当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループを取り巻く環境の大きな変化を踏まえ、今後の持続的な成長を図るべく、これまでの理念体系をより一層“日本精機らしい”内容に再構築し、制定いたしました。持続的な社会と企業の繁栄に貢献する企業グループとして、これからも事業活動を推進し、発展させてまいります。
〔企業理念体系〕
<パーパス(Purpose):私たちの存在意義>
安心と感動に満ちた世界と未来をつくります
<ビジョン(Vision):私たちの目指す姿>
つながる技術で、インターフェースの価値を創造する企業を目指します
<ミッション(Mission):私たちの使命>
みえないものをみえるようにします
みえない「モノ」と「コト」をはかり、「ヒト」に最適な製品とサービスを届けます
<バリュー(Value):私たちの価値観>
01 新たな技術への挑戦 イノベーションで次世代の価値をつくります
02 品質へのこだわり 顧客の期待に応える品質をつくります
03 人にやさしく、地球にやさしく 人と地球に寄り添い、持続可能な社会をつくります
04 たゆまぬ誠実さ すべてのステークホルダーと信頼関係をつくります
〔経営理念〕
筋肉質な企業としてチャレンジを続け、社会と企業の持続的な繁栄に貢献します
(2) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループは2025年3月期から2027年3月期の新中期計画の期間を「業績回復期」と位置づけ、さらなる業績回復と資本収益性の向上に取り組んでまいります。業績目標としては、2025年3月期以降毎年1%の営業利益回復を目指し、新中期3か年の最終年度には売上高3,300億円、営業利益では165億円(5%)への回復を目指してまいります。
新中期経営計画の事業戦略の全体方針としては「ヘッドアップディスプレイ事業強化」、「欧州事業の黒字化」、「新規顧客開拓と新規商材開発」の3つに注力してまいります。
ヘッドアップディスプレイ事業強化については、当社はヘッドアップディスプレイにおいて世界1位のシェアを獲得しており、高い表示品質、豊富な開発・量産実績からくる知見などがお客様から高く評価されています。ヘッドアップディスプレイは今後高い市場成長性が見込まれており、当社はこれまで取引のなかった顧客への拡販や搭載車種のターゲット拡大、新技術・新商品の開発などに注力し売上規模の拡大を図ってまいります。
欧州事業については、ヘッドアップディスプレイ事業の研究開発機能を担う重要な立ち位置を担っていますが、旧中期経営計画の期間にはコロナ禍の生産調整による売上減少や物流費の高騰などが影響し、欧州地域は大幅な赤字となりました。新中期経営計画においては欧州の事業構造改革に重点的に取り組んでまいります。コスト削減として設計開発拠点の再編および欧州子会社の固定費削減、新規受注による数量効果、そして原材料高騰分の売価の適正化交渉と不採算機種の原価改善などにより黒字化を目指します。
新規顧客開拓と新規商材開発については、新たなヘッドアップディスプレイ、車載計器の開発に注力してまいります。ヘッドアップディスプレイでは3Dのように奥行を表現する技術を取り入れた製品や後付け可能で低価格な製品を開発してまいります。車載計器では、速度や警告などをフロントガラス下部に表示し、従来よりも高い視認性とコックピットデザインの自由度向上を実現するウインドシールドディスプレイなど新たな商材を拡販してまいります。
また、車載分野の次世代技術獲得をはじめとした、新たな価値の創造に取り組むだけでなく、地産地消の加速、生産レイアウトの最適化などサプライチェーンの改革を進めるとともに、業務プロセス改革、製品仕様の見直しによる原価低減を進め、ビジネス環境変化に強い筋肉質な企業体質を目指します。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、2022年9月に、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明すると共に、TCFDコンソーシアムへ加入しました。当社グループはサステナビリティ方針を掲げ、気候変動への対応をESG(環境・社会・法令遵守)の中でも重要な経営課題の一つと捉えて、中期経営計画においてはサステナビリティ課題への対応、環境負荷低減に取り組んでまいります。
当社は、気候変動への対応をサステナビリティの重要課題として捉え、環境管理責任者と事業管理本部内「広報・サステナビリティ推進」が事務局として機能し、サステナビリティ・気候変動への対応に関わる基本方針、事業活動における戦略の策定を行うとともに、その内容を取締役会へ、付議・報告をしております。
TCFDに於けるガバナンス体制図

当社グループは、気候変動リスクにより当社事業活動のみならず、取り巻く社会やステークホルダーへ様々な影響を及ぼします。当社は、シナリオ分析から気候変動が事業活動に与える影響(リスクと機会)を特定し、持続可能な事業戦略へ反映してまいります。
また、当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
人材育成方針
当社では「人材こそが最も重要な経営資源」と考えており、この考えのもと人材育成を行ってまいります。
従業員が必要なスキルや自らのキャリアについて主体的に意識し、実現に向け行動するための人材育成プログラムを提供することで、個人の能力開発・成長を支援しております。
