文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは「心が響きあう価値の創造」を企業理念とし、顧客の「心のニーズ」に応え、喜びと感動に満ちた新しい価値のイノベーションに果敢に取り組み、お客様、株主の皆様、お取引先様そして従業員などすべてのステークホルダーにとって信頼される企業を目指しています。事業領域は外食サービス事業であります。外食サービス事業においては、食の安全・安心・健康をテーマとし、品質の追求と顧客ニーズに即したサービスの提供を通じてライフスタイルにおける価値を具現化してまいります。当社グループでは、これらを具現化すべく、グループ会社の自主性・独立性を尊重しつつ、グループ全体での生産性と効率性を追求してまいります。このことで、長期的かつ安定的な成長と拡大を実現する企業グループの構築を目指してまいります。
当社グループは、2021年4月20日に成立した産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続(以下、「事業再生ADR手続」といいます。)において合意を得た事業再生計画に基づき、今後の事業再生に向けた強固な収益体質の確立と財務体質の抜本的な改善を目指す上で、再成長軌道に向けた事業の仕組みの抜本的見直しを行うとともに、コア事業の深化と進化による再成長に努めてまいります。
『事業再生計画』の概要
売上高 18,000百万円
営業利益 1,000百万円
営業利益率 6%
再成長に向けた事業の仕組みの抜本的見直し
事業アセットの絞り込み
本部・現場の生産性向上
顧客中心の店舗開発
コア事業の深化と進化による再成長
扇屋を中心とした事業展開・扇屋改革
厳しい経済環境の中にあっても安定的な成長を実現するために、オペレーションの磨きこみやマーケットに則した商品開発を進め、魅力あるコンセプトと商品の提案を行ってまいりました。また、外食産業の原点であるQSCAをさらに強化すること、本質回帰と称した各業態の主力商品の品質向上で、より多くのお客様に再来店していただける店舗づくりを行い、業態ブランドの構築を図っており、さらに、商圏の新しいニーズにマッチした効果的な新業態、新コンセプトの業態転換やリニューアルを実施するなどして、業態価値向上による既存店の売上を押し上げてまいります。
② 人財の確保・育成
グループの発展・拡大に欠かせない人財の確保・育成については、「社員を豊かに幸せに出来る会社」を目指し、外国人材の確保やベースアップ等の社員の処遇改善、労働環境向上施策を実施してまいりました。今後も時代や環境の変化に合わせて制度の改善に取り組み、更なる従業員満足度の向上を追求してまいります。
今後ますます重要となる食の安全・安心の確保のため、社内に設置された食品衛生委員会を中心に、グループ横断で社内ルールの徹底、情報の共有を図っております。また、外部の調査機関に継続的に検査を委託し、購入食材の安全性と店舗の衛生管理状況の確認・改善を行っております。
足下では黒字化達成に向けた再生フェーズから今後の展開を狙う再成長フェーズに歩みを進めております。再成長に向けての業態展開やDXによる新経営システムへの移行を実施していくため、財務基盤の強化及び将来の投資需要に柔軟に対応できる財務柔軟性の確保を目的として、2024年1月に第三者割当による行使価額修正条項付第26回及び第27回新株予約権(行使指定・停止指定条項付)の発行を行っております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
私たち、ヴィア・ホールディングスは、「心が響きあう価値の創造」を企業理念とし、顧客の「心のニーズ」に応え、喜びと感動に満ちた新しい価値のイノベーションに果敢に取り組み、お客様、株主の皆様、お取引先そして従業員などすべてのステークホルダーにとって信頼される企業を目指してまいりました。当社グループの事業領域である外食サービス事業において、食の安全・安心・健康をテーマとし、品質の追求と顧客ニーズに即したサービスの提供を通じてライフスタイルにおける価値を具現化してまいります。
2022年6月に提出した有価証券報告書では、当社グループにおける重要な経営課題の一つとして人材育成を掲げています。また、2021年4月に公表した「事業再生計画」において、「1.事業アセットの絞り込み」「2.本部・店舗の生産性向上」「3.顧客中心の店舗開発」を骨子としており、事業の抜本的な改革を推進しております。当社グループの経営戦略を遂行し、この改革を実現するためには、従業員全員が能力を発揮できる環境を整備すると共に人材育成に積極的に投資することにより、従業員と会社とが共に成長し、企業価値を高めることが必要条件であると考えます。
当社グループの改革実現と企業価値向上を目的として、当社グループでは2022年度より「総活躍」を全社方針として掲げ、個人と組織の両面からパフォーマンス最大化のための取組を開始しました。また、当社グループでは5年後にありたい企業像からバックキャストした「未来計画」を策定し、従業員が「成長・豊かさ・幸せ」を感じられるような会社へ生まれ変わることを目指しています。「総活躍」および「未来計画」は経営者自らが従業員に向けて発信するとともに、従業員との対話の中で当社グループへの定着を図っています。
私たちは、この人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針に従い、すべての従業員が互いに協調し、成長し、やりがいを常に感じられる環境で働くことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(1)ガバナンス
この人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は、「人材の育成、人材の多様性の確保、人材が成長できる環境の整備」を推進するための指針として、外部の専門機関の助言を得ながら、当社グループおよび関連部署において協議を重ねた上で、取締役会の決議に基づき策定しています。
