当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
イ. 財政状態
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ棚卸資産が149億1千7百万円増加しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が188億5千3百万円、現金及び預金が93億8千万円それぞれ減少したことなどにより、87億6千2百万円減少し、6,101億6百万円となりました。また、負債は、契約負債が17億1千万円増加しましたが、支払手形及び買掛金が116億4千3百万円、賞与引当金が78億1千8百万円それぞれ減少したことなどにより、201億5千7百万円減少し、1,752億1千2百万円となりました。純資産は、為替換算調整勘定が93億1千3百万円増加したことなどにより、113億9千4百万円増加し、4,348億9千4百万円となりました。
ロ. 経営成績
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、各国の金融引き締めによる景気下振れリスクの拡大、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等、依然として不透明な状況が継続しています。
このような経営環境のなか、当社グループの売上高は、ヘルスケア、グリーン領域や、アカデミア分野向けに、重点機種の液体クロマトグラフ、質量分析システム、ガスクロマトグラフが増加し、加えて部品・部材不足影響の緩和による生産回復、前年に中国で発生した新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウン影響の反動増もあり、増収となりました。営業利益については、人的投資、研究開発投資、設備投資等の成長投資による費用の増加や、部品・部材価格高騰の押し下げ影響を受けたものの、重点機種の売上増加や価格改定による収益性の改善により、増益となりました。
以上の結果に為替の円安進行による押し上げ効果も加わり、当第1四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は1,092億円(前年同期比10.7%増)、営業利益は132億4千9百万円(同40.2%増)、経常利益は156億5千6百万円(同29.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は111億円(同27.8%増)となり、いずれも過去最高を更新しました。
各セグメントの経営成績はつぎのとおりです。
① 計測機器事業
計測機器事業は、国内、海外ともに増収となりました。国内ではヘルスケア分野に液体クロマトグラフが増加、海外ではヘルスケア、グリーン領域やアカデミア分野に、液体クロマトグラフ、質量分析システム、ガスクロマトグラフが増加しました。また、島津ダイアグノスティクス株式会社の業績も貢献しました。加えて、部品・部材不足影響の緩和による生産の回復、前年に中国で発生したロックダウン影響の反動増もありました。
この結果、当事業の売上高は713億8千万円(前年同期比15.5%増)となり、営業利益は売上の増加等により、108億2千8百万円(同29.5%増)となりました。
なお、売上高についての主要地域別の状況は下記のとおりです。
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前第1四半期 連結累計期間 (百万円) |
当第1四半期 連結累計期間 (百万円) |
増減率 (%) |
概況 |
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日本 |
20,947 |
22,093 |
5.5 |
医薬向けに液体クロマトグラフが増加。また、コロナ関連製品が減少したものの、島津ダイアグノスティクスが貢献。 |
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北米 |
7,138 |
7,235 |
1.4 |
医薬分野の投資抑制により、医薬向けに液体クロマトグラフが減少したものの、グリーン領域にガスクロマトグラフや、環境分野向けに質量分析システムが増加。 |
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欧州 |
7,097 |
8,487 |
19.6 |
医薬向けに液体クロマトグラフや、グリーン領域にガスクロマトグラフが増加。 |
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中国 |
14,502 |
19,063 |
31.5 |
大学向けに液体クロマトグラフや質量分析システム等が増加。加えて、前年のロックダウン影響の反動により増加。 |
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その他のアジア |
8,888 |
10,216 |
14.9 |
医薬品の自国生産強化によりインドで液体クロマトグラフや質量分析システムが増加。また、医薬品規制強化により、東南アジアで質量分析システムが増加。 |
② 医用機器事業
医用機器事業は国内が減収、海外は増収となりました。国内は、X線TVシステムや血管撮影システムが新製品を中心に増加したものの、前年の放射線治療用追跡システムの反動減や、医療機関の投資抑制等の影響を受けました。海外は、血管撮影システムが米国やインドで増加したことに加え、中国市場向けに現地生産している新製品のX線TVシステムが増加しました。
この結果、当事業の売上高は143億8千4百万円(前年同期比12.5%減)となり、営業利益は売上の減少等により、3千9百万円(同83.8%減)となりました。
なお、売上高についての主要地域別の状況は下記のとおりです。
