当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
(基本方針)
当社グループは、お客様に信頼され満足される商品・サービスを提供する「CS経営」を重視しつつ、企業価値向上のための環境や資源に配慮し、社会に貢献するとともに、自らのガバナンスの強化・充実を図る「ESG経営」にも積極的に取り組む企業であることを企業理念としております。
そのような中、当社は、1899年(明治32年)の創業以来125年の長きにわたり、日本の「食」「農」を支えてまいりました。
今後も株主、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーとの信頼関係を構築し、中長期な企業価値向上を図るとともに、技術を通じて、日本の「食」「農」を支え、人々の食生活の安定と可能性を追求し続けてまいります。
(2)経営環境、対処すべき課題と中長期的な会社の経営戦略
①経営環境
当社グループの主要顧客は、飼料、製粉、蕎麦、ビール、香辛料等の食品・飲料メーカーですが、いずれの顧客も「食」というライフライン維持に必要不可欠な事業を展開しており、国内人口の減少、穀物等原料価格高騰などの事業環境変動要因はあるものの、機械の新規導入・更新やプラント新設・改修といった設備投資需要は他産業に比べ安定的に推移すると想定しており、ニッチな産業と言えます。
但し、食品業界においては、工場集約・再編、海外展開、「食」への安全性・信頼の確保、生産性・効率化の向上や省人化・省力化等への対応が求められており、当社といたしましても、こうした顧客の課題に適応していくことが必須であると認識しております。
②対処すべき課題
上記の経営環境のもと、当社は以下の点を経営課題と認識しております
a.顧客の課題解決に向けた一段の提案営業力強化、付加価値提供による競合他社との差別化
b.製造ラインの生産性・効率性の更なる向上、コスト競争力の強化
c.多様化する顧客ニーズを捉えた商品開発力・研究開発力の向上
d.人材確保・育成、人への投資、技術の伝承を踏まえた企業風土改革
e.長年の業務運営方法に捉われない業務の改革・改善
f.SDGs、ESGを重視した経営の推進
③中長期的な会社の経営戦略
創業130年超えとなる2030年に向けて、日本の「食」「農」を愚直に支え、貢献し続けるとともに、伝統を大切にしつつ、果敢に変革へチャレンジし続けていくべく、以下の戦略・施策に取り組んでまいります。
(収益基盤の確立・向上)
(1)強みに磨きをかけ、競争優位性を確立
(2)顧客ポートフォリオの分散・拡大による収益源の多様化
(3)Abalanceグループとの連携による競合他社との差別化
(4)製造・工事工程の効率化・生産性向上によるコスト競争力強化
(成長事業領域の探求、参入検討)
(1)顧客ニーズを踏まえた新製品・新分野の研究開発力強化
(2)グローバル戦略のおけるパートナー企業との連携強化
(3)「食」「農」関連の顧客やパートナーと連携した事業領域拡大
(財務体質の強化)
(1)新規事業や設備投資等を踏まえた適切で機動的な有利子負債の活用
(働きがいのある企業への変容)
(1)企業風土や人事制度等の改革
(2)エンジニアリング人材層の厚み確保、技術・ノウハウの伝承
(3)社員個々の能力、知識を磨き・引き出し、価値を創造する仕組み整備
(SDGs、ESGへの取り組み)
(1)CO2削減をはじめとする脱炭素への取組
(2)新規事業、IoT等を活用した持続可能な食農畜産業への貢献
(3)取引先の後継者・指導者不足解消に向けたサポート
(4)コンプライアンスの徹底
(1)サステナビリティの基本方針と取組
当社グループは、『存在意義』として「技術を通じて、日本の「食」「農」を支え、人々の食生活の安定と可能性を追求し続ける」ことを掲げ、また『目指す姿』として「人々の食生活を支え続けるために、伝統を大切にするとともに、変革にもチャレンジし、取引先・社会への貢献や従業員の働きがいを最大化する」取組を推進しております。
当社グループでは、サステナビリティに関連する項目のうち当社の企業価値に影響を及ぼす課題を整理・分析し、リスク要因を抽出するとともに、当該リスクへの対応方針や進捗状況を報告・検討する体制を構築しており、持続可能な成長と中長期的な企業価値の向上を目指して、ESG経営、SDGs経営を推進しております。
①ガバナンス
月に一度開催される「SDGs推進委員会」おいて、気候変動、食・農への貢献、次世代育成、職場環境等のテーマごとに具体的な目標を設定するとともに、各種施策・取組の進捗状況と課題について議論しております。本委員会での検討事項等は、四半期ごとに取締役会で経営層に提案及び報告され、適時適切に指示を受ける体制が構築されており、タイムリーな監視・監督機能が確保されています。また、SDGs推進委員会メンバーは各部門の社員により構成されており、進捗状況や課題等を自部門に持ち帰り、フィードバックし自部門で実施すべき事項について対応を検討し実施しており、全従業員のESG・SDGsに対する理解・浸透を図っております。
②戦略
取締役会はESG・SDGsへの取組は当社グループの経営基盤を支える重要項目であると認識し、リスク要因、対応方針を審議しており、今後は中長期的な事業戦略立案にもつなげてまいります。
当社グループのESG・SDGsに関する戦略は、『存在意義』として掲げる「技術を通じて、日本の「食」「農」を支え、人々の食生活の安定と可能性を追求し続ける」に基づいており、リスク低減、新たな事業機会の創出、人材力強化、社会・地域への貢献等につながるものであり、持続可能な社会の実現に資するものと考えております。
③リスク管理
リスク管理面に関しては、SDGs推進委員会において、各種リスクを定期的にモニタリングしており、経営へのリスクが大きいものについては、適時適切に取締役会において経営層に提案・報告されております。これらはまた、各部門でコントロール可能なリスクについては、各部門が対応を行っております。
