(注)1.当社は、国際財務報告基準(以下、「IFRS」といいます。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2.当社は、2021年1月1日付け及び2022年10月1日付けで、それぞれ普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行っております。各事業年度の1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益について、当該株式分割調整後の数値を記載しております。
3.第32期より国際会計基準第12号「法人所得税」(2021年5月改訂、以下「IAS第12号「法人所得税」」といいます。)を適用しております。これに伴い、第31期については、遡及適用後の数値を記載しております。会計方針の変更の詳細は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載のとおりであります。
(注)1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第30期の期首から適用しており、第30期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2.自己資本利益率は、期中平均純資産額に基づき計算しております。
3.当社は、2021年1月1日付け及び2022年10月1日付けで、それぞれ普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行っております。各事業年度の1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益について、当該株式分割調整後の数値を記載しております。
4.2021年3月期の1株当たり配当額及び1株当たりの中間配当額については、2021年1月1日付けの普通株式1株につき2株の割合での株式分割が、期首に行われたと仮定して算出した数値を記載しております。
5.2023年3月期の1株当たり配当額及び1株当たりの中間配当額については、2022年10月1日付けの普通株式1株につき2株の割合での株式分割が、期首に行われたと仮定して算出した数値を記載しております。
6.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。なお、2021年3月期及び2023年3月期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式分割前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しております。
本書(上表を含む)において(*)を付した用語については、巻末に記載の用語集をご参照ください。
当社は、国内におけるインターネットサービスプロバイダー(ISP)(*)の先駆けとして1992年12月に設立され、以来、国内インターネット関連市場の拡大にあわせ、インターネットに関わる事業展開を進めてまいりました。
当社及び当社の連結子会社(以下、あわせて「当社グループ」といいます。)は、インターネットに関連する技術力の集積を事業基盤とし、主として法人及び官公庁等の事業用にネットワークを利用する顧客に対して、信頼性及び付加価値の高いネットワークサービス(インターネット接続サービス、アウトソーシングサービス及びWANサービス)の提供、システムインテグレーションの受託及び機器販売等の多様なネットワーク関連役務を、複合的に組み合わせ提供しております。また、当社の連結子会社である㈱トラストネットワークスにて、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築し運営することによりATM利用に係る手数料収入を得るATM運営事業を営んでおります。当社は、電気通信事業法に基づく電気通信事業者であります。
当社は、本書提出日現在、連結子会社17社及び持分法適用関連会社6社を有しており、これらの関係会社と連携して事業を推進しております。
当社グループの事業セグメント、役務の概要、当社及び当社関係会社各社の事業の概要は、以下のとおりであります。
①事業セグメント及び役務の内容
当社グループは、主力事業としてインターネット接続サービス、アウトソーシングサービス、WANサービス、システムインテグレーション及びネットワークに関連する機器の販売等のネットワーク関連役務を提供する「ネットワークサービス及びシステムインテグレーション事業(以下、「ネットワークサービス及びSI事業」といいます。)」と、当社の連結子会社である㈱トラストネットワークスが展開する「ATM運営事業」との2つの事業セグメントを有しております。
②当社グループの役務の概要
③当社及び主要なグループ会社の事業の概要
当社グループの前連結会計年度及び当連結会計年度の役務別の売上高、売上高構成比及び売上総利益は、以下のとおりであります。
(注) システムインテグレーションには機器販売を含んでおります。
