当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、火災の報知から消火までをカバーする最強の防災プロフェッショナルとして、社会のニーズを先取りした高品質な防災機器を製造、販売し、より安心・安全な社会インフラの構築に貢献することを目指すとともに、お客様、株主・投資家、お取引先・事業パートナー、地域社会、従業員などのステークホルダーに対する社会的責任を果たしていくことを、社内外に宣言しております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、持続的な成長実現のための経営基盤を築くことにより、売上高の拡大、及び売上高経常利益率の向上を目標としております。
中長期的には、新しいコンセプトに立った防災製品・防災システムの継続的な研究開発を通じて事業領域の拡大を目指し、売上高500億円台からの更なる成長ステージにおいて、エンジニアリング力をベースとしたコア・ビジネスの質的転換による営業利益率の向上とROEの維持を目標としており、引き続き、収益力の向上と企業価値の増大に努めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは1955年4月会社設立以来、粉末消火設備をはじめとして各種防災設備の設計・施工、消火器を主力商品とする防災機器の製造・販売を主たる目的として事業を行ってまいりました。その後、消防自動車の製造及び販売等に進出し、2012年10月に子会社化、2016年10月に吸収合併した株式会社ヒューセック(旧商号 沖電気防災株式会社)を通じ、各種自動火災報知設備の設計・施工、火災報知関連機器の製造・販売等の事業も加えて、防災事業の領域を広げてまいりました。
現代社会において、各種のインテリジェントビル、商業ビル、高層マンション等さまざまな都市構造物、発電所、工場等のプラント施設、各種の公共施設、福祉施設、更には一般家庭等における防災や安全に対するニーズはますます高まっており、その内容は高度化、多機能化、多様化が求められております。それら市場の要請の変化、動向に対して、当社グループとしてソフト、ハード両面から適時、適切に対応していくために、設計・施工の総合力を強化し、エンジニアリング機能を高めていくとともに、環境への対応を最優先に、環境にやさしい新製品、新防災システムの開発にも取り組んでいく方針でおります。
このような状況のもと、当社は、事業領域の更なる拡大、提携先とのシナジーを目指し、2012年5月、株式会社初田製作所との基本業務提携契約の締結、2013年2月、新日本空調株式会社との資本業務提携契約の締結、同年4月、松山酸素株式会社との共同出資による株式会社イナートガスセンターの立ち上げ、2014年8月、沖電気工業株式会社との資本業務提携契約の締結、2016年2月、綜合警備保障株式会社との資本業務提携契約の締結、2018年11月、広伸プラント工業株式会社の子会社化等を進めてまいりました。
今後も、当社グループは、総合防災企業グループとして、事業領域の拡大および業容の拡大に努めるとともに、環境にやさしい製品、防災システムの開発、進行する少子高齢化社会へのニーズの先取り、魅力的な海外製品の本邦市場への積極導入、更には海外市場の開拓等を通じて、持続的な成長を実現し、企業価値の向上を目指してまいります。
(4)対処すべき課題
当社グループは、当社グループと同様の事業を営む企業との競争激化による収益基盤が毀損しないように、製品及びサービスの差別化が最重要と考えており、独自の防災製品・防災システムを開発するための研究開発体制及び人材育成の強化、業務提携先企業とのアライアンス強化を図ってまいります。とりわけ、火災を未然に防ぐ「予防防災」の分野に注力し、自動消火を標榜する製品開発へのイノベーション、イマジネーション力の向上に努め、将来の社会ニーズに合う製品およびサービスを提供してまいります。
それらを実現するために、千葉工場内の試験研究棟では各種消火設備・消火薬剤の試験研究に取り組んでおり、福島工場内の総合防災研究棟では、次世代の自動火災報知設備・機器を中心とした研究開発を推進しております。
当社グループは引き続き、火災の報知から消火までをカバーする最強の防災プロフェッショナルとして、より安心・安全な社会インフラの構築に貢献することを目指し、社会のニーズを先取りした高品質な防災製品・防災システムを提供するために、製造・販売・施工・保守体制の充実に努めてまいります。さらに、従来型の消防防災にとどまることなく、火災を発生させない、火災をごく早い段階で感知する、次世代消防防災「予防防災」に注力するとともに、環境対応型社会の要請に応えるため、環境に配慮した消火薬剤の開発、そしてそれらを用いた製品・システムの開発等、社会的責任を果たすことにグループ一丸となって取り組んでまいります。
当社グループのコーポレート・ガバナンスにはサステナビリティに対する考え方も含まれており、環境対応型社会の要請に応えることが特に重要と認識し、環境・社会・ガバナンスを重視したESG経営の取組みを推進しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
国際情勢や社会環境が大きく変化し、これまでにも増して環境に対する社会の意識が高まり、当社グループを取り巻く環境も大きく変化しております。
このような状況の下、当社グループは、サステナビリティを巡る課題への取組み及び人的資本や研究開発活動への投資及び気候変動、資源循環への対応等の経営課題について重要であると認識しており、取締役会を中心に体制を構築しております。詳細は、「
