第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容

①事業環境と経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容

当第2四半期連結累計期間(2023年12月1日~2024年5月31日)における我が国経済は、個人消費の回復に足踏みがみられるものの、雇用・所得環境の改善や各種政策効果により景気は緩やかに回復しています。一方、中国経済の先行き不安等が国内経済の下振れリスクとなっており、不安定な国際情勢、日銀による金融政策の見直し、物価上昇等と合わせて動向に注視が必要です。

当社グループが属する不動産業界においては、2024年1月~3月の国内不動産投資額は1兆7,046億円(前年同期比45%増)となり、世界の都市別投資ランキングで東京は1位(2023年通年は5位)となりました。足元では、国内金利の先高観があるものの、急激な金利上昇はないと予想されており、良好な資金調達環境が継続することで、国内不動産への資金流入は続くとみられています(民間調査機関調べ)。

首都圏分譲マンション市場では、2024年1月~4月の新築発売戸数は5,854戸(前年同期比12.1%減)、2024年4月発売のマンション平均価格は7,412万円(前年同月比4.3%減)となりました。都心エリアの平均価格は、高騰する建築費の価格転嫁により引き続き高水準で推移しています。今後も供給の更なる絞り込み等により販売価格は維持されるとみられています。首都圏中古マンション市場では、2024年1月~4月の成約戸数は13,122戸(前年同期比7.4%増)、2024年4月時点の平均価格は4,606万円(前年同月比5.1%下落)となりました。分譲戸建市場では、2024年1月~4月の新設住宅着工戸数は17,863戸(同6.3%減)となりました(民間調査機関調べ)。

2024年1月~4月の建築費平均坪単価は、鉄骨鉄筋コンクリート造が1,759千円/坪(前年同期比53.7%上昇)、木造が710千円/坪(前年同期比14.5%上昇)となりました。足元の資材価格は、セメント・鋼材は高止まり、木材は横ばいで推移していますが、物価上昇や人件費高騰等の影響を受け、建築費は全体的に上昇しています(国土交通省調べ)。

東京都心ビジネス5区のオフィスビル賃貸市場では、新築・築浅ビルを中心に空室消化が進み2024年4月の平均空室率は5.4%(前年同月比0.7ポイント低下)と緩やかに回復しています。また、2024年4月時点の平均賃料は19,825円/坪(同0.4%下落)とおおむね横ばいで推移しています。2025年には大量供給が見込まれていますが、2024年の新規供給は限定的になる見込みです(民間調査機関調べ)。

首都圏賃貸マンション市場では、2024年4月時点の平均募集賃料は12,079円/坪(前年同月比4.6%上昇)、J-REITが東京圏で保有するマンションの2024年2月末時点平均稼働率は97.5%(同0.3%上昇)となりました。分譲マンション価格高騰や住宅ローン金利上昇懸念を背景に賃貸マンション選好の動きは継続しており、賃料・稼働率ともに堅調に推移しています(民間調査機関調べ)。

首都圏物流施設賃貸市場では、2024年4月時点の賃貸ストックは1,015万坪(前年同月比13.5%増)、空室率は7.4%(同1.9ポイント上昇)、募集賃料は4,860円(同5.7%上昇)となりました。新規供給量増加に伴い、空室率の上昇が継続する中で、建築費高騰の影響で募集賃料も上昇しています。新規供給は2024年をピークに減少する見込みであり、今後、空室率低下が期待されています(民間調査機関調べ)。

不動産ファンド市場では、2024年4月のJ-REITの運用資産総額は23.1兆円(前年同月比0.9兆円の増加)、私募ファンドは運用資産総額35.0兆円(2023年12月末時点、前年同月比5.3兆円増加)となり、両者を合わせた証券化市場規模は58.1兆円まで拡大しています(民間調査機関調べ)。

東京都のビジネスホテル市場では、2024年1月~3月の平均客室稼働率は80.9%(前年同期比6.5ポイント上昇)、東京都の全施設タイプにおける同期間の延べ宿泊者数は2,629万人(前年同期比25.0%増)となりました。延べ宿泊者数の約半数は訪日外国客となっているなど、今後、円安を追い風に更なるインバウンド需要の拡大が見込まれています(観光庁調べ)。

このような事業環境の中、不動産再生事業や不動産開発事業において、物件販売ならびに将来の収益の源泉となる収益不動産や各種開発用地の取得を進めてまいりました。また、不動産ファンド・コンサルティング事業において、アセットマネジメント受託資産残高を伸長させるとともに、ホテル事業の更なる業績向上に努めました。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は57,618百万円(前年同四半期比9.0%増)、営業利益は14,901百万円(同19.1%増)、税引前四半期利益は14,372百万円(同19.0%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は10,058百万円(同23.2%増)となりました。

