名 称 株式会社青木商店
所在地 愛知県名古屋市中村区鳥居西通一丁目1番地
2021年4月14日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2023年5月1日から2027年4月30日までとするもの)(以下「本新株予約権」といいます。)
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2024年1月5日開催の取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
本項の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
公開買付者は、1989年10月20日に設立された株式会社であり、本書提出日現在において、不動産の賃貸借等を主たる事業内容とし、当社株式を所有する当社の創業家一族の資産管理会社とのことです。創業家一族の1人である青木俊道氏が代表取締役を務め、青木俊道氏及び創業家一族(青木俊道氏の一親等の親族を含みます。)がその発行済株式の全てを所有しているとのことです。また、公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場へ上場している当社株式172,240株(所有割合:2.86%)を所有しているとのことです。また、本書提出日現在、青木俊道氏は、当社株式192,441株((同氏が所有する本書提出日現在行使可能な本新株予約権50個の目的である当社株式数5,000株を含みます。)(所有割合:3.19%、株主順位:第4位)を所有しているとのことです。今般、公開買付者は、当社株式及び本新株予約権の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式、公開買付者の所有する当社株式及び本不応募合意株式(以下に定義します。)を除きます。)を取得し、当社株式を非公開化するための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することとしたとのことです。
本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、青木俊道氏は、本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定しているとのことです。本書提出日現在、公開買付者と当社のその他の取締役及び監査役との間には、本公開買付け後の役員就任や処遇について合意はなく、本公開買付け成立後の当社の役員構成を含む経営体制については、本公開買付け成立後、当社及び本不応募合意株主(以下に定義します。)と協議しながら決定していく予定とのことです。
本公開買付けの実施にあたり、公開買付者は、当社の代表取締役社長であり株主である青木俊道氏(所有株式数:192,441株(同氏が所有する本書提出日現在行使可能な本新株予約権50個の目的である当社株式数5,000株を含みます。)、所有割合:3.19%、株主順位:第4位)、青木俊道氏の父である青木偉晃氏が代表取締役を務める株式会社東海流通システム(以下「東海流通システム」といいます。)(注1)(所有株式数:2,128,427株、所有割合:35.28%、株主順位:第1位)、当社の創業家一族である青木偉晃氏(所有株式数:172,319株、所有割合:2.86%、株主順位:第5位)、中嶋勇氏(所有株式数:169,692株、所有割合:2.81%、株主順位:第7位)、青木美智代氏(所有株式数:101,500株、所有割合:1.68%、株主順位:第8位)、中嶋八千代氏(所有株式数:77,680株、所有割合:1.29%、株主順位:第9位)、橋本香澄氏(所有株式数:47,000株、所有割合:0.78%)、深瀬仁美氏(所有株式数:47,000株、所有割合:0.78%)、中嶋早百合氏(所有株式数:44,320株、所有割合:0.73%)、中嶋恵子氏(所有株式数:38,500株(同氏が所有する本書提出日現在行使可能な本新株予約権20個の目的である当社株式数2,000株を含みます。)、所有割合:0.64%、中嶋信広氏(所有株式数:9,000株、所有割合:0.15%)、青木美咲希氏(所有株式数:5,000株、所有割合:0.08%)、中嶋美帆氏(所有株式数:4,000株、所有割合:0.07%)、中嶋智也氏(所有株式数:4,000株、所有割合:0.07%)、青木舜史氏(所有株式数:3,000株、所有割合:0.05%)及び青木早織氏(所有株式数:500株、所有割合:0.01%)(以下、青木俊道氏、東海流通システム、青木偉晃氏、中嶋勇氏、青木美智代氏、中嶋八千代氏、橋本香澄氏、深瀬仁美氏、中嶋早百合氏、中嶋恵子氏、中嶋信広氏、青木美咲希氏、中嶋美帆氏、中嶋智也氏、青木舜史氏及び青木早織氏を総称して、「本不応募合意株主」といいます。)との間で、2024年1月5日付で、本不応募合意株主それぞれが所有する当社株式及び本新株予約権の全て(合計:3,044,379株(本不応募合意株主が所有する本書提出日現在行使可能な本新株予約権70個の目的である当社株式数7,000株を含みます。)、所有割合:50.47%。以下「本不応募合意株式」といいます。)を本公開買付けに応募しない旨、及び本公開買付けが成立した場合には本臨時株主総会(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に定義します。以下同じです。)において本スクイーズアウト手続(以下に定義します。以下同じです。)に関連する各議案に賛成する旨を書面で合意しているとのことです(これらの合意を総称して、以下「本不応募合意」といいます。)。本不応募合意の詳細につきましては、下記「(7) 本公開買付けに関する重要な合意」をご参照ください。これにより、本公開買付けが成立した場合、当社の株主は、(ⅰ)本公開買付け前から所有していた当社株式172,240株と下記買付予定数の下限に相当する当社株式805,500株(所有割合:13.35%)以上を所有する公開買付者、(ⅱ)本不応募合意株主(所有割合:50.47%)及び(ⅲ)本公開買付けに応募しなかった当社の株主(ただし、公開買付者及び本不応募合意株主を除きます。)となる予定とのことです。そして、本公開買付け成立後に実施を予定している本スクイーズアウト手続により、(ⅰ)公開買付者及び(ⅱ)本不応募合意株主のみが当社の株主となることを予定しているとのことです。
(注1)東海流通システムは、運送業、損害保険代理業及び不動産賃貸業を行う株式会社であり、その発行済株式は、全て、(ⅰ)公開買付者、及び、(ⅱ)青木俊道氏、青木偉晃氏その他の当社の創業家一族により所有されているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて805,500株(所有割合:13.35%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(805,500株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。一方、本公開買付けは当社株式を非公開化することを目的としているため、公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(805,500株)以上の場合は応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(805,500株)は、潜在株式勘案後株式総数(6,032,605株)に係る議決権数(60,326個)に3分の2を乗じた数(40,218個)より、公開買付者が所有する議決権数(1,722個)及び本不応募合意株主が所有する本不応募合意株式に係る議決権数(30,441個(本不応募合意株主が所有する本書作成日現在行使可能な本新株予約権の合計70個の目的である株式に係る議決権数(70個)を含みます。))の合計(32,163個)を控除した議決権数(8,055個)に、当社の単元株式数である100株を乗じた株式数としているとのことです。かかる買付予定数の下限を設定したのは、本取引においては当社株式を非公開化することを目的としているところ、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続として行われる当社株式の株式併合(以下「本株式併合」といいます。)の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされていることを踏まえ、本取引を確実に実施できるように設定したものとのことです。なお、本不応募合意株式については、本不応募合意株主との間で本公開買付けに応募しない旨及び本公開買付けが成立した場合には本臨時株主総会において本スクイーズアウト手続に関連する各議案に賛成する旨の合意が成立しているため、上記の議決権数の算定において控除されているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにより当社株式及び本新株予約権の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式、公開買付者の所有する当社株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、当社の株主を公開買付者及び本不応募合意株主のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。詳細については、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。)を実施する予定とのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けに係る決済に要する資金を、株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)からの借入れ(以下「本ローン」といいます。)により賄うことを予定しており、本公開買付けの成立等を条件として、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに、本ローンに係る借入れを行うことを予定しているとのことです。本ローンに関する融資条件の詳細については、三菱UFJ銀行と別途協議の上、本ローンに係る融資契約において定めることとされているとのことですが、本ローンに係る融資契約では、東海流通システムが所有する一定の不動産が担保に供されるほか、本スクイーズアウト手続を通じて当社の株主が公開買付者及び本不応募合意株主のみとなった後は、当社の一定の不動産が担保に供される予定とのことです。
当社は創業者である青木章氏が1941年6月に愛知県名古屋市郊外の大治町において青果小売店である青木商店を開業したことに始まり、1949年12月に改組した合名会社青木商店を前身としております。その後、1974年6月に食品スーパーマーケットのチェーンストア経営を目的として株式会社アオキスーパーを設立し、合名会社青木商店より食品スーパー部門の営業譲渡を受けて事業を引き継ぎ、現在に至っております。
当社は、1994年6月に日本証券業協会に株式を店頭登録、2004年12月に株式会社ジャスダック証券取引所(以下「ジャスダック証券取引所」といいます。)に株式を上場し、2010年4月にジャスダック証券取引所と株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。)の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQ市場に上場いたしました。その後、2010年10月に大阪証券取引所ヘラクレス市場、同取引所JASDAQ市場及び同取引所NEO市場の各市場の統合に伴い、大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場に上場し、2013年7月の大阪証券取引所及び東京証券取引所の現物市場の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場への上場を経て、現在は2022年4月に実施された東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、東京証券取引所スタンダード市場に上場しております。
当社のグループは、本書提出日現在、当社及びその他の関係会社1社(以下「当社グループ」といいます。)で構成されております。当社グループは、食品スーパーマーケットである「アオキスーパー」を中心にチェーン展開し、青果・畜産・水産などの生鮮食料品や弁当・揚げ物などの惣菜、菓子・日配品などの加工食品及び日用雑貨を販売し、愛知県に特化したドミナント戦略を推進しており、本書提出日現在、51店舗を展開しております。また、主な事業である食品スーパーマーケットの他、ショッピングセンター「アズパーク」、ガーデニング関連商品の販売店である「花いちば アズガーデン」を展開しております。
当社グループは、「品質と価格で暮らしのお手伝い」をモットーに、地域のお客様に安くて新鮮な食品を提供するためにローコスト経営を追求していくことを経営理念として、愛知県を中心とした地域密着型の事業展開を行い、地域のお客様からの信頼を積み重ねてまいりました。今後もお客様の期待に応える企業となるため、事業環境の変化に対応した店舗運営の見直しや、商品回転率及び売場効率の向上、機械・ITを活用した生産性の改善、顧客データの活用及び人材教育などに取り組みながら企業価値の向上を目指しております。
一方で、足元の食品スーパーマーケット市場は、地政学的な情勢変化及び急激な円安に伴う資源エネルギー価格・原材料価格の高騰等に起因した商品価格の値上げが進展しており、また中長期的な少子高齢化による人口減少や近年のドラッグストア及びネット通販大手等の異業種による食品取扱量の増加を背景として、当社は、国内の市場規模は中長期的に縮小していくことを見込んでおり、限られた市場の中でシェアを確保するための価格競争が激化していると考えております。
当社グループにおいては、消費者の簡便化・健康志向に対するニーズの変化や物価高に伴う仕入価格の上昇、資源エネルギー価格の高騰に伴う水道光熱費の上昇、労働人口の減少に伴う人件費の上昇、「2024年問題」(注2)を背景とする物流費の高騰等、継続した各種コストの高止まりへの対応が求められており、2022年3月下旬、依然として当社グループを取り巻く事業環境は予断を許さない状況であると認識し、それ以降も同様の認識を有しております。
そのような状況下、大手食品スーパーマーケット各社は、経営統合や完全子会社化を通じて、スケールメリットによる低価格化や積極的な店舗投資、IT・デジタルトランスフォーメーション(以下「DX」といいます。)を活用した業務の効率化や顧客サービスの拡充により、競争力や収益力の向上を加速させております。また、当社グループの主要な事業地域である愛知県は、商圏人口が多く、物流・交通の利便性が高いことから、近年は県外を地盤とする食品スーパーマーケットによる同県への出店が活発化しており、事業環境が一層激化すると当社は予想しております。