(2)戦略
①人材育成
(総活躍を実現する人材の発掘)
当社グループにおけるメンバーの総活躍とは、自立自走して企業価値を創出できる攻めの人材と企業価値を確固たるものとできる守りの人材のそれぞれが発揮するパフォーマンスの融合であると定義しています。そのため当社では経営者と従業員とが対話するための場を設け、経営者自らが総活躍の実現に向けた人材戦略にコミットすることを従業員に対して宣言するとともに、一人ひとりの人材について個性や強みを見極めることとします。企業価値の創出において活躍が期待できる人材に対してはキャリアの早期から積極的に挑戦の機会を与え、自律的な成長を支援します。
(企業理念の定着)
競争の激しい外食業界にあって当社グループが持続的かつ安定的な成長を実現するためには、真の意味で当社の経営理念に共感し、お客様をはじめとしたステークホルダーとともに喜びと感動を分かち合うことができる人材の育成が不可欠であると考えます。そのため当社では定期研修のカリキュラムに企業理念に関するワークショップを組み込むことで従業員への定着を図ります。
(階層別研修)
当社グループが組織として有効にかつ効率的に稼働するためには、従業員が自らに課された役割を理解し、各々それに見合った期待行動を取ることが必須であると考えます。そのため当社では役職階層ごとの集合研修を実施することで各階層に求められる役割の理解を促すとともに役割遂行のためのスキル習得の場を提供します。階層別研修を計画するにあたっては事前に自社の人的資本を分析して課題を抽出し、外部の専門家等の指導を仰ぎながら課題解決に向けた研修カリキュラムを構築します。
(OJT制度・社内留学制度)
厳しい競争状態にある飲食サービス業界の中で当社グループの傘下にある店舗がお客様に選んでいただけるためには、外食業界の原点であるQSCA(クオリティ・サービス・クレンリネス・アトモスフィア)をさらに強化する必要があると考えます。そのため当社ではOJT制度を導入し、熟練した技術を有する社員から経験の浅い従業員への技術の伝承を促進し、店舗において高品質な商品を提供できる環境を構築します。合わせて、一つの業態で一定以上の経験を積んだ店舗従業員に対して当社グループ内の他業種を経験する機会を与える社内留学制度を導入することで、対象となる従業員の成長意欲向上を働きかけます。
(Off-JT制度)
専門性の高い知識や高度な技量を要求される職場にあっては、従業員研修を従来のOJT制度のみで完遂できないことも考えられます。そのため当社では外部教育研修機関によるセミナー受講、通信教育、eラーニング等の様々なOff-JTの機会を提供します。Off-JTについては、職場のニーズに沿った上長指示によるものと同様にリスキリングに係る本人要望に対しても利用を認め、自律的な学びを促します。
(評価制度)
従業員の育成にあたっては教育研修のみならず、本人の職務遂行に対する評価とフィードバック面談が必要であると考えます。そのため当社では2021年8月より運用開始した新人事制度の定着を図ります。また、準社員(アルバイト)に対しても原則として2ヶ月に1回の頻度で店長との面談を実施することとし、対象期間における目標達成度合いを相互確認することを規定化します。
②ダイバーシティ経営の推進
(多様な人材の活用)
当社グループは全国36都道府県に30ブランド300店以上の展開をしていることから、各店舗を継続的かつ安定的に運営するためには多種多様なバックグラウンドを有する人材の活躍が必須と考えます。そのため当社では、例えば女性活躍の推進、国籍等によらない多様な人材の積極的な登用、高年齢者雇用制度の充実化をはじめとした各種施策を実施します。合わせて、障がいを持つ方が安心安全に働くことができる環境作りを進め、障がい者雇用にも積極的に取り組みます。
(女性活躍推進)
当社グループの業態をお客様視点で再構築するためには、ジェンダーにとらわれることなく、多様な価値観を持つ従業員がお互いに協力しながら働くことができる職場の構築が必要であると考えます。そのため当社グループでは店舗における女性従業員の積極的な採用を推奨するとともに店長や本部職リーダーといった地位への女性登用を推進します。
(国籍等によらない多様な人材の登用)
我が国における少子高齢化の進展下においても継続的かつ安定的に店舗を運営するためには、国籍等によらない多様な人材の活用が必要であると考えます。そのため当社グループでは多様な人材の採用を積極的に進めるとともに本人の能力に応じて登用する仕組みを構築します。多様な人材の登用を実現するために、例えば人材採用部門に店長経験がある外国籍の従業員を登用するなどの受入体制整備を進めます。
(高年齢者雇用制度)
厳しい競争状態にある飲食サービス業界の中で当社グループの傘下にある各店舗がお客様に選んでいただけるためには、熟練した技術を有する従業員の活躍が必須であると考えます。そのため当社グループでは65歳以降の従業員についても継続雇用を可能とする規則を定めることとし、実質的に年齢の上限を設けない雇用を実現しております。
(障がい者雇用実現)
障がいを持つ方が安心安全に働くことができる環境作りを進め、障がい者雇用にも積極的に取り組みます。
(店長およびミドルマネジメント層を対象としたダイバーシティ研修実施)
当社グループにおけるダイバーシティ経営を実現するためには、店長およびミドルマネジメント層がダイバーシティ経営に関する知識を習得し、組織を運営する能力を獲得する必要があると考えます。そのため当社グループでは当該職層を対象としたダイバーシティ研修を実施してマネジメント方針を共有し、ダイバーシティ経営に関する好事例を相互に学び合う機会を提供します。
③職場環境整備
(職場環境整備に係る基本的考え方)
