第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当四半期報告書提出日現在において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありませんが、「(14)情報セキュリティに関するリスク」において以下の報告すべき事項が生じています。

 

(海外グループ会社における不正アクセスによる情報流出)

当社の海外グループ会社において、2023年4月7日に第三者による外部からのランサムウエアとみられる不正アクセスを受け、その後の調査の結果2023年4月14日に一部データが漏洩していることが判明しました。当該事実判明後、直ちに個人情報保護委員会等の関係各所に対し報告を行い、外部の情報セキュリティ専門機関による調査を受けました。

調査結果を受けて、当社グループにおける不正アクセスによる情報漏洩に対しては、徹底した事実調査および原因究明を実施し、再発防止策を実施するなど必要な措置を継続していきます。

これらに伴い、情報流出に関する調査、情報セキュリティ対策等の費用の発生が見込まれます。なお、当連結会計年度の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に与える影響額については現時点では軽微と考えていますが、情報セキュリティ対策等の費用が拡大する場合には当社業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。

当社は前連結会計年度に決算期を変更したことに伴い、第2四半期連結累計期間が前連結会計年度(2022年4月1日から2022年9月30日)と当連結会計年度(2023年1月1日から2023年6月30日)で異なるため、経営成績および各セグメントにおける前年同期比は参考数値として記載しています。

 

(1) 業績の状況

当連結会計年度における国内外経済は、各国のウィズコロナ政策等により経済活動の正常化が進む一方で、ロシアのウクライナ侵攻の長期化等による世界的な資源価格上昇や、欧米諸国の金融引締めによる金利上昇等の影響により回復速度は鈍化しました。

このような状況のもと、当社グループの主要市場の状況は以下のとおりです。

パワーエレクトロニクス事業は半導体製造装置市場の一部に落ち込みがあるものの、工作機械市場、医用市場は堅調に推移しました。情報通信事業では半導体不足緩和等により車載市場が回復したものの、高速大容量へ対応した新規格Wi-Fiや第5世代移動通信システム(以下、「5G」)などの市場やリチウムイオン電池市場は、北米の金融引締め等の影響に伴う設備投資の抑制や世界経済の減速の影響等で落ち込みました。

これらの結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高59億56百万円(前年同期比2.9%減少)、営業利益1億90百万円(前年同期比11.3%減少)、経常利益2億29百万円(前年同期比30.7%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益97百万円(前年同期比40.9倍)となりました。

 

セグメント別の業績は以下のとおりです。

 

〔パワーエレクトロニクス事業〕

当セグメントの売上高は35億50百万円(前年同期比19.3%増加)となりました。

ノイズフィルタは設備自動化需要に対する工作機械向けや、医用向けの伸張等により売上高が増加しました。また、電磁波ノイズ測定とフィルムコンデンサも増加し、セグメント全体で売上高は増加しました。

営業利益は、原材料、エネルギー価格の上昇や為替の円安影響による輸入コスト増などがあったものの、売上高の増加と生産性改善、経費削減のコストダウン等により利益が増加し、1億53百万円(前年同期比61.0倍)となりました。

 

 

〔情報通信事業〕

当セグメントの売上高は25億25百万円(前年同期比22.5%減少)となりました。

積層誘電体フィルタは、為替の円安効果による売上高の増加はあったものの、北米の金融引締め等に伴う設備投資の抑制により新規格Wi-Fiや5G向け市場での需要が減少し、売上高は減少しました。また、厚膜印刷基板は車載向けが半導体不足緩和に伴う需要回復により増加したものの、リチウムイオン電池に搭載されるヒューズ向けが世界経済の減速による需要低迷等で減少し、セグメント全体で売上高が減少しました。

営業利益は、為替の円安効果による利益の増加があったものの、主に売上高の減少による利益の減少により、29百万円(前年同期比84.9%減少)となりました。

 

なお、第1四半期連結会計期間から一部の販売費及び一般管理費等の報告セグメントへの配分方法を、全製品系列に配分する方法から各セグメントに帰属する部門ごとにセグメント内の製品系列に配分する方法に変更しました。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。当第2四半期連結累計期間の比較分析は、変更後の配分方法に基づいています。

 

財政状態については、当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前期末に比べ1億92百万円減少154億12百万円となりました。

流動資産は長納期化する原材料の確保等により棚卸資産が1億3百万円および借入金による資金調達等で現金及び預金が2億68百万円増加しましたが、前連結会計年度の末日が金融機関の休日であったため、売上債権の回収の一部が当第1四半期連結累計期間になり売上債権が5億26百万円減少したことに加え、未収税金還付に伴い流動資産のその他が1億14百万円減少したこと等により、前期末に比べ2億68百万円減少74億15百万円となりました。固定資産は株価上昇に伴い投資有価証券が33百万円および退職給付に係る資産が37百万円増加したこと等により、前期末に比べ75百万円増加79億97百万円となりました。

負債は借入金が1億63百万円増加しましたが、仕入債務が2億11百万円および設備購入代金を主とした流動負債のその他が2億26百万円減少したこと等により、前期末に比べ2億47百万円減少37億44百万円となりました。

純資産は利益剰余金が63百万円増加したこと等により、前期末に比べ55百万円増加116億68百万円となりました。

これらの結果、自己資本比率は、前期末に比べ1.3ポイント増加し75.7%となり、1株当たり純資産額は、前期末に比べ3円23銭増加し682円31銭となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は9億37百万円(前年同期末は11億26百万円)となり、前年同期末と比べて1億88百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは5億96百万円の収入(前年同期は2億79百万円の支出)となり、前年同期と比べて収入が8億75百万円増加しました。主な要因は、収入の増加として売上債権の減少による増加4億12百万円、法人税等の支払額の減少1億63百万円、税金等調整前四半期純利益の増加47百万円および未収税金等その他の資産負債増減による収入の増加3億55百万円、収入の減少として仕入債務の減少2億77百万円等です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは4億75百万円の支出(前年同期は5億92百万円の支出)となり、前年同期と比べて支出が1億16百万円減少しました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出の減少85百万円等です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは1億29百万円の収入(前年同期は68百万円の支出)となり、前年同期と比べて収入が1億98百万円増加しました。主な要因は、長期借入による収入7億円、短期借入金の返済による支出4億94百万円等です。

 

 

(3) 事業上および財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は2億7百万円です。

なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。