当社グループは、主として国内にて、ネットワークサービス及びSI事業に関連する前記の各役務を複合し、例えば、顧客の複数拠点間を接続するインターネット接続サービスまたはVPNサービス他のWANサービスを提供し、データセンターにて顧客のサーバ等を預かり、顧客のルータ(*)等ネットワーク機器を運用管理し、顧客の電子メールシステム等の運営のアウトソーシングを受け、セキュリティ等に関するアウトソーシングサービスを提供し、それらのネットワークシステムを設計、構築及び運用するシステムインテグレーションを受託するというように、信頼性及び付加価値の高いネットワーク関連サービスを継続的に開発及び機能拡充し、ソリューション及びシステムインテグレーションという切り口で、複合的に顧客へ提供することを推進しております。
当社グループは、ネットワークサービス及びSI事業の一部として、クラウドコンピューティングサービスの提供に注力しております。当社グループは、2009年度より、クラウドコンピューティングサービスの提供を開始しており、継続的にサービスラインアップの拡充、サーバ及びネットワーク設備等の増強、データセンターの拡充、マーケティング及びプロモーションの強化等に努めております。
当社グループは、ネットワークサービスの一部として、法人及び個人向けモバイルデータ通信サービスの提供に注力しております。法人向けモバイルサービスにおきましては、MVNOへモバイルネットワークのインフラストラクチャー及び周辺システムを提供するMVNE(*)案件等の推進並びにフルMVNO推進による様々な端末やデバイス等の接続、組み込み型チップSIM(*)の提供等によりIoT(*)等の新たな法人需要の開拓を推進しております。個人向けモバイルサービスにおきましては、安価なデータ通信サービスが普及するなか、販売代理店網の拡大、サービススペックの見直し及びサービスラインアップの充実等を推進しております。
当社グループは、主として国内企業の海外進出ニーズに対応していくために、本書提出日現在、米国、欧州及びアジアに現地法人12社を有し、海外でネットワークサービス及びシステムインテグレーションを提供するための事業基盤を強化しております。米国と英国等でのインターネット接続サービスの提供、セキュリティ関連等のアウトソーシングサービスの提供、海外拠点を接続するWANサービスの提供、海外でのシステムインテグレーション、米国、欧州、中国、シンガポール、インドネシア、タイ及びベトナムにおけるクラウドコンピューティングサービスの提供等を行っております。
また、当社の連結子会社㈱トラストネットワークスが、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築し運営することにより、ATM利用に係る手数料収入を得るATM運営事業を推進しております。
①当社グループの事業の変遷
当社は、インターネットがまだ普及していなかった1992年12月に、インターネットに関わる技術者を中心に日本にインターネットという新しい通信手段を普及するとの構想により、日本のISPの先駆けとして設立されました。設立当時、日本におけるインターネットに関わる技術者の層は薄く、産学共同にて研究開発活動をしていた「WIDEプロジェクト」(*)がインターネットに関する諸技術の蓄積として有力なものでありました。当社は、このような研究開発活動に携わっていた技術者を中心として設立され、インターネットに関連する技術力の集積を事業基盤として、設立以来信頼性の高いインターネット関連サービスの提供を追求し、今日のインターネットの普及に貢献し、マーケットをリードしてきたものと認識しております。
当社の事業開始当初は、ISPは個人向けのものも含め数えるほどであり、強い競合はなく、当社は順調に顧客基盤を広げていきました。顧客のニーズは、当初はインターネット接続サービスの利用が中心でしたが、インターネットが普及するにつれ、インターネットに関わるネットワークシステムの構築、運用保守の提供等へと複合化、多様化してまいりました。インターネットの普及及び顧客ニーズの多様化は急速に広がり、そのような市場を捉えていくために、当社は関係会社を設立することによって、当社企業集団として事業範囲を拡大してまいりました。
当社は、「IIJ」という呼称にてインターネットに関連する市場に浸透しております。当社は、上述の事業変遷より「技術のIIJ」との市場認知がなされているものと認識しており、今後もより広く定着させていきたいと考えております。
当社は、連結子会社他と協働して、当社グループとして顧客に対し総合的なネットワークソリューションを提供しております。また、中長期的な事業拡大を展望し、新規事業開発及びM&A等による事業領域の拡大並びに事業パートナーとの事業連携を推進しております。(詳細は、「第一部 企業情報 第1 企業の概況 2 沿革」及び「第一部 企業情報 第1 企業の概況 4 関係会社の状況」をご参照下さい。)
②技術力の蓄積
当社グループの強みは、インターネット分野における幅広い技術力の蓄積であると認識しております。インターネットに関連する技術力とは、ネットワーク及びサーバの設計、構築及び運用、ルータ等ネットワーク機器の運用、セキュリティの実施、新たな技術への適応、新ネットワークサービス及びソリューションの開発或いはコンサルテーション等の知識、経験、ノウハウ及び遂行能力であると認識しております。