(注2)「2024年問題」とは、働き方改革関連法によって、2024年4月に、自動車運転業務に対して、時間外労働時間の年間960時間の上限規制が適用されることに伴い発生するドライバー不足を含む諸問題のことです。
このような事業環境の下、当社の代表取締役社長である青木俊道氏は、2022年3月下旬、当社が従来の施策や各年度の戦略を遂行するだけでは、当社グループが直面している同業他社及びドラッグストア等の異業種との競争激化や物価高に伴う仕入価格の上昇、電気料金や物流費、人件費をはじめとする経費の増加といった課題に対処し、持続的な成長を図ることが困難であると強い危機感を感じるようになったとのことです。
また、青木俊道氏は、2022年11月上旬、このような当社グループの置かれている事業環境を踏まえ、今後の業績改善に向けた施策について具体的に検討を開始し、当社グループが更なる発展を遂げ、十分なキャッシュ・フローを創出し続けるためには、新たな施策を積極的かつ機動的に検討・実行できる経営体制を構築し、足元の業績や株価だけを追求するのではなく、当社グループの中長期的な企業価値向上のための施策を実行することが重要であると2023年4月中旬に考えるようになったとのことです。具体的には、下記(Ⅰ)及至(Ⅳ)の各施策を実行することを考えているとのことです。
新型コロナウイルス感染症の流行を契機とした社会環境のデジタル化の加速によるお客様のライフスタイルや消費行動の変化、購買チャネルの多様化の他、地政学的な情勢変化や急激な円安に伴う資源エネルギー価格・原材料価格の高騰等、食品スーパーマーケットを取り巻く事業環境は大きく移り変わっているとのことです。
そのような事業環境の中で、当社グループは、「電子マネー機能付ポイントカード」や「アオキスーパー公式アプリ」の導入による電子決済への対応やレシートの電子化の他、外部事業者が提供する専用アプリ等を通じて注文を受け、店舗で販売している生鮮食料品や日用品を即時配達するサービス「クイック(Q)コマース」の導入等の取り組みに努め、DXを推進してまいりました。
しかしながら、今後益々デジタル化が加速する中でお客様のニーズの変化に対応していくためには、より高度なDXへの対応を求められることが見込まれることから、青木俊道氏は、変化するお客様の需要の捕捉や生産性向上に向けたDX投資を従来以上に迅速かつ大胆に行うことが必要不可欠であると考えているとのことです。具体的には、顧客サービス向上を目的としたアプリの機能拡充や、QRコード決済・クレジットカード決済といったキャッシュレス決済への対応、フルセルフレジの導入、即時配達サービスの拡充等のお客様の購買行動の変化に合わせたDX投資や、店舗やアプリを通じて蓄積したデータの利活用の推進、データ分析に基づいたマーケティングの強化が必要不可欠だと考えているとのことです。さらには、自動発注システムの導入による適正な在庫・商品管理や食品ロス削減の強化等、生産性向上や業務効率化も追求したいと考えているとのことです。
(Ⅱ) 既存店の活性化や適切な店舗運営による競争力の強化
上述のように、当社は、国内の食品スーパーマーケット市場では、ドラッグストア及びネット通販大手等の異業種による食品取扱量の増加により、限られた市場の中でシェアを確保するための価格競争が激化していると考えております。さらに、県外を地盤とする食品スーパーマーケットによる愛知県への出店の活発化に伴い、当社グループの置かれている事業環境は一層激化することが予想されます。
今後もこのような事業環境が継続することが想定される中で、青木俊道氏は、当社グループが、更なる競争の激化に対応していくためには、お客様のニーズの変化に即した商品ラインナップの強化や既存店の活性化による店舗集客力の強化の他、採算性を重視した店舗運営が必要不可欠であると考えているとのことです。具体的には、お客様が求めている商品やサービスの変化に応じた商品ラインナップを実現することで、お客様に快適な買い物体験を提供することを目指すとともに、売場レイアウトの変更といった既存店舗の修繕・改装による店舗活性化の他、既存店舗の戦略的なスクラップアンドビルド等の設備改修投資による店舗収益性の更なる向上が必要だと考えているとのことです。
(Ⅲ) サプライチェーンマネジメント効率化による物流体制・コストの最適化
青木俊道氏は、世界的な資源エネルギー価格の高騰やECチャネルの拡大を背景とした物流需要の増加による物流コストの増加に加えて、昨今の物流業界における「2024年問題」に伴うドライバー不足等の物流を取り巻く環境変化に対応することが当社グループにとっての重要な課題であると考えているとのことです。
青木俊道氏は、このような事業環境の変化の中で今後も安定的かつ柔軟な物流環境を構築していくためには、物流機能の更なる高度化や効率化が必要不可欠であると考えているとのことです。具体的には、効率的な物流や安定的かつ適切な商品供給体制の構築を目的とした物流倉庫と店舗間の配送網の最適化、適正在庫を管理するシステムの構築等、物流投資の強化が必要不可欠であると考えているとのことです。
青木俊道氏は、当社グループが将来的にも成長を続けるためには、現行の物流体制から、上述のようなシステムの活用を含めたシステマチックな物流体制へのシフトが必要不可欠であると考えており、これらを通じて、物流コストや仕入原価を抑制することにより、サプライチェーン全体でのコストの最適化を追求したいと考えているとのことです。
(Ⅳ) 人的資源の強化によるオペレーション力の向上と人員配置の適正化
青木俊道氏は、上述のような厳しい事業環境の下で当社グループが中長期的な成長を実現するためには、上記(Ⅰ)乃至(Ⅲ)の各施策の実行を含む企業改革を実現できる人材が必要であると考えているとのことです。他方で、国内における少子高齢化の進展に伴い、労働力人口の減少が社会問題となっており、当社グループにおいても人的資源を確保することが年々難しくなってきているとのことです。青木俊道氏は、そのような状況下において当社グループにとって必要な人材を確保するためには、人的資源の強化による従業員一人一人の付加価値の向上や、従業員が働きやすくかつ成長できる環境を整えることが必要不可欠であると考えているとのことです。具体的には、従業員の主体的な成長をサポートする教育制度を創設し、店舗運営管理からエリアマネジメント等について体系的に学ぶための研修の実施や、現在試験的に運用している公募の研修制度の更なる充実化等を積極的に進めていくことを検討しているとのことです。また、従業員のパフォーマンスを最大限に引き出し、かつ、店舗ごとの特性に合わせた人員配置によって店舗の業務効率や生産性を向上させることで、社内の人材リソースの適正化に取り組みたいと考えているとのことです。企業成長の基盤となるものが「人財」であり、上述のような人財投資こそが、当社グループの中長期的な企業価値向上には必要不可欠であると考えているとのことです。
青木俊道氏は、これらの抜本的な経営改革のための各施策のうち、施策(Ⅰ)については、DXの推進に向けて継続的な投資をすることで、お客様の利便性向上や業務効率化等を通じた競争優位性の確保が可能となること、施策(Ⅱ)については、お客様のニーズの変化に合わせた商品・店舗の実現を推進することで、競争力の確保が可能となること、施策(Ⅲ)については、物流投資の強化により時代の趨勢に合わせた物流体制の構築が可能となること、施策(Ⅳ)については、人的資本への継続的な投資により従業員一人一人の付加価値を向上させることが可能となることから、中長期的に見れば、(Ⅰ)乃至(Ⅳ)の各施策は、当社グループの大きな成長及び企業価値の向上に資するものであると考えたとのことです。
一方で、2022年11月上旬から2023年4月中旬にかけて、上記(Ⅰ)乃至(Ⅳ)の各施策を具体的に検討する過程で、青木俊道氏は、かかる施策は事業構造の転換や将来的な取り組みを伴うものであり、直ちに当社グループの業績に貢献するものではなく、相応の時間と各種先行投資が必要になると考えるようになったとのことです。特に、上記施策(Ⅰ)では、キャッシュレス決済手段の拡充やアプリの利便性向上、自動発注システムの導入等に伴うシステム投資の増加が、施策(Ⅱ)では、既存店舗の修繕・改装や戦略的なスクラップアンドビルドに伴う先行投資の拡大が、施策(Ⅲ)では、サプライチェーンマネジメント効率化を推進する上で、物流体制の最適化のための物流投資の増加が、施策(Ⅳ)では、教育制度の拡充や人材配置の最適化等に係る人的資本に対する投資の増加がそれぞれ必要となることから、2023年4月中旬、利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化等、一時的に当社グループの財務状況や業績に大きな影響が生じる可能性や、当社グループが期待される利益を生み出すことが一時的に困難となる可能性も否定できないと考えるようになったとのことです。
また、青木俊道氏は、当社が上場企業である以上、短期的な業績に対してコミットメントが求められる中、上記各施策実行の過程で中長期的な成長を優先する意思決定を行った結果、資本市場から十分な評価が得られず、当社株式の株価の下落が生じ、既存株主の利益を損なう可能性もあるため、当社が上場を維持したままこれらの施策を実施することは困難であると考えるようになったとのことです。同時に、当社グループが直面する食品スーパーマーケット業界を取り巻く厳しい事業環境や、食品スーパーマーケット市場という成熟市場において激化する競争環境下で勝ち抜くためには、可及的速やかにこれらの施策を実施するべきであると2023年6月下旬に強く認識するようになったとのことです。
これに加えて、青木俊道氏としては、当社は2004年にジャスダック証券取引所に株式上場して以来、知名度や社会的な信用の向上等、上場メリットを享受してきた一方で、エクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込まれていないこと、金融機関との間で良好な関係を築けていること、更には、一定のブランド力やお取引先様に対する信用力は既に確保できていると考えていること等から、現在では当社が上場を維持する必要性やメリットが低下している状況であると考えたとのことです。
また、近年のコーポレートガバナンス・コードの改訂、資本市場に対する規制の強化等により、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。以下「金融商品取引法」といいます。)上の有価証券報告書やコーポレート・ガバナンスに関する報告書等を通じたステークホルダーに対する追加的かつ継続的な情報開示のための要対応事項は年々増加しており、上場会社として株式上場を維持するために必要な人的・金銭的コストの負担は増加傾向にあり、青木俊道氏としては、これらのコストが当社の経営推進上の大きな負担となる可能性も否定できないことから、当社株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあるとの考えに至ったとのことです。
さらに、青木俊道氏は、当社の事業基盤である愛知県において、今後もお客様の期待により一層応える企業となるためには、従来よりも踏み込んだ形で地域密着の運営体制を実践することが必要不可欠と考えたとのことです。青木俊道氏は、この運営体制を実践するためには、上場維持にかかる人的物的資源を、地域毎のお客様のニーズを捉えるDXの推進や商品ラインナップの強化、売場レイアウトの変更といった既存店の活性化に向けた店舗運営上の諸活動に割り当てるとともに、所有と経営を一致させ、短期的な利益にとらわれずに、経営陣・株主が一体となり柔軟かつ機動的な経営判断を行う体制を構築し、上記の抜本的な経営改革の施策の促進につなげることが必要不可欠であると考えたとのことです。
以上のとおり、青木俊道氏は、2023年4月中旬、当社グループの成長戦略を考える上で、戦略遂行のための手段の選択肢のひとつとして、当社株式の非公開化の可能性について検討を開始したとのことです。その中で、青木俊道氏は、上記の各施策の実施には相応の時間を要する可能性が高い点、事業環境の変化及び市場での競争激化により各施策を迅速に実施する必要がある点、非公開化の実現可能性、非公開化に伴う当社グループの事業面・財務面への影響及び各ステークホルダーへの影響等について慎重に検討を重ねた結果、2023年10月中旬、短期的な利益にとらわれずに、中長期的かつ持続的に当社グループの企業価値を向上させるためには、当社株式を可能な限り早期に非公開化することが、上記の各施策の推進に伴う一時的な業績の悪化等によって株価が低迷するといった当社の株主の皆様のリスク負担を回避しつつ、上記の各施策を迅速かつ円滑に実践するために最も有効な手段であるとの結論に至ったとのことです。
また、同時に、青木俊道氏は、前述の施策を推進していくためには、今後の経営ビジョンを共有する青木俊道氏を含む当社の創業家一族が当社の発行済株式の全てを取得し、当社株式を非公開化した上で、創業家一族であり、当社の現代表取締役社長として、当社グループの経営について最も深く理解している青木俊道氏自らが継続して経営を行うこと、及び、青木俊道氏自らのコミットメントの下に所有と経営を一致させ、柔軟かつ機動的な経営判断を行うことが必要であると考えていたため、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法が最適な手段であるという結論に至ったとのことです。そして、創業家の資産管理会社であって既に当社株式を2.86%所有しており、青木俊道氏が代表取締役を務めている公開買付者を本取引の実施主体とするとともに、2023年11月上旬、当社の創業家一族である本不応募合意株主に対して当社株式の処分の意向及び今後の経営ビジョンに対する意見を確認したところ、現時点で当社株式を処分する意向はなく、青木俊道氏の経営ビジョンに対しても異存はないとのことであったため、2023年11月上旬、本不応募合意株主についても、当社の非公開化後、引き続き当社の株主として残る手法を採用することとしたとのことです。
公開買付者は、本取引に関してさらに検討を進めるにあたり、2023年11月8日、外部のファイナンシャル・アドバイザーとして三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社を、外部のリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業をそれぞれ選任したとのことです。また、2023年11月8日に青木俊道氏から当社の取締役である黒澤淳史氏及び河野正幸氏に対して、当社株式の非公開化について初期的な検討を行っている旨の口頭での打診を行い、2023年11月17日、公開買付者は、当社に対し、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により、当社株式及び本新株予約権の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式、公開買付者の所有する当社株式及び不応募合意がなされる場合にはその対象となる株式を除きます。)を取得し、当社を非公開化することに関する意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を提示したとのことです。
