第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社の企業理念である「わたしたちルネサンスは『生きがい創造企業』としてお客様に健康で快適なライフスタイルを提案します」という言葉には、人々のエネルギー・情熱の源泉である「心身の健康」をお客様に提供することによって、お客様の「生きがい創造」のお手伝いをするとともに、その仕事を通して従業員の生きがいをも創造することを目指すという思いが込められております。

現在のわが国は、世界に類を見ないほど急速に少子高齢化が進んでおり、人口減少による経済の停滞や社会保障負担の増大等、直面する危機に対して、果敢に挑戦することが求められております。当社の事業は、様々な社会問題の解決に役立つ高い社会価値を有していると自負しております。当社は、健康ビジネスという事業そのものを通じて、企業の存続・成長に欠かすことのできない高い収益性(事業価値)と、社会問題の解決に応えていくという広い社会性(社会価値)、そして全てのスタッフが仕事そのものに「生きがい」を感じ、自己を成長させていくという深い人間性(人間価値)の3つの価値を調和、実現させることを目指しております。 

 

(2) 目標とする経営指標

当社は、2024年5月に「2024-2027中期経営計画」を策定しました。総合型スポーツクラブのリーディングカンパニーとして業界をリードするとともに、フィットネス業界の枠を超えた中長期成長のためのドライバーを創出し、中長期的な成長と長期ビジョンの実現に向け、以下の目標を設定しております。

<財務目標>

指標

2023年度実績

2027年度目標

売上高

436億円

750億円

314億円(172%)

営業利益

12.6億円

55億円

42.4億円(443%)

売上高営業利益率

2.9%

7.3%

4.5pt

自己資本比率

21.5%

25.0%

3.5pt

ROE

5.7%

12.0%

6.3pt

ROIC

2.4%

7.7%

5.3pt

 

 

<非財務目標>

重要視するテーマ

主な非財務目標や取り組み

事業活動を通じて

お客様の生きがいづくり

に貢献する

・健康を基盤とした社会参加者数(生きがいづくりの数)

・顧客の満足度調査(生きがいづくりの質)

多様な人材の活躍を

通じて中長期的な

成長を実現する

・中核人材の登用等における多様性確保

・女性管理職比率30%/男性育休取得100%

・従業員の健康づくり

・定期健康診断の受診率100%/定期健康診断の事後措置100%

・従業員のエンゲージメントサーベイ

パートナー企業や

自治体と事業を共創する

・マルチステークホルダー方針・パートナーシップ構築宣言の制定と遵守

・政府委員会、関連団体活動を通じた、国の健康寿命延伸施策への貢献

・健康なまちづくりに向けた自治体との提携

 

 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

今後の経済環境は、景気回復の動きは継続するものの、国際情勢の不安定化等による光熱費の高騰や円安による物価上昇の影響、人材不足の本格化等、先行きの不透明な状況が続くものと見込まれます。

フィットネス業界においても、安価な無人ジムや新たな業態出店の活発化による競争環境の激化や、人件費及び光熱費等のコスト上昇への対応が急務となっており、それらに伴う業界再編の動きが進むものと見られます。

このような中、「2024-2027中期経営計画」において、事業及び機能の方向性を下表の通り定めています。

スポーツクラブ事業

収益基盤の強化と事業構造改革

・成果への伴走・運動の習慣化で顧客体験価値を向上

・施設運営の効率化を高め、顧客体験価値へ再投資

営業継承・М&A

・㈱スポーツオアシスの統合シナジーを最大化

・積極的なМ&A/継承による業界再編の主導

地域、企業・健保向けの健康づくり

・スポーツクラブ運営で得たノウハウを新たな市場に展開

介護及び介護・医療周辺事業

既存施設収益化

・機能改善の成果実績を通じた安定した収益性

新規出店М&A推進

・多店舗展開に対応するモデル確立

介護ソリューション提案

・自社運営を通じて得たノウハウを他事業者へご提案

ホームフィットネス事業

独自の商品開発

・「フィットネスのおもちゃ」を「運動のプロ」が監修

多様な販売チャネル

・潜在的な健康課題を抱える方のニーズを満たすちょうどいい商品の販売

組織基盤強化の3本柱

人事

・経営戦略、事業戦略及び人事戦略の連動

・健康経営のリーディングカンパニーの確立

・管理職の多様性の実現(女性管理職比率30%)

IT

・ヒト×デジタルでお客様とスタッフから選ばれる体験の実現

・事業戦略に連動した基盤構築

財務

・資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

・自己資本比率25.0%・ROE12.0%・ROIC7.7%

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティ方針及び方針に基づく取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 


 

 

