【連結財務諸表注記】
1.報告企業
株式会社ジーニー(以下「当社」という。)は日本に所在する株式会社であります。その登記されている本社及び主要な事業所の住所は当社のウェブサイト(https://www.geniee.co.jp)で開示しております。当社の連結財務諸表は、2024年3月31日を期末日とし、当社及びその子会社(以下「当社グループ」という。)により構成されております。
当社グループの事業内容及び主要な活動は、注記「6.セグメント情報」に記載しております。
本連結財務諸表は、2024年6月28日に取締役会によって承認されております。
2.作成の基礎
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
当社グループの連結財務諸表は、注記「3.重要性がある会計方針」にて別途記載している場合を除き、取得原価を基礎として作成しております。
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、千円未満を切り捨てして表示しております。
当社グループは、当連結会計年度より、以下の基準を適用しております。
上記基準書の適用による連結財務諸表への重要な影響はありません。
3.重要性がある会計方針
当社グループの重要性がある会計方針は次のとおりであり、他の記載がない限り、連結財務諸表が表示されている全ての期間について適用しております。
子会社とは、当社グループにより支配されている企業であります。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しております。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。子会社の決算日が当社の決算日と異なる場合には,連結決算日現在で実施した仮決算に基づく子会社の財務数値を用いております。
当社グループ会社間の債権債務残高及び取引高、並びに当社グループ会社間取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成にあたり消去しております。
子会社の包括利益は、たとえ非支配持分が負の残高になる場合であっても、原則として親会社の所有者に帰属する持分と非支配持分に配分しております。
支配が継続する子会社に対する当社グループの持分変動は、資本取引として会計処理しております。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しております。
取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社グループが発行する持分金融商品の取得日の公正価値の合計として測定しております。当社グループが移転した企業結合の対価に、条件付対価契約から生じる資産又は負債が含まれる場合、条件付対価は、取得日の公正価値で測定され、移転した企業結合の対価の一部として含まれます。
取得対価が識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、のれんとして認識しております。反対に下回る場合には、差額を純損益として認識しております。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が生じた連結会計年度末までに完了していない場合は、完了していない項目を暫定的な金額で報告しております。測定期間中、取得日時点で存在し、それを知っていたならば取得日時点で認識した金額の測定に影響したであろう事実及び状況について入手した新しい情報を反映するために、取得日時点で認識した暫定的な金額を遡及修正しております。測定期間は1年を超えない期間であります。
仲介手数料、助言、法律、会計、評価、その他の専門家又はコンサルティングの報酬等の取得関連コストは、発生してサービスが提供された期間に費用として処理しております。
外貨建取引は取引日の為替レートで機能通貨に換算しております。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。
換算又は決済により生じる換算差額は、純損益として認識しております。
在外営業活動体の資産及び負債については期末日の為替レート、収益、費用及びキャッシュ・フローについては対応する期間の平均為替レートを用いて表示通貨に換算しております。在外営業活動体の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益として認識されます。
当社グループは、金融資産について、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、償却原価で測定する金融資産に分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
当社グループは、金融資産に関する契約の当事者となった取引日に当該金融商品を認識しております。
すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される場合を除き、公正価値に取引コストを加算した金額で測定しております。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取引コストは、純損益で認識しております。
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しております。
公正価値で測定する金融資産のうち、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益で表示するという取消不能の選択をした資本性金融資産につきましては、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
償却原価で測定する金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価により測定しております。
(b)公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動額は、純損益として認識しております。ただし、資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識しております。なお、当該金融資産からの配当金については、金融収益として当期の純損益に認識しております。
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合において、金融資産の認識を中止しております。当社グループが、移転した当該金融資産に対する支配を継続している場合には、継続的関与を有している範囲において、資産と関連する負債を認識しております。
償却原価で測定する金融資産については、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。当社グループは、期末日ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを評価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。一方で、当初認識時点から信用リスクが著しく増加している場合には、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しております。
信用リスクが著しく増加しているか否かの評価を行う際には、期日経過情報のほか、当社グループが合理的に利用可能かつ裏付け可能な情報を考慮しております。
なお、金融資産に係る信用リスクが期末日現在で低いと判断される場合には、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していないと評価しております。
予想信用損失は、契約に従って企業に支払われるべきすべての契約上のキャッシュ・フローと、企業が受け取ると見込んでいるすべてのキャッシュ・フローとの差額の現在価値として測定しております。
当社グループは、金融資産の予想信用損失を、以下のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
著しい景気変動等の影響を受ける場合には、上記により測定された予想信用損失に、必要な調整を行うこととしております。
当社グループは、ある金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しております。貸倒引当金を減額する事象が生じた場合は、貸倒引当金戻入額を純損益で認識しております。
当社グループは、金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
当社グループは、金融負債に関する契約の当事者になった時点に当該金融商品を認識しております。
すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引コストを控除した金額で測定しております。
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債の公正価値の変動額は、純損益として認識しております。
(b)償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債については、実効金利法による償却原価により測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融費用の一部として当期の純損益として認識しております。
金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しております。
金融資産及び金融負債は、当社グループが残高を相殺する法的権利を有し、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
デリバティブは、デリバティブ契約が締結された日の公正価値で当初認識され、当初認識後は各連結会計年度末日の公正価値で再評価されます。
当社グループは、認識されている金融資産と負債及び将来の取引に関するキャッシュ・フローを確定するため、先物為替予約を利用しております。また、変動金利借入金の金利変動リスクを低減するため、金利スワップを締結しております。
なお、上記デリバティブについては、ヘッジ会計の適用となるものはありません。
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
有形固定資産の認識後の測定については、原価モデルを採用しており、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連するコスト及び資産の原状回復費用が含まれております。
各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、主として定額法で計上しております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 8~21年
・工具器具及び備品 3~15年
