第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費の持ち直しに足踏みがみられるものの雇用や所得環境が改善する中で緩やかに回復しております。しかしながら、世界的な金融引締めに伴う影響や不安定な国際情勢、為替相場の変動や物価高騰などにより、先行きについては依然として不透明な状況が続いております。

また、当社グループでは、中国や東南アジアから日本への輸入貨物の取扱いが多くを占めておりますが、円安の環境下で輸入コストも増大しており、輸入サイドにとって不利な状況が継続しております。

このように厳しい経営環境が続いておりますが、当社グループでは、ここ二年で減少が続いていたコンテナ取扱量、通関受注件数をグループが一丸となり回復させて、収益の拡大を図るべく、主力である国際貨物輸送を始め、通関や配送の受注獲得に向けて営業活動を精力的に行ってまいりました。また、検品・検針・加工業務といった輸出入の付帯業務や3PL(サードパーティー・ロジスティクス)案件の受注増加にも努め、さらには、子会社でも当社同様のデジタルサービスを提供するなどし、競争優位性をさらに高めるためのデジタル戦略を推進してまいりました。

当第1四半期連結累計期間では、円安等の影響もあり、市場全体での荷動きが未だ力強さを欠く状況にありましたが、当社グループでは、前述の取り組みが奏功し、日本への輸入貨物の取扱数量が前年同期比で増加することとなりました。また、円安の環境下において、日本からの輸出貨物の集荷にも注力してまいりました。

しかしながら、当第1四半期連結累計期間の運賃水準は、前年同期と比較して低く、その結果、運賃低下による収益の減少を、取扱数量の増加や円安による収益増加で補うまでには至らず、営業収益は減少することとなりました。

利益面においては、前年同期と比較して運賃水準の下落等により営業原価が抑制されたことで売上総利益率は改善し、さらには、給与のベースアップによる人件費の増加等により、費用が増加基調にある中、継続しての見直しや削減、抑制も行いながら、可能な限りの利益創出に努めてまいりました。

これらの結果、当第1四半期連結累計期間の営業収益は12,879百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は1,143百万円(前年同期比0.7%減)、経常利益は1,184百万円(前年同期比1.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は761百万円(前年同期比0.6%減)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次の通りであります。

 

①日本

当第1四半期連結累計期間では、前連結会計年度での一年を通じた海上運賃の下落の影響から、前年同期と比較して運賃に価格差があり、且つ円安の進行も重なり、厳しい環境下にありましたが、当社グループは、収益の拡大に向けて、新規顧客の獲得に注力するとともに既存顧客の取引深耕を図るため、精力的に営業活動を展開してまいりました。

それにより、海上輸送の取扱コンテナ本数は、輸入で59,078TEU(前年同期比1.9%増)と前年同期を上回り、また、円安の状況下で輸出貨物の集荷にも注力し、輸出で4,769TEU(前年同期比33.0%増)と堅調な伸びとなりました。その結果、輸出入合計では63,847TEU(前年同期比3.7%増)となりました。なお、通関受注件数は、35,102件(前年同期比0.2%増)と前年同期と同水準となりました。

以上のことから、日本における営業収益は、主に海上輸送における運賃の価格差の影響で10,984百万円(前年同期比3.9%減)となり、セグメント利益は937百万円(前年同期比5.2%減)となりました。

②中国

貨物の出荷時期の調整等が影響し、本年3月単月での日本向け貨物の取扱量が大きく減少したことで、中国国内での輸送関連の収益機会が減り、加えて、検品・検針の受注も厳しい環境が継続しております。その結果、現地通貨ベースでの営業収益は低調な推移となりましたが、円安に伴う円貨換算額の増加がプラス要素となり、中国における営業収益は1,504百万円(前年同期比1.8%増)となりました。また、売上総利益率の改善と費用の削減、抑制に取り組み、セグメント利益は144百万円(前年同期比32.4%増)となりました。

 

③その他

ベトナムの子会社では、日本向け貨物の取扱いが回復傾向にあり、台湾の子会社でも、日本からの輸入貨物の増加等により収益機会が増加しました。また、ミャンマーの子会社では、輸送関連の収益が安定的に確保出来ており、検品・検針の受注も堅調に推移しました。加えて、円安に伴う円貨換算額の増加も追い風となって、営業収益は390百万円(前年同期比28.0%増)、セグメント利益は61百万円(前年同期比13.2%増)となりました。

 

(注)TEU(Twenty-foot Equivalent Unit、20フィートコンテナ換算)とは、海上コンテナの数量を表す単位で、20フィートコンテナ1個分を1TEUと計算します。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ515百万円増加し24,382百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ595百万円増加し20,563百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が433百万円、立替金が178百万円増加したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ79百万円減少し3,818百万円となりました。これは主に、顧客関連資産が65百万円、のれんが27百万円減少した一方で、投資有価証券が57百万円増加したことによるものであります。

(負債)

当第1四半期連結会計期間末における負債総額は、前連結会計年度末に比べ428百万円増加し6,452百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ476百万円増加し4,586百万円となりました。これは主に、買掛金が508百万円増加した一方で、未払法人税等が325百万円減少したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ48百万円減少し1,865百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が48百万円減少したことによるものであります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ87百万円増加し17,930百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が207百万円増加したことによるものであります。また、親会社株主に帰属する四半期純利益761百万円を計上した一方で、剰余金の配当により939百万円が減少したことによるものであります。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。