第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は創業以来、「遊べる本屋」をキーワードに書籍、SPICE(雑貨類)及びニューメディア(CD・DVD類)を融合的に陳列して販売する小売業に取り組んでまいりました。

 今後も事業の拡大に努めるとともに、店長からアルバイトのひとりひとりに至るまで、当社の企業理念「我々はヴィレッジヴァンガードという、いままで世の中になかった独創的な空間を顧客に提供し続ける。ワン・アンド・オンリーのこの空間が美しく、力強く進化することを我々は永遠に顧客から求められるであろう。我々が立ち止まることは許されない。我々は期待されているのだ。」という合言葉に、強い参画意識を持つよう人材育成に重きを置いた経営に取り組んでまいります。

 その経営こそが、小売業界の競争を乗り越え長期継続的に企業価値すなわち株主価値の増大につながるものと考えております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、お客様の期待に応えるべく、店舗ごとで独創的な空間を創出することを目的として「商品を発掘する楽しさ」だけではなく、「ドキドキ・ワクワクする体験」を提供すべく事業活動を行ってまいりました。店舗運営においてはコンテンツやイベントと連携し、リアルでしか体験できない独創的な空間を創出してまいります。また、販売費及び一般管理費の削減、商品供給体制の強化及び既存商品のWEB販売などを継続的に取り組んでまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループはROA10.0%を経営指標としております。これは、総資産に占める棚卸資産の割合が59.2%あり、資産の増加を常に注意深く管理する必要があるためであります。当連結会計年度における当社グループのROAは1.4%でありますが、今後においてもROA10.0%を目標としてまいります。

  ROA = 営業利益÷ (期首・期末の総資産の平均)

 

 また、上記の経営指標に加え、ROE15.0%及び売上高経常利益率10.0%を目標としております。なお、当連結会計年度における当社グループのROEは0.1%、売上高経常利益率は1.6%の結果となりました。

 

(4)経営環境

 2020年1月に発生しました「新型コロナウイルス」による感染症の拡大を契機に、店舗売上高が大きな影響を受けました。現在もその影響は続いており、今後の状況を予測することは困難であります。再度「緊急事態宣言」等が発令されますと、店舗の休業や営業時間の短縮を行う可能性が高くなり、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 新しい生活様式へ変わりつつある中において当社グループは、いままで世になかった独創的な空間をお客様に提供し続ける店舗型小売りを経営の主軸とし、事業の拡大につとめております。

 お客様の嗜好、マーケット環境の変化の中でも持続的な成長を遂げるために、以下の課題に取り組んでまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

   ① 新たな来店動機の創出

   当社グループは店舗ごとで、独創的な空間を創出し、「商品を発掘する楽しさ」を提供してまいりました。しかしながら、近年の小売業界は業種業態の垣根を超えた競争の激化が進み、厳しい事業環境が続いております。

 このような課題に対処すべく、ヴィレッジヴァンガードだからこそ可能とする、コンテンツとの連携やイベントの実施により、リアルでしか体験できない「ドキドキ・ワクワクする」新しい来店動機を創出できるよう取り組んでまいります。

 

   ② 新規事業による企業価値の向上

   近年、WEBビジネス企業の台頭は、当社を含む店舗型の小売業界にとって、業績を左右するほど脅威の存在となりつつあります。当社グループといたしましては、従来の既存店舗からの「驚き」や「おもしろさ」の創出・提供を新たにWEB、ECを含めた形で進化させ、新たな収益構造を構築していけるよう取り組んでまいります。

 

   ③ 事業基盤の強化

   商品原価、在庫管理、人員配置、店舗運営等の当社グループの運営にかかわる事柄の生産性向上に取り組み、経営の最適化を進めてまいります。

 

   ④ 人材育成

   ヴィレッジヴァンガードの思想を体現及び伝播できる人材を育成してまいります。そのために、管理系のシステム整備、及び業務標準化を進めたコンパクトな本部を構築し、効率的なトレーニングによって、業務経験及び知識の蓄積が行える環境を整えてまいります。これにより、専門性及び多様性のある人材の活躍を促し、持続的な成長を実現いたします。

 