そして、公開買付者は、本意向表明書に記載された本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足元の株価動向を踏まえ、2023年12月5日から2024年1月4日までの間、当社及び特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。委員の構成その他具体的な諮問事項等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)との間で本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)及び「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限の設定に関する協議・検討を重ねたとのことです。
具体的には、公開買付者は、当社に対し、2023年12月5日、2023年12月4日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,576円に対して16.46%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアム率の計算において同じです。)、過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,576円に対して16.46%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,626円に対して14.24%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,598円に対して15.47%のプレミアムが付与されていることを確認の上、本公開買付価格を3,000円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である8,500円とする初回提案を行ったとのことです。その後、公開買付者は、2023年12月7日、本特別委員会より、提案された本公開買付価格及び本新株予約権買付価格が、少数株主の利益に十分に配慮された金額とはいえないことを理由に、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の再検討の要請を受けたため、当社に対し、2023年12月13日、2023年12月12日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,585円に対して31.53%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,569円に対して32.35%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,620円に対して29.77%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,604円に対して30.57%のプレミアムが付与されていることを確認の上、本公開買付価格を3,400円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である48,500円とする旨の再提案を行ったとのことです。その後、公開買付者は、2023年12月15日、本特別委員会より、提案された本公開買付価格及び本新株予約権買付価格が、少数株主の利益に十分に配慮された金額とはいえないことを理由に、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の再検討の要請を受けたため、当社に対し、2023年12月19日、2023年12月18日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,576円に対して39.75%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,573円に対して39.91%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,613円に対して37.77%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,607円に対して38.09%のプレミアムが付与されていることを確認の上、本公開買付価格を3,600円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である68,500円とする旨の再提案を行ったとのことです。その後、公開買付者は、2023年12月21日、本特別委員会より、他のマネジメント・バイアウト(MBO)事案のプレミアム水準の近時の動向、当社の2024年2月期の通期見通しが予算対比で増益となる見込みであり、通期業績予想修正の可能性が想定されること、当社のPBRの水準等を勘案すると、提案された本公開買付価格及び本新株予約権買付価格が、少数株主の利益に十分に配慮された金額とはいえないことを理由に、本公開買付価格を3,900円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である98,500円とする旨の要請に加え、公正性担保措置の観点から「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限の設定を求める旨の要請を受けたため、当社に対し、2023年12月22日、2023年12月21日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,549円に対して45.15%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,576円に対して43.63%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,605円に対して42.03%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,608円に対して41.87%のプレミアムが付与されていることを確認の上、本公開買付価格を3,700円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である78,500円とする旨、及び、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限の設定は、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けへの応募を希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性もあると考えていることから、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定しない旨の再提案を行ったとのことです。その後、公開買付者は、2023年12月26日、本特別委員会より、他のマネジメント・バイアウト(MBO)事案のプレミアム水準の近時の動向、当社の2024年2月期の通期見通しが予算対比で増益となる見込みであり、通期業績予想修正の可能性が想定されること、当社のPBRの水準等を勘案すると、依然として、提案された本公開買付価格及び本新株予約権買付価格が、少数株主の利益に十分に配慮された金額とはいえないことを理由に、本公開買付価格を3,850円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である93,500円とする旨の要請に加え、公正性担保措置の観点から「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限の設定を求める旨の要請を受けたため、当社に対し、2023年12月26日、2023年12月26日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,522円に対して50.67%、過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,569円に対して47.92%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,594円に対して46.49%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,607円に対して45.76%のプレミアムが付与されていることを確認の上、本公開買付価格を3,800円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である88,500円とする旨、及び、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限の設定は、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けへの応募を希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性もあると考えていることから、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定しない旨の最終提案を行ったとのことです。その後、公開買付者は、2023年12月27日、本特別委員会より、現時点における経済情勢、市場動向、その他当社を巡る経営環境に変動が生じないことを前提に、最終提案の本公開買付価格及び本新株予約権買付価格は少数株主の保護の観点から十分に妥当であると考えられること、また、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格を踏まえると、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定することは少数株主の利益に資さない可能性もあり得ることを理由として、最終提案に応諾する旨の回答を受けたとのことです。その後、公開買付者は、2024年1月4日、当社より、かかる本特別委員会の意見のほか、2024年1月4日付で山田コンサルから取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容も踏まえて慎重に検討を行い、その結果、当該価格は、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年1月4日の東京証券取引所スタンダード市場における近時の他のマネジメント・バイアウト(MBO)事案と比較して合理的なプレミアムが付されていると評価でき、また、下記「(3) 算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載の山田コンサルによる市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限値を上回っていること、かつディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの中央値を上回っていることから、公開買付者の最終提案を引き続き応諾する旨の回答を受け、本公開買付価格を3,800円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である88,500円とすることで当社との間で合意に至りました。なお、これらの市場株価には、当社が2024年1月5日付で公表した「通期業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の業績予想の上方修正の影響が反映されていないため、当該プレミアム水準のみを重視して本公開買付価格の是非を判断することはできないものの、少なくとも、当該上方修正の影響が反映されていない市場株価を基準としたプレミアム水準は、近時の他のマネジメント・バイアウト(MBO)事案と比較して合理的なものであると認められることから、当該上方修正の影響が反映されていない市場株価を基準としたプレミアム水準を参考として考慮しております。また、下記「(3) 算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載のとおり、DCF法の算定の基礎とした当社の事業計画に基づく財務予測は、当社が本日公表した「通期業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の2024年2月期通期業績予想を考慮しております。
(注3)経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降2023年11月14日までに公表されたマネジメント・バイアウト(MBO)による非公開化を目的とした公開買付けの事例59件における、公表日前営業日の終値、並びに過去1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均値それぞれに対するプレミアムの平均値は、順に43.83%、46.77%、51.03%、53.21%となっています。
かかる当社及び本特別委員会との協議・交渉の結果を踏まえ、公開買付者は、最終的に2024年1月5日、本不応募合意株主との間で本不応募合意を行った上で、同日に本公開買付価格を3,800円、本新株予約権買付価格を88,500円とし、本取引の一環として本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
青木俊道氏は、当社株式を非公開化した後、一層の経営の効率化・健全化を図り、ローコスト経営を追求することで、地域のお客様に安くて新鮮な食品を提供し、食を通じて地域社会の活性化に貢献していくことを目指しているとのことです。また、上述した経営方針の下、持続的な成長及び魅力的な店舗・商品開発を通じて、これまでご支援いただいている株主を含めた全てのステークホルダーの信頼に応え、さらなる成長と発展を遂げることができると考えているとのことです。
本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、青木俊道氏は、本公開買付け終了後も継続して当社の代表取締役社長として当社の経営にあたることを予定しており、上記「(ⅰ) 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載の経営施策を推進する予定とのことです。なお、青木俊道氏は、本取引後も当社の現在の経営体制を維持することを基本方針としているとのことですが、公開買付者と当社のその他の取締役及び監査役との間には、本公開買付け成立後の役員就任や処遇について合意はないとのことです。本公開買付け成立後の具体的な当社の役員構成を含む経営体制については、本公開買付け成立後、当社及び本不応募合意株主と協議しながら、検討・決定していく予定であるとのことです。