 

セグメント毎の業績は次のとおりであります。

 

(不動産再生事業)

当第2四半期連結累計期間は、「T's garden西寺尾」(神奈川県横浜市)、「八丁堀トーセイビルⅡ」(東京都中央区)、「リエール市ヶ谷」(東京都新宿区)等28棟のバリューアップ物件及び中古区分マンション65戸を販売いたしました。

仕入につきましては、収益オフィスビル、賃貸マンション等合わせて29棟、土地9件及び中古区分マンション61戸を取得しております。

また、保有する収益不動産の評価を見直したことにより、棚卸資産評価損の戻入を12百万円計上しております。

以上の結果、不動産再生事業の売上高は29,399百万円(前年同四半期比13.6%減)、セグメント利益は5,597百万円(前年同四半期比21.9%減)となりました。

 

(不動産開発事業)

当第2四半期連結累計期間は、物流施設「T's Logi青梅」(東京都西多摩郡)、商業施設「T'S BRIGHTIA自由が丘」(東京都目黒区)を販売いたしました。また、戸建住宅では「THEパームスコート学芸大学」(東京都目黒区)等において、11戸を販売いたしました。

仕入につきましては、賃貸マンション開発用地3件、賃貸アパート開発用地9件、70戸分の戸建住宅開発用地を取得しております。

また、保有する収益不動産の評価を見直したことにより、棚卸資産評価損の戻入を269百万円計上しております。

以上の結果、不動産開発事業の売上高は14,334百万円(前年同四半期比124.1%増)、セグメント利益は5,123百万円(前年同四半期295.3%増)となりました。

 

(不動産賃貸事業)

当第2四半期連結累計期間は、保有する賃貸物件のリーシングに注力しました。

当第2四半期連結累計期間末の賃貸物件数は、物件取得27棟及び賃貸開始6棟、物件売却22棟及び賃貸終了2棟に伴い、前連結会計年度末の114棟より、9棟増加し123棟となりました。

以上の結果、不動産賃貸事業の売上高は3,699百万円(前年同四半期比16.9%増)、セグメント利益は1,791百万円(前年同四半期比17.5%増)となりました。

 

(不動産ファンド・コンサルティング事業)

前連結会計年度末のアセットマネジメント受託資産残高(注)2,352,454百万円から、ファンドの物件売却等により122,327百万円の残高が減少した一方で、新たにアセットマネジメント契約を受託したことにより147,681百万円の残高が増加し、当第2四半期連結会計期間末のアセットマネジメント受託資産残高は、2,377,808百万円となりました。

以上の結果、不動産ファンド・コンサルティング事業の売上高は3,644百万円(前年同四半期比12.9%減)、セグメント利益は2,305百万円(前年同四半期比22.6%減)となりました。

(注) アセットマネジメント受託資産残高には、一部コンサルティング契約等に基づく残高を含んでおります。

 

 

(不動産管理事業)

当第2四半期連結累計期間は、新規契約の獲得及び既存契約の維持に努めました。当第2四半期連結会計期間末での管理棟数は、オフィスビル、ホテル及び物流施設等で571棟、分譲マンションおよび賃貸マンションで392棟、合計963棟(前年同四半期末比122棟増加)となりました。

以上の結果、不動産管理事業の売上高は3,529百万円(前年同四半期比7.7%増)、セグメント利益は637百万円(前年同四半期比23.0%増)となりました。

 

(ホテル事業)

当第2四半期連結累計期間は、国内経済活動の正常化とインバウンド需要の回復が進む中、2023年9月に開業した「トーセイホテル ココネ築地銀座プレミア」(東京都中央区)を含む、全8店舗の客室稼働率及び客室単価の向上に努めました。

以上の結果、ホテル事業の売上高は3,011百万円(前年同四半期比65.4%増)、セグメント利益は1,046百万円(前年同四半期比120.0%増)となりました。

 

②経営成績等に関する分析、検討内容

当社グループの主力市場である国内不動産投資市場は、国内金利の先高観はあるものの、極めて緩和的な金融環境を背景に投資資金の流入が続いており、堅調に取引されています。

このような事業環境のなか、当第2四半期累計期間の業績は、売上高576億円(前年同期比9.0%増)、営業利益149億円(同19.1%増)、税引前利益143億円(同19.0%増)となりました。第1四半期に売却した大型開発物件をはじめとして物件販売が好調であり、通期計画に対する進捗率は売上高で62.5%、税引前利益で87.1%と大きく進捗しております。

