独立監査人の四半期レビュー報告書

 

 

2024年5月15日

株式会社 グ ッ ド ス ピ ー ド

取締役会 御中

 

有限責任中部総合監査法人

愛知県名古屋市

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

堀江 将仁

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

藤井 正之

 

結論の不表明

 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、「経理の状況」に掲げられている株式会社グッドスピードの2023年10月1日から2024年9月30日までの連結会計年度の第2四半期連結会計期間(2024年1月1日から2024年3月31日まで)及び第2四半期連結累計期間(2023年10月1日から2024年3月31日まで)に係る四半期連結財務諸表、すなわち、四半期連結貸借対照表、四半期連結損益計算書、四半期連結包括利益計算書、四半期連結キャッシュ・フロー計算書及び注記について四半期レビューを行った。

 当監査法人が実施した四半期レビューにおいて、上記の四半期連結財務諸表が、「結論の不表明の根拠」に記載した事項の四半期連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響の重要性に鑑み、株式会社グッドスピード及び連結子会社の2024年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する第2四半期連結累計期間の経営成績を適正に表示していないと信じさせる事項が全ての重要な点において認められなかったかどうかについての結論を表明しない。

 

結論の不表明の根拠

 追加情報に記載されているとおり、2023年8月31日に金融庁が前任監査人に対して、金融庁の公益通報窓口に「会社が売上の先行計上の不正を行っている。」という通報があったことを伝えたことを契機に、前任監査人は会社に対して、第三者調査委員会による事実関係の調査、原因の究明及び再発防止策の提案を受けることが必要である旨の提言を行い、これを受けて会社が社内で対応を検討した結果、2023年10月6日に第三者調査委員会を設置し、2024年1月4日に第三者調査委員会の調査報告書を受領した。会社は、当該調査結果等を受け、遅延していた2023年9月期の有価証券報告書を2024年3月29日に提出し、過去に提出済みの連結財務諸表の訂正を行っている。

 これらの状況を受け、後述の「その他の事項」で強調するとおり、前連結会計年度の前任監査人の会計監査においては、監査計画の見直しを行い、売上高を含め全ての勘定科目の重要な虚偽表示リスクを再評価し監査手続を実施したものの、監査手続の実施にあたって多くの制約があり、十分かつ適切な監査証拠を入手できなかった。特に、売上高の大部分を占める車両売上の売上計上時期の適切性に係る実証手続においては、収益認識時点である引渡日が記載された外部証憑である車両納品確認書が偽造されていたため、車両納品確認書以外の代替的な外部証憑による突合や会社の顧客への確認手続を実施したが、十分かつ適切な監査証拠を入手できなかった。そのため、売上高及び関連する勘定科目に対する影響を算出することは困難であることから、前任監査人の意見は、意見不表明となった。

 当監査法人は、前任監査人の指摘を踏まえ、期首残高を含めた当連結会計年度の第2四半期連結財務諸表ついての潜在的な虚偽表示の存否を検討するために、第三社調査委員会の調査や前任監査人の監査状況を検討の上、当連結会計年度の第2四半期連結累計期間への影響を慎重に検討した。

 当第2四半期連結累計期間においては、前任監査人の意見不表明の原因となった車両売上の売上計上時期の適切性について、収益認識時点である引渡日が記載された外部証憑である車両納品確認書が、当第2四半期連結累計期間に係る期首及び期末時点においても偽造されている可能性が払拭できず、証憑類の信頼性に疑義を抱いたため、車両納品確認書以外の代替的な外部証憑の入手及び売上計上までの業務プロセスの確認を試みた。

 まず、当第2四半期連結累計期間に係る売上高及び期首並びに期末売上債権残高の検証のため、前連結会計年度末日及び当第2四半期連結会計期間の末日から一定の期間の車両販売全件に対して、車両の販売に係る基幹システムのデータ及び、入金日付、信販明細書日付、契約書日付、車検証購入者登録日付、任意保険加入日付等との整合性の検証をし、車両納品確認書以外の代替的な外部証憑を入手しようとしたものの、客観的な記録が会社に整備されておらず、引渡日を確定させるに足る客観的な証拠が入手できず、十分かつ適切な監査証拠は入手できなかった。

 また、売上計上に係る業務プロセスに関して、システム化された処理手順等が定められているものの、売上計上時における各店舗及び管理部門による金額及び計上時期に係る車両納品確認書との整合性の確認及び承認を行う内部統制が有効に機能していない状況となっていた。

 そのため、売上高及び関連する勘定科目に対する影響を算出することは困難であることから、当監査法人は、上記の四半期連結財務諸表において未発見の虚偽表示がもしあるとすれば、それが上記の四半期連結財務諸表に及ぼす可能性のある影響は重要かつ広範であると判断した。

 以上の結果、当監査法人は、会社の当連結会計年度の第2四半期連結会計期間及び第2四半期連結累計期間における四半期連結財務諸表に対して結論を表明する根拠となる十分かつ適切な証拠を入手することができず、四半期連結財務諸表に何らかの修正が必要かどうかについて判断することができなかった。

 

継続企業の前提に関する重要な不確実性

 継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、前連結会計年度以前より継続して営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、また、当第2四半期連結累計期間においても、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上していることから、債務超過の状況にある。この結果、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。なお、当該事象又は状況に対する対応策及び重要な不確実性が認められる理由については当該注記に記載されている。四半期連結財務諸表は継続企業を前提として作成されており、このような重要な不確実性の影響は四半期連結財務諸表に反映されていない。

 当該事項は、当監査法人の結論に影響を及ぼすものではない。

 

強調事項

 重要な後発事象に記載されているとおり、会社は、2024年3月1日開催の取締役会において、株式会社宇佐美鉱油による会社の普通株式及び新株予約権に対する公開買付けに関して、第1回の本公開買付けについては、応募するか否かは中立の立場をとり、会社の株主及び本新株予約権者の判断に委ねるとともに、第2回の本公開買付けについては、賛同の意見を表明するとともに、本公開買付けに応募するか否かは、会社の株主には応募することを推奨し、本新株予約権者については本新株予約権者の判断に委ねることを決議した。

 当該事項は、当監査法人の結論に影響を及ぼすものではない。

 

その他の事項

 会社の2023年3月31日をもって終了した前連結会計年度の第2四半期連結会計期間及び第2四半期連結累計期間に係る四半期連結財務諸表並びに前連結会計年度の連結財務諸表は、それぞれ、前任監査人によって四半期レビュー及び監査が実施されている。前任監査人は、当該四半期連結財務諸表に対して2024年3月29日付けで結論の不表明としており、また、当該連結財務諸表に対して2024年3月29日付けで意見不表明としている。

 

四半期連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任

 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に準拠して四半期連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない四半期連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

 四半期連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき四半期連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期連結財務諸表の作成基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

 監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

四半期連結財務諸表の四半期レビューにおける監査人の責任

 監査人の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる四半期レビューの基準に準拠して実施した四半期レビューに基づいて、四半期レビュー報告書において独立の立場から四半期連結財務諸表に対する結論を表明することにある。

 しかしながら、本報告書の「結論の不表明の根拠」に記載されているとおり、当監査法人は四半期連結財務諸表に対する結論の表明の基礎となる証拠を入手することができなかった。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。

 

利害関係

 会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

 

 

 

以 上

 

 (注)1.上記の四半期レビュー報告書の原本は当社(四半期報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは四半期レビューの対象には含まれていません。

 

E34819-000 2024-06-25