当社グループは、インターネットに関わる諸技術を組み合わせ、広帯域及び広範囲のネットワークシステムを設計、構築及び安定的に運用し、大量のトラフィック(*)を安定的に処理し、セキュリティ及び障害対策等を施した信頼性の高いサービスを開発し提供する、また顧客ニーズにあったサービス及びソリューションを開発し提供するといった技術力を基盤とし、役務提供を行っております。
③顧客基盤
当社グループは、設立以来、技術力をセールスポイントとして、主としてネットワークシステムの信頼性を重んじる法人及び官公庁を中心に営業活動を行ってまいりました。当連結会計年度末現在における当社グループの官公庁を含む法人顧客数は、約15,000社でありました。
①ネットワークサービス
<インターネット接続サービス>
当社グループは、インターネット接続サービスを提供し、対価として継続的な通信料金の収入を得ております。インターネット接続サービスは、顧客のLANやコンピュータ端末と、当社グループのネットワークを、通信キャリアが提供するアクセス回線(*)又は網により接続することにより提供されます。当社グループは、次項の「(4) 当社グループのネットワーク」に記載のとおり、大容量のネットワークを構築し、設立時から蓄積された運用技術力をもってこれを運用することにより、安定した高速のインターネット接続サービスを提供しております。当社は、日本のISPで初めてインターネット接続サービスにサービス品質保証制度(SLA)(*)を導入いたしました。また、日本で初めて、インターネットの次世代のプロトコル(*)であるIPv6によるインターネット接続サービスの商用提供を開始いたしました。当社グループは、インターネット接続サービスにおいて、帯域、アクセス回線、IPアドレス(*)の割当数、DNSサーバ(*)運用の有無、ルータ運用の有無及び価格等により仕様を分け、サービスラインアップを揃えております。
a)法人向けインターネット接続サービス
法人向けインターネット接続サービスは、当社グループが提供するインターネット接続サービスのうち、「IPサービス(*)」、「IIJデータセンター接続サービス」、「IIJモバイルサービス」、「IIJモバイルMVNOプラットフォームサービス」等の法人向けの各種インターネット接続サービスであります。
IPサービス及びIIJデータセンター接続サービスは、広範囲な帯域の選択が可能であり、Gbps(*)超の広帯域のサービス提供も可能なIPアドレスの割当数等にも制約がない単価の高いフルスペックのサービスで、主として大規模な法人及び官公庁等に提供しております。IIJデータセンター接続サービスは、顧客設備のデータセンターへの収容にあたりデータセンターにおいてインターネット接続サービスを提供するものであります。IIJモバイルサービスは、主として㈱NTTドコモ(以下、「NTTドコモ」といいます。)及びKDDI㈱(以下、「KDDI」といいます。)から卸電気通信役務の提供を受け、MVNO形態にて、法人向けにモバイルデータ通信サービスを提供するものであります。IIJモバイルMVNOプラットフォームサービスは、MVNOへモバイルネットワークのインフラストラクチャー及び周辺システムを提供するものであります。
b)個人向けインターネット接続サービス
個人向けインターネット接続サービスは、当社が自社ブランドで提供する「IIJmioサービス」及び「OEM」(*)等の個人向けの各種インターネット接続サービスであります。
IIJmioサービスは、様々な機能を組み合わせることができるカスタマイズ型のサービスであります。当社グループは、利用者に対して、LTE通信等を可能とするSIMカードやeSIMを用いた音声機能付きモバイルデータ通信サービス及びフレッツ(*)の光回線等による固定データ通信サービス等を提供しております。
OEMは、通信事業者等が個人向けインターネット接続サービス等を提供する際に、当社グループがネットワーク及びサービスの運営等の提供を行うものであります。
当社グループのインターネット接続サービスの契約数及び契約総帯域の年次推移は、以下のとおりであります。
(注)1.法人向けインターネット接続サービス及び個人向けインターネット接続サービスの内訳において、「IIJモバイルサービス(法人向け)」及び「IIJmioモバイルサービス」は回線数を表示しており、それ以外は契約数を表示しております。
2.IPサービスの契約数には、データセンター接続サービスの契約数を含めております。
3.法人向けインターネット接続サービスのうち、IPサービス、インターネットデータセンター接続サービス及びブロードバンド(*)対応型サービス各々の契約数と契約帯域を乗じることにより算出しております。
<アウトソーシングサービス>
当社グループは、インターネット接続サービス及びWANサービスと合わせ、アウトソーシングサービスを提供しております。アウトソーシングサービスは、顧客のネットワークシステムを運用管理する等、より有効にネットワークシステムを活用することを企図したものであります。当社グループのアウトソーシングサービスは、主としてセキュリティ関連、ネットワークアウトソーシング関連、サーバアウトソーシング関連、データセンター関連、パッケージ型クラウドコンピューティングサービス及びその他に大別でき、その概要は下表のとおりであります。
