当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、2021年7月に新たに策定した企業ビジョン「日本から、世界最先端のインフラシェアリングを。」のもと、従来は携帯キャリア各社単独で行われてきた携帯基地局関連インフラに係る装置、アンテナ、工事、構築物等の設備投資を当社で一本化し、各社へシェアリングする事業を国内外で展開することで、より快適な明日の実現に貢献してまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2022年5月に公表した2027年3月期をターゲットとする中長期財務目標において、売上高、売上高成長率、EBITDA(注1)、EBITDAマージンを重要指標としております。当社グループは、国内外において自社で共用設備を導入し、各社にシェアリングを行うソリューションを提供しており、設備投資を要するビジネスであることから、売上高に加えて、EBITDAの成長を通じて企業価値の向上を図ってまいります。
なお、上記中長期財務目標を達成するための前提として、国内IBS事業における累計導入済物件数、Tenancy Ratio、タワー事業におけるタワー本数、Tenancy RatioのKPI目標を設定しております。
2027年3月期をターゲットとする中長期財務目標の各指標の目標は、後記「(4)中長期的な会社の経営戦略」をご参照ください。
(注)1.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額+長期前払費用償却額
(3)経営環境
国内において、各携帯キャリアの5Gサービスの開始、政府による地方の通信インフラ整備の支援、サステナビリティへの関心の高まり等を背景にインフラシェアリングの需要が拡大しております。
2018年12月には、総務省より「移動通信分野におけるインフラシェアリングに係る電気通信事業法及び電波法の適用に関するガイドライン」が公表され、5Gの基地局整備においてインフラシェアリングの活用がこれまで以上に重要になることが言及されております。しかしながら、現時点においては、国内通信市場におけるインフラシェアリングの普及率はグローバル市場と比較するとまだ限定的であり、今後、更なる需要の増加や市場全体の拡大が期待されます。
こうした経営環境を踏まえ、当社グループは、主力事業であるIBS事業、タワー事業の成長を加速し、日本におけるインフラシェアリングのリーディングカンパニーとして、より一層のインフラシェアリングの拡大・浸透を推進してまいります。
(4)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、以下の強みを背景に中長期的な経営戦略を推進しております。
(当社グループの強み)
①市場を創出し、市場拡大を牽引する通信インフラシェアリングのパイオニア
当社グループは、これまで一般的ではなかった通信インフラシェアリングを国内で実現し、国内IBS事業を中心に通信インフラシェアリングのパイオニアとして事業を拡大してまいりました。さらに、2021年3月期より、国内におけるインフラシェアリングの新たな取組みとして、屋外インフラシェアリングであるタワー事業の立ち上げを行い、ルーラルタワーシェアリングやデジタルポールといった新設タワーに加えて、通信事業者が保有する既存タワーのカーブアウトを推進しており、通信インフラシェアリング市場において、豊富な導入実績と事業基盤を有しております。
②高い成長性及び収益性を実現するビジネスモデル
当社グループの売上高の大部分となるインフラシェアリング売上高は、長期契約に基づくストック収入で、長期安定的に収益を創出可能なビジネスモデルとなっております。2022年5月に公表した2027年3月期をターゲットとする中長期財務目標において、これまでの中核事業である国内IBS事業に加えて、タワー事業の大幅な成長によるインフラシェアリング売上高の拡大を見込み、以下の目標数値を設定し、更なる成長拡大を目指しております。
2027年3月期 財務目標
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売上高 |
売上高年平均成長率 |
EBITDAマージン |
EBITDA |
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300億円 |
+51% |
60% |
180億円 |
2027年3月期 財務目標のKPI前提
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国内IBS事業 |
タワー事業 |
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4G累計導入済 物件数 |
4G Tenancy Ratio(既設 リプレースは 含まない) |
5G累計導入 済物件数 |
5G Tenancy Ratio |
タワー本数 |
Tenancy Ratio |
|
1,000物件 新設:600物件 既設リプレース :400物件 |
3.0x |
450物件 |
2.0x |
10,000本 |
1.8x |
③通信業界での豊富な経験を持つ経営陣
創業者で代表取締役社長である田中敦史が率いる当社グループの経営陣は、携帯キャリアなどの創業や経営幹部としての経験を有するメンバーを中心に構成されています。当社グループの経営陣は、携帯キャリアの通信インフラ構築において、主要顧客である携帯キャリアや不動産事業者等のニーズを把握し、最適なソリューションを提供するための豊富な経験を有しております。
(当社グループの経営戦略)
①通信インフラシェアリングの事業基盤の強化
インフラシェアリング事業者として、当社が今後も高い成長率を維持していくためには、屋内外におけるインフラシェアリング事業の拡大が必要不可欠となります。そのために当社グループは、建設、営業、技術、保守等の事業体制を拡充していくと共に、携帯キャリアとの資本業務提携等を通じた関係強化により、インフラシェアリングのリーディングカンパニーとしてのポジショニングを強化していくことで、更なる成長拡大を目指してまいります。
②5G関連需要を背景とした通信インフラシェアリングサービスの本格展開
今後、5G基地局への設備投資本格化により、屋内外における5Gインフラシェアリングの需要拡大が予想されます。これらのニーズに対応するため、当社グループは、タワー事業への参入や5G IBS事業の展開等、5Gインフラシェアリングに対応したサービスの拡大をはかってまいります。また、ローカル5G事業の立ち上げ等、インフラシェアリングとのシナジーが見込まれるサービスの展開を推進してまいります。
③通信インフラシェアリングの高度化
当社グループは、5GのSub6帯域に対応した共用設備の開発等、先進的な技術開発を推進してまいりました。
ミリ波共用無線機の開発については、需要動向及び技術的な観点を踏まえて2024年5月9日に中止の意思決定を行ったものの、引き続き、5GSub6帯域での上位レイヤーの共用無線機(RU)の開発等、将来的な開発に向けた検討を行っております。また、資本業務提携等を通じて、携帯キャリアとの技術支援やノウハウの共有をはかり、より早期に需要が見込まれるSub6帯域含めた5GやBeyond 5G、6Gなどのニーズを踏まえたシェアリング領域を無線機やフロントホールへ高度化(垂直展開)し、より効率的なネットワークの構築を目指してまいります。
④海外市場における通信インフラシェアリングの拡大
ベトナムを中心とした継続的な導入物件拡大による安定的なオーガニック成長に加え、同国内での他事業者からの資産買取・M&A等によるインオーガニック成長も目指してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
①タワー事業におけるタワーシェアリングの拡大
