第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間の国内は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され経済活動の正常化が進んだことや大企業を中心とした大幅な賃上げを背景に個人消費は回復傾向となりましたが、人件費や原材料価格・エネルギー価格の上昇、コロナ禍を契機としたライフスタイルの変化により当社グループの一部の事業運営に影響を与える状況となっております。

それ以外に、前事業年度の有価証券報告書に記載したリスクについて、「⑮継続企業の前提に関する重要事象等」を除き、重要な変更はありません。

 

重要事象等

当社グループは、2020年から続いた新型コロナウイルス感染症拡大の影響により利用客が大幅に減少したことを主な要因として売上高が著しく減少し、2020年8月期より前連結会計年度まで4期連続となる営業損失を計上いたしました。なお、2023年8月期においては、営業損失となりましたが、経常利益並びに親会社株主に帰属する当期純利益を計上いたしました。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大幅に減少したものの、主力のカラオケルーム運営事業では、ビジネス層による利用控えの回復遅れや深夜時間帯利用の減少となっており、また、娯楽の多様化によるカラオケ利用の減少も見受けられることから継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象及び状況が一部存在しております。

しかしながら、経済活動の正常化が一定期間に及んだことで、飲食事業ではコロナ禍前程度まで需要が回復しており、カラオケルーム運営事業でもコロナ禍前の需要までの回復には及ばないものの、例年並みの需要動向となったこと、コラボ店舗の業績が顕著に向上していること、店舗運営コストの効率化が図れたことなどにより、下期以降も業績の黒字化が見込める状況となっており、堅調な美容事業と相まって当社グループの業績は2024年8月期以降黒字化が見込める状況にあると認識しております。また、2024年3月に1,706百万円の返済期日が到来するタームローン契約については、2024年3月29日付で新たなタームローン契約(借換額1,600百万円、満期日2028年3月末)にて借換えを実施しております。

今後も新型コロナウイルス感染症による影響が減少する中、経済活動の正常化が続く限りにおいては、業績が好転する見込みであることから、現時点においては、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の概況

当第3四半期連結累計期間の国内は、経済活動の正常化が進み、個人消費やインバウンド需要が回復するなど景気は緩やかな回復基調となりました。一方、歴史的な円安が進んだことで原材料価格やエネルギー価格の高騰となり、経済の見通しは不透明な状況が続いております。

カラオケルーム運営事業におきましては、昨年の新型コロナウイルス感染症の行動制限緩和以降の一定のリバウンド需要が一巡したこと、コロナ禍を契機とした二次会や深夜時間帯の需要減少が続いていることから厳しい経営環境となっておりますが、ビジネス層の利用控えが緩和傾向となっております。

飲食事業におきましては、行動制限の緩和による経済活動の正常化に伴い客数は順調な回復傾向となっており、コロナ禍前の水準程度となっております。

美容事業におきましては、コロナ禍での事業活動への影響は少なく、引続き堅調な需要が維持されております。

なお、タームローン契約の借換え等におけるシンジケートローン契約の締結に係る手数料として68百万円を営業外費用として計上しております。

 これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高5,292百万円(前年同四半期比9.2%増)、経常利益14百万円(前年同四半期経常損失69百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失14百万円(前年同四半期親会社株主に帰属する四半期純利益14百万円)となりました。セグメントごとの業績は次のとおりです。

 

(カラオケルーム運営事業)

 当第3四半期連結累計期間におけるカラオケルーム運営事業の売上高は2,895百万円(前年同四半期比6.3%増)、セグメント利益は361百万円(前年同四半期セグメント利益157百万円)となりました。

個人消費の回復傾向に伴い年末年始の需要は例年通りとなり一定の業績となりましたが、昨年の行動規制緩和のリバウンド需要も一巡し、二次会利用や深夜時間帯利用の回復も遅れており、業績の回復スピードは鈍化しております。

しかしながら、アニメ・ゲ―ム等コンテンツとのコラボレーション企画による店舗は、引続き好調な業績で推移しており、全国の主要都市へ「コラボ特化型店舗」の積極的な出店を進めております。

