当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
当社は首都圏でスーパーマーケット事業を展開する㈱マルエツ、㈱カスミ及びマックスバリュ関東㈱の完全親会社たる持株会社であります。文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
〔当期の経営環境〕
当第1四半期連結累計期間の消費市場は、継続するインフレ環境下で生活防衛意識が垣間見える商品群と、嗜好や機能を訴える付加価値に重きをおいた商品群の双方が堅調となり、消費の二極化が進行しました。また、高齢化した地方の生産現場ではインフレによるコストの上昇が深刻な問題となっており、都市機能が集中する都心部との経済格差が拡大しております。首都圏に店舗を展開する当社にとって、地域ごとに異なるこうした二極化に応じた店舗運営へ迅速に変化していくことが、客数や買上点数の伸長を確保し、成長していくために必須の課題となっております。
このような環境の下、当社グループはサプライチェーン改革の一環として、第1四半期連結累計期間にマルエツ草加デリカセンターを本格稼働させました。当デリカセンターは、料理専門家の知見を取り入れたオリジナル商品の開発を推進すると同時に、店舗作業の軽減化をはかり、当社グループの約500店舗に商品を供給する計画です。
また、2024年4月18日に㈱いなげやとの経営統合契約を締結し、2024年11月の経営統合に向け具体化を推進しております。この経営統合を契機に、グループ売上高1兆円、1,000店舗体制を目指し、商品の共同調達、物流・プロセスセンターの整備、バックオフィスのコスト削減、キャッシュレスやポイントカード等の共同施策、ネットビジネスの開発や拡大など、グループとして経営の効率化とシナジーの創出を目指してまいります。
〔当期の経営成績〕
当第1四半期連結累計期間は、㈱マルエツにおいては来店客数及び客単価が前年同四半期を上回り、営業収益、売上総利益をはじめとした数値の改善により、増収増益となりました。
一方、㈱カスミは、客数の回復が遅れ、営業収益は前年同四半期比96.9%となり、さらに売上総利益率が前年同四半期に対して1.1%悪化したことで減収減益となりました。
また、マックスバリュ関東㈱は、店舗閉店等の影響により全体の客数が減少し、営業収益が前年同四半期比98.7%となり、販管費は前年同四半期比を下回ったものの、営業利益は前年同四半期を下回り、減収減益となりました。
グループ全体では、新規に2店舗(前連結会計年度末±0店)を出店し、既存店の大型活性化を8店(前年同四半期+8店)実施しました。営業収益は、㈱マルエツの収益改善により前年同四半期比100.2%となりました。また売上総利益は前年同四半期比100.5%、営業総利益は前年同四半期100.2%とほぼ同様でありました。一方販管費においては、電力使用量の抑制や省エネ対策投資の強化等で電気料の抑制は図れたものの、労務費の上昇や物流の2024年問題に起因する物流コストの上昇がありました。加えて、お客さまのお買物スタイルの多様化への対応として、ECの利便性向上対策、セルフレジを含む決済機能の強化策などの来店客数拡大のための販促強化及びマルエツ草加デリカセンターなどの投資拡大に伴う減価償却費が増加したため、販管費は前年同四半期比102.3%と前年同四半期を上回り営業利益は減益となりました。また子会社において税制改正に伴う外形標準課税の税率変更を織り込んだため、当四半期純利益の減少に影響しました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間における連結業績は、営業収益が1,756億35百万円(前年同四半期比0.2%増)、営業利益が58百万円(前年同四半期比95.0%減)、経常利益が1億99百万円(前年同四半期比82.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失が11億12百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益4億2百万円)となりました。
〔店舗数〕
当第1四半期連結累計期間において、㈱マルエツが1店舗、㈱カスミが1店舗を新設しました。一方、経営資源の効率化を図るため、㈱マルエツが1店舗、㈱カスミが1店舗を閉鎖し、当社グループの当第1四半期連結累計期間末の店舗数は、529店舗となりました。
〔主要子会社〕
㈱マルエツでは、「真に、お客さまのために」~企業文化と収益構造の改革~を基本テーマとし、「お客さまに選ばれる店づくり」「店舗運営体制の強化」「企業文化の改革」に取り組みました。当第1四半期連結累計期間では、「マルエツ草加デリカセンター」を稼働し、開発・製造したオリジナル商品を、オリジナルブランド「まいごころ」「うまごころ」として販売を始めました。新規出店としては、マルエツ上井草駅前店を5月にオープンし、既存店は7店舗で活性化を行いました。また、セルフレジを累計222店舗、電子棚札を累計123店舗へ拡大するなど、生産性の向上に努めました。お客さまに寄り添う接客・サービスとして、来店宅配サービスの「らくらくクマさん宅配便」を累計202店舗へ拡大し、さらに当第1四半期連結累計期間からより多くのお客さまにご利用いただけるようにサービス内容を一新いたしました。