従業員がお客様をはじめとしたステークホルダーに対して喜びと感動に満ちた新しい価値を提供し続けるためには、当社グループとして従業員のやりがいと生活の安定を保証するとともに従業員が安心して働くことができる職場を実現する必要があると考えます。そのため当社グループでは従業員に対して多様な働き方を提供するとともに、定期的な面談を通じて従業員一人ひとりに合わせたキャリアプラン構築を支援します。また、定期的に従業員の意見要望を聴取分析したうえで結果を基に就業環境改善に係る施策を実施し、働きやすい職場環境を整備します。
(子育てや介護と仕事との両立支援)
子育てや介護を抱える従業員が当社グループにおいて安心して働き続けるためには、社内における規程整備および人事労務担当者によるサポートの両面による支援が必要であると考えます。そのため当社グループでは育児介護休業法に基づいて関連規程類を整備するとともに、担当者から育児/介護休業中または休業より復帰して間もない社員に対する定期的な面談を実施することで安心して育児休業等を取得できる環境を構築します。
(従業員のニーズに応じた多様な働き方の提供)
当社グループにおいて多様な人材を活用して店舗運営するためには、各々のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を提供する必要があると考えます。そのため当社グループでは当該従業員の希望に応じた勤務設定を認めるとともにテレワーク制度(在宅勤務/サテライトオフィス勤務/モバイル勤務)を導入することで時間や場所にとらわれない働き方を提供します。
(従業員のエンゲージメント評価)
当社グループが中長期的な成長を実現するためには、従業員が主体的に業務に取り組むことで能力を発揮する必要があると考えます。そのため当社グループでは従業員のエンゲージメントレベルを定期的に把握するとともに、エンゲージメントの低下につながる要因を特定した上でエンゲージメントの改善につながる施策を実行します。
(従業員のキャリアプラン構築支援)
当社グループでは、「社員を豊かに幸せにできる会社」を経営理念に掲げ、仕事を通じて従業員の中長期的な成長と未来キャリアの実現を支援します。具体的には、従業員に対して定期的にキャリア面談を実施することで個人のキャリアプラン構築と自律的なキャリア開発を支援します。従業員が自身の考え方に応じてキャリア構築の方向性を選ぶことができるよう、当社グループでは複数のキャリアパスを用意しています。また、店舗独立を目指す従業員を定期的に公募し、希望者へはのれん分けによる独立に向けた教育プログラムを実施します。
(メンター制度)
従業員のエンゲージメントレベルを向上させ、業務におけるパフォーマンスを高めるためには個人の成長をサポートする伴走者の存在が不可欠であると考えます。そのため当社グループでは新入社員に対するメンター制度を導入することでメンティである従業員のエンゲージメントレベル向上を図ります。合わせてメンターの経験を通じて従業員の人材育成意識を醸成させ、メンター自身の成長を促します。
(内部登用制度・リファラル採用制度)
準社員が当社グループの中でのキャリアアップを実現するために、準社員から正社員への内部登用制度を運用しています。また、リファラル採用制度を導入し、従業員を通じて当社グループを良く知る質の高い人材の効率的な採用を実現します。
(従業員のモチベーション向上施策)
当社グループではキッチン/サービススキルやメニュー創作力を競うコンテストを定期的に実施し、店舗従業員の技術研鑽の機会を提供します。優勝者には一定のインセンティブを付与することとし、従業員のモチベーション向上を図ります。
(企業型確定拠出年金)
当社グループは企業型確定拠出年金に加入しています。給与とは別に従業員個人の年金を拠出することで老後に対する従業員の不安を解消し、従業員のモチベーション向上につなげます。
④安全と健康の確保
(健康経営およびWell-beingへの取組)
当社グループでは従業員が「成長・豊かさ・充実」を感じられる環境の実現を経営方針として定め、経営方針に基づいて従業員の健康保持・増進に取り組むことで、組織の活性化や生産性の向上、企業価値の向上を図ります。また、従業員が自身の心身の健康を保持するに留まらず、熱意や活力をもって働くことができるよう、当社グループではWell-beingへの取組にも努めます。
(労働安全衛生の確保)
当社グループは、すべての従業員の安全と健康を守るため、産業医と連携して店舗および職場の安全衛生管理を徹底します。また、新入社員採用時には安全衛生教育を実施するなどの活動を通じて安全衛生に対する意識の定着に努めます。
(従業員の健康管理)
当社グループは労働安全衛生法および関連法令に従い、従業員に対して必要な健康診断を実施します。また、当社グループは過重労働及びメンタルヘルスによる健康障害を防止するため、衛生管理体制の充実を図り、社員の健康確保対策を推進します。
(病気有給休暇の積立制度)
当社グループでは年次有給休暇を有するすべての従業員に対して、有効期限経過によって消滅する年次有給休暇を一定期間積み立て私傷病のときに取得することを認める制度を規定します。
(感染症および食中毒対策)
従業員は接客等の機会を通じて感染症や食中毒の感染または媒介のリスクにさらされることから、店舗内での感染リスク低減のため、当社グループでは従業員に勤務毎の健康チェックや手洗い、消毒の徹底を求めるなど、業界ガイドラインを参考にした対策を実施することによりお客様と従業員の安全確保に努めます。
(労働者災害補償制度)
当社グループにおいて万が一労働災害が発生した場合に、労働者災害補償保険法に定める給付の他に被災の程度に応じた附加給付の支給を認める制度を規定します。
(3)リスク管理
(当社グループにおけるコンプライアンス意識)
私たちは、企業の社会的責任を果たしていく上で、コーポレート・ガバナンスを正しく行い、事業を通じて社会に貢献する責務があることを理解し、その具体的な行動規範が「コンプライアンス・マニュアル」であることを理解しています。私たちは、定期的にコンプライアンス・マニュアルを読み合わせるなど社内活動を実施し、その身分にかかわりなくグループに働く全員がコーポレート・ガバナンスポリシーを踏まえ、コンプライアンス・マニュアルおよび業務に関連する法令や内部ルールを遵守するとともに、倫理的な企業文化を構築していかなければならないことを理解しています。
