双日株式会社(以下「当社」という。)は日本に所在する企業であります。その登記されている本社及び主要な事業所の住所はホームページ(https://www.sojitz.com/jp/)で開示しております。当社の連結財務諸表は2024年3月31日を期末日とし、当社及び子会社(以下「当社グループ」という。)、並びに当社グループの関連会社及び共同支配企業に対する持分により構成されております。当社グループは総合商社として、物品の売買及び貿易業をはじめ、国内及び海外における各種製品の製造・販売やサービスの提供、各種プロジェクトの企画・調整、各種事業分野への投資、並びに金融活動などグローバルに多角的な事業を行っております。
(1) 準拠している旨の記載
当社は「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、当社の連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しております。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は連結財政状態計算書における次の重要な項目を除き、取得原価を基礎として作成しております。
・FVTPLの金融資産又は金融負債は公正価値で測定しております。
・FVTOCIの金融資産は公正価値で測定しております。
・確定給付制度に係る資産又は負債は確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して測定しております。
・棚卸資産のうち、トレーディング目的で取得したものについては、売却コスト控除後の公正価値で測定しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示しております。日本円で表示しているすべての財務情報は百万円未満を切り捨てております。
(4) 見積り及び判断の利用
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を設定することが義務付けられております。実際の業績はこれらの見積りと異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しております。
連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える会計方針の適用に際して行う重要な判断に関する情報は、次の注記に含めております。
・注記3(1)-子会社、関連会社及び共同支配企業の範囲
・注記3(14)-収益の認識及び表示
翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある、見積り及び仮定の不確実性に関する情報は、次の注記に含めております。
・注記6-営業債権及びその他の債権
・注記11-持分法適用会社に対する投資
・注記16-引当金
・注記23-非金融資産の減損
・注記31-確定給付制度債務の測定
・注記32-繰延税金資産の回収可能性
・注記33(6)-金融商品の公正価値
当社グループは、資産又は負債の公正価値を測定する際に、入手可能な限り、市場の観察可能なデータを用いております。公正価値は、用いられる評価技法へのインプットに基づいて、次の3つのレベルに区分されます。
レベル1:測定日において当社グループがアクセスできる同一の資産又は負債に関する活発な市場における相場価格(無調整)
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外の直接に又は間接に観察可能なインプット
レベル3:観察可能でないインプット
公正価値を測定する際の仮定に関する詳細な情報は、次の注記に含めております。
・注記10-投資不動産
・注記23-非金融資産の減損
・注記33(6)-金融商品の公正価値
(5) 会計方針の変更
当社グループが連結財務諸表において適用する会計方針は、当連結会計年度末より新たに早期適用している以下の主な基準書を除き、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同様であります。
当社グループでは、金融機関からの借入金について借換の意思と能力があることから、コミットメントライン契約の未使用残高を基礎として1年以内に期限が到来する借入金残高の一部を非流動負債として分類しておりましたが、本改訂の適用に伴い、コミットメントラインを上限に残高を全額非流動負債へ分類しております。
この結果、当連結会計年度末の連結財政状態計算書において「社債及び借入金」(流動)が26,500百万円減少し、「社債及び借入金」(非流動)が同額増加しております。なお、前連結会計年度における連結財務諸表への影響に重要性はありません。
また、上記改訂の早期適用に伴い、IAS第1号「財務諸表の表示」(2022年10月改訂)も併せて早期適用を行っておりますが、当該改訂の適用に伴う前連結会計年度及び当連結会計年度の連結財務諸表への影響に重要性はありません。
以下に記載されている会計方針は、これらの連結財務諸表において表示されているすべての期間について継続的に適用されており、当社グループに首尾一貫して適用されております。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは当社グループが支配している企業であります。企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、企業に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合、当社グループはその企業を支配しております。当社グループが他の企業の議決権の過半数を所有している場合には、そのような所有が支配を構成していないことが明確に立証できる場合を除いて、支配が存在すると判断し、子会社に含めております。また、当社グループが保有する議決権が半数以下の場合であっても、他の投資企業との合意等により、その企業の財務及び経営方針を支配していると判断される場合には、子会社に含めております。
子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの期間、連結財務諸表に含まれます。子会社が採用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。
また、連結財務諸表には、子会社の所在する現地法制度及び事業の特性等により決算日を当社の決算日と同じ日とすることが実務上不可能であるため、当社の決算日と異なる日を決算日とする子会社の財務諸表が含まれております。連結財務諸表の作成に用いる子会社の財務諸表を当社と異なる決算日で作成する場合、その子会社の決算日と当社の決算日の間に生じた重要な取引又は事象の影響については調整を行っております。当社グループの連結財務諸表に含まれる当該子会社の決算日は主に12月31日であり、当社の決算日との差異は3ヶ月を超えることはありません。
支配が継続する子会社に対する当社グループの持分変動については資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
一方、子会社に対する支配を喪失した場合には、当社グループは、子会社の資産及び負債、子会社に関連する非支配持分及びその他の資本の構成要素の認識を中止しております。支配の喪失から生じた利得又は損失は、純損益で認識しております。支配喪失後においても、当社グループが従前の子会社に対する持分を保持する場合には、その持分は支配喪失日の公正価値で測定しております。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響を有しているものの、支配または共同支配をしていない企業であります。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定しております。
当社グループが保有する議決権は20%未満であるものの、役員の派遣及び株主間出資協定書等により、重要な影響力が認められると判断される場合には、関連会社に含めております。
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が取決めに対する契約上合意された支配を共有し、関連性のある活動に関する意思決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要としており、かつ、当社グループが当該取決めの純資産に対する権利を有している企業をいいます。
関連会社及び共同支配企業への投資は、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従い売却目的で保有する資産に分類されるものを除き、持分法を適用して会計処理しております(以下「持分法適用会社」という。)。持分法適用会社に対する投資は、持分法適用後の帳簿価額から減損損失累計額を控除した額をもって計上しており、帳簿価額には取得時に認識したのれんが含まれております。
連結財務諸表は、重要な影響力又は共同支配の獲得日から喪失日までの持分法適用会社の純損益及びその他の包括利益の変動に対する当社グループの持分を含めておりますが、当社グループの持分がゼロにまで減少した後の追加的な損失の計上及び負債の認識は、法的義務もしくは推定的義務が生じている範囲又は持分法適用会社に代わって支払う金額の範囲でのみ行っております。
持分法適用会社が採用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該持分法適用会社の財務諸表に調整を加えております。
また、連結財務諸表には、他の株主との関係等により決算日を当社の決算日と同じ日とすることが実務上不可能であるために決算日が異なる持分法適用会社に対する投資が含まれております。当該持分法適用会社の決算日は主に12月31日であり、持分法適用会社の決算日と当社の決算日の間に生じた重要な取引又は事象の影響については調整を行っております。
③ 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。当社グループはのれんを取得日時点で公正価値測定した移転された対価及び被取得企業に対する非支配持分の認識額が、取得日時点において通常公正価値により測定された識別可能な取得資産及び引受負債の正味の金額を超過した額として測定しております。これら差額が負の金額である場合には、即時に純損益で認識しております。当社グループは、非支配持分を公正価値で測定するか、又は識別可能な純資産の認識金額の比例持分で測定するかを個々の取引ごとに選択しています。負債又は持分証券の発行に関連するものを除いて、企業結合に関連して当社グループに発生する取引コストは発生時に費用処理しております。
④ 連結上消去される取引
連結グループ内の債権債務残高及び取引、並びに連結グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表作成に際して消去しております。
(2) 外貨換算
① 外貨建取引の換算
外貨建取引は、取引日における為替レートで各社の機能通貨に換算しております。
期末日における外貨建貨幣性項目は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。
貨幣性項目の為替換算差額は、発生する期間の純損益で認識しております。
外貨建ての取得原価により測定する非貨幣性項目は、取引日の為替レートで機能通貨に換算しております。
外貨建ての公正価値により測定する非貨幣性項目は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。非貨幣性項目の為替換算差額は、非貨幣性項目に係る利得又は損失をその他の包括利益に認識する場合には、当該利得又は損失の為替部分はその他の包括利益に認識し、非貨幣性項目に係る利得又は損失を純損益に認識する場合には、当該利得又は損失の為替部分は純損益で認識しております。
② 在外営業活動体の換算
在外営業活動体の資産及び負債は、取得により発生したのれん及び公正価値の調整額を含め、期末日の為替レートで表示通貨に換算しております。また、在外営業活動体の収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートで表示通貨に換算しております。
為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。当社グループの在外営業活動体が処分される場合、当該在外営業活動体に関連した為替換算差額の累計額は処分時に純損益に振り替えております。
なお、当社グループは、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」の免除規定を採用し、移行日に存在していた累積換算差額を利益剰余金に振り替えております。
(3) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価格の変動リスクを負わない取得日から3ヶ月以内に満期日又は償還期限の到来する短期投資からなっております。
(4) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか小さい額で測定しております。
棚卸資産の取得原価は、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のコストのすべてを含んでおり、主として平均法に基づいて算定しております。代替性がない棚卸資産は個別法に基づいて算定しております。
なお、トレーディング目的で取得した棚卸資産については、売却コスト控除後の公正価値で測定し、公正価値の変動を純損益で認識しております。
(5) 有形固定資産
当社グループは、有形固定資産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額をもって計上しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連するコストが含まれております。有形固定資産の重要な構成要素について、異なる費消が行われる場合、それぞれ別個の有形固定資産項目として会計処理をしております。
有形固定資産は、各構成要素の見積耐用年数にわたり、主として定額法により減価償却を行っております。有形固定資産の見積耐用年数は、主として次のとおりであります。
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は期末日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(6) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは取得価額から減損損失累計額を控除した価額をもって計上しております。
② 無形資産
当社グループは無形資産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額をもって計上しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日時点の公正価値としております。自己創設無形資産については、資産認識の要件を満たすものを除き、関連する支出は発生時に費用処理しております。資産の認識基準を満たす自己創設無形資産は、認識基準を最初に満たした日以降に発生する支出の合計額を取得原価としております。