当社では中長期的な企業価値の向上に向け、定期的な上司とのキャリア面談、グローバル経営人材候補者への人選・集中教育、早期選抜、複数の職場を経験することによる多面的視座を醸成するためのジョブローテ―ション等を通じた自律考動型人材(自ら律し、自ら考え、自ら行動する人材)としての成長を支援しております。
また、キャリアカウンセラーによる節目の年齢での面談において、キャリア・能力開発を支援することで、従業員一人ひとりが前向きにキャリアを実現し、同時に、事業戦略を実現する強い人材を作ることを目指しております。
従業員の前向きな取り組みを支援するため、評価制度においては各業務テーマに「チャレンジレベル」を設定し、よりチャレンジングなテーマほど高く評価される仕組みを導入しております。新しい仕事・役割に積極的にチャレンジした従業員にとっては「報われる」ことにつながり、企業にとっては「積極的にチャレンジする人材の育成」につながっております。
社内環境整備方針
日本精機の成長を支えているのは、多様な人材の活躍です。年齢や性別、人種、国籍、障がいの有無に関わらず、それぞれの個性と能力を発揮し活躍できるよう、ダイバーシティの推進に取り組んでおります。多様な価値観・考え方・バックグラウンド等を尊重し活かしあうことは、組織の創造性を高めるだけでなく、優秀な人材の確保や競争力の向上にも繋がると考えております。当社では、優秀な人材を確保するために新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として期待できる中途採用も積極的に行っております。
また、従業員がワークライフバランスを整え働くことのできる環境の整備にも努めております。活き活きと仕事に取組み、何に対しても意欲的にチャレンジし、幸せな生活を送るためには、従業員本人とその家族の心身の健康が大前提です。当社では、会社が従業員やその家族の健康に及ぼす影響は非常に大きいと認識し、従業員が健康で活き活きと働き続けることができるよう、積極的に会社の環境改善に取り組んでまいります。具体的には次のような環境を整備しております。
①健康経営への取り組み
当社グループでは、日本精機グループ健康宣言を掲げ、健康経営の推進/働き方改革を推進しております。
・日本精機グループ健康宣言
・健康経営推進体制
②人事制度の見直しとキャリア開発支援
評価・等級・報酬・人材育成・ジョブローテーション制度を人事制度の5本柱として捉え、当社の競争力向上の施策として位置付けております。
・上司との定期的なキャリア面談の実施
・従業員のエンゲージメントレベルのモニタリング
・育児短時間勤務の適用年齢延長(3歳未満→12歳未満)
・時間単位の年次有給休暇制度の導入
サステナビリティ・気候変動に関するリスクの管理については、環境管理責任者と事業管理本部内「経営企画1」が事務局として、「環境システム見直し会議」において年に1回の付議・報告をしております。また、気候変動リスクのマネジメントについては
当社グループは、持続可能な社会の実現に向けて、気候変動に関わる目標として、CO2排出量の削減目標を、Scope1とScope2(2019年を基準)で2030年に50%削減、2050年に100%削減(カーボンニュートラル)と設定しました。
また、当社では、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グル―プは、日本をはじめ、米州、欧州、アジア地域を含む世界各地域で製造及び販売活動を行っておりますが、半導体部品等の部品および原材料のひっ迫による生産調整、政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりによる地政学上のリスク、それに伴い著しく需要縮小となった場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこのような事態に備え、グローバルでの経済状況の変化を注意深くモニタリングし、製品の他地域生産拠点への移管や、地産地消の推進等、変化に迅速かつ柔軟に対応できるような体制強化に努めております。
当社グループは米州、欧州、アジアの各地域で海外事業展開を行っております。しかしながら以下のリスクが顕在化した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
・予期しない法律又は規制の変更
・不利な政治的又は経済的要因
・人材の採用と確保の難しさ
・テロ、戦争、疾病、その他の要因による社会的混乱
当社グループではこのような事態に備え、生産・販売国の経済・政治・社会的状況に加えて事業に関連する各国の法規制の情報を日々収集し、必要な対応を行っております。
当社グループは、グローバルに事業を展開しており今後も積極的に海外での事業展開を行ってまいりますが、当社グループの売上収益に占める海外売上収益の比率は年々増加し、為替変動の影響もより大きくなっております。 一般的に為替が変動した場合、外国通貨建ての売上収益や連結決算における在外連結子会社の財務諸表の円換算額等に影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える場合があります。このため、主要通貨の変動と事業への影響をモニタリングし、必要に応じて為替予約等、為替リスクをヘッジする施策を適時実行しております。
当社グループは、時代の変化、市場ニーズに常に目を向け、顧客目線で、価値の高い製品づくりを目指し研究開発に取り組んでおりますが、想定外の市場ニーズの変化や、業界の技術革新に対応できず優位性のある製品を提供できなくなった場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