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各連結会計年度末日に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
処分時又は継続した資産の使用から将来の経済的便益が期待できなくなった時点で、有形固定資産の認識を中止しております。有形固定資産の認識の中止から生じる利得又は損失は、処分対価と帳簿価額との差額として算定され、純損益として認識しております。
当初認識時におけるのれんの測定については、注記「3.重要性がある会計方針(2) 企業結合」に記載しております。のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除して測定しております。のれんの償却は行わず、年1回及び減損の兆候が存在する場合には減損テストを実施し、該当する場合は減損損失を認識しております。なお、のれんの減損損失の戻し入れは行いません。
無形資産については、原価モデルを採用し、無形資産を取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で償却しております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウエア 5年
なお、見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各連結会計年度末日に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
契約開始時、その契約がリースであるか否か、又は契約にリースが含まれているか否かについては、法的にはリースの形式をとらないものであっても、契約の実質に基づき判断しております。
借手としてのリース取引について、リース開始日に、リース負債を未払リース料の現在価値で、使用権資産をリース負債の当初測定額に当初直接コスト等を加えた額で測定しております。
使用権資産は、見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い方の期間にわたって定額法により減価償却しております。リース料は、利息法に基づき、金利費用とリース負債の返済額とに配分しております。金利費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。
ただし、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しております。
当社グループの非金融資産については、各報告期間の末日現在ごとに資産が減損している可能性を示す兆候の有無を検討しております。そのような減損の兆候のいずれかが存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積もっております。のれんについては、年1回及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、回収可能価額を見積もっております。
個別資産又は資金生成単位の回収可能価額は、個別資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額とされます。使用価値の算定においては、将来キャッシュ・フローの見積りは、貨幣の時間価値及び当該資産固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引きます。個別資産の回収可能価額の見積りが可能でない場合は、当該資産を含み、他の資産又は資産グループからのキャッシュ・インフローからおおむね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資産グループである資金生成単位について、回収可能価額を見積もります。のれんの減損テストを行う際には、のれんが配分される資金生成単位を、のれんが関連する最小の単位を反映して減損がテストされるように統合しております。のれんは、企業結合のシナジーから便益を得ることが期待される資金生成単位に配分しております。全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを発生させないため、全社資産が減損している可能性を示す兆候がある場合は、全社資産が属する資金生成単位について回収可能価額を算定しております。
減損損失は、個別資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に、純損益として認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額し、次に、当該資金生成単位内の各資産の帳簿価額に基づいた比例按分によって当該資産の帳簿価額を減額するように配分しております。
のれん以外の資産について過去に認識した減損損失は、連結会計年度末日において、もはや存在しないか又は減少している可能性を示す兆候の有無を検討しております。回収可能価額の算定に用いた見積りに変更があった場合は、減損損失を戻し入れております。この場合には、減損損失がなかったとした場合の(償却又は減価償却控除後の)帳簿価額を超えない金額を上限として、純損益として戻し入れております。
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。賞与については、当社グループが、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつその金額を、信頼性をもって見積もることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積もられる額を負債として認識しております。有給休暇については、将来の有給休暇の権利を増加させる勤務を従業員が提供した時点で負債として認識しております。
確定給付型年金制度に関連する債務額は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産を控除した金額で認識しております。当該確定給付制度債務の現在価値及び勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定されております。数理計算上の仮定には、割引率等様々な変数についての見積り及び判断が求められます。
確定給付制度債務の現在価値は、毎年、年金数理人によって予測単位積増方式を用いて算定しております。この算定に用いる割引率は、将来の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の国債の利回りに基づいております。
数理計算上の差異は、発生時に即時にその他の包括利益として認識し、過去勤務費用及び清算損益は純損益として認識しております。
数理計算上の仮定は、将来の不確実な経済条件の変動の結果や関連法令の改正・公布によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において、確定給付制度債務の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、株式報酬制度として、持分決済型の株式報酬制度を導入しております。
① 持分決済型のストック・オプション
当社グループは、取締役及び従業員に対するインセンティブ制度として持分決済型のストック・オプション制度を導入しております。株式報酬の付与日における公正価値は、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり、人件費として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、モンテカルロ・シミュレーション等を用いて算定しております。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しております。
② 持分決済型の株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託
当社グループは、当社グループ会社の従業員へのインセンティブプランとして、持分決済型の株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託を導入しております。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値を参照して測定しており、付与時に費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
③ 持分決済型の株式付与信託(RS交付型)
当社グループは、当社グループ会社の執行役員へのインセンティブプランとして、持分決済型の株式付与信託(RS交付型)を導入しております。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値を参照して測定しており、付与時に費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
貨幣の時間価値の影響が重要な場合には、引当金額は債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で測定しております。現在価値の測定には、将来キャッシュ・フローの発生期間に応じた税引前の無リスクの割引率を使用しており、引当対象となる事象発生の不確実性については、将来キャッシュ・フローの見積りに反映しております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。
資産除去債務
賃借契約終了時に原状回復義務のある賃借物件の原状回復費用見込額について、各物件の状況を個別に勘案して将来キャッシュ・フローを見積り、計上しております。
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行コスト(税効果考慮後)は資本剰余金から控除しております。
自己株式は取得原価で評価し、資本から控除しており、自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失を純損益として認識しておりません。なお、帳簿価額と処分時の対価との差額は資本剰余金として認識しております。
当社グループは、IFRS第9号「金融商品」に基づく金融収益を除き、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務の充足時に又は充足するにつれて収益を認識する
・広告プラットフォーム事業
広告プラットフォーム事業では、WEBサイトやスマートフォンアプリ上に、各々の閲覧者に合った広告を瞬時に選択し表示させる技術(アドテクノロジー)を使って、インターネットメディアや広告主の広告収益や効果を最大化させるプラットフォームを提供しております。広告プラットフォーム事業については、主に広告配信時に履行義務を充足したと判断し、同時点で収益を認識しております。また、代理人取引に該当すると判断した場合には、他の当事者が提供する財又はサービスと交換に受け取る額から当該他の当事者に支払う額を控除した純額を収益として認識しております。取引の対価は、履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
