当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第179条第1項に規定する特別支配株主である富士ソフト株式会社(以下「富士ソフト」又は「特別支配株主」といいます。)から、会社法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)の通知を受け、2024年1月10日開催の取締役会において、本株式売渡請求を承認することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
1. 本株式売渡請求の通知に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2024年1月10日
(2)当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
(3)当該通知の内容
当社は、富士ソフトから、当社の会社法第179条第1項に定める特別支配株主として、当社の株主(ただし、当社及び富士ソフトを除きます。)(以下「本売渡株主」といいます。)の全員に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といい、本売渡株主が所有する当社株式を、以下「本売渡株式」といいます。)の全部を富士ソフトに売り渡すことの請求に係る通知を2024年1月10日付で受領いたしました。当該通知の内容は以下のとおりです。
① 特別支配株主完全子法人に対して本株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配
株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)
該当事項はありません。
② 本株式売渡請求により本売渡株主に対して本売渡株式の対価として交付する金銭の額又はその算定方法
及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号、第3号)
富士ソフトは、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本株式売渡対価」といいます。)として、その有する本売渡株式1株につき1,905円の割合をもって金銭を割当交付いたします。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)
該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)(会社法第179条の2第1項
第5号)
2024年2月13日
⑤ 本株式売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則
第33条の5第1項第1号)
富士ソフトは、本株式売渡対価の全てを、株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)及び株式会社三井住友銀行(以下「三井住友銀行」といいます。)からの借入金を原資として支払うことを予定しております。富士ソフトは、富士ソフトが当社の普通株式に対して2023年11月9日から同年12月21日までを買付け等の期間として行った公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に係る公開買付届出書の添付書類として、三菱UFJ銀行作成の2023年11月8日付融資証明書及び三井住友銀行作成の2023年11月8日付融資証明書並びに2023年11月8日付残高証明書を提出しております。富士ソフトにおいて、本株式売渡対価の支払いに影響を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も認識しておりません。
⑥ その他の本株式売渡請求に係る取引条件(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の
5第1項第2号)
本株式売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。但し、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(本株式売渡対価の交付について富士ソフトが指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対する本株式売渡対価を支払うものとします。
2. 本株式売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2024年1月10日
(2)当該決定がされた年月日
2024年1月10日
(3)当該決定の内容
富士ソフトからの通知のとおり、同社による本株式売渡請求を承認いたします。
(4)当該決定の理由及び当該決定に至った経緯
本公開買付けに関して当社が2023年11月9日に提出した意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」といいます。)の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本株式売渡請求は、本公開買付けの結果、富士ソフトが当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至ったことから、当社株式の全て(ただし、富士ソフトが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を富士ソフトの完全子会社とすることを目的とした取引(以下「本取引」といいます。)の一環として行われるものであり、本株式売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格に設定されております。
当社は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、以下の過程及び理由により、2023年11月8日開催の取締役会において、本公開買付けに関して、賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
(ⅰ)検討体制の構築の経緯