(より良い企業風土をつくるための行動規範)
私たちは、コンプライアンスの基本原則の一つとして「相互の人格・個性を尊重し、オープンで公正な企業文化の構築を通じた、グループで働く人々の生きがいや幸福実現」を掲げ、風通しの良い企業風土がコンプライアンス確保の前提であると理解しています。当社グループでは、以下の5つの行動規範を遵守事項として定め、従業員一人ひとりの努力により、より良い企業風土を作り上げることとしています。
(ホットライン(内部通報)制度)
当社グループでは、コンプライアンス・マニュアルの禁止事項に該当する行為または違反の恐れがある行為についてはこれを隠さずコンプライアンス・リスク管理委員会へ通報することを従業員に周知徹底しています。通報に関しては、通報者のプライバシーを守るとともに通報者に対する不利益な取扱いを禁止することで通報者を保護しています。また、お客様からのご意見の中で当社グループのコンプライアンスに関わると判断されたものに関しても内部通報と同様に取扱い、コンプライアンス・リスク管理委員会が中心となって是正、改善措置を実施しています。
(4)指標及び目標
人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針に関する明確な指標は定めておりませんが、「未来計画」に掲げる従業員が「成長・豊かさ・幸せ」を感じられるような会社へ生まれ変われるよう、積極的な社内環境整備に努めております。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社グループにおきましては、BSE・鳥インフルエンザのような食材の安全性を揺るがす事態、食中毒等の衛生問題など食品の安全性に関わる問題が発生した場合、売上高が急激に落ち込むなど当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、食材の調達において、仕入先の環境変化等により、現在確保している原材料の調達が困難になった場合、あるいは天候不順等の理由による原材料の高騰などが生じた場合、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、会社法、金融商品取引法、法人税法等の一般的な法令の他に、食品衛生法、労働基準法、食品リサイクル法等の外食店舗の営業に係る各種法的規制や制限を受けております。これらの法的規制が強化された場合、対応のための新たな費用が発生することにより、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、将来の税制改正に伴い消費税率が引き上げられた場合には、個人消費が落ち込み、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおきましては、年間の売上動向として夏場や大型連休並びに各種イベント(暑気払い・忘年会・歓送迎会)など、売上高はある程度季節的な変動があることを前提とした営業計画を立てております。
冷夏などの天候不順、台風などの天災等によっては本来売上を見込んでいる時期の業績が伸び悩み、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、全国的に店舗展開をしているため、物流コストや電力コストの変動により、業績は一定の影響を受けます。世界的なインフレ圧力やウクライナ情勢による原油等のエネルギー資源の価格高騰や、原子力発電停止等の影響により、電力価格が上昇した場合には、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、外食業界や食品業界において、価格競争の激化による悪影響を受ける可能性があります。
当社グループはリーズナブルな価格でお客様へのサービスと食の提供を実施しておりますが、低価格競争の激化や食材料の高騰などがあった場合には、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいて、固定資産の減損会計を適用しておりますが、今後固定資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなり減損処理を行った場合には、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、本社事務所や大部分の店舗の土地建物を賃借しております。賃借期間は賃貸人との合意により更新可能でありますが、賃貸人側の事情により賃貸借契約を更新できない可能性があります。また、賃貸人側の事情による賃貸借契約の期限前解約により、計画外の退店を行う可能性があります。このような場合には、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ傘下の事業会社において、「備長扇屋」「やきとりの扇屋」「魚や一丁」について、フランチャイズ加盟契約者との間で「フランチャイズ加盟契約」を締結し、フランチャイズ展開を行っております。各業態のフランチャイズ店舗には安全な食材の手配や経営指導を行うなど、良好な取引関係を維持しておりますが、万が一、フランチャイズ店舗での食中毒等の不測の事故が発生した場合や、当社グループのフランチャイズ店舗の業績動向に起因しない事情でフランチャイズ加盟契約者が破綻した場合には、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ情報システムは、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害等偶発的な事由によりネットワークの機能が停止した場合、サービス提供に支障が生じる可能性があります。