・マーケティングSaaS事業
マーケティングSaaS事業では、企業のマーケティング活動の支援を目的としたBtoB向けSaaSプロダクトを提供しております。マーケティングSaaS事業については、主にサービスの提供期間に応じて一定期間にわたって収益を認識しております。取引の対価は、履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
・海外事業
海外事業では、インターネットメディア向けの「GENIEE SSP」をはじめとした広告プラットフォーム事業を中心に展開しております。海外事業については、主に広告配信時に履行義務を充足したと判断し、同時点で収益を認識しております。取引の対価は、履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
金融収益には、主に受取利息、為替差益、純資産を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等から構成されております。受取利息は実効金利法により発生時に認識しております。
金融費用には、主に支払利息、為替差損、純資産を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等から構成されております。支払利息は実効金利法により発生時に認識しております。
法人所得税費用は、当期税金費用及び繰延税金資産及び負債の変動である繰延税金費用から構成されております。これらは、企業結合に関するもの、及び直接資本又はその他の包括利益に認識する項目を除き、純損益として認識しております。
当期税金費用は、当期の課税所得について納付すべき税額で測定しております。これらの税額は期末日において制定、又は実質的に制定されている税率に基づき算定しております。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異等に対して認識しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金や繰越税額控除のような、将来の税務申告において税負担を軽減させるものについて、それらを回収できる課税所得が生じる可能性の高い範囲内で認識しております。一方、繰延税金負債は、将来加算一時差異に対して認識しております。ただし、以下の一時差異に対して繰延税金資産又は繰延税金負債を認識しておりません。
(ア)のれんの当初認識から生じる一時差異
(イ)取引時に、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えず、かつ、同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異と生じさせない取引(企業結合取引を除く)によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
(ウ)子会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
子会社に係る将来減算一時差異については、当該将来減算一時差異が予測し得る期間内に解消し、使用解消となる課税所得が稼得される可能性が高い範囲でのみ繰延税金資産を認識しております。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得による繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識されます。
繰延税金資産及び負債は、期末日において制定、又は実質的に制定されている法人所得税法令に基づいて、繰延税金資産が回収される期又は繰延税金負債が決済される期に適用されると見込まれる税率に基づいて算定しております。
繰延税金資産及び負債は、当社グループが当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、又はこれら税金資産及び税金負債が同時に実現することを意図している場合には、相殺して表示しております。
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した加重平均普通株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位であります。全ての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分の決定及び業績の評価を行うために、当社の取締役会が定期的に検討しております。
4.重要な会計上の見積り及び判断
当社グループは、連結財務諸表の作成において、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかしながら、その性質上、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間及び将来の期間において認識しております。
当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の判断、見積り及び仮定に関する主な情報は、以下のとおりであります。
・金融商品の公正価値(注記「3.重要性がある会計方針(4) 金融商品」及び注記「33.金融商品」)
・のれんの減損(注記「3.重要性がある会計方針(7) のれん」及び注記「14.非金融資産の減損」)
・非金融資産の減損(注記「3.重要性がある会計方針(10) 非金融資産の減損」)
5.未適用の新基準
連結財務諸表の承認日までに以下の基準書及び解釈指針の新設又は改訂が公表されておりますが、当社グループはこれらを早期適用しておりません。適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
6.セグメント情報
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、商品・サービス別の事業本部及び子会社を置き、各事業本部及び子会社は、サービスの向上と売上及び利益の拡大を目指し、国内外で事業活動を展開しております。
したがって、当社グループは、事業本部及び子会社を基礎としたサービス別のセグメントから構成されており、「広告プラットフォーム事業」、「マーケティングSaaS事業」、「海外事業」の3つを報告セグメントとしております。
各セグメントに属するサービスの内容は、以下のとおりであります。
報告セグメントの利益は、営業利益であります。セグメント間の売上収益は、市場実勢価格に基づいております。
調整額には、各報告セグメントに帰属しない「その他の収益」と「その他の費用」及び各報告セグメントに配分していない全社費用が含まれています。全社費用は、主に各報告セグメントに帰属しない一般管理費です。なお、セグメント資産及び負債については、経営資産の配分の決定及び業績評価するための検討対象とはなっていないため記載しておりません。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) セグメント利益の調整額△131,551千円には、主に各報告セグメントに帰属しない「その他の収益」1,683,262千円と「その他の費用」361,912千円及び各報告セグメントに配分していない全社費用1,443,916千円が含まれております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) セグメント利益の調整額△1,122,560千円には、主に各報告セグメントに帰属しない「その他の収益」676,223千円と「その他の費用」23,321千円及び各報告セグメントに配分していない全社費用1,790,627千円が含まれております。
セグメント利益から税引前利益への調整表
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
外部顧客への売上収益
(注) 売上収益は、販売仕向先の所在地によっております。
非流動資産
本邦に所在している非流動資産の金額が連結財政状態計算書の非流動資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。
(注)1.Google Asia Pacific Pte.Ltd.等の各社に対する売上収益が含まれております。
2.LINEヤフー株式会社の取引金額は、2023年10月1日にLINE株式会社とヤフー株式会社が吸収合併したため、前連結会計年度における金額はヤフー株式会社との取引金額となっており、当連結会計年度における金額はLINE株式会社、ヤフー株式会社及びLINEヤフー株式会社の取引の合算表示となっております。
3.上記顧客の販売実績金額は、売上原価を売上収益から控除する方法(純額表示)にて記載を行っております。
7.企業結合
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
被取得企業の名称:Hypersonic株式会社
事業の内容:ランディングページを高速化し、コンバージョン率の改善をサポートするプラットフォーム「Hypersonic」の企画・運営
株式会社Green Creationの運営するランディングページ表示高速化のSaaS型事業を譲渡したHypersonic株式会社の全株式を取得し、当社の完全子会社とすることで、広告プラットフォーム事業やマーケティングSaaS事業の「GENIEE CHAT」「CATS」において、それぞれの重点領域であるEC顧客(D2C)に対し、対象会社の有する「Hypersonic」により顧客離脱を防止しつつ、「GENIEE CHAT」でのコンバージョン率改善や「CATS」での広告の効果計測や分析レポートの提供ができるため、顧客に対しシームレスな価値提供して行くことが可能になります。これにより、マーケティングの総合的なワンプラットフォーム構想の確立を加速化させ、当社グループの更なる成長につなげていくことを目的として企業結合を行っております。
2022年7月1日
現金を対価とする株式取得
100%
当該企業結合に係る取得関連費用は2,500千円であり、すべて連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上しております。
(注) 1.取得した営業債権の公正価値は3,293千円です。
2.のれんの主な内容は個別に認識要件を満たさない、取得から生じることが期待される既存事業とのシナジー効果と超過収益力であります。なお、のれんについて、税務上損金算入を見込んでいる金額はありません。
条件付対価は、被取得企業の業績に応じて変動する支払契約であり、支払額の上限は30,000千円です。
取得日以降に被取得企業から生じた売上収益及び当期利益は、重要性が乏しいため記載を省略しております。また、当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の損益情報は、連結財務諸表に与える影響額に重要性がないため開示しておりません。なお、当該プロフォーマ情報は監査証明を受けておりません。
2023年2月28日に当社はZelto,Inc.の発行済株式の79.8%を追加取得し、既存持分20.2%と合わせて発行済株式100.0%を保有し、子会社化しております。
被取得企業の名称:Zelto,Inc.