当社は、2023年8月24日に、富士ソフトより本取引の検討・協議を開始したい旨の申し入れを受け、同日に検討を開始する旨の返答を行ったこと、及び、2023年9月4日に、富士ソフトより本取引を行うことの提案を受けたことを踏まえ、2023年9月14日開催の当社取締役会において、富士ソフト及び当社並びに本取引から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、富士ソフト及び当社並びに本取引から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を、それぞれ選任いたしました。
また、当社は、当社が富士ソフトの連結子会社であるため、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、当社取締役会における本取引に関する審議及び決議に先立ち、本取引に係る当社取締役会の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、本取引の公正性を担保するため、2023年9月14日開催の当社取締役会において、粉川義弘氏(当社独立社外取締役)、杉本等氏(当社独立社外取締役)、工藤道弘氏(当社独立社外監査役)、大堀健太郎氏(当社独立社外監査役)の4名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の具体的な活動内容等については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置いたしました。
さらに、当社は、富士ソフトから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築いたしました。
その他、当社は、当社の全般的な企業価値向上の検討に関して、2023年9月14日開催の当社取締役会において選任された、富士ソフト及び当社並びに本取引から独立した株式会社プルータス・マネジメントアドバイザリー(以下「プルータス」といいます。)から助言を受けておりますが、プルータスは、本公開買付価格その他の本取引に係る取引条件及び当社における本取引に関する意見について当社に対して助言を行うことを目的として選任されたものではなく、実際に行われたプルータスの業務は、当社が当社の全般的な企業価値向上の検討のために設置した企業価値向上委員会に対する助言を行うこと、及び本特別委員会が当社の企業価値向上に関連して必要と認めるアジェンダに限り本特別委員会に参加し、助言を行うことに限定されております。
なお、当社におけるこれらの検討体制については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会においても承認を受けております。
(ⅱ)判断内容
当社は、富士ソフトからの初期的な提案及び打診を受けて以降、TMI総合法律事務所から受けた本取引における手続の公正性を確保するための対応についての法的助言及び野村證券から受けた当社株式の株式価値算定結果に関する報告、富士ソフトとの交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を踏まえつつ、本公開買付けを含む本取引が当社企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行ってまいりました。
なお、当社における協議及び検討並びに富士ソフトとの交渉過程において、本特別委員会は、適宜、当社や当社のアドバイザーから報告を受け、確認及び意見の申述等を行っております。当社のファイナンシャル・アドバイザーは、富士ソフトとの交渉にあたっては、事前に当社内で検討し、本特別委員会の意見を踏まえた交渉方針に従って対応を行っており、また、富士ソフトから本公開買付価格その他の本取引に係る取引条件についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、その助言を踏まえて当社内にて検討及び対応を行ってまいりました。
その結果、以下のとおり、当社としても、富士ソフトの完全子会社となることにより、シナジーの創出を見込むことができ、当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
当社は、当社を取り巻く事業環境は、幅広い業界におけるビジネスモデルの変革を目的としたDX(注1)の推進や業務効率化等の動きを背景として、今後も情報通信技術への投資の拡大が予想される中、当社が強みを有するソフトウェア開発に対する需要についても、引き続き堅調に推移すると想定しております。当社としても、それらの旺盛な需要を着実に捉えることで受注につなげていくとともに、高度化するニーズへもしっかりと対応していくことにより、持続的なビジネス拡大に向けた取り組みを強化しております。
(注1)「DX」とは、「Digital Transformation」の略であり、デジタル技術の活用による新たな価値・
体験の提供及び社会の変革を指します。
しかしながら、受注獲得に留まらず、人財獲得においても他社との競争が激化し、また、技術革新のスピードがさらに加速している現在の事業環境において、多様化及び高度化するお客様のニーズに対し継続的かつ安定的に応えていくことは、相応に困難の伴う課題であると認識しております。当社は、現在も「ビジネス拡大」を基本方針として掲げ、DXへの対応強化、好調分野への集中と選択、高付加価値のビジネスの拡大等の施策に取り組んでおりますが、技術者の確保及び育成が今後の持続的な成長の鍵を握る重要な要素である中、それらの前提となる技術者の人財不足は喫緊で対応が必要な課題であると考えております。また、技術の進歩に伴い、お客様から求められる水準も高度化していく中で、当社における技術面、サービス面におけるクオリティ向上の重要性も益々高まってきていると認識しております。当社は、これまでも、採用の強化、先端技術教育の強化、業務効率化に向けた情報システムへの投資等により、一定の成果を残しておりますが、環境変化は急速かつ不透明であり、当社が十分に対応していくための確固たる事業基盤を有しているとまでは断言できない状況になりつつあると認識しております。また、対応力を維持・向上させながら環境変化に適応していく必要がある中、現在の当社の有する経営リソースの規模及び範囲では困難となるケースも想定され、更なる成長の加速のためには、大幅な事業基盤の拡充が必要になると考えております。