事業セグメント別では、不動産再生事業において、「T's garden西寺尾」「八丁堀トーセイビルⅡ」「リエール市ヶ谷」などの1棟物件や、都心タワーマンション等の中古区分マンションの販売が好調に進捗いたしました。また、不動産開発事業では、販売計画に沿って第1四半期に大型物流施設「T's Logi青梅」および商業施設「T'S BRIGHTIA自由が丘」を売却し、第2四半期は戸建や分譲土地を中心に販売いたしました。なお、仕入活動においては、当社の競争優位性の一つとなっている事業承継支援を通じた物件取得が寄与し、当期仕入計画の1,000億円(売上想定ベース)に対して446億円まで進捗しています。今般の建築費高騰への対策として、建築費負担が少ない再生事業案件の比率を増やすとともに、開発事業においてはRC造に比べて建築費上昇が緩やかな木造アパートの研究を進め、収益性に拘り案件を厳選して仕入を進めてまいります。

一方、当社が安定収益事業と位置付けるストック・フィービジネスにおいては、各事業とも順調に進捗しており、特に、インバウンド需要の増加を追い風にホテル事業は期初計画よりも上振れて推移しました。また、不動産ファンド・コンサルティング事業においては、受託資産残高は前期末比253億円増の2.3兆円となりました。不動産価格が高値圏で推移するなか、受託しているファンドにおいても活発な物件取得と売却があり、それらの成果報酬等の獲得により業績は好調に推移しました。日銀の追加利上げが予見されていますが、日本の不動産の収益安定性やイールドギャップ、賃料上昇期待などの魅力は今後も継続すると見られており、当社は新規受託力を高めるべく組織強化に努めてまいります。

当社は、2024年5月24日付で名古屋鉄道株式会社(以下、名古屋鉄道という)と資本業務提携を行いました。名古屋鉄道の安定的な財務基盤及び名古屋エリアにおけるプレゼンスやノウハウと、当社グループの企業価値の源泉である「不動産ソリューション力」・「ポートフォリオ・マネジメント力」・「グローバル・リーチ力」を相乗的に活かし、両社グループの企業価値最大化を目指してまいります。具体的には、各々が強みとする事業エリアである名古屋圏および首都圏において、私募ファンドの組成や不動産テックビジネスでの共同案件を推進することにより、両社の不動産ファンドビジネスを強化してまいります。また、名古屋圏および首都圏での不動産事業において共同プロジェクトを推進することにより、より一層の優良案件を獲得し、当該エリアにおけるプレゼンス拡大を目指してまいります。

 

 

 

(2) 財政状態の分析

当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9,134百万円増加し、254,464百万円となりました。負債は2,016百万円増加し、165,026百万円となりました。

総資産が増加した主な要因は、営業債権及びその他の債権、棚卸資産及びその他の金融資産が増加したことによるものであります。負債が増加した主な要因は、営業債務及びその他の債務及び有利子負債の増加によるものであります。

また資本は7,118百万円増加し、89,438百万円となりました。これは主に利益剰余金の積み上げと配当金の支払によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ533百万円増加39,731百万円となりました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は、6,035百万円(前年同四半期比58.4%減)となりました。これは主に、税引前四半期利益14,372百万円、棚卸資産の増加5,694百万円、法人所得税の支払額3,190百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、2,332百万円(前年同四半期比45.8%減)となりました。これは主に、貸付金の実行による支出7,795百万円、貸付金の回収による収入7,412百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、3,172百万円(前年同四半期は2,083百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入30,737百万円等があったものの、長期借入金の返済による支出30,298百万円及び配当金の支払額3,190百万円等があったことによるものであります。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりますが、前事業年度の有価証券報告書提出日後、当四半期累計期間において重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当社は、2024年5月24日開催の取締役会(以下「本取締役会」という)において、名古屋鉄道株式会社(証券コード:9048、本社:愛知県名古屋市、取締役社長:髙﨑裕樹、以下「名古屋鉄道」という)との間で、同日付で資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といい、本資本業務提携契約に基づく資本業務提携を「本資本業務提携」という)を締結することを決議し、同日付で本資本業務提携契約を締結いたしました。

 

1.本資本業務提携の目的および理由

当社グループは、「私たちは、グローバルな発想を持つ心豊かなプロフェッショナル集団としてあらゆる不動産シーンにおいて新たな価値と感動を創造する。」ことを存在理念とし、常に「モノづくり」へのこだわりを持ち、不動産と金融の融合を意識した多様な不動産関連事業の推進により社会に貢献し、グループ企業価値を向上することを目指しております。