④指標及び目標
目標設定に関しては、「気候変動」「食・農・畜 への貢献」「技術革新、次世代育成」「職場環境」「社員の健康」といった目標軸を定め、当該目標軸の中で個別具体的な目標を設定する運営を行っております。
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気候変動に関する取組 |
CO2排出量の削減 |
CO2排出量 |
本年度は未設定 |
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LED切替 |
2024年100%LED化 |
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節電 |
社員の意識付け エアコン設定温度の徹底 |
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環境エコ化 |
足利新社屋省エネ基準適合 (省エネ基準適合済) |
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社用車EV化 |
100%EVに化向けた計画立案 |
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ガソリン使用料の削減 |
エコ運転の意識付け |
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自家消費太陽光の導入 |
使用電力構成 |
目標RE100に向けた計画立案 (足利新社屋設置済み) |
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持続可能な資源の利用 |
廃棄物排出量の削減 |
ゴミ分別の推進 |
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食農畜への貢献 |
持続可能な食農畜産業への貢献(製粉,飼料,産業) |
自動化技術、IoT、AI化技術を商品化、対外開示、SP支援 |
2025年度新製品開発 (IR・展示会PR) (顧客工場で実施テスト中) |
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当社技術と地域資源の融合による6次産業化案件の事業化(ソーラーシェアリング含) |
1案件事業化 (情報収集)
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安全・衛生問題への貢献 |
「光触媒」のSP支援、成功事例の対外開示 |
受注件数 (広報IR、SP活動) |
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社会課題を解決する技術革新 |
省人化、生産性向上 |
IoT予知保全の開発 |
2025年実用化 (顧客工場で実施テスト中) |
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省エネ機械の開発 |
省エネモーターの採用 開発機の選定 |
省エネモーター採用率の向上 |
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製粉業界の次世代育成 |
後継者不足、指導者不足 への貢献 |
新設テクニカルセンター〈仮称)の一般公開 |
2024年度テスト実施12件 |
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取引先機械技術トレーニング |
2024年研修2件 |
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次世代への啓もう活動 |
インターンシップの実施 |
大学生。高校生のインターンシップによる採用1名 |
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職場環境 |
安定した雇用と働きやすい環境 |
70歳までの雇用継続 |
2024年度情報収集 (65歳までの定年引上げ済み) |
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テレワークの導入、有休取得 |
テレワーク制度確立 有休5日完全所得 |
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人材育成と挑戦できる風土の醸成 |
社員個人に適切な能力開発、教育訓練の機会を提供するため、階層別教育を用い、能力の向上を図る |
研修回数 (階層別研修随時実施) (新設の人材課にて計画立案) |
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働く環境改善 (チャレンジできる人事制度等) |
新人事制度の定着 2025年制度の改善・見直し |
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ダイバーシティ&インクルージョン |
女性の管理職の積極登用 |
女性管理職2% 2024年度2名登用 |
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男女間賃金格差是正 |
2024年格差是正実施 |
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男性育休取得 |
最低1日取得を目指す |
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多様性(海外拠点、外国人雇用、障がい者雇用等) |
外人登用の調査 |
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社員の健康 |
