第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第76期

第77期

第78期

第79期

第80期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高

(百万円)

66,725

71,471

78,001

78,397

73,832

経常利益

(百万円)

6,225

9,574

9,311

8,104

6,390

親会社株主に帰属する
当期純利益

(百万円)

1,821

6,357

6,811

6,284

4,488

包括利益

(百万円)

856

7,787

6,800

6,144

6,426

純資産額

(百万円)

52,827

62,010

68,075

72,470

74,836

総資産額

(百万円)

71,487

82,732

88,425

91,474

95,094

1株当たり純資産額

(円)

1,842.51

2,048.05

2,226.97

2,394.76

2,546.12

1株当たり当期純利益金額

(円)

63.53

219.72

222.91

205.73

152.74

潜在株式調整後
1株当たり
当期純利益金額

(円)

219.47

自己資本比率

(%)

73.9

74.9

77.0

79.2

78.7

自己資本利益率

(%)

3.4

11.1

10.5

8.9

6.1

株価収益率

(倍)

20.5

7.2

5.5

7.2

16.2

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

3,203

9,098

7,737

6,556

7,388

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

3,352

5,694

2,361

5,834

3,853

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

1,027

2,512

1,430

3,115

2,824

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

17,181

23,110

27,091

24,709

25,445

従業員数

(名)

917

924

958

972

977

[ほか、平均臨時雇用者数]

 

[373]

[379]

[412]

[422]

[424]

 

(注) 1 第76期、第78期、第79期、第80期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

2「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第78期の期首から適用しており、第78期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第76期

第77期

第78期

第79期

第80期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高

(百万円)

33,763

34,907

38,291

38,880

36,278

経常利益

(百万円)

4,049

6,316

6,889

5,845

4,181

当期純利益

(百万円)

861

4,789

5,948

5,165

3,867

資本金

(百万円)

2,919

2,919

2,919

2,919

2,919

発行済株式総数

(株)

31,685,955

31,685,955

31,685,955

31,685,955

31,685,955

純資産額

(百万円)

36,936

44,111

49,140

52,525

53,686

総資産額

(百万円)

56,556

67,131

72,995

75,216

78,128

1株当たり純資産額

(円)

1,288.25

1,456.79

1,607.55

1,735.70

1,826.55

1株当たり配当額

(円)

34.00

38.00

42.00

50.00

70.00

(うち1株当たり
中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(35.00)

1株当たり当期純利益金額

(円)

30.03

165.52

194.65

169.10

131.59

潜在株式調整後
1株当たり
当期純利益金額

(円)

165.33

自己資本比率

(%)

65.3

65.7

67.3

69.8

68.7

自己資本利益率

(%)

2.3

11.8

12.8

10.2

7.3

株価収益率

(倍)

43.3

9.5

6.3

8.8

18.8

配当性向

(%)

113.2

23.0

21.6

29.6

53.2

従業員数

(名)

394

404

431

442

455

[ほか、平均臨時雇用者数]

 

[164]

[168]

[175]

[178]

[197]

株主総利回り

(%)

121.8

150.9

123.2

150.9

247.0

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(90.5)

(128.6)

(131.2)

(138.8)

(196.2)

最高株価

(円)

1,496

1,909

1,624

1,579

2,615

最低株価

(円)

974

1,190

1,183

1,133

1,475

 

(注) 1 第76期、第78期、第79期、第80期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

2 第79期の1株当たり配当額50円には、創業80周年記念配当5円を含んでおります。また、第80期の1株当たり配当額70円には、創業80周年記念配当10円を含んでおります。

3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第78期の期首から適用しており、第78期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

4 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。

 

2 【沿革】

1943年10月、アスファルト防水工事およびアスファルト製品の販売を目的として創業者池田英一が日本瀝青化学工業所を設立しました。1946年8月に合資会社日本瀝青化学工業所を設立した後、1950年10月、東京都荒川区に東京工場を建設し、アスファルト乳剤の製造を開始しました。事業の拡大に伴い1954年2月、日瀝化学工業株式会社を設立し、これらの事業を継承しました。

1969年1月、株式の額面金額の変更ならびに系列会社(日瀝特殊化工株式会社、合資会社日本瀝青化学工業所)の統合による経営および事業の合理化を目的として株式会社日瀝(1949年9月設立東京都港区所在、資本金100万円)を存続会社として4社対等合併を行い、ただちに社名を日瀝化学工業株式会社に変更し本店を東京都千代田区に移転し、その後1994年10月、ニチレキ株式会社に商号変更しました。

設立以後の主な変遷は、以下に記載のとおりであります。

1954年6月

大阪工場を建設し、出張所を併設(1966年1月大阪支店に改組、1999年4月関西支店に改称)

1957年11月

東京工場に研究室および営業所を併設(1966年1月東京支店に改組)

1958年1月

小山工場を建設し、コンクリート目地材料および建築防水材の製造を開始(1963年7月出張所を併設、1972年1月関東支店に改組)

1958年12月

研究室を中央研究所と改称(1977年4月関東支店内に移転、技術研究所に改称)