当社グループは、6事業からなる不動産関連事業を通じて、不動産の潜在価値を顕在化する様々なソリューションを提供してまいりました。また、事業特性の異なる複数事業を組み合わせることにより、リスクを低減しながら事業領域を広げており、多種多様なアセットを取り扱うことが出来るポートフォリオマネージャーとして不動産投資技術の研鑽を続けております。また、アセットマネジメントの分野では、世界の不動産投資家に信頼される世界品質でのサービスを提供しており、これらの「不動産ソリューション力」・「ポートフォリオ・マネジメント力」・「グローバル・リーチ力」を当社のコア・コンピタンスとして更に発展させながら、事業成長と長期ビジョン2032の実現に取り組んでおります。

当社グループの主力市場である首都圏不動産投資市場は、低金利環境による円安進行やイールドギャップの厚み、地政学的リスクの低さなどから、海外主要都市に比べて相対的に高い優位性を維持しており、引き続き投資資金の流入が期待されています。一方で、2024年度はデフレ脱却に向けた政府の経済対策が推進され、日銀によるマイナス金利解除などの金融政策正常化に向けた動きが予想されることから、不動産投資家の投資意欲や金融機関の融資姿勢、住宅需要の変化、長期化する建築費高騰などに注視する必要があると認識しています。

このような状況のもと、当社は独自での成長戦略を描くだけでなく、上記のような環境変化への対応力の強化も見据え、財務的信用力が高く土地取得能力があるパートナー企業との提携を模索しており、ともに協働して不動産事業に取り組むことが最善の成長戦略であると認識し、業務提携先を検討してまいりました。

一方、本資本業務提携の相手先である名古屋鉄道は2024年3月に策定した「新・名鉄グループ経営ビジョン、2040年のありたい姿、中長期経営戦略及び中期経営計画(2024年度~2026年度)」において、2024年度~2026年度を「成長基盤構築・収益力強化期」と位置付け、コロナ禍を経てライフスタイル等の変化が加速し、人口減少、少子高齢化が確実に進展していく中でも、名古屋鉄道グループが持続的な成長と企業価値の向上を実現していくために5つの重点テーマを掲げ、「魅力ある地域づくり・まちづくり」や「稼ぐ力の強化・構造改革の推進」の観点から、沿線・地域の開発を通じてさらなる活性化を図るとともに、成長と財務健全性の維持を両立するべく不動産事業の複線化を進めるなど、成長が見込まれる分野である不動産事業のさらなる収益力強化に取り組んでおります。

当社と名古屋鉄道は、両社の不動産事業の協業の可能性について協議を重ねた結果、当社グループの企業価値の源泉である「不動産ソリューション力」・「ポートフォリオ・マネジメント力」・「グローバル・リーチ力」を活かし、名古屋鉄道の強みである名古屋鉄道グループの持つ顧客層や中部圏に根差した確かな提案力を併せて活かすことにより相乗効果を生み出すことが可能となり、両社の企業価値の最大化が期待できることから、資本業務提携を行うことについて合意に至りました。

 

2.本資本業務提携の内容等

(1)業務提携の内容

当社と名古屋鉄道は、これまでに培ってきた各々のノウハウ及び強みを相乗的に活かし、不動産事業の共同プロジェクト、不動産ファンドビジネスの強化および各々が強みとする事業エリアにおける不動産への共同事業を推進することによる当社と名古屋鉄道グループの企業価値最大化を目指します。

 

(ア)不動産テック事業及び私募ファンド事業における共同案件の推進

当社グループでは、不動産私募ファンドの組成と運用・助言、トーセイ・リート投資法人の運用、事業会社向けの不動産コンサルティング等を行い、2023年11月期末時点の受託資産残高は2.3兆円と日本有数の規模となっています。

当社グループがこれまで培ったアセットマネジメントビジネスにおけるノウハウと名古屋鉄道の安定的財務基盤及び関与資産を活用し、当社と名古屋鉄道グループは私募ファンドの組成や不動産テックビジネスにおいて協業することにより、名古屋エリアおよび首都圏におけるアセットマネジメントビジネスを推進し、両社の不動産ファンドビジネスの強化を目指します。

 

(イ)名古屋エリアにおける共同事業の推進

当社と名古屋鉄道グループは、各々名古屋含む東海圏および首都圏において包括的な不動産ビジネスを展開してきました。

中でも名古屋鉄道は、名古屋圏においてグループで魅力的なまちづくりに寄与する不動産開発を推進しており、当社と名古屋鉄道グループは、名古屋鉄道グループの当該エリアにおけるプレゼンスおよびノウハウを活かし、また当社の不動産再生事業や開発事業における不動産ソリューション力および豊富なアセットバリエーションへの投資経験を活かし、共同で不動産事業を推進していきます。