(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

当社は、持続可能な社会の実現のためには、当社が全てのステークホルダーの皆さまから信頼され、持続的な成長をすることが必要と考えております。そのため、2022年3月の取締役会において、上記の「サステナビリティ方針」を決議し、サステナビリティを巡る課題に、積極的に取り組み、全社挙げて、誠実・公正な対応を行うこととしております。

また、リスク管理においては、環境上のリスクや業務上のリスクを部署ごとに抽出して、リスクが経営に与えるインパクトを評価しています。その結果を経営層に報告し、リスクの軽減・回避の計画を策定することでリスクマネジメントを行っています。リスクマネジメントの重要事項に関しては、内部統制委員会で議論され、リスク対策の立案から検証を行い、内部統制委員会の議事については、実施の都度、取締役会に報告されています。

 

なお、下記(2)戦略に記載の人材の多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備に関する課題を最重要と位置付けておりますので、その他個別の重要テーマについては、記載しておりません。

 

(2) 戦略

当社は、ステークホルダーの皆さまの「生きがい創造」を実現するうえで、従業員自らが心身ともに健康で生きがいをもって働き、最大のパフォーマンスが発揮できていることが重要であるという考えのもと、人的資本への投資を重視した経営に取り組んでおります。

 

<人材育成方針>

当社は、一人ひとりのキャリアの自律に向けて「自ら学ぶ・みんなで育てる」という価値観のもと、個人と組織がともに成長につながる機会づくりに取り組んでおります。また、中長期的な企業価値向上に向けた人材戦略の重要性に鑑み、女性をはじめとした多様な管理職の積極的な登用を進めるとともに、組織としての多様性を認め、信頼や連帯感を醸成し、一人ひとりの強みを最大限に発揮できる組織づくりを進めております。

 

<環境整備方針>

当社は、生きがい創造の起点にあるのは従業員一人ひとりの「エンゲージメント」にあると考え、定期的な組織調査をもとに従業員間の対話を促す場づくりを推進しております。また、社会の変化に応じて、人事制度や仕組み等の柔軟性を高めることで、より一層の働き方改革を推進し、多様な人材が活躍できる環境整備を進めております。より生産性の高い柔軟な働き方に向けたテレワークの推進、勤務地域を限定した地域限定正社員制度の導入等、一人ひとりのライフデザインにあわせ活躍できる環境づくりを進めております。

(3) 指標及び目標

当社は、上記(2)戦略において記載した人材の多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備に関する方針に係る重要な取り組みとして、「健康経営の推進」及び「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進」を行っています。主な取り組み並びに指標及び目標は以下の通りです。

 

①健康経営の推進

企業理念である「生きがい創造」を実現し、健康づくりを通じてお客様お一人おひとりの生きがい創りに取り組むためには、従業員が、全ての基盤となる自らの健康を維持向上させ、「心身ともに健康のプロフェッショナル」であることが必要であることを共通の価値観として、「健康経営の推進」に取り組んでおります。

 

 (主な取り組み)

・社員の評価制度に「健康」を取り入れ、自律的な健康づくりを促進

・健康管理システムの導入による健康データの見える化と定期健康診断結果に基づく再受診勧奨の強化

・ヘルスマネジメントセミナー等、オリジナルコンテンツの開発と教育機会の提供

・健康サポートアプリ「カロママプラス」を活用した全社イベントの実施

 

 

 (健康経営に関する指標)

指標

目標

実績(%)

2021年度

2022年度

2023年度

定期健康診断の受診率

毎年度末100%

100.0

100.0

100.0

定期健康診断の事後措置 要医療 受診率

毎年度末100%

84.2

82.1

87.3

定期健康診断の事後措置 要精密検査 受診率

毎年度末100%

86.7

88.6

90.7

定期健康診断の事後措置 要再検査 受診率

毎年度末100%

84.2

100.0

94.6

 

 

②ダイバーシティ,エクイティ&インクルージョンの推進

持続的な成長を可能とする組織構築のための人材確保及び育成のために、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進を重要な経営戦略の一つとして掲げております。多様性を認め合い、一人ひとりの強みを発揮できる組織をつくることで、多様化した市場ニーズへの対応及びイノベーション創出による企業価値向上を目指しております。

 

<中核人材の登用等における多様性確保の方針>

・当社は、「生きがい創造企業」として、管理職(中核人材)の多様性の確保について、多様化する市場ニーズへの適応、リスクへの対応、労働生産性の向上に資すると考え、中長期的な企業価値を向上させるための重要な取り組みであると位置づけます。

・管理職候補者に対しての組織的な育成や、女性をはじめとした多様な管理職の積極的な登用を進めるとともに、組織としての多様性を認め、信頼や連帯感を醸成し、一人ひとりの強みを最大限に発揮できる組織づくりを進めます。

