第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当行グループ(当行及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針・経営戦略等

① 会社の経営の基本方針

当行は、1954年の創業以来、「健全経営を維持しお客さまから信頼されること」、「地域経済の発展とお客さまのご繁栄を通して社会貢献を図ること」、「創造性、自発性を尊重し明るい企業文化を創ること」を経営理念としており、その基本精神は現在も変わらず引き継がれております。

 

② 中長期的な会社の経営戦略

社会・経済環境の大きな変化の中、当行は2024年4月より、第7次中期経営計画「Change & Challenge」(2024年4月1日~2029年3月31日)を開始しております。本中期経営計画では、パーパスを新たに制定し、未来への変革ドライバーとなる5つの重点戦略のもと、ステークホルダーとの共通価値の創造を行い、パーパスの実現を目指します。

 

・パーパス(存在意義)

地域を愛し、お客さまに常に寄り添い続け、最も頼りにされる銀行を実現します

 

・5つの重点戦略

トップラインおよび

課題解決力の強化

・融資・ソリューション

事業を経営されるお客さまの課題解決を通じた関係強化

・リテール

・地域商社

・市場運用力

 

お客さまに寄り添ったリテール営業の推進

共通価値と地域間シナジーの追求

融資と並ぶ収益の柱としての運用力強化

 

効率経営の追求

・店舗戦略

・ムダ、ムリ、ムラの排除

・新たな業務プロセスの確立

戦略的かつ効率的な店舗展開

既存業務の徹底的な見直しによる生産性の向上

先進技術・ICT活用

人的資本投資の深化

・人財ポートフォリオ

・人財育成

・DE&Iおよび健康経営の推進

持続可能な人財ポートフォリオの構築

人財のレベル底上げと多様な専門人財の育成

働きがいと幸福をより実感できる職場づくり

強固な経営基盤の確立

・ガバナンス

・リスク管理

・コンプライアンス

・フィデューシャリーデューティー

効率的かつ実効性あるガバナンス態勢

効果的なリスク管理態勢の確立

法令等遵守態勢の一層の強化

お客さま本位の業務運営の実践

IR・ブランディングの浸透

・株主価値

・地域貢献

株主価値の向上を目指して

地域を愛し、地域に貢献する

 

※DE&I…ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

多様な人財が働く組織の中で、それぞれがお互いを尊重しあいながら生き生きと働き、成果を出し続けるための考え方

 

 

(2) 目標とする経営指標

第7次中期経営計画の最終年度(2028年度)の目標とする主な指標は以下のとおりであります。

主要目標

2023年度(実績)

2028年度(目標)

事業承継コンサルティング件数

2023年度 71件

5年間累計 1,000件

積立投信の毎月積立金額&

金融セミナー開催回数を2倍にする

積立金額 50百万円

セミナー開催回数 114回

積立金額 1億円以上

セミナー開催回数 230回以上

中小企業等貸出比率
(消費者向けローン含む)

71.5%

(2023年9月末 2,756億円)

75%以上

(3,055億円以上)

従業員数10%増&

研修時間10%増

従業員数 402人

研修時間 約533時間

従業員数 450人

研修時間 約586時間

最終利益(連結ベース)

6億円

10億円以上

 

※従業員数には、出向者、嘱託及び臨時従業員を含んでおります。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

地域金融機関を取り巻く環境は、少子高齢化の進展や人口動向の変化、それに伴う金融資産の移動・事業所の減少等による競争の激化、海外情勢の影響による原材料価格の高騰や円安進行等、今後ますます厳しくなることが予想されます。また、異業種による銀行業務への参入やDXを活用した新たな金融サービス等の進化にも直面しております。加えて、「令和6年能登半島地震」を受けて、融資などの金融機能による支援や公的助成サポート等、被災者・被災地域の支援や復旧・復興に向けたアクションが重要となっております。

当行は5つの重点戦略を着実に遂行し、地域金融機関として、継続的に事業者の業況等についてきめ細かく実態を把握し、資金繰り支援や経営改善・事業再生支援等を積極的に行ってまいります。また、SDGsへの取り組みを通じ地域社会の持続的な発展に貢献し、すべてのステークホルダーの皆さまに信頼され必要とされ続ける銀行を目指してまいります。あわせて、ガバナンス体制の強化や法令遵守、資産内容等健全性確保、顧客保護等及び各種リスク管理の体制強化に努めてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。

 

<サステナビリティについての取組>

当行は2019年8月に「SDGsへの取り組み」を公表し、2021年1月には頭取を委員長とする「SDGs推進プロジェクト」を立ち上げ、持続可能な地域社会の実現に向けて積極的に取組んでおります。

「SDGsへの取り組み」の重点推進項目は以下のとおりであります。

①持続可能な地域社会の実現

質の高い金融サービスの提供を通じ、持続可能な地域経済・社会の発展に貢献します。

②健全な経営管理態勢の確立

当行のビジネスモデルが持続可能となるべく、ガバナンス、コンプライアンス、各種リスク管理の更なる強化により健全な経営管理態勢を確立します。

③働きがいのある職場環境創り

従業員の多様性、人格、個性を尊重する働き方を実現し、健康と安全に配慮した働きやすい職場環境創りに取組みます。

2022年3月には、企業活動において環境への配慮に努め、地域社会の持続的な発展に向けた取組みを強化していくため、気候変動を含む環境・社会への取組みに対する基本的な考え方を示す「富山銀行グループ環境方針」、気候変動に影響を与えるセクターへの方針を示す「富山銀行グループ投融資方針」を制定し取組んでおります。