 

比較可能な既存店※は35店舗で売上高は前年同四半期比107.7%となりました。

 

 

(飲食事業

 当第3四半期連結累計期間における飲食事業の売上高は910百万円(前年同四半期比25.7%増)、セグメント利益は44百万円(前年同四半期比15.1%増)となりました。

飲食事業は、子会社である株式会社直久が運営する「直久」をブランドとしたラーメン店舗(直営8店舗、FC6店舗、業務受託1店舗)を主力とするほか、「赤から」、「京都勝牛」、「福包酒場」を運営しております。

当事業においては、日常的な外食活動がコロナ禍前程度まで回復したことや旺盛なインバウンド需要もあり、堅調な業績推移となりました。

比較可能な直営・既存店※は7店舗・3事業所で売上高は前年同四半期比105.3%となりました。

 

(美容事業

 当第3四半期連結累計期間における美容事業の売上高は1,302百万円(前年同四半期比3.0%増)、セグメント利益は79百万円(前年同四半期比21.6%減)となりました。

美容事業は、中京エリアを商圏とする株式会社Rich to(10店舗)と首都圏エリアを商圏とするビアンカグループ(45店舗)により運営しております。

当事業では、コロナ禍でも堅調な業績を続けておりました。引続き、当事業の最重要事業戦略であるスタイリストの採用・教育に積極的に取り組むとともに出店戦略を推進し、事業拡大を進めております。

なお、新卒採用としては、昨年度85名、当年度64名となっております。

一方、経済活動の正常化と物価高を反映し、テナント契約の更新に伴い固定費であるテナント賃料が上昇傾向にあり、業績の下押しとなりつつあることから、利益重視の効率的な事業運営を進めております。

比較可能な既存店※は46店舗で売上高は前年同四半期比96.9%となりました。

 

(メディア・コンテンツ企画)

 当第3四半期連結累計期間におけるメディア・コンテンツ企画の売上高は50百万円(前年同四半期比12.5%減)、セグメント利益は42百万円(前年同四半期比12.3%減)となりました。

「カラオケの鉄人モバイル」サイトを中心に運営を行っておりますが、フィーチャーフォンからスマートフォンへの乗換えが進み減収・減益となっております。

 

(その他)

 当第3四半期連結累計期間におけるその他の売上高は134百万円(前年同四半期比78.0%増)、セグメント損失は94百万円(前年同四半期セグメント損失89百万円)となりました。

2022年3月より新事業の試みとして開始したゲームコミュニケーション事業(通称eスポーツ事業)については、引続き「TZ Game Labs」の名称でゲームイベントの企画・運営等を実施いたしました。

また、地方自治体主催のeスポーツイベントに対する企画・運営受託を実施いたしました。

 

※ 比較可能な既存店とは、営業開始後12ヶ月を経過して営業を営んでいる店舗で前年対比が可能なものをいいます。

 

(2) 財政状態の概況

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における総資産は前連結会計年度末に比較して86百万円減少し、4,235百万円となりました。流動資産は1,541百万円となり27百万円減少いたしました。主な要因は、売掛金が53百万円増加したものの、現金及び預金が57百万円、商品及び製品が4百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は2,693百万円となり59百万円減少いたしました。主な要因は、建物及び構築物をはじめとした有形固定資産が44百万円増加したものの、カラオケ店舗の撤退に伴い差入保証金が83百万円減少とビアンカグループに係る「のれん」が償却により24百万円減少したこと等によるものであります。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債は前連結会計年度末に比較して64百万円減少し、4,037百万円となりました。流動負債は1,968百万円となり919百万円減少いたしました。主な要因は、短期借入金が600百万円増加したものの、1年内返済予定の長期借入金が1,605百万円、資産除去債務が29百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は2,068百万円となり855百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金が840百万円増加したこと等によるものであります。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は前連結会計年度末に比較して22百万円減少し、197百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定が6百万円、当第3四半期純利益による利益剰余金14百万円の減少によるものであります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 資本の財源及び資金の流動性について基本的な考え方に変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当社は、2024年3月22日開催の取締役会において、既存借入金のリファイナンス、子会社が事業運営する店舗設備資金並びに事業運転資金を目的としたシンジケートローン契約を締結いたしました。