このような事態を回避するため、当社グループは顧客・サプライヤーとの連携深化を進めるとともに、先端技術開発力の強化、更なる製品の高機能化や普及に対応すべく、営業・要素技術開発・量産設計開発がより密に連携することで、将来に向けた技術開発を発展させる取り組みを進めております。
当社グループは、事業の優位性を確保するために、他社製品と差別化できる技術とノウハウを保持しております。自社の有用な技術・発明等を出願・権利化し知的財産を保護するとともに、これら知的財産の保護には注力しておりますが、第三者が当社グループの知的財産を無断使用して製造することを防止できず損害を被る可能性があります。もう一方では、当社グループの製品が第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受け、当社が第三者から訴訟を提起された場合、その結果によっては、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
このような事態に対し、自社及び第三者の製品に使用される技術等を検証する知的財産部門を有し、対応を行っております。
当社グループの提供する製品において、万一、製品に欠陥が生じ顧客に重大な損失をもたらし、社会的信用の低下、また多額な損害賠償が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこうした事態を回避するため、製品の企画・設計・開発・製造・販売のすべての活動において、品質第一の考えのもと顧客要求を満たし、業界一の品質・技術の確立を目指し、以下の事項に従い全力をあげて取り組んでおります。
①製品が法規制、顧客要求事項、機能安全要件を満たし、適合しているか分析・評価し、顧客満足の向上を図る。
②優位性のある、Q(品質)、D(納期)、C(コスト)、D(技術)の目標を掲げ、これを達成する。
③品質目標の達成を事業計画に含め、経営重点事項として展開する。
当社グループは、2024年3月期において、本田技研工業株式会社グループへの販売高が当社の連結売上収益の10%以上を占めており、これらの主要顧客や業界の生産及び販売動向、経営環境や事業戦略等の変化等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、こうした事態に備え、主要な取引先向けビジネスの維持・拡大を図るとともに、当該リスクの低減と更なる事業成長に向け、営業活動を推進し、新規顧客の獲得に努めております。
当社グループは、製品の製造に使用する原材料や部品を複数のグループ外供給元から調達しておりますが、一部のものについては、その特殊性から調達先が限定されているものや、調達先の切替の困難なものがあります。調達先の生産能力不足や品質不良又は倒産、火災、地震等の自然災害、世界的な半導体の供給不足や価格の高騰、その他の理由により調達ができなくなった場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、こうした事態に備え、発生時の影響を最小限に抑えるため、日頃から代替品の検討、調達先の複数社化、グローバル調達等を進めることにより安定した原材料や部品の調達を図っております。
当社グループは、全世界で多岐に渡る事業活動を展開しており、各国で訴訟その他の法的手続きの当事者となる可能性があります。また、各国の法制度・裁判制度の違いもあり、事案によって多額な損害賠償となった場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
こうした事態に対し、当社グループは、事業に関わる各種法令を遵守するとともに、安全な製品の提供・使用、契約条件の明確化、相手方との協議の実施等により紛争の発生を未然に防ぐよう努めており、法務部門が中心的な役割を担っております。
当社グループは、研究開発、生産、販売等をはじめ事業活動の多くをITシステムに依存しており、 技術情報等の重要な機密情報や、顧客その他関係者の個人情報を保持しております。しかし災害、ソフトウエアや機器の欠陥、あるいはサイバー攻撃等の不測の事態により これらの情報が漏洩し、社会的信用の低下、また多額な損害賠償が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これら情報の漏洩を防止するため社内規程の整備や社員教育の徹底、セキュリティシステムの強化等様々な対策を講じております。
当社グループは、大規模な地震、洪水、台風等の自然災害や火災等の災害事故が生じ、設備等の損壊や電力、ガス、水の供給困難となり操業を停止せざるを得ない事態となれば、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのような事態に対し、当社グループでは、リスクマネジメント委員会「防災部会」「BCP部会」を設け、自然災害に対する被害・損害を最小限にするための防災や減災、危機管理を重要なものと位置付け、継続的な活動を行っております。有事の際には各本部機能が中心となり、情報収集や対応の検討を行うとともに、その情報が経営層に伝達され、対応を図る危機管理体制を構築しております。また事故発生の未然防止のための安全操業体制の強化に日々邁進しております。
新型コロナウイルスの影響に関しては、社会経済活動が再開し、当社グループにおいても事業活動の正常化が進んでおります。しかしながら、感染が再び拡大した場合は、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。今後も危機管理体制の強化を図るとともに、感染が再び拡大した場合は、お客様、お取引先および従業員をはじめとするステークホルダーの安全を最優先にしつつ、事業継続の観点から事業、業績及び財務状況への悪影響を最小化するための対応を行っております。
