文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、法改正を含む外部経営環境の変化に応じたコンプライアンスの徹底を前提として、「世界中の人々に最高のファイナンスとサービスを提供し、豊かな社会を築き上げることに貢献します」「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成します」というミッションの具現化と、将来にわたりこれらを継承する人財の育成の両立により、企業価値の中長期的な向上を図ってまいります。
(2) 経営環境
① 事業を行う市場の状況
当社グループの主力事業であるファイナンス事業及び故障保証事業の対象市場である国内中古車マーケットにおいて、中古車の自家用登録台数は横ばい傾向にあります。生活必需品としての色彩が強い自動車は、成熟市場でありながらも、今後もその需要は「底堅く」推移するものと考えております。
特にファイナンス事業は、競争環境の面において、新たに事業を開始するためには多額の資金及びシステム投資が必要であるため、新興企業が容易に参入できる事業ではないものと捉えております。一方、マーケットにおける当社グループのシェアはまだ低い水準にあり、将来におけるファイナンス事業の成長余地を示すものと考えております。
② 当社グループの強みについて
a.独立系であることについて
当社グループは、独立系(注)であることから、オートクレジットの主な取引先である自動車販売店(以下「オート取引先」という。)に対し、オートクレジット以外の複数サービスを提供することが可能です。
こうした複数サービスの提供によって、オート取引先ごとのニーズに応えうる「機会」=「取引の接点」を増やすこと、またサービス間の併用割引による「取引回数や利用頻度の向上」=「取引の深化」を進めることが、オート取引先との関係性をより強く・深く・長く・継続しやすくする重要なポイントであると考えております。
(注)当社グループでは、銀行の子会社や関連会社ではないことを「独立系」と表現しております。
b.営業活動における強みについて
当社グループは、複数のサービスを提供しておりますが、主要商品である「オートクレジット」や「故障保証」につきましては、同一の営業担当者が営業活動を行っております。一方、競合他社によっては、各サービス専属の営業担当者を配置し、自動車小売店に対して営業活動を行っております。当社グループは、「オートクレジット」や「故障保証」を並行的に販売することによって、競合他社と比較して営業コストを抑えられることとなり、結果として収益性を高めることが可能であると考えております。
c.ファイナンス事業における強みについて
当社グループにおきまして、オートクレジットの営業担当者は、オート取引先に特化した営業活動を行っており、これを「オート専業」と表現しております。なお、当社グループはオートクレジット以外のクレジットも取り扱っておりますが、オートクレジット以外の営業担当者が営業活動を行っております。
競合他社によっては、営業担当者はオートクレジット加盟店以外の加盟店(例えば呉服や宝飾品類を取り扱う小売店等)も担当しており、並行的に営業活動を行っております。
一方、当社グループは、オート取引先に対してはオート専業の営業担当者が営業活動を行っております。従って、営業担当者は、オートクレジットやオート取引先の特性のみならず、自動車販売業界及び自動車そのものに対する知識・理解を得やすい環境で日々の営業活動を行うこととなり、そうした環境により培われた自動車販売業界全般への見識のもと、オート取引先のオーナーや従業員と円滑にコミュニケーションを行えるようになります。また、オート取引先の資金繰り状況についても同様に理解・把握することで、立替金の振込だけでなく、中古自動車のオークション開催日を考慮した訪問スケジュールの組立てなど、オート取引先の立場や状況を踏まえた営業活動が可能となると考えております。
また、クレジット契約書や車検証の写し等の各種書類の回収等業務の大部分をオンラインに移行し、効率化を図る一方で、オート取引先とのコミュニケーションの質や頻度に留意し、電話やSNSを通じたフォローを行う等、きめ細やかな対応を継続しております。
このように、自動車販売業界全般への理解と、オート取引先の立場・状況を踏まえた営業活動を通じて、オート取引先との信頼を構築することが、当社グループの強みであると考えております。
d.故障保証事業における強みについて
ア.リクルートとの提携
当社グループは、株式会社リクルートホールディングスの100%子会社であり紙媒体及びWeb媒体において自動車情報を掲載するサービス「カーセンサー」を運営する株式会社リクルートと、中古車修理保証制度「カーセンサーアフター保証」の販売促進を図る目的で業務提携しております。