1959年3月

名古屋出張所を開設(1960年6月工場を併設、1966年1月名古屋支店に改組、1999年4月中部支店に改称)

1961年1月

福岡出張所を開設(1962年1月工場を併設、1966年1月福岡支店に改組、1986年12月九州支店に改称)

1962年4月

仙台工場を建設し、出張所を併設(1968年1月仙台支店に改組、1986年12月東北支店に改称)

1963年6月

広島出張所を開設(1968年1月広島支店に改組、1970年8月工場を併設、1986年12月中国支店に改称)

1963年7月

高松出張所(同年11月工場を併設、1986年12月四国支店に改組)

1968年7月

札幌工場を建設し、出張所を併設(1973年1月恵庭に移転、恵庭工場、北海道営業所に改組、1986年12月北海道支店に改称)

1968年10月

建設業法による東京都知事登録(ぬ)第45075号登録を取得し舗装・防水工事の請負を開始

1970年1月

東京証券取引所市場第二部に上場

1970年10月

日瀝道路株式会社(現・連結子会社)を設立

1972年6月

大阪証券取引所市場第二部に上場

1973年2月

北海道ニチレキ工事株式会社(1980年7月商号変更、現・連結子会社)を設立

1974年1月

建設業法による建設大臣許可(般―48)第2839号(ほ装、防水)登録(以降3年毎に、1995年から5年毎に更新)

1974年2月

東京証券取引所ならびに大阪証券取引所市場第一部に上場

1975年8月

東北ニチレキ工事㈱、九州ニチレキ工事㈱、中国ニチレキ工事㈱の3社(現・連結子会社)を設立

1977年4月

中部ニチレキ工事㈱、近畿ニチレキ工事㈱、四国ニチレキ工事㈱の3社(現・連結子会社)を設立

1979年4月

日レキ特殊工事㈱(現・連結子会社)を設立

1980年3月

建設コンサルタント建設大臣登録建55第2922号登録(以降3年毎に、1992年から5年毎に更新)

1986年12月

測量関連事業およびコンピュータ情報関連事業を開始

1990年9月

建設業法による建設大臣許可のうち、ほ装工事業を(特―63)第2839号として登録

1991年2月

測量業大臣登録第19730号に登録(以降5年毎に更新)

1995年7月

千葉市に臨海型の千葉工場を船橋市から移設し、同所に営業所を併設

 

 

1997年3月

東京支店・千葉営業所・千葉工場においてISO9002の認証を取得、その後埼玉営業所・神奈川営業所・多摩出張所を含め拡大認証を得る。以後、2005年3月までに残りの8支店も順次認証を取得

1998年4月

建設大臣許可(特-10)第2839号をもって、とび・土工工事業を追加

2001年2月

仙台市宮城野区に臨海型の仙台工場を建設し、東北支店を移転併設

2002年12月

中華人民共和国・北京市に特殊舗装材料の製造・販売を行う日中合弁会社 北京路新大成景観舗装有限公司を設立

2004年7月

シンガポールに日本・シンガポール・タイの合弁会社 ピーエスニチレキを設立

2004年8月

九州地区生産拠点として臨海型の大分工場の全面操業開始

2005年5月

屋内外の各種表示の企画・設計・製作・販売・施工を行うグラフィックス事業を開始

2005年8月

物流スペースの確保と業務の機能強化を図るため、東京支店を越谷市に移転

2005年9月

大阪証券取引所での株式の上場を廃止

2006年1月

中華人民共和国・北京市にある北京市市政一建設工程有限責任公司に出資、合弁会社として営業許可を取得

2006年4月

中国ニチレキ工事㈱(存続会社)と山陰ニチレキ㈱が合併、近畿ニチレキ工事㈱(存続会社)と大阪ニチレキ㈱が合併

2006年12月

東京支店跡地に賃貸マンションを建設・竣工

2007年2月

本社機構と9支店を含めたニチレキ統一版ISO9001の認証を取得

2007年3月

朝日工業テクノス㈱(2022年4月商号変更)の株式を取得し、連結子会社とする。

2007年4月

日瀝道路㈱(存続会社)と茨城ニチレキ㈱、群馬ニチレキ㈱が合併、中部ニチレキ工事㈱(存続会社)と北陸ニチレキ㈱が合併

2007年4月

中華人民共和国・杭州市に日中合弁会社 杭州同舟瀝青有限公司を設立(2021年4月清算結了)

2008年2月

連結子会社を含めたニチレキグループ統一版ISO9001の認証を取得

2008年4月

中部ニチレキ工事㈱(存続会社)と静岡ニチレキ㈱が合併、佐賀ニチレキ㈱(存続会社)と長崎ニチレキ㈱が合併し、西九州ニチレキ㈱となる。

2009年4月

近畿ニチレキ工事㈱(存続会社)と兵庫ニチレキ㈱が合併

2010年8月

中華人民共和国・重慶市に日中合弁会社 重慶市三瀝高科道路材料有限責任公司を設立(2022年8月非関連会社化)