・社会の変化に応じて、人事制度や仕組み等の柔軟性を高めることで、より一層の働き方改革を推進し、多様な人材が活躍できる環境を整えます。 

 

 (主な取り組み)

・新たにエクイティ(公平性)の概念を加え「ダイバーシティ,エクイティ&インクルージョンの推進」基本方針を改定

・女性管理職及びその候補者を対象とした、社内外メンタリングや研修の場づくり及び昇格・登用制度の積極的な提供

・育児中の社員のためのネットワーク組織「るねふぁみ+」の活動推進による両立支援環境の構築

・定期的な組織調査の実施と結果を活用した心理的安全性のある対話の場づくり

 

 (ダイバーシティ,エクイティ&インクルージョンに関する指標)

指標

目標

実績

2021年度

2022年度

2023年度

管理職に占める女性労働者の割合

2030年3月末まで

30

14.8

15.0

15.2

管理職に占める女性労働者の数

34

35

36

リーダー職に占める女性労働者の割合

2030年3月末まで

48

35.4

35.0

37.2

リーダー職に占める女性労働者の数

120

125

141

男性労働者の育児休業取得率

毎年度末100

74.4

75.6

75.6

男性労働者の育児休業取得者数

32

31

31

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社が展開する事業活動において、経済情勢、政治的または社会的要因等により影響を受ける可能性があります。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えると認識している主要なリスクは以下のようなものがあります。なお、文中には将来に関する事項及び対応策が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境の変化について

① 施設の休業に伴う影響

当社が行うビジネスは、主にスポーツクラブへの来館を前提とした施設産業であります。したがって、自然災害により施設を休業せざるを得ない場合や感染症の拡大により国や地方自治体から当社施設に対して休業要請が出た場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。一方で、施設の休業に伴い一般消費者の運動機会が減少することで、運動不足による健康二次被害等が広がる恐れがあります。当社事業は、社会における健康インフラとして、社会の要請を受けながら営業を継続する使命があると捉えております。

この使命を全うするため、当社グループにおいては、自然災害が発生した場合において、当社施設が営業継続できるよう、最低年1回の施設点検及びメンテナンス並びに必要に応じた改修工事を実施しております。また、自然災害が発生した場合に早期復旧するため、施設保守及び管理にかかる取引先との連携を強化しております。東日本大震災や熊本地震の際には、取引先と連携し、施設の復旧をいち早く実現いたしました。なお、自然災害が発生した場合には、地域の生活インフラとしての機能を果たせるよう、プール水の生活用水としての活用や地域住民に対する浴室設備の開放等を行っています。

 

② 会員数の減少に伴う影響

当社が行うスポーツクラブ事業の対象顧客は、一般的な個人消費者が中心です。したがって、競合店舗の出店や個人消費の低迷などにより、会員数が減少した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社は「人生100年時代を豊かにする健康のソリューションカンパニー」を長期ビジョンに掲げ、一般的な個人消費者だけでなく企業や健康保険組合等の法人、及び自治体に向けたビジネスを展開しています。また、オンラインレッスンサービスや家庭用運動器具の開発・通販を主とするホームフィットネス事業等、施設への来館を伴わない健康づくり支援も実施しております。これらの取組みにより、会員数の減少にともなう売上高の減少リスクを低減しています。

(ア)スポーツクラブの魅力向上に向けた取り組み

フィットネス業界においては、24時間ジム等の多様なニーズに対応した小型業態の出店が相次いでおります。当社においても、総合型スポーツクラブのジムエリアを24時間営業に変更し、顧客の利便性を高める取り組みを進め、フィットネス会員の集客に努めております。また、コロナウィルス感染拡大時においても、スイミングスクール等のスクール会員の集客は好調であったことから、新たにスクール制フィットネスプログラムを全国展開し、また、IoTの技術を活用した「スマートテニスレッスン」に加え、業界初となる「スマートスイミングレッスン」を導入するなど、総合型スポーツクラブの強みを生かした魅力向上施策を行っています。

(イ)自治体や企業・健康保険組合に向けた取組

当社施設が所在する周辺の自治体との連携を強化し、地域住民に向けた介護予防事業等の拡大、また、オンラインプログラムを活用した企業・健康保険組合の従業員に向けた健康づくり等の健康経営に関する支援に取り組んでおります。また、自治体が保有するスポーツ施設等の運営受託、健康づくり等の事業受託、健康で住みやすく魅力的なまちづくりの支援等の取組みを推進しています。

(ウ)来館のみに頼らない新たな事業創出

現会員及び現会員以外の顧客に対し、スポーツクラブへの来館を前提としない、オンライン等を活用したビジネスの創出・展開に取り組んでいます。

 