カーセンサーアフター保証は、当社グループにおいて開発した故障保証商品を一部カスタマイズしたOEM商品であり、株式会社リクルートが展開する中古車情報媒体「カーセンサー」に掲載している車両に付保されます。株式会社リクルートが当社グループの提携先に対し販売促進の営業活動を行う一方で、当社グループは故障保証業務(オート取引先とのカーセンサーアフター保証に係る業務提携契約の締結、お客様との保証契約の締結、保証の履行等)を受託しており、当社グループの故障保証取扱件数の増加に寄与しております。
イ.故障車両に係るデータ保有
故障保証は、お客様から金員を頂戴し、故障が発生したお客様に修理を行うスキームであるため、故障車両の走行距離、経過年数及び修理内容といった実績を蓄積し分析することで、より適切な故障保証商品の設計やプライシングが可能となります。その点、当社グループの累計故障保証契約台数は140万台(2010年4月~2023年3月の累計)を超過し、この契約台数を背景とした故障車両に係るデータを有しております。
ウ.修理対応力
当社グループは、お客様に安心してご利用いただけるよう、整備士資格を保有する従業員を故障保証の受付・審査を行うコールセンターへ配置し、故障内容や修理範囲の直接確認、FAINES(注)の閲覧等を通じて、不必要な修理を未然に防止し、正確かつ迅速な車両修理対応を行っております。また、合わせて、リサイクル・リビルド部品の活用、当社グループで構築した整備工場ネットワークへの優先入庫の促進、直営の整備工場の保有などにより、修理コストの削減を徹底しております。
(注)FAINESとは、一般社団法人日本自動車整備振興会連合会が整備事業者に対して提供する、整備マニュアルや故障整備事例等の情報データベースをいいます。
e.オートモビリティサービス事業における強みについて
ア.整備工場ネットワーク及び有料会員組織を構築
当社グループは、整備工場ネットワーク及び有料会員組織を構築しております。故障保証事業にて発生した修理車両をこの整備工場ネットワーク及び有料会員組織へ優先入庫することで、修理コストを削減しています。また、整備工場は当社グループの整備工場ネットワーク及び有料会員組織に加入することで当社グループからお客様を獲得することができるため、双方にメリットのある関係性を構築しております。このことから、整備工場ネットワーク及び有料会員組織は順調に拡大しております。また、これらが拡大してくると、当社グループの自動車部品、車両卸及びソフトウェアの販売先が増えることにもつながり、オートモビリティサービス事業の更なる業容拡大が可能となります。
イ.グループ間での車両の有効活用
当社グループは、ファイナンス事業にて一定期間延滞となったお客様の車を引き揚げて、売却することでお客様の債権残高に充当しております。オートモビリティサービス事業では、その引揚車両を当社グループの有料会員組織に通常の仕入れよりも安い価格で販売することで、当社グループは利益を獲得しながら、有料会員にもメリットのある関係性を構築しております。
ウ.ソフトウェア販売
当社グループは、整備工場向けの業務ソフトウェアの販売を行っております。ソフトウェアの内容は競合他社と遜色ないものではありますが、より安い価格で提供することで、販売の拡大を目指しております。
エ.サブスクリプション(リース)
当社グループは、ご希望の車種、所有期間、アフターケアを選択できるオートリースの提供を行っております。多様化する自動車の所有形態に合わせ、当社サービスラインナップを拡充することで、より多くの人が当社サービスを提供できる環境を構築しております。
f.カープレミア事業モデルにおける強みについて
当社グループは、ファイナンス事業・故障保証事業で培った自動車販売店及び自動車整備工場のネットワークを組織化した会員組織「カープレミアクラブ」を組成し、自動車の仕入や経営のサポートサービス等、当社グループが提供する様々な事業の会員限定サービスを提供しております。独立系であることにより、複数のサービスが提供できる当社グループは、会員のニーズに沿ったサービスの提供や会員向けに特化した営業組織や企画運営を行う体制を築き、会員個々の満足度向上を図っております。会員とより強固な信頼関係を構築し、当社グループが展開するサービスの稼働率の向上や各事業とのシナジーの創造に繋げております。
③主要サービスの内容
a.ファイナンス事業について
当社グループが提供するクレジットは、お客様が商品やサービスを購入しようとするごとに、クレジット会社へ申込みを行い、審査を受けるクレジットであり、割賦販売法第二条第4項に定められる「個別信用購入あっせん」のクレジットに分類され、クレジットカード(割賦販売法第二条第3項第1号に定められる「包括信用購入あっせん」)のように、発行にあたりお客様がクレジット会社へ申込みを行い、審査を受け、発行された後は設定された限度額や有効期限内であれば改めて審査を受けることなく商品やサービスを購入できるクレジットとは異なります。