健康診断、ストレスチェック |
健康診断、ストレスチェックの全員実施 有所見者のフォロー実施 |
健康診断、ストレスチェック完全実施(100%) (2023年度は100%実施) 有所見に再診を奨励 |
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喫煙率 |
健康経営優良法人取得 (8月~11月申請予定) |
喫煙率低下の取り組み➡啓蒙 受動喫煙対策の実施 |
(2)人的資本・多様性に関する取組
人材戦略に関しては、取締役会においては高い専門性、知見を有する社外取締役より、各種議案から派生するケースも含め、人材戦略の問題提起、具体的な提言が行われております。また、業務執行取締役や人事部門においては、重要な人事施策、組織改編に伴う戦略的な人事異動、人員・人件費に関する計画、実績管理等の具体的施策の協議・検討が適時適切に行われております。
当社グループでは、働き甲斐のある企業への変容を経営戦略軸の一つに定め、これを実現するために、以下の3点を重点施策として取り組んでおります。
①企業風土変革、人事制度改革等による満足感、公平感を感じる体制の構築
②技術、設計等のエンジニアリング人材層の厚み確保、技術・ノウハウの体系的な伝承の仕組み整備
③個々の役職員の能力、知識を磨き・引き出し、価値創造を発揮してもらうための仕組み作り
当社グループでは、人材戦略のリスクとして、従業員が有する技術・専門性が継承されないこと、人材の多様性が確保されないこと、採用競争力劣後による人材獲得難、従業員の離職が重要と判断しております。こうしたリスクに対処するため、各部門において技術に精通した人材の育成、熟練者から若手層への技術の伝承、専門性の高い人材の厚みの確保等を進めており、これらの取り組みを支えるべく、企業風土改革に向けた各種ルール、処遇・評価・教育等の人事制度の見直し等により、働きがいのある職場へ変革すべく、社内環境の整備を進めております。
人材戦略に関する具体的な目標は、以下のとおりであります。
①人事制度の見直し
2024年4月の新しい人事制度を構築・導入し、等級、評価、報酬等の見直しを行いました。また、評価の透明性を高めるべく、評価者、さらには被評価者向けの研修を実施しております。
②人材教育制度の確立
各階層に応じた「スキル・知識の向上」と「階層に応じた役割の定着化」を目的として、階層別教育制度を整理し、順次実施しております。
個々の従業員の能力・知識を磨き・引き出し、価値創造を発揮してもらうための仕組み作り、伝統に拘ることなく、変革にチャレンジできるように、新たなルールや仕組みを検討してまいります。
③スキル・専門性の向上に向けた取組
主要取引先等との人的ネットワークを活かし、継続的に業界勉強会を実施しております。また、従業員が自発的に学ぶ・学び直す機会を提供すべく、社内ライブラリーの機能を拡充させてまいります。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、事業のリスクはこれらに限定されるものではありません。
(1)顧客の設備投資動向について
当社グループの主力事業であるプラント工事請負や産業機械製造販売におきましては、主要顧客である飼料・製粉業界の設備投資が減少した場合には、当社グループの受注高・売上高に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)競争激化による影響について
競合他社による競争力のある販売価格設定、高付加価値の新製品・サービスの提供が行われた場合には、当社グループの競争力が劣後する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)業績の季節的変動について
当社グループの受注獲得・売上計上は下半期に偏重する傾向があり、また納期は年度末の3月に偏る傾向にあることから、年度末にかけて予期せぬ事象が発生し、営業活動、工事進行が困難になるような場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります
(4)金利水準・為替相場の変動
当社グループは、一部の借入金について変動金利での資金調達を行っており、また一部の原材料等を外貨建てで輸入していることから、金利水準の急激な上昇、為替相場の大幅な変動等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)製品の欠陥
当社は製造する製品の品質には出荷前の検査等により万全の対策を実施しておりますが、予期せぬ原因により製品に欠陥が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)新製品開発力
当社グループでは、顧客・市場ニーズに対応した新製品開発に努めていますが、競合企業が提供するような新製品を開発できない、競合他社に比べ当該新商品の市場投入のタイミングが遅れる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7)原材料等の仕入価格上昇やサプライチェーン混乱について
請負・受注契約締結後に鋼材価格、労務費、原材料費、外注費が予算を大幅に超えて上昇し、当該上昇分を販売価格に反映することが困難な場合や、サプライチェーンに支障が生じる等により原材料調達が困難になった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8)海外展開
連結子会社明治機械(徳州)有限公司は、製粉用ロール製造販売を中国拠点にて行っており、今後同子会社から日本以外への輸出をより一層強化していくことも想定されますが、海外の政治・経済情勢、為替、租税制度や法的規制等に著しい変化が生じた場合や、テロ・戦争・暴動等の発生、資材価格の高騰及び労務単価の著しい上昇や労務需給のひっ迫があった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9)法的規制