耐用年数を確定できる無形資産は、主にソフトウエア、鉱業権、顧客関連資産であります。これらは鉱業権を除き、見積利用可能期間にわたって定額法により償却し、鉱業権については、主として見積埋蔵量に基づく生産高比例法により償却しております。なお、自社利用のソフトウエアについては、見積利用可能期間を概ね5年としております。
耐用年数を確定できる無形資産の償却方法、耐用年数及び残存価額は期末日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
耐用年数を確定できない無形資産は、主に企業結合により取得したフランチャイズ権であり、これらについては償却を行っておりません。当該資産の耐用年数を確定できないものと判断する事象又は状況が引き続き存在しているか否かについて、期末日に見直しを行っております。
(7) 投資不動産
投資不動産とは、賃料収入又はキャピタル・ゲイン、もしくはその両方を得ることを目的として保有する不動産であります。通常の営業過程で販売するものや、商品又はサービスの製造・販売、もしくはその他の管理目的で使用する不動産は含まれておりません。
当社グループは投資不動産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額をもって計上しております。
減価償却については、見積耐用年数にわたり、主として定額法により減価償却を行っており、見積耐用年数は、主として2年~80年であります。減価償却方法、耐用年数及び残存価額は期末日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(8) 借入コスト
意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を要する資産に関して、その資産の取得、建設又は生産に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しております。その他の借入コストはすべて、発生した期間に費用として認識しております。
(9) 非金融資産の減損
当社グループは期末日において、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数の確定できない無形資産については毎期、さらに減損の兆候がある場合には都度、減損テストを実施しております。個別資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、当該資産は回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。
回収可能価額は、個別資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としております。公正価値は市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積もって算定しております。使用価値は、貨幣の時間価値及び個別資産又は資金生成単位に固有のリスクに関する現在の市場の評価を反映した税引前の割引率を用いて、見積将来キャッシュ・フローを割引いて算定しております。当該キャッシュ・フローの見積りは、過去の実績を反映した予算を基礎とした事業計画に基づくものであり、当該事業計画は原則として5年を限度としております。なお、当社グループは、使用価値及び公正価値の算定上の複雑さに応じて外部専門家を適宜利用しております。
過年度にのれん以外の資産について認識した減損損失については、期末日において、認識した減損損失がもはや存在しない又は減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合には、回収可能価額の見積りを行い、当該回収可能価額が資産の帳簿価額を上回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで増額し、減損損失の戻入れを認識しております。のれんについて認識した減損損失は、以後の期間において戻入れておりません。
なお、持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは区分して認識しないため、個別に減損テストを実施しておりません。持分法適用会社に対する投資が減損している可能性が示唆されている場合には、投資全体の帳簿価額について回収可能価額を帳簿価額と比較することにより単一の資産として減損テストを行っております。
(10)金融商品
① 金融資産
金融資産は当該金融商品の契約条項の当事者になった場合に当初認識を行い、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転している場合において、金融資産の認識を中止しております。
当社グループでは、通常の方法による金融資産の売買において、償却原価で測定する金融資産及びFVTOCIの負債性金融商品については決済日に認識及び認識の中止をしており、それ以外の金融資産については取引日に認識及び認識の中止をしております。
当初認識された金融資産については償却原価で測定する金融資産、FVTOCIの負債性金融商品、FVTOCIの資本性金融商品及びFVTPLの金融資産に分類しております。
当社グループでは営業債権の一部について、手形の割引等の方法により流動化を行っております。しかし、当該流動化債権の中には、債務者が支払を行わない場合に、当社グループに遡及的に支払義務が発生するものがあり、このような流動化債権については、リスクと経済価値のほとんど全てが移転しているとはみなされないことから認識の中止を行っておりません。
(a) 償却原価で測定する金融資産
次の条件が共に満たされる金融資産を償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルの中で資産が保有されている
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる
償却原価で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値により測定し、その取得に直接起因する取引コストを加算して測定しております。また、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しております。
(b) FVTOCIの負債性金融商品
次の条件が共に満たされる金融資産をFVTOCIの負債性金融商品に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収及び金融資産の売却の両方を達成することを目的とした事業モデルの中で資産が保有されている
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる
FVTOCIの負債性金融商品は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しております。ただし、公正価値の事後的な変動のうち、実効金利法に基づく金融収益、為替換算差額及び減損損失は純損益に認識しております。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累積額を純損益に振り替えております。
(c) FVTOCIの資本性金融商品
売買目的ではない資本性金融商品への投資については、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行うことが認められており、当社グループでは取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融商品について、その保有目的に鑑み当該指定を行っております。
FVTOCIの資本性金融商品については、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しております。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合にその累積額を利益剰余金に振り替えており、純損益には振り替えておりません。なお、配当については純損益として認識しております。
(d) FVTPLの金融資産
上記以外の金融資産はFVTPLの金融資産に分類しております。FVTPLの金融資産は、当初認識時に公正価値により測定し、その取得に直接起因する取引コストは、発生時に純損益で認識しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しております。
なお、重大な金融要素を含まない営業債権は、当初認識時に取引価格で測定しております。
② 金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産、FVTOCIの負債性金融商品、リース債権、契約資産及び金融保証契約について、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しています。
期末日時点で金融商品の信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合、期末日後12ヶ月以内に発生する可能性がある債務不履行から生じる予想信用損失(12ヶ月の予想信用損失)に基づいて貸倒引当金を算定しております。一方、期末日時点で金融商品の信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品の予想存続期間にわたり発生する可能性のあるすべての債務不履行から生じる予想信用損失(全期間の予想信用損失)に基づいて貸倒引当金を算定しております。ただし、営業債権及び契約資産については、常に全期間の予想信用損失に基づいて貸倒引当金を算定しております。信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かの判定にあたっては、外部・内部の信用格付の変動や期日経過の情報などの入手可能で合理的かつ裏付け可能な情報を考慮しております。予想信用損失は、契約上のキャッシュ・フローと回収可能なキャッシュ・フローとの差額に基づいており、見積りに際しては、過去の貸倒実績、発行者又は債務者の財政状態並びに将来予測に関する入手可能で合理的かつ裏付け可能な情報を含んでおります。
発行者又は債務者の重大な財務的困難や期日経過を含む契約違反など、金融資産の全体または一部分を回収することができない、または回収が極めて困難であると判断した場合に債務不履行であると判断しております。信用減損の証拠については、発行者又は債務者の重大な財務的困難や期日経過を含む契約違反などの事象を用いて判断しています。また、報告日時点で信用減損の証拠がある金融資産については、個別に予想信用損失を見積り、貸倒引当金を算定しております。一方、信用減損の証拠がない金融資産については、内部の信用格付に基づいて信用リスクの特性が類似する金融資産ごとにグルーピングを行い、集合的に予想信用損失を見積り、貸倒引当金を算定しております。
金融資産の全体または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、当該金額を貸倒引当金と相殺して帳簿価額を直接減額しています。
③ 金融負債
金融負債は、当該金融商品の契約条項の当事者になった場合に当初認識をしており、その当初認識時にFVTPLの金融負債及び償却原価で測定する金融負債に分類しております。
金融負債は、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し又は失効となった時に認識を中止しております。
(a) 償却原価で測定する金融負債
FVTPLの金融負債以外の金融負債は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。償却原価で測定する金融負債は、当初認識時に公正価値からその発行に直接起因する取引コストを減算して測定し、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しております。
また、1年以内に期限が到来する金融機関からの借入金残高については、長期コミットメントライン契約による借換の能力があるものとして、当該未使用残高を上限に非流動負債として分類しております。
(b) FVTPLの金融負債
FVTPLの金融負債は、当初認識時に公正価値により測定しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しております。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループでは、為替変動リスク、金利変動リスク及び商品価格変動リスクをヘッジするために、先物為替予約取引、金利スワップ取引、商品先物・先渡取引などのデリバティブ取引を行っております。
デリバティブは公正価値で当初認識しており、公正価値の事後的な変動は次のとおり処理しております。
(a) 公正価値ヘッジ
当社グループでは、主として確定約定並びに在庫商品に係る公正価値の変動リスクをヘッジする目的で、商品先物・先渡取引をヘッジ手段とした公正価値ヘッジを行っております。また、固定利付借入金の公正価値変動リスクをヘッジする目的で金利スワップ取引をヘッジ手段とした公正価値ヘッジを行っております。
公正価値ヘッジにおいてヘッジ手段であるデリバティブの公正価値変動は純損益として認識しております。また、ヘッジされたリスクに対応するヘッジ対象の公正価値の変動については、ヘッジ対象の帳簿価額を修正して、純損益として認識しております。
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループでは、主として変動利付借入金の金利に係るキャッシュ・フロー変動リスクをヘッジする目的で金利スワップ取引をヘッジ手段としたキャッシュ・フロー・ヘッジを行っております。また、外貨建確定約定及び予定取引に係るキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジする目的で為替予約取引等をヘッジ手段としたキャッシュ・フロー・ヘッジを行っております。
キャッシュ・フロー・ヘッジにおいてヘッジ手段であるデリバティブの公正価値変動のうち有効なヘッジと判定される部分は、その他の包括利益として認識し、累積額はその他の資本の構成要素に含めております。
その他の資本の構成要素に累積された金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える会計期間において、純損益に振り替えております。ただし、予定取引のヘッジがその後において非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の資本の構成要素に累積された金額を当該非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額に直接含めて処理しております。なお、非有効部分は、直ちに純損益に認識しています。
ヘッジ手段が失効、売却、終結又は行使された場合、ヘッジがヘッジ会計の要件を満たしていない場合及びヘッジ指定を取り消した場合には、ヘッジ会計を将来に向けて中止しております。予定取引の発生がもはや見込まれない場合には、その他の資本の構成要素に累積された金額を、即時に純損益に振り替えております。
(c) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