事業の内容:広告プラットフォーム事業
Zelto,Inc.の保有する広告収益最適化サービスは、機械学習を用いてユーザー毎にウェブサイトコンテンツと広告枠のレイアウト、広告サイズ、広告タイプを最適化することで、インターネットメディアの収益を向上させるものです。当社は2016年8月に一部株式を取得しておりましたがこの度、対象会社を完全子会社とすることで、広告プラットフォーム事業における「GENIEE SSP」や海外事業において、当社提供サービスとの連携・機能拡充とともに、世界各地のインターネットメディアへ価値提供が可能になります。これにより、既存拠点における顧客開拓、さらには未展開地域の市場開拓に取り組み、グループ全体の事業規模拡大を図っていくことを目的として企業結合を行っております。
2023年2月28日
現金を対価とする株式取得
取得日直前の所有割合 20.2%
追加取得した所有割合 79.8%
追加取得後の所有割合 100.0%
当該企業結合に係る取得関連費用は15,252千円であり、すべて連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上しております。
当社グループが取得日に保有していた20.2%を取得日の公正価値で再測定した結果、当該企業結合から1,623,082千円の段階取得に係る差益を認識しております。この利益は、連結損益計算書上、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した資本性金融商品の公正価値の純変動額に含めております。
(注) 1.取得した営業債権の公正価値は681,237千円です。
2.のれんの主な内容は個別に認識要件を満たさない、取得から生じることが期待される既存事業とのシナジー効果と超過収益力であります。なお、のれんについて、税務上損金算入を見込んでいる金額はありません。
3.取得した資産及び引き受けた負債については、当連結会計年度末において取得原価の配分が完了していないため、現時点で入手可能な情報に基づいて暫定的に算定しています。
条件付対価は、被取得企業の業績に応じて変動する支払契約であり、支払額の上限は10百万ドル(1,335,300千円)です。
取得日以降に被取得企業から生じた売上収益及び当期利益は、それぞれ73,767千円、2,459千円です。また、当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の売上収益及び当期利益は、それぞれ7,618,964千円、2,462,075千円です。なお、当該プロフォーマ情報は監査証明を受けておりません。
2022年2月28日に行われたCATS株式会社との企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定しております。なお、のれんの金額に修正は生じておりません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.暫定的な会計処理の確定
前連結会計年度に全株式を取得したZelto,Inc.について、同連結会計年度において取得対価の配分が完了していなかったため、暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度において取得対価の配分が完了しております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、取得原価の当初配分額の見直しを前連結会計年度の数値に反映しております。
この結果、暫定的に算定された前連結会計年度末ののれんの金額は9,423,377千円でありましたが、会計処理の確定により38,444千円減少し、9,384,933千円となりました。当該のれんの減少は、その他の流動負債が3,563千円、在外営業活動体の換算差額が578千円がそれぞれ増加、営業債権及びその他の債権が36,396千円、営業債務及びその他の債務が29,673千円、未払法人所得税が49,309千円それぞれ減少したことによるものです。
8.現金及び現金同等物
前連結会計年度末および当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高と連結キャッシュ・フロー計算書上の現金及び現金同等物の残高は一致しております。
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりであります。
9.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりであります。
営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
10.その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は以下のとおりであります。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の主な銘柄及び公正価値等は以下のとおりであります。
株式は主に政策投資目的で保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
11.その他の資産
その他の資産の内訳は以下のとおりであります。
12.有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに取得原価は以下のとおりであります。
帳簿価額
(注) 有形固定資産の減価償却費は、主に連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。
取得原価
償却累計額及び減損損失累計額
13.のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減並びに取得原価、償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりであります。
帳簿価額
取得原価
償却累計額及び減損損失累計額
(注) 1.償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。
(注) 2.ソフトウエアは、主に自己創設ソフトウエアです。
(注) 3.前連結会計年度及び当連結会計年度において費用として認識した研究開発費は、それぞれ5,867千円、8,088千円です。
(注) 4.当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、のれんの金額の帳簿価額については、暫定的な会計処理の確定による見直しが反映された後の金額を記載しております。
14.非金融資産の減損
当社グループは、減損損失の算定にあたって概ね独立したキャッシュ・インフローを生成させるものとして識別される資産グループの最小単位を基礎としてグルーピングを行っております。
減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に計上しております。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
企業結合で生じたのれんは、取得日に企業結合から利益がもたらされる資金生成単位に配分しております。
のれんの帳簿価額の資金生成単位別内訳は以下のとおりです。
当社グループは、のれんについて、毎期又は減損の兆候がある場合には随時、減損テストを実施しております。減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。
使用価値は、過去の経験及び外部からの情報を反映し、経営者が承認した今後5年度分の事業計画と事業計画経過後の成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位又は資金生成単位グループの税引前加重平均資本コストを基礎とした割引率により現在価値に割引いて算定しております。なお、割引率は、前連結会計年度において5.6~5.9%、当連結会計年度においては6.2~9.3%を使用しております。成長率は、資金生成単位又は資金生成単位グループの属する産業もしくは国における長期の平均成長率を勘案して、前連結会計年度において0.0%、当連結会計年度において0.0%~1.6%と決定しており、市場の長期の平均成長率を超過しておりません。
減損テストに使用した主要な仮定が変更された場合には減損が発生するリスクがありますが、使用価値は当該資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額を十分に上回っており、減損テストに使用した主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。