各携帯キャリアの5Gサービスの開始、携帯キャリアの設備投資やネットワーク資産の効率化需要の拡大、サステナビリティへの関心の高まり等を背景に、日本国内におけるタワーシェアリング市場は、今後大きな拡大が期待されます。当社グループは、これまでのインフラシェアリング事業で培った事業知見や携帯キャリアとの強固な関係性を活かし、タワーシェアリング市場においても、カーブアウトを含めたタワー本数の拡大と携帯キャリアをはじめとするテナントの誘致によるTenancy Ratioの向上により、市場を牽引していくことが当社グループの成長においても重要であると考えております。
②国内IBS事業における導入物件数の継続的な拡大
国内IBS事業においては、導入物件数の継続的な拡大とTenancy Ratioの向上が、今後も高い成長率を持続していくために重要な取り組みとなります。これまでの4G IBSに加え、5G対応共用装置の本格導入を図っていくことで、導入物件数を拡大してまいります。対象物件につきましては、これまでの主な導入先である新築物件だけでなく、携帯キャリアの屋内5G対策の本格化や4G既存設備のリプレース需要等にも対応し、ポテンシャルの大きな既設市場においても拡大を推進してまいります。
③事業成長に伴う共用設備の安定的な保全・運用
当社グループの成長を牽引するタワー事業及び国内IBS事業の導入実績拡大に伴い、共用鉄塔及び共用設備の安定的な運用の重要性が更に高まると認識しております。特に、タワー事業については、カーブアウト鉄塔の移管拡大に伴い、導入鉄塔数が急速に拡大しており、国内IBS事業での共用設備の運用実績及び基盤も活かし、鉄塔の安定的な保全・運用のための体制強化に継続的に取り組んでまいります。
④財務規律の強化
当社グループが継続的に成長・拡大していくためには、更なる収益基盤の強化・拡大と、それをレバレッジさせた資金調達力が必要になります。インフラシェアリング事業を適切な財務規律でコントロールしながら、収益性を向上させることで、その基盤をしっかり整えてまいります。
⑤人材の確保・育成
当社グループが、今後更なる成長をしていくためには、専門スキル及びノウハウをもった優秀な人材を継続的に確保していくことが重要であると考えております。そのためにも、採用活動強化の施策により、積極的な採用活動を行っていくとともに、人事制度、研修制度の充実等により従業員が中長期で働きやすい環境の整備も実施してまいります。
⑥コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループは、全てのステークホルダーから信頼される企業であるため、コーポレート・ガバナンスの充実を経営上の重要課題の一つとして認識しております。こうした認識のもと、経営の健全性、透明性を高めるとともに効率化を図り、長期的かつ安定的な企業価値の向上に努めるため、迅速で合理的な意思決定及び業務執行の効率化を可能とする社内体制を構築し、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでおります。また、企業経営のリスクに対応するための内部統制システムにつきましても、適切な運用を行うとともに継続的な整備、改善をはかってまいります。
⑦サステナビリティの推進
当社グループは、インフラシェアリングの普及そのものが「サステナブルな社会」の実現につながると考えております。インフラシェアリングの推進により、環境負荷の軽減や「つながる」社会の実現等、社会課題の解決に貢献しながら、社会とともに持続的な成長とさらなる企業価値の向上を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(ガバナンス)
当社グループが成長戦略を推進していくうえで、持続可能な社会実現への貢献と中長期的な企業価値の向上が重要な経営課題であるとの認識に立ち、2024年4月、サステナビリティへの取組を推進することを目的に、代表取締役社長を委員長、社内取締役、常勤監査役、執行役員を構成員とする、サステナビリティ委員会を設置しています。
サステナビリティ委員会は四半期毎に開催され、当社グループのサステナビリティ推進のための基本方針立案、基本方針に沿った施策の推進体制の整備及び進捗確認、サステナビリティに関連する情報の開示等を推進し、その報告や承認において、適宜、取締役会との連携をはかってまいります。また、サステナビリティ委員会事務局におきましては、サステナビリティ委員会の指示・監督に基づき、関係各部・グループ会社と連携して当社グループのサステナビリティの推進を支援してまいります。
(戦略)
サステナビリティの推進が当社グループにとって重要であることを認識しておりますが、当社の主力事業であるタワー事業、国内IBS事業が引き続き拡大していることに加えて、国内におけるインフラシェアリングの事業環境が大きく変化していることから、中長期の事業戦略と気候変動の関連性については慎重に精査を行っており、当連結会計年度末時点におきましては、戦略、指標及び目標の策定には至っておりません。また、サステナビリティ推進のための体制、知識、リソース等の拡充につきましても、今後の課題であると認識しております。
サステナビリティ関連の戦略の策定に先んじて、当連結会計年度におきましては、外部アドバイザーを起用し、インフラシェアリングの導入によるGHG 排出量の削減効果(インフラシェアリングのポジティブインパクト)の算定を実施いたしました。
翌連結会計年度以降におきましては、サステナビリティ委員会が中心となり、インフラシェアリングのポジティブインパクトもふまえたシナリオ分析や目標設定について、外部アドバイザーの起用を含めた策定プロセスを検討してまいります。
(リスク管理)
当連結会計年度においては、サステナビリティに特化したリスク管理体制を構築しておらず、事業のリスクや機会については、各部門が判断し必要に応じて、経営会議等を通じて各部門責任者より取締役及び監査役に対して報告を行っておりました。
翌連結会計年度以降につきましては、新たに発足したサステナビリティ委員会が中心となり、気候変動への対応を含めたサステナビリティの課題に関連するリスク管理を推進してまいります。更に、2024年2月に発足したリスク・コンプライアンス委員会とも内容を共有し、サステナビリティに関連するリスク・機会の識別・評価・管理プロセスについて、当社グループ全体のリスク識別・評価・管理プロセスとの統合をはかっていく予定ですが、サステナビリティ委員会、リスク・コンプライアンス委員会共に、まだ発足後間もないことから、具体的な役割分担やプロセスの詳細につきましては、今後検討してまいります。
(指標と目標)
前述のとおり、当連結会計年度末時点におきましては、中長期の事業戦略と気候変動の関連性については精査段階であり、戦略、指標及び目標の策定には至っておりません。
翌連結会計年度におきましては、外部アドバイザーを起用し、GHG排出量のScope1~3の算定を実施いたします。
(人材の育成に関する方針)
当社では、人材の育成に関する方針として、以下の事項を掲げております。
「当社では当社の行動指針をベースに、多様な人材が自身の能力と個性を最大限発揮し、自身の成長と会社の成長を実感できる組織を目指します。」
なお、当社の行動指針は以下であります。
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1 |
常に誠実である |
お客様、お取引先、同僚等、当社のあらゆる関係先に対して、 誠実に、誠意をもった姿勢で向き合うこと。 そして、常に、自分自身にも、誠実であるか問いかける。 |
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2 |
今に満足せず挑戦する |
高い志を持ちながら、現状に妥協せず、挑戦していく。 成功も失敗も学びに変え、日々成長を目指す。 |
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3 |
早く、行動にうつす |
動き出すまでの時間を、限りなくゼロに近づける。 |
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4 |
結果を出すまでやりきる |