また、外部からの不正な手段によりコンピュータ内へ侵入され、重要データの不正入手、コンピュータウイルスの感染により重要なデータが消去される可能性もあります。このような状況が発生した場合には、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、店舗建築費用及び敷金や保証金等の出店資金を主に金融機関からの借入により調達しているため、総資産に占める有利子負債(借入金、リース債務及びその他有利子負債)の割合が、2024年3月31日現在で39.6%の水準にあります。したがって今後、有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合には、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、借入金には財務制限条項が設けられています。同条項に抵触した場合には、期限の利益を喪失することにより、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業拡大を加速する有効な手段のひとつとして、当社グループに関連する事業のM&Aを検討していく方針です。M&A実施に際しては、対象企業の財務・法務・事業等について事前にデューデリジェンスを行い、十分にリスクを吟味し正常収益力を分析した上で決定いたしますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等、事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合、また事業の展開等が計画通りに進まない場合には、のれんの減損処理を行う必要が生じる等、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、飲食事業を展開するにあたり、店舗オーナーと賃貸借契約を結び敷金や保証金の差入れを行っております。2024年3月31日現在、敷金及び保証金の残高は、1,272百万円となっており、総資産の17.4%を占めております。店舗オーナーの経営状況の悪化等により敷金や保証金の回収不能が発生した場合には、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主に高い集客が見込める都心部及び郊外に出店をしておりますが、新規出店におきましては、立地条件、賃貸条件、投資回収期間等を総合的に検討して、出店候補地を決定しているため、すべての条件に合致する物件が確保できない可能性があります。また、当社グループでは、月次の店舗ごとの損益状況や当社グループの退店基準に基づき業績不振店舗等の業態転換、退店を実施することがあります。業態転換や退店に伴う固定資産の除却損、減損損失の計上、各種契約の解除による違約金、退店時の原状回復費用等が想定以上に発生する可能性があります。これらが生じた場合には、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、新規出店及びリニューアルの実施に際しては、収益性、投資回収等について事前に十分に検討をした上で決定いたしますが、開店後に店舗周辺の競争環境が変化した場合や、事前の検討で把握できなかった問題が生じた場合など、計画していた収益を下回ることや、店舗設備の除却、減損処理を行う必要が生じること等により、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
外食業界は、他業界と比較すると参入障壁が低く新規参入が多いこと、また個人消費の低迷を受けての価格競争などもあり、非常に厳しい競争状態が続いている業界です。その中で当社グループの店舗は、それぞれの業態についてブランド力の強化を図ると共に、お客様によりバリューを感じていただける商品ラインナップとすることで、粗利高を確保する戦略をとっております。しかしながら、今後当社のグループの店舗と同様のコンセプトを持つ競合店舗の増加等により競合状態がさらに激化した場合には、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは継続的な新規事業の開発及び更なる店舗展開を図っていく方針であるため、十分な人財の確保及び育成ができない場合には、新規事業開発の遅れ、サービスの低下による集客力の低下、計画通りの出店が困難となること等により、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は商標権を取得し管理することで当社のブランドを保護する方針であります。
第三者が類似した商号等を使用し、当社のブランドの価値が毀損された場合、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
会計基準や税制の新たな導入・変更等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、税務申告における税務当局との見解の相違により、追加の税負担が生じる場合には、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(18) 感染症拡大による影響
新型コロナウイルス感染症の全世界における感染拡大の影響により、世界各国で入出国禁止等の渡航制限や外出制限などの措置が行われるだけでなく、国内におきましても緊急事態宣言が発令されるなど、日常生活や経済活動に大きな制約が生じる事態となりました。
今後、新たな感染症の発生や拡大があった場合には、その動向によって、当社グループの売上高の減少、原材料不足、仕入価格高騰等のコスト増が発生するなど、当社及び当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは、「外食サービス事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が鈍化したことを受けて行動制限が緩和されたことや、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染法上の分類が5類に引き下げられたこと等により、経済活動の正常化がみられるものの、国内では円安に起因するインフレや2024年問題に伴う物流制約、労働人口の減少等により、景気動向は不透明な状況が続いております。さらに、海外ではロシア・ウクライナや中東情勢等、地政学的リスクに起因した経済情勢が混沌としており、その先行きは予断を許さない状況となっております。