主要な商品は、自動車の購入に伴うクレジット(オートクレジット)ですが、太陽光発電システム等の購入に伴うクレジット(エコロジークレジット)等も取り扱っております。
(ファイナンス事業における取引の流れ)
当社グループが提供する「個別方式」のクレジットには、「立替払方式」及びその派生形である「提携ローン方式」の二つがございます。当社グループでは、当連結会計年度末におけるクレジット債権残高(注)全体に対し「提携ローン方式」が取扱いの中心となっておりますが、ここでは「立替払方式」、「提携ローン方式」の順で記載させていただきます。
(注)クレジット債権残高とは、開業から各連結会計年度末等のある時点までの累計取扱高(クレジット元本及び分割払手数料の合計)のうち、当該時点において、お客様から返済されていない金額の総額をいいます。
ⅰ)立替払方式
立替払方式とは、加盟店が行うお客様への商品販売等を条件として、当社グループがその代金の全部又は一部に相当する金額を加盟店へ立替払いし、お客様から分割返済を受ける方式をいいます。
なお、立替払方式においては、お客様が支払う分割払手数料の全額から、加盟店に対する販売促進費を控除した金額が営業収益に計上されております。一方、金融機関に支払う調達コストは、通常の運転資金の調達コストと同様に、営業費用に計上されております。つまり、金融機関に支払う調達コストは、営業費用として営業収益から控除され税引前利益が算出されます。従って、営業収益から営業費用を控除した金額で、提携ローン方式と立替払方式との間に差異はありません。また、保険会社へ支払う保険料(注)は、営業費用に計上されております。
(手数料の内訳)
(立替払方式の取引の流れ)
取引の流れは以下のとおりです。
① お客様が加盟店に対して商品購入等を目的としたクレジットを申込み
(その後、加盟店からプレミア㈱にWeb又はFaxで情報連携)
② プレミア㈱がお客様の信用情報等を審査、承認
③ プレミア㈱が加盟店にクレジット代金及び販売促進費を送金
④ 加盟店がお客様へ車両等、購入商品を引渡し
⑤ お客様がプレミア㈱へクレジット代金を返済(月次返済)
(注)クレジット債権の未回収リスクを低減させるため、当社グループは、複数の損害保険会社と取引信用保険包括契約(立替払方式のクレジット債権を対象とするもの)並びに保証機関型信用保険包括契約(提携ローン方式のクレジット債権を対象とするもの)を締結しております。当該保険契約は、お客様の債務不履行により当社グループが被る損害を回避することを目的とし、お客様が加盟店との間でオートクレジット商品(四輪車、二輪車、パーツ及び整備代金等オート関連商品を含む。)を売買するにあたり、当社グループとお客様との間で締結したクレジット契約に基づき発生したクレジット代金をその対象としております。当該保険契約は、毎月月末の保険対象債権の残高に対し保険料率を乗じ、翌月末日に保険料を支払うサイクルとなっており、また半期に1回、保険金請求手続のうえ、保険金支払いを受けております。なお、保険金請求の対象債権につきましては所定の要件を設けております。
ⅱ)提携ローン方式
提携ローン方式とは、金融機関がお客様に対する資金融資を行う一方で、お客様の審査や加盟店に対する立替金の精算、お客様からの分割返済に係る事務全般を当社グループに委託する方式をいいます。なお、お客様の債務は当社グループが金融機関に対して連帯保証いたします。
具体的には、加盟店が行うお客様への商品販売等を条件として、その代金の全部又は一部に相当する金額を、提携金融機関が当社グループを通じて加盟店へ支払います。資金の融資にあたり、当社グループ所定の審査を実施いたしますが、当該審査につきましては、立替払方式と同等の基準で行っております。また、お客様からの月々の分割返済金も当社グループを通じて提携金融機関へ返済いたします。
なお、提携ローン方式においては、お客様が支払う分割払手数料のうち、最終的に当社の収益(税引前利益)となる信用保証料相当部分のみ営業収益に計上されております。つまり、お客様が支払う分割払手数料のうち、提携金融機関に支払う調達コストや加盟店に対する販売促進費は営業収益には含まれません。また、立替払方式と同様、保険会社へ支払う保険料は営業費用に計上されております。
(手数料の内訳)
(提携ローン方式の取引の流れ)
取引の流れは以下のとおりです。
① お客様が加盟店に対して商品購入等を目的としたクレジットを申込み
(その後、加盟店からプレミア㈱にWeb又はFaxで情報連携)
② 提携金融機関がお客様の審査を実施、プレミア㈱がお客様の信用情報等の保証審査を実施、承認