自分の仕事は、責任感を持って結果を出すまでやりきる。 |
|
5 |
助けを求める |
困ったとき、苦しいときには周りに声をかけ、サポートを求める。 支援を求められ、それに応えないメンバーは当社にはいない。 だから気軽に。 |
当該方針に基づき、多様な人材のそれぞれの役職やキャリアステージに応じた成長環境を提供し、社員が能力と個性を発揮するために研修の実施に関する指標を採用しており、また結果として、適切な研修や成長環境の提供が社員の定着に繋がっていることを表す指標として、退職率を採用しております。
当該指標に関する実績及び目標は、以下のとおりであります。
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指標 |
実績(当事業年度) |
目標 |
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(22年度比。金額: |
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管理職層: |
(22年度比: |
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一般層: 新卒新入社員層:28件 |
新卒以外の項目数を3倍 (22年度比: |
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継続的に
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(注)1.各目標につきましては、提出会社の従業員を対象としたものになります。
2.海外子会社であるSouthern Star Telecommunication Equipment Joint Stock Companyにつきましては、法体系や人事制度が異なるため現時点では除外しておりますが、国や社内制度の違いをふまえた集計基準の統一につきましては、引き続き検討してまいります。
(社内環境整備に関する方針)
当社では、社内環境整備に関する方針として、以下の事項を掲げております。
「当社では社員の個性やライフステージの変化に合わせ、それらと仕事を両立できる体制を構築するとともに、働きやすく安心・安全な職場環境を目指します。」
当該方針に基づき、社員が適切に休暇を取得することで、ストレスの軽減やワークライフバランスを保つことができるなど、働きやすい職場環境を示す指標として、有給休暇消化率を採用しております。また、社員が育児と仕事を両立し、柔軟に働くことができる環境を示す指標として、育児休暇後の復職率を採用しております。さらに、職場における労働災害や事故等を未然に防止し、安全な職場環境を継続的に維持することが重要であり、安全意識を徹底するため、労災発生件数を指標として採用しております。
当該指標に関する実績及び目標は、以下のとおりであります。
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指標 |
実績(当事業年度) |
目標 |
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継続的に
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継続的に
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なお、管理職に占める女性労働者の割合は、
(注)1.各目標につきましては、提出会社の従業員を対象としたものになります。
2.海外子会社であるSouthern Star Telecommunication Equipment Joint Stock Companyにつきましては、法体系や人事制度が異なるため現時点では除外しておりますが、国や社内制度の違いをふまえた集計基準の統一につきましては、引き続き検討してまいります。
サステナビリティの推進を含む、当社グループのESG全般の取組みにつきましては、当社コーポレートサイトにおきましても開示を行っております。
詳細については、以下をご参照ください。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4485/ir_material_for_fiscal_ym/154971/00.pdf
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避と予防に取り組んでおります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが入手可能な情報に基づき判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境に関するリスク
・競合他社の動向について
当社グループが展開する通信インフラシェアリング事業が提供するソリューションは、従来は携帯キャリア各社が個別に対応する必要のあった設備投資を一本化し、設備投資・運用費用の削減等のメリットを提供するものであります。当社グループは、通信インフラの一端を担うという自負のもと着実に導入実績を積み重ねると共に、携帯キャリアとの資本業務提携を推進し、通信インフラシェアリングのパイオニアとして、国内市場でのポジショニングの強化をはかっております。しかしながら、当社グループを超える営業力、価格競争力、品質、資金力等を有した競合他社が参入した場合、当社グループの優位性が損なわれ、当社グループの事業展開や経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
・財務制限条項に抵触するリスク
当社グループでは、複数の金融機関との間でシンジケートローン契約を締結しており、当該契約には一定の財務制限条項が付されております。これらの条項に抵触した場合には、借入金の期限前返済義務を負うことがあり、当社グループの財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
・技術革新について
当社グループが展開する主な事業は、技術革新の進展が早い情報通信産業に関連しております。今後、当社グループが現在展開する事業が適合しない新たな技術革新や市場動向が生じ、かつ、当社グループが当該状況に適合した技術やサービスを提供するような事業を展開することが出来ない場合、当社グループの事業は市場からの需要を喪失し、当社グループの事業展開や経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
・サービスの欠陥や事故、自然災害等の影響について
当社グループが展開する事業において、欠陥あるいは事故が発生し、または、大規模自然災害、新型コロナウィルス等のパンデミックや突発的な事故等による環境汚染により、サービスの提供が停止した場合、当社グループの信頼性やブランドイメージが毀損されることにより、当社グループの事業展開や経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
・調達および価格変動のリスクについて
当社グループの事業展開に必要な機械装置や部材等のタイムリーな調達が阻害された場合や、原価管理上予定する価格以上の高騰などにより、製造コストや工事費等の上昇が生じた場合、採算性が悪化する可能性があります。
・システムトラブルへの対応について
当社グループが展開する通信インフラシェアリング事業は、システムを利用して24時間365日体制で設備が有効に機能していることを監視し、有事の際は迅速な対応をすることで安定的な通信インフラの供給に貢献しております。当社グループは、システム強化やセキュリティ強化に取り組んでおりますが、自然災害、ウィルスによる不正アクセス、人為的なミスを含めた事故の発生等に起因したシステムトラブルの発生により重大な被害が生じた場合には、当社グループの事業展開や経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