当社グループは、法人及び官公庁等の業務運営におけるインターネット利活用の重要度及びネットワークシステムの信頼性に対するニーズは増加していると認識しております。当社グループは、このようなニーズの増加に応じ、保有する技術力を基に優位性を発揮することができ、また、より発揮していきたいと考えております。
<WANサービス>
当社グループは、主として当社の完全子会社である㈱IIJグローバルソリューションズ及び当社にて、WANサービスを提供しております。WANサービスは、主として通信キャリアが提供する専用線、広域イーサネット、IP-VPN及びインターネットVPN等の法人向け通信サービスを調達して顧客の複数拠点間を接続する広域ネットワークを構築し提供するものであり、顧客の要望がある場合には、当該広域ネットワークの運用監視等を併せて提供するものであります。当社グループは、特定の通信キャリアや通信機器メーカーに依存することなく、顧客のニーズに応じて各社のサービス及び機器を効果的に組み合わせることにより、顧客ニーズに合致するWANサービスを提供しております。
②システムインテグレーション
当社グループは、システムインテグレーションとして、法人及び官公庁等のインターネット、イントラネット(*)及びWAN等のネットワークシステムについて、コンサルテーション、設計、システム開発、システム構築及びシステム運用等のアウトソーシング受託等を行っております。対象となるシステムは、企業内部及び拠点間のネットワークシステムの設計及び構築、グループウェア導入及び仮想デスクトップ環境構築等のオフィスIT環境整備、オンライン証券(*)等電子商取引システム、アプリケーションサービスプロバイダ(ASP)(*)向けシステムの開発・運用及び当社が構築した顧客システム及びプライベートクラウドサービスとして顧客が利用する当社サーバ設備等の運用等、多岐にわたります。
また、当社グループは、各役務の提供に付随し、顧客に対してネットワーク機器等の提供が必要となる場合には、機器販売を行っており、機器の仕入販売のほか当社が自社開発したSEIL等の顧客用サービスアダプタの販売、モバイルデータ通信サービスの顧客へのスマートフォン、タブレット等の端末の販売を行っております。
③ATM運営事業
当社の連結子会社である㈱トラストネットワークスがATM運営事業を行っております。ATM運営事業は、銀行ATM及びそのネットワークを構築し運営することにより、ATM利用に係る手数料収入を得る事業モデルであります。
①ネットワーク
当社グループはバックボーン回線を通信キャリアより賃借のうえ、ネットワーク機器等を設置したデータセンター間を接続すること等により、インターネットバックボーン網を運用しております。当社のインターネットバックボーン網は、当社グループが信頼性及び付加価値の高い多様なネットワーク関連サービスを安定的に提供し続けるための基盤となるものであります。そのため、性能と耐障害性を重視した設計とし運用をしております。
原則として、国内の各接続拠点(NOC(*)及びデータセンター)は、他の二接続拠点と複数の高速デジタル通信回線を経由し異なるバックボーンルータ(*)にて接続しております。また、各バックボーン回線の容量は、複数の通信キャリアの回線を利用することで大容量化し、通過するトラフィックのピーク時点においても余裕のある帯域を確保しております。当社グループのインターネットバックボーン網は、これらにより、単一の通信回線、バックボーンルータ、通信キャリアの通信設備、或いは当社グループの接続拠点における何らかの障害が発生した場合でも、可能な限り品質を劣化させることなく動作し続けられる設計としております。
このような設計に基づき、主要拠点である東京及び大阪を含む国内拠点を結ぶ大容量のインターネットバックボーン網を運用しております。相互接続に関しては、持分法適用関連会社であるインターネットマルチフィード㈱が運営する相互接続ポイントであるJPNAP(*)に、当社の東京の複数の拠点及び大阪の拠点より大容量回線にて接続しており、また、WIDEプロジェクトが主催するdix-ie(Distributed IX in EDO)(*)という相互接続ポイント運用プロジェクトに、プロジェクト発足当時から参加し相互接続を行っております。加えて、国内主要ISPとピアリング(*)(相互接続)を実施しております。
米国内のインターネットバックボーン網は、当社の連結子会社であるIIJ America Inc.にて、国内と同様な考えに基づき設計され構築及び運用されております。米国の複数の主要相互接続ポイントに接続をしており、米国及び他国の主要なISPとピアリングを実施しております。日米間のインターネットバックボーン網は、複数の異なる国際通信キャリアから調達した国際バックボーン回線を、日本と米国にて複数の拠点で接続しており、日米間においても耐障害性の高いネットワークの運用を行っております。
欧州へのインターネットバックボーン網は、日英間を直接接続することにより伝送遅延を低減するとともに、米国と欧州を接続することで2つの経路を利用可能とし、一方の経路で何らかの障害が発生した場合でも可能な限り品質を劣化させることなく動作し続けられる設計で構築されております。