当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、2023年11月8日に青木俊道氏から当社の取締役である黒澤淳史氏、河野正幸氏の2名に対して、当社株式の非公開化について初期的な検討を行っている旨の口頭での打診があったことから、当該打診に関して当社としての検討体制を構築するための検討を進めてまいりました。その後、2023年11月17日に公開買付者から、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により、当社株式及び本新株予約権の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式、公開買付者の所有する当社株式及び不応募合意がなされる場合にはその対象となる株式を除きます。)を取得し、当社を非公開化することに関する本意向表明書の提出を受けたため、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、公開買付者及び本不応募合意株主(以下「公開買付関連当事者」と総称します。)並びに当社からの独立性及び本取引と同種の取引に関する経験等を踏まえ、2023年11月上旬に、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)をそれぞれ選任し、公開買付関連当事者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益確保の観点から、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始しました。なお、当社は、2023年11月20日付の取締役会において、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルを、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所をそれぞれ選任することを正式に承認しております。
さらに、当社は、本取引がマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、構造的な利益相反の問題が存在するため、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2023年11月20日付の当社取締役会において、本特別委員会を設置する旨を決議いたしました。本特別委員会は、2023年11月22日に、公開買付関連当事者及び当社から独立性並びに専門性に問題がないことを確認の上、当社がファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルを、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任することをそれぞれ承認しました。また、本特別委員会は、本不応募合意株主となる株主が判明して以降、山田コンサル及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所が、本不応募合意株主からの独立性に問題がないことについても確認しております。
また、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲を含みます。)について、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認いたしました。
上記体制の下、当社は、本公開買付価格、本新株予約権買付価格及び「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限の設定を含む本取引の条件等に関する交渉方針について意見や指示を受ける等、公開買付者との交渉上重要な局面において本特別委員会より意見、指示及び要請を受けるとともに、山田コンサル及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を受けながら、本意向表明書に記載された本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足元の株価動向を踏まえ、2023年12月5日から2024年1月4日までの間、公開買付者との間で本公開買付価格、本新株予約権買付価格及び「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限の設定について協議・検討を重ねてきました。
具体的には、当社は、公開買付者から、2023年12月5日、本公開買付価格を1株当たり3,000円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である8,500円とする旨の提案を受けました。当該提案に対して、本特別委員会は、当該提案価格を本特別委員会において検討した結果、当該提案価格は、当社の少数株主の利益に十分配慮された金額とはいえないとの結論に至ったとして、2023年12月7日に、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の引上げの要請を公開買付者に対して行いました。また、当社は、公開買付者から、2023年12月13日、本公開買付価格を1株当たり3,400円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である48,500円とする旨の提案を受けました。当該提案に対して、本特別委員会は、当該提案価格を本特別委員会において検討した結果、当該提案価格は、当社の少数株主の利益に十分配慮された金額とはいえないとの結論に至ったとして、2023年12月15日に、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の引上げの要請を公開買付者に対して行いました。また、当社は、公開買付者から、2023年12月19日、本公開買付価格を1株当たり3,600円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である68,500円とする旨の提案を受けました。当該提案に対して、本特別委員会は、当該提案価格を本特別委員会において検討した結果、当該提案価格は、他のマネジメント・バイアウト(MBO)事案のプレミアム水準の近時の動向、当社の2024年2月期の通期見通しが予算対比で増益となる見込みであり、通期業績予想修正の可能性が想定されること、当社のPBRの水準等を勘案すると、当社の少数株主の利益に十分配慮された金額とはいえないとの結論に至ったとして、2023年12月21に、本公開買付価格を3,900円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である98,500円とする旨の要請に加え、公正性担保措置の観点から「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の設定を求める旨の要請を公開買付者に対して行いました。また、当社は、公開買付者から、2023年12月22日、本公開買付価格を1株当たり3,700円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である78,500円とする旨、及び、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限の設定は、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けへの応募を希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性があると考え、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しない予定である旨の提案を受けました。当該提案に対して、本特別委員会は、当該提案価格を本特別委員会において検討した結果、他のマネジメント・バイアウト(MBO)事案のプレミアム水準の近時の動向、当社の2024年2月期の通期見通しが予算対比で増益となる見込みであり、通期業績予想修正の可能性が想定されること、当社のPBRの水準等を勘案すると、依然として、当社の少数株主の利益に十分配慮された金額とはいえないとの結論に至ったとして、2023年12月26日に、本公開買付価格を3,850円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である93,500円とする旨の要請に加え、公正性担保措置の観点からマジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)の設定を求める旨の再要請を公開買付者に対して行いました。
かかる交渉を経て、当社は、2023年12月26日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり3,800円、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である88,500円とする旨、及び、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限の設定は、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けへの応募を希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性があることから、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しない予定である旨の最終提案を受けました。当該提案に対して、本特別委員会は、当該提案価格を本特別委員会において検討した結果、現時点における経済情勢、市場動向、その他当社を巡る経営環境に変動が生じないことを前提に、当該提案価格は少数株主の保護の観点から十分に妥当であると考えられるとの結論に至ったとして、また、当該提案価格を踏まえると、「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定することは少数株主の利益に資さない可能性もあり得るとの結論に至ったとして、2023年12月27日に、当該提案を応諾いたしました。また、当社は、当該提案について、かかる本特別委員会の意見のほか、本株式価値算定書の内容も踏まえて慎重に検討を行い、その結果、当該価格は、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年1月4日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,622円に対して44.93%、2024年1月4日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,571円に対して47.80%、過去3ヶ月間の終値単純平均値2,573円に対して47.69%、過去6ヶ月間の終値単純平均値2,611円に対して45.54%のプレミアムが加算されたものであり、近時の他のマネジメント・バイアウト(MBO)事案と比較して合理的なプレミアムが付されていると評価でき、また、下記「(3) 算定に関する事項」に記載の山田コンサルによる市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限値を上回っていること、かつDCF法に基づく算定結果のレンジの中央値を上回っていることから、2024年1月4日に、公開買付者の最終提案を引き続き応諾する旨の回答をいたしました。なお、これらの市場株価には、当社が2024年1月5日付で公表した「通期業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の業績予想の上方修正の影響が反映されていないため、当該プレミアム水準のみを重視して本公開買付価格の是非を判断することはできないものの、少なくとも、当該上方修正の影響が反映されていない市場株価を基準としたプレミアム水準は、近時の他のマネジメント・バイアウト(MBO)事案と比較して合理的なものであると認められることから、当該上方修正の影響が反映されていない市場株価を基準としたプレミアム水準を参考として考慮しております。また、下記「(3) 算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載のとおり、DCF法の算定の基礎とした当社の事業計画に基づく財務予測は、当社が本日公表した「通期業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の2024年2月期通期業績予想を考慮しております。
さらに、当社は、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2024年1月4日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。その上で、当社は、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言及び第三者算定機関である山田コンサルから取得した本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより一般株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
その結果、当社は、以下の点等を踏まえると、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ) 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載の公開買付者が企図する施策の内容は合理的であり、本取引が当社の企業価値向上に資するものであると考えるに至りました。
上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ) 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載のとおり、少子高齢化が進展する中、他業態を含めた競争の激化、消費者ニーズや消費動向の変化など、当社の経営を取り巻く環境は変化し続けております。特に現在の食品スーパーマーケット市場におきましては、価格競争等による店舗間競争の激化、雇用環境の変化や人件費の向上、資源価格及び原材料価格の高騰が続いている一方で、根強い低価格志向など生活防衛意識が一層高まる可能性も高く、消費者マインドへの影響は予断を許さない環境にあります。さらに、当社は、食品取扱量が増加しているドラッグストアや同業店舗間による競争が激化している中、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエル・パレスチナ情勢の急激な変化等、世界経済に影響を及ぼす地政学リスクの上昇懸念や急激な円安に伴う資源エネルギー価格・原材料価格の高騰・輸入物価高騰に起因し、電気料金や物流費、人件費をはじめとする経費や仕入価格の上昇が進展しており、依然として当社にとって厳しい状況が続くものと認識しております。