③ プレミア㈱が加盟店にクレジット代金及び販売促進費を送金
④ 提携金融機関がプレミア㈱にクレジット代金を送金
⑤ 加盟店がお客様へ車両等、購入商品を引渡し
⑥ お客様がプレミア㈱へクレジット代金を返済(月次返済)
⑦ プレミア㈱が提携金融機関にクレジット代金を返済(月次返済)
b.故障保証事業について
当社グループが提供する故障保証とは、お客様が当社グループの提携先を通じて自動車を購入し、保証サービスの提供を希望される場合、一定の保証料をお支払いただくことで、購入された自動車に故障が発生した際、あらかじめ定めた保証の提供範囲内において、無償で修理が受けられる故障保証サービスです。
当社グループは、提携先の営業戦略や取扱車種、お客様の利便性等を考慮し、提携先のニーズに応じた異なる商品を提供しております。以下に、当社グループが提供する代表的な故障保証商品を記載いたします。
ア.プレミアの故障保証
当社グループにおいて開発した自社ブランドの故障保証商品であり、以下に記載する「カーセンサーアフター保証」や「その他OEM」の開発の基本形となる商品であります。なお、2019年10月に商品改定を行い、「プレミアの故障保証」へ名称変更しております(旧商品名「プライムワランティ」)。
プレミアの故障保証は最大397項目の部位を保証しており、代表的な機構として、エンジン機構、ブレーキ機構、エアコン機構、電装装備品がございます。また、自動ブレーキシステム等の先進機構も保証対象として含まれております。
イ.カーセンサーアフター保証
当社グループにおいて開発した故障保証商品を、株式会社リクルートとの提携先に応じて一部カスタマイズしたOEM商品であります。カーセンサーアフター保証は、株式会社リクルートが展開する中古車情報媒体「カーセンサー」を利用する提携先に対し提供され、カーセンサーに掲載される車両に付保されるものであります。
ウ.その他OEM
当社グループにおいて開発した故障保証商品を、月間30台程度の販売ベースをもつ提携先により一部カスタマイズしたOEM商品であります。提携先の販売する車種構成等に応じ、対応車種や対応保証範囲をカスタマイズすることで、当連結会計年度末においては、基本プラン5類型、約1,000種類のOEM商品を提供しております。
エ.カープレミア故障保証
当社グループにおいて、有料会員組織「カープレミアクラブ」向けに、新たに開発した故障保証商品であり、上記「プレミアの故障保証」と比較して、保証加入範囲の大幅拡大や保証範囲の拡大、廉価な価格設定で商品を提供しております。
(故障保証事業における取引の流れ)
故障保証事業においては、当社グループが提携先から受領した故障保証代金は、まず「その他の負債」として計上し、保証期間の経過に伴い収益に計上しております。また、当社グループが整備工場等に支払う修理代金が営業費用に計上されております。
取引の流れは以下のとおりです。
① 提携先がお客様へ故障保証を販売
② お客様が提携先へ故障保証代金を支払い
③ 提携先がプレミアワランティサービス㈱に故障保証代金を支払い
④ プレミアワランティサービス㈱からお客様へ保証書を発行
⑤ 故障発生時、お客様から提携先又はプレミアワランティサービス㈱へ入電
⑥ プレミアワランティサービス㈱から整備工場等への車両入庫を誘導
⑦ お客様から整備工場等へ車両を入庫
⑧ プレミアワランティサービス㈱が工場等から修理見積を取得
⑨ プレミアワランティサービス㈱と整備工場等が修理見積内容への審査及び交渉
⑩ 修理後、整備工場等からお客様へ車両を納品
⑪ 整備工場等からの請求に基づき、プレミアワランティサービス㈱から修理代金を支払
c.オートモビリティサービス事業について
当社グループのオートモビリティサービス事業では、当社グループが自動車部品及び車両の仕入れ並びにソフトウェアの開発等を行い、自動車販売店や整備工場等のモビリティ事業者向けに販売を行っております。
d.カープレミア事業について
当社グループのカープレミア事業では、自動車販売店及び自動車整備工場のネットワークを組織化した会員組織「カープレミアクラブ」を組成し、当社グループが提供する様々な事業の会員限定サービスを提供しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 中期経営計画「VALUE UP⤴2023」の総括
当社グループは、2020年2月14日に2023年3月期までの3ヵ年の中期経営計画を発表し、「オートクレジット企業」から「オートモビリティ企業」へと変化していくことを基本方針に掲げ、従来の主力事業であるファイナンス分野、故障保証分野を引続き拡充していくことに加え、新たにオートモビリティサービス分野を確立し、複合的に加盟店や個人の皆さまと接点を持ち、自動車ビジネスにおけるプラットフォームになることを目指し邁進してまいりました。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、「税引前利益」や「親会社の所有者に帰属する当期利益」、「ROE」は、目標を上回る結果となりました。中期経営計画策定時よりも中古車マーケットが悪化したことにより、収益力において課題が残りましたが、利益ベースでは計画を達成し、時価総額についても、計画発表時の2倍以上に伸長させております。