なお、持続的な成長と中長期的な企業価値の創出のためのサステナビリティ等への取組み指針の情報開示につきましては、経営課題との整合性に配慮しつつ、段階的な開示の推進に取り組んでまいります。
(2)戦略
環境対応型社会の要請に応えるため、引き続き、環境にやさしい、リサイクルが容易なアルミニウム製消火器の開発、消火ガスおよび薬剤のリサイクル等の取組みを継続してまいります。また、環境に配慮した消火薬剤の開発、そしてそれらを用いた製品・システムの開発等、社会的責任を果たすことにグループ一丸となって取り組んでまいります。
さらに、従来型の消防防災にとどまることなく、火災を発生させない、火災をごく早い段階で感知する、次世代消防防災「予防防災」に注力してまいります。
(3)リスク管理
当社グループは、サステナビリティを巡る課題への対応は、重要なリスク管理の一部であると認識しており、的確に対処するとともに、リスクの減少や収益機会につながるサステナビリティに関する課題及び気候変動等の地球環境問題についても、重要な経営課題として積極的に取り組んでまいります。
また、リスク管理委員会を設置し、リスク案件に関する協議・検討、新たなリスク要因への対応協議を行っております。詳細は、「
(4)指標及び目標
当社グループは、中核となる人材の確保に向け、能力・成果主義に徹した人事制度を運用しており、性別・国籍による管理職への登用等の制限はせずに、女性管理職の登用及び外国籍の人材採用を進めておりますが、現時点では数値目標を定めるまでには至っておりません。
有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境について
① 景気変動リスクについて
当社グループは、各種防災設備の設計・施工・保守点検、消火器及び消防自動車の製造及び販売、防災用品の仕入・販売等の防災事業を行っており、消防法をはじめとした法規制及び製品耐用年数による安定的な買い替えにより、一定の需要が見込まれるため、メンテナンス事業及び商品事業は比較的景気動向の影響を受け難い特徴があると考えておりますが、想定を上回る経済情勢の変化、建設需要・設備投資の縮小、建設資材価格及び労務費等の急激な上昇等が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 防災設備事業への依存について
当社グループの売上高のうち、防災設備事業における売上高は全体に占める割合が高く、2024年3月期では62.6%を占めております。防災設備事業においては、設備投資動向、大規模再開発計画、新規供給物件動向、商業施設等の着工数等に左右されるため、建築投資案件の減少、設備投資計画の延期等の変化があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは工事ごとに厳正な納期、工期及び原価の管理を行っていると考えておりますが、工程の大幅な変更、施工途中における設計変更や工事の手直し等、売上高の一部が翌連結会計年度にずれ込む場合、又は想定外の追加の費用が発生した場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 四半期業績の偏重について
当社グループは、一定の期間にわたり充足される履行義務については、請負工事に関して、期間がごく短い工事を除き、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該工事の進捗度に応じて売上を一定の期間にわたり認識しております。また、その他の工事物件については一時点で充足される履行義務として、顧客による検収等が完了した時点で売上を認識しております。このため、工事の進捗状況又は検収等のタイミングにより業績が変動することから、特定の時期に業績が偏重する可能性があり、場合によっては四半期業績が営業損失となる可能性があります。
なお、2024年3月期の各四半期の業績は以下のとおりです。 (単位:千円)
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第72期連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
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第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
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売上高 |
11,653,525 |
13,132,079 |
13,818,898 |
17,273,646 |
55,878,150 |
|
売上総利益 |
2,528,342 |
3,363,965 |
3,000,445 |
4,090,406 |
12,983,160 |
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営業利益 |
640,689 |
1,505,426 |
1,082,812 |
1,546,167 |
4,775,095 |
|
経常利益 |
949,387 |
1,532,838 |
1,045,062 |
1,652,987 |
5,180,276 |
|
親会社株主に帰属する 四半期(当期)純利益 |
463,927 |
949,503 |
652,823 |
1,221,129 |
3,287,384 |
④ 主要な事業活動の前提となる事項について