また、近年、世界各地で異常気象や自然災害による被害が甚大化するなど、気候変動がお客さまや当行の経営基盤に与える影響は徐々に大きくなっております。こうした中、当行は、2022年3月に「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」の提言に賛同し、気候変動のリスク・機会に関する情報開示の充実を図るとともに、ガバナンス体制の強化や法令遵守、資産内容等健全性確保、リスク・機会の把握に努めております。

 

(1) ガバナンス

当行グループは気候変動に係る対応を経営上の重要課題と認識し、気候変動を含む環境や社会に係るリスク・機会への対応方針や取組計画について、経営会議及び取締役会に定期的に報告・審議しております。

 

(2) 戦略

① 気候変動

気候変動を含む環境・社会への取組みを当行グループ全体で推進するため、「富山銀行グループ環境方針」を制定しております。気候変動が当行グループの経営へもたらすリスク・機会の両面から取り組みを進めております。

・気候変動に伴うリスク・機会を以下のとおり認識しております。

リスク・機会

内容

リスク区分

リスク

移行
リスク

気候変動に係る規制強化・変更、エネルギー価格上昇等により、お客さまの事業に影響が生じることによる信用リスクの増大

信用
リスク

脱炭素に向けた技術革新や市場環境の変化により、お客さまの事業に影響が生じることによる信用リスクの増大

信用
リスク

物理的
リスク

自然災害の増加に伴う、不動産担保の毀損による信用コストの増加

信用
リスク

当行本支店が被災することによる、事業停止、復旧コストの増加

オペレーショナルリスク

機会

お客さまの脱炭素社会移行に向けた資金需要の増加、ビジネスマッチング等ソリューション提供の機会増加

 

・気候変動がもたらす自然災害による本支店設備への被害額等を試算するため、「物理的リスク」に関するシナリオ分析を行っております。

シナリオ

IPCCのRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)

分析方法

河川洪水被害による影響(事業停止損失、復旧コスト)を、ハザードマップ分析を元に推計

分析対象

当行本支店

分析期間

2024年3月末を基準として2050年まで

分析結果

最大1億円

 

・今後もシナリオ分析の高度化等により、認識したリスク・機会についてそれぞれの影響度、発生可能性等を考慮し、事業戦略へ反映させてまいります。

・当行グループにおける炭素関連資産(電気、エネルギー等)の貸出金に占める割合は1.5%(2024年3月末現在)です。

 

② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

当行グループは、経営理念に基づき、人材を「人財」ととらえ、お客さまの課題解決に向けた多様な人材の育成と、従業員一人ひとりが活躍可能な働きがいのある職場環境の整備を推進してまいります。人材総合力の強化により、当行グループの組織力の向上及び地域社会の持続的な発展に取組んでまいります。

人材育成として、職務を効果的・効率的に遂行するため、従業員の各年次、職種、職位、業務別等に応じて求められる能力・専門知識の習得を目的とした行内・行外研修制度を実施するほか、従業員が自由に参加できるセミナーの開催や資格取得等の助成など、キャリア形成の支援も行っております。また、金融機関出身を問わず専門性の高い人材を中途採用することで、地域のお客さまのニーズに合わせた様々なソリューション提供を行っております。

働きがいのある社内環境の整備として、従業員のワークライフバランスを整え、従業員一人ひとりの働きがいを高め長期的に働けるようにするため、リモートワークへの対応、所定外労働時間の削減、特別有給休暇日数の増加等による働きやすい職場環境の整備や、従業員の健康増進のため、各種検診に対する支援強化やメンタルヘルスの研修等を行っております。

 

(3) リスク管理

当行グループは、気候変動に影響を与えるセクターへの方針「富山銀行グループ投融資方針」に基づき、環境・社会への影響を低減・回避するための取組みを実施しております。

また、気候変動リスクに起因する移行リスクや物理的リスクが当行グループの事業・財務に大きな影響を与える「トップリスク」の1つとして認識しており、今後、統合リスクの管理の枠組みで対応する管理態勢の構築を検討してまいります。

 

(4) 指標及び目標

① 気候変動に関する指標及び目標

2030年度までに当行のCO2排出量を2013年度比50%削減します。

(2023年度の削減実績は2013年度比36%削減)

 

② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績

人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。なお、連結グループにおける記載が困難なため、銀行単体のものを記載しております。

指標

目標

実績(2024年3月末)

総合職に占める女性の割合

2022年3月末の14%から

2031年3月末まで24

15.3

管理職に占める中途採用者の割合

2022年3月末の5%から
2031年3月末まで12

10.2

 

(注) 1.総合職に占める女性の割合の総合職には、執行役員(取締役を兼務する執行役員を除く。)を含んでおります。

2.管理職に占める中途採用者の割合における管理職とは、部店長・次長・企画役以上の役職であり、執行役員(取締役を兼務する執行役員を除く。)を含んでおります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

