当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間(2024年1月1日~2024年6月30日)における我が国の経済情勢は、ウクライナ及びロシア情勢や原材料価格の上昇、円安の進行等により企業を取り巻く環境の先行きは不透明な状況が続いておりますが、各種政策の効果や個人消費の回復などにより緩やかに持ち直していくことが期待されております。このような状況下、日本企業は更なる付加価値の向上やビジネス機会の創出、生産性の向上、それらを実現するテクノロジーの活用などに積極的に取り組んでおり、デジタルを活用した事業戦略の策定や実行、改善といった「デジタルトランスフォーメーション(DX)」のニーズは今後さらに高まっていくものと推察されます。
そうした中、当社グループは様々な業界の主要企業に対し、新規事業の開発や既存業務の変革からデジタルマーケティング、UI/UXの改善まで一連のDX支援サービスを提供できる強みを持って、ソリューション横断での案件を多数受注し、コンサルタントによる顧客企業の事業推進を手掛けてまいりました。また、2022年4月より新たに「DX×HR事業」、2022年10月からは「DX×テクノロジー事業」を展開し、それぞれ人材採用・組織構築及びシステム開発の領域に支援サービスを拡充しております。2023年4月には、産業医のマッチングサービスを主軸に企業の人事労務部門に豊富な顧客・案件ネットワークを保有する株式会社Dr.健康経営と、エンジニア派遣事業を営む株式会社アルトワイズがМ&Aにより当社グループに加わり、DX×HR事業・DX×テクノロジー事業の更なる強化を図ってまいりました。なお2024年1月には、今後新たな株式取得や新規事業の立ち上げを通じて更なる事業領域の拡大・当社グループ全体の継続的な企業価値向上を図っていくことを見据え持株会社体制に移行し、商号を株式会社プロジェクトホールディングスと改めております。
当社においては、前連結会計年度中に発生した不祥事を契機に生じた組織への不信感を主因とする従業員の離職が一定数発生したことが、短期的に業績の押し下げ要因として影響している状況です。当該状況を受け、当中間連結会計期間においては第三者調査の結果に基づく再発防止策の実行をはじめとするガバナンス強化及び、給与テーブルの改定を含む人事評価制度の刷新や大手事業会社における人事マネージャー経験者の人事企画部門長への登用などを通じた人事機能強化を図ったうえで、組織風土の改革と従業員の育成に優先して取り組むこととし、営業活動は今後持続的な成長を実現可能とする範囲内に留めております。
以上の結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は2,689,061千円(前年同期比14.1%減)、営業損失は151,359千円(前年同期は420,362千円の利益)、経常損失は183,898千円(前年同期は422,769千円の利益)、親会社株主に帰属する中間純損失は64,546千円(前年同期は244,764千円の利益)となりました。
各セグメントの業績は、次のとおりであります。
(デジタルトランスフォーメーション事業)
「デジタルトランスフォーメーション事業」においては、事業会社における新規事業開発や既存業務の変革などを支援する「コンサルティングサービス」、広告代理店と事業会社の間に立ち、デジタルマーケティングの全体戦略の策定や実行推進を支援する「マーケティングサービス」、自社モニターを活用したユーザーテストソリューション「UIscope」によるスマートフォンアプリやWebページのUI/UX評価を行う「UIscopeサービス」を提供しております。
当事業では、過去の支援実績・業務品質を評価いただいている既存クライアントからの追加発注と同時に、大手事業会社を中心に新規クライアントも継続的に獲得にも成功している一方、先述のとおり前連結会計年度中に発生した不祥事も影響して2023年10月から2024年3月にかけて従業員の離職が多く発生したことにより、当社の支援リソースに制約された機会損失が発生している状況です。当該収益機会を確実に獲得していくためにも継続的に人材採用に取り組んでおり、当中間連結会計期間には新卒採用で37名、中途採用で32名が新たに入社し採用活動は順調に進捗しているものと認識しております。また、離職率は2024年3月をピークに低下傾向に転じており、当中間連結会計期間に注力したガバナンス強化や人事評価制度の刷新、外部人材も活用した育成の強化などの施策が一定程度、奏功したものと評価しております。他方、4月に入社した新卒採用者を中心に従業員数が大きく増加したことから人件費が増加しました。
これらの結果、当中間連結会計期間の「デジタルトランスフォーメーション事業」におけるサービスごとの売上高は、コンサルティングサービスが1,749,137千円(前年同期比8.5%減)、マーケティングサービスが218,251千円(前年同期比40.1%減)、UIscopeサービスが14,204千円(前年同期比75.2%減)の計1,981,592千円(前年同期比15.1%減)となり、セグメント利益は369,508千円(前年同期比54.1%減)となりました。
(DX×テクノロジー事業)
「DX×テクノロジー事業」においては、IT企業などに対して、プログラミングスキルを有するエンジニア人材が顧客企業に常駐しシステム開発業務やソフトウエアテスト業務を提供する「テクノロジーサービス」を提供しております。
これまで株式会社プロジェクトテクノロジーズ及び株式会社アルトワイズの2社でサービスを提供してまいりましたが、両社の業績や組織状況を踏まえ、2024年4月に株式会社アルトワイズに統合しております。統合後の組織状況は極めて良好であり、加えて採用活動が好調に進捗したことでエンジニア数は大きく増加しました。