当社グループでは、在外営業活動体に対する純投資に係る為替相場の変動リスクをヘッジする目的で為替予約取引及び外貨建て借入金をヘッジ手段とした在外営業活動体に対する純投資のヘッジを行っております。
在外営業活動体に対する純投資のヘッジにおいては、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様に会計処理を行い、デリバティブ及び借入金等のデリバティブ以外のヘッジ手段の公正価値変動のうち有効なヘッジと判定される部分はその他の包括利益として認識し、累積額はその他の資本の構成要素に含めております。その他の包括利益に認識したヘッジの有効部分は、在外営業活動体の処分時にその他の資本の構成要素から純損益に振り替えております。
(d) ヘッジ指定されていないデリバティブ
デリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しております。
⑤ 金融資産と金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識した金額を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、純額で決済する又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合に、相殺して純額で表示しております。
(11)引当金
引当金は、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響に重要性がある場合、当該負債に特有のリスクを反映させた現在の税引前の割引率を用いて割引いた金額で引当金を計上しております。
(12)売却目的で保有する非流動資産
当社グループが資産入れ替えの一環として、資産又は処分グループを売却するという意思決定を行ったことや、保有方針を変更した結果、非流動資産又は処分グループが、継続的使用ではなく、主に売却取引により回収される場合、当該資産又は処分グループを売却目的保有に分類しております。
売却目的保有へ分類するためには、現状で直ちに売却することが可能であり、かつ、その売却の可能性が非常に高いことを条件としており、経営者が当該資産又は処分グループの売却計画の実行を確約し、1年以内で売却が完了する予定である場合に限られております。
売却目的保有に分類する直前に、資産又は処分グループの構成要素を当社グループの会計方針に従って再測定しております。売却目的保有に分類した後は、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうちいずれか低い方の金額で測定しております。
処分グループの減損損失はまずのれんに配分し、その後残りの資産に比例的に配分しております。売却目的保有として当初分類した資産又は処分グループの減損損失及びその後の再測定により発生する損益は純損益として認識しております。
売却目的保有に分類した有形固定資産、無形資産及び投資不動産について減価償却又は償却を行っておりません。
子会社に対する支配の喪失を伴う売却計画を確約している場合、売却後にその子会社に対する非支配持分を当社グループが保持するかどうかにかかわらず、その子会社のすべての資産及び負債を売却目的保有に分類しております。
(13)資本
① 資本金及び資本剰余金
当社が発行する資本性金融商品は、資本金及び資本剰余金に計上しております。また、その発行に直接起因する取引コストは資本剰余金から控除しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合には、取得原価で認識し、資本から控除して表示しております。また、その取得に直接起因する取引コストは、資本剰余金から控除しております。
自己株式を売却した場合には、受取対価を資本の増加として認識しております。
(14)顧客との契約から生じる収益
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財又はサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。
当社グループは顧客との契約に含まれる別個の財又はサービスを識別し、これを取引単位として履行義務を識別しております。当社グループでは、通常の商取引において、仲介業者又は代理人としての機能を果たす場合があるため、履行義務の識別にあたっては本人か代理人かの検討を行っており、自らの約束の性質が、特定された財又はサービスを自ら提供する履行義務である場合には本人と判定しております。一方、それらの財又はサービスが他の当事者によって提供されるように手配する履行義務である場合には代理人として判定しております。本人か代理人かの検討に際しては、下記の指標に基づき総合的に判断しております。
・当社グループが、特定された財又はサービスを提供する約束の履行に対する主たる責任を有している
・特定された財又はサービスが顧客に移転される前、又は顧客へ支配の移転の後に、当社グループが在庫リスクを有している
・特定された財又はサービスの価格の設定において当社グループに裁量権がある
当社グループが本人に該当する取引である場合には、履行義務を充足する時点、又は充足するにつれて、特定された財又はサービスと交換に権利を得ると見込んでいる対価の総額で収益を認識しております。また、当社グループが代理人に該当する取引である場合には、履行義務を充足する時点、又は充足するにつれて、特定された財又はサービスが当該他の当事者によって提供されるように手配することと交換に権利を得ると見込んでいる報酬又は手数料の金額もしくは対価の純額で収益を認識しております。
当社グループは、収益を、顧客への財又はサービスの移転と交換に企業が権利を得ると見込んでいる対価の金額で認識しております。当該金額には、消費税や付加価値税等の税務当局の代理で回収した金額は含めておりません。また、顧客との契約における対価に変動対価が含まれている場合には、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引価格に含めております。取引価格について、変動対価等を含む収益の額に重要性はありません。
当社グループは、契約開始時において、当社グループが約束した財又はサービスを顧客に移転する時点と顧客が当該財又はサービスに対して支払を行う時点との期間が1年以内となると見込んでいる場合には、約束した対価の金額に関する重大な金融要素の影響について調整しておりません。
当社グループにおける主要な取引の収益の認識時点は以下のとおりです。
(a) 商品の販売に係る収益
商品の販売に係る収益には、主に卸売、小売、製造・加工を通じた商品の販売、不動産の販売等が含まれております。当社グループでは、引渡、検収、契約上の受渡条件を満たした時点において、顧客が財に対する支配を獲得し、当社グループの履行義務が充足されると判断しているため、当該時点で収益を認識しております。
商品の販売に係る収益の対価は、履行義務の充足時点から主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
(b) サービス及びその他の販売に係る収益
サービス及びその他の販売に係る収益には、主にシステム関連、自動車部品品質検査、建物管理等のサービス提供が含まれております。当社グループでは、これらの収益のうち、以下の要件のいずれかに該当する場合には、サービスに対する支配を一定の期間にわたり移転するため、一定の期間にわたり当社グループの履行義務が充足されると判断し、履行義務の進捗度に応じて収益を認識しております。進捗度の測定方法は、顧客に移転する財又はサービスの性質を考慮しております。
・顧客が当社グループの履行によって提供される便益を、当社グループが履行するにつれて同時に受け取って消費する
・当社グループの履行が、資産(例えば、仕掛品)を創出するか又は増価させ、顧客が当該資産の創出又は増価につれてそれを支配する
・当社グループの履行が、当社グループが他に転用できる資産を創出せず、かつ、当社グループが現在までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利を有している
また、上記の要件を満たさない場合には、役務提供の完了等により当社グループが顧客から対価の支払を受ける権利を得た時点で、当社グループの履行義務が充足されると判断しているため、当該時点で収益を認識しております。
サービス及びその他の販売に係る収益の対価は、履行義務の充足時点から主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
(15)金融収益及び金融費用
金融収益は受取利息、受取配当金及びその他の金融収益から構成されており、その他の金融収益は主に金融商品売却益及び金融商品評価益が含まれております。受取利息は実効金利法を用いて発生時に認識しております。受取配当金は当社グループの受領権が確定した日に認識しております。
金融費用は支払利息及びその他の金融費用から構成されており、その他の金融費用には金融商品売却損及び金融商品評価損が含まれております。
(16)従業員給付
① 退職後給付
(a) 確定給付制度
確定給付制度は、確定拠出制度以外の退職給付制度であります。確定給付制度債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割り引くことによって算定しております。制度資産の公正価値は当該算定結果から差し引いております。
割引率は、当社グループの確定給付制度債務と概ね同じ満期日を有するもので、かつ支払見込給付と同じ通貨建ての、主として報告日における信用格付けAAの債券の利回りであります。
過去勤務費用は、即時に純損益で認識しております。
当社グループは、確定給付制度から生じるすべての確定給付負債(資産)の純額の再測定を即時にその他の包括利益で認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えております。
(b) 確定拠出制度
確定拠出制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的債務を負わない退職給付制度であります。確定拠出制度の拠出債務は、従業員が関連するサービスを提供した期間に費用として認識しております。
(c) 複数事業主制度
一部の子会社では確定給付制度に分類される複数事業主による年金制度に加入しております。これらについては、確定給付の会計処理を行うために十分な情報を入手できないことから、従業員が関連するサービスを提供した期間に費用として認識する確定拠出制度と同様の処理を行っております。
② その他の長期従業員給付
退職後給付以外の長期従業員給付に対する債務は、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を現在価値に割引くことによって算定しております。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。
賞与については、当社グループが、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的及び推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積ることができる額を負債として認識しております。
(17)株式に基づく報酬
当社グループは、持分決済型の株式に基づく報酬制度として、取締役等を対象に業績連動型株式報酬等の報酬制度を導入しております。
持分決済型の株式報酬制度では、受領したサービスを付与日における当社株式の公正価値で測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。
(18)法人所得税
法人所得税費用は当期税金費用と繰延税金費用から構成されております。これらは、その他の包括利益又は資本で直接認識する項目から生じる場合、及び企業結合から生じる場合を除き、純損益で認識しております。
当期税金費用は税務当局から還付もしくは税務当局に対する納付が予想される金額で測定され、税額の算定に使用する税率又は税法は、期末日までに制定もしくは実質的に制定されているものであります。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、資産及び負債の帳簿価額と税務基準額との差額である一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除について認識しており、期末日における法定税率又は実質的法定税率、及び税法に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率又は税法で算定しております。以下の場合には、繰延税金資産及び繰延税金負債を認識しておりません。
・将来加算一時差異がのれんの当初認識から生じる場合
・企業結合ではなく、取引日に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ取引時に、同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生ずる場合
・子会社、関連会社に対する投資並びに共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異について、解消する時期をコントロールでき、かつ、予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合
・OECDが公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定された税法に係る繰延税金資産及び負債である場合
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合又は別々の納税主体であるものの当期税金資産及び当期税金負債とを純額で決済するか、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しております。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産の帳簿価額は期末日において再検討しており、繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産の帳簿価額を減額しております。
(19)リース
当社グループは、契約の開始時に、当該契約がリース又はリースを含んだものであるかどうかを判定しております。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合に、当該契約はリース又はリースを含んでおります。
① 借手としてのリース
当社グループは、借手のリースについて、リースの開始日に使用権資産とリース負債を認識しております。
リース負債は、リースの開始日における未払リース料総額をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定し、当初認識後はリース負債に係る金利及び支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減した金額で測定しております。リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、当社グループの追加借入利子率を使用しており、通常、当社グループは、割引率として追加借入利子率を使用しております。リース負債の測定に際しては、リース要素とこれに関連する非リース要素は分離せず、単一のリース構成要素として認識することを選択しております。