(2) 経済状況および資金調達状況の変化について

当社は、事業成長を実現するために一定数の新規出店を行っています。総合型スポーツクラブ出店に際し、敷金及び保証金、設備投資及び開業経費等は1クラブあたり概ね3億円以上の資金が必要となります。また、既存施設の魅力向上のための改修工事にも投資しています。計画以上に新規出店が増えた場合や、急を要する改修工事により、資金需要が大きくなる可能性があります。

① 出店戦略への対策

(ア)総合型スポーツクラブの出店にあたっては、中期的な出店計画に基づいた資金計画を策定し、資金需要をコントロールしています。

(イ)低投資・短期で回収が可能な業態(ジム&スタジオ、元氣ジム等)や施設の運営受託や開業支援等の投資を伴わない拠点等、出店形態を多様化し、効率的な資本投下による成長を目指しております。

② 資金の調達への対策

(ア)新規出店を含む新たな設備投資については、営業キャッシュフローの範囲内で実施しています。フリーキャッシュフローを増加させ、さらに新たな投資の実施による業績向上を図り、財務基盤を維持することにより、必要なタイミングで新たな資金を調達できるよう環境を整えてまいります。

(イ)今後の事業展開を推進していくための必要な資金需要に対して、安定的かつ機動的な資金調達体制の構築、財務基盤の一層の強化を図っております。

③ 金利の上昇への対策

経済環境の変化等により、市場金利が大幅に上昇し、当社の業績に影響を及ぼす可能性がありますが、市場金利の上昇に対しては、長期かつ固定での借入を主とし、必要に応じて金利を抑制させる手法を取り入れるなどの対策を取ってまいります。

④ 為替の変動への対策

当社は、子会社であるRENAISSANCE VIETNAM INC.に対して、出資及び貸付を行っております。大幅な為替変動が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。ただし、当社グループ外への海外通貨での出資や貸し付けは行っていないため、為替変動による影響は限定的と認識しています。

 

(3) 固定資産の減損について

① 新規出店に伴う影響

当社は事業を成長させるために新規出店を行っています。出店判断の際、立地特性や投資額について瑕疵があった場合、減損損失の発生により業績に影響を与える可能性があります。

新規出店に際しては、収支計画を策定し、投下資本の回収に関する一定の基準を設け精査することで、確実に事業成長に寄与する案件に絞って、出店を決定しています。

(ア)過去の出店における集客実績、業績推移等を元に収支計画の精度を高めています。

(イ)建築コストを低減化することによる損益分岐点の押し下げにより、リスクの低減に努めています。

② 計画の未達による影響

出店後、収支計画を下回って推移した場合、投資回収ができずに減損損失の発生により業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対して、日次・月次・四半期ごとのモニタリングを通じて計画通り、もしくはそれ以上の業績を達成するよう、軌道修正を行っています。

 

(4) 賃貸借契約について(リース含む)

① 営業施設の建物賃貸借契約について

当社の総合型スポーツクラブの新規出店にあたっては、原則として建物を賃借しております。なお、賃貸借期間は主に10年から30年の長期に亘るため、万が一、当社都合により賃貸借契約期間満了前に契約が終了した際には、賃貸人に対し何らかの保証を行う場合があります。なお、当社は、「地域を健康に!」を実現する企業として、長期に亘って、地域貢献することを目指しており、賃貸借契約満了後も契約の更新や再契約の締結により可能な限り事業を継続することを基本的なスタンスとしております。

② 敷金及び保証金について

土地建物賃貸借契約により賃貸人に差し入れている敷金及び保証金の残高は、当連結会計年度末で123億74百万円であります。この資産は、賃貸人の財政状況が悪化し、返還不能になったときは、賃料との相殺が出来ない範囲において貸倒損失が発生する可能性があります。なお、当社は貸倒損失を回避するため、定期的に賃貸人と面談を実施し、賃借人の財政状況の情報収集に努めております。

 

(5) 繰延税金資産について

① 繰延税金資産の回収可能性

当社では、将来の課税所得の見積りに基づき、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計算にあたっては、将来の業績予測を基礎として見積もっており、業績予測に含まれる将来の収益予測や営業利益予測は、様々な予測や一定の仮定に基づいて計算しております。したがって、今後経営状況の悪化等により、将来の課税所得が業績予測と異なり、繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 情報管理について