当社グループの主要な事業活動である防災設備事業及びメンテナンス事業は、建設業許可が必要であり、次のとおり建設業許可を取得しております。
・ 特定建設業許可(消防施設工事業)
・ 特定建設業許可(管工事業)
・ 一般建設業許可(機械器具設置工事業)
・ 一般建設業許可(電気通信工事業)
これらの建設業許可は5年ごとの更新が義務付けられており、本書提出日現在の許可の有効期限は2025年2月であります。
これらの建設業許可は、建設業法第8条及び同法第17条に欠格要件が規定されており、当該要件に抵触した場合、許可等の取消し、又は期間を定めてその業務の全部もしくは一部の停止等を命じられる可能性があります。
当社グループは、現時点において、許可等の取消し等の事由となる事実はございませんが、当該許可等の取消し等を命じられた場合には、社会的信頼の毀損や契約破棄等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 競合について
当社グループの営む各種防災設備の設計・施工・保守点検、消火器及び消防自動車の製造及び販売、防災用品の仕入・販売等の防災事業は、日本国内において同様の事業を営む企業と競合する関係にあります。このため、当社グループは新製品の開発及び販売チャネルの充実等に加え、当社グループに対する顧客からの信頼度が重要であると考えており、これらの向上に努めております。しかしながら、競合他社に対し優位性を維持出来なくなる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 法的規制について
当社グループが提供する、各種防災設備の設計・施工・保守点検、消火器及び消防自動車の製造及び販売、防災用品の仕入・販売等の防災事業は、現在、消防法及びその他関連法令により、設置等が義務付けられています。今後、社会情勢等の変化により、法令の改正及び新たな法規制が設けられる可能性があります。この場合において、新たな需要を喚起し業績の向上に寄与する可能性がありますが、その一方で、当社グループの投資計画及び事業計画の大きな変更を余儀なくされ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 製造物責任について
当社グループの消火設備、消火器及び消防自動車等に関する生産品の大部分は、日本消防検定協会による検定品及び日本消防設備安全センター等による認定品を提供しており、また、設置工事等については、消防検査の義務があるものは検査に合格して納入しております。当社グループ内においても徹底した品質管理に努めておりますが、リコールや製造物責任賠償につながる製品の欠陥が発生した場合には、賠償責任保険に加入しているため損害の一部はカバーされるものの、少なくとも社会的信用の失墜は避けられず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 特定の生産拠点について
当社グループの各種防災設備、消火器及び消防自動車等の生産機能は、千葉工場及び福島工場の二拠点に集中しております。当社グループでは、安全及び安定操業の徹底を図り、製造設備の停止及び設備に起因する事故等による潜在的なマイナス要因を最小化するため、安全パトロールを強化し、設備工具の定期的な点検を実施しております。しかしながら、万が一製造設備で発生する事故及び自然災害等により人的及び物的被害が生じた場合には、コストの増加や生産活動の中断等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 外注先との関係について
当社グループは、消火設備工事等の施工・メンテナンスにおいて施工管理(品質管理・工程管理・コスト管理・安全管理)業務以外については基本的に外注しております。当社グループでは、自社の選定基準に合致する多数の外注業者と良好な関係を構築しているため十分な外注体制を構築していると考えておりますが、景気変動等にともなう工事案件の急激な増加により外注先を十分に確保できない状況等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 原材料・部品の調達について
当社グループは、原材料・部品の調達について複数の仕入先を確保するようにしておりますが、いくつかの主要な原材料について特定の供給元に偏重しております。このため、特定の原材料供給元の操業が停止すること等により、必要な原材料の調達が出来ない状況が発生した場合は、当該原材料に依存している製品の生産活動に著しい影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、国内外の市場経済の動向等により、資材価格が上昇し、原材料調達状況に影響が及んだ場合、その状況を販売価格へ転嫁することが困難な場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 人材の確保について
当社グループの更なる成長のためには、新製品の開発及び既存製品の製造、並びに製品を販売するための有能な人材を確保する必要があります。そのため、当社グループでは社員研修制度等を整備し人材の育成に努めておりますが、人材の確保が出来ない状況又は当社グループがこれまで培ってきた重要な技能・技術の伝承が中断してしまう状況等が顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) その他、経営成績に影響を及ぼす可能性のある事項について
① 固定資産の減損について