事業等のリスクのうち、当行グループの業績及び財政状況等に特に重要な影響を及ぼす主要なリスクを、以下に記載した、(1) 信用リスク (2) 市場リスクと認識しております。

 

(1) 信用リスク

信用供与先の財務状況の悪化等により、資産の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスクです。信用リスクが増加すると、不良債権及び与信関連費用が増加するおそれがあり、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当行グループは、債務者毎に情報収集を行い、その結果を引当てに反映する等、各々の債権に対し、貸倒れが予測される部分については、十分な引当てを行っております。しかしながら、金融経済環境の動向、世界経済や日本経済の動向、不動産価格や株価の動向等に大きな変動が発生することにより、信用供与先の経営状況が悪化し、不良債権が増加する可能性があります。その結果、現時点の想定を上回る信用コストが発生した場合、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

・信用リスクの管理体制

当行は中期経営計画の重点戦略として、「金融仲介機能の発揮」を掲げ、事業性融資の増強に取組んでおり、適切なリスク管理体制を整備しております。

信用リスク管理規程に従い、信用リスク管理に関する体制を整備し運営しております。信用リスク管理は、審査部において営業店情報等によりモニタリングを行うとともに、信用格付や自己査定を通じた信用供与にかかるリスクを客観的かつ計量的に把握する「信用リスクの計量化」を行い、その結果を経営会議等に報告しております。

 

(2) 市場リスク

国内外市場の金利、為替、株式等の様々な市場要因の変動により、資産や負債に影響を及ぼすリスクです。市場リスクが増加すると、当行グループの保有する資産の価値が減少し、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

・市場リスクの管理体制

当行は中期経営計画の重点戦略として「市場運用力の強化」を掲げ、有価証券運用力の強化に取組んでおり、適切なリスク管理体制を整備しております。

市場リスク管理規程等に従い、市場リスク管理に関する体制を整備・運営しております。市場リスク管理は、総合企画部リスク統括室において、ギャップ分析や金利感応度分析等によりモニタリングを日次で行い、その結果を月次で経営会議等に報告しております。

 

① 金利リスク

当行グループの資産及び負債は主要業務である貸出金、有価証券及び預金で形成されており、主たる収益源は資金運用と資金調達の利鞘収入であり、預金金利及び貸出金利は市場金利に基づき改定しております。しかし、市場金利の変動等に対し預貸金の金利改定のタイムラグや資産負債の構成等により預金等の調達利回りと貸出金等の運用利回りの利鞘が縮小した場合、資金利益の減少により当行グループの業績へ影響する可能性があります。従って、金利変動に伴い損失を被るリスクで、資産と負債の金利又は期間のミスマッチが存在している中で金利が変動することにより、利益が低下ないし損失を被るおそれがあり、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② 為替リスク

当行グループは、外貨建資産・負債についてネットベースで資産超又は負債超ポジションが造成されている場合があり、為替の価格が当初予定されていた価格と相違することによって損失が発生するおそれがあり、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 価格変動リスク

当行グループは、市場性のある国債等の債券や市場価格のある株式等の有価証券を保有しております。従いまして、将来、それらの価格の変動に伴って資産価格が減少するリスクがあります。

当行グループにおいては、損失管理ライン及び債券の格付管理ラインを規定し、有価証券の損失の拡大が経営に及ぼすリスクの極小化を図っておりますが、ボラタイルな市況が続くような場合、当行グループが保有する資産の価値がさらに減少し、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) オペレーショナルリスク

当行グループは、内部管理態勢強化、コンプライアンス態勢の充実を図っており、事務規程等に沿った正確な事務処理を励行することを徹底し、事務事故の未然防止を図るためグループ全体を挙げて取り組んでおります。しかしながら、これらの対策にも拘らず、業務の過程、役職員の活動若しくはシステムが不適切であること又は外部にて発生した事象により損失を被るおそれがあり、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

① 事務リスク

役職員が事務ミスや不正など事務の間違い・事故等を起こすことにより損失を被るリスクです。当行グループは、事務の厳格化に努めておりますが、故意又は過失により生じた事故により損失を被り、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② システムリスク

コンピュータシステムの停止や誤作動などシステム障害にかかわるリスク、コンピュータが不正に使用されることにより損失を被るリスクです。コンピュータシステム障害等により損失が発生し、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 法務リスク

お客さまに対する過失による義務違反及び不適切なビジネス・マーケット慣行から生じる損失・損害などのリスクです。法令等違反行為等の法律上の問題が発生した場合、経済的な損失や社会的な信用の失墜により、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当行グループは現時点の法令・規制等に従い業務を運営しておりますが、将来において法律、規則、政策、実務慣行、解釈等の変更が行われた場合には、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 人的リスク

人事運営上の不公平・不公正・差別的行為から生じる損失・損害などのリスクです。人的リスクに伴う訴訟等が発生した場合、経済的な損失や社会的な信用の失墜により、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 有形資産リスク

災害やその他の事象から生じる有形資産の毀損・損害などのリスクです。被害の程度によっては、業務の一部が停止する等により、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 風評リスク

評判の悪化や風説の流布等により、信用が低下することから生じる損失・損害などのリスクです。悪質な風説等が発生した場合、その内容の正確性にかかわらず、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 情報資産リスク