① 個人情報管理について

当社では、スポーツクラブ等の施設の利用者様、オンラインレッスンへの参加者様、通信販売やECサイトの利用者様等の個人情報を保有しています。万が一、個人情報の漏洩や不正利用が発生した場合、社会的評価が失墜することによる、中長期的な需要の低下により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、大量の個人情報が漏洩した場合、該当する会員様等への損害賠償等による影響が生じる可能性もあります
 個人情報の取り扱い及び個人情報漏洩による企業経営や社会的な信用への影響を十分に認識し、情報システムの構築、社内規程・マニュアルの整備、eラーニング(パソコン等を活用した個人学習)による従業員の教育活動の実施、及び内部統制監査室によるモニタリングを継続的に行い、情報漏洩を未然に防止するよう努めております。
 

(7) グローバルな事業展開について

① 海外事業に関する影響

当社グループの海外事業は、ベトナム国においてスポーツクラブを展開しております。同国における政治・経済情勢等の影響により、クラブの営業が困難となった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 これらの影響に対しては、国内外における情報収集及び現地弁護士等との連携を通じ、その回避に努めています。
 ベトナム国以外の各国においては、当社が培ってきたノウハウを現地企業と連携して事業展開を行っています。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度においては、スポーツクラブの新規入会者数が堅調に推移したこと、総合型スポーツクラブ4施設を開業したこと、スポーツクラブ会員価格の改定を実施したこと等により、売上高は概ね当初の計画に近い水準で推移しました。コストについては、全社的な省エネ対策や国の電気・ガス価格激変緩和対策事業により光熱費を抑制できたことから、計画を大幅に下回って推移しました。

 なお、当社従業員の一層の生活安定や継続的なパフォーマンス発揮を目的として、社員については7月より給与水準の平均5%引き上げ、アルバイトスタッフについては11月より時給の30円増を実施しました。また、2025年4月入社の新卒初任給については、平均21,900円(10%)の引き上げを決定しました。

 当連結会計年度における持分法適用関連会社の㈱東急スポーツオアシス(以下、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」において「オアシス」という。なお、㈱東急スポーツオアシスは、2024年4月1日に社名を㈱スポーツオアシスに変更しております。)において、固定資産の回収可能性を検討した結果、15施設の減損処理を行ったこと等により、3億62百万円を営業外費用に計上しました。また、オアシスの株式を段階取得(2023年3月31日に40%、2024年3月31日に残り60%取得)したことに伴い、40%取得時の株式の再評価によって生じた評価益3億37百万円を特別利益に計上しました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高436億27百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益12億61百万円(前年同期比85.4%増)、経常利益5億24百万円(前年同期比68.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6億32百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期純損失11億41百万円)となりました。

 なお、当連結会計年度末にオアシスを100%子会社としたことにより、当社グループは、2025年3月期において、売上高でフィットネス業界最大規模となる見込みです。さらに、2024年5月10日開催の取締役会において、2025年4月1日を合併期日として、オアシスを吸収合併することを決議しました。

 

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が一段と進み、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、為替相場の変動や原料価格の高騰、物価上昇の影響により個人消費の停滞が見られるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。

フィットネス業界においては、ライフスタイルの変化に伴う健康課題の顕在化による基礎体力の維持・向上への欲求や、人とのつながりを創るコミュニティの場としてのニーズが増加し、スポーツクラブが果たす役割が益々期待されております。

このような中、当社グループは「生きがい創造企業」という企業理念のもと、「人生100年時代を豊かにする健康のソリューションカンパニー」を長期ビジョンに掲げ、生涯現役で働くための健康維持・増進や、医療費等の社会保障費の抑制につながる「治療から予防へ」の取り組みを通じ、健康長寿社会の実現及び地域の社会課題の解決に取り組んでおります。

 

<スポーツクラブ事業>

スポーツクラブ事業では、プール、お風呂・サウナ等の総合型スポーツクラブならではのアイテムへの訴求や、筋力トレーニングのニーズに対応したジムエリアの拡充等を実施し、新規入会者数が堅調に推移しました。ジュニアスクールの取り組みとして、5月にスポーツクラブ施設にてお子様の運動能力と非認知能力を育む運動スクール「KIDS FIT(キッズフィット)」の提供を開始したほか、ソニーネットワークコミュニケーションズ㈱が開発したスポーツICTソリューション「スマートスイミングレッスン」を選手クラス及び成人クラスへ導入しました。加えて、昨今の光熱費等のコスト上昇への対応と、人材及び設備への継続的な投資を通じてお客様に付加価値を提供していくため、7月にフィットネス会員及び10月にジュニアスクール会員の会費の価格改定を実施しました。

また、7月に「スポーツクラブ&スパ ルネサンス 今里24」(大阪府大阪市)及び「スポーツクラブ ルネサンス 仙台卸町24」(宮城県仙台市)、10月に「スポーツクラブ ルネサンス 熊本光の森24」(熊本県菊池郡菊陽町)及び「スポーツクラブ ルネサンス ・イオンモール座間24」(神奈川県座間市)の、総合型スポーツクラブ4施設を開業しました。この結果、当連結会計年度末の在籍会員数は395,000名(うちオンライン会員数54,331名)(前年同期比5.7%増)となりました。