外食産業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が収束傾向を示すなか、インバウンドを含め堅調な需要が続いているものの、円安に伴う原材料価格の更なる上昇等が見込まれることに加え、人財面での供給不足の状態が深刻化しつつあり、引き続き厳しい経営環境が予想されております。また、賃上げトレンドとインフレの継続が想定される中、選択的消費の傾向がますます強まるものと思われます。
この状況のなか当社グループにおきましては、人手不足やコスト高騰、事業環境の変化といった課題への対応に取り組んでまいりました。事業再生計画に基づき、本部コストの削減、メニュー改定及びメニューミックスによる顧客粗利改善、食材ロスの低減による原価改善、店舗の営業オペレーション見直しによる労働生産性の向上で、コスト削減に努め、また、各業態のメインアイテムの品質向上とそのための技術の再構築という「本質回帰」に徹底して取り組んでまいりました。そのうえで、コストを始めとした新たな構造変化に対応し、継続的に収益を生み出すための構造改革、修繕を含めた既存店舗のリフォームやリニューアル、ランチタイムとディナータイムで提供商品の異なる業態や異なるブランドを併せたダブルネーム業態等の新しい店舗業態の開発、これまでの大型店舗から専門店や小型店舗の強化へのシフト、変革に挑戦する組織風土改革、経営システムの改修等の施策に取り組み、これまでに培ってきた当社グループの強みの再構築と投資回収モデルのベースアップを図ってまいりました。
これらの取り組みの中で、当期に新規出店をした新タイプの「日本橋紅とん」、業態転換を実施した「しんぱち食堂」等においては、計画通りの実績が出ており、今後の展開を狙える状況にあります。また、足元の状況からもこれまでの黒字化達成に向けた再生フェーズから再成長という次のフェーズに歩みを進めるため、これまで適正な規模に向けたリストラクチャリングが中心だった店舗戦略を、新規出店による再拡大への転換、再成長に向けてのリモデル新業態及び新コンセプトの業態展開に着手しております。さらに財務基盤の強化及び将来の投資需要に柔軟に対応できる財務柔軟性の確保を図ることを目的に、2024年1月に第三者割当による行使価額修正条項付第26回及び第27回新株予約権(行使指定・停止指定条項付)の発行を行っております。
店舗数については、開店が2店舗、閉店が14店舗(うち、FC2店舗)となり、当第4四半期末の店舗数は、312店舗(うち、FC29店舗)となりました。
また、上記店舗の閉店と減損会計の適用により、減損損失24百万円等の特別損失が発生しております。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は16,981百万円(前年同期比16.7%増)、営業利益は325百万円(前連結会計年度は営業損失933百万円)、経常利益は249百万円(前連結会計年度は経常損失1,000百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は216百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,329百万円)となり、経常利益は実に6期ぶりに黒字化を達成しました。
子会社別の事業の状況は以下のとおりであります。なお、会社ごとの売上高は、連結取引相殺消去前の売上高であるため、連結損益計算書の売上高とは一致しておりません。
(a)㈱扇屋東日本、㈱扇屋西日本
焼き鳥居酒屋「備長扇屋」「やきとりの扇屋」では、メインアイテムの焼き鳥や生ビールなどの提供品質向上や、居心地を高める設備のメンテナンス、人件費などの管理可能コストの適正化を実施いたしました。
㈱扇屋東日本と㈱扇屋西日本を合算した当連結会計年度の売上高は8,057百万円(前年同期比19.9%増)、当期において開店が1店舗、閉店10店舗(うちFC2店舗)となり、期末店舗数は195店舗(うちFC28店舗)となりました。
(b)㈱フードリーム
ショッピングセンターや商業施設内を中心に、「パステルイタリアーナ」「カプチーナ」「ステーキハウス松木」「鶴亀堂」など様々なブランドを展開する㈱フードリームでは、高付加価値商品の導入やサービス向上施策により収益率の改善を進め、また、「パステル」のリブランディング型リニューアルを実施いたしました。
㈱フードリームの当連結会計年度の売上高は5,318百万円(前年同期比10.3%増)、当期において閉店2店舗となり、期末店舗数は73店舗となりました。
(c)㈱一丁
首都圏のターミナル駅を中心に展開する刺身居酒屋「魚や一丁」は、将来的な再出店を見据えたメニュー実験や収益構造の見直しを実施いたしました。
㈱一丁の当連結会計年度の売上高は569百万円(前年同期比17.4%増)、当期において店舗数の増減はなく、期末店舗数は5店舗(うちFC1店舗)となりました。
(d)㈱一源
埼玉を中心に展開する総合型居酒屋「いちげん」では、地域オンリーワン店となるべく、地域ごとのニーズにあわせたメニュー実験やイベントなどを提案しております。また、「魚や一丁」の専門性を付加したコラボレーションメニューの展開も実施いたしました。
㈱一源の当連結会計年度の売上高は1,135百万円(前年同期比22.1%増)、当期において閉店1店舗となり、期末店舗数は10店舗となりました。
(e)㈱紅とん
都心のターミナル駅を中心に展開する炭火串焼き専門店「日本橋紅とん」では、専門店ならではの商品開発や串焼き技術の向上を図ってまいりました。また、2023年8月に新店の吉祥寺南口店をオープンしております。
