上高は60百万円(前年同期比211.3%増)、セグメント利益21百万円(同316.2%増)となりました。
※1 MeihoAMS(Meiho Activity Management System)は、個人のアクティビティの可視化・定量化・気づきの確認、そして社員一人ひとり及び全社員の生産性や働き方向上を目的とするマンアワーシステム。
※2 MPS(Meiho Project Management System)は、新設プロジェクト管理情報や施設の維持保全に関する情報を可視化・データベース化することで、効率的なプロジェクトの推進や計画的な維持保全及び「過去からの学び」を目的とする、情報の一元管理システム。
世界的に脱炭素の推進が広がる中、日本国内でも2030年までの温室効果ガスの削減目標の大幅な引き上げ、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル宣言」により、企業・自治体の気候変動に対する取り組みが活発化しており、今後の動きも更に加速すると考えています。
このように脱炭素へ関心が高まる中で、当社では脱炭素化支援CMを社会事業として位置づけ、全社員が一丸となって取り組んでおります。
当社は2009年10月に「環境CM方針」を定め、顧客側に立つ社内の建築や設備のプロがオフィスやビルの環境負荷の低減や環境に配慮した技術の導入・運用等に関する支援を行い、我が国初のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)やオフグリッドシステム(電力会社などの送電網につながっていない、独立型電力システム)を実現し、顧客の脱炭素化の実現に貢献してまいりました。
2023年4月より、新たに「脱炭素CM部」を設置し、全社員が脱炭素に取り組む中、CM(発注者支援事業)としての脱炭素化支援を、DXを活用した革新的なアウトプットを開発する等、サービスレベルを更に高めております。
当社ではCMの価値向上や更なる進化に向けて、人材育成、体制構築、ナレッジや働き方改革等の人的資本経営を推進しております。発注者支援事業を「明朗経営」の下で推進し、各プロジェクトに関するプロセスや成果等及び当社企業業績等に関する情報を可視化し、自ら「隠し事」が出来ない仕組みの構築及び各種法令を遵守するための体制や規程等を整備しております。
社員一人ひとりが顧客側に立つプロとして自らの成長と達成感を実感し、「フェアネス・透明性・顧客側に立つプロ」の企業理念を企業風土として定着させ、高い志の下に社員一丸となって行動してまいります。
代表取締役会長をトップとした社員教育の他、社内研修や社内教育コンテンツの充実をはかり、社員が互いの成長を支援する組織マネジメント及びOJTの推進、ダイバーシティ・インクルージョンの推進、ナレッジセンターの活用及びデジタルな働き方の推進等に一層の力を入れてまいります。
今後も優秀な人材の採用と人材育成を継続し、社員一人ひとりの成長と組織力強化による顧客本位の「明豊のCM」を徹底することで企業価値向上につなげてまいります。
(資産)
流動資産は、前事業年度末に比べて、421百万円減少し、5,050百万円となりました。これは、現金及び預金が608百万円増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が1,030百万円減少したことなどによります。
固定資産は、前事業年度末に比べて、8百万円増加し、1,157百万円となりました。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ412百万円減少し、6,208百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前事業年度末に比べて、132百万円減少し、1,130百万円となりました。これは、賞与引当金が107百万円増加した一方で、未払法人税等が261百万円減少したことなどによります。
固定負債は、前事業年度末に比べて、20百万円増加し、754百万円となりました。
この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ111百万円減少し、1,884百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前事業年度末に比べて、300百万円減少し、4,323百万円となりました。これは、利益剰余金が300百万円減少したことなどによります。
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
当第1四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
当第1四半期累計期間の研究開発費の総額は1,227千円であります。
なお、当第1四半期累計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。