|
重視する財務指標 |
2023年3月期 (実績) |
2023年3月期 (最終年度計画値) |
達成度 |
|
営業収益 |
253億円 |
258億円 |
97.9% |
|
税引前利益 |
53億円 |
49億円 |
108.9% |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
40億円 |
33億円 |
121.2% |
|
ROE |
34.7% |
31.7% |
+3.0pt |
|
時価総額 |
684億円 |
900~1,000億円 |
▲216億円 |
(注)当該中期経営計画は、新型コロナウイルス感染症の影響を加味し、主に定量的情報(「経営成績の見通し」)の見直しを行い、2021年5月13日に改めて公表しております。
また、オートモビリティ事業の収益化や有料会員組織「カープレアクラブ」の確立により、自動車ビジネスにおけるプラットフォームの構築を実現しております。
② 新中期経営計画「ONE&ONLY 2026」の策定
「第2.事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載の経営環境に加え、自動車業界はCASEやMaaSに代表されるような100年に一度の大変革期を迎えており、この新しい時代に対応するべく、将来、カーシェアやメンテナンスの拠点となり得る自動車販売店や自動車整備工場とのネットワークづくりを進めていくことが、中長期的に重要になると考えております。そのため、2023年5月2日に発表した2026年3月期までの3ヵ年の中期経営計画では、当社グループは「ONE&ONLYのオートモビリティ企業」へと変化していくことを基本方針に掲げ、主力事業であるファイナンス分野、故障保証分野、オートモビリティサービス分野を引続き拡充していくことに加え、カープレミア事業モデルを確立し、複合的に加盟店や個人の皆様と接点を持ち、日本で唯一のファイナンス事業を含んだ中古車領域経済圏の構築を目指しております。
なお、新中期経営計画「ONE&ONLY 2026」の重視する財務指標は下表のとおりです。
|
重視する財務指標 |
2024年3月期 (計画値) |
2025年3月期 (計画値) |
2026年3月期 (最終年度計画値) |
|
営業収益 |
305億円 |
360億円 |
440億円 |
|
税引前利益 |
60億円 |
78億円 |
102億円 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
42億円 |
54億円 |
70億円 |
上記の方向性のもと、当社グループにおいて優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりです。
① カープレミア事業モデルの確立
「ONE&ONLYのオートモビリティ企業」を目指し、ファイナンス事業、故障保証事業、オートモビリティサービス事業の3つの領域でのNo.1を達成するため、カープレミアクラブ(モビリティ事業者向け会員組織)を中心とした中古車領域経済圏の構築が重要であると考えております。カープレミアクラブの拡大、カープレミアブランドの認知拡大による集客力の強化、サービスのオンライン化の推進等により、会員に特化した営業組織や企画運営を行う体制を築き、会員個々の満足度向上を図ることで、より強固な信頼関係を構築し、当社グループが展開するサービスの稼働率の向上や各事業とのシナジーの創造に繋げてまいります。
② ファイナンス事業の深化
ファイナンス事業の主要サービスであるオートクレジットにおきましては、その取扱高を伸長し、業界内におけるシェア向上を図るため、有料会員組織の拡大による営業施策の仕組化や営業エリアの更なる開拓、加盟店の稼働率の向上が重要と考えております。また、収益のみならず、利益の向上を目指し、DX化によるバックオフィスの効率化にも取り組むほか、国内で培ったノウハウを活用し、東南アジアを中心とした海外展開にも注力してまいります。既に進出しているタイ王国では、現地でファイナンス事業を営むEastern Commercial Leasing p.l.c.の業務支援を行っており、海外展開における布石としてまいります。
③ 故障保証事業の拡充