当行グループは、膨大な顧客情報を保有しており、情報管理に関する規程及び体制の整備や従業員教育の徹底により、情報資産の厳正な管理に努めております。しかしながら、情報資産の漏洩、紛失、改竄、不適切な取得や取扱及び不適正な第三者への提供等により当行グループに対する信用低下が生じ損失を被るおそれがあり、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ サイバーセキュリティリスク

当行グループは、情報システムや通信ネットワーク上で取扱われる業務データの安全性を確保するためにファイアウォールや侵入防止システム(IPS)の導入をはじめとする様々なセキュリティ対策を講じております。しかしながら、不正侵入や情報の搾取・改竄・暗号化(ランサムウェア)、DDoS攻撃等のサイバー攻撃により、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 経営リスク

① 主要な事業の前提事項に関するリスク

当行は、銀行法第4条第1項の規定に基づき、銀行の免許を受け、銀行法第10条から第12条に規定された業務の範囲内にて銀行業を営んでおります。銀行業については、有効期間その他の期限は法令等で定められておりませんが、銀行法第26条及び同第27条にて、業務の停止等及び免許の取消等となる要件が定められており、これに該当した場合、業務の停止等及び免許の取消等が命じられます。
 なお、現時点において、当行はこれらの事由に該当する事実はないと認識しております。しかしながら、将来、何らかの事由により免許の取消等があった場合には、当行の主要な事業活動に支障を来たすとともに、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。
 また当行は、前記の銀行法をはじめとする各種規制及び法制度に基づいて業務を行っております。将来において、法令諸規則、会計制度及び税制等が変更された場合には、当行の業務運営や財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当行の経営戦略、事業戦略が奏功しないリスク

当行は2024年5月10日に公表した第7次中期経営計画に基づき、各経営戦略、事業戦略を打ち出し実施しております。
 この計画では、「トップラインおよび課題解決力の強化」「効率経営の追求」「人的資本投資の深化」「強固な経営基盤の確立」「IR・ブランディングの浸透」の重点戦略を打ち出しておりますが、各種要因によりこれらの戦略が当初想定していた結果をもたらさず、収益性が悪化した場合、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 自己資本比率に係るリスク

当行グループの連結自己資本比率及び単体自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づく2006年金融庁告示第19号に定められた算式に基づき算出しており、当行グループは国内基準を採用しております。

当行グループの自己資本比率が要求される基準(4%)を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部又は一部の停止等の命令を受けることとなります。当行グループの自己資本比率に影響を与える要因としては以下のもの等が含まれます。

・有価証券ポートフォリオの価値の低下等
 ・貸出先の信用悪化や不良債権処理等による与信関係費用の増加
 ・自己資本比率の基準及び算定方法の変更
 ・繰延税金資産の回収可能性の低下(※)

・本項記載のその他の不利益な展開

※繰延税金資産の計上は、将来の課税所得など様々な予測・仮定に基づくものであるため、当行グループが将来繰延税金資産の一部又は全部が回収できないと判断した場合、繰延税金資産の取り崩しとなり、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を与えるとともに、自己資本比率の低下につながる可能性があります。

 

(6) 流動性リスク

資金の運用と調達の期間のミスマッチや予期しない資金の流出等により、必要な資金が確保できず資金繰りに支障をきたすリスクです。流動性リスクが増加すると、通常よりも著しく不利なコストでの資金調達を余儀なくされて損失を被り、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、世界的な市場の混乱や金融経済環境の悪化等の外部要因によっても当行グループの国内における資本及び資金調達の条件・流動性の状況が悪化する若しくは取引が制約されるおそれがあります。これらの要因により、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) その他

① 感染症の拡大等により損失を被るリスク

新型コロナウイルスやインフルエンザ等の感染症の拡大による人的被害を最小限にとどめるために止むを得ず業務の縮小を行なった場合には、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定地域への依存に伴うリスク

当行グループは、富山県を主要な営業基盤としており、地域別与信額においても富山県は大きな割合を占めています。富山県は、全国と比較して第2次産業のウエイトが高く、また全体としてバランスの取れた産業構造となっておりますが、日本経済はもとより、富山県の経済状態が悪化した場合には、信用リスクが増加し、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 他金融機関等との競争激化に伴うリスク

当行グループが主要な営業基盤とする富山県において、地元競合他行及びメガバンクのほか近隣他県の地域金融機関、ノンバンク等との間で競争関係にあります。また、政府系金融機関の民営化、ゆうちょ銀行の業務範囲拡大の動き、小売業等異業種からの銀行業参入など近年の金融制度の大幅な緩和を通じ激化した競争環境のなかで、当行グループが競争優位を得られない場合、調達コストの上昇を資金運用面でカバーできない等の事態も想定され、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 業務範囲拡大に伴うリスク

当行グループは、法令等の規制緩和に伴う業務範囲の拡大等を前提とした多様な営業戦略を実施しております。当該業務の拡大が予想通りに進展せず、想定した結果を得られない場合、営業戦略が奏功しないことにより、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 退職給付債務に係るリスク

当行グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件が変更された場合、又は実際の年金資産の時価が下落した場合、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 固定資産の減損等に係るリスク

当行グループは、固定資産の減損会計を適用しております。その適用に伴い、市場価格の下落、使用方法または範囲の変更、収益性の低下等により損失が発生する可能性があり、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 金融犯罪に係るリスク