㈱カスミでは、昨年度利用率の拡大に注力した「Scan&Goカード」「ignica(イグニカ)ポイント」の販売施策を継続する一方、消費頻度の高い商品の店頭価格の引き下げを行い、一人当たり買上げ点数の向上に注力いたしました。3月には千葉県茂原市内5店舗目となるフードスクエア東茂原店をオープンしたほか、店舗活性化を5店舗実施し、リアル店舗におけるお客様の買い物環境の整備を整えるとともに、68車両で移動スーパーを展開し、「Scan&Go ignica」の決済機能を利用した無人店舗「オフィススマートショップ」を200拠点まで拡大し、店舗外での顧客接点の拡大に努めてまいりました。
マックスバリュ関東㈱では、店舗活性化を、当第1四半期連結累計期間において2店舗で実施し、地域のお客さまのライフスタイルにあわせた商品・サービスの強化を行い、青果・鮮魚部門での「対面販売の強化」、こだわり商品である「MeetsValu(ミーツバリュ)」の展開拡大、新鮮な素材を店内で加工し、惣菜で提供する「生鮮惣菜の強化」を実施いたしました。また、生産性向上に向けた施策として、セルフレジを22店舗、電子棚札を5店舗に拡大いたしました。さらに、既存店舗外での収益拡大施策として無人店舗を6店舗に拡大いたしました。
〔環境・社会貢献〕
当社グループは、脱炭素社会の実現に向け電気使用量の削減や再エネ化の促進、フードロスの削減や資材など廃棄物の削減やリサイクル、更には脱プラスチックを目指した環境配慮型資材(植物由来のバイオマス配合カトラリー・レジ袋)への転換等に取り組んでいます。さらには独占販売契約を締結したビヨンド・ミートの取り扱いを起点として、環境負荷低減に貢献する商品(Green Growers)の開発と販売を通じて、持続可能な社会の実現に注力しております。
また、「統合報告書2023」を2024年5月に策定し、当社グループが重要課題として設定した各項目について、具体的なロードマップと達成水準を設定し、目標達成に向けた取り組みを推進しています。
なお、当社グループでは、事業各社ごとに地域社会の課題解決に向けて、地域の特性やニーズに合わせた社会貢献活動、お客さまとともに取り組む食品支援活動や募金活動、あるいは地域行政との包括連携協定、買物困難地域への移動スーパーの運行などの活動を通じて、地域とのつながりの強化に努めております。
今後も、グループをあげて地域課題に寄り添った活動に取り組んでまいります。
(参考情報)
主要連結子会社では、当第1四半期連結累計期間における㈱マルエツ単体の営業収益は971億58百万円(前年同四半期比3.2%増)、㈱カスミ単体の営業収益は674億76百万円(前年同四半期比3.1%減)、マックスバリュ関東㈱単体の営業収益は109億20百万円(前年同四半期比1.3%減)の結果となりました。
(資産の部)
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ105億61百万円増加し、2,960億66百万円となりました。
流動資産は、28億37百万円増加し、775億47百万円となりました。これは主に、現金及び預金が40億16百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、77億23百万円増加し、2,185億19百万円となりました。これは主に、有形固定資産が80億81百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ126億48百万円増加し、1,479億2百万円となりました。
流動負債は、80億70百万円増加し、907億27百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金35億64百万円、1年内返済予定の長期借入金25億円、賞与引当金21億19百万円がそれぞれ増加した一方で、未払法人税等が19億86百万円減少したことによるものであります。
固定負債は、45億77百万円増加し、571億74百万円となりました。これは主に、長期借入金が12億75百万円増加したことによるものであります。
(純資産の部)
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ20億86百万円減少し、1,481億64百万円となりました。これは主に、利益剰余金が21億39百万円減少したことによるものであります。
(当社による㈱いなげやの完全子会社化に関する株式交換契約及び経営統合契約締結)
当社及び㈱いなげや(以下「いなげや」)は、2024年4月18日付の両社の取締役会決議により、当社を株式交換完全親会社、いなげやを株式交換完全子会社とする株式交換を実施することを決定し、2024年4月18日、両社間で株式交換契約を締結するとともに、当社、㈱マルエツ、㈱カスミ、マックスバリュ関東㈱、いなげや、及びイオン株式会社、は当社によるいなげやの経営統合に関する経営統合契約を締結いたしました。
詳細については、「第4 経理の状況」の「1 四半期連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。