・特定の調達先への依存について
当社グループは、当社グループの定める品質テストに合格することができる高い技術を有していること等を勘案して調達先を選定しており、特に共用装置に関しては、特定の調達先からの仕入構成比が比較的高くなっております。特定の調達先へ過度に依存しない体制を構築してまいりますが、大口調達先の事業活動の状況に重大な変化や倒産等が生じた場合は、当社グループのサービスの提供に影響を及ぼす可能性があります。
・固定資産の減損に関するリスク
当社グループは、機械装置、構築物、のれんを中心とした固定資産を保有しており、連結財務諸表に占める金額的重要性は相当程度高い状態にあります。機械装置および構築物は通信インフラシェアリング事業に関する設備であり、のれんは当社が戦略的に事業拡大を図っていくために子会社株式を取得して連結子会社化したことにより発生しております。今後、各事業や連結子会社の収益性が悪化する要因が発生した場合又は市場環境が著しく悪化した場合等には、減損損失を計上する可能性があり、当社グループの事業展開や経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
・海外事業展開について
当社グループは、海外への事業展開にも取り組んでおり、ベトナムに連結子会社を有しております。各地域における売上・費用・資産・負債等の現地通貨建の項目は、連結財務諸表作成のために円換算されることから、連結財務諸表数値は為替相場の変動による影響を受ける可能性があります。また、これら海外関係会社が所在している国の政治・経済・社会情勢の影響により、事業遂行の不能等のカントリーリスクが顕在化する可能性があります。
・日本電信電話株式会社との資本・業務提携について
日本電信電話株式会社は、当連結会計年度末現在、当社に対する議決権比率が減少し影響力が低下したことにより、当社の関連会社には該当しないものの、グループ全体で当社発行済株式総数の18.5%を保有する主要株主であり、重要な取引先であることに変わりはありません。また、日本電信電話株式会社においては、関係を維持するために必要となる当社株式を継続的に所有する方針であります。
当社は、通信業界の豊富な知見と経験を有する社外取締役1名を同社グループから招聘しておりますが、出向者の受入れ等その他の人的関係はありません。同社が当社の株式を取得する以前から、当社と同社グループの間で当社通信インフラシェアリングソリューションの利用に係る取引を行っており、当該取引は今後も継続する方針であります。
日本電信電話株式会社とは事業領域が異なり、それぞれ独立した組織で経営を行っていますが、将来的に両者のサービスまたは製品が競合する状況が生じた場合には、当社グループの事業展開や経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業体制に関するリスク
・優秀な人材の獲得・育成について
当社グループは、今後の企業規模の拡大に伴い、当社の理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を継続的に採用し、強固な組織を構築していくことが重要であると考えております。今後、積極的な採用活動を行っていく予定でありますが、当社の求める人材が十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、当社グループの事業展開や経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
・特定の人物への依存
当社代表取締役社長である田中敦史は、当社の創業者であるとともに、大株主であり、経営方針や事業戦略の決定において重要な役割を果たしております。このため、当社グループは、同氏に過度に依存しない体制を作るために、取締役会等における役員間の相互の情報共有や経営組織の強化を図っております。しかし、現状において、何らかの理由により、同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
・内部管理体制について
当社グループは、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。今後、事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も充実・強化させていく方針でありますが、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業展開や経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
・機密情報に係る管理について
当社グループは、取引先の建設計画や事業の方針に関する機密性の高い情報を取得する場合があります。取引先との機密情報の授受においては、秘密保持契約を締結することを徹底し、当社グループ内においてその遵守を含めた情報管理の取組みに関する周知徹底を図っておりますが、今後、コンピュータへの不正アクセスによる情報流出や犯罪行為による情報漏洩などによって問題が発生した場合には、当社グループの信用失墜や費用負担増により、当社グループの事業展開や経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制に関するリスク
・訴訟等について
当社グループにおいては、現在まで訴訟を提訴される等の問題を生じたこと及びその逆に訴訟を提訴したことはありません。しかしながら、当社グループが事業活動を行うなかで、顧客等から当社グループが提供するサービスの不備、個人情報の漏洩等により、訴訟を受けた場合には、当社グループの社会的信用が毀損され事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
・事業に関連する法規制について
当社グループの事業は、電気通信事業法及び建設業法等、日本及び諸外国において、様々な法律及び規制に服しております。また、当社海外子会社の所在する新興国においては比較的最近に法整備がなされており、規制当局や行政機関の規制変更等によって、当社グループの法令遵守のための負担がより増加する可能性があります。これらの法律を遵守することを経営の前提として運営しておりますが、将来において予期せぬ法規制の変更、行政の運営方法の変更などが生じた場合、新たな対応コストが発生し、当社グループの事業展開や経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他
・配当政策について
当社は、株主に対する利益還元と同時に、財務基盤を強固にするとともに競争力を確保し、積極的に事業拡大を図っていくことが重要な経営課題であると認識しております。
今後の配当政策としましては、健全な財務体質の維持及び収益力の強化や事業基盤の整備に備えるための内部留保を勘案したうえで、株主への利益還元の実施を基本方針としておりますが、現時点では今後の配当実施の可能性、実施時期については未定であります。
・税務上の繰越欠損金について
当社グループは、税務上の繰越欠損金を有しており、当社グループの業績が順調に推移することにより、期限内にこれら繰越欠損金の繰越控除を受ける予定であります。しかし、当社グループの業績の下振れ等により繰越期限の失効する繰越欠損金が発生した場合は、課税所得からの控除が受けることができなくなります。その場合、課税所得に対して通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課されることとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