15.法人所得税
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳及び増減は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) その他には在外営業活動体の為替換算差額が含まれております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金は以下のとおりであります。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は以下のとおりであります。
繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ175,645千円及び604,316千円であります。
これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
法人所得税費用の内訳は以下のとおりであります。
法定実効税率と平均実際負担税率との差異要因は以下のとおりであります。
当社グループは、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ31.5%及び31.5%であります。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
16.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりであります。
営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
17.借入金
「借入金」の内訳は以下のとおりであります。
(注) 1.平均利率については、期末残高に対する加重平均利率を記載しております。
2.「借入金」は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
当社グループは、株式会社みずほ銀行と2020年11月24日付で「金銭消費貸借契約」を締結しており当連結会計年度の末日において、借入金419,040千円(流動負債114,288千円及び固定負債304,752円)には、下記の財務制限条項が付されております。
・純資産維持
2021年3月期末日に終了する本決算及びそれ以降の各本決算期における借入人の連結財政状態計算書上に記載される純資産の部の合計金額を、直前の本決算期における借入人の連結財政状態計算書上に記載される純資産の部の合計金額の75%以上に維持すること。
当社グループは、株式会社みずほ銀行と2024年2月29日付で「金銭消費貸借契約」を締結しており当連結会計年度の末日において、借入金2,975,000千円(流動負債300,000千円及び固定負債2,675,000千円)には、下記の財務制限条項が付されております。
(a) 2024年3月末日に終了する本決算期及びそれ以降の各本決算期における借入人の連結ベースでの営業損益が赤字とならないこと。
(b) 2023年3月末日に終了する本決算期及びそれ以降の各本決算期における借入人の連結ベースの貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額を、直近の本決算期における借入人の連結ベースの貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の75%以上に維持すること。
当社グループは、株式会社三菱UFJ銀行と2024年2月29日付で「金銭消費貸借契約」を締結しており、当連結会計年度の末日において、借入金2,975,000千円(流動負債300,000千円及び固定負債2,675,000千円)には、下記の財務制限条項が付されております。
(ⅰ) 2025年3月決算期を初回とする各年度決算期の末日における借入人の連結の貸借対照表において、以下の計算式の基準値を、0.9以上に維持すること。なお、借入人がのれん減損の可能性がある金額を貸付人に報告済みである場合は、当該報告済みの事項につき減損があったものとして取り扱うものとする。
基準値=純資産の部(為替勘定調整事項を除く。)の合計額÷のれんの金額
注1 のれんの金額=(判定期における連帯保証人見合いののれんの金額(米ドル建て)×132.84円)+(当該判定期における連帯保証人見合い以外ののれんの金額(円建て))
(ⅱ) 2025年3月決算期を初回とする各年度決算期の末日における借入人の連結の貸借対照表において、純資産の部(為替勘定調整事項を除く。)の合計額を、2024年3月決算期の年度決算期の末日における純資産の部(為替勘定調整事項を除く。)の合計額又は前年度決算期の末日における純資産の部(為替勘定調整事項を除く。)の合計額のいずれ大きいほうの100%以上に維持すること。
(ⅲ) 2025年3月決算期を初回とする各年度決算期の末日における借入人の連結損益計算書において、営業利益の金額を0円以上に維持すること。
借入人が(ⅰ)に抵触した場合、本貸付の利率は、原契約の「利率」の規定に程にかかわらず、当該抵触に係る年度決算期の末日の属する月の3か月後の月の末日の翌日以降、最初に到来する利息支払日の翌日(当該日を含む。)から、借入人の翌年の年度決算期の属する月の3か月後の月の末日の翌日以降、最初に到来する利息支払日(当該日を含む。)までの期間につき、利率を変更するものとする(但し、2025年3月決算期に係る判定に限り、2025年10月末日までに資本調達を誠実に行うことができると貸付人が判断した場合においては、変更を行わない。)。
借入金の担保に供している資産はありません。
18.リース
当社グループは、借手として、主として本社建物、コンピュータ端末機を賃借して使用しております。また、リース契約によって課された重要な制限(重要な購入選択権、エスカレーション条項及び追加リースに関する制限等)はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額は、それぞれ571,313千円及び18,817千円であります。
19.従業員給付
当社グループの一部の海外の子会社では、従業員の退職給付制度として、現地法令に基づく確定給付制度を設けております。
これらの制度における給付額は基本的に勤続年数、従業員の給与水準、その他の条件に基づき設定されております。なお、確定給付制度は、一般的な投資リスク、金利リスク、インフレリスク等にさらされております。
確定給付制度債務と連結財政状態計算書で認識した金額との関係は以下のとおりであります。
確定給付制度債務の現在価値の増減は以下のとおりであります。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度において15.7年、当連結会計年度において9.5年であります。
数理計算に用いた主な仮定は以下のとおりであります。
数理計算に用いた割引率が1.0%変動した場合に、確定給付制度債務の現在価値に与える影響は以下のとおりであります。この分析は、他のすべての変数が一定であると仮定していますが、実際には他の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。
20.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は以下のとおりであります。
21.引当金
引当金の内訳及び増減は以下のとおりであります。
引当金の連結財政状態計算書における内訳は以下のとおりであります。
資産除去債務には、当社グループが使用する賃借事務所・建物等に対する原状回復義務に備え、過去の原状回復実績に基づき将来支払うと見込まれる金額を計上しております。これらの費用は、事務所等に施した内部造作の耐用年数を考慮して決定した使用見込期間経過後に支払われると見込んでおりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
22.その他の負債
その他の負債の内訳は以下のとおりであります。
23.資本及びその他の資本項目
授権株式数及び発行済株式総数の増減は以下のとおりであります。
(注) 1.当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済みとなっております。
2.新株予約権の行使による増加であります。
自己株式数の増減は以下のとおりであります。
(注) 1.自己株式数にはESOP信託が保有する当社株式54,600株が含まれています。
2.自己株式数にはESOP信託が保有する当社株式256,200株が含まれています。