当社グループの産業機械関連事業は、建設業法、建築基準法、食品衛生法、労働基準法、安全衛生法、製造物責任法、下請法等の法的規制を受けており、今後これらの法律改正等があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(10)人材確保・育成や技術伝承
必要とする人材(国家資格者等)の確保ができない場合や、ベテラン・熟練社員から若手層への専門知識、ノウハウ、技術の伝承等が進まない場合には、営業、設計、製造、研究開発等の業務継続に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11)情報漏洩のリスク
当社グループは、企業内機密情報や個人・顧客情報、取引先情報等については、情報管理の強化とその取り扱いに充分な注意を払っておりますが、外部から不正アクセス等により当該情報が流出するような場合には、当社への信用が損なわれ、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)自然災害、感染症に関わるリスク
地震等の自然災害や感染症の世界的流行が発生した場合には、当社が保有する設備の損壊、電力、ガス、水道等の供給難による生産停止、工期・納期遅延が起こる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たっては、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し各種行動規制が撤廃され、インバウンド需要などが回復するなど経済活動の正常化が進みました。その一方で、中東やウクライナにおける紛争の長期化、中国経済の低迷、常態化する円安などの影響でエネルギー価格の高騰や物価上昇が続くなど、景気の見通しは依然不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループでは、引き続き収益基盤の確立・向上や成長事業領域の探求、参入の検討等を継続的に行ってまいりました。
プラント工事につきましては、一定の期間にわたり収益を認識する中小型工事案件が順調に進捗し、当連結会計年度の収益に寄与いたしました。他方、翌期以降の収益に寄与する受注案件の獲得・確保に向けて、主要な顧客等からの設備投資動向のヒアリングなど情報収集に注力、提案型営業を推進し見積提案等を進めてまいりました。この結果、本年1月には大型プラント工事案件の受注に至っております。
産業機械製造分野では、食品関連顧客向けにロールや様々な業界で省力化・省人化としてニーズのある自動開袋機等の受注強化を進めてきました。一方、製造現場における稼働率向上に向けた取り組み効果が顕在化し、これに加え、老朽化した生産機械の更新など、製造コスト削減のための生産性向上・生産効率向上に取り組み、収益力のアップに鋭意努めてまいりました。今後も生産性向上・生産効率向上のための収益改善施策を推進してまいります。
また、収益力向上のための顧客ポートフォリオや収益機会の多様化を進める中で、食関連ソリューション部門を新設し本格的にマーケティングを展開してきており、当社の事業の1つの柱となるような新規事業への参入の模索・検討のほか、海外戦略再構築等に取り組んでまいりました。
なお、本年4月にタイ国Triumph Engineering Co., Ltd.と業務提携契約を締結しており、東南アジア地域などへよりグローバルな海外展開を進めてまいります。新規事業に関しましては、コアビジネスであります産業機械関連事業のほかに、当社の事業の一つの柱となる「新たな事業への参入」を探求しており、さらなる将来に向けた収益基盤の確立への取り組みに注力してまいります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
ⅰ資産
当連結会計年度末における総資産は、6,873百万円(前連結会計年度末は総資産7,236百万円)と前連結会計年度末より362百万円の減少となりました。これは主に、現金及び預金25百万円、商品及び製品56百万円、仕掛品54百万円、前渡金57百万円、建物及び構築物481百万円等の増加があったことに対し、受取手形、売掛金及び契約資産292百万円、投資有価証券770百万円等の減少があったことによるものです。
ⅱ負債
当連結会計年度末における負債は、3,694百万円(前連結会計年度末は負債3,810百万円)と前連結会計年度末より116百万円の減少となりました。これは主に、前受金545百万円等の増加があったことに対し、電子記録債務100百万円、短期借入金30百万円、長期借入金193百万円、繰延税金負債296百万円、退職給付に係る負債27百万円等の減少があったことによるものです。
ⅲ純資産
当連結会計年度末における純資産は、3,179百万円(前連結会計年度末は純資産3,425百万円)と前連結会計年度末より245百万円の減少となりました。これは、利益剰余金291百万円、為替換算調整勘定27百万円の増加があったことに対し、自己株式の取得77百万円、その他有価証券評価差額金487百万円の減少があったことによるものです。
b. 経営成績
当社グループの連結の売上高は、4,896百万円(前連結会計年度は6,306百万円)となりました。また、損益面に関しましては、営業利益247百万円(前連結会計年度は188百万円の営業利益)、経常利益265百万円(前連結会計年度は231百万円の経常利益)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損益、法人税等を加減算しまして、314百万円(前連結会計年度は1,764百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