かかる状況においても、当社が企業価値を向上していくにあたって、当社は「電子マネー機能付ポイントカード」や「アオキスーパー公式アプリ」の導入による電子決済への対応やレシートの電子化、定期的な店舗改修、適正な販売価格への改定や店舗運営コストの削減など様々な施策に取り組んでまいりましたが、消費者ニーズの変化、デジタル化の加速、資源価格及び原材料価格の高騰、競争環境の激化が予想される中で、中長期的な企業価値を向上させるためには、抜本的かつ機動的に一貫性をもって施策に取り組み、一定の事業リスクを伴う戦略を迅速かつ果敢に実行する必要があるものと考えております。
また、青木俊道氏は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ) 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載のとおり、抜本的な経営改革のため、(Ⅰ) デジタルトランスフォーメーション推進による事業環境の変化への対応、(Ⅱ) 既存店の活性化や適切な店舗運営による競争力の強化、(Ⅲ) サプライチェーンマネジメント効率化による物流体制・コストの最適化、(Ⅳ) 人的資源の強化によるオペレーション力の向上と人員配置の適正化といった具体的な施策を企図しているとのことですが、当社としても以下のことから、上記(Ⅰ)及至(Ⅳ)の施策は実行の必要があると考えております。(Ⅰ) デジタルトランスフォーメーション推進による事業環境の変化への対応については、消費者ニーズの変化に適合し、より便利で快適なお買物をしていただくためには、消費者の需要の捕捉とサービス拡充に向けたDX投資を従来以上に迅速かつ大胆に行うことが必要であると考えている点、(Ⅱ) 既存店の活性化や適切な店舗運営による競争力の強化については、ドラッグストアや同業店舗との競争激化に対応していくためには、消費者ニーズの変化に即した適切な店舗運営や戦略的なスクラップアンドビルドによる設備改修投資等が必要であると考えている点、(Ⅲ) サプライチェーンマネジメント効率化による物流体制・コストの最適化については、資源価格及び原材料価格の高騰が懸念される中、効率的な物流システムの再構築や安定かつ適切な商品供給体制の構築を目的とした物流網の最適化が必要であると考えている点、(Ⅳ) 人的資源の強化によるオペレーション力の向上と人員配置の適正化については、中長期的な成長を実現するためには人的資本経営による従業員一人一人の付加価値の向上や、働きやすく、かつ成長可能な環境を醸成することは必要であると考えている点より、いずれの施策も当社の中長期的な企業価値向上のために推進していくべきと考えております。
しかしながら、当社は、かかる施策は事業構造の転換や将来的な取り組みを伴うものであり、当該施策が中長期的に見れば当社の大きな成長及び収益の拡大につながる施策であったとしても、その推進段階においては、相応の時間と各種先行投資が必要であり、短期的には利益水準の低下及びキャッシュ・フローの悪化を招く可能性があること、さらには期待される利益を生み出すことが困難となる可能性も否定できないと考えております。そのため、当社が上場を維持したままこれらの施策を実施した場合、株価の下落や配当の減少等、当社の既存株主の皆様の利益を損なう可能性があると考えられるため、当社が上場を維持したままでこれらの施策を実施することは困難であると考えております。
なお、当社が当社株式の非公開化を行った場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用や知名度の向上による人材の確保及び取引先との取引等に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、現在当社はエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は当面見込んでおらず、事業から生じるキャッシュ・フローや金融機関からの借入れにより、資金確保は可能であると考えていること、証券取引所への上場から19年以上経過し、上場による当社のブランド力や取引先に対する信用力は凡そ確保できていること、これまでの事業活動を通じて地域のお客様・お取引先様・従業員に対する信用力及び知名度は既に確保できていることから、当社株式の非公開化による人材の確保及び取引先との取引等に及ぼすデメリットは極めて限定的であると考えております。
さらに近年のコーポレートガバナンス・コードの改訂、資本市場に対する規制の強化等により、株式上場を維持するために必要な人的・金銭的コストは増加を続けており、これらのコストが当社の経営推進上の大きな負担となる可能性も否定できないと考えております。年々これらの上場維持のコストは増えておりますが、本取引により、上場維持コストが削減され、ITを活用した業務の効率化への投資や人材への還元にあてることができれば、長期的な視点での企業価値の向上を図れるものと考えております。
以上のことから、当社は、本取引によるメリットは、デメリットを上回ると判断いたしました。
以上を踏まえ、当社は、2024年1月5日開催の取締役会において、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
また、本公開買付価格(3,800円)が、(a)下記「(3) 算定に関する事項」に記載されている山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限値を上回っていること、かつDCF法に基づく算定結果のレンジの中央値を上回っていること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である2024年1月4日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値2,622円に対して44.93%、2024年1月4日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,571円に対して47.80%、過去3ヶ月間の終値単純平均値2,573円に対して47.69%、過去6ヶ月間の終値単純平均値2,611円に対して45.54%のプレミアムがそれぞれ加えられた価格であるところ、これらの市場株価には、当社が2024年1月5日付で公表した「通期業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の業績予想の上方修正の影響が反映されていないため、当該プレミアム水準のみを重視して本公開買付価格の是非を判断することはできないものの、少なくとも、当該上方修正の影響が反映されていない市場株価を基準としたプレミアム水準は、近時の他のマネジメント・バイアウト(MBO)事案と比較して合理的なものであると認められることから、当該上方修正の影響が反映されていない市場株価を基準としたプレミアム水準を参考として考えられること(注3)、(c)下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を回避するための措置が採られていること等、当社の一般株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)上記利益相反を回避するための措置が採られた上で、当社と公開買付者との間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われ、より具体的には、当社において、本特別委員会との協議、山田コンサルによる当社株式の株式価値に係る算定結果の内容や財務的見地からの助言及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言等を踏まえて、公開買付者との間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で決定された価格であること、(e)本特別委員会が、事前に交渉方針を確認するとともに、適時にその状況の報告を受け、交渉上重要な局面において意見、指示、要請等を行った上で、本公開買付価格を含む本取引の条件について妥当である旨の意見を述べていること等を踏まえ、当社は、2024年1月5日開催の取締役会において、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
また、本新株予約権買付価格についても、本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額を基に算定されているものであるため、本新株予約権買付価格は、当社株式と同等の経済的利益をもたらす価格であり、本新株予約権者の皆様に対して、合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により本新株予約権の売却の機会を提供するものであると判断しました。
以上より、当社は、2024年1月5日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(青木俊道氏、河野正幸氏を除く取締役9名(久保和也氏、黒澤淳史氏、森部文数氏、山田愛知氏、熊澤博氏、宮崎直昭氏、三浦正太氏、中村利雄氏、安藤雅範氏))の全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様及び新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
なお、(ⅰ)当社の取締役のうち、代表取締役社長である青木俊道氏は、公開買付者の株主かつ代表取締役であり、本公開買付け終了後も継続して当社の経営にあたることを予定していることから、また、(ⅱ)当社の取締役である河野正幸氏は、公開買付者による本取引の検討を補助していることから、いずれも本取引において当社と利益相反のおそれがあることを踏まえて、利益相反の疑義を回避する観点から、当社取締役会における本公開買付けへの意見表明に係る議案の審議及び決議には一切参加しておらず、また、本取引に関し、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルに対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年1月4日付で本株式価値算定書を取得いたしました。
山田コンサルは、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。本取引に係る山田コンサルに対する報酬の相当な部分は、本取引の公表及び本スクイーズアウト手続の完了を条件に支払われる取引報酬とされており、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案の上、上記の報酬体系により山田コンサルを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任いたしました。また、本特別委員会は、第1回の会合において、山田コンサルの独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認しております。
山田コンサルは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから市場株価法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を採用して、当社の株式価値を算定いたしました。なお、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、当社は、山田コンサルから本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
山田コンサルが上記各手法に基づき算定した当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :2,571円~2,622円
DCF法 :3,175円~3,987円
市場株価法では、2024年1月4日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値2,622円、直近1ヶ月間(2023年12月5日から2024年1月4日まで)の終値の単純平均値2,571円、直近3ヶ月間(2023年10月5日から2024年1月4日まで)の終値の単純平均値2,573円、直近6ヶ月間(2023年7月5日から2024年1月4日まで)の終値の単純平均値2,611円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,571円から2,622円までと算定しております。
DCF法では、当社が作成した2024年2月期から2029年2月期までの事業計画、当社の2024年2月期第3四半期における財務情報、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2024年2月期第4四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて企業価値や株式価値を評価し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を3,175円から3,987円までと算定しております。なお、割引率は、5.86%~7.16%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率法を採用し、永久成長率を△0.5%から0.5%として分析しております。
山田コンサルがDCF法の算定の前提とした当社の事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。なお、山田コンサルがDCF法に用いた当社の事業計画には、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれておりません。なお、2024年2月期(3ヶ月)のフリー・キャッシュ・フローは、運転資本の増加を見込んでいることから△663百万円を見込んでおります。また、2025年2月期の営業利益は、人件費や物流費等の各種コストの増加を見込んでいることから1,377百万円を見込んでおります。また、本取引により実現することが期待されるシナジー効果については、算定日時点において具体的に見積もることは困難であるため、当該事業計画には加味しておりません。なお、下記の財務予測は、当社が本日公表した「通期業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の2024年2月期通期業績予想を考慮しております。