3.自己株式の株式数の増加は、以下によるものであります。
2021年8月13日開催の取締役会決議による取得 34,900株
単元未満株式の買取 37株
4.自己株式の株式数の減少は、ESOP信託の権利行使に伴う自己株式の処分であります。
日本における会社法(以下「会社法」という。)では、株式の発行に対しての払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額であります。
当社はストック・オプション制度を採用しており、会社法に基づき新株予約権を発行しております。なお、契約条件及び金額等は、注記「32.株式に基づく報酬」に記載しております。
24.配当金
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
該当事項はありません。
25.売上収益
当社グループは、顧客との契約から生じる収益を、顧客との契約に基づき収益認識の時期により分解しております。これらの分解した収益と報告セグメントとの関連は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) セグメント間の売上収益を除いた金額で表示しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) セグメント間の売上収益を除いた金額で表示しております。
なお、顧客との契約における履行義務の充足の時期の決定等については、連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針」に記載のとおりであります。
顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度および当連結会計年度において認識した収益のうち、期首現在の契約負債残高に含まれていたものの額に重要性はありません。また、前連結会計年度および当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
契約資産は、主に一定の期間にわたり履行義務が充足される契約について、報告日時点で完了しているが、まだ請求していない履行義務に対する対価に関連するものであります。契約資産は支払いに対する権利が無条件になった時点で債権に振り替えられます。
契約負債は、主に顧客からの前受金に関連するものであります。契約負債は、契約に戻づいた履行義務を充足した時点で収益に振り替えられます。
当社グループにおいて、当初の予想契約期間が1年を超える重要な取引を認識していないため、実務上の便法を適用し、残存履行義務に関する情報は開示しておりません。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
当社グループはIFRS第15号第94項の実務上の便法を適用し、償却期間が1年以内である場合には、契約コストを発生時に費用として認識しております。
26.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりであります。
27.その他の収益及び費用
その他の収益の内訳は以下のとおりであります。
(注)1.Zelto,Inc.の株式追加取得における条件付対価の減額について
2023年2月28日に株式追加取得により当社の完全子会社としたZelto,Inc.について、主要先進国における短期的なリセッションによる広告需要の減退に際し、当社事業とZelto事業の統合および当社グループの海外事業展開を加速させるべく、当該海外事業戦略をより当社が主体となって推進していくことを決定した結果、2023年9月30日付で、Zelto,Inc.に対する条件付対価10百万ドル(支払上限額)のうち、5百万ドルを減額することをZelto,Inc.の旧株主と合意しました。なお、Zelto,Inc.の2026年3月期までの業績達成条件の変更はありません。
(注)2.Zelto,Inc.の経営幹部に対する一部義務解除による対価の受取りについて
上記海外戦略方針に従い、当社事業とZelto,Inc.の統合及び当社グループの海外事業展開を進めている中、Zelto,Inc.の旧株主でもある経営幹部と株式購入契約に規定されている一部義務の解除に関する覚書を締結しました。
当該経営幹部は今後も当社グループのアドバイザーとして経営に参画します。当該義務解除により、当該経営幹部から75万ドルを対価として受領しております(2024年4月入金及び2024年9月入金予定)。
その他の費用の内訳は以下のとおりであります。
28.金融収益及び金融費用
金融収益の内訳は以下のとおりであります。
金融費用の内訳は以下のとおりであります。
29.その他の包括利益
その他の包括利益の期中の変動額は、以下のとおりであります。
30.1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎は以下のとおりであります。
31.キャッシュ・フロー情報
財務活動から生じた負債の変動は以下のとおりであります。
32.株式に基づく報酬
当社グループは、当社グループの取締役および一部の従業員に対し、株式に基づく報酬制度を採用しております。
当社は、ストック・オプション制度を採用しております。ストック・オプションは、企業価値向上に対する意欲や士気を高めることを目的として、当社の株主総会において承認された内容に基づき、当社の取締役会決議により、当社の取締役、執行役員及び従業員に対して付与されております。当社が発行するストック・オプションは、全て持分決済型株式報酬であります。当社が発行しているストック・オプションの内容は、以下のとおりであります。
(注) 「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。
(注) 1.期末時点で未行使のストック・オプションの行使価格は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、いずれも682円~1,792円であります。
2.期末時点で未行使のストック・オプションの加重平均残存契約年数は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ3年及び2年であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社は中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した経営を推進するため、2022年3月期から、一部の従業員を対象とした株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下、「ESOP信託」)と称される仕組みの業績連動型株式報酬制度を導入しております。役務提供要件に基づき、付与日から2年後に権利が確定します。
また、当社および当社のグループ会社の執行役員を対象とした新たな株式インセンティブ制度として、2024年3月期から「従業員向け株式給付信託(RS交付型)」を導入しております。当社等の執行役員が当社株式の交付を受ける時期は、原則として、株式給付規程に定める一定期間(以下、「対象期間」という。)経過後とし、当社等の執行役員が在職中に当社株式の交付を受ける場合は、交付前に当社と当社等の執行役員との間で譲渡制限契約を締結の上、退職時までの譲渡制限を付すこととしております。
各連結会計年度におけるESOP信託のポイント数(1ポイント=1普通株式)の変動は以下のとおりであります。
(注) 付与された報酬ポイントの付与日現在の加重平均公正価値は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ883円及び1,170円であります。2023年3月期及び2024年3月期に付与されたポイントの公正価値は付与日の株価に近似していることから付与日の株価を使用しております。
連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれている株式報酬費用計上額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ17,396千円及び43,335千円であります。
33.金融商品