当社は、富士ソフトの連結子会社ではあるものの、独立した上場会社であるため、富士ソフトとの協業等には一定の障壁が存在していたこともあり、これまで富士ソフトとの事業上の関係は緊密なものではなく、取引関係も限定的な規模に留まっております。しかしながら、富士ソフトは、研究開発における規模や範囲の広さ、豊富な技術者及び人財、幅広い顧客ネットワーク、最新技術のノウハウやソリューション、グローバル展開の実績といった強みを有する他、財務面でも当社と比較して優位な状況にあると認識しております。上記のとおり、当社の抱える経営課題は、技術、お客様、人財といった事業の根幹部分に関わる問題であるがゆえに、当社の限られたリソースを前提として当社単独で取り組むよりも、富士ソフトと当社が協働しながら取り組むことで、より大きな成果に結びつけることが可能になると見込んでおります。両社が協働していくにあたっては、現在の当社の運営体制がその基盤として維持されることにより、お客様、従業員を始めとするステークホルダーへの影響を最小限に留めながら、その効果を発揮していくことが可能となると考えております。
また、当社は、高度な技術を有する技術者、通信や組込み分野におけるプレゼンス、地域拠点を活かした機動力やコスト競争力等、当社の有する強みをより発揮していくために、富士ソフトとの経営資源の相互活用を促進していくことが必要であると考えております。
当社は、本取引の実行により富士ソフトが当社を富士ソフトの完全子会社とし、親子上場に係る潜在的な利益相反を排除しつつ、柔軟かつ迅速な意思決定体制を構築するとともに、富士ソフトグループ及び当社間における経営資源の共有を行うことが当社の企業価値をさらに向上させていくために必要であると考えております。当社が本取引によって実現可能と考える具体的なシナジーは以下のとおりです。
Ⅰ.技術面の高度化によるお客様への提供ソリューションの高付加価値化
富士ソフトは、研究開発や先端の技術力に強みを有し、当社と比してこれらについて広範なテーマを手掛けております。当社においても、技術開発に対する必要な投資はこれまで実行してきているものの、市場におけるニーズの多様化、リリースされる製品の増加に伴い、提供ソリューションの網羅性を高めることや、特に先進的な領域や大がかりとなる研究開発においては、経営資源の制約等を背景として十分な投資を手掛けることが困難となるケースもありました。富士ソフトが有する技術面に関連する経営資源を活用することにより、当社が有する技術力をより発揮していくことが可能となり、ひいては、エンドユーザーからの案件の獲得及び対応力の向上や大型案件の受注といった、当社がこれまで十分に手掛けることができていなかった領域への拡大が見込まれます。
Ⅱ.相互連携による顧客基盤の拡大
富士ソフトと当社とでは得意とするお客様の領域が異なっており、両社が一体となってお客様へのアプローチが可能になることの相乗効果は大きいと考えております。具体的には、両社のノウハウや技術力を組み合わせることで可能となる提案や、DXが加速する中での新たなビジネスの創出等も可能となることで、お客様創造価値を最大化することも可能になります。
また、規模等の制約から単独では対応が困難であった案件の受注が相互に可能となり、結果としてお客様からの引き合い数が増加することが期待されます。営業拠点が重複する地域においても、業務分野、顧客層、工程等の各要素からマーケットを明確に定義することにより、富士ソフトグループ全体としての案件獲得を最適化していくことが可能となります。また、営業拠点の地域的な補完関係による機動力の向上や重複関係の最適化を通じた受注拡大も見込まれ、当社の得意とする地域企業に対してより安定的な対応が可能となることが想定されます。
Ⅲ.交流及び連携等を通じた人財力の強化
両社が抱える技術者間における連携による情報交換を基礎として、技術者教育を通じた対応力の強化、技術知見やノウハウ等の共有することにより、高付加価値案件へ参画する機会が増加することが見込まれます。当社の成長基盤として、技術者の絶対数を確保すること、技術力の高い技術者を増加させてくことが必要になりますが、例えば富士ソフトとの合同での教育機会の設定や、教育コンテンツの共有等を通じて、量と質の両面から技術者人財の強化が可能となります。また、富士ソフトがマーケティングに関して有する、市場分析、企画力、ターゲティング等における強みを活用することにより、営業力の底上げが見込まれます。これらにより、技術面、営業面の双方から人財の強化へつなげていくことが可能となります。
Ⅳ.間接部門の効率化による収益力の向上
業務システムの導入には一定の期間と費用の双方のコストを必要としますが、例えばシステムの共同利用を可能とする仕組みの導入により、システムに係る企画及び設計に必要とする期間の短縮やシステム導入費及び運用費等の管理費用の削減が可能となることが見込まれます。管理部門においても、業務スタッフ間でのノウハウの共有や共通化等により、業務効率を向上させることも可能になると見込んでおります。
なお、上記のようなシナジーに加え、当社が上場会社ではなくなることにより、資本市場を活用した資金調達を実施することができなくなること、上場会社としての知名度及び信頼性、人財の採用等への影響が検討事項として想定されますが、当社は、現在の当社の財務状況に鑑みるとエクイティ・ファイナンス中心とする資本市場を活用した資金調達の必要性は低く、これまで構築してきたお客様や従業員との信頼関係についても必ずしも上場会社としての立場に基づくものではないと考えております。また、人財の採用についても、これまでの事業実績を含め、富士ソフトグループの一員として、当社の事業及び戦略を訴求していくことにより、これまで以上に積極的に取り組んでいくことが可能であると考えております。加えて、富士ソフトとの本取引に関する検討協議を通じて、当社は、富士ソフトが想定する本取引後の当社の経営方針を十分に理解できており、シナジーの実現を通じた当社の企業価値の向上が見込まれることも踏まえると、本取引を実行することによるデメリットは限定的であると考えております。また、上場会社として責任を果たしていくために必要な体制や負担が大きくなる中、上場維持に関するコストが削減されることにより、その他の経営資源に配分することが可能になる点は、本取引の付随的なメリットであると認識しております。
以上により、当社が富士ソフトの完全子会社となることが、当社の企業価値向上に資すると判断いたしました。