当社グループは、グローバルでの事業目標達成のために多様で優秀な人材の確保に努めております。
しかしながら日本国内での少子高齢化による労働人口の減少、グローバルでの事業拡大に伴う人材需要の増加及び必要スキルの高度化等により、多様で有能な人材を計画的に確保、育成及び定着させることができず、中・長期経営計画の戦略を実行しその目標を達成することが困難になる可能性があります。
当社グループはこのような事態に備え、中・長期の経営計画に掲げる目標達成のためには、個人と会社の両方が成長していくことができる関係を大切にし、社員個々人の能力を高め、それを存分に発揮できる仕組みを構築することが必要不可欠であると認識しています。そのため当社グループは、多様性を尊重するとともに、社員が安心して活き活きと働ける企業を目指し各種人材育成プログラムを積極的に行っております。
当社グループは、気候変動を含む環境問題について、経営に影響を及ぼす重要な課題として認識しております。異常気象がもたらす災害リスクは、製品の設計開発から調達、生産、物流、販売等にわたっており企業活動を停滞させる可能性があります。また法令・規制強化に対応するための設備投資等があった場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは気候変動対応として環境負荷低減の取組みを強化しており、国内外拠点での太陽光パネルの設置など、グリーンエネルギーの導入を推進しております。また樹脂材のリサイクル技術開発を開始し、カーボンニュートラル実現に向けた取組みを推進しております。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経済環境は、半導体ひっ迫の緩和によりサプライチェーンの正常化が進み、全体としては緩やかな回復基調となりました。日本国内でも緩やかな景気回復がみられ、米国ではインフレの高止まり懸念はあるものの、依然景気は堅調に推移しております。中国では不動産不況や個人消費の落ち込みによる経済の停滞がみられ、欧州諸国においてはインフレ率が鈍化傾向ではありますが本格的な回復には至っておりません。世界的に物価・エネルギーコストの上昇が継続しており、ウクライナ情勢の長期化に加え中東での軍事衝突の発生により地政学リスクが高まるなど依然として先行きの不透明感が強まっております。
この結果、当連結会計年度の売上収益は、312,355百万円(前期比13.3%増)、営業利益は、8,484百万円(前期比211.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、5,300百万円(前期比305.8%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
車載部品事業は、四輪車用計器、二輪車用計器等が増加し、売上収益253,032百万円(前期比16.7%増)、営業利益6,265百万円(前期比431.6%増)となりました。
民生部品事業は、空調・住設機器コントローラー等が減少し、売上収益17,082百万円(前期比10.4%減)、営業利益591百万円(前期比56.2%減)となりました。
樹脂コンパウンド事業は、樹脂材料の販売が増加し、売上収益8,732百万円(前期比0.1%増)、営業利益538百万円(前期比239.6%増)となりました。
自動車販売事業は、新車販売等が増加し、売上収益26,175百万円(前期比11.9%増)となりましたが、営業利益821百万円(前期比24.7%減)となりました。
その他は、物流サービス等が減少し、売上収益7,332百万円(前期比5.3%減)となりましたが、営業利益899百万円(前期は708百万円の営業損失)となりました。
当連結会計年度末の資産については、前連結会計年度末と比較して17,601百万円減少し、338,632百万円となりました。
負債については、前連結会計年度末と比較して40,281百万円減少し、109,577百万円となりました。
資本については、前連結会計年度末と比較して22,679百万円増加し、229,054百万円となりました。
なお、当社は2022年10月3日に取得した共栄エンジニアリング株式会社に係る暫定的な会計処理が、当連結会計年度において確定しております。これらの影響を遡及修正した後の数値に基づき、前連結会計年度との対比を行っております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、33,257百万円(前連結会計年度末と比較して3,213百万円増加)となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況と、前連結会計年度に対する各キャッシュ・フローの増減状況は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、24,639百万円の収入となりました。前連結会計年度と比較して営業債権及びその他の債権の増減額が17,879百万円増加、棚卸資産の増減額が17,177百万円増加したこと等により、42,697百万円の収入増となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、37,934百万円の収入となりました。前連結会計年度と比較して定期預金の純増減額が19,026百万円増加したこと等により、18,221百万円の収入増となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、59,577百万円の支出となりました。前連結会計年度と比較して短期借入金の純増減額が52,300百万円減少したこと等により、61,606百万円の支出増となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