・新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループでは、役員、従業員、社外協力者等に対するインセンティブ等を目的としたストック・オプションを発行しております。また、今後においても株式報酬制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権の行使に加え、今後、株式報酬の付与が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末現在における新株予約権による潜在株式数は50,100株であり、発行済株式総数25,686,818株の0.2%に相当しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は146,620,858千円となり、前連結会計年度末に比べ94,578,632千円増加いたしました。これは主にタワー事業における鉄塔の取得に伴い、建物及び構築物が82,295,529千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は92,163,101千円となり、前連結会計年度末に比べ53,014,477千円増加いたしました。これは主に鉄塔の取得を目的とした借入に伴い、長期借入金(1年内返済予定を含む)が46,675,496千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は54,457,757千円となり、前連結会計年度末に比べ41,564,154千円増加いたしました。これは主に海外公募増資により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ8,578,800千円増加、合同会社JTOWER Infrastructure、合同会社JTOWER Infrastructure2の優先出資に係る非支配株主持分が23,631,971千円増加したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は21.0%(前連結会計年度末は24.8%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におきましては、国内IBS事業において、主に導入物件数の拡大が寄与し、増収となりました。具体的には、4G IBS(新規)において、53物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は404件となりました。また、携帯キャリアが個別に導入した設備の更改に際し、当社の屋内インフラシェアリングを活用する「4G IBS(リプレース)」の取り組みにおいては、既設物件31件への導入を実施し、累計導入済み物件数は46件となりました。さらに、5G IBSにおいては、61物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は124件となりました。
海外IBS事業を展開するベトナムにおきましては、同期間に9物件への新規導入が完了し、当連結会計年度の累計導入済み物件数は243件に増加したことに加え、円安による為替換算の影響により増収となりました。
タワー事業におきましては、株式会社NTTドコモの通信鉄塔を中心に合計4,924基(全期間累計で5,759基)の移管が完了し、収益貢献が進んだことで増収となりました。さらに、株式会社NTTドコモからの通信鉄塔のカーブアウトに関する資金調達や事業体制の拡大に伴う人員体制の強化等の推進により、販売費及び一般管理費は増加した一方で、ファイナンス組成費用の一時費用が減少したことにより、営業外費用は減少しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は11,519,173千円(前連結会計年度比120.3%増)、営業利益は868,062千円(前連結会計年度比641.5%増)、経常損失は102,514千円(前連結会計年度は1,238,652千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は、主に投資額の回収が見込めない資産に対する減損損失を計上したこと等により、200,815千円(前連結会計年度は1,602,810千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、当社グループは通信インフラシェアリング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6,246,524千円増加し、29,850,505千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は7,731,066千円(前連結会計年度比435.0%増)となりました。これは主に、減価償却費4,570,248千円の計上、契約負債の増加2,772,597千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は89,507,741千円(同603.9%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出88,448,450千円、定期預金の預入による支出1,140,295千円、定期預金の払戻による収入909,289千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は87,973,233千円(同330.3%増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入57,534,000千円、非支配株主からの払込みによる収入23,982,298千円、株式の発行による収入17,742,869千円等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは通信インフラシェアリング事業の単一セグメントであるため、事業別に記載しております。
|
事業の名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内IBS事業 (千円) |
4,766,215 |
122.3 |
|
海外IBS事業 (千円) |
942,966 |
109.1 |
|
タワー事業 (千円) |
5,675,222 |
1,717.4 |
|
ソリューション事業 (千円) |
134,768 |
97.4 |
|
合計 (千円) |
11,519,173 |
220.3 |
(注)1.当連結会計年度において、タワー事業の販売実績に著しい変動がありました。これは当連結会計年度において、株式会社NTTドコモの通信鉄塔を中心に合計4,924基(全期間累計で5,759基)の移管が完了し、収益貢献が進んだことによるものであります。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社NTTドコモ |
1,366,432 |
26.1 |
6,832,133 |
59.3 |
|
ソフトバンク株式会社 |
1,217,849 |
23.3 |
1,547,094 |
13.4 |
|
KDDI株式会社 |
1,112,915 |
21.3 |
1,433,353 |
12.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積特有の不確実性が存在するため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②経営成績の分析
a.売上高