故障保証事業におきましては、その市場自体の拡大が今後の事業伸長において重要であると考えております。そのため、引き続き営業活動の強化と、加盟店・個人のお客様双方のサービス自体の認知度向上に努めてまいります。また、収益のみならず、利益の向上を目指し、自社商品の取扱い件数を増加させること、故障が発生した修理車両を当社グループに加盟している整備工場ネットワークへ入庫誘導すること、及び当社グループ内で調達した中古部品を修理に利用することで、原価削減も図ってまいります。また、ファイナンス事業と同様に、海外展開にも注力してまいります。既にタイ王国、インドネシア共和国及びフィリピン共和国において事業を開始しており、既存展開先での収益化と新たなニーズの獲得に努めてまいります。
④ オートモビリティサービス事業の拡充
オートモビリティサービス事業におきましては、新しい収益の柱として、安定した収益化の継続が重要であると考えております。そのため、既に収益化しているサービスの取引量の伸長に加え、既存事業とシナジー効果のある新しい事業領域への参入に取り組んでおります。展開するサービスラインナップを拡充することで自動車販売店・自動車整備工場等のモビリティ事業者への訴求力を高め、ファイナンス事業や故障保証事業、カープレミアクラブとのクロスセルの促進に努めてまいります。
⑤ 組織力の強化
今後も積極的な新卒・中途採用活動を継続するとともに、人財の多様性が増していく中にあって、従業員個々の経験値の蓄積や組織としての一体感の維持、マネジメント力の更なる強化が必要であると考えております。そのため、知識・実務に係る社内研修及びOJTのみならず、当社グループの行動規範である「VALUE」という概念に基づいた研修を、執行役員を含む従業員層に対し継続的に実施することで、全従業員が各自の職務の中でその役割を体現できる、「高みを目指す」「最後まで諦めない」「既成概念の打破」といった組織風土を醸成してまいります。
⑥ グループ企業の統括
事業拡大に伴いグループ企業が増加している当社グループにおきましては、グループシナジーを創出するために、優れた事業戦略の構築に加え、コンプライアンス強化や適切なリスク管理が重要であると考えております。また、ファイナンスをはじめとした各事業に統括会社を設置し、グループ企業の事業進捗の把握や計数の管理を徹底してまいります。
⑦ 持続的成長へ向けた取り組み
「Environment(環境)」、「Social(社会)」、「Governance(ガバナンス)」に関する課題に適切に対応するESG経営を推進し、事業活動において策定した持続可能な開発目標(SDGs)を達成することが、企業価値の継続的な向上を図るうえで重要であると考えており、以下の課題に取り組んでまいります。
・E 気候変動への取組み、資源循環型社会への取組み、脱炭素社会への取組み
・S (社会資本)顧客のプライバシー及びデータ保護を徹底、適切な取引・販売プロセスの実施
(人的資本)従業員の働き甲斐の醸成・人財育成、従業員の健康と安全の保護
・G コーポレートガバナンス体制の拡充、コンプライアンス強化・リスク管理
・その他競争力強化に向けた取組み・イノベーション、サプライチェーンマネジメント
⑧ 中期経営計画における重点課題に向けた取組み
2026年3月期までの3ヵ年の新中期経営計画(2023年5月に発表)において、設定した重点課題に取り組み、定量目標を達成していくことで、当社グループにおける事業基盤をより盤石なものにしていくとともに、事業領域を拡大できる企業体力を養成し、更なる企業価値の向上を目指してまいります。
⑨ DXの推進
取引工程や業務をオンライン化し、安全かつ効率性の高い手法に移行していくことが重要であると考えております。また、オンライン化のみならず、DXの推進により、新たなビジネスモデルを確立し、競争力を強化していくことも重要であると考えております。2021年5月に策定した「DX戦略」のとおり、DX推進のため、経営陣を責任者とした専門組織による、事業を横断した取組みを継続し、競争力強化や更なる企業価値の向上を目指してまいります。
文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
1.サステナビリティ
当社は、未来のために限りある資源を有効利用し環境保全に取り組みながら、事業活動を通じて脱炭素社会へ貢献するとともに、持続可能な循環型社会の実現を目指してまいります。
ア.循環型社会形成への貢献(有限の資源の活用)
当社は、展開する4事業(ファイナンス事業・故障保証事業・オートモビリティサービス事業・カープレミア事業)において、自動車に関するリデュース、リサイクル、リユース、リペア(4Rビジネス)を推進しております。このような点から、本業の拡大を継続することで循環型社会の形成に貢献してまいります。
イ.気候変動に対する基本的な考え方