㈱紅とんの当連結会計年度の売上高は1,920百万円(前年同期比18.4%増)、当期において開店が1店舗、閉店1店舗となり、期末店舗数は29店舗となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較し、132百万円増加の1,783百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は572百万円(前連結会計年度は856百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が194百万円となり、そのうち現金の支出を伴わない減価償却費が466百万円及び減損損失が24百万円あった一方、売上債権の増加が147百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は220百万円(前連結会計年度は121百万円の収入)となりました。これは主に、既存店のリニューアルに伴う有形固定資産の取得による支出が260百万円及び敷金及び保証金の差入による支出が32百万円あった一方、敷金及び保証金の回収による収入が92百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は219百万円(前連結会計年度は700百万円の支出)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入が232百万円あった一方、長期借入金の返済が283百万円及び配当金の支払が127百万円あったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度の仕入実績を事業会社別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1. 上記の仕入高の金額は、仕入値引控除前の金額であります。
2. 上記の仕入高の金額は、連結会社間取引消去前の仕入高であるため、連結損益計算書の仕入高とは一致しておりません。
3. 外食サービス事業の単一セグメントであるため、事業会社別に記載しております。
当社グループは一般顧客に直接販売する飲食業を営んでいるため、受注状況は記載しておりません。
当連結会計年度の販売実績を事業会社別に示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは主に一般顧客に直接販売する飲食業を営んでいるため、特定の主要な販売先はありません。
(注) 1. 上記の売上高の金額は、連結会社間取引消去前の売上高であるため、連結損益計算書の売上高とは一致し
ておりません。
2. 外食サービス事業の単一セグメントであるため、事業会社別に記載しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりです。
財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ12百万円増加し、7,313百万円となりました。
これは、有形固定資産が113百万円、敷金及び保証金が71百万円減少した一方、売掛金が147百万円、現金及び預金が132百万円増加したためです。
負債の部は、長期借入金が返済により283百万円減少したこと、短期リース債務が44百万円減少したこと等により、負債合計は前連結会計年度末に比べ312百万円減少の6,007百万円となりました。
純資産の部は、C種優先株式に対し配当を実施したことにより資本剰余金が127百万円減少したこと、また、会社法第447条1項及び第448条1項の規定に基づき、資本金216百万円、資本準備金191百万円を減少し、その同額をその他資本剰余金に振り替えたこと、また、会社法第452条の規定に基づき、その他資本剰余金991百万円を減少し、その同額を利益剰余金に振り替え欠損填補に充当しております。さらに、第26回新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ116百万円増加、親会社株主に帰属する当期純利益216百万円計上をしたこと等により、純資産合計は前連結会計年度末に比べ325百万円増加の1,306百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ4.4ポイント増加の17.8%となり、普通株式に係る1株当たり純資産額は△83円53銭となりました。
経営成績の分析
a. 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度末に比べ2,427百万円増加し16,981百万円となりました。
これは主に、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染法上の分類が5類に引き下げられたこと等により、経済活動の正常化が見られるようになったためです。なお、既存店売上高の内訳は、前年同期比119.2%、客数108.7%、客単価109.7%となりました。
b. 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ1,676百万円増加し11,448百万円となりました。
これは主に、新型コロナウイルス感染症の感染法上の分類が5類に引き下げられたこと等により、売上高が増加したことによるものであります。また、原材料価格の上昇があったもののメニュー改定及びメニューミックスによる顧客粗利改善、食品ロスの低減による原価改善を行ったことにより、売上総利益率は前連結会計年度に比べ0.3ポイント改善し67.4%となりました。
c.販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ417百万円増加し11,123百万円となりました。