重要な受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループは、グループビジョン「技術により、世界の人々に安心・安全、そして、感動を提供するトータルソリューションカンパニー」の実現に向け、将来に向けた車載用計器等の設計・製造技術を中心に、高度な専門技術を蓄積・進化させ成長を図ってまいりました。また、持続的な利益創出を実現すべく原価低減活動及び販売価格の適正化に一層の重きを置き、より無駄のない筋肉質な企業体質の構築を推進いたしました。
売上収益は、半導体ひっ迫の緩和による生産台数の増加と北米やアセアンにおける堅調な需要により増収となりました。営業利益は販売台数の増加に加え、原材料などの費用高騰分を適切に販売売価に反映する交渉の進展やグループ全体で取り組んだ無駄を省いた筋肉質経営の効果で増益となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の増加により増益となりました。
経営成績の分析
(売上収益)
当連結会計年度における売上収益は、前連結会計年度と比較して13.3%増収の312,355百万円となりました。国内売上収益は、前連結会計年度と比較して12.9%増収の116,252百万円となり、海外売上収益は、13.5%増収の196,103百万円となりました。セグメント別の売上収益については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(営業利益)
当連結会計年度における売上原価、販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比較して10.8%増の302,938百万円となり、売上収益に対する比率は2.2ポイント減少して97.0%となりました。
この結果、営業利益は前連結会計年度と比較して211.0%増益の8,484百万円となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度における金融収益(費用)は、前連結会計年度の3,649百万円の収益(純額)から5,445百万円の収益(純額)となりました。これは、主に為替差益が前連結会計年度から増加したこと等によります。
この結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度と比較して305.8%増益の5,300百万円となりました。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産については、棚卸資産が増加したものの、その他の金融資産の減少等により、前連結会計年度末と比較して17,601百万円減少し、338,632百万円となりました。
(負債)
負債については、社債及び借入金の減少等により、前連結会計年度末と比較して40,281百万円減少し、109,577百万円となりました。
(資本)
資本については、その他の資本の構成要素の増加等により、前連結会計年度末と比較して22,679百万円増加し、229,054百万円となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のため当社グループの新たな成長につながる戦略的研究開発への先行投資及びグローバル事業展開に向けた国内外の生産販売体制の整備・強化のために必要な資金として内部留保の確保を行っております。
当社グループはグローバルな経営の実現に向けて、機動的かつ効率的な資金の循環による有利子負債の削減、金融費用の削減を図るため、国内グループ会社及び海外グループ会社に対し、提出会社を通じた資金調達体制を確立しております。
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
該当事項はありません。
当社の企業集団における研究開発活動は、R&Dセンター及びNSテクニカルセンターを中核として、各事業分野を担当する量産製品の開発、設計組織及び生産技術部門の緊密な連携によって、車載関係及びその他の多角化領域の製品開発、技術開発を進めております。当社以外では当企業集団に影響を及ぼす研究開発活動は行っておりません。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、
セグメントごとの主な研究開発活動は、次のとおりであります。
車載部品事業
・BEV、コネクティッドカー技術開発
・次世代HMI(ヒューマン マシン インターフェイス)機器開発
・ヘッドアップディスプレイ等の運転支援型情報表示システム開発
・空間価値向上するソリューション開発
・オプティカルソリューション及び光学技術開発
・センサーソリューション及びセンサーデバイス開発
研究開発費の金額は、
民生部品事業
・UI(ユーザ インターフェイス)機器開発
・リモートコントロール機器及びシステムコントローラ機器開発
・センサーソリューション機器の開発
研究開発費の金額は、
樹脂コンパウンド事業
該当事項はありません。
自動車販売事業
該当事項はありません。
その他
該当事項はありません。