モノの生産に伴い排出される温室効果ガス(以下、「GHG」という。)は脱炭素化が極めて難しいと言われておりますが、その解決のカギを握るのが循環型社会であります。当社グループでは、モビリティ事業者向けの二次流通支援ビジネスをメインに行っており、本業の拡大そのものが循環型社会の形成に貢献することになると考えております。本業での取り組みを加速することで、今や世界的な要請である気候変動対策にも貢献することを目指してまいります。
今後も、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、必要なデータの収集と分析を行うことの重要性を認識し、更なる情報開示の充実に努めてまいります。
(1)ガバナンス
当社グループは、気候変動をはじめとした地球規模の環境問題への配慮、人権の尊重、従業員を含む全てのステークホルダーへの公正・適正な事業活動等、社会や企業のサステナビリティを巡る課題解決を事業機会と捉え、これに向けた取り組みを推進するため、2023年7月に「サステナビリティ委員会」の設置を予定しております。
サステナビリティ委員会を中心に、最重要テーマである気候変動対策についての取り組み状況の開示を積極的に行うとともに、環境マネジメントシステム等の仕組みを通じてデータを管理することで継続的に改善を行いながら、その結果についてマネジメントレビューを行ってまいります。
(2)戦略
当社グループは、気候変動のリスクと機会を明確にするために2つのシナリオを設定しております。「気候変動対策が進まず成行きのまま気温が上昇し、それによる物理的リスク・機会が発生するシナリオ」を4℃シナリオとして「急性」「慢性」について分析を行っております。
一方、「温暖化防止に向けて様々な活動が実施され、脱炭素社会への移行に伴うリスク・機会が発生するシナリオ」を2℃シナリオとして「政策・規制」「技術」「市場」「評判」について分析を行っております。
ア.シナリオの設定
気候関連リスクと機会の分析においては、国際的に認められた複数のシナリオを参照しております。
|
2℃ シナリオ |
脱炭素社会の実現へ向けた政策・規制が実施され、世界全体の産業革命前からの気温上昇幅を2℃未満に抑えられるシナリオ。移行リスクは高いが、物理リスクは4℃シナリオと比較すると低く抑えられる。 |
■IPCC ・Shared Socio-economic Pathways(SSP1.9) ・Shared Socio-economic Pathways(SSP2.6) ■IEA ・Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE) |
|
4℃ シナリオ |
パリ協定における国別目標など、公表済み目標が達成されることを前提としたシナリオ。新たな政策・規制は導入されず、世界のエネルギー起源CO2排出量は継続的に増加する。移行リスクは低いが、物理リスクは高くなる。 |
■IPCC ・Shared Socio-economic Pathways(SSP8.5) ■IEA ・World Energy Outlook ・Stated Policies Scenario(STS) |
(注)1.パリ協定では、世界全体の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求されております。それに基づき、2018年10月に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、1.5℃の地球温暖化による影響と、そこに至る温室効果ガスの排出経路についての特別報告書を作成しており弊社のシナリオ分析においてもシナリオを活用しております。
2.炭素市場の推進により、EV市場が拡大することが想定されております。当社ではIEAのシナリオにおけるEVの販売台数予想の値を用いてリスクと機会の分析を行っております。
イ.シナリオ分析手順
気候関連リスク・機会の分析の手順においては下記の順序で検討をしております。
a.気候関連リスク・機会項目の列挙
・気候変動リスク及び機会の抽出
・重要性の高いリスク及び機会の評価
・重要性の高いリスク及び機会に関する評価軸設定
b.事業インパクトの定性化
・既存シナリオの中で関連性の深いものを列挙
・気候変動シナリオの設定
c.財務インパクトの定量化
・各シナリオと、特定した重要な気候関連リスク及び機会と関連パラメータを踏まえ、
各シナリオにおける財務インパクトを分析
d.対応策の検討
・気候変動リスク及び機会に対する当社戦略のレジリエンスの評価
・現状評価を踏まえた対応策の検討
ウ.シナリオ分析結果
シナリオ分析を行う上で、当社の主要事業の2030年時点における主要なリスク及び機会による財務インパクトの算定、その対応策等、具体的な検討を行っております。