当社グループは、有形固定資産及び合併により生じたのれん等の固定資産を保有しております。当該固定資産のうち、減損の兆候が認められる資産等がある場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとなります。このため、当該資産等が属する事業の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産について
当社グループでは、将来減算一時差異等に対して、2024年3月期末において452百万円の繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は、将来の課税所得に関する予測等に基づき回収可能性を検討し計上しておりますが、実際の課税所得が予測を大幅に下回った場合等には回収可能性の見直しを行い、回収可能額まで繰延税金資産を取崩すことにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、上記の繰延税金資産は、将来の課税所得を含め様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果はこれらの予測・仮定と異なる可能性があります。なお、実効税率等の税制関連の法令改正がなされた場合、繰延税金資産を取り崩すこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 退職給付債務について
当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上の割引率及び年金資産の期待運用収益率等の前提条件に基づいて算出しております。しかしながら、運用環境の悪化等により、実際の結果がこれらの前提条件と異なった場合、あるいは前提条件の変更が必要となった場合には、退職給付費用及び退職給付債務が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績等の状況
当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善するなかで、緩やかな景気回復の動きが見られましたが、原油・資源価格の高騰や物価上昇に加え、世界的な金融引き締めが続くなか、海外経済の下振れリスク、ウクライナや中東地域をめぐる国際情勢不安などの懸念材料が重なり、先行きは依然として不透明な状況で推移しました。
当社グループの属する防災業界におきましても、原材料価格の高騰等による業績への影響が懸念される状況にはありますが、防災・減災を目的とした公共事業や都市部の大規模再開発等による需要拡大への期待感は尚、継続しているように見受けられます。
このような経済状況のもと、当社グループは、引き続き自動火災報知設備から消火設備、消火器そして消防自動車までを広くカバーする総合防災企業としての立ち位置を更に強化しつつ、製品ラインナップの拡充を図り積極的な営業活動を推進してまいりました。また、各種防災設備の設計・施工、消火器及び消防自動車等の製造そしてそれらのメンテナンスを通じて、世の中に高度な安心・安全を提供し、より良質な社会インフラを構築するという社会的使命を果たすべく、グループ一丸となって注力しております。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の売上高は55,878百万円(前年同期比5,653百万円増加)となりました。利益につきましては、営業利益4,775百万円(同916百万円増加)、経常利益5,180百万円(同1,230百万円増加)、親会社株主に帰属する当期純利益3,287百万円(同748百万円増加)となりました。
売上高は目標としてまいりました52,000百万円を達成し、売上高経常利益率は9.3%と順調に推移いたしました。
当社グループは、各種防災設備の設計・施工・保守点検、消火器及び消火設備、消防自動車、自動火災報知設備の製造・販売、防災関連用品の仕入・販売等、幅広く防災にかかわる事業を行っており、単一セグメントであるため、業績については営業種目別に記載しております。
営業種目別の業績は、次のとおりであります。
① 防災設備事業
当連結会計年度は、大型案件およびプラント案件の工事進捗が進んだこと、消火設備用機器・製品の販売が好調だったこと等により、売上高は34,996百万円(前年同期比3,664百万円増加)となりました。売上総利益につきましては、7,493百万円(同418百万円増加)となりました。
② メンテナンス事業
当連結会計年度は、改修・補修工事案件の進捗等により、売上高は9,204百万円(同641百万円増加)となりました。売上総利益につきましては、3,484百万円(同423百万円増加)となりました。
③ 商品事業
当連結会計年度は、機器類の販売および小型工事案件の引き合いが好調だったこと等により、売上高11,677百万円(同1,347百万円増加)となりました。売上総利益につきましては、2,005百万円(同502百万円増加)となりました。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を営業種目別に示すと、次のとおりであります。
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営業種目 |
当連結会計年度 (自2023年4月1日 至2024年3月31日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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防災設備事業 |
27,503,021 |