これは主に、売上高の増加に伴い営業コストが増加したことや、人手不足に対応するための人件費コストの高騰、円安に起因するインフレよるコストの高騰によるものです。
d.営業利益
当連結会計年度の営業利益は、経済活動の正常化に伴い、売上高が増加した一方で、円安に伴う原材料価格の上昇、人手不足による人件費コストやインフレによる営業コストが増加したものの、継続的に収益を生み出すための構造改革、既存店のリニューアルや新しい店舗業態の開発などにより、当連結会計年度の営業利益は325百万円(前連結会計年度は、営業損失933百万円)となりました。
e.経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前期に比べ13百万円減少し37百万円となり、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べ4百万円減少し113百万円となりました。
その結果、当連結会計年度の経常利益は249百万円(前連結会計年度は、経常損失1,000百万円)となりました。
f.税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の特別利益は、店舗閉鎖損失引当金の戻り益などで26百万円を計上したこと等により27百万円となりました。
一方で特別損失は、契約期間の満了や契約の終了又は不採算であった直営店を12店舗閉鎖したことに加え、将来キャッシュ・フローによる設備投資額の回収が困難と見込まれた店舗等の固定資産について減損損失を24百万円計上したこと等により82百万円計上いたしました。
その結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は194百万円(前連結会計年度は、税金等調整前当期純損失1,310百万円)となりました。
g.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、繰延税金資産の計上による法人税等調整額の影響等で216百万円(前連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純損失1,329百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは、店舗設備投資、事業開発投資及びM&A・資本業務提携投資であります。これらの投資に要する資金は、増資資金、長期借入金及び自己資金により調達することを基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,897百万円となっており、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,783百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループは、連結財務諸表作成にあたって、適切な会計方針を選択し、固有の見積りや判断が必要な事象については過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度末における固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、新型コロナウイルス感染症の影響が収束傾向を示すなか、円安に伴う原材料価格の更なる上昇等が見込まれることに加え、人材面での供給不足の状態は深刻化しつつあり、引き続き厳しい経営環境と想定しております。このような状況下において、当社グループは事業再生計画に基づき、本部コストの削減、メニュー改定等の顧客粗利改善、食材ロスの低減による原価改善等のコスト削減効果をふまえた、会計上の見積りを行っております。しかしながら、不確実性の極めて高い環境下にあるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループが採用した会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
当社は、2016年3月28日付にて、株式会社りそな銀行及び株式会社みずほ銀行をアレンジャーとするシンジケーション方式によるタームローン契約(以下、「原契約」といいます。)を締結しておりましたが、2021年4月16日付にて原契約の変更契約を締結しております。原契約の誓約事項については、各金融機関との銀行取引約定書又はそれに相当するものに定めるものを除き、事業再生ADR手続のもとで各金融機関の同意を得ております事業再生計画(以下、「本事業再生計画」といいます。)に定めるものに変更しております。
当社は、2021年4月20日付にて取引金融機関7行との間で債権者間協定書(以下、「本協定」といいます。)を締結しております。本協定は、本事業再生計画の遂行、金融支援の実施及び借入債務の返済に関する事項を定めるものであります。
本協定の概要は次のとおりです。
タームローン契約
財務制限条項
当連結会計年度末においては、上記の財務制限条項に抵触しておりません。
当社グループは、フランチャイズ店舗(FC店)とのフランチャイズ契約を次のとおり締結しております。
① 契約の概要
当社グループ(フランチャイザー)とFC店(フランチャイジー)との間において、FC店は当社の経営に関する指導、助言を遵守することを条件に、当社グループ会社より経営上必要なノウハウや情報を与えられ、それに基づいて店舗を運営することを目的としております。
当フランチャイズ契約の締結におきましては、原則としてFCオーナーが自身において物件を準備して加盟をしていだだく方式であります。
② ロイヤリティ
当該契約店は当社グループに対し、毎月月間売上に対して一定の割合に相当する金額または、約定による固定金額を当社に支払うことになっております。
③ 契約期間及び更新
3年間または5年間または10年間としておりますが、当該契約店より契約期間満了の3ヶ月前までに書面にて更新拒絶の通知がない限り、2年間または3年間契約が更新されます。
該当事項はありません。