当連結会計年度における売上高は11,519,173千円(前年同期比120.3%増)となりました。これは主に、国内IBS事業におきましては、営業活動の強化に努めた結果、4G IBS(新規)において、53物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は404件となったこと、4G IBS(リプレース)において、既設物件31件への導入が完了し、累計導入済み物件数は46件となったこと、5G IBSにおいて、61物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は124件となったこと、海外IBS事業を展開するベトナムにおきましては、同期間に9物件への新規導入が完了し、当連結会計年度の累計導入済み物件数は243件に増加したことに加え、円安による為替換算の影響により増収となったこと、タワー事業におきましては、株式会社NTTドコモの通信鉄塔を中心に合計4,924基(全期間累計で5,759基)の移管が完了し、収益貢献が進んだことによるものであります。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度における売上原価は7,823,820千円(前年同期比192.1%増)となりました。これは主に、国内IBS事業において運用物件に係る減価償却費及び運用保守費が増加したこと、タワー事業において通信鉄塔に係る減価償却費及び土地賃借料が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は3,695,353千円(前年同期比44.9%増)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業損益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は2,827,290千円(前年同期比16.2%増)となりました。これは主に、株式会社NTTドコモからの通信鉄塔のカーブアウトに関する資金調達や事業体制の拡大に伴う人員体制の強化等の推進により人件費、業務委託費、租税公課等が増加したものであります。この結果、営業利益は868,062千円(前年同期比641.5%増)となりました。
d.営業外収益、営業外費用、経常損益
当連結会計年度において、営業外収益は主に受取利息及び為替差益の計上等により92,014千円(前年同期比6.2%減)となり、営業外費用は主にタワー事業に係る鉄塔取得を目的とした借入れに係る支払利息が増加した一方、ファイナンス組成に係る支払手数料が減少したことにより1,062,592千円(前年同期比26.9%減)となりました。この結果、経常損失は102,514千円(前連結会計年度は1,238,652千円の経常損失)となりました。
e.特別損益、法人税等、親会社株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度において、補助金収入の計上により特別利益が8,022千円、減損損失及び固定資産圧縮損の計上により特別損失が45,908千円発生しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は200,815千円(前連結会計年度は1,602,810千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
f.EBITDA
当連結会計年度において、EBITDAは5,478,984千円(前年同期比224.5%増)となりました。これは主に、タワー事業の鉄塔数の増加及び国内IBS事業の導入済み物件数の増加による売上高の増加によるものであります。
③財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
これらのリスクに対して継続的にモニタリングを行って現状把握に努めるとともに、平時から対応策を検討し、リスクの最小化・分散化を図っていきます。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.資本の財源
当社グループの資金使途は、主に通信インフラシェアリング事業の設備導入に係る設備投資並びに販売費及び一般管理費等の営業活動に必要な運転資金であります。これらの資金需要に対する資金財源は、手持資金、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入、増資等により必要とする資金を調達しております。また、株式会社NTTドコモが保有する通信鉄塔の取得実行に伴い、新たに設立したSPC(特別目的会社)である合同会社JTOWER Infrastrucuture、合同会社JTOWER Infrastrucuture2及び合同会社JTOWER Infrastrucuture3を活用したファイナンスストラクチャーにより、銀行等の金融機関からの長期借入などの資金調達を行っております。
b.資金の流動性に関する分析
短期的には月次での資金計画などにより資金管理に努めており、また、限度借入契約等により、当面の事業運営に必要な資金調達ができる体制を整えることで十分な流動性を確保しております。
また、今後の事業成長に伴う資金需要に対して機動的に資金調達を行うこととともに、「JTOWERの中長期展望」において、ネットレバレッジレシオ(ネットデット÷EBITDA)5―7倍を持続的な規律と位置づけ一定の財務規律を保った安定した運営を行っていきます。
⑥経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑦経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、企業ビジョン「日本から、世界最先端のインフラシェアリングを。」のもと、従来は携帯キャリア各社単独で行われてきた携帯基地局関連インフラに係る装置、アンテナ、工事、構築物等の設備投資を当社で一本化し、各社へシェアリングする事業を国内外で展開しております。これは、世界でも高い品質を誇る日本の通信業界で培ってきた技術、サービス品質、ビジネスモデルをさらに磨き上げ、世界最先端のインフラシェアリングの提供を目指していく決意を意味しております。
当社グループがこの企業ビジョンの下、長期的な競争力を維持し持続的な成長を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対して、経営者が常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最善の経営方針を立案していく必要があると認識しております。
当社グループの経営上の重要な契約は以下のとおりであります。
|
契約会社名 |
相手先の名称 |
契約締結日 |
契約期間 |
契約内容 |
|
株式会社JTOWER(当社) |
日本電信電話株式会社 |
2019年7月4日 |
1年間 (自動更新) |
通信インフラシェアリング事業及びその他事業についての業務提携 |
|
株式会社JTOWER(当社) |
KDDI株式会社 |
2021年5月14日 |
- |
通信インフラシェアリング事業及びその他事業についての業務提携 |
|
株式会社JTOWER(当社) |
株式会社NTTドコモ |
2021年11月26日 |
- |
通信インフラシェアリング事業についての業務提携 |
|
株式会社JTOWER(当社) |
株式会社NTTドコモ |
2022年3月31日 |
- |
鉄塔売買及び鉄塔設備利用に関する基本契約(注)1 |
|
株式会社JTOWER(当社) |
東日本電信電話株式会社 |
2022年3月31日 |
- |
鉄塔等譲渡に関する基本契約(注)2 |
|
合同会社JTOWER Infrastructure3 (連結子会社) |
株式会社NTTドコモ |
2023年9月26日 |
- |
鉄塔売買及び鉄塔設備利用に関する基本契約(注)3 |
|
合同会社JTOWER Infrastructure (連結子会社) |
株式会社みずほ銀行 株式会社三菱UFJ銀行 株式会社三井住友銀行 |
2022年11月30日 |
(注)4 |
通信鉄塔の取得のための限度借入契約(注)4 |
|
合同会社JTOWER Infrastructure (連結子会社) |
株式会社三菱UFJ銀行 JA三井リース株式会社 三菱HCキャピタル株式会社 三井住友信託銀行株式会社 |
2022年11月30日 |
(注)4 |
通信鉄塔の取得のための優先出資契約(注)4 |
|
株式会社JTOWER(当社) |
株式会社みずほ銀行 株式会社三菱UFJ銀行 |
2022年11月30日 |
(注)5 |
通信鉄塔の取得のための金銭消費貸借契約(注)5 |
|