山田コンサルは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による算定日時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。ただし、山田コンサルは、算定の基礎とした当社の事業計画について、複数回、当社と質疑応答を行い、その作成経緯及び当社の現状を把握した上で、それらに不合理な点がないかという観点から、当社の事業計画の合理性を確認しております。また、山田コンサルの算定は、2024年1月4日までの上記情報を反映したものであります。
また当社は、本新株予約権買付価格に関しては、本公開買付価格と各本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に当該各本新株予約権1個の目的となる当社株式数(各新株予約権につき100株)を乗じた金額を基に算定されているものであるため、本公開買付けは、当社の本新株予約権者の皆様に対して合理的な本新株予約権の売却の機会を提供するものであると判断しております。
なお、本新株予約権はいずれも譲渡による取得について当社取締役会の承認を要するものとされておりますが、当社は、本新株予約権の譲渡が可能になるよう、2024年1月5日開催の当社取締役会において、本公開買付けの成立を条件として、本新株予約権者の皆様が、その所有する本新株予約権を本公開買付けに応募することにより公開買付者に対して譲渡することについて包括的に承認する旨、及び譲渡を希望する本新株予約権者との間では新株予約権割当契約の内容を変更し譲渡可能な内容とする旨を決議しております。
公開買付者は、本新株予約権買付価格を決定するに当たり、本公開買付価格を基に算定していることから、当社は第三者算定機関からの算定書は取得しておりません。
当社株式は本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されておりますが、公開買付者は本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、公開買付者は、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことですので、当該手続が実施された場合には、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所において取引することはできません。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにおいて公開買付者が当社株式及び本新株予約権の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式、公開買付者の所有する当社株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、以下の方法により、当社株式及び本新株予約権の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式、公開買付者の所有する当社株式及び本不応募合意株式を除きます。)の取得を目的とした本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
具体的には、本公開買付けの成立後、公開買付者は、会社法第180条に基づき本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを当社に要請する予定であり、公開買付者及び本不応募合意株主は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。公開買付者は、当社の企業価値向上の観点から、本臨時株主総会を早期に開催することが望ましいと考えており、本公開買付けの決済の開始日後、それと近接する日が本臨時株主総会の基準日となるように、当社に対して、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)中に基準日設定公告を行うことを要請する予定であり、本臨時株主総会の開催日は、2024年4月中旬~下旬頃を予定しているとのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者及び本不応募合意株主のみが当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定とのことです。本株式併合がなされた場合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、本公開買付けに応募されなかった当社の株主は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められております。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。また、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
上記の手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があるとのことです。ただし、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者、本不応募合意株主及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該当社の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に本新株予約権の取得、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨等、本取引の実行に必要な合理的に手続を実践するよう要請する予定とのことです。
以上の具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定とのことです。なお、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税務専門家にご確認ください。
また、公開買付者は、本公開買付け及び本スクイーズアウト手続が完了し、当社株式が非公開化された後、当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続を実施することを想定しているとのことです。当該手続の具体的な方法及び実施時期等については、本書提出日現在において未定とのことです。
公開買付者及び当社は、本公開買付けがいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当する本取引の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在すること等を踏まえ、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の①乃至⑥の措置を実施していることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、2023年11月20日付取締役会における決議により本特別委員会を設置いたしましたが、本特別委員会の設置に先立ち、当社は、2023年11月17日に公開買付者から本意向表明書を受領して以降、公開買付関連当事者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、当社の独立社外取締役と独立社外監査役の全員に対して、公開買付者から本意向表明書を受領した旨、並びに、本公開買付けがいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものであり、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当するため、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、本特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を説明いたしました。
また、当社は並行してアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる当社の独立社外役員の独立性及び適格性等についても確認を行いました。その上で、当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得て、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、当社の独立社外取締役である中村利雄氏及び安藤雅範氏(弁護士)並びに本取引と類似の取引に関する専門性を補完する観点から、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から候補者として紹介のあった外部専門家である後藤高志氏(潮見坂綜合法律事務所、弁護士)及び渡邉達也氏(株式会社ROLEUP、公認会計士)の4名を本特別委員会の委員の候補として選定いたしました(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。また、本特別委員会の委員である社外取締役の報酬は、その職責に委員としての職務も含まれると考えられることから、社外取締役の報酬に含まれるものとしております。本特別委員会の委員である外部専門家の報酬は、答申内容にかかわらず、時間制の報酬を支払うものとしており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用しておりません。)。
その上で、当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2023年11月20日付の取締役会における決議により本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、①本公開買付けを含む本取引の目的が合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値の向上に資するかという点を含む。)、②本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性が確保されているか、③本取引の条件の妥当性が確保されているか、④本取引の実施(本公開買付けに関する意見表明を含む。)を決定することが当社の少数株主にとって不利益なものでないか、⑤当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主及び新株予約権の保有者に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下①乃至⑤を総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(a)当社と公開買付者の間での公正な交渉状況を確保するべく、本特別委員会が自ら公開買付者と交渉を行うこと、又は公開買付者との交渉を当社のアドバイザー等が行う場合でも、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、当社が公開買付者との間で行う本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与すること、(b)本取引のために講じるべき公正性担保措置の程度を検討し、必要に応じて意見・提言すること、(c)当社のファイナンシャル・アドバイザー若しくはリーガル・アドバイザーを承認(事後承認を含む。)した上で、本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、当該アドバイザーから専門的助言を受けること、又は、独自のファイナンシャル・アドバイザー若しくはリーガル・アドバイザーを選任した上で当該アドバイザーから専門的助言を受けること(この場合の費用は当社が負担する。)、及び(d)本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、当社の役職員から本取引の検討及び判断に必要な情報を受領することの権限を付与することを決議しております。
本特別委員会は、2023年11月22日から2024年1月4日までに、会合を合計8回、約9時間開催したほか、会合外においても電子メール等を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定を行い、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。
具体的には、本特別委員会は2023年11月22日に開催された第1回の会合において、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサル並びにリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、いずれも独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、その選任を承認し、本特別委員会も必要に応じてその専門的助言を受けることができることを確認しております。
また、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認をしております。その上で、本特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。
さらに、本特別委員会は山田コンサルから受けた財務的見地からの助言を踏まえつつ、当社の事業計画について、当社からその内容、重要な前提条件及び作成経緯等(公開買付者又は青木俊道氏及び河野正幸氏が当該事業計画の作成に関与していないことを含みます。)について説明を受けるとともに、これらの事項について合理性を確認し、承認しております。
本特別委員会は、公開買付者に対し質問事項を提示し、公開買付者から、本取引の目的や背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式及び書面により質疑応答を実施しました。さらに、当社に対しても質問事項を提示し、当社から、本取引の目的や意義、当社事業に対する影響等についてインタビュー形式及び書面により質疑応答を実施しております。
加えて、上記「(3) 算定に関する事項」に記載のとおり、山田コンサルは、当社が作成した事業計画を前提として当社株式の株式価値の算定を実施しておりますが、本特別委員会は、山田コンサルから、株式価値の算定結果とともに、当社の株式価値の算定方法、当該算定方法を選定した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しております。