なお、菱紙㈱が運営する「KSC wellness フィットネスクラブ金町・金町スイミングクラブ」(東京都葛飾区)の事業を譲り受け、2024年4月に「スポーツクラブ ルネサンス KSC金町24(以下「KSC金町」という。)」としてリニューアルオープンしました。

 

<介護及び介護・医療周辺事業>

介護及び介護・医療周辺事業では、リハビリ特化型デイサービス、訪問看護ステーション、居宅介護支援、児童発達支援・放課後等デイサービス等の複数のサービスの提供とその連携を通じ、利用者のQOL向上に取り組んだ結果、売上高は前年同期比8.9%増となりました。

当連結会計年度においては、11月に当社初となるスポーツクラブ内における訪問看護ステーション「ルネサンス リハビリステーション富士見台」(東京都練馬区)を開設しました。当施設では、スポーツクラブのトレーナーと看護師が連携し、運動と看護ケアの両面から地域の健康づくりをサポートしてまいります。また、8月にフランチャイズ施設の「ルネサンス 元氣ジム武蔵関」(東京都練馬区)を開設しました。

がんサバイバーへのリハビリ支援においては、「大阪国際がんセンター認定 がん専門運動指導士(以下「がん専門運動指導士」という。)」の養成・資格認定事業を強化し、当連結会計年度末時点で当社のスポーツクラブ41施設及び介護リハビリ5施設にがん専門運動指導士を77名配置しました。2月には、当社が「運動支援センター」を設置する大阪国際がんセンターと共同で入院中の患者を対象としたフレイル予防をテーマとした講座を院内でスタートしました。今後も、がんサバイバーが安心してリハビリできる環境づくりを推進し、がんと向き合う方々の体力づくり支援を拡げてまいります。

 

<企業・健康保険組合向けの健康づくり事業>

企業・健康保険組合向けの健康づくり事業では、多数の法人に向けた健康経営の取り組み支援を推進してまいりました。当連結会計年度においては、年々増加する企業の労働災害防止に向けた「転倒災害予防プログラム」等、当社の運動と健康づくりのノウハウを活かしたオリジナルプログラムの受託件数が増加しました。

また、オンラインレッスンサービス「RENAISSANCE Online Livestream」(以下「ROL」という。)」を活用し、企業のサービス利用者への健康づくり支援に積極的に取り組みました。具体的には、住友生命保険相互会社が販売する健康増進型保険“住友生命「Vitality」”会員向けサービスや、大同生命保険㈱が取り組む中小企業の健康経営の普及・推進活動にROLを活用しています。さらに、6月には㈱U-NEXTが運営する動画配信サービス「U-NEXT」への提供を開始しました。

 

<地域・自治体向けの健康づくり事業>

地域・自治体向けの健康づくり事業では、引き続き、地域・自治体の健康づくりへの取り組みを支援してまいりました。

健康づくりへの取り組み支援の一環として、7月に愛知県大府市及び㈱トヨタシステムズとの「大府市働く世代の睡眠改善実証事業に関する覚書」、9月に神奈川県座間市との「健康増進等に関する包括連携協定」及び1月に神奈川県との「未病改善等に関する連携協定」を締結しました。

また、前年の約1.5倍となる50校(25自治体)にて水泳授業を受託しました。

なお、当連結会計年度において、熊本県菊陽町、岐阜県本巣市、福岡県福岡市、神奈川県大和市及び埼玉県蕨市の5自治体と災害発生時の被災者支援における当社スポーツクラブの有効活用に関する協定を締結し、さらなる地域貢献に向け取り組みました。

 

<子会社等について>

RENAISSANCE VIETNAM,INC.のスポーツクラブ事業においては、ベトナムの物価上昇に合わせて、8月より順次会費の価格改定を実施しました。また、「スイミング&フィットネス ルネサンスジャパン イオンモール LongBien(ロンビエン)」(ハノイ市)において、フランス系インターナショナルスクールの水泳指導受託をはじめ、幼稚園や小学校に向けた水泳授業を拡大しました。

㈱BEACH TOWNにおいては、公共施設等官民連携事業(PPP)及び公募設置管理制度(Park-PFI)、並びに民間企業との連携による地域のにぎわい創出に向けた企画・提案に取り組んでおります。10月には、京王電鉄㈱の事業パートナーとして、会員制アウトドアフィットネスクラブ「RIVER PARK 聖蹟桜ヶ丘」(東京都多摩市)を開業しました。