合同会社JTOWER Infrastructure2 (連結子会社) |
JA三井リース株式会社 三菱HCキャピタル株式会社 |
2023年3月31日 |
(注)6 |
通信鉄塔の取得のための限度借入契約及び優先出資契約(注)6 |
|
合同会社JTOWER Infrastructure3 (連結子会社) |
株式会社みずほ銀行 JA三井リース株式会社 三菱HCキャピタル株式会社 |
2023年11月30日 |
(注)7 |
通信鉄塔の取得のための限度借入契約及び優先出資契約(注)7 |
|
株式会社JTOWER(当社) |
株式会社みずほ銀行 |
2024年3月21日 |
(注)8 |
通信鉄塔の取得のための金銭消費貸借契約(注)8 |
(注)1.当社は、2022年3月25日開催の取締役会において、株式会社NTTドコモ(以下 ドコモ)が保有する通信鉄塔最大6,002本の取得および取得後において当該通信鉄塔をドコモが利用する事に関する基本契約締結の決定を決議いたしました。
(1)取得の理由
当社は、通信事業者が保有する既存通信鉄塔の買い取りと、当該鉄塔への事業者誘致・シェアリング促進(カーブアウト)を重要な成長戦略の一つと位置付けており、本取引により、タワーシェアリング会社としての事業基盤が大きく拡大するものと考えております。また、既存鉄塔のインフラシェアリングを推進することにより、5Gネットワークの早期整備を促進するとともに、環境負荷を軽減し、持続可能な社会の実現に貢献できるものと判断し、本契約を締結することといたしました。
(2)取得内容および取得後の利用について
|
(1) |
対象通信鉄塔数(総数) |
最大6,002本 |
|
(2) |
譲受金額(総額) |
最大1,062億円 |
|
(3) |
取得資金 |
借入および自己資金による取得 |
|
(4) |
取引方法 |
条件が整った通信鉄塔から順次移管を実行し、移管手続き完了後にドコモよる利用を開始 |
(3)資産譲受の日程
|
(1) |
取締役会決議日 |
2022年3月25日 |
|
(2) |
基本契約締結日 |
2022年3月31日 |
|
(3) |
資産移管日 |
2022年度以降、順次 |
(注)2.当社は、2022年3月14日開催の取締役会において、東日本電信電話株式会社が保有する通信鉄塔136本の取得に関する基本契約の締結を決議いたしました。
(1)取得の理由
当社は、2021年7月に西日本電信電話株式会社が保有する71本の鉄塔カーブアウトに関する基本契約の締結を行うなど、通信事業者が保有する既存通信鉄塔のカーブアウトを重要な成長戦略の1つと位置付けております。当該取引は、当社の戦略に基づく取り組みとなるものと判断し、この度、基本契約を締結することといたしました。
(2)取得内容および取引方法について
|
(1) |
対象通信鉄塔数(総数) |
136本 |
|
(2) |
譲受金額(総額) |
9億円(概算) |
|
(3) |
取得資金 |
自己資金による取得 |
|
(4) |
取引方法 |
条件が整った通信鉄塔から、順次移管を実行 |
(3)資産譲受の日程
|
(1) |
取締役会決議日 |
2022年3月14日 |
|
(2) |
基本契約締結日 |
2022年3月31日 |
|
(3) |
資産引渡日 |
2022年度以降、順次 |
(注)3.当社は、2023年9月26日開催の取締役会において、株式会社NTTドコモ(以下 ドコモ)が保有する通信鉄塔最大1,552本の取得および取得後において当該通信鉄塔をドコモが利用する事に関する基本契約締結の決定を決議いたしました。
(1)取得の理由
当社は、通信事業者が保有する既存通信鉄塔の買い取りと、当該鉄塔への事業者誘致・シェアリング促進(カーブアウト)を重要な成長戦略の一つと位置付けており、本取引により、2022年3月にドコモと合意した最大6,002基の通信鉄塔の買取等にあわせ、タワーシェアリング会社としての事業基盤が更に拡大するものと考えております。両取引を組み合わせることでより面的なエリア構築が可能になることから、幅広い用途への活用が期待され、更なるインフラシェアリングを推進することにより、5Gネットワークの早期整備を促進するとともに、環境負荷を軽減し、持続可能な社会の実現に貢献できるものと判断し、本契約を締結することといたしました。
(2)取得内容および取得後の利用について
|
(1) |
対象通信鉄塔数(総数) |
最大1,552本 |
|
(2) |
譲受金額(総額) |
最大170億円 |
|
(3) |
取得資金 |
借入および自己資金による取得 |
|
(4) |
取引方法 |
条件が整った通信鉄塔から順次移管を実行し、移管手続き完了後にドコモよる利用を開始 |
(3)資産譲受の日程
|
(1) |
取締役会決議日 |
2023年9月26日 |
|
(2) |
基本契約締結日 |
2023年9月26日 |
|
(3) |
資産移管日 |
2023年度第4四半期以降、順次 |
(注)4.当社は、2022年11月30日開催の取締役会において、株式会社NTTドコモが保有する通信鉄塔の取得を目的として資金調達を行うことを決議し、同日付で以下の内容の契約を締結いたしました。
限度借入契約の概要
|
(1) |
借入人 |
合同会社JTOWER Infrastructure(連結子会社) |
|
(2) |
契約日 |
2022年11月30日 |
|
(3) |
資金使途 |
通信鉄塔設備の取得費用及びこれに関連する費用への充当 |
|
(4) |
契約締結先 |
株式会社みずほ銀行 株式会社三菱UFJ銀行 株式会社三井住友銀行 |
|
(5) |
借入限度額 |
62,410,000千円(内、消費税ローン9,332,000千円) |
|
(6) |
引出可能期間 |
2023年2月28日から2024年8月31日 |
|
(7) |
最終返済期日 |
2046年9月30日(内、消費税ローン:各貸出実行日の9か月後の応当日) |
|
(8) |
適用利率 |
基準金利+スプレッド |
|
(9) |
担保状況 |
有担保、無保証 |
|
(10) |
財務制限条項 |
2024年9月のDSCR(※)テスト時において、DSCR予想値が1.01を下回らないこと。2025年6月以降の毎年6月及び12月のDSCRテスト時において、DSCR実績値またはDSCR予想値のいずれかが1.01を下回らないこと。 |
優先出資契約の概要
|
(1) |
対象会社 |
合同会社JTOWER Infrastructure(連結子会社) |
|
(2) |
契約日 |
2022年11月30日 |
|
(3) |
資金使途 |
通信鉄塔設備の取得費用及びこれに関連する費用への充当 |
|
(4) |
優先出資者 |
株式会社三菱UFJ銀行 JA三井リース株式会社 三菱HCキャピタル株式会社 三井住友信託銀行株式会社 |
|
(5) |
優先出資限度額 |
30,000,000千円 |
|
(6) |
優先出資可能期間 |
2023年2月27日から2024年8月31日 |
|
(7) |
優先出資の内容 |
優先出資者は、優先して配当を受領することが可能。 |
(注)5.当社は、2022年11月30日開催の取締役会において、株式会社NTTドコモが保有する通信鉄塔の取得を目的として資金調達を行うことを決議し、同日付で以下の内容の契約を締結いたしました。
なお、総額150億円の借入の内、海外募集による新株式発行を通じて調達した資金の一部(50 億円)と手元資金等を活用し、100 億円を期限前弁済した上で、新たに 50 億円の借入(借換)を実行いたしました。詳細は(注)8.をご参照ください。
金銭消費貸借契約の概要
|
(1) |
借入人 |
株式会社JTOWER |
|
(2) |
契約日 |
2022年11月30日 |
|
(3) |
資金使途 |
通信鉄塔設備の取得費用及びこれに関連する費用への充当 |
|
(4) |
契約締結先 |
株式会社みずほ銀行 株式会社三菱UFJ銀行 |
|
(5) |
借入額 |
15,000,000千円 |
|
(6) |
最終返済日 |
2025年12月30日 |