使用権資産は、リース負債の当初測定額に当初直接コストなどを調整した取得原価で当初測定し、当初認識後は減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しております。使用権資産の減価償却は、リース期間又は使用権資産の耐用年数のいずれか短い期間にわたって定額法により行っております。リース期間については、リースの解約不能期間に加えて、行使することが合理的に確実である場合におけるリースの延長オプションの対象期間と、行使しないことが合理的に確実である場合におけるリースの解約オプションの対象期間を含む期間として決定しております。
短期リース及び少額資産のリースに関するリース料については、リース期間にわたり定額法によって費用として認識しております。
② 貸手としてのリース
当社グループは、貨車、不動産及び船舶等を賃貸しており、リースの契約日にリースをファイナンス・リース又は、オペレーティング・リースのいずれかに分類しております。原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合には、ファイナンス・リースに分類し、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するものではない場合には、オペレーティング・リースに分類しております。
当社グループが、中間の貸手である場合、サブリースは原資産ではなく、ヘッドリースから生じる使用権資産を参照して分類しております。なお、ヘッドリースが短期リースである場合、サブリースはオペレーティング・リースに分類しております。
(a) ファイナンス・リース
リース開始日において、ファイナンス・リースに基づいて保有している資産の認識を中止し、正味リース投資未回収額に等しい金額でリース債権を認識しております。当初認識後は、リース料の受取りに応じて借手からの債権の回収を認識し、正味リース投資未回収額に対して一定の期間利益率となるように、リース期間にわたり金融収益を認識しております。
(b) オペレーティング・リース
オペレーティング・リースの対象となっている原資産を連結財政状態計算書に引き続き認識しております。オペレーティング・リースによるリース料を、定額法又は他の規則的な基礎のいずれかで収益として認識しております。また、オペレーティング・リースの対象となっている原資産は、保有している同様の資産と整合的な方法で減価償却を行っております。なお、オペレーティング・リース契約を獲得するために発生した当初直接コストは対象となる原資産の帳簿価額に加算し、リース期間にわたりリース収益と同じ基礎によって費用として認識しております。
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設又は改訂は以下のとおりであり、当連結会計年度末(2024年3月31日)において、当社グループはこれらを適用しておりません。適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点では見積ることができません。
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、商品・サービス、機能及び産業領域別の事業本部を置き、各事業本部は、物品の売買及び貿易業をはじめとして、国内及び海外における各種製品の製造・販売やサービスの提供、各種プロジェクトの企画・調整、各種事業分野への投資、並びに金融活動などグローバルに多角的な事業を行っております。
当社グループは、商品・サービス、機能及び産業領域を基にした事業本部別のセグメントで構成されており、「自動車」、「航空産業・交通プロジェクト」、「インフラ・ヘルスケア」、「金属・資源・リサイクル」、「化学」、「生活産業・アグリビジネス」、「リテール・コンシューマーサービス」の7つを報告セグメントとしております。なお、2023年4月1日付にて「航空産業・交通プロジェクト」、「インフラ・ヘルスケア」、「化学」、「生活産業・アグリビジネス」、「リテール・コンシューマーサービス」、「その他」を再編し、報告セグメントの区分方法を変更しております。これに従い、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成しております。
報告セグメントの主な商品・サービスは「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しております。
「その他」の区分には、ネットワークサービス事業、国内地域法人、物流・保険サービス事業等を含んでおります。
(2) 報告セグメントに関する情報
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は法人所得税費用の計算方法を除き、「3 重要性のある会計方針」における記載と概ね同一であります。
セグメント間の取引は、市場価格を勘案し、一般的取引条件と同様の価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当期純利益(親会社の所有者に帰属)の調整額△5,342百万円には、当社において発生する実際の法人所得税費用と、社内で設定している計算方法により各セグメントに配分した法人所得税費用との差異△3,679百万円、各セグメントに配分していない全社資産に関わる金融費用等△1,663百万円が含まれております。
セグメント資産の調整額△34,805百万円には、セグメント間取引消去等△183,073百万円、各セグメントに配分していない全社資産148,268百万円が含まれており、その主なものは当社における現預金等の余資運用資産及び有価証券等であります。
資本的支出には、使用権資産に係る金額を含めております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当期純利益(親会社の所有者に帰属)の調整額33百万円には、当社において発生する実際の法人所得税費用と、社内で設定している計算方法により各セグメントに配分した法人所得税費用との差異△810百万円、各セグメントに配分していない全社資産に関わる受取配当金等843百万円が含まれております。
セグメント資産の調整額△105,400百万円には、セグメント間取引消去等△210,136百万円、各セグメントに配分していない全社資産104,735百万円が含まれており、その主なものは当社における現預金等の余資運用資産及び有価証券等であります。
資本的支出には、使用権資産に係る金額を含めております。
(3) 製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。
(4) 地域別情報
外部顧客からの収益および非流動資産(金融資産及び繰延税金資産を除く)の地域別情報は次のとおりであります。
① 外部顧客からの収益
収益は、顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
② 非流動資産(金融資産及び繰延税金資産を除く)
(5) 主要な顧客に関する情報
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社グループの収益合計のうち10%以上を占める相手先はありません。
営業債権及びその他の債権の内訳は次のとおりであります。
当社は、子会社及び中間持株会社を通じて台湾洋上風力発電事業を営む会社(以下、事業会社)に融資をしております。当連結会計年度末において、貸付金には、当社の子会社から中間持株会社に対する融資が10,518百万円含まれており、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
当該金融資産における予想信用損失の見積りは、事業会社の事業計画及び同事業から生じるキャッシュ・フローにより影響を受けており、事業計画の基礎となる追加工事費用や完工までの期間の見通し及び割引率を主要な仮定として使用しております。なお、中間持株会社に対する金融資産の信用リスクについて、当初認識時から著しい増加は生じていないと判断しており、期末日後12ヶ月以内に発生する可能性がある債務不履行から生じる予想信用損失を測定した結果、貸倒引当金を計上しておりません。
7 棚卸資産
棚卸資産の内訳は次のとおりであります。
また、費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ3,340百万円及び4,073百万円であります。
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は次のとおりであります。
[取得原価]
(注)「その他」には、主に連結範囲の変更による影響が含まれております。
[減価償却累計額及び減損損失累計額]
(注)「その他」には、主に連結範囲の変更による影響が含まれております。
[帳簿価額]
建設中の有形固定資産に関する支出額は、上記の中で、建設仮勘定として記載しております。
減価償却費は連結純損益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しております。
(1) のれん
① 取得原価、減損損失累計額及び帳簿価額
のれんの取得原価及び減損損失累計額の増減は次のとおりであります。
[取得原価]
[減損損失累計額]
[帳簿価額]
② 減損テスト
のれんが配分されている資金生成単位グループについては毎期、さらに減損の兆候がある場合には都度、減損テストを行っております。資金生成単位グループに配分されたのれんの帳簿価額が重要なものは次のとおりであります。
(注)*1:複数の資金生成単位を合計しております。
重要なのれんが配分された資金生成単位グループの回収可能価額は、経営者によって承認された最長5年間の予測を基礎とする使用価値または、市場参加者の仮定を反映した予測を基礎とする処分コスト控除後の公正価値に基づき算定しております。
当該キャッシュ・フローの予測は、過去の実績を反映した予算に基づいております。また、予測の決定に用いられた主な仮定は当該期間にわたる売上総利益の成長率となっており、売上総利益の成長率はこれらの資金生成単位グループが属する国の名目GDP成長率予測等と整合したものとなっております。
重要なのれんが配分された資金生成単位グループの回収可能価額の算定に用いた税引前の割引率及び最終成長率は次のとおりであります。
(a) 税引前の割引率
(b) 最終成長率
経営者によって承認された予測の期間を超えたキャッシュ・フローについては企業が営業活動をしている国もしくは市場の長期平均成長率以下の成長率を用いております。
これらののれんについては、主要な仮定が合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと予測しております。
(2) 無形資産
無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減は次のとおりであります。
[取得原価]
[償却累計額及び減損損失累計額]
[帳簿価額]
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における「鉱業権」の帳簿価額のうち重要なものは、豪州の子会社が保有する炭鉱権益であり、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ3,879百万円及び3,900百万円であります。
耐用年数を確定できない資産は、主に「その他」に含まれるフランチャイズ権であり、帳簿価額は前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ9,413百万円及び10,674百万円であります。これらのフランチャイズ権は企業結合時に取得したものであり、事業が継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できないと判断しております。
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、重要な自己創設無形資産はありません。
償却費は、連結純損益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しております。
(1) 投資不動産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減、並びに帳簿価額及び公正価値
投資不動産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減、並びに帳簿価額及び公正価値は次のとおりであります。
[取得原価]
(注)「その他」には、主に連結範囲の変更による影響が含まれております。
[減価償却累計額及び減損損失累計額]
(注)「その他」には、主に連結範囲の変更による影響が含まれております。
[帳簿価額及び公正価値]
公正価値は、社外の不動産鑑定士による不動産鑑定評価書に基づく金額及び「不動産鑑定評価基準」を参考に当社グループで測定した金額であります。これらは、市場公開価格や取引事例法、DCF法により測定しております。また、第三者からの取得時や直近の評価時点から、一定の評価額(実勢価格又は査定価格)や適切に市場価格を反映していると考えられる指標に重要な変動が生じていない場合には、当該評価額や指標を用いて調整した金額によっております。
公正価値は、用いられる評価技法により3つのレベルに区分され、その内容は「2 作成の基礎 (4)見積り及び判断の利用」に記載しております。投資不動産については、公正価値ヒエラルキーレベル3に区分されます。
(2) 投資不動産に関する損益
賃貸収益は連結純損益計算書の「サービス及びその他の販売に係る収益」及び「その他の収益」に計上しております。
賃貸費用は賃貸収益に対応する費用(減価償却費、保繕費、保険料、租税公課等)であり、連結純損益計算書の「原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の費用」に計上しております。
(1) 持分法で会計処理されている投資、持分法による投資損益及び持分法によるその他の包括利益
持分法で会計処理されている投資、持分法による投資損益及び持分法によるその他の包括利益の内訳は次のとおりであります。
[持分法で会計処理されている投資]
[持分法による投資損益]
[持分法によるその他の包括利益]
前連結会計年度において、持分法で会計処理されている投資には子会社を通じて台湾洋上風力発電事業を営む会社(以下「事業会社」という。)に出資する中間持株会社への投資が含まれております。事業会社に対する投資について減損の兆候が認められたため減損テストを実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから中間持株会社において減損損失を認識しております。これに伴い、当社は△24,700百万円を持分法による投資損益に計上するとともに、持分法適用に伴う負債4,923百万円をその他の非流動負債に計上しております。
当連結会計年度において、当社は追加資金を拠出した結果、子会社を通じて事業会社に出資する中間持株会社に対する投資として、持分法で会計処理されている投資13,373百万円を計上しております。当該投資について、当連結会計年度においても引き続き減損テストを実施した結果、回収可能価額が帳簿価額を上回ったことから減損損失を計上しておりません。