オアシスにおいては、当連結会計年度において、家庭用の運動アイテムの販売を中心とするホームフィットネス事業が好調となったほか、ルネサンスのノウハウを活用して、スポーツクラブ事業が順調に推移しました。

 

<その他>

資本事業提携を結ぶアドバンテッジアドバイザーズ㈱との取り組みにおいては、スポーツクラブ事業や介護及び介護・医療周辺事業における店舗開発の強化、事業ポートフォリオの再構築等、複数のプロジェクトを推進しております。中長期的な企業価値の向上に向け、同社の知見と当社のノウハウとを相互活用し、諸施策の着実な実行を目指してまいります。

 

公益財団法人日本水泳連盟が3月に開催した「国際大会代表選手選考会」において、当社がサポートする池江璃花子選手が、100mバタフライで派遣標準記録を突破して2位に入賞しました。また、KSC金町に所属する成田実生選手が、400m個人メドレーで派遣標準記録を突破して優勝し、両選手は国際大会の日本代表に選出されました。当社は今後も、アスリートの活躍を支援してまいります。

 

<施設数について>

当連結会計年度においては、オアシス及び㈱BEACH TOWNの施設を含む当連結会計年度末の当社グループの施設数は、スポーツクラブ213施設(直営139施設、業務受託72施設、RENAISSANCE VIETNAM,INC.2施設)、スタジオ業態2施設、介護リハビリ44施設(直営33施設、フランチャイズ11施設)、アウトドアフィットネス15施設(直営4施設、業務受託11施設)の計274施設となりました。

 

出店・開設

時期

施設名

施設形態

2023年4月

武雄市民球場(他26施設)(佐賀県武雄市)

指定管理

2023年4月

大津町運動公園5施設(他8施設)(熊本県菊池郡大津町)

指定管理

2023年4月

BEACHTOWN OND PARK(佐賀県武雄市)※

アウトドアフィットネス

(業務受託)

2023年5月

アウトドアフィットネス江戸川(東京都江戸川区)※

アウトドアフィットネス

(業務受託)

2023年7月

スポーツクラブ&スパ ルネサンス 今里24(大阪府大阪市)

スポーツクラブ

2023年7月

スポーツクラブ ルネサンス 仙台卸町24(宮城県仙台市)

スポーツクラブ

2023年8月

ルネサンス 元氣ジム武蔵関(東京都練馬区)

介護リハビリ(FC)

2023年10月

スポーツクラブ ルネサンス 熊本光の森24

(熊本県菊池郡菊陽町)

スポーツクラブ

2023年10月

スポーツクラブ ルネサンス・イオンモール座間24

(神奈川県座間市)

スポーツクラブ

2023年10月

RIVER PARK 聖蹟桜ヶ丘(東京都多摩市)※

アウトドアフィットネス

(業務受託)

2023年11月

ルネサンス リハビリステーション富士見台(東京都練馬区)

介護リハビリ(直営)

 

(注)※は、㈱BEACH TOWNによる運営受託施設です。

 

<財政状態について>

当連結会計年度末の財政状態の主な変動要因は、オアシスの株式を2024年3月31日付けにて追加取得し、同社を完全子会社としたことによるものです。

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ109億21百万円増加し、531億94百万円となりました。これは主に、現金及び預金、売掛金が増加したこと等により流動資産合計が22億8百万円増加したこと、有形固定資産が51億58百万円増加したこと、また、オアシスの資本連結手続きにおいてのれんを計上したこと等から無形固定資産が16億50百万円増加したこと、敷金及び保証金が35億60百万円増加した一方、オアシスの資本連結手続きにおいて投資有価証券が16億11百万円減少したこと等により投資その他の資産が19億12百万円増加したこと等により固定資産合計が87億22百万円増加したことによるものです。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ104億87百万円増加し、417億69百万円となりました。これは主に、未払金及び未払費用が増加したこと等により流動負債合計が31億65百万円増加し、リース債務及び資産除去債務が増加したこと等により固定負債が73億22百万円増加したことによるものです。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億33百万円増加し、114億25百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益6億32百万円を計上したこと、配当金1億45百万円を支払ったこと等により利益剰余金が4億87百万円増加したこと等によるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億79百万円増加し、62億11百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。

営業活動により得られた資金は、48億31百万円(前連結会計年度比199.2%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益6億71百万円、減価償却費24億29百万円(同8.8%増)、長期未払金の増加額5億65百万円(同12.2%減)、未収消費税等の減少額3億37百万円によるものです。

投資活動に使用した資金は、45億20百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出22億47百万円(前連結会計年度比13.0%減)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出16億22百万円によるものです。

