第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当社グループは、2030年までに目指す姿を経営ビジョン「FURUNO GLOBAL VISION“NAVI NEXT 2030”」として定め、事業ビジョン「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」及び人財・企業風土ビジョン「VALUE through GLOBALIZATION and SPEED」を目指した経営を推進しております。その中で、当社グループは、利益水準の向上、売上規模の拡大による成長投資の資源捻出、サステナブル経営の実行を主な基本施策とする中期経営計画フェーズ2(2024年2月期~2026年2月期)の2年目を迎えました。

第1四半期連結累計期間の世界経済は、金融引き締め政策の継続による各国経済への影響や、ウクライナ紛争の長期化、中東情勢の緊迫化による地政学的リスクの高まり等、先行きが不透明な状況が続きました。米国は、金融引き締めが続く中でも、底堅い雇用情勢や好調を維持する個人消費等を背景に堅調に推移しました。欧州は、インフレ圧力の緩和による個人消費の持ち直し等により景気は底打ちしたとみられています。中国は、年明けの春節等もあり個人消費を中心に景気が持ち直しましたが、その後再び減速し、低調に推移しました。わが国においては、政府消費と公共投資が増加しましたが、一部自動車メーカーの生産・出荷停止や、サービス輸出減少の影響が景気を下押ししました。

このような経済環境の中、当社グループの関連する市場において、舶用分野のうち商船向け市場では、人手不足等を要因とした造船所の建造許容量の低下や、資材価格や人件費の高騰を受け、船価の高止まりが続くものの、GHG(温室効果ガス)排出量削減に向けた対応としての代替燃料船の需要は増加しており、造船会社の受注・手持ち工事量は高い水準を維持しました。漁業向け市場では、国内需要は回復傾向にあるものの、欧州での需要が低調だったことから軟調に推移しました。プレジャーボート向け市場では、北米の中小型艇を中心に需要の伸びが鈍化しました。

産業用事業のうちITS・GNSS事業では、国内の新車販売台数は一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響により低調な推移となりましたが、中古車販売台数は堅調に推移しました。また、5Gエリア拡大に伴う携帯電話向け基地局の設置も国内外で進みました。ヘルスケア事業においては、IVD(体外診断用医療機器)等の機器設置需要は堅調に推移しました。防衛装備品事業においては、防衛予算の増額に伴い案件が増加しました。

無線LAN・ハンディターミナル事業における国内の教育ICT市場は、ICT整備に関する大型案件が低調だったことから、軟調に推移しました。

当社グループにおいては、舶用事業及び産業用事業の分野では売上が増加し、無線LAN・ハンディターミナル事業の分野においても、売上が僅かに増加しました。

これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は281億9千6百万円(前年同期比18.2%増)、売上総利益は119億9千8百万円(前年同期比20.3%増)となりました。営業利益は26億2千9百万円(前年同期比80.7%増)、経常利益は31億3千6百万円(前年同期比76.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は12億8千万円(前年同期比12.2%増)となりました。

なお、当第1四半期連結累計期間に適用した米ドル及びユーロの平均為替レートはそれぞれ147円及び161円であり、前年同期に比べ米ドルは約9.1%の円安水準、ユーロは約12.3%の円安水準で推移しました。

 

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。セグメント利益は、営業利益ベースの数値であり、四半期連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

①舶用事業

 舶用事業の分野では、商船向け市場におけるGHG排出量削減を目的とした新造船需要の増加や、中古船売買の活発化を背景とした機器のリプレイス需要等を中心に好調に推移しました。米州では、プレジャーボート向け機器の販売が減少しましたが、為替の円安影響により事業全体としては増収となりました。欧州では、漁業向け機器の販売が減少しましたが、商船、プレジャーボート向け機器の販売が増加し、保守サービスの売上も堅調に増加しました。アジアでは、商船向け市場における新造船案件への販売が増加しました。日本でも、商船向け新造船案件への販売が増加した他、漁業向けの販売も増加しました。

この結果、舶用事業の売上高は241億8千8百万円(前年同期比18.8%増)となりました。セグメント利益は27億4千1百万円(前年同期比46.4%増)となりました。

 

②産業用事業

産業用事業の分野では、ITS・GNSS事業における携帯電話基地局向けの時刻同期製品や、OEM受託製品の販売が増加しましたが、ETC車載器の販売が減少しました。ヘルスケア事業における生化学分析装置の販売は増加しました。また、防衛予算の増額を背景に防衛装備品事業の売上は増加しました。この結果、産業用事業の売上高は32億4千5百万円(前年同期比17.1%増)となりました。セグメント利益は5千9百万円(前年同期は1億4千2百万円の損失)となりました。

 

③無線LAN・ハンディターミナル事業

無線LAN・ハンディターミナル事業の分野では、無線LANアクセスポイントの販売が前第1四半期連結累計期間と同水準で推移しました。この結果、売上高は6億7千9百万円前年同期比5.5%増)となりました。一方、為替の円安影響により、調達部品等の価格が上昇したことから、セグメント損失は1億1千2百万円(前年同期は2億1百万円の損失)となりました。

 

 ④その他

その他の売上高は8千2百万円(前年同期比4.1%増)、セグメント損失は3千5百万円(前年同期は1千2百万円の損失)となりました。

 

(2)財政状態の分析

第1四半期連結会計期間末における総資産は1,136億7千6百万円(前連結会計年度比0.6%減)となりました。これは主に、現金及び預金27億6千5百万円減少したことによります。

第1四半期連結会計期間末における負債は507億5千7百万円(前連結会計年度比4.1%減)となりました。これは主に、短期借入金23億1百万円減少したことによるものであります。

第1四半期連結会計期間末における純資産は629億1千9百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。これは主に、為替換算調整勘定12億5千万円増加したことによるものであります。

これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末の53.4%から55.0%となりました。

 

(3)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は14億2千6百万円であります。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。