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前第1四半期 連結累計期間 (百万円) |
当第1四半期 連結累計期間 (百万円) |
増減率 (%) |
概況 |
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日本 |
9,385 |
7,091 |
△24.4 |
X線TVシステムや血管撮影システムが新製品を中心に増加したものの、前年の放射線治療用追跡システムの反動減により減少。 |
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北米 |
2,105 |
1,725 |
△18.1 |
コロナ禍で低迷していた外科手術件数が回復し、血管撮影システムが増加したものの、物価上昇等により医療機関の投資が抑制され全体で減少。 |
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欧州 |
778 |
900 |
15.8 |
東欧向けに血管撮影システムが増加。 |
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中国 |
1,114 |
1,382 |
24.0 |
中国市場向けに現地生産している新製品のX線TVシステムが増加。 |
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その他のアジア |
1,292 |
1,555 |
20.4 |
インドで血管撮影システムが増加。 |
③ 産業機器事業
産業機器事業は国内が減収、海外が増収となりました。国内では産業車両・建設機械・特装車両分野向け油圧機器が増加したものの、半導体需要が落ち込み、半導体製造装置向けターボ分子ポンプが減少しました。海外では、環境意識の高まりから省エネ性能の高い建材ガラスや薄膜太陽電池等の薄膜製造装置向けターボ分子ポンプが増加しました。
この結果、当事業の売上高は147億3千2百万円(前年同期比0.5%増)となり、営業利益は収益性の改善により、19億4千7百万円(同50.0%増)となりました。
なお、売上高についての主要地域別の状況は下記のとおりです。
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前第1四半期 連結累計期間(百万円) |
当第1四半期 連結累計期間(百万円) |
増減率 (%) |
概況 |
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日本 |
6,128 |
6,003 |
△2.0 |
EV関連需要の増加に伴い、工業炉が増加したものの、半導体製造装置向けターボ分子ポンプが減少。 |
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北米 |
2,095 |
1,601 |
△23.6 |
半導体製造装置向けターボ分子ポンプが減少。 |
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欧州 |
933 |
1,202 |
28.8 |
半導体製造装置、建材ガラスの薄膜製造装置向けターボ分子ポンプが増加。 |
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中国 |
4,334 |
4,634 |
6.9 |
建材ガラス・薄膜太陽電池等の薄膜製造装置向けターボ分子ポンプが増加し、ガラスワインダの反動減を補った。 |
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その他のアジア |
1,136 |
1,271 |
11.9 |
半導体製造装置向けターボ分子ポンプが減少したものの、EV関連等の増加に伴い、工業炉が増加。 |
④ 航空機器事業
航空機器事業は国内、海外ともに増収となりました。国内では防衛分野に、海外では航空旅客需要増による増産を進める民間航空機分野に、航空機用搭載品が大幅に増加しました。
この結果、当事業の売上高は61億9千2百万円(前年同期比30.0%増)となり、営業利益は増収に加え、民間航空機分野の採算性改善等により、5億9千万円(同416.1%増)となりました。
なお、売上高についての主要地域別の状況は下記のとおりです。
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前第1四半期 連結累計期間 (百万円) |
当第1四半期 連結累計期間 (百万円) |
増減率 (%) |
概況 |
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日本 |
3,250 |
4,536 |
39.6 |
防衛分野で航空機用搭載品が増加。 |
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北米 |
1,292 |
1,502 |
16.2 |
航空機メーカーの増産に伴い、民間航空機分野で航空機用搭載品が増加。 |
⑤ その他の事業
当事業の売上高は子会社の建設会社の増収等により25億1千万円(前年同期比150.6%増)となり、営業利益は1億7千9百万円となりました(前年同期は5千2百万円の営業損失)。
(注) セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでいません。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、26億6千2百万円です。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等は行われていません。