当行グループは、金融犯罪防止への各種対策を実施しておりますが、金融犯罪が発生した場合、お客さまへの補償や損害金の発生等によって、当行グループの業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 子会社に係るリスク

当行グループは、連結子会社と協力体制を構築し営業活動を行っております。これらの子会社は、銀行業と異なる種類のリスクを内包しております。これら子会社の業績悪化や信用不安が発生した場合、子会社に対する投資からの便益が得られなくなったり、協力体制が十分に機能しなくなる可能性があります。また、信用不安の程度によっては、当行グループの業務運営や業績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

当行及び当行グループでは、経営の健全性を維持していくため、上記のリスク管理を経営の最重要課題の一つとして捉え、リスク管理態勢の充実に努めております。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

・業績

 当連結会計年度の国内経済は、輸出が底堅い動きとなる中、供給制約の緩和を受けて生産も持ち直しの兆しがみられたほか、個人消費も経済活動の正常化により回復を維持していることから、緩やかな回復の動きとなりました。

 富山県経済は、持ち直しの動きがみられたものの、2024年1月に発生した「令和6年能登半島地震」の影響により個人消費や生産の一部に弱い動きがみられました。製造業では、医薬品を中心とする化学工業の生産は増加し、一般機械、プラスチック、鉄鋼、アルミニウム、パルプ・紙・紙加工品、繊維業は横ばいに推移しました。製造業以外では情報サービス業が堅調に推移しました。

 金融面では、期初から日本銀行による金融緩和政策が維持され、短期金利は0%を下回る水準で推移しましたが、期末にはマイナス金利政策の解除により0%を上回りました。長期金利は、日本銀行による早期の金融政策正常化観測が高まったことや海外の金利上昇圧力の高まりを背景に、一時的に0.9%を超えました。期末のマイナス金利政策の解除後は、今後も低金利環境が続くとの見方が強まり0.7%近辺で推移しました。

 このような環境の中、当行グループの2024年3月期の連結ベースの経営成績は以下のとおりとなりました。
 主要勘定では、預金は、引続き地域に密着した営業基盤の拡充に努めた結果、期末残高は期中2,021百万円増加して498,679百万円となりました。貸出金は、中小企業等貸出金が増加しましたが、期末残高は期中2,565百万円減少して379,247百万円となりました。また、有価証券は、金利リスクに配意するとともに安定収益と流動性確保を目的に資金の効率的な運用に努めた結果、期末残高は期中546百万円増加して127,995百万円となりました。
 経常収益は、有価証券関係収益が減少したことなどから、前期比675百万円減少して10,146百万円となり、一方、経常費用は、営業経費が増加したことなどから、前期比138百万円増加して9,358百万円となりました。この結果、経常利益は前期比814百万円減少して788百万円となり、これに特別損失、法人税等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は前期比340百万円減少して632百万円となりました。

 セグメントの業績については、グループ全体として経営全般の効率化と業績の向上に努めた結果、銀行業の経常収益は、830百万円減少して8,508百万円、セグメント利益(経常利益)は777百万円減少して744百万円となりました。リース業の経常収益は、124百万円増加して1,635百万円、セグメント利益は56百万円減少して14百万円となりました。報告セグメント以外の「その他」の経常収益は前期比11百万円増加して45百万円、セグメント利益は前期比19百万円増加して29百万円となりました。

 

・キャッシュ・フロー

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、借用金が増加したことを主因に前期比21,861百万円増加して、2,641百万円となりました。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の償還による収入が減少したことを主因に前期比12,817百万円減少して、972百万円となりました。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比0百万円減少して、△272百万円となりました。これは主として配当金の支払いによるものです。

④ 現金及び現金同等物の増減状況

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比3,341百万円増加して、32,423百万円となりました。

 

 

イ. 国内・国際業務部門別収支

(経営成績の説明)

当連結会計年度の資金運用収支は前連結会計年度比30百万円減少して5,174百万円、役務取引等収支は前連結会計年度比12百万円減少して1,062百万円、その他業務収支は前連結会計年度比479百万円減少して△315百万円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

5,121

86

△2

5,205

当連結会計年度

5,094

82

△2

5,174

うち資金運用収益

前連結会計年度

5,159

87

△9

0

5,236

当連結会計年度

5,129

83

△10

0

5,201

うち資金調達費用

前連結会計年度

37

1

△6

0

31

当連結会計年度

34

1

△7

0

26

役務取引等収支

前連結会計年度

1,072

1

1,074

当連結会計年度

1,060

1

1,062

うち役務取引等収益

前連結会計年度

1,432

4

△10

1,426

当連結会計年度

1,414

3

△11

1,406

うち役務取引等費用

前連結会計年度

359

2

△10

351

当連結会計年度

353

1

△11

344

その他業務収支

前連結会計年度

135

18

9

163

当連結会計年度

△336

13

7

△315

うちその他業務収益

前連結会計年度

1,477

18

△4

1,491

当連結会計年度

1,624

13

△6

1,631

うちその他業務費用

前連結会計年度

1,341

△14

1,327

当連結会計年度

1,961

△13

1,947

 