113.4% |
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メンテナンス事業 |
5,720,329 |
104.0% |
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商品事業 |
9,671,638 |
109.6% |
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合 計 |
42,894,990 |
111.2% |
(注) 金額は、売上原価により算出しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注状況を営業種目別に示すと、次のとおりであります。
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営業種目 |
当連結会計年度 (自2023年4月1日 至2024年3月31日) |
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受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
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防災設備事業 |
23,537,913 |
86.3% |
19,004,622 |
90.3% |
(注)1.金額は、販売価格によって表示されております。
2.メンテナンス事業は受注と販売がほぼ同時期に成立するため、また、商品事業は見込み生産を行っているため、受注状況を記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を営業種目別に示すと、次のとおりであります。
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営業種目 |
当連結会計年度 (自2023年4月1日 至2024年3月31日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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防災設備事業 |
34,996,256 |
111.7% |
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メンテナンス事業 |
9,204,868 |
107.5% |
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商品事業 |
11,677,025 |
113.0% |
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合 計 |
55,878,150 |
111.3% |
(注) 金額は、販売価格によって表示されております。
(2)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、54,029百万円(前連結会計年度末比6,128百万円増加)となりました。
流動資産は、41,426百万円(同9,042百万円増加)となりました。主な内容は、現金及び預金5,026百万円(同996百万円増加)、受取手形、売掛金及び契約資産21,145百万円(同4,305百万円増加)、電子記録債権2,584百万円(同697百万円減少)、商品及び製品3,576百万円(同1,124百万円増加)、原材料及び貯蔵品2,123百万円(同118百万円増加)等であります。
固定資産は、12,602百万円(同2,914百万円減少)となりました。主な内容は、有形固定資産9,230百万円(同134百万円減少)、無形固定資産736百万円(同155百万円減少)、投資その他の資産2,636百万円(同2,624百万円減少)であります。
負債合計は、26,981百万円(同2,432百万円増加)となりました。
流動負債は、22,414百万円(同2,831百万円増加)となりました。主な内容は、支払手形、買掛金及び工事未払金8,494百万円(同1,061百万円増加)、電子記録債務3,114百万円(同135百万円減少)、1年内返済予定の長期借入金1,315百万円(同558百万円増加)、未払法人税等1,143百万円(同162百万円増加)、契約負債1,051百万円(同75百万円減少)等であります。
固定負債は、4,566百万円(同399百万円減少)となりました。主な内容は、社債1,794百万円(同594百万円増加)、長期借入金1,163百万円(同728百万円減少)、退職給付に係る負債978百万円(同100百万円減少)、繰延税金負債66百万円(同150百万円減少)等であります。
純資産合計は、27,048百万円(同3,695百万円増加)となりました。主な内容は、配当金の支払278百万円及び親会社株主に帰属する当期純利益3,287百万円を計上したことによる利益剰余金が18,223百万円(同3,008百万円増加)、非支配株主持分4,798百万円(同512百万円増加)等であります。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は41.2%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、4,993百万円となり、前連結会計年度末から986百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動におけるキャッシュ・フローは、1,145百万円の収入(前連結会計年度は120百万円の収入)となりました。主な収入は、税金等調整前当期純利益5,115百万円、減価償却費713百万円、のれん償却額176百万円、賞与引当金の増加473百万円、仕入債務の増加865百万円等であり、主な支出は、売上債権の増加3,508百万円、棚卸資産の増加1,129百万円、法人税等の支払額1,593百万円等であります。