さらに、機会においては、財務インパクトの評価に加え、主要事業の市場規模、脱炭素への貢献度の2つの項目について評価を行い、当社の新規事業開発及び事業成長の可能性について検討を行っております。
a.リスク
脱炭素社会への移行やEV市場の拡大に伴うリスクを洗い出し、事業へ与えうる財務インパクトの定量評価を行っております。分析結果を踏まえ、想定規模ごとに大、中、小に分類を行い、それぞれに対する対応策の検討を行っております。
|
大分類 |
中分類 |
小分類 |
事業インパクト |
被害規模 |
対応策 |
|
移行リスク |
政策・規制 |
エネルギーミックスの変化 |
電気料金の上昇 |
中 |
LEDの導入や省エネ設備の導入を行うことによって、電力使用量の削減を行う |
|
原油価格の高騰 |
ガソリン価格高騰によるコストの増加 |
中 |
EV車の導入によるエネルギーコスト削減を行う |
||
|
EVとガソリン車の補助金予算の格差 |
EV新車市場の低迷に伴い、EV中古車市場形成に時間が必要 |
小 |
EV市場だけではなく、ガソリン車や水素自動車などにも事業を展開することでリスクの分散を行う |
||
|
市場 |
中古車市場の縮小 |
消費者の環境意識の高まりにより、EV需要が拡大し、ガソリン車需要が減少する |
大 |
中古車向けのサービスの拡充により1台あたりの収益性の向上を図る |
|
|
EV中古車市場の形成の遅れ |
EVバッテリーの査定方法が確立せず、EV中古車価値が正しく評価されないため、市場形成に時間を要する |
大 |
バッテリー診断技術を販売店に早期促進していく 設備投資も含めてEVの普及を支援する |
||
|
自動車販売市場の低迷 |
循環型社会、カーシェアリングなどのモビリティサービスへの移行により自動車販売台数が減少し市場が低迷する |
中 |
カーシェアやサブスク系のビジネスで事業領域を拡大していくことで、リスクを回避する |
||
|
部品流通の遅れ |
EV用・リビルト・リサイクル部品の流通がなく、EV故障保証事業に影響を与える |
大 |
解体事業から使用できる部品を調達 会対抗上ネットワークからパーツを直接調達 |
||
|
物理リスク |
慢性 |
海面上昇 |
沿岸地域の施設・設備被害による輸送の遅延又は停止 |
小 |
物流の分散化により。リスクの低減を行う |
|
事業所移転コストの発生 |
小 |
洪水や海面上昇のリスクの高い拠点については毎年モニタリングを行い、必要に応じてリスクの低い拠点に移動する |
(注)被害規模:「大:10億円以上 中:1,000万円~10億円 小:1,000万円以下」と設定しております。
b.機会
脱炭素社会やEV市場の拡大を見据えた事業を想定し、当社がその事業を実際に行った際の機会の大きさの検討を行っております。
また、「EV専用故障保証」「カープレミア店舗を利用した、太陽光発電システムとEV充電設備の設置」「EV充電ネットワークの構築」の3つについては既に着手を行っております。
|
大カテゴリ |
小カテゴリ |
内容 |
市場規模 |
脱炭素への貢献度 |
機会の 大きさ |
|
EV仕入れ/買取領域 |
EV新車仲介 |
EV専用の新車仲介販売事業 |
中 |
小 |
小 |
|
アフターサービス領域 |
EV車検/点検 |
未成熟であるEVに対する車検/点検による |
大 |
大 |
大 |
|
EV整備ネットワーク |
EVに関する整備を安定的に実現するためのネットワークを構築する事業 |
大 |
大 |
小 |
|
|
EV販売領域 |
EV専用クレジット |
EV専用のクレジットを脱炭素貢献に向けたSLLなどを活用し、低金利に提供を行うことでEV市場の成長とともに自社サービスの拡大を目指す |
大 |
大 |
大 |
|
EV専用故障保証 |
EVの普及を見据えたEVならではの特徴を捉えた専用の故障保証事業 |
中 |
大 |
大 |
|
|
インフラ領域 |
CP店舗を利用した太陽光発電 |
CP店舗上に太陽光発電設備を設置し、その電力によりサプライチェーンの脱炭素を進めるとともに新たな収益源を構築する |
中 |
中 |
小 |
|
EV充電ネットワーク |
EVの充電設備のネットワークを構築し、EVの航続距離が短いデメリットの解消を目指す事業 |
中 |
中 |
小 |
|
|
EVネットワークのマップ |
消費者向けのEV情報に関わるネットワークマップを作成し、EVスタンドなど共有を行う事業 |
小 |
中 |
小 |
(注)1.市場規模:「大:1兆円 中:1,000億円~1兆円 小:1,000億円以下」としております。
2.脱炭素への貢献度:「大:脱炭素のボトルネックを解消 中:削減貢献量が大きい 小:削減貢献量が小さい」としております。
3.機会の大きさ:「大:10億円以上