 

1.当該契約の内容

   (タームローン契約)

 (1)トランシェA

 本契約は、2024年3月末日に返済期日が到来するタームローン契約のリファイナンス(借換え)を目的として実施いたします。

 

組成金額

1,600 百万円

契約形態

タームローン

契約締結日

2024年3月27日

実行日

2024年3月29日

借入期間

4年

適用利率

基準金利+スプレッド

担保・保証

無担保

完全子会社9社の連帯保証

財務制限情報

   連結貸借対照表における純資産の部の金額を直前期末又は2023年8月期末の金額のいずれか大きい方の75%以上に維持すること。

     連結の損益計算書上の経常損益につき2期連続で損失を計上しないこと。

アレンジャー

株式会社横浜銀行

エージェント

株式会社横浜銀行

参加金融機関

株式会社横浜銀行、株式会社りそな銀行、

株式会社商工組合中央金庫、株式会社日本政策金融公庫

 

 

 (2)トランシェB

 本契約は、子会社が事業運営する店舗の新設並びに改修等を目的として実施いたします。

 

組成金額

500 百万円

契約形態

分割実行期間付きタームローン

契約締結日

2024年3月27日

実行日

2024年4月5日~2025年3月31日(予定)

(適時にて実行、最大10回まで)

借入期間

8年

適用利率

基準金利+スプレッド

担保・保証

無担保

完全子会社9社の連帯保証

財務制限情報

    連結貸借対照表における純資産の部の金額を直前期末又は2023年8月期末の金額のいずれか大きい方の75%以上に維持すること。

     連結の損益計算書上の経常損益につき2期連続で損失を計上しないこと。

アレンジャー

株式会社横浜銀行

エージェント

株式会社横浜銀行

参加金融機関

株式会社横浜銀行、株式会社りそな銀行、

株式会社商工組合中央金庫

 

 

2.当該契約の損益及び連結損益に与える影響額

 当該契約の発生により、2024年8月期において、アレンジメントフィー等を営業外費用として計上いたします。

 

アレンジメントフィー等   70,650千円

 

 

当社は、2024年3月27日開催の取締役会において、コミットメントライン契約の実行による借入と既存借入金の期限前弁済の実施いたしました。

 

1.当該契約の内容

(1)コミットメントライン契約の実行による資金の借入

 借入の目的

 既存借入金の一部を期限前弁済することを目的として、2024年3月27日締結のコミットメントライン契約を実行した資金の借入を行うものです。

 借入の概要

 

借入先

株式会社横浜銀行、株式会社商工組合中央金庫

借入金額

600 百万円

契約形態

コミットメントライン

契約締結日

2024年3月27日

実行日

2024年3月29日

借入期間

2年、2026年3月31日

適用利率

基準金利+スプレッド

担保・保証

無担保

完全子会社9社の連帯保証

 

 

(2) 既存借入金の期限前弁済

 期限前弁済の目的

 年間の返済金額を緩和させることを目的として、既存借入金の一部の期限前弁済を行うものです。

 期限前弁済の概要

 

借入先

株式会社横浜銀行

借入金額

178.6 百万円

契約形態

タームローン

契約締結日

2022年10月19日

借入期間

5年、2027年9月30日

適用利率

基準金利+スプレッド

期限前弁済実行日

2024年3月29日

 

 

借入先

株式会社商工組合中央金庫

借入金額

154.4 百万円

契約形態

タームローン

契約締結日

2020年10月15日

借入期間

10年、2030年9月30日

適用利率

1.53%(固定)

期限前弁済実行日

2024年3月29日

 

 

2.当該契約の業績に与える影響額

 上記既存借入金の一部の期限前弁済により、2024年8月期における借入金の元金返済額が36.6百万円、2025年8月期~2027年8月期における借入金の元金返済額が各期73.2百万円、2028年8月期以降の借入金の元金返済額が76.8百万円減少致します。