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の最大化を目指して、資本管理をしております。特に、現金及び現金同等物及び有利子負債のポジション(有利子負債の金額から現金及び現金同等物を控除したネット有利子負債)に注意しており、これらの指標は経営者に定期的に報告され、モニタリングしております。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リスク)に晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。また、当社グループは、デリバティブ取引を為替変動リスク又は金利変動リスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。
信用リスクは、保有する金融資産の相手先が契約上の債務に関して債務不履行になり、当社グループに財務上の損失を発生させるリスクであります。
当社グループは、与信管理規程に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を定期的に把握する体制としております。
また、デリバティブ取引については、信用度の高い金融機関等とのみ取引を行っており、信用リスクに及ぼす影響は限定的であります。
なお、当社グループは、特定の相手先又はその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リスクを有しておりません。
連結財務諸表に表示されている金融資産の帳簿価額は、当社グループの金融資産の信用リスクに係るエクスポージャーの最大値であります。
債務保証については、行っておりません。
これらの信用リスクに係るエクスポージャーに関し、担保として保有する物件及びその他の信用補完するものはありません。
当社グループでは、営業債権及び契約資産とそれ以外の債権に区分して貸倒引当金を算定しております。
いずれの債権についても、その全部又は一部について回収ができず、または回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行とみなしております。
また、支払遅延の原因が一時的な資金需要によるものではなく、債務者の重大な財政的困難等に起因するものであり、債権の回収可能性が特に懸念されるものであると判断された場合には、信用減損が発生しているものと判定しております。
営業債権及びその他の債権
単独の相手先又はその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リスクを有していません。
流動性リスクは、当社グループが期限の到来した金融負債の返済義務を履行するにあたり、支払期日にその支払いを実行できなくなるリスクであります。
当社グループは、適切な返済資金を準備するとともに、金融機関より随時利用可能な信用枠を確保し、継続的にキャッシュ・フローの計画と実績をモニタリングすることで流動性リスクを管理しております。
金融負債の期日別残高は以下のとおりであり、契約上のキャッシュ・フローは利息支払額を含んだ割引前のキャッシュ・フローを記載しています。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しております。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しております。
当社グループの活動は、為替レートの急激な変動によるリスクに晒されています。
当社は、当該リスクを管理することを目的として、為替相場の継続的なモニタリングを行っています。
また、当社グループは、外貨建ての営業債権債務等に係る為替の変動リスクの軽減を目的とした先物為替予約取引を行うことがあり、当社グループは、取引権限等を定めた職務権限規程等に従い、デリバティブ取引の管理を行っております。
各報告期間において、日本円が米ドルに対して1%円高になった場合に、連結損益計算書の税引前利益に与える影響は以下のとおりであります。
ただし、本分析においては、その他の変動要因(残高、金利等)は一定であることを前提としております。
借入金の使途は、運転資金及び投資資金であり、大部分が変動金利であるため金利の変動リスクに晒されています。
当社グループでは、借入金に係る支払金利の変動リスクを抑制するため、銀行から定期的に金融商品に関する情報を収集し見直しを実施しております。
変動金利借入金については、市場金利の動向にあわせて借入条件を見直すことにより金利変動リスクの低減を図っております。
変動金利相場の現状及び今後の見通しについては、常時モニタリングを行っています。
各報告期間において、金利が1%上昇した場合に、連結損益計算書の税引前利益に与える影響は以下のとおりであります。
ただし、本分析においては、その他の変動要因(残高、為替レート等)は一定であることを前提としております。
金融商品の公正価値を、公正価値の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格(無調整)
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
金融商品の公正価値の算定方法は以下のとおりであります。
短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。公正価値ヒエラルキーはレベル2に分類しております。
非上場株式及び出資金等の公正価値については、割引将来キャッシュ・フローに基づく評価技法、類似会社の市場価格に基づく評価技法及び純資産価値に基づく評価技法等により算定しております。公正価値ヒエラルキーはレベル3に分類しております。
差入保証金については、将来キャッシュ・フローを期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により測定しており、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。公正価値ヒエラルキーはレベル3に分類しております。
条件付対価については、純損益を通じて公正価値で算定する金融負債として、企業結合による被取得企業の業績達成に応じて支払いが発生する取引であり、対象期間における被取得企業の業績や割引率等を基に測定しております。公正価値ヒエラルキーはレベル3に分類しております。
デリバティブは、純損益を通じて公正価値で算定する金融資産又は金融負債として、取引先金融機関から提示された価格に基づいて算定しております。公正価値ヒエラルキーはレベル2に分類しております。
短期借入金は、短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。公正価値ヒエラルキーはレベル2に分類しております。
長期借入金のうち変動金利によるものは、短期間で市場金利が反映されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。公正価値ヒエラルキーはレベル2に分類しております。
償却原価で測定する金融資産及び金融負債の帳簿価額は、公正価値と近似しているため記載を省略しております。
公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しております。各年度において、公正価値レベル間の重要な振替は行われておりません。
レベル3に分類された金融商品については、経営管理部門責任者により承認された評価方針及び手続きに従い、外部の評価専門家又は適切な評価担当者が評価及び評価結果の分析を実施しております。評価結果は経営管理部門責任者によりレビューされ、承認されております。
レベル3に分類される純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、主として非上場株式及び匿名組合出資金で構成されております。これらは、割引キャッシュ・フロー法や純資産に基づく評価モデル等を用いて公正価値で評価しております。
レベル3に区分された金融資産の公正価値の測定に関する重要な観察可能でないインプットは割引率であり、割引率の上昇(低下)は、これらの金融資産の公正価値を下落(上昇)させることとなります。
レベル3に区分類された金融負債は、企業結合により生じた条件付対価であります。条件付対価は、被取得企業の業績に応じて変動する支払契約であり、その公正価値は、それらが達成される可能性や貨幣の時間的価値を考慮して算定しております。
なお、レベル3に分類される金融資産・負債について、観察可能でないインプットを他の合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合にも、公正価値の著しい増減は見込まれておりません。
レベル3に分類された金融商品の期首から期末までの変動は以下のとおりであります。
(注)1.連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。