また、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社が、2023年12月5日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり3,000円、本新株予約権買付価格を本公開買付価格から本新株予約権の当社株式1株あたりの行使価額(2,915円)を控除した価格に本新株予約権1個の目的となる当社株式数(100株)を乗じた金額である8,500円とする旨の提案を受領して以降、本特別委員会は、山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果や公開買付者との交渉方針等を含めた財務的な助言及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所からの本取引における手続の公正性を確保するための対応についての法的助言等を踏まえ、公開買付者との間で、当社のファイナンシャル・アドバイザーである山田コンサルを通じて、継続的に協議・交渉を行ってまいりました。
具体的には、当社は、山田コンサルを通じて、公開買付者からの本公開買付価格の提案に対して、複数回にわたり繰り返し価格交渉を実施いたしました。なお、当該協議・交渉にあたっては、本特別委員会は、当社から当該協議・交渉の経緯及び内容等について適時に報告を受け、本特別委員会を通じて方針等を協議し、意見を述べるなどした上で行うなど、本特別委員会が公開買付者との交渉過程に実質的に関与する形で行われました。また、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から本取引において利益相反を軽減又は防止するために取られている措置及び本取引に関する説明を受け、それぞれ質疑応答を行いました。
さらに、本特別委員会は、当社が公表又は提出予定の本公開買付けに係る当社プレスリリース及び意見表明報告書の各ドラフト、並びに公開買付者が提出予定の本公開買付けに係る公開買付届出書のドラフトの内容について、山田コンサル及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所より説明を受け、公開買付者及び当社が、それぞれのファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーの助言を得て適切な開示を行う予定であることを確認しております。
以上の経緯で、本特別委員会は、本諮問事項について慎重に検討及び協議を重ねた結果、委員全員一致の決議により、2024年1月4日に、当社取締役会に対し、大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。
(ⅰ) 答申内容
ⅰ 本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は合理的である。
ⅱ 本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性が確保されている。
ⅲ 本取引の条件の妥当性は確保されている。
ⅳ 本取引に関する決定(本公開買付けに関する意見表明の決定を含む。)は当社の少数株主にとって不利益なものでない。
ⅴ 当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主及び新株予約権の保有者に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当である。
(ⅱ) 答申理由
ⅰ 本公開買付けを含む本取引の目的が合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値の向上に資するかという点を含む。)について
● 当社は、1974年6月に設立された株式会社であり、食品スーパーマーケットである「アオキスーパー」を中心にチェーン展開し、青果・畜産・水産などの生鮮食料品や弁当・揚げ物などの惣菜、菓子・日配品などの加工食品及び日用雑貨を販売している。当社は愛知県に特化したドミナント戦略を推進しており、51店舗を展開している。
● 過去数事業年度における当社の収益実績を見ると、2022年2月期は、生鮮商品の相場変動や原材料及び包装資材等の高騰、「巣ごもり需要」の反動減、緊急事態宣言解除後の消費者行動の変化に伴う来店客数・買上点数の減少等により、前期対比で減収減益となった。2023年2月期は、消費者行動の変化、資源価格や穀物価格等の高騰に伴う仕入価格の度重なる改定要請、急激な仕入価格の上昇分を十分に販売価格に反映できなかったこと、資源エネルギー価格・原材料価格の急激な上昇による電気料金や食品トレー・ラップ等の包装資材の高騰等により、前期対比で減収減益となり、純利益は上場来初の赤字となった。足許の2024年2月期においては、2023年2月期下期から取り組んできた施策、具体的には①価格改定、②ロス削減及び③光熱費の低減などの効果により、2024年2月期通期の営業利益の予想値は2023年2月期の実績を上回る想定となっている。
● 当社は、少子高齢化が進展する中、他業態を含めた競争の激化、コストの増加、消費者ニーズや消費動向の変化など、当社の経営を取り巻く環境は変化し続けていると認識している。特に現在の食品スーパーマーケット市場においては後記の環境変化が生じており、当社は、これらに対応することを重要な経営課題と位置付けている。具体的には、①中長期的な少子高齢化による人口減少を背景として、国内の市場規模は中長期的に縮小していくことが見込まれること、②食品取扱量が増加しているドラッグストアや同業店舗との間で価格競争等による店舗間競争が激化しており、特に当社がドミナント戦略に基づき主要な事業地域としている愛知県においては、商圏人口が多く、物流・交通の利便性が高いことから、近年は県外を地盤とする食品スーパーマーケットによる同県への出店が活発化しており、競争環境が一層激化すると予想されること、③ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエル・パレスチナ情勢の急激な変化等の世界経済に影響を及ぼす地政学リスクの上昇懸念や急激な円安による資源エネルギー価格・原材料価格・輸入物価の高騰、物流需要の増加による物流コストの増加や昨今の物流業界における「2024年問題」に伴うドライバー不足等の物流を取り巻く環境変化に起因し、電気料金や物流費をはじめとする経費や仕入価格が上昇していること及び労働人口の減少や雇用環境の変化を背景に人件費が高騰し、人材確保の難易度が上昇していること、並びに、④消費者において根強い低価格志向などの生活防衛意識が一層高まる可能性も高く、消費者マインドへの影響は予断を許さないことに対応することを重要な経営課題と位置付けている。
● 当社は上記の経営課題に対して、①消費者ニーズの変化への対応施策、②既存店の活性化や店舗運営の効率化等に関する施策、③価格戦略に関する施策及び④人的資源の強化に関する施策等を講じてきたものの、現時点で必要十分といえる状況にはないと認識している。当社は、中長期的な市場の縮小、競争環境の激化、電気料金や物流費をはじめとする経費や仕入価格及び人件費の増加、消費者ニーズや消費動向の変化が予想される中で、中長期的な企業価値を向上させるためには、上記のような従前の施策等を遂行するに留まらず、抜本的かつ機動的に一貫性をもって様々な施策に取り組み、一定の事業リスクを伴う戦略を迅速かつ果敢に実行する必要があると認識している。当該認識内容は、従前からの当社認識と軌を一にするものであり、本特別委員会が行った公開買付者に対する書面質問への回答及び質疑応答によれば、当該認識内容について、当社と公開買付者の間に認識の齟齬はない。
● 当社は、公開買付者が本取引後に実行を要するとして提案する後記の取り組みは、上述した当社の認識と整合的な施策であって、当社の中長期的な企業価値向上のために推進していくべきであると判断している。
● 「(ⅰ) デジタルトランスフォーメーション推進による事業環境の変化への対応」は、より高度なDXへの対応を求められることが見込まれることから、変化する顧客の需要の捕捉や生産性向上に向けたDX投資を従来以上に迅速かつ大胆に行い、顧客の利便性向上や業務効率化等を通じた競争優位性の確保を目的とするものである。これらは、消費者ニーズの変化に適合し、より便利で快適なお買物をしていただくためには、消費者の需要の捕捉とサービス拡充に向けたDX投資を従来以上に迅速かつ大胆に行うことが必要であるとの当社認識とも整合するものである。
● 「(ⅱ) 既存店の活性化や適切な店舗運営による競争力の強化」は、顧客のニーズの変化に即した商品ラインナップの強化や既存店の活性化による店舗集客力の強化の他、採算性を重視した店舗運営を行い、顧客のニーズの変化に合わせた商品・店舗の実現を推進することによる競争力の確保を目的とするものである。これらはドラッグストアや同業店舗との競争激化に対応するためには、消費者ニーズの変化に即した適切な店舗運営や戦略的なスクラップアンドビルドによる設備改修投資等が必要であるとの当社認識とも整合するものである。
● 「(ⅲ) サプライチェーンマネジメント効率化による物流体制・コストの最適化」は、今後の安定的かつ柔軟な物流環境を構築していくため、物流機能の更なる高度化や効率化を図り、物流コストや仕入原価を抑制することにより、サプライチェーン全体でのコストの最適化を追求し、時代の趨勢に合わせた物流体制の構築を目的とするものである。これらは効率的な物流システムの再構築や安定かつ適切な商品供給体制の構築を目的とした物流網の最適化が必要であるとの当社認識とも整合するものである。
● 「(ⅳ) 人的資源の強化によるオペレーション力の向上と人員配置の適正化」は、人的資源の強化による従業員一人一人の付加価値の向上や、従業員が働きやすくかつ成長できる環境を整えることを目的とするものである。これらは中長期的な成長を実現するためには人的資本経営による従業員一人一人の付加価値の向上や、働きやすいかつ成長可能な環境を醸成することが必要であるとの当社認識とも整合するものである。
● 以上のとおり、上記の各施策は、前述した当社の経営課題を的確に捉えており、当社の認識及び中長期的な経営方針とも整合的である。また、創業家一族であり、当社の現代表取締役社長として、当社グループの経営について最も深く理解している青木俊道氏自らが継続して経営を行うこと、及び、青木俊道氏自らのコミットメントの下に所有と経営を一致させ、柔軟かつ機動的な経営判断を行うことを踏まえると、各施策の実現可能性を否定するに足る事情もない。
● よって、上記の各施策が当社の中長期的な企業価値向上のために必要な施策であって、中長期的な企業価値を向上させるためには、抜本的かつ機動的に一貫性をもってこれらの施策に取り組み、一定の事業リスクを伴う戦略を迅速かつ果敢に実行する必要があるとの当社の判断内容は、合理的なものとして首肯し得るところである。
● 他方で、当該施策を現状の資本関係で行うことには、①前述した各施策は事業構造の転換や将来的な取り組みを伴うものであり、当該施策が中長期的に見れば当社の大きな成長及び収益の拡大につながる施策であったとしても、その推進段階においては、相応の時間と各種先行投資が必要であり、短期的には利益水準の低下及びキャッシュ・フローの悪化を招く可能性があること、さらには期待される利益を生み出すことが困難となる可能性も否定できないこと、②当社が上場を維持したままこれらの施策を実施した場合、株価の下落や配当の減少等、当社の既存株主の利益を損なう可能性があること、③近年のコーポレートガバナンス・コードの改訂、資本市場に対する規制の強化等により、株式上場を維持するために必要な人的・金銭的コストは増加を続けており、これらのコストが当社の経営推進上の大きな負担となる可能性も否定できないことといった懸念も存する。
● 以上のことからすれば、①当社を取り巻く事業環境を踏まえると、抜本的かつ機動的に一貫性をもって公開買付者の提案する施策に取り組み、一定の事業リスクを伴う戦略を迅速かつ果敢に実行することが当社の経営課題の克服に繋がり、もって当社の中長期的な企業価値向上に資するものであり、かつ、②本取引は、当社の株主に発生する可能性のある悪影響を回避しつつ当社の中長期的な企業価値向上を実現する手段として優れていることから、本取引にメリットがあるとの当社の判断は合理的なものとして首肯し得る。
● 他方で、①顧客・仕入先を含む取引先に対する影響、②今後の資金調達への影響、③ガバナンス・コンプライアンス体制への影響、④今後の人材採用への影響、⑤既存の従業員に対する影響、⑥許認可の取り直し、⑦ブランド力の低下、⑧LBOローンによる金利負担、財務・事業面のコベナンツ、主要資産の担保設定による事業の過度な制限などの本取引のデメリットについても具体的な検討がなされており、その検討内容に特段不合理な点は認められない。その検討結果によれば、少なくとも前述したメリットを明らかに上回るデメリットが本取引によって生じるとは認められない。また、当社の企業価値向上の観点において、本取引に優る有効な代替手段が存在すると認めるに足る事情は見当たらない。
● 以上のことから、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると思料する。
ⅱ 本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性が確保されているかについて
● 本取引では、本特別委員会の設置(本特別委員会の実効性を高める実務上の工夫の実施を含む。)、独立した外部専門家(ファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー)の早期登用並びに専門的助言及び本株式価値算定書の取得、本取引公表後における買収提案の機会の確保、本取引の検討・交渉・決議における利害関係者の排除、少数株主への情報提供の充実を通じたプロセスの透明性の向上、強圧性の排除といった各種の公正性担保措置が履践されている。
● 本取引の具体的状況に照らすと、当該公正性担保措置の内容は、(ⅰ)取引条件の形成過程における独立当事者間取引と同視し得る状況の確保及び(ⅱ)少数株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保といういずれの視点からしても、必要十分な内容・組合せであり、かつ、現実にも実効性をもって運用されたと思料する。
● 以上の次第であるから、本取引においては、公正な手続を通じて当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
ⅲ 本取引の条件の妥当性が確保されているかについて