2010年10月

中華人民共和国・上海市に子会社 日瀝(上海)商貿有限公司を設立

2012年2月

連結子会社を含めたニチレキグループ統一版ISO14001の認証を取得

2013年8月

中華人民共和国・上海市に日中合弁会社 上海城建日瀝特種瀝青有限公司を設立

2014年11月

連結子会社を完全子会社とする。

2016年5月

技術研究所に新研究棟が完成

2017年9月

ラインファルト工業㈱(大阪府堺市)の株式を取得し、完全子会社とする。

2018年10月

伸和化工㈱(群馬県高崎市)の株式を取得し、完全子会社とする。

2019年12月

ヒートロック工業㈱(新潟県新潟市)の株式を取得し、完全子会社とする。

2022年4月

東京証券取引所の市場再編に伴い「プライム市場」を選択・移行

2023年10月

伊藤忠エネクス㈱との資本業務提携

 

 

 

 

 

3 【事業の内容】

当社および当社の関係会社(連結子会社35社、関連会社4社)が営んでいる主な事業は、道路舗装に関する製品、技術、工事等を幅広く提供する事業活動を展開しております。

当社グループの事業に係わる会社の位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。

なお、セグメントと同一の区分であります。

(1) アスファルト応用加工製品事業

当社は、アスファルト乳剤、改質アスファルト等の製造・販売を行っております。また、連結子会社および海外関係会社の一部は、当社の製品を販売しております。

(2) 道路舗装事業

当社および連結子会社日瀝道路㈱他32社ならびに海外関係会社の一部は、舗装工事および防水工事等の請負を行っております。

(3) その他

当社および連結子会社の一部は、不動産の賃貸を行っております。また連結子会社安全開発㈱は、当社グループの損害保険代理業等を行っております。

当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。

 

 


 

 

4 【関係会社の状況】

(連結子会社)

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業

の内容

議決権の所有
(被所有)割合

(%)

関係内容

  北海道ニチレキ工事㈱

 

北海道札幌市白石区

40

道路舗装事業

100.0

当社の製品購入および道路舗装工事の請負をしております。なお、当社所有の土地および建物の賃借ならびに役員の兼任1名。

  東北ニチレキ工事㈱

 

宮城県仙台市若林区

65

道路舗装事業

100.0

当社の製品購入および道路舗装工事の請負をしております。なお、当社所有の土地および建物の賃借。

  日瀝道路㈱

 

東京都千代田区

80

道路舗装事業

100.0

当社の製品購入および道路舗装工事の請負をしております。なお、当社所有の土地および建物の賃借ならびに役員の兼任1名。

  日レキ特殊工事㈱

 

東京都荒川区

30

道路舗装事業

100.0

当社の製品購入および道路舗装工事の請負をしております。なお、当社所有の土地および建物の賃借ならびに役員の兼任1名。

  中部ニチレキ工事㈱

 

愛知県名古屋市港区

50

道路舗装事業

100.0

当社の製品購入および道路舗装工事の請負をしております。なお、当社所有の土地および建物の賃借。

  近畿ニチレキ工事㈱

 

滋賀県守山市

50

道路舗装事業

100.0

当社の製品購入および道路舗装工事の請負をしております。なお、当社所有の土地および建物の賃借。

  中国ニチレキ工事㈱

 

広島県東広島市

50

道路舗装事業

100.0

当社の製品購入および道路舗装工事の請負をしております。なお、当社所有の土地および建物の賃借。

  四国ニチレキ工事㈱

 

香川県高松市

20

道路舗装事業

100.0

当社の製品購入および道路舗装工事の請負をしております。なお、当社所有の土地および建物の賃借。

  朝日工業テクノス㈱

 

大分県大分市

50

道路舗装事業

100.0

当社の製品購入および道路舗装工事の請負をしております。なお、当社所有の建物の賃借ならびに役員の兼任1名。

  九州ニチレキ工事㈱

 

福岡県福岡市東区

23

道路舗装事業

100.0

当社の製品購入および道路舗装工事の請負をしております。なお、当社所有の土地および建物の賃借。

 ラインファルト工業㈱

 

大阪府堺市堺区

50

道路舗装事業

100.0

当社の製品購入および道路舗装工事の請負をしております。なお、当社所有の土地の賃借。

 その他24社

 

 

(注) 主要な事業の内容欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

アスファルト応用加工製品事業

322

[117]

道路舗装事業

502

[227]

その他

3

[-]

全社(共通)

150

[80]

合計

977

[424]

 

(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。

2 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

455

43.2

15.9

7,138

[197]

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

アスファルト応用加工製品事業

277

[117]

道路舗装事業

25

[-]

その他

3

[-]

全社(共通)

150

[80]

合計

455

[197]

 

(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は[ ]内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。

2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

3 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

(3) 労働組合の状況

ニチレキ株式会社労働組合と称し、1956年3月1日に結成され、2024年3月31日現在の組合員数は166名でJEC連合に所属しております。なお、連結子会社は労働組合を結成しておりません。
 また、労使関係においては、結成以来円満に推移しており特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

管理職に占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

1.1

100

49.25

55.44

54.19

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。