投資活動におけるキャッシュ・フローは、330百万円の支出(同1,728百万円の支出)となりました。主な収入は、有形固定資産の売却による収入7百万円、有価証券の減少157百万円等であり、主な支出は、有形固定資産の取得による支出432百万円、無形固定資産の取得による支出31百万円等であります。
財務活動におけるキャッシュ・フローは、76百万円の収入(同15百万円の収入)となりました。主な収入は、短期借入金の増加1,026百万円、長期借入れによる収入600百万円であり、主な支出は、長期借入金の返済による支出758百万円、自己株式の取得による支出474百万円、配当金の支払額278百万円等であります。
(4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主な資金需要につきまして、営業活動、生産活動及び研究開発活動のために必要な運転資金は、営業活動によるキャッシュ・フローによって獲得した内部資金及び金融機関からの短期借入金でまかなっております。持続的成長の実現に向けた大型の設備投資資金やアライアンスのための必要資金は、主に金融機関からの長期借入金にて調達しております。
また、資金の流動性につきましては、運転資金及び一定の戦略的投資に備えられる現金及び現金同等物等の流動性資産を確保しております。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、各種防災設備の設計・施工・保守点検、消火器及び消防自動車の製造・販売、防災用品の仕入・販売等の防災事業を行っており、単一セグメントであるため、研究開発活動について営業種目別に記載しております。
当社グループでは、消防法等関連法規の改正、社会の構造的変換、市場の要請、技術環境の変化等に適応できる新技術を研究、開発し、また基盤保有技術を深耕することを目的として研究開発活動しております。
消火設備・消火器等の機器は、消防法等関連法規により主要な仕様・規格あるいは性能・機能が定められており、研究開発活動はそれらをいかに効率的に実現するかのエンジニアリング開発もしくは商品化開発が主体であります。
また、最近の地球環境保護への考えの広がり、資源のリサイクル活用、建築・構造物の大規模・複合化や新しい使用形態の施設の発現、バイオ燃料や燃料電池をはじめとする代替エネルギーや新素材の開発等による化学物質の多様化、少子高齢化に伴う省力化等の社会環境変化により、消火設備・消火器等の機器の機能・性能並びに物性や使用材料に対するレベルアップが要求されており、それら社会環境変化による市場潮流を先取りした商品の拡充・技術開発が不可欠であり、法規制にとどまらない消火設備・消火器等の開発等にも積極的にビジネスチャンスを捉えるべく、機動的な運営に取り組んでおります。
さらに、既存技術・製品においてもその深耕戦略として生産技術の改善や品質及び生産性の向上に努め、それらの競争力強化を図ることも重要で、営業部門と開発部門との緊密な連携にも注力しております。
当連結会計年度における主な研究開発活動を営業種目別に示すと、以下のとおりであります。
(1)防災設備事業
次世代の防災製品・防災システムの開発を進めており、火災の熱に対して高感度に作動し、かつ、広範囲に散水可能なスプリンクラーヘッド及び超高感度の火災検知システムについて、国家検定型式取得に向けて製品認証機関と協議を開始しました。また、ガス系消火設備について、施工効率向上等を目的とした制御盤のリニューアル開発に着手し、製品認証型式取得を目指しております。
PFOA、PFHxS、PFHxAなどの直鎖系有機ふっ素化合物を含まない、危険物施設向けの泡消火薬剤については、商品名「グリーンアルコエース」として販売開始しておりますが、その発展形として泡原液を二分の一に濃縮した製品を開発し、国家検定型式を申請中です。
近年、火災の様相が変化し、消防車輌に積載する資機材が増えておりますが、消防車輌の総重量は関係法令で規制されており、ボディ・積載装置等の軽量化が必須となっております。このような背景から、消防車輌のボディ材質に樹脂系材料・アルミニウム・高張力鋼などを導入し、軽量化に関連した技術の開発を行い、当該技術を小型化学消防自動車の製造に応用しました。
(2)商品事業
新しいコンセプトによる消火器用の液体消火薬剤の開発を推進しております。有機ふっ素化合物を一切含んでおらず、環境にやさしく、かつ、従来品と比較して高い濡れ性、浸透性を有している当該薬剤について、国家検定型式を申請しました。当該薬剤を使用した消火器について、国家検定型式を取得しました。
火災抑制剤放射器「クイックスプラッシャー」について、想定する使用者(一般・警備・消防・警察等)や使用場所(エントランスホール・公共交通機関・金融機関・商業施設・事務所等)に応じて、使い易さを追求した機種を開発し、販売開始しておりますが、固定式の自動装置としての製品も開発しました。
工作機械用の自動消火装置について、販売開始しておりますが、さらに標準化・量産化を目的とした開発にも着手しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、