また、本公開買付価格に係る交渉経緯については、2023年10月6日に富士ソフトから本公開買付価格を1,627円(以下「第1回提案価格」といいます。)とすることを含む最初の価格提示を受けて以降、当社は富士ソフトとの間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行いました。協議及び交渉を行うにあたっては、野村證券からは当社株式の株式価値算定の試算結果に関する報告、富士ソフトとの交渉の方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を、TMI総合法律事務所からは本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言を受けるとともに、本特別委員会における協議、本特別委員会からの意見及び判断の内容を踏まえて慎重に検討いたしました。
具体的には、当社は、富士ソフトに対して、2023年10月13日付で、第1回提案価格について本特別委員会の意見を踏まえ慎重に検討した結果、当社の少数株主にとって十分な価格とはいえないことから、本公開買付価格を再考いただきたい旨の回答を行いました。
これに対し、富士ソフトより、同月18日に本公開買付価格を1,730円(以下「第2回提案価格」といいます。)とする旨の提案を受領しましたが、富士ソフトに対して、同月20日付で、野村證券による当社株式の株式価値算定の試算結果及び本取引と同じく支配株主による完全子会社化の事例におけるプレミアム水準と比しても不十分であること等の理由から、第2回提案価格は、依然として当社の少数株主の利益に十分に配慮された価格とはいえないことから、本公開買付価格を再検討いただきたい旨の回答を行いました。
同月30日には、富士ソフトにおける再考の結果として、本公開買付価格を1,780円(以下「第3回提案価格」といいます。)とする旨の提案を受領しました。これに対して、当社及び本特別委員会は、同月31日付で、第3回提案価格は当社の少数株主にとって十分な価格とはいえず、当社が当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨することを前向きに検討できる水準に引き上げていただく必要があるとして、本公開買付価格を1,950円とすることを要請いたしました。
これに対して、同年11月1日に、富士ソフトより、当社が提示した本公開買付価格を考慮の上、当社が応募推奨を前向きに検討可能な水準へとさらに引き上げ、より当社及び当社の少数株主への配慮をしたとして、本公開買付価格を1,880円(以下「第4回提案価格」といいます。)とする旨の提案を受領しました。これに対して、当社及び本特別委員会は、同月3日付で、第4回提案価格に関して、当社の一般株主の皆様の利益を最大限追求するという観点から、本公開買付価格の更なる引き上げの余地について再度検討いただきたいとして、本公開買付価格を1,950円とすることを改めて要請いたしました。
これに対して、同月6日に、富士ソフトより、当社及び本特別委員会からの回答にて引き続き要請されている本公開買付価格について慎重に再検討を行った上で、より当社及び当社の少数株主への配慮をしたとして、本公開買付価格を1,905円(以下「第5回提案価格」といいます。)とする旨の提案を受領しました。かかる提案を受けて、当社は、同日、富士ソフトに対して、本公開買付価格を第5回提案価格とすることを応諾する予定である旨を回答いたしました。
本公開買付価格に関し、当社は、(ⅰ)野村證券による当社株式の株式価値の算定結果のうち、①市場株価平均法に基づく算定結果のレンジの上限を上回るものであり、②類似会社比較法に基づく算定結果のレンジの上限を上回るものであり、かつ、③ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの範囲内であること、(ⅱ)本公開買付価格が、東京証券取引所スタンダード市場における、本公開買付け実施についての公表日の前営業日である2023年11月7日の当社株式の終値1,094円に対して74.13%、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,195円に対して59.41%、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,287円に対して48.02%、直近6ヶ月間の終値平均値1,385円に対して37.55%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっており、また、2020年1月1日以降に公表され、2023年11月7日までに公開買付けが成立し決済開始日が到来した、連結子会社の完全子会社化を企図した公開買付けの事例39件における公表日の前営業日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの平均値により算出したプレミアム水準(公表日の前営業日の終値に対して42.12%、並びに直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して43.92%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して42.74%及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して40.73%)との比較において、直近6ヶ月間の終値平均値に対するプレミアム水準は相対的にやや劣るものの遜色のない水準であり、本公開買付け実施についての公表日の前営業日である2023年11月7日の当社株式の終値並びに直近1ヶ月間及び直近3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準は平均値をそれぞれ十分に上回っていることを踏まえると、合理的なプレミアムが付されていると考えられること、(ⅲ)本公開買付価格の決定に際しては、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が採られており、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(ⅳ)本公開買付価格が、上記措置が採られた上で、当社と富士ソフトとの間で協議・交渉が複数回行われた上で決定されていること、(ⅴ)本公開買付価格の決定にあたっては、当社は、当社と富士ソフトの間における本取引に係る協議及び交渉の経緯並びに内容等を本特別委員会に対して適時に報告を行い、本特別委員会を開催して協議及び交渉の方針等を協議した上で、本特別委員会は協議及び交渉の重要な局面で意見を述べ、当社は本特別委員会の意見、指示及び要請を最大限尊重して富士ソフトと協議及び交渉を行っており、本特別委員会が富士ソフトとの交渉過程に実質的に関与した結果として、富士ソフトから1,905円という本公開買付価格の最終的な提案を受けていること、(ⅵ)本公開買付価格が、本特別委員会から取得した答申書(以下「本答申書」といいます。)