   ⑤ ステークホルダーの期待に応えるコーポレート・ガバナンスの実現

   各方面のステークホルダーの期待に応えるコーポレート・ガバナンスを実現してまいります。そのために、理念及びビジョンの趣旨及び精神を踏まえ、自らのガバナンス上の課題の有無を十分に把握した上で、適切に対応してまいります。これにより、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現いたします。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年5月31日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1)経済状況、消費動向について

 当社グループは、書籍、SPICE(雑貨類)、ニューメディア(CD・DVD類)、アパレル商品の販売事業を営んでおり、国内の景気後退における消費動向の縮小は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)出店戦略について

 当社は直営店・FC店を全国の都心部及び郊外に出店しております。形態といたしましては、ショッピングモールやファッションビル、商業施設に出店しているインショップ店と単独出店している路面店があり、当連結会計年度末における店舗数は318店であります。

 出店の条件としては、立地・施設全体の集客力・売場面積、商圏などがあげられますが、もっとも重視しているのは投資回収基準に見合った家賃条件であります。物件については、近年、ショッピングモールの新規建設が少なくなったことにより、リニューアル物件や既存商業施設への出店が増えております。

 しかしながら、既存ショッピングモールのリニューアルによるテナント入替えで、当社が希望する出店可能条件で出店できない場合、店舗数が大きく減少することがあります。

 

※出退店について

 当社は当連結会計年度において直営店3店舗、FC店1店舗を新規出店し、直営店19店舗及びFC店1店舗を退店しております。その退店の要因としては、当社の出退店を決定する重要な基準である投資回収率を考慮したものが数多く占めております。また、施設の老朽化による集客力の低下などの環境変化も総合的に鑑み、退店を決定しております。

 

(3)業績の季節変動について

 当社グループの業績は、下半期実績が上半期実績を上回る傾向となっております。これは、当社グループの主軸事業である「ヴィレッジヴァンガード」において、12月、1月のクリスマス商戦・年末年始商戦、3月の春休み商戦、5月の大型連休商戦といった直営店売上高が増加する要因が下半期に集中することが主な要因であります。よって、様々な要因により下半期業績が対前年を大きく下回る事象が発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(単位:百万円)

 

第32期(2020年5月期)

第33期(2021年5月期)

第34期(2022年5月期)

上半期

下半期

通期

上半期

下半期

通期

上半期

下半期

通期

売上高

(構成比)

15,244

(52.1%)

14,023

(47.9%)

29,267

(100.0%)

13,375

(47.3%)

14,917

(52.7%)

28,293

(100.0%)

12,022

(44.9%)

14,736

(55.1%)

26,758

(100.0%)

売上総利益

(構成比)

5,747

(52.0%)

5,315

(48.0%)

11,062

(100.0%)

4,863

(45.6%)

5,795

(54.4%)

10,658

(100.0%)

4,862

(44.5%)

6,066

(55.5%)

10,928

(100.0%)

営業利益

(構成比)

△155

(-%)

△131

(-%)

△286

(100.0%)

△463

(-%)

492

(-%)

29

(100.0%)

△247

(-%)

598

(-%)

351

(100.0%)

経常利益

(構成比)

△128

(-%)

△180

(-%)

△308

(100.0%)

△530

(-%)

578

(-%)

48

(100.0%)

△227

(-%)

647

(-%)

420

(100.0%)

(注) 下半期の金額は通期から上半期を差し引いて算定しております。

 

(4)再販売価格維持制度について

 当社グループの取扱商品である書籍及び販売用音楽CD等(レコード、テープを含む)はメーカーの再販売価格維持契約による定価販売(以下再販制度)が義務付けられています。しかしながら、再販制度については「時限再販」や「部分再販」といった弾力的運用がすでに一部で導入され、公正取引委員会は将来的に再販制度の廃止を推進する姿勢を表明しております。したがって、今後さらなる規制緩和、再販制度が廃止された場合、定価販売から自由価格競争へと販売形態が大きく変化する可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)商品仕入について

 当社グループで販売する商品の多くは、国内商社等を経由して中国をはじめとするアジア各国からの輸入によるものです。このため、これらの地域において、予期しない法規制の変更、政情不安、労働問題、大規模な自然災害の発生、テロ等の社会的混乱や、為替レートの著しい変動が発生した場合、当社グループへの商品供給体制に影響を及ぼし、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)財政状態に係るリスク