財務活動により得られた資金は、4億36百万円となりました。これは主に長期借入れによる収入34億円(前連結会計年度比183.3%増)、セール・アンド・リースバックによる収入8億31百万円(同50.8%増)、長期借入金の返済による支出23億3百万円(前連結会計年度比3.6%増)、リース債務の返済による支出7億47百万円(同14.4%増)、短期借入金の純減少額6億円によるものです。

 

なお、主要な財務指標のトレンドは以下のとおりです。

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月
(当連結会計年度)

自己資本比率

(%)

40.5

23.9

27.0

26.0

21.5

時価ベースの
自己資本比率

(%)

41.2

53.1

48.9

41.5

36.6

債務償還年数

(年)

2.9

4.9

14.0

5.7

事業収益

インタレスト・
カバレッジ・レシオ

(倍)

13.4

2.5

1.5

2.2

 

 (注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により計算しております。

      ・自己資本比率              :自己資本/総資産

      ・時価ベースの自己資本比率        :株式時価総額/総資産

      ・債務償還年数              :有利子負債/営業キャッシュ・フロー

      ・事業収益インタレスト・カバレッジ・レシオ:(営業利益+受取利息+受取配当金)/支払利息

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている転換社債型新株予約権付社債、短期及び長期借入金並びにリース債務を対象としております。営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。また、支払利息については、連結損益計算書の支払利息を使用しております。

4.2021年3月期の債務償還年数は営業キャッシュ・フローがマイナスであるため、また、事業収益インタレスト・カバレッジ・レシオは、営業損失であるため記載しておりません。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当社グループは、会員制フィットネスクラブ及びスイミングスクール、テニススクール等のスポーツスクール運営事業、さらにスポーツクラブ施設の運営受託を主たる事業としているため、生産及び受注の内容は記載しておりません。

なお、当社グループの報告セグメントは「スポーツクラブ運営事業」のみであり、外部顧客への売上高を分解した情報は、「第5 経理の状況 注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」をご参照ください。

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する知識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

  (a)経営成績等の状況

   (i)当連結会計年度の財政状況及び経営成績の状況

当連結会計年度の財政状況及び経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

   (ⅱ)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

  (b)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に影響を与える主たる事業は、フィットネスクラブ、スイミング・テニス・ゴルフスクール等のスポーツクラブ事業となります。そのため、継続的かつ安定的な収益確保にあたっては、スポーツクラブの既存店舗の発展と新規店舗の出店が大きな要因となります。また、そのほかの要因につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針 経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

  (c)当社グループの資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業活動にかかる資金需要において、短期的な運転資金は、主に銀行借入により調達し、長期的な設備資金は、自己資金、建物リース、転換社債型新株予約権付社債の発行及び金融機関からの借入金により調達しております。

 

 ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループは、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産及び負債の報告数値並びに報告期間における収入及び支出の報告数値に与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。当社グループは、売掛債権、前受金、法人税等、退職給付費用、偶発事象等に関する見積り及び判断に対して、過去の実績や状況に応じて合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。なお、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)事業提携契約

契約締結日

会社名

契約の名称

契約内容

契約期間

2022年11月11日

アドバンテッジアドバイザーズ㈱

事業提携契約書

当社の企業価値向上の実現を目的とした諸施策の検討とノウハウの提供等による事業提携の実施

自 2022年11月11日

至 2026年1月31日

または資本提携終了日のいずれか早く到来する日まで※

 

 ※「資本提携終了日」とは、AAGS S3,L.P.がA種種類株式、第1回無担保転換社債型新株予約権付社債、第2回新株予約権又はこれらを転換若しくは行使して取得する当社の株式のいずれも保有しないこととなる日をいいます。

 

(2)㈱スポーツオアシスとの合併の決定

当社は、2024年5月10日開催の取締役会において、2025年4月1日を合併期日として、当社の連結子会社である㈱スポーツオアシスを吸収合併することを決議いたしました。

当社は、2024年5月10日発表の中期経営計画において2027年度に過去最高益を目指し、総合型スポーツクラブのリーディングカンパニーとして業界をリードすることを掲げております。

この度、㈱スポーツオアシスを合併することで、当社グループ経営の最適化、経営資源の効率化の観点から事業基盤の強化を図ると共に、新たな成長・中期経営計画の目標達成に向けた準備を進め、「人生100年時代を豊かにする健康のソリューションカンパニー」として更なる発展を遂げることを目的としております。

合併の概要は、次の通りであります。

① 合併の方法

当社を存続会社とする吸収合併方式で、㈱スポーツオアシスは解散します。

② 合併に係る割当ての内容

㈱スポーツオアシスは当社の完全子会社であるため、本合併に際し株式の発行及び金銭その他の財産の交付はありません。

③ 合併の期日

2025年4月1日

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。