中間持株会社に対する投資の回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値を用いて算定しており、処分コスト控除後の公正価値の見積りにおいては、事業計画の基礎となる追加工事費用や完工までの期間の見通し及び割引率といった主要な仮定を使用しております。
(2) 共同支配企業
① 重要な共同支配企業
当社グループの持分法適用会社であるエルエヌジージャパン㈱は重要な共同支配企業に該当します。
当社グループは同社を通じて、アジア・オセアニア・中東地域において大規模LNG事業に参画しております。
同社は上場しておりません。
同社の要約財務諸表と、同社に対する当社グループの関与の帳簿価額との調整表は次のとおりであります。なお、当該要約財務諸表は、当社グループの会計方針に基づき、同社の財務諸表に調整を加え作成しております。
上記の流動資産に含まれる現金及び現金同等物は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ20,422百万円及び15,436百万円であります。また、流動負債に含まれる金融負債(営業債務及びその他の債務並びに引当金を除く)は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ4,011百万円及び4,835百万円、非流動負債に含まれる金融負債(営業債務及びその他の債務並びに引当金を除く)は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ33,644百万円及び99,793百万円であります。
② 個々に重要性のない共同支配企業
個々に重要性のない共同支配企業に対する当社グループの関与の帳簿価額、当期純利益、その他の包括利益及び当期包括利益に対する持分は次のとおりであります。
(3) 関連会社
① 重要な関連会社
当社グループの持分法適用会社である㈱メタルワンは重要な関連会社に該当します。
当社グループは鉄鋼製品分野において、日本最大規模の鉄鋼総合商社である同社を通じ、鉄鋼製品の国内外の顧客基盤と流通ネットワークの拡充を図るとともに、当社で取り組むエネルギー関連事業や海外事業などでの協業や連携強化を通じて、鉄鋼製品取引を一層拡大させ、グローバル・バリューチェーンを展開・構築していきます。
同社は上場しておりません。
同社の要約財務諸表と、同社に対する当社グループの関与の帳簿価額との調整表は次のとおりであります。なお、当該要約財務諸表は、当社グループの会計方針に基づき、同社の財務諸表に調整を加え作成しております。
② 個々に重要性のない関連会社
個々に重要性のない関連会社に対する当社グループの関与の帳簿価額、並びに当期純利益、その他の包括利益及び当期包括利益に対する持分は次のとおりであります。
その他の投資の内訳は次のとおりであります。
その他の流動資産及びその他の非流動資産(非金融資産)の内訳は次のとおりであります。
営業債務及びその他の債務の内訳は次のとおりであります。
(1) 社債及び借入金の内訳
社債及び借入金の内訳は次のとおりであります。
(注) 「平均利率」については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。金利変動リスクを回避する目的で、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用している借入金についてはデリバティブ取引に基づく利率にて算定しております。なお、社債については「(2)社債の明細」に記載しております。
当社及び一部の子会社は、資金調達の機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため、当連結会計年度末において円貨1,000億円(未使用)及び25.75億米ドル(6億米ドル使用)の長期コミットメントライン契約を有しております。
なお、当社は一部の借入金について、一定の連結純資産水準の維持等を要求する銀行財務制限条項が付されており、前連結会計年度及び当連結会計年度において規制を遵守しております。当該条項につきましては、必要とされる水準を維持するようにモニタリングしております。
(2) 社債の明細
(注) 前連結会計年度末及び当連結会計年度末のうち、下段( )内の金額は1年内償還予定の金額であります。
引当金の増減内訳は次のとおりであります。
(注)「その他」には、主に売却目的保有への振替による減少が含まれております。
引当金の流動、非流動区分毎の内訳は次のとおりであります。
資産除去債務は、主に石炭、石油ガスの採掘設備等の撤去費用に関するものであります。これらの費用は主に1年以上経過した後に支払われることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
その他の流動負債及びその他の非流動負債(非金融負債)の内訳は次のとおりであります。
売却目的で保有する資産及び直接関連する負債の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度末において、売却目的保有に分類した資産及び直接関連する負債のうち主なものは金属・資源・リサイクルセグメントに含まれるインドネシアの一般炭炭鉱に関する持分法で会計処理されている投資を保有する子会社、インフラ・ヘルスケアセグメントに含まれるペルー太陽光発電事業に関する子会社、及びリテール・コンシューマーサービスセグメントに含まれる国内賃貸マンション事業に関する投資不動産であります。このうち、ペルー太陽光発電事業に関する子会社及び国内賃貸マンション事業に関する投資不動産は、当連結会計年度末に売却完了しております。
当連結会計年度末において、売却目的保有に分類した資産及び直接関連する負債のうち主なものは、上記の金属・資源・リサイクルセグメントに含まれる子会社の他、金属・資源・リサイクルセグメントに含まれるカナダのモリブデン鉱山事業に関する子会社であります。
これらは、当社が資産入れ替えの一環として当該資産を売却するという意思決定を行ったことや保有方針を変更したことにより、売却目的で保有する資産及び直接関連する負債に分類したものであります。
なお、前連結会計年度期初において、売却目的保有に分類した資産に含まれるインドネシアの一般炭炭鉱に関する持分法で会計処理されている投資は、当該資産に関する売却計画を変更したため、前連結会計年度において、売却目的保有資産への分類の中止を行い、併せて当該資産を保有する子会社を売却目的で保有する資産及び直接関連する負債へ分類を行いました。本会計処理が経営成績に与える影響に重要性はありません。
(1) 資本管理
当社は企業価値の向上のため、財務体質の健全性と調達構造の安定性を維持し、持続的な成長の実現により自己資本(注1)を積み上げ、財務基盤を拡充することを基本方針としております。当社が資本管理において用いる主な指標として、ネットDER(注2)とリスクアセット自己資本倍率(注3)があります。
「中期経営計画2023」の最終年度である2023年度のネットDERは、計画に掲げた1倍程度に対し0.75倍となりました。また当社では、リスクアセット自己資本倍率を一定のストレスシナリオ下においても1倍以内となるようにコントロールしております。これらの指標については、経営者に定期的に報告され、モニタリングされております。
「中期経営計画2026」においても引き続き財務規律を堅持したうえで、さらなる成長に向けた投資を実行してまいります。
(注1) 自己資本は、資本のうち親会社の所有者に帰属する持分です。
(注2) ネットDER=(有利子負債-現金及び現金同等物-定期預金)÷自己資本
ただし、有利子負債には「リース負債(流動・非流動)」を含めておりません。
(注3) リスクアセット自己資本倍率とは、リスクアセット(リスクの大きさに応じてリスクを評価し、その大きさを金額に換算したもの)の自己資本に対する倍率です。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるネットDER及びリスクアセット自己資本倍率の水準は次のとおりであります。
(2) 発行可能株式総数、発行済株式総数及び自己株式数
(注1) 前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、フジ日本精糖㈱が当社の株式(普通無額面株式)をそれぞれ40,000株保有しておりますが、持分法適用会社であるため、自己株式数(普通無額面株式)には含まれておりません。
(注2) 前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、自己株式数には役員報酬BIP信託に係る信託口が所有する当社株式がそれぞれ953,699株及び886,140株が含まれております。
(注3) 2023年3月31日開催の取締役会決議に基づき、当社の保有する自己株式について、2023年4月7日に15,299,900株の消却を実行いたしました。また、2023年9月22日開催の取締役会決議に基づき、当社の保有する自己株式について、2023年9月29日に10,000,000株の消却を実行いたしました。
(注4) 2023年3月31日開催の取締役会決議に基づき、2023年4月10日から2023年9月29日までの期間に自己株式9,789,300株を取得しております。また、2024年2月22日開催の取締役会決議に基づき、2024年2月26日から2024年3月31日までの期間に自己株式3,226,800株を取得しております。
(3) 剰余金
① 資本剰余金
資本剰余金は、主として資本準備金から構成されております。
② 利益剰余金
利益剰余金は、利益準備金及び未処分の留保利益から構成されております。
なお、利益剰余金には、IFRSへの移行日における在外営業活動体の換算差額累計額が含まれております。
(4) 配当
① 配当金支払額
② 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
③ 配当の基準日及び効力発生日が翌連結会計年度となるもの
2024年5月1日開催の取締役会において、次のとおり2025年3月期に係る中間配当を行うことを
決議しました。
(注) 配当金の総額については、2024年4月30日現在の自己株式を除いた発行済株式数により算定された見込み額で
あり、最終的な中間配当金総額は配当基準日における当該株式数に1株当たり75円を乗じた金額となります。
20 収益
当社グループは、「自動車」、「航空産業・交通プロジェクト」、「インフラ・ヘルスケア」、「金属・資源・リサイクル」、「化学」、「生活産業・アグリビジネス」、「リテール・コンシューマーサービス」の7つの事業本部を基本として組織が構成されており、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績の評価をするために、定期的に検討を行う対象としています。これらの事業本部に加え、ネットワークサービス事業、国内地域法人、物流・保険サービス事業、職能サービス等を含む「その他」で計上する収益を「収益」として表示しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における事業本部別の収益は「5 セグメント情報 (2) 報告セグメントに関する情報」に記載のとおりです。なお、製品及びサービスの区分は事業区分と同一であります。
顧客との契約から生じた債権は、「営業債権及びその他の債権」に含まれている受取手形及び売掛金が該当します。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、契約資産及び契約負債の額、並びに前連結会計年度及び当連結会計年度における、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。なお、契約資産は「営業債権及びその他の債権」に、また契約負債は「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」にそれぞれ含めております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において残存する履行義務に配分した取引価格及び収益を認識すると見込んでいる時期は以下のとおりであります。なお、当初の予想残存期間が1年以内の契約については、以下の金額に含めておりません。
(4)顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。なお、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を使用し、契約の獲得の増分コストを発生時に費用として認識しております。
21 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は次のとおりであります。
22 固定資産除売却損益
固定資産除売却損益の内訳は次のとおりであります。
23 減損損失
減損損失の資産種類別の内訳は次のとおりであります。減損損失は連結純損益計算書の「固定資産減損損失」及び「関係会社整理損」に計上しております。
減損損失のセグメント別の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度において認識した減損損失のうち主なものは、その他セグメントで保有するシステム関連の無形資産(ソフトウエア仮勘定)に係るものであり、減損損失△10,944百万円を認識しております。当社では新たな基幹システムの開発を進めておりましたが、開発過程において多数の課題が発生、開発が継続困難な状況となり、プロジェクトを中断したことから、開発に要した費用について、減損損失を認識したものであります。
また、リテール・コンシューマーサービスセグメントに含まれる、繊維事業を行っている子会社が保有する有形固定資産及び無形資産について、減損損失△2,109百万円を認識しております。これは、事業の一部撤退方針により、従来事業計画で想定していた将来キャッシュ・フローが見込めなくなったことから生じたものであります。
当連結会計年度において認識した減損損失のうち主なものは、インフラ・ヘルスケアセグメントに含まれるイギリス領・北海において石油ガス権益を保有する連結子会社Sojitz Energy Development Ltd.の有形固定資産に係るものであります。当該資産の回収可能価額は、割引将来キャッシュ・フローに基づく評価技法を用いた処分コスト控除後の公正価値を使用して算定しており、当該公正価値のヒエラルキーはレベル3に分類しております。処分コスト控除後の公正価値の見積りにおいては、事業計画の基礎となる将来の資源価格、生産量の前提となる可採埋蔵量及び開発計画の実行可能性並びに割引率といった主要な仮定を使用しております。主に長期市況見通しの下落により、従来事業計画で想定していた将来キャッシュ・フローが見込めなくなり、回収可能額である7,451百万円まで減損したことから、減損損失△3,379百万円を認識しております。
24 関係会社整理益
関係会社整理益で認識した金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ30,776百万円及び8,073百万円であり、前連結会計年度において認識した主なものは、リテール・コンシューマーサービスセグメントが保有するリート資産運用子会社の売却による利得及び、インフラ・ヘルスケアセグメントが保有する国内太陽光発電事業の売却による利得であります。