アジアにおけるインターネットバックボーン網は、日本、香港及びシンガポールの3カ国を各々接続することにより2つの経路を利用可能とし、一方の経路で何らかの障害が発生した場合でも可能な限り品質を劣化させることなく動作し続けられる設計で構築されております。これらの海外インターネットバックボーン網は、英国、シンガポール、香港において各々主要な相互接続ポイントに接続をしております。
当社グループは、MVNO形態にて、法人及び個人向けモバイルデータ通信サービスを提供しております。モバイルデータ通信サービスの提供に必要なモバイル通信網については、NTTドコモ及びKDDI等のモバイル通信キャリアより卸電気通信役務の提供を受けており、契約回線数やトラフィックの状況等を踏まえて必要な帯域をNTTドコモ及びKDDI等より借り受け、運営しております。
②データセンター
当社グループは、2024年3月末現在、国内は東京、大阪、横浜、札幌、白井、名古屋、松江、福岡にて、海外は米国、英国及びシンガポールにてデータセンターを運営しております。
自社所有のデータセンターとしては、島根県松江市において、外気冷却コンテナ型データセンターを運営しております。また、千葉県白井市において、システムモジュール型データセンターである白井データセンターキャンパスを運営しております。その他のデータセンターについては、他事業者のデータセンター施設設備を利用する態様で運営しております。
当社グループは、原則として、各データセンター間を大容量のバックボーン回線で接続することにより障害時のバックアップや各々のデータセンターにおける負荷分散を可能とし、耐障害性を高めております。また、データセンター内における回線の二重化や大規模なシステムを収容可能な電源、耐震または免震構造、セキュリティ管理等の環境を備えております。当社グループは、データセンターにて、インターネット接続サービスの提供、ネットワーク機器及びサーバ等の運用監視、システムインテグレーションの提供等、顧客のシステムを預かり運用管理を行う体制を整えております。
当社グループの事業の概要を系統図で示すと、下記のとおりであります。
(注)1.議決権の所有割合又は被所有割合は間接所有を含んだ割合であり、括弧内は間接所有の議決権の割合であります。
2.㈱IIJグローバルソリューションズは、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
3.その他の連結子会社7社は、IIJ Deutschland GmbH、IIJ Global Solutions(Thailand) Co.,Ltd.、IIJ (Thailand) Co., Ltd.、IIJ Global Solutions Hong Kong Ltd.、IIJ Global Solutions Vietnam Company Limited、PT.IIJ Global Solutions Indonesia及びPTC SYSTEMS SDN. BHD.であります。
4.その他の持分法適用会社2社は、PT.BIZNET GIO NUSANTARA及びLeap Solutions Asia Co., Ltd.であります。
部門別の従業員数は、次のとおりであります。
(注)1.従業員数として、職員及び契約社員の総数を記載しております。受入出向社員は含んでおりません。なお、括弧内はアルバイト社員数(当連結会計年度における平均臨時雇用人員数)であり、外書きで示しております。
2.当社グループは、「ネットワークサービス及びSI事業」及び「ATM運営事業」との区分にてセグメント情報を開示しております。上記の部門別従業員数のうち「ATM運営事業」に従事する従業員数は以下のとおりであり、その他の従業員は「ネットワークサービス及びSI事業」に従事しております。
<ATM運営事業に従事する従業員の内訳>
(注)1.従業員数として、職員及び契約社員の総数を記載しております。受入出向社員は含んでおりません。なお、括弧内はアルバイト社員数(当事業年度における平均臨時雇用人員数)であり、外書きで示しております。
2.平均年間給与は、職員及び契約社員を対象に算出しており、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係については円満に推移しており、労使関係について特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
2024年3月31日現在
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3. 役割別の男女の賃金差異 管理職 92.8% 一般社員 84.8%
② 連結子会社
2024年3月31日現在
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2. 役割別の男女の賃金差異
㈱IIJグローバルソリューションズ 管理職 98.0% 一般社員 97.8%
㈱IIJエンジニアリング 管理職 97.6% 一般社員 84.6%
㈱IIJプロテック 管理職 -% 一般社員 83.3%
ネットチャート㈱ 管理職 89.1% 一般社員 93.4%