においても、本取引は当社少数株主にとって不利益なものとはいえないと判断されていること、(ⅶ)本公開買付価格は、直近2年間における当社株式の市場株価の最高値(1,665円)を上回る金額であること等から、本公開買付価格である1,905円は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
以上から、当社は、2023年11月8日開催の取締役会において、本公開買付けに関して、賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
上記当社取締役会における決議の方法については、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
その後、当社は、2023年12月22日、富士ソフトより、本公開買付けの結果について、当社株式3,275,174株の応募があり、本公開買付けが成立したことから、その全てを取得することとなった旨の報告を受けました。この結果、2023年12月28日(本公開買付けの決済の開始日)付で、富士ソフトが所有する当社株式の議決権所有割合(注2)は92.72%となり、富士ソフトは当社の特別支配株主に該当することとなりました。
(注2)「議決権所有割合」は、当社が2023年11月10日に提出した第46期第3四半期報告書に記載された2023
年9月30日現在の発行済株式総数(8,021,600株)から、当社が2023年11月8日に公表した「2023年
12月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」に記載された2023年9月30日現在の当社が所有
する自己株式数(898株)を控除した株式数(8,020,732株)に係る議決権の数(80,207個)に占める
割合をいいます(小数点以下第三位を四捨五入しております。)。
このような経緯を経て、当社は、富士ソフトより、本日付で、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本株式売渡請求を行う旨の通知を受領しました。
そして、当社は、かかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議、検討いたしました。
その結果、当社は、本日開催の取締役会において、(ⅰ)本株式売渡請求は本取引の一環として行われるものであるところ、当社は、上記のとおりの過程及び理由により、本取引は当社の企業価値の向上に資すると判断しており、当該判断を変更すべき特段の事情は生じていないこと、(ⅱ)本株式売渡対価は本公開買付価格と同一の価格に設定されているところ、当該価格は、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、当社及び富士ソフトから独立した本特別委員会の実質的な関与のもと、富士ソフトとの間で真剣に交渉を重ねた上で合意された価格であり、また、本意見表明報告書の「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、本取引の取引条件の妥当性が確保されていると判断されていること等、本売渡株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であると考えられること、(ⅲ)富士ソフトは、本株式売渡対価を、三菱UFJ銀行及び三井住友銀行からの借入金を原資として支払うことを予定しているとのことであり、当社としても、三菱UFJ銀行作成の2023年11月8日付融資証明書及び三井住友銀行作成の2023年11月8日付融資証明書を確認することにより富士ソフトによる資金確保の方法を確認していること、また、富士ソフトによれば、本株式売渡対価の支払いに影響を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も認識していないとのことであること等から、富士ソフトによる本株式売渡対価の支払いのための資金の準備状況・確保手段は相当であり、本株式売渡対価の交付の見込みはあると考えられること、(ⅳ)本株式売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められないことから、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(ⅴ)本公開買付けの開始以降本日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと等を踏まえ、本株式売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、本株式売渡請求の条件等は適正であると判断し、当社取締役会において、取締役8名のうち審議及び決議に参加した5名の全員一致により、本公開買付けに関して、富士ソフトからの通知のとおり、本株式売渡請求を承認する旨の決議をいたしました。
また、上記の取締役会においては、当社の監査役3名のうち審議に参加した2名全員が、当該決議について異議がない旨の意見を述べております。
なお、上記の取締役会においては、当社の取締役である渡辺剛喜氏は過去に富士ソフトの常務取締役であったことから、新井世東氏は過去に富士ソフトの取締役専務執行役員であったことから、松倉哲氏は過去に富士ソフトの代表取締役社長であったことから、また、当社の監査役である星野幸広氏は過去に富士ソフトの執行役員であったことから、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、審議及び決議に一切参加しておらず、意見を述べることを差し控えております。
以 上