(注) 1.「国内業務部門」とは、当行の国内店及び国内子会社の円建取引であります。

  「国際業務部門」とは、当行の国内店の外貨建取引であります。

2.資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。

3.相殺消去額は、当行及び子会社相互間においての取引を相殺消去額として記載しております。

 

 

ロ. 国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況

(経営成績の説明)

資金運用勘定全体では、平均残高は有価証券の減少を主要因として前連結会計年度比8,753百万円減少し、利息は有価証券利息配当金の減少を主要因に前連結会計年度比35百万円減少し、利回りは貸出金利回りの上昇を主要因に前連結会計年度比0.01ポイント上昇しました。

一方資金調達勘定全体では、平均残高は借用金の減少を主要因として前連結会計年度12,612百万円減少し、利息は預金利息の減少を主要因に前連結会計年度比4百万円減少し、利回りは前連結会計年度より変動なく0.00ポイントとなりました。

 

① 国内業務部門

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

(8,967)

554,430

(0)

5,159

0.93

当連結会計年度

(8,203)

545,878

(0)

5,129

0.93

うち貸出金

前連結会計年度

380,574

3,416

0.89

当連結会計年度

383,995

3,510

0.91

うち有価証券

前連結会計年度

122,695

1,668

1.35

当連結会計年度

115,832

1,555

1.34

うちコールローン及び
買入手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

42,192

73

0.17

当連結会計年度

37,846

62

0.16

資金調達勘定

前連結会計年度

543,118

37

0.00

当連結会計年度

530,708

34

0.00

うち預金

前連結会計年度

508,402

28

0.00

当連結会計年度

510,903

24

0.00

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

13,438

△8

△0.05

当連結会計年度

14,979

△7

△0.05

うち借用金

前連結会計年度

21,277

16

0.07

当連結会計年度

4,824

17

0.35

 

(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、国内子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2.「国内業務部門」とは、当行の国内店及び国内子会社の円建取引であります。

3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度739百万円、当連結会計年度453百万円)を控除して表示しております。

4.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

 

 

② 国際業務部門

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

9,327

87

0.93

当連結会計年度

8,429

83

0.99

うち有価証券

前連結会計年度

8,400

83

0.99

当連結会計年度

7,897

80

1.01

うち預け金

前連結会計年度

190

2

1.53

当連結会計年度

68

2

4.00

資金調達勘定

前連結会計年度

(8,967)

9,327

(0)

1

0.01

当連結会計年度

(8,203)

8,429

(0)

1

0.01

うち預金

前連結会計年度

357

0

0.06

当連結会計年度

224

0

0.15

 

(注) 1.国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は、月次カレント方式により算出しております。

2.「国際業務部門」とは、当行の国内店の外貨建取引であります。

3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度―百万円、当連結会計年度―百万円)を控除して表示しております。

4.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

 

③ 合計

 

種類

期別

平均残高(百万円)

利息(百万円)

利回り
(%)

小計

相殺
消去額
(△)

合計

小計

相殺
消去額
(△)

合計

資金運用勘定

前連結会計年度

554,789

△1,806

552,983

5,245

△9

5,236

0.94

当連結会計年度

546,104

△1,874

544,229

5,212

△10

5,201

0.95

うち貸出金

前連結会計年度

380,574

△1,150

379,424

3,416

△6

3,410

0.89

当連結会計年度

383,995

△1,211

382,784

3,510

△7

3,502

0.91

うち有価証券

前連結会計年度

131,096

△26

131,069

1,751

△2

1,748

1.33

当連結会計年度

123,730

△26

123,704

1,636

△2

1,633

1.32

うちコールローン
及び買入手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

42,382

△629

41,753

76

△0

76

0.18

当連結会計年度

37,914

△636

37,278

64

△0

64

0.17

資金調達勘定

前連結会計年度

543,478

△1,779

541,698

37

△6

31

0.00

当連結会計年度

530,934

△1,848

529,086

34

△7

26

0.00

うち預金

前連結会計年度

508,760

△629

508,130

29

△0

29

0.00

当連結会計年度

511,128

△636

510,492

25

△0

25

0.00

うちコールマネー及び売渡手形

前連結会計年度

13,438

13,438

△8

△8

△0.05

当連結会計年度

14,979

14,979

△7

△7

△0.05

うち借用金

前連結会計年度

21,277

△1,150

20,127

16

△6

10

0.05

当連結会計年度

4,824

△1,211

3,612

17

△7

9

0.25

 

(注) 1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度739百万円、当連結会計年度453百万円)を控除しております。

2.国内業務部門と国際業務部門の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。

3.相殺消去額は、当行及び子会社相互間においての取引を相殺消去額として記載しております。

 

ハ. 国内・国際業務部門別役務取引の状況

(経営成績の説明)

役務取引等収益は前連結会計年度比19百万円減少して1,406百万円、役務取引等費用は前連結会計年度比7百万円減少して344百万円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

1,432

4

△10

1,426

当連結会計年度

1,414

3

△11

1,406

うち預金・貸出業務

前連結会計年度

420

△0

419

当連結会計年度

452

△0

451

うち為替業務

前連結会計年度

206

4

△0

210

当連結会計年度

202

3

△0

205

うち証券関連業務

前連結会計年度

155

155

当連結会計年度

235

235

うち代理業務

前連結会計年度

28

28

当連結会計年度

27

27

うち保護預り・
貸金庫業務

前連結会計年度

3

3

当連結会計年度

3

3

うち保証業務

前連結会計年度

53

0

△9

43

当連結会計年度

52

0

△9

43

役務取引等費用

前連結会計年度

359

2

△10

351

当連結会計年度

353

1

△11

344

うち為替業務

前連結会計年度

17

2

△0

20

当連結会計年度

17

1

△0

18

 