なお、当連結会計年度より、当社グループの報告セグメントは単一セグメントとなったため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は964百万円(前連結会計年度 営業活動の結果支出した資金は1,367百万円)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が235百万円となり、前受金の増加額545百万円、棚卸資産の増加額103百万円、前渡金の増加額57百万円等があり、一方で、売上債権の減少額293百万円等があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は470百万円(前連結会計年度 投資活動の結果得られた資金は1,731百万円)となりました。
これは主に、投資有価証券の売却による収入51百万円等があったのに対し、有形固定資産の取得による支出491百万円、有形固定資産の除却による支出14百万円等があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は327百万円(前連結会計年度 財務活動の結果支出した資金は804百万円)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入50百万円、短期借入金の減少額30百万円、長期借入金の返済による支出243百万円等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ169百万円増加し、2,341百万円となりました。
(資金需要及び財政政策)
当社は、運転資金及び投資等の資金需要に対して、自己資金を充当することを基本方針とし、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、一部資金を銀行借入等により調達しております。
また、金融機関4行及びAbalance株式会社と当座貸越契約を締結しており、将来において多額な資金需要が生じた場合にも、外部からの資金調達は可能であると考えております。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社グループは産業機械関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前連結会計年度比(%) |
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産業機械関連事業(千円) |
4,063,448 |
△28.32 |
(注)金額は製造原価を表示しております。
b. 受注状況
当社グループは産業機械関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前連結会計年度比(%) |
受注残高(千円) |
前連結会計年度比(%) |
|
産業機械関連事業(千円) |
6,849,726 |
99.92 |
3,267,091 |
158.17 |
(注)金額は販売価格を表示しております。
c. 販売実績
当社グループは産業機械関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前連結会計年度比(%) |
|
産業機械関連事業(千円) |
4,896,210 |
△22.36 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社波里 |
- |
- |
503,395 |
10.3 |
|
ホクレンくみあい飼料株式会社、 ホクレンくみあい・雪印飼料株式会社 |
1,081,112 |
17.1 |
- |
- |
|
株式会社サタケ |
1,075,590 |
17.1 |
- |
- |
|
ジェイエイ北九州くみあい飼料株式会社 |
1,019,216 |
16.2 |
- |
- |
(注)前連結会計年度及び当連結会計年度において、総販売実績に対する割合が100分の10未満の場合は、記載を
省略しております。
(1)資本業務提携契約
|
契約会社名 |
契約締結先 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
明治機械株式会社(当社) |
Abalance株式会社 |
- |
知見・ノウハウや販路・顧客基盤の有効活用、海外展開における拠点の有効活用、IT技術を用いた業務効率化等 |
定めなし |
|
明治機械株式会社(当社) |
WWB株式会社、日本光触媒センター株式会社 |
共同または協力して行う営業活動にかかる一切の業務 |
3社が有するソリューション・製品・サービス等に関して、3社が協力して事業シナジーを醸成し、推進する |
定めなし |
(2)独占販売契約
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契約会社名 |
契約締結先 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
明治機械株式会社(当社) |
YENAR A.S. |
YENAR社製品(ロールを除く) |
YENAR社は、当社に対し、日本国内において同社製品(ロールを除く)を販売する独占的権利を与えること |
2023年1月1日より1年間とし、解約通知がない限り自動更新 |
|
明治機械株式会社 (当社) |
Triumph Engineering Co., LTD |
Triumph Enineering社製品 |
Triumph Engineering社は、当社に対し、日本国内において同社製品を販売する独占的権利を与えること |
2024年4月25日より1年間とし、解約通知がない限り自動更新 |
当社は、産業機械関連事業において、当社の開発部門が機械装置等の商品化・開発を行っております。
この結果、当連結会計年度の製作コストを含めた研究開発に係る総額は