 

(ウ)首都圏における共同事業の推進

上記(イ)に加え、当社が豊富な不動産投資実績を有する首都圏において、名古屋鉄道の安定的な財務基盤を活用することにより、当社と名古屋鉄道グループは共同事業を推進し、より一層の優良案件の獲得および当該エリアにおけるプレゼンス拡大を目指します。

 

(エ)人材・ノウハウ面における連携

上記(ア)乃至(ウ)の実現と本資本業務提携の相乗効果の最大化に向けて、両社間における人材交流、並びに名古屋鉄道グループの有する「魅力ある地域づくり・まちづくり」に資する都市再開発、沿線地域開発等の面開発、商業・住宅・観光施設等の高付加価値化のノウハウをはじめとする、両社が有するノウハウの連携を推進します。

 

(オ)業務提携推進委員会の設置

業務提携に関する協議を円滑かつ迅速に推進し、相乗効果を発現することを目的として、業務提携を推進するための協議体を設置いたします。

 

(2)資本提携の内容

本株式譲渡により、主要株主である筆頭株主の山口誠一郎氏が所有する当社普通株式のうち合計 7,500,100 株(2023年11月30日時点の発行済株式総数に対する株式所有割合 15.40%(以下、小数点以下第3位を切り捨てて表示)、2023年11月30日時点の総議決権数に対する議決権割合 15.50%)を市場外での相対取引により名古屋鉄道に対して譲渡することについて合意し、2024年6月4日付で本株式譲渡が完了したことを認識いたしました。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 (5)要約四半期連結財務諸表注記 12. 重要な後発事象に記載されている通りであります。

また、当社と名古屋鉄道は、本資本業務提携契約において、本資本業務提携に関して以下の事項を含む事項について合意しております。

 

(ア)独立性の尊重等

当社および名古屋鉄道は、当社による上場会社としての経営の自主性及び独立性を最大限尊重することを相互に確認するとともに、名古屋鉄道は、当社の少数株主を含む当社の株主共同の利益に最大限配慮することを合意しております。

 

(イ)取締役の派遣

名古屋鉄道は、本資本業務提携契約上、当社に対し、本業務提携を推進することを目的として名古屋鉄道が指名する者1名を常勤取締役候補者として提案することができます。当社は、当該提案内容及び人選について協議を経たうえで、当社取締役会及び2024年5月30日以降最初に開催される株主総会に付議する予定です。

 

 

3.資本業務提携の相手先の概要

(1)名称

名古屋鉄道株式会社

(2)所在地

愛知県名古屋市中村区名駅一丁目2番4号

(3)代表者の役職・氏名

取締役社長 髙﨑裕樹

(4)事業内容

交通事業、運送事業、不動産事業、レジャー・サービス事業、流通事業、航空関連サービス事業、その他の事業

(5)資本金

101,158百万円

(6)設立年月日

1921年6月13日

(7)大株主及び持株比率(発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合)

(2023年9月30日現在)

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)           13.62%

日本カストディ銀行(信託口)                                 4.27%

日本生命保険相互会社                                       2.57%

GOVERNMENT OF NORWAY(常任代理人 シティバンク、

エヌ・エイ東京支店)                    1.51%

ジェーピー モルガン チェースバンク 385781

(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)                 1.36%

株式会社三菱UFJ銀行                                        1.24%

ステート ストリート バンク ウェスト クライアント

トリーティー 505234

(常任代理人 株式会社みずほ銀行 決済営業部)              1.15%

東京海上日動火災保険株式会社                               1.02%

ステート ストリート バンクアンド トラスト カンパニー

505103

(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)         0.94%

三井住友海上火災保険株式会社                              0.94%

 

(8)当事者間の関係

資本関係

該当事項はありません。

人的関係

該当事項はありません。

取引関係

該当事項はありません。

関連当事者への該当状況

該当事項はありません。

 

(9)最近3年間の連結経営成績及び連結財政状態(単位:百万円、特記しているものを除く)

決算期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

連結純資産

411,132

429,089

463,532

連結総資産

1,186,897

1,231,378

1,303,205

1株当たり連結純資産(円)

1,949.33

2,057.89

2,227.88

連結営業収益

490,919

551,504

601,121

連結営業利益

2,932

22,731

34,750

連結経常利益

13,135

26,362

37,544

親会社株主に帰属する連結当期純利益

9,370

18,850

24,400

1株当たり連結当期純利益(円)

47.65

95.91

124.13

1株当たり配当金(円)

12.50

20.00

27.50