2.連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含まれております。
レベル3に分類された金融負債の期首から期末までの変動は以下のとおりであります。
(注) 1.当該金融負債は条件付対価であります。
2.連結損益計算書の「その他の収益」及び「金融収益」に含まれております。
34.重要な子会社
当社の重要な子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。
35.関連当事者
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1.関連当事者との取引は、独立第三者間取引を基礎として行っております。
2.債権に対して貸倒引当金は設定しておりません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1.関連当事者との取引は、独立第三者間取引を基礎として行っております。
2.債権に対して貸倒引当金は設定しておりません。
3.LINEヤフー株式会社の取引金額は、2023年10月1日にLINE株式会社とヤフー株式会社が吸収合併したため、LINE株式会社、ヤフー株式会社及びLINEヤフー株式会社の取引の合算表示となっております。
当社の経営幹部に対する報酬は以下のとおりであります。
(注) 主要な経営幹部に対する報酬とは、当社の取締役(監査等委員を含む)に対する報酬であります。
36.コミットメント
該当事項はありません。
37.後発事象
(第三者割当増資引受による連結子会社化)
当社は2024年4月25日開催の取締役会において、ソーシャルワイヤー株式会社(以下、ソーシャルワイヤー)との間での資本業務提携及びソーシャルワイヤーが実施する第三者割当増資(以下、本第三者割当増資)により発行される株式を引き受けることを決議いたしました。当該決議の効力は、2024年6月27日開催のソーシャルワイヤーの第18回定時株主総会にて、当社の指名する複数の者がソーシャルワイヤーの取締役に選任され、2024年7月1日に当社引受ソーシャルワイヤー普通株式の発行の効力及び資本業務提携契約に基づく第三者割当増資の払込みが生じることを前提として同日ソーシャルワイヤーの取締役に就任し、取締役会の過半数を占めることを条件としております。
なお、本第三者割当増資及び取締役過半数選任の結果、ソーシャルワイヤーは2024年7月1日をもって当社の連結子会社となる予定であり、また、特定子会社に該当することになります。
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称:ソーシャルワイヤー株式会社
事業の内容:デジタルPR事業
② 企業結合を行う主な理由
ソーシャルワイヤーは「全ての魅力にスポットライトがあたる社会へ」を経営理念とし、当社のプロダクトと親和性の高い「リリース配信サービス」「インフルエンサーPRサービス」「クリッピングサービス」を展開しております。企業が継続的に活動していくSDGs(持続可能な開発目標)における「働きがいも経済成長も」で掲げられているターゲットに資するデジタルPRサービスを提供しております。
当社及びソーシャルワイヤーの経営資源(事業資産、人的資源及び顧客基盤等)を相互に補完し、有効活用することによってシナジー効果を発揮し、両社の事業基盤の強化拡大を図り、両社の強みを活かした新しいプロダクト・サービスを提供することで、今後の事業拡大や競争力の強化を図ります。
③ 企業結合日
2024年7月1日
④ 企業結合の法的形式
現金を対価とする株式取得
⑤ 取得する議決権付資本持分の割合
49.0%
(2) 取得関連費用
現時点では確定しておりません。
(3) 取得日現在における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値
現時点では確定しておりません。
(4) 取得に伴うキャッシュ・フロー
現時点では確定しておりません。
(自己株式の取得)
当社は2024年4月25日開催の取締役会において、2024年6月28日開催の当社定時株主総会(以下、本定時株主総会)に、「特定の株主からの自己株式取得の件」を付議することを決議し、本定時株主総会で承認可決されました。
(1) 自己株式の取得を行う理由
当社は、資本効率の向上と経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行を目的に、自己株式の取得を検討してまいりました。この過程で、当社主要株主であるソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)より、保有する当社株式の売却を検討している旨の打診がありました。
当社とソフトバンクは、2014年からインターネット広告事業において長期的なメリットを享受できる体制の構築と、双方の企業価値のさらなる向上を目指してきました。しかし、現状では資本関係は必ずしも必要ではなく、資本関係がなくても業務面での取引関係を含めた良好な関係の維持と事業上の成果が期待できるとの認識に至りました。なお、本資本提携の解消後も業務提携関係は継続する予定です。
このため、将来的には当社株式が市場に放出されることの影響や資本効率の向上、経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行などを総合的に検討した結果、当社が一旦自己株式の取得という形でソフトバンクの保有する株式を取得し、当社の業績や株価動向等を見据え、消却、長期保有を前提とした当社にとって望ましい企業への譲渡、株式交換制度並びに株式交付制度を活用した買収、及びプライム市場変更承認のタイミングでの売出し等、機動的に検討できる方が、より株主還元及び企業価値の向上への取り組みとして、妥当であると判断しました。
そのため、会社法第156条第1項、第160条第1項の規定に基づき、ソフトバンクより相対取引による自己株式の取得(以下、本自己株式取得という。)を行うこととし、ソフトバンクとの間において、本自己株式取得が本定時株主総会で承認されること等を条件として、2024年4月25日付で本自己株式取得に関する株式譲渡契約を締結いたしました。
(2) 取得に係る事項の内容
(第三者割当による種類株式の発行)
当社は2024年5月30日開催の取締役会において、2024年6月28日開催の当社定時株主総会(以下、本定時株主総会)に、「第三者割当によるA種優先株式発行の件」を付議することを決議し、本定時株主総会にて承認可決いたしました。株式会社みずほ銀行(以下、割当予定先)との間で、投資契約(以下、本投資契約)を締結し、割当予定先に対して、第三者割当の方法により、総額4,000百万円のA種優先株式(以下、本優先株式)を発行いたします。
(1) A種優先株式発行の概要
(2) 資金の使途及び支出予定時期
※ 払込金額の総額4,000百万円から、発行諸費用の総額78.5百万円を控除した差引手取概算額を記載しております。
(資本金及び資本準備金の減少)
当社は2024年5月30日開催の取締役会において、2024年6月28日開催の当社定時株主総会(以下、本定時株主総会)に、「資本金及び資本準備金の額の減少の件」を付議することを決議し、本定時株主総会にて承認可決いたしました。配当原資(分配可能額)の準備その他今後の柔軟かつ機動的な資本政策に備えるため、上記優先株式の払込みを停止条件とし、2024年7月31日を効力発生日として、資本金及び資本準備金を減少させる予定です。
(1) 減少すべき資本金の額
本優先株式発行後の資本金の額3,553百万円を3,453百万円減少して、100百万円とする。
(2) 減少すべき資本準備金の額
本優先株式発行後の資本準備金の2,547百万円を全額減少して、0円とする。
(3) 資本金の額及び資本準備金の額の減少の方法
会社法第447条第1項及び会社法第448条第1項の規定に基づき資本金の額及び資本準備金の額の減少を上記のとおり行った上で、それぞれの全額をその他資本剰余金に振り替える予定です。
(資金の借入れ)
当社は、2024年6月24日開催の取締役会において、以下のとおり資金の借入を行うことを決議し、実行又は実行予定です。
(1) 資金使途 事業資金
(2) 借入先 株式会社三菱UFJ銀行、株式会社きらぼし銀行、
株式会社りそな銀行ほか取引金融機関数行
(3) 借入金額 2,350百万円(2024年6月28日実行:1,750百万円、2024年7月31日実行予定:600百万円)
(4) 金利 基準金利+スプレッド
(5) 借入実行日 2024年6月28日から2024年7月31日
(6) 借入期間 最長5年
(7) 担保等の有無 無担保、無保証
38.偶発債務
該当事項はありません。
該当事項はありません。