なお、上記関係会社整理益のうち、支配の喪失を伴う子会社の売却等から生じた利得は、前連結会計年度において14,640百万円であり、このうち従前の子会社に対して保持している残余持分を支配喪失日の公正価値で測定したことによる利得は3,038百万円であります。当連結会計年度に認識した金額に重要性はありません。
25 関係会社整理損
関係会社整理損の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度において、「関係会社売却損等」には金属・資源・リサイクルセグメントにおける資産入替に伴う銅鉱山権益に関する損失が含まれております。
当連結会計年度において、「関係会社売却損等」にはインフラ・ヘルスケアセグメントにおける米国ガス火力発電事業の売却に伴う損失が含まれております。
26 為替差額
純損益に認識された為替差額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ△1,180百万円及び△4,540百万円であり、連結純損益計算書の「その他の費用」に計上しております。なお、当該金額には為替リスクのヘッジを目的として行った通貨関連デリバティブから生じた損益を含めております。
27 金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は次のとおりであります。
(注)主にFVTOCIの金融資産からの配当金が含まれております。
上記のほか、商品関連デリバティブの評価損益を、前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結純損益計算書の「商品の販売に係る収益」に純額でそれぞれ971百万円及び1,429百万円計上しております。
また、通貨関連デリバティブの評価損益を、前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結純損益計算書の「その他の費用」に純額でそれぞれ△1,036百万円及び△1,254百万円計上しております。
28 1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり利益及び希薄化後1株当たり利益
(2) 基本的1株当たり利益及び希薄化後1株当たり利益の算定の基礎
(注) 前連結会計年度の希薄化後1株当たり利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
29 その他の包括利益
その他の包括利益の各内訳項目ごとの組替調整額及び税効果額は次のとおりであります。
30 キャッシュ・フロー情報
(1) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳及び連結財政状態計算書との関係は次のとおりであります。
(2) 子会社の取得による収支
新たに子会社となった会社に関する支配獲得時の資産及び負債の主な内訳並びに支払対価と取得による収支の関係は次のとおりであります。
(3) 子会社の売却による収支
株式の売却により子会社でなくなった会社に関する支配喪失時の資産及び負債の主な内訳並びに受取対価と売却による収支の関係は次のとおりであります。
(4) 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」には、前連結会計年度において、連結純損益計算書における関係会社整理益の調整が△30,776百万円、関係会社整理損の調整が8,604百万円含まれております。
(5) 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローの「その他」には、前連結会計年度において、主に航空機関連取引による資金拠出並びに回収が含まれております。また、当連結会計年度において主に航空機関連取引による回収が含まれております。
(6) 財務活動に係る負債の変動
財務活動に係る負債の変動は以下の通りであります。
前連結会計年度(自2022年4月1日 至2023年3月31日)
当連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)
31 従業員給付
(1) 退職後給付
① 採用している退職給付制度の概要
当社は、退職給付制度として確定拠出年金制度及び退職一時金制度並びに前払退職金制度を設けております。
国内子会社は、主に確定給付型の制度として、企業年金基金制度及び退職一時金制度を設けております。また、一部の在外子会社においても確定給付型の制度を設けております。
これらの制度における給付額は、従業員の役割等級や給与水準等に基づき算定されております。
なお、従業員の退職等に際して割増退職金を支払う場合があります。
② 確定給付制度
(a) 確定給付負債(資産)の純額
確定給付負債(資産)の純額及びその構成要素の期首及び期末残高の調整表は次のとおりであります。
(b) 制度資産
前連結会計年度末現在の制度資産の構成項目は以下のとおりであります。
当連結会計年度末現在の制度資産の構成項目は以下のとおりであります。
(c) 重要な数理計算上の仮定
(d) 確定給付制度債務の感応度分析
(e) 確定給付制度の満期構成に関する情報
確定給付制度債務の加重平均支払期間は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ10.1年及び9.7年であります。
(f) 翌年度における制度資産への拠出額
当社グループは、翌連結会計年度における制度資産に対する拠出額を291百万円と見積もっております。
③ 確定拠出制度
確定拠出制度に関して認識した費用の合計額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ2,249百万円及び2,408百万円であります。
④ 複数事業主制度
確定拠出制度として処理している複数事業主制度に関して認識した費用の合計額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ16百万円及び17百万円であります。
(2) 従業員給付費用
費用として認識している従業員給付費用の合計額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ140,942百万円及び154,963百万円であります。従業員給付費用は連結純損益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しております。
32 繰延税金及び法人所得税費用
(1) 繰延税金
① 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は次のとおりであります。
当連結会計年度より、IAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)を適用し、リース及び資産除去債務等の、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異が生じる取引について、繰延税金負債および繰延税金資産を連結財政状態計算書にそれぞれ認識する処理方法に変更しております。本改訂は遡及適用されるため、前連結会計年度の繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は、遡及適用後の金額に基づき作成しております。また、前連結会計年度について、遡及適用後の影響額に重要性はありません。
② 繰延税金資産及び繰延税金負債の増減内容
繰延税金資産及び繰延税金負債の増減内容は次のとおりであります。
③ 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金
連結財政状態計算書において繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金(繰越期限別内訳)は次のとおりであります。
④ 繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る一時差異
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、それぞれ275,147百万円及び155,970百万円であります。これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
(2) 法人所得税費用
① 法人所得税費用の内訳
法人所得税費用の内訳は次のとおりであります。
従前は未認識であった税務上の欠損金又は過去の期間の一時差異から生じた便益のうち、当期税金費用の減額のために使用した額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ14,874百万円及び12,335百万円であり、これらは当期税金費用に含めております。
② 法定実効税率の調整
法定実効税率と法人所得税費用の負担率との調整表は次のとおりであります。
当連結会計年度における法定実効税率は、日本における法人税、住民税及び事業税に基づき、30.6%と算定しております。
なお、当社は、経済協力開発機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定された税法が適用された場合の法人所得税に対する潜在的なエクスポージャーを評価しております。本税法の適用により、一部子会社が所在する地域において追加の法人所得税が発生する可能性があるものの、当連結会計年度末において、連結財務諸表へ与える影響に重要性はないものと判断しております。
33 金融商品
金融商品の分類ごとの内訳は次のとおりであります。
当社グループは総合商社として、物品の売買及び貿易業をはじめ、国内及び海外における各種製品の製造・販売やサービスの提供、各種プロジェクトの企画・調整、各種事業分野への投資、並びに金融活動などグローバルに多角的な事業を行っております。これらの事業は性質上、様々なリスクにさらされており、当社グループでは、リスクをリスク項目ごとに分類・定義した上で、リスクの性質に応じた管理を行っております。
当社グループは、多様な商取引により国内外の多数の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。当社グループは、当社のリスク管理規程に従い、営業債権及び貸付金について、信用供与を行っている取引先ごとに信用格付けを付与することで取引先ごとの取引限度を設定し、信用供与額を取引限度に収めることにより信用リスクをコントロールしております。また、取引先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの保全措置を講じると共に、債権査定制度により、当社グループが営業債権を有する取引先の中から一定の基準により査定先を抽出した上で、その信用状態と当社グループの債権、保全などの状況を点検することで、信用リスクの状況把握と個別貸倒引当金算定の厳格化に努めております。なお、当社グループは、特定の相手先に対する過度に集中した信用リスクを負っておりません。
デリバティブ取引の利用にあたっては、信用リスクを最小限にするため、取引の相手先を国際的に認知された格付機関による信用度の高い金融機関などに限定しております。また定期的に相手先の信用状況を調査し限度額の見直しを行っており、デリバティブ契約相手の契約不履行による信用リスクの極小化に努めております。
① 信用リスクに対する最大エクスポージャー
保証債務を除き、保有する担保及びその他の信用補完を考慮に入れない場合の当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは連結財政状態計算書における金融資産の減損後の帳簿価額となっております。保証債務に係る信用リスクの最大エクスポージャーは、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ29,664百万円及び43,963百万円であります。
② 金融資産の帳簿価額及び貸倒引当金の増減
単純化したアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」の帳簿価額は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注)単純化したアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」には、主に受取手形及び売掛金が含まれております。
当連結会計年度末(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)単純化したアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」には、主に受取手形及び売掛金が含まれております。
信用減損金融資産ではない金融資産の帳簿価額には、主に内部の信用格付における評価が正常先に相当する債権等が含まれております。また、信用減損金融資産の帳簿価額には内部の信用格付における評価が貸倒懸念先及び破産更生先の債権等が含まれております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を及ぼす帳簿価額の著しい変動はありません。
単純化したアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」に係る貸倒引当金の増減は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注)「その他」には、主に為替変動による影響が含まれております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)「その他」には、主に為替変動による影響が含まれております。
一般的なアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」等の帳簿価額は、次のとおりであります。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注)一般的なアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」には、主に貸付金が含まれております。
当連結会計年度末(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)一般的なアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」には、主に貸付金が含まれております。
貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失で測定している金融資産の帳簿価額には、内部の信用格付における評価が正常先に相当する債権等が含まれております。
貸倒引当金を全期間の予想信用損失で測定している金融資産のうち、信用減損金融資産ではない金融資産の帳簿価額には、内部の信用格付における評価が要注意先に相当する債権等が含まれており、信用減損金融資産の帳簿価額には、内部の信用格付における評価が貸倒懸念先及び破産更生先の債権等が含まれております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を及ぼす帳簿価額の著しい変動はありません。