|
(7) |
適用利率 |
市場金利に連動した変動金利 |
|
(8) |
返済条件 |
2024年3月より3か月ごとの分割返済 |
|
(9) |
担保状況 |
無担保、無保証 |
(注)6.当社は、2023年3月31日開催の取締役会において、西日本電信電話株式会社、東日本電信電話株式会社及び株式会社NTTドコモが保有する通信鉄塔の取得を目的として資金調達を行うことを決議し、同日付で以下の内容の契約を締結いたしました。
限度借入契約の概要
|
(1) |
借入人 |
合同会社JTOWER Infrastructure2(連結子会社) |
|
(2) |
契約日 |
2023年3月31日 |
|
(3) |
資金使途 |
通信鉄塔設備の取得費用及びこれに関連する費用への充当 |
|
(4) |
契約締結先 |
JA三井リース株式会社 三菱HCキャピタル株式会社 |
|
(5) |
借入限度額 |
16,791,000千円(内、消費税ローン1,457,000千円) |
|
(6) |
引出可能期間 |
2023年3月31日から2024年8月31日 |
|
(7) |
最終返済期日 |
2029年3月31日(内、消費税ローン:各貸出実行日の9か月後の応当日) |
|
(8) |
適用利率 |
固定金利(うち、消費税ローン:基準金利+スプレッド) |
|
(9) |
担保状況 |
有担保、無保証 |
|
(10) |
財務制限条項 |
2024年9月のDSCRテスト時において、DSCR予想値が1.01を下回らないこと。2025年6月以降の毎年6月及び12月のDSCRテスト時において、DSCR実績値またはDSCR予想値のいずれかが1.01を下回らないこと。 |
優先出資契約の概要
|
(1) |
対象会社 |
合同会社JTOWER Infrastructure2(連結子会社) |
|
(2) |
契約日 |
2023年3月31日 |
|
(3) |
資金使途 |
通信鉄塔設備の取得費用及びこれに関連する費用への充当 |
|
(4) |
優先出資者 |
JA三井リース株式会社 三菱HCキャピタル株式会社 |
|
(5) |
優先出資限度額 |
600,000千円 |
|
(6) |
優先出資実行日 |
2023年4月27日 |
|
(7) |
優先出資の内容 |
優先出資者は、優先して配当を受領することが可能。 |
(注)7.当社は、2023年11月30日開催の取締役会において、株式会社NTTドコモが保有する通信鉄塔の取得を目的として資金調達を行うことを決議し、同日付で以下の内容の契約を締結いたしました。
限度借入契約の概要
|
(1) |
借入人 |
合同会社JTOWER Infrastructure3(連結子会社) |
|
(2) |
契約日 |
2023年11月30日 |
|
(3) |
資金使途 |
通信鉄塔設備の取得費用及びこれに関連する費用への充当 |
|
(4) |
契約締結先 |
株式会社みずほ銀行 |
|
(5) |
借入限度額 |
12,295,000千円(内、消費税ローン1,813,000千円) |
|
(6) |
引出可能期間 |
2024年4月30日から2025年8月31日 |
|
(7) |
最終返済期日 |
2053年12月31日(内、消費税ローン:各貸出実行日の9か月後の応当日) |
|
(8) |
適用利率 |
固定金利(うち、消費税ローン:基準金利+スプレッド) |
|
(9) |
担保状況 |
有担保、無保証 |
|
(10) |
財務制限条項 |
2025年9月のDSCRテスト時において、DSCR予想値が1.01を下回らないこと。2026年6月以降の毎年6月及び12月のDSCRテスト時において、DSCR実績値またはDSCR予想値のいずれかが1.01を下回らないこと。 |
優先出資契約の概要
|
(1) |
対象会社 |
合同会社JTOWER Infrastructure3(連結子会社) |
|
(2) |
契約日 |
2023年11月30日 |
|
(3) |
資金使途 |
通信鉄塔設備の取得費用及びこれに関連する費用への充当 |
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(4) |
優先出資者 |
JA三井リース株式会社 三菱HCキャピタル株式会社 |
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(5) |
優先出資限度額 |
4,561,000千円 |
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(6) |
優先出資実行日 |
2024年4月29日から2025年8月31日 |
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(7) |
優先出資の内容 |
優先出資者は、優先して配当を受領することが可能。 |
(注)8.当社は、2024年3月15日開催の取締役会において、株式会社NTTドコモが保有する通信鉄塔の取得を目的として資金調達を行うことを決議し、同日付で以下の内容の契約を締結いたしました。
金銭消費貸借契約の概要
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(1) |
借入人 |
株式会社JTOWER |
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(2) |
契約日 |
2024年3月21日 |
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(3) |
資金使途 |
通信鉄塔設備の取得費用及びこれに関連する費用への充当 |
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(4) |
契約締結先 |
株式会社みずほ銀行 |
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(5) |
借入限度額 |
50,000,000千円 |
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(6) |
最終返済期日 |
2027年3月31日 |
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(7) |
適用利率 |
市場金利に連動した変動金利 |
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(8) |
返済条件 |
2025年3月より3か月ごとの分割返済 |
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(9) |
担保状況 |
無担保、無保証 |
当社グループは、これまで携帯キャリアや様々な事業者のニーズに応える通信環境を整備するために、新たに割り当てられた周波数帯域に対応した共用装置の開発等に取り組んでまいりました。
当連結会計年度においては、5Gミリ波対応共用無線機の開発を前連結会計年度より継続して実施してまいりましたが、開発計画遅延の状況が解消しないことやミリ波の需要の立ち上がりに当初想定よりも時間を要していることを踏まえて、2024年5月9日開催の取締役会において、5Gミリ波対応共用無線機の開発を取りやめ、開発方針を見直すことを決定しました。
この影響により、当連結会計年度において研究開発費は発生しておりません。
今後の中長期戦略においては、ミリ波に関わらず、より早期に需要が見込まれるSub6帯域含めた5GやBeyond 5G、6Gなどのニーズを踏まえた、無線機(RU)やフロントホールにおけるシェアリング等、シェアリング高度化(垂直展開)を重点戦略の1つとしており、今後も市場動向や携帯キャリアの需要を踏まえて、中長期な当社の成長に資する開発を検討してまいります。
なお、当社グループは、通信インフラシェアリング事業の単一セグメントのため、セグメント毎の記載はしておりません。