他方、統合前に発生した株式会社プロジェクトテクノロジーズにおける営業担当の離職に伴い、主に外部パートナーを活用していた案件の取引が複数終了したことの影響が残り、当事業の売上高は減少して推移しました。
この結果、当中間連結会計期間の「DX×テクノロジー事業」における売上高は、478,647千円(前年同期比16.8%減)となり、セグメント損失は28,114千円(前年同期は21,092千円の利益)となりました。
(DX×HR事業)
「DX×HR事業」においては、テクノロジー領域を中心として、クライアントのニーズに応じた採用代行や人事評価制度コンサルティングなどの「HRソリューションサービス」及び、産業医のマッチングサービスを主軸に企業の健康経営を支援する「ヘルスケアサービス」を提供しております。ただし、2024年5月15日付適時開示「連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」のとおり、5月31日をもって「HRソリューションサービス」を手掛ける株式会社プロジェクトHRソリューションズの全株式を譲渡し当社の連結の範囲から除外されております。
この結果、当中間連結会計期間の「DX×HR事業」におけるサービスごとの売上高は、HRソリューションサービスが161,016千円(前年同期比5.2%減)、ヘルスケアサービスが67,805千円(前年同期比35.8%増)の計228,821千円(前年同期比4.1%増)となり、セグメント利益は17,755千円(前年同期比69.1%減)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は3,481,333千円となり、前連結会計年度末に比べ115,163千円減少となりました。これは主に、現金及び預金が139,863千円、受取手形及び売掛金が139,099千円減少した一方、未収消費税等が126,352千円増加したこと等によるものであります。固定資産は2,534,686千円となり、前連結会計年度末に比べ421,261千円増加となりました。これは主に、建物が455,371千円増加したこと等によるものであります。
この結果、総資産は6,016,780千円となり、前連結会計年度末に比べ304,132千円増加となりました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は1,421,884千円となり、前連結会計年度末に比べ216,862千円増加となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が198,572千円増加したこと等によるものであります。固定負債は2,003,328千円となり、前連結会計年度末に比べ149,250千円増加となりました。これは主に、長期借入金が82,562千円、長期未払金が76,400千円増加したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は3,425,212千円となり、前連結会計年度末に比べ366,113千円増加となりました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は2,591,568千円となり、前連結会計年度末に比べ61,980千円減少となりました。これは主に、利益剰余金が64,546千円減少したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は43.0%(前連結会計年度末は46.4%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ139,863千円減少し、2,632,478千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の減少は、108,073千円(前年同期は195,284千円の増加)となりました。これは主に、未払金136,686千円の増加要因と未収消費税等126,352千円、法人税等の支払額95,304千円の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は、299,242千円(前年同期は529,217千円の減少)となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入167,883千円、投資有価証券の売却による収入86,486千円の増加要因と有形固定資産の取得による支出580,091千円の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の増加は、267,452千円(前年同期は642,422千円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入500,000千円の増加要因と長期借入金の返済による支出218,866千円の減少要因によるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題は特にありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(子会社株式の譲渡)
当社は、2024年5月15日開催の取締役会において、当社の100%子会社である株式会社プロジェクトHRソリューションズ(代表取締役社長 関川 懸介/以下、関川氏)について、当社が保有する全株式を関川氏に譲渡することを決議いたしました。また、当該決議に基づき、同日付で株式譲渡契約を締結し、5月31日付で譲渡を完了いたしました。これに伴い、当中間連結会計期間において株式会社プロジェクトHRソリューションズを連結の範囲から除外しております。
詳細は「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。