一般的なアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」等に係る貸倒引当金の増減は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注)「その他」には、主に為替変動による影響が含まれております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)「その他」には、主に為替変動による影響が含まれております。
(4) 流動性リスク管理
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。このため、金融市場の混乱や、格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約され、支払期日にその支払を実行できなくなる可能性があります。これに対し、資金調達の機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため、円貨1,000億円(未使用)及び25.75億米ドル(6億米ドル使用)の長期コミットメントライン契約を有し、当該コミットメントライン契約の参加取引行をはじめとした各金融機関と良好な関係を維持しております。
① 非デリバティブ金融負債
非デリバティブ金融負債の期日別内訳は次のとおりであります。なお、リース負債は「35 リース」に記載しております。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
上記のほか保証債務が、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ29,664百万円及び43,963百万円あります。
② デリバティブ
デリバティブの期日別内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク、並びに上場有価証券の保有などに伴う株価変動リスクなどの市場リスクにさらされております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや、先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化に努めております。
① 為替変動リスク
1) 為替変動リスクの内容及び管理方針
当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクにさらされております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じております。
2) 為替変動リスクの感応度分析
当社グループが連結会計年度末において保有する金融商品について、日本円に対し米ドル及び豪ドルがそれぞれ1%円高になった場合の税引前利益及びその他の包括利益(税効果調整前)に与える影響額は次のとおりであります。なお、当該分析は他のすべての変数が一定であると仮定しております。
当該分析には機能通貨建ての金融商品、外貨建て収益及び費用の換算並びに在外営業活動体の資産及び負債の換算による影響額は含まれておりません。
② 金利変動リスク
1) 金利変動リスクの内容及び管理方針
当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しております。
2) 金利変動リスクの感応度分析
当社グループが連結会計年度末において保有する金融商品について、金利が1%上昇した場合の税引前利益に与える影響額は次のとおりであります。なお、当該分析は他のすべての変数が一定であると仮定しております。
当該分析では、期末における金利の変動による影響を受ける金融商品の正味残高に1%を乗じて影響額を算定しております。なお、変動金利付金融商品(金利スワップ取引により実質的に固定金利付金融商品となっているものを除く。)の他、現金及び現金同等物、受取手形及び売掛金、支払手形及び買掛金等についても金利の変動による影響を受ける金融商品として取り扱っております。
3) 金利指標改革及び関連するリスクの管理
当社グループは、前連結会計年度末においてロンドン銀行間貸出金利(以下、LIBOR)を参照する金融商品を保有しておりました。主な対象は非デリバティブ金融負債である借入金と金利スワップ契約のデリバティブであり、金利指標改革の動向をモニタリングするとともに、その影響を評価し、LIBORの代替的な金利指標への移行対応を行ってまいりました。当連結会計年度末において、全ての取引についてLIBORの代替となる金利指標への移行を完了しております。
③ 商品価格変動リスク
1) 商品価格変動リスクの内容及び管理方針
当社グループは、様々な事業分野において多岐に亘る商品を取扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。取扱い商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額とMax Loss Amount(MLA)を設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額がMLAの90%に抵触した場合、MLAの範囲内に収めるべく速やかにポジションを解消するルール)を設定し運用しております。各商品ポジションに関しては、モニタリングの上、本部別に増減内容の分析を行うなど、適正水準にコントロールするための施策を行っております。
2) 商品価格変動リスクの感応度分析
当社グループが連結会計年度末において保有する商品関連デリバティブについて、商品価格が1%下落した場合の税引前利益及びその他の包括利益(税効果調整前)に与える影響額は次のとおりであります。なお、当該分析は他のすべての変数が一定であると仮定しております。
④ 株価変動リスク
1) 株価変動リスクの内容及び管理方針
当社グループは、市場性のある有価証券を保有しており、市場価格の変動リスクにさらされております。「中期経営計画2023」においては、2020年12月末時点の政策保有株式を半減させる方針のもと着実に売却を進め、計画値を上回る政策保有株式の売却を実行しました。「中期経営計画2026」においても前中計と同様、保有する上場株式の個別銘柄毎の保有意義見直しを継続する方針です。
2) 株価変動リスクの感応度分析
当社グループが連結会計年度末において保有する上場株式について、株価が1%下落した場合のその他の包括利益(税効果調整前)に与える影響額は次のとおりであります。なお、当該分析は他のすべての変数が一定であると仮定しております。
(6) 金融商品の公正価値
金融商品の公正価値は、次のとおりであります。
公正価値は、用いられる評価技法により3つのレベルに区分され、その内容は「2 作成の基礎 (4)見積り及び判断の利用」に記載しております。
① 償却原価で測定する金融資産及び金融負債
上記の公正価値の算定方法は次のとおりであります。
(a)受取手形及び売掛金
一定の期間ごとに区分した債権ごとに、その将来キャッシュ・フローを、期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。
(b)支払手形及び買掛金
一定の期間ごとに区分した債務ごとに、その将来キャッシュ・フローを、期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。
(c)社債及び長期借入金
社債については、主に市場価格に基づき算定しております。
長期借入金については、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
これらの償却原価で測定する金融資産及び金融負債については、公正価値ヒエラルキーレベル2に区分されます。
なお、非支配持分に付与されたプット・オプションは上表に含まれておりません。当該負債を「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」に含めており、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ合計4,225百万円及び3,245百万円計上しております。当該公正価値はいずれも帳簿価額と近似しております。
② 公正価値で測定する金融資産及び金融負債
1) 公正価値ヒエラルキーのレベル別分析
次の表は連結財政状態計算書において公正価値で測定している金融資産及び金融負債について、測定を行う際に用いたインプットの重要性を反映した公正価値ヒエラルキーのレベルごとに分析したものとなっております。なお、非経常的に公正価値で測定している金融資産及び金融負債は含めておりません。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
上記の公正価値の算定方法は次のとおりであります。
(a)その他の投資
上場株式については、取引所の価格によっており、公正価値ヒエラルキーレベル1に区分されます。
非上場株式については、割引将来キャッシュ・フローに基づく評価技法、類似会社の市場価格に基づく評価技法、純資産価値に基づく評価技法、その他の評価技法を用いて算定しており、公正価値ヒエラルキーレベル3に区分されます。非上場株式の公正価値測定に当たっては、割引率、評価倍率等の観察可能でないインプットを利用しており、必要に応じて一定の非流動性ディスカウント、非支配持分ディスカウントを加味しております。非上場株式の公正価値の評価方針及び手続の決定はコーポレートにおいて行っており、評価モデルを含む公正価値測定については、個々の株式の事業内容、事業計画の入手可否及び類似上場企業等を定期的に確認し、その妥当性を検証しております。
(b)デリバティブ金融資産及びデリバティブ金融負債
主な種類別の公正価値の算定方法は以下の通りです。
通貨関連デリバティブ
為替予約取引、直物為替先渡取引、通貨オプション取引及び通貨スワップ取引については、期末日の先物為替相場に基づき算出しております。
金利関連デリバティブ
金利スワップについては、将来キャッシュ・フローを満期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。
商品関連デリバティブ
商品先物取引については、主に期末日現在の取引所の最終価格により算定しております。商品先渡取引、商品オプション取引及び商品スワップ取引については、一般に公表されている期末指標価格に基づいて算定しております。
なお、デリバティブ金融資産及びデリバティブ金融負債については、公正価値ヒエラルキーレベル1に区分される商品先物取引及び公正価値ヒエラルキーレベル3に区分される株式先渡取引を除き、公正価値ヒエラルキーレベル2に区分されます。
2) 公正価値ヒエラルキーレベル3に区分される経常的な公正価値測定
経常的に公正価値で測定している主な金融資産及び金融負債のうち公正価値ヒエラルキーレベル3に区分されるものの増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
純損益に認識した利得又は損失は連結純損益計算書において「その他の金融収益」又は「その他の金融費用」に含めております。純損益に認識した利得合計のうち、連結会計年度末において保有する金融商品に係るものは、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ402百万円及び346百万円であります。
その他の包括利益に認識した利得又は損失は連結純損益及びその他の包括利益計算書において「FVTOCIの金融資産」に含めております。
(7) FVTOCIの金融資産
当社グループでは、取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融商品に対する投資について、その保有目的に鑑み、FVTOCIの金融資産に指定しております。
① 主な銘柄ごとの公正価値
FVTOCIの金融資産に指定した資本性金融商品に対する投資の内、活発な市場がある主な銘柄ごとの公正価値は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
② 受取配当金
③ 期中に認識を中止したFVTOCIの金融資産
当社グループでは、定期的なポートフォリオの見直しやリスクアセットの管理等を目的として、FVTOCIの金融資産の売却を行っており、その売却日における公正価値及び売却に係る累積利得(税引前)は次のとおりであります。
④ 利益剰余金への振替額
当社グループでは、FVTOCIの金融資産の公正価値の変動による累積利得又は損失は、投資を処分した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合に利益剰余金に振り替えることとしております。利益剰余金へ振り替えたその他の包括利益の累積利得(税引後)は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ24,354百万円及び9,361百万円であります。
当社グループは、市場リスクを先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化に努めております。リスク・エクスポージャーのリスク区分毎のリスク管理方針は、(5)市場リスク管理に記載のとおりです。
当社グループでは、ヘッジの開始時においてヘッジ関係並びにヘッジの実施についてのリスク管理目的及び戦略の公式な指定及び文書化を行っております。当該文書にはヘッジ手段の特定、ヘッジの対象となる項目又は取引、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するに際してのヘッジ手段の有効性の評価方法が含まれております。これらのヘッジについて、ヘッジの開始時及びヘッジ指定されていた会計期間を通じて実際に極めて有効であったか否かを判断するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しているかどうかの定性的な評価、及びヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価値変動が相殺しあう関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しています。
当社グループは、ヘッジの開始時においてヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、原則として1対1の関係となるように設定しております。ヘッジ関係について有効性が認められなくなったものの、リスク管理目的に変更が無い場合は、ヘッジ関係が再び有効となるようヘッジ比率を再調整しています。なお、信用リスクによる影響を含め、ヘッジ非有効部分がヘッジ関係に与える影響に重要性はありません。
当社グループが、リスク区分毎のリスク管理戦略に基づき決定した特定のリスク要素をヘッジ対象として指定する場合は、当該リスク要素はヘッジ対象全体から独立に識別可能な構成要素であり、当該リスク要素の変動に起因するキャッシュ・フロー又は公正価値の変動が信頼性をもって測定可能なものを指定しております。
① ヘッジ会計の種類
(a) 公正価値ヘッジ
当社グループでは、主として確定約定並びに在庫商品に係る公正価値の変動リスクをヘッジする目的で商品先物・先渡取引をヘッジ指定しております。また、固定利付借入金の公正価値変動リスクをヘッジする目的で金利スワップ取引をヘッジ手段とした公正価値ヘッジを行っております。