(注) 1.「国内業務部門」とは、当行の国内店及び国内子会社の円建取引であります。

  「国際業務部門」とは、当行の国内店の外貨建取引であります。

2.相殺消去額は、当行及び子会社相互間においての取引を相殺消去額として記載しております。

 

 

二. 国内・国際業務部門別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残)

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

496,913

374

△630

496,657

当連結会計年度

499,033

281

△636

498,679

うち流動性預金

前連結会計年度

275,313

△80

275,232

当連結会計年度

289,842

△86

289,756

うち定期性預金

前連結会計年度

220,912

△550

220,362

当連結会計年度

208,011

△550

207,461

うちその他

前連結会計年度

688

374

1,062

当連結会計年度

1,179

281

1,461

譲渡性預金

前連結会計年度

当連結会計年度

総合計

前連結会計年度

496,913

374

△630

496,657

当連結会計年度

499,033

281

△636

498,679

 

(注) 1.「国内業務部門」とは、当行の国内店及び国内子会社の円建取引であります。

  「国際業務部門」とは、当行の国内店の外貨建取引であります。

2.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

3.定期性預金=定期預金+定期積金

4.相殺消去額は、当行及び子会社相互間においての取引を相殺消去額として記載しております。

 

 

ホ. 国内・海外別貸出金残高の状況

① 業種別貸出状況(末残・構成比)

 

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内
(除く特別国際金融取引勘定分)

381,812

100.00

379,247

100.00

 製造業

65,080

17.05

64,408

16.98

 農業、林業

260

0.07

1,121

0.30

 漁業

2

0.00

 鉱業、採石業、砂利採取業

0

0.00

0

0.00

 建設業

32,775

8.58

31,915

8.42

 電気・ガス・熱供給・水道業

9,256

2.42

9,758

2.57

 情報通信業

5,912

1.55

5,677

1.50

 運輸業、郵便業

13,038

3.42

13,312

3.51

 卸売業、小売業

31,024

8.13

30,691

8.09

 金融業、保険業

20,251

5.30

21,530

5.68

 不動産業、物品賃貸業

73,133

19.15

70,853

18.68

 各種サービス業

54,203

14.20

54,200

14.29

 地方公共団体

32,306

8.46

30,430

8.02

 その他

44,568

11.67

45,343

11.96

海外及び特別国際金融取引勘定分

 政府等

 金融機関

 その他

合計

381,812

379,247

 

(注) 1.「国内」とは、当行及び国内子会社であります。

  「海外及び特別国際金融取引勘定分」については当行は該当ありません。

2.国内には国内・国際業務部門の貸出金残高を含んでおります。

 

② 外国政府等向け債権残高(国別)

該当事項はありません。

 

 

ヘ. 国内・国際業務部門別有価証券の状況

○ 有価証券残高(末残)

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

21,120

21,120

当連結会計年度

19,819

19,819

地方債

前連結会計年度

18,128

18,128

当連結会計年度

18,162

18,162

社債

前連結会計年度

40,175

40,175

当連結会計年度

40,550

40,550

株式

前連結会計年度

12,993

△26

12,966

当連結会計年度

13,588

△26

13,562

その他の証券

前連結会計年度

26,934

8,123

35,057

当連結会計年度

27,992

7,907

35,900

合計

前連結会計年度

119,352

8,123

△26

127,448

当連結会計年度

120,114

7,907

△26

127,995

 

(注) 1.「国内業務部門」とは、当行の国内店及び国内子会社の円建取引であります。

  「国際業務部門」とは、当行の国内店の外貨建取引であります。

2.「その他の証券」には、外国債券を含んでおります。

 

 

(自己資本比率等の状況)

(参考)

自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年(2006年)金融庁告示第19号。)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
 なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。

 

連結自己資本比率(国内基準)

 

(単位:億円、%)

 

2024年3月31日

1.連結自己資本比率(2/3)

8.22

2.連結における自己資本の額

272

3.リスク・アセットの額

3,316

4.連結総所要自己資本額

132

 

 

単体自己資本比率(国内基準)

 

(単位:億円、%)

 

2024年3月31日

1.自己資本比率(2/3)

8.02

2.単体における自己資本の額

262

3.リスク・アセットの額

3,275

4.単体総所要自己資本額

131

 

 

 

(資産の査定)

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年(1998年)法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年(1948年)法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付を行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

なお、区分対象となる社債のうち、「その他有価証券」目的で保有しているものは、時価(貸借対照表計上額)で区分されております。

 

1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権

破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

2.危険債権

危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

3.要管理債権

要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

4.正常債権

正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

資産の査定の額

 

債権の区分

2023年3月31日

2024年3月31日

金額(百万円)