● (ⅰ)本取引の条件が形成される過程において、本特別委員会の設置及び関与を含む公正性担保措置の履践を通じて独立当事者間取引と同視し得る状況が確保されており、現に当事者間で真摯な交渉を経て合意されたこと、(ⅱ)本株式価値算定書は、我が国において多数の実績を有する大手事業者であって、公開買付関連当事者、当社及び本取引から独立した第三者算定機関により作成されており、山田コンサルが採用した市場株価法及びDCF法(永久成長率法)は、いずれも継続企業価値の算定方法として一般に妥当とされている方法であり、かつ、DCF法(永久成長率法)の算定基礎となる財務予測や前提条件(フリー・キャッシュ・フローの算定、割引率、継続価値、事業価値に加減算する非事業用資産及び有利子負債を含む。)等に不合理な点(算定基礎となる財務予測を恣意的に悲観的な収益予測としたことを窺わせる事情を含む。)は見受けられず、その算定方法及び算定結果は合理的なものと認められるところ、本取引における対価額は、市場株価法のレンジ上限値を超え、かつ、本取引と同時に公表される2024年2月期の業績予想の上方修正数値を前提とした事業計画に基づくDCF法のレンジの中央値を上回る水準となっていること、(ⅲ)直近の当社株価には本取引と同時に公表される2024年2月期の業績予想の上方修正数値が織り込まれていないため参考値ではあるものの、本件のプレミアムと同種案件のプレミアム水準を単純比較すれば、合理的な水準であること、(ⅳ)当社株価の上場来の終値最高値である3,485円のみならず、上場来の最高値である3,590円をも上回る金額であり、全ての当社少数株主に損失を生じさせない金額であることを総合的に考慮すれば、当社の少数株主は、本取引において対価の交付を受けることにより、「本取引を行わなくても実現可能な価値」のみならず「想定される本取引による企業価値増加効果」も相当程度享受することを推認させる。よって、本取引における対価額には、当社株式の市場株価に対して合理的なプレミアムが付されていると評価できる。
● なお、本取引における対価額は、当社の2023年11月末日現在の簿価純資産から算出した1株当たり純資産額3,798円を上回る金額となっている。仮に当社が清算する場合にも、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、所有する土地建物は全て店舗用不動産であるところ、店舗の構造上、売却等の困難性や解体費用等の追加コストの発生が見込まれること、商品在庫は消費期限のある生鮮食品であるため一括処分や転売する場合は相応の減価が想定されること等を考慮すると清算時に相当程度の毀損が見込まれる。これらを加味すると、本取引における対価額は1株当たりの実質的な清算価値を上回っているか少なくとも近似するとの判断内容に不合理な点は認められない。
● また、スキームその他の取引条件についてみても、本取引の方法及び対価は、当社の少数株主にとって不利益ではない。
● 以上の次第であるから、本取引の条件には妥当性が確保されている。
ⅳ 本取引に関する決定(本公開買付けに関する意見表明の決定を含む。)が当社の少数株主にとって不利益なものでないかについて
● 諮問事項ⅳは、本取引は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるかを問うものである。
● もっとも、本特別委員会としては、諮問事項ⅰからⅲにおいて検討を要請されている事項が、諮問事項ⅳを検討する際の考慮要素になるものと考える。
● そして、本特別委員会の審議の結果、諮問事項ⅰからⅲについて、いずれも問題があるとは考えられないことは、本答申書で詳細に述べてきたとおりである。
● 以上から、本特別委員会は、本取引は当社の少数株主にとって不利益なものでないと思料する。
ⅴ 当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主及び新株予約権の保有者に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非について
● 諮問事項ⅴは、本公開買付けに対して当社の取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主及び本新株予約権者に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非を問うものである。
● 本特別委員会としては、この諮問事項ⅴについても、諮問事項ⅰからⅳにおいて検討を要請されている事項が、諮問事項ⅴを検討する際の考慮要素になるものと考える。
● そして、本特別委員会の審議の結果、諮問事項ⅰからⅳについて、いずれも問題があるとは考えられないことは、本答申書で詳細に述べてきたとおりである。
● 以上から、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であるから、当社の取締役会が賛同の意見を表明すること、及び、本公開買付価格を含む本取引の条件は公正な手続を経て形成された妥当な内容であって、本公開買付けは当社の株主及び本新株予約権者に合理的な当社株式及び本新株予約権の売却機会を提供するものであるから、当社の株主及び本新株予約権者に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことは、いずれも相当であると思料する。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する公正性を担保するために、公開買付関連当事者から独立した第三者算定機関である山田コンサルに対して、当社株式価値の算定を依頼し、2024年1月4日付で、本株式価値算定書を取得いたしました。本株式価値算定書の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」をご参照ください。
山田コンサルは、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。本取引に係る山田コンサルに対する報酬の相当な部分は、本取引の公表及び本スクイーズアウト手続の完了を条件に支払われる取引報酬とされており、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案の上、上記の報酬体系により山田コンサルを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任いたしました。また、本特別委員会は、第1回の会合において、山田コンサルの独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認しております。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、本取引に関し、本公開買付価格の公正性その他本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、同事務所から、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、アンダーソン・毛利・友常法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会は、第1回の会合において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のリーガル・アドバイザーとして承認しております。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。
具体的には、2023年11月17日に公開買付者から本意向表明書を受領して以降、本取引に係る当社の検討、交渉及び判断の過程に、公開買付者の代表取締役である青木俊道氏、及び公開買付者の検討を補助する立場にある河野正幸氏を関与させないこととした上で、公開買付関連当事者からの独立性の認められる当社の取締役1名、経理を担当する従業員2名の総勢3名のみで構成される検討体制を構築し、本特別委員会とともに、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び当社株式の価値評価の基礎となる当社の事業計画の作成過程に関与しており、本書提出日に至るまでかかる取扱いを継続しております。
以上の取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)はアンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ております。
当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、山田コンサルから受けた財務的見地からの助言、本株式価値算定書の内容、公開買付者との間で実施した複数回にわたる継続的な協議の内容及びその他の関連資料を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討をいたしました。
その結果、当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年1月5日開催の当社取締役会において、当社の経営課題の解決及び株主様への利益還元の機会の提供という観点から、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、理由及び意思決定の過程」に記載の青木俊道氏が企図する各施策(「(Ⅰ) デジタルトランスフォーメーション推進による事業環境の変化への対応」、「(Ⅱ) 既存店の活性化や適切な店舗運営による競争力の強化」、「(Ⅲ) サプライチェーンマネジメント効率化による物流体制・コストの最適化」及び「(Ⅳ) 人的資源の強化によるオペレーション力の向上と人員配置の適正化」)の内容は合理的であり、(ⅰ)本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、(ⅱ)本株式価値算定書の算定結果、本公開買付価格のプレミアム水準、公開買付者との交渉過程及び本公開買付価格の決定プロセス等に照らし、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格を含む本取引に係る取引条件は当社の株主及び本新株予約権者の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主及び本新株予約権者の皆様に対して、合理的な株式及び本新株予約権の売却の機会を提供するものであると判断し、2024年1月5日開催の取締役会において、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議いたしました。上記の当社取締役会においては、当社の取締役11名のうち、青木俊道氏及び河野正幸氏を除く9名が審議及び決議に参加し、決議に参加した取締役全員の一致により上記の決議を行っております。なお、上記取締役会には、当社の監査役4名全員が出席し、出席した監査役はいずれも上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。なお、本新株予約権は、譲渡による取得について当社取締役会の承認を要するものとされておりますが、当社は、2024年1月5日開催の当社取締役会において、新株予約権者がその所有する本新株予約権を本公開買付けに応募することにより公開買付者に対して譲渡することについて、本公開買付けの成立することを条件として包括的に承認することを決議いたしました。
なお、かかる当社の取締役会決議は、公開買付者が本公開買付け及びその後の一連の手続を実施することにより当社株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたものです。
加えて、(ⅰ)当社の取締役のうち、代表取締役社長である青木俊道氏は、公開買付者の株主かつ代表取締役であり、本公開買付け終了後も継続して当社の経営にあたることを予定していることから、また、(ⅱ)当社の取締役である河野正幸氏は、公開買付者による本取引の検討を補助していることから、いずれも本取引において当社と利益相反のおそれがあることを踏まえて、利益相反の疑義を回避する観点から、当社取締役会における本公開買付けへの意見表明に係る議案の審議及び決議には一切参加しておらず、また、本取引に関し、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
公開買付者は、当社との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っていないとのことです。また、公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間である20営業日より長い30営業日に設定しているとのことです。公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の適正性を担保することを企図しているとのことです。なお、上記「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェック(本取引の公表前における入札手続等を含みます。)については、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するために実施された各種措置の内容、その他本取引における具体的な状況に鑑みて、これを実施しなくとも特段、本取引の公正性が阻害されることはない旨を判断したとのことです。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本不応募合意株主との間で、2024年1月5日付で本不応募合意を行っているとのことです。本不応募合意の内容は以下のとおりです。
本不応募合意株主は、本不応募合意株式について本公開買付けに応募しない旨を合意しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて公開買付者が当社株式及び本新株予約権の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式、公開買付者の所有する当社株式及び本不応募合意株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、当社の株主を公開買付者及び本不応募合意株主のみとすることを目的として、本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む当社の臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、本不応募合意株主は、その所有する当社株式(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みます。)にかかる議決権の行使として、上記各議案に賛成することを合意しているとのことです。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。
(注2) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ当社の役員持株会を通じた所有株式数(少数点以下切捨て)及びそれらに係る議決権の数を含めております。
(注1) 所有個数、株式に換算した数及び株式に換算した議決権の数は本書提出日現在のものです。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】