公正価値ヘッジにおいてヘッジ手段であるデリバティブの公正価値変動は純損益として認識しております。また、ヘッジされたリスクに対応するヘッジ対象の公正価値の変動については、ヘッジ対象の帳簿価額を修正して、純損益として認識しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効金額を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動と概ね見合っており、純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループでは、主として変動利付借入金の金利に係るキャッシュ・フロー変動リスクをヘッジする目的で金利スワップ取引をヘッジ指定し、また、外貨建確定約定及び予定取引に係るキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジする目的で為替予約取引をヘッジ指定しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジにおいてはヘッジ手段に係る利得または損失のうち有効なヘッジと判定される部分は、その他の包括利益に認識しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効金額を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動と概ね見合っており、純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。また、予定取引の発生が見込まれなくなったために、その他の資本の構成要素から純損益に振り替えた金額に重要性はありません。
(c) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
当社グループでは、在外営業活動体に対する純投資に係る為替相場の変動リスクをヘッジする目的で為替予約取引及び外貨建借入金をヘッジ指定しております。
在外営業活動体に対する純投資のヘッジにおいてはヘッジ手段に係る利得または損失のうち有効なヘッジと判定される部分は、その他の包括利益に認識しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効金額を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動と概ね見合っており、純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
② ヘッジ会計の種類ごとのヘッジ手段の帳簿価額
ヘッジ会計の種類ごとのヘッジ手段の帳簿価額は次のとおりであります。
上記のデリバティブ契約は、連結財政状態計算書において「デリバティブ金融資産」及び「デリバティブ金融負債」に計上しています。なお、上記の他に、キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資ヘッジにヘッジ指定している外貨建借入金が前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ36,047百万円及び34,733百万円であり、連結財政状態計算書において「社債及び借入金」に計上しています。
主なヘッジ手段の想定元本及び平均価格は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
米ドルの為替予約のうち主なものは連結会計年度末より1年以内の期間に満期を迎えるものであり、1年超の期間に満期を迎える米ドルの為替予約に関する純額の想定元本が将来キャッシュ・フローに与える影響に重要性はありません。また、金利スワップ契約が満期を迎える想定元本の金額は、連結会計年度末より1年以内、1年超から5年以内及び5年超の期間において、それぞれ57,097百万円、17,715百万円及び8,999百万円であります。
当連結会計年度末(2024年3月31日)
米ドルの為替予約のうち主なものは連結会計年度末より1年以内の期間に満期を迎えるものであり、1年超の期間に満期を迎える米ドルの為替予約に関する純額の想定元本が将来キャッシュ・フローに与える影響に重要性はありません。また、金利スワップ契約が満期を迎える想定元本の金額は、連結会計年度末より1年以内、1年超から5年以内及び5年超の期間において、それぞれ4,330百万円、14,232百万円及び19,938百万円であります。
公正価値ヘッジに分類されるヘッジ対象の帳簿価額及び公正価値ヘッジ調整額の累計額は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
(注1)「その他の投資」
(注2)「棚卸資産」、「その他の流動資産」及び「その他の流動負債」
当連結会計年度末(2024年3月31日)
(注1)「その他の投資」
(注2)「社債及び借入金(非流動)」
(注3)「棚卸資産」、「その他の流動資産」及び「その他の流動負債」
キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジに係るその他の資本の構成要素の計上額は以下のとおりであります。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジに係るその他の資本の構成要素に計上された金額の増減の内訳は以下のとおりであります。なお、ヘッジ手段のオプションの時間的価値及びヘッジ手段に含まれる先渡要素、外貨ベーシス・スプレッドを除いてヘッジ指定している場合における、これらのヘッジ手段から除いた金額に重要性はありません。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
③ 連結純損益計算書及びその他の包括利益計算書におけるヘッジの影響
キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジについて、連結純損益及びその他の包括利益計算書上、その他の包括利益に計上された金額(税効果考慮前)は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注1)「収益」、「原価」、「その他の収益」
(注2)「支払利息」
(注3)「収益」
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注1)「収益」、「原価」、「その他の収益」
(注2)「支払利息」
(注3)「収益」
デリバティブの種類別の内訳は次のとおりであります。
① 通貨関連
② 金利関連
③ 商品関連
当社グループでは営業債権の一部について、手形の割引等の方法により流動化を行っております。しかし、当該流動化債権の中には、債務者が支払を行わない場合に、当社グループに遡求的に支払義務が発生するものがあり、このような流動化債権については、金融資産の認識の中止の要件を満たさないことから、認識の中止を行っておりません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、このような譲渡資産を「営業債権及びその他の債権」にそれぞれ13,714百万円及び18,594百万円計上しており、また、当該資産の譲渡時に生じた入金額を関連する負債として「社債及び借入金」にそれぞれ13,714百万円及び18,594百万円計上しております。当該負債は、譲渡資産に対して支払が行われた場合に決済されることとなりますが、その間、当社グループが当該譲渡資産を利用することはできません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、同一の取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品の内訳は次のとおりであります。
金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品に関する相殺の権利は、倒産その他の事由により取引先が債務を履行できなくなるなどの特定の状況が発生した場合にのみ強制力が生じるものであります。
34 株式に基づく報酬
当社は、取締役及び執行役員(社外取締役及び国内非居住者を除き、以下「取締役等」という。)を対象に、当社の中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的として、会社業績との連動性が高く、かつ透明性・客観性の高い役員報酬制度である業績連動型株式報酬等の報酬制度を導入しております。
本制度においては、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」という。)を用いております。
BIP信託は役位や業績指標の達成度等に応じて当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)並びに当社株式等に生じる配当金を取締役等に交付及び給付する仕組みです。
なお、BIP信託が保有する株式は、自己株式として会計処理しています。また、本制度は持分決済型株式報酬として会計処理しています。
当連結会計年度においては、当連結会計年度を対象として付与されることが見込まれる株式交付ポイントに基づき、株式報酬費用を認識しています。なお、当連結会計年度末において信託として保有する株式は886,140株です。
本制度に関して計上された費用は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ214百万円及び735百万円であります。
35 リース
(1) 借手としてのリース
当社グループは、借手としてオフィスビル等の不動産、機械装置等のリースを行っております。
① 使用権資産の帳簿価額の内訳
使用権資産の帳簿価額の内訳は次のとおりであります。
② 借手としてのリースに係る費用、収益、キャッシュ・フロー
借手としてのリースに係る費用、収益、キャッシュ・フローは次のとおりであります。
なお、セール・アンド・リースバック取引から生じた利得又は損失に重要性はありません。
③ リース負債
リース負債(割引前)の満期分析は次のとおりであります。
(2) 貸手としてのリース
当社グループでは、貨車、不動産及び船舶等を賃貸しております。
① リースに係る収益
リースに係る収益は次のとおりであります。
ファイナンス・リース及びオペレーティング・リースに係る収益のうち、指数又はレートに応じて決まるものではない変動リース料に係る収益に重要性はありません。
② リース料の満期分析
(a) ファイナンス・リース
ファイナンス・リースに係るリース料債権(割引前)の満期分析は次のとおりであります。
(b) オペレーティング・リース
オペレーティング・リースに係る受取リース料の満期分析は次のとおりであります。
36 担保
(1) 債務の担保に供している資産
債務の担保に供している資産及び対応する債務の内訳は次のとおりであります。
(注) 債務の担保に供している資産は上記のほか、連結上消去されている子会社株式があります。
当社グループでは輸入金融を利用する際に、銀行に対しトラスト・レシートを差し入れ、輸入商品又は当該商品の売却代金に対する担保権を付与しております。しかし、輸入取引量が膨大であり、当該担保提供資産の金額を把握することが実務上困難であることから、上記金額には含めておりません。
(2) 取引保証金等の代用として供している資産
取引保証金等の代用として供している資産の内訳は次のとおりであります。
(注) 取引保証金等の代用として供している資産は上記のほか、連結上消去されている子会社株式があります。
37 偶発債務
当社グループは、子会社以外の会社の銀行借入等の債務に対して、次のとおり保証を行っております。
被保証先による不履行が生じた際に、当社グループは、保証の履行に応ずる義務があります。
(注)主として持分法適用会社による金融機関からの借入金に対する保証であります。
38 重要な子会社
当社の重要な子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況 (1) 連結子会社」に記載のとおりであります。
39 企業結合
(1) DaiTanViet Joint Stock Companyの取得
① 企業結合の概要
当社グループは、当連結会計年度において、DaiTanViet Joint Stock Companyの全株式を取得し、同社に対する支配を獲得しました。
本取引の概要は以下のとおりであります。
② 取得資産、引受負債及び認識したのれん
なお、認識したのれんは、当社グループ会社との相乗効果を含む今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力から発生したものであります。
③ 移転された対価の主要な種類ごとの取得日公正価値
上記の対価に関する支払いは連結キャッシュ・フロー計算書上、「子会社の取得による収支」に含まれております。
④ 取得関連費用
取得関連費用として、販売費及び一般管理費に286百万円を計上しており、うち52百万円は当連結会計年度において発生したものです。
⑤ 取得日以降の損益情報及びプロフォーマ損益情報
本企業結合に係る取得日以降の損益及びプロフォーマ損益情報(非監査情報)の連結財務諸表全体に対する影響に重要性がないため開示しておりません。
(2) SILABA MOTORS, S.A.関連事業の取得
① 企業結合の概要
当社グループは、当連結会計年度において、SILABA MOTORS, S.A.関連事業(SILABA MOTORS, S.A.及び同社が店舗利用する不動産の保有会社であるPREMIUM PROPERTIES INTERNATIONAL, S.A.)の議決権100%を取得し、同事業に対する支配を獲得しました。
本取引の概要は以下のとおりであります。
② 取得資産、引受負債及び認識したのれん
なお、認識したのれんは、当社グループ会社との相乗効果を含む今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力から発生したものであります。
③ 移転された対価の主要な種類ごとの取得日公正価値
上記の対価に関する支払いは連結キャッシュ・フロー計算書上、「子会社の取得による収支」に含まれております。
④ 取得関連費用
取得関連費用として、販売費及び一般管理費に245百万円を計上しており、うち98百万円は当連結会計年度において発生したものです。
⑤ 取得日以降の損益情報及びプロフォーマ損益情報
本企業結合に係る取得日以降の損益及びプロフォーマ損益情報(非監査情報)の連結財務諸表全体に対する影響に重要性がないため開示しておりません。
40 関連当事者
(1) 関連当事者との取引
関連当事者との取引は市場価格を勘案し、一般的取引条件と同様の価格に基づいており、重要な取引はありません。
(2) 経営幹部に対する報酬
当社の取締役に対する報酬額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ529百万円及び720百万円であります。詳細につきましては「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等 ① 役員区分毎の報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数」に記載しております。
41 重要な後発事象
該当事項はありません。
42 連結財務諸表の承認
連結財務諸表の発行は、代表取締役 社長COO 植村 幸祐 及び代表取締役 専務執行役員CFO 渋谷 誠によって2024年6月18日に承認されております。