 当社グループは、事業拡大のための事業資金の多くを金融機関からの借入により調達しております。借入金総額は自己資本に対して高い比率にあり、急激で大幅な金利変動が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の借入金の一部には財務制限条項が付されており、当該条項に抵触した場合には、当社グループの業績及び財政状態、ならびに継続企業の前提に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)差入保証金について

 当社グループは、当連結会計年度末時点において、差入保証金1,367百万円を計上しておりますが、これは主に出店先商業施設等に対して差し入れたものであります。これら商業施設等において経営破綻などの不測の事態が生じ、差入保証金の回収が困難となった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)固定資産の減損について

 当社グループは、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスである店舗及び移転・閉鎖が決定した店舗の内、資産グループの固定資産簿価を回収できないと判断した資産グループについて減損損失を認識しております。今後、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスである店舗が増加した場合、多額の減損損失を計上することも予想され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)店舗移転・閉鎖に伴う損失について

 当社グループは、新規出店を進める一方で、テナント契約期間満了により、別区画への移転及び閉鎖を行うことがあります。このような場合、原状回復に伴う固定資産撤去、移転区画への新規投資を行うため、固定資産の除却、移転期間中の在庫管理コスト等が発生いたします。今後、移転・閉鎖店舗が増加した場合、多額の固定資産除却損、販売費及び一般管理費を計上することも予想され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)災害等について

 店舗施設等の周辺地域において、大規模な地震や台風の災害あるいは予期せぬ事故等が発生し、同施設等に物理的に損害が生じ、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、更に人的被害があった場合、当社グループの事業、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)新型コロナウイルス感染症拡大について

 新型コロナウイルス感染症拡大は当社グループの業績に影響を及ぼしております。現在においては収束の見通しが立たないことから、お客様数の回復まで相応の時間を要すると思われます。感染がさらに拡大し、「緊急事態宣言」等が再度発令されるような場合はさらに大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)競合について

 当社グループでは、店舗事業のほか、期間を限定したPOPUP催事事業や、店舗を持たないEC事業を展開しております。店舗事業においては店舗ごとに独創的な空間を創出する一方で、POPUP事業においてはコンテンツごとにオリジナル企画商品を交えた品揃えで、全国各地で期間限定の催事を開催しております。更にはEC事業においても、オリジナル企画によるクリエイター様や他企業様とのコラボ商品のWEB販売を行うなど、各事業において他社との差別化に努めておりますが、同業他社との競争が激化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

  当連結会計年度(2021年6月1日~2022年5月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症の拡大により、緊急事態宣言の発出並びにまん延防止等重点措置の適用に伴い社会経済活動が制限されるなど、厳しい状況で推移いたしました。

 小売業界におきましても、2021年9月末に緊急事態宣言が解除されて以降、ワクチン接種の普及拡大や外出自粛等の行動制限の緩和を受け、企業活動及び個人消費は回復の兆しがございました。しかし、新型コロナウィルス感染症のより感染力の強い変異株の感染が急拡大したことや、日本経済とつながりのある海外諸国における地政学的リスクや世界経済に対する不確実性の影響などが懸念され、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような状況の下、当社グループはお客様の期待を超えるべく、店舗ごとに独創的な空間を創出し、更にはPOPUP催事出店の強化や、オリジナル企画によるクリエイター様や他企業様とのコラボ商品のWEB販売などEC事業の拡大を図り、店舗事業とEC事業を連動させた、より独創的でヴィレッジヴァンガードでしか味わうことのできない新たな事業価値の創出・向上に取り組んでまいりました。

 このような事業活動の結果、当連結会計年度の売上高につきましては、26,758百万円と前連結会計年度と比べ1,534百万円の減収(5.4%減)となりました。売上総利益につきましては、仕入のコントロール、アウトレット店舗での在庫の消化を継続的に取り組んだ結果、10,928百万円と前連結会計年度と比べ269百万円の増益(2.5%増)となりました。営業利益は351百万円と前連結会計年度と比べ322百万円の増益、経常利益は420百万円と前連結会計年度と比べ372百万円の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は5百万円(前連結会計年度は23百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

 これに伴い、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して大きく減少しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

 セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。

(イ)ヴィレッジヴァンガード

 ヴィレッジヴァンガードは、お客様にお買い物を楽しんでいただくため、独創的なワン・アンド・オンリーの空間の創造を目指しております。

 各店舗では、書籍・SPICE(雑貨類)及びニューメディア(CD・DVD類)、アパレル等の商材を融合させ、店舗独自の「提案」を展開しております。

 主な業態店舗としては、「遊べる本屋」から「コト」も含め取扱分野を広げた「ヴィレッジヴァンガード」、大人も楽しめる空間を演出したライフスタイルショップ「new style」、アウトレット業態「Vintage Vanguard」等を運営しております。

 当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は26,758百万円と前連結会計年度と比べ1,534百万円の減収(5.4%減)となりました。売上総利益につきましては、仕入のコントロール、アウトレット店舗での在庫の消化に継続的に取り組んだ結果、10,928百万円と前連結会計年度と比べて269百万円の増益(2.5%増)となりました。営業利益は351百万円と前連結会計年度と比べ322百万円の増益となりました。

 当社グループの当連結会計年度末の店舗数は、直営店3店舗、FC店1店舗出店し、直営店19店舗、FC店を1店舗を閉鎖したことにより、直営店313店舗、FC店5店舗の合計318店舗となりました。

 

(ロ)その他

 当社グループには海外事業として海外子会社が2社ありますが、比利緹卡(上海)商貿有限公司につきましては

2016年3月末をもって店舗を閉鎖、TITICACA HONGKONG LIMITEDにつきましても2017年6月末をもって店舗を閉鎖

しております。順次、会社清算へ向けた手続きを進めてまいります

 

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,213百万円増加し、当連結会計年度末には5,066百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は1,450百万円(前連結会計年度は2,223百万円の収入)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益140百万円、減価償却費314百万円、減損損失220百万円、棚卸資産の減少額1,138百万円があったためであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は242百万円(前連結会計年度は214百万円の支出)となりました。これは、主に無形固定資産の取得による支出125百万円があったためであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は4百万円(前連結会計年度は1,551百万円の支出)となりました。これは、主に長期借入れによる収入5,707百万円があったものの、短期借入金の減少額92百万円、長期借入金の返済による支出5,323百万円、割賦債務の返済による支出95百万円があったためであります。

 

③ 仕入及び販売の状況

(イ)仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

ヴィレッジヴァンガード

14,778

△18.2

その他

合計

14,778

△18.2

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(ロ)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

ヴィレッジヴァンガード

26,758

△5.4

その他

合計

26,758

△5.4

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

   経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(イ)財政状態の分析

 資産、負債及び純資産の状況

(資産)

 流動資産は、前連結会計年度末に比べて1.3%増加し、21,546百万円となりました。これは、現金及び預金が1,213百万円増加し、商品が1,138百万円減少したことなどによるものです。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べて10.9%減少し、3,061百万円となりました。これは、建物附属設備(純額)が210百万円、工具、器具及び備品(純額)が37百万円、差入保証金が84百万円減少したことなどによるものです。

 この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて0.4%減少し、24,608百万円となりました。

 

(負債)

 流動負債は、前連結会計年度末に比べて3.4%減少し、8,056百万円となりました。これは、買掛金が311百万円、短期借入金が92百万円減少したことなどによるものです。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べて3.8%増加し、8,931百万円となりました。これは、長期借入金が400百万円増加したことなどによるものです。

 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて0.3%増加し、16,987百万円となりました。

 

(純資産)

    純資産合計は、前連結会計年度末に比べて139百万円減少し、7,620百万円となりました。これは、評価・為替換

   算調整勘定等計が24百万円減少したことなどによるものです。

 

(ロ)経営成績の分析

 経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、店舗で販売するための商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、主に無形固定資産の取得等であります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は10,685百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,066百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

 

4【経営上の重要な契約等】

 株式会社トーハンとの取引基本契約及び再販売価格維持契約

 当社グループは、主要仕入先である株式会社トーハンと継続した取引を行うことを目的とし、2015年2月1日付にて取引基本契約を締結しております。このほか、独占禁止法第23条の規定に基づき、同日付にて再販売価格維持契約を締結しており、その要旨は次のとおりであります。

① 出版物の定価販売を維持するため、株式会社トーハン(乙)が出版業者(甲)と締結した契約に基づき、乙と株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション(丙)の間に本契約を締結する。

② 丙は甲又は乙より仕入れ又は委託を受けた出版物を販売するに当たっては、甲の指定する定価を厳守し、割引に類する行為をしない。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。