金額(百万円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

4,131

4,978

危険債権

4,383

4,385

要管理債権

758

1,342

正常債権

381,299

378,107

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

・貸倒引当金

貸倒引当金は、貸出先の状況、差入れられた担保の価値及び経済全体に関する前提及び見積りに基づいて算出しております。

当該見積り及び当該仮定について、将来不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において追加の与信コスト(その他経常費用)が発生する可能性があります。

なお、当連結会計年度末の貸倒引当金の算定に用いた仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)5会計方針に関する事項 (5) 貸倒引当金の計上基準」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の財政状態・経営成績の分析

当行は、2019年5月に公表した第6次中期経営計画のもと、営業基盤の確立や収益力の強化等に取組んでまいりました。当該経営計画では、「ソリューション営業力の強化」「市場運用力の強化」「BPR(業務再構築)の実践-ICTの有効活用」「人間力・組織力の確立」を重点戦略として取組んでまいりました。
 当連結会計年度において、預金は、地域に密着した営業基盤の拡充に取組んだ結果、前期比増加しました。貸出金は、中小企業等貸出金が増加しましたが大企業向け貸出金が減少した結果、前期比減少しました。有価証券運用については、金利リスクに配意するとともに安定収益と流動性確保を目的に効率的なポートフォリオの運営に努めました。

収益については、ソリューション営業力の強化に積極的に取組み、事業性貸出金の推進による貸出金利息増加や、法人のお客さまへのコンサルティング営業及び個人のお客さまへのオーダーメイドの問題解決型営業等による役務収益の獲得に努めました。費用については、人的資本への投資として給与改定や専門人材の中途採用を行い、設備投資として、サイバーセキュリティ強化等のIT投資や、お客さまの様々なニーズにお応えすることが可能なワンストップ型店舗の新設等を行った結果、経費が増加しました。

なお、第6次中期経営計画では、コア業務純益(連結)14億円以上、自己資本比率(連結)8%以上を目標として取組んでおり、最終年度はそれぞれ10億円、8.22%となりました。第7次中期経営計画においても、重点戦略のもと、収益力の向上及び健全な財務基盤と株主還元に努めてまいります。

 

・預金

個人預金が増加したことから、期末残高は期中2,021百万円増加して498,679百万円となりました。

 

 

前連結会計年度
(百万円)(A)

当連結会計年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

預金残高(末残)

496,657

498,679

2,021

 うち個人預金

367,750

370,668

2,918

 うち法人預金

128,907

128,010

△896

 

 

・貸出金

事業性貸出金が減少したことから、期末残高は期中2,565百万円減少して379,247百万円となりました。

 

 

前連結会計年度
(百万円)(A)

当連結会計年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

貸出金残高(末残)

381,812

379,247

△2,565

 うち事業性貸出金残高

304,936

303,473

△1,463

 うち消費者ローン残高

43,550

44,374

824

 

 

・有価証券

金利リスクに配意するとともに安定収益と流動性確保を目的に資金の効率的な運用に努めた結果、期末残高は期中546百万円増加して127,995百万円となりました。

 

 

前連結会計年度
(百万円)(A)

当連結会計年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

有価証券残高(末残)

127,448

127,995

546

 債券

79,425

78,532

△892

 株式

12,966

13,562

595

 その他の証券

35,057

35,900

843

 

 

・連結自己資本比率(国内基準)

連結自己資本比率は、0.05%低下して8.22%となりました。国内基準行に求められる健全性基準である4%を大きく上回っております。

 

 

前連結会計年度末(%)(A)

当連結会計年度末
(%)(B)

増減(%)
(B)-(A)

連結自己資本比率

8.27

8.22

△0.05

 

 

 

・連結業務粗利益

連結業務粗利益は、その他業務収支が減少したこと等から、前期比522百万円減少して5,921百万円となりました。

・経常利益等

連結業務粗利益及び株式等関係損益が減少したこと等から、経常利益は前期比814百万円減少して788百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前期比340百万円減少して、632百万円となりました。

 

 

前連結会計年度
(百万円)(A)

当連結会計年度
(百万円)(B)

増減(百万円)
(B)-(A)

資金運用収支

5,205

5,174

△30

 資金運用収益

5,236

5,201

△35

 資金調達費用

31

26

△4

役務取引等収支

1,074

1,062

△12

 役務取引等収益

1,426

1,406

△19

 役務取引等費用

351

344

△7

その他業務収支

163

△315

△479

 その他業務収益

1,491

1,631

140

 その他業務費用

1,327

1,947

620

連結業務粗利益

6,444

5,921

△522

営業経費

5,026

5,288

261

貸倒償却引当費用

2,296

1,587

△709

 貸出金償却

1,751

0

△1,751

 個別貸倒引当金繰入額

373

1,270

897

 一般貸倒引当金繰入額

162

315

153

  その他の債権売却損等

8

△8

株式等関係損益

2,401

1,557

△844

その他

80

185

105

経常利益

1,602

788

△814

特別損益

△83

△12

70

税金等調整前当期純利益

1,519

775

△743

法人税、住民税及び事業税

517

92

△425

法人税等調整額

4

35

30

法人税等合計

522

127

△395

当期純利益

996

648

△348

非支配株主に帰属する当期純利益

23

15

△7

親会社株主に帰属する当期純利益

972

632

△340

 

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

翌連結会計年度以降の設備投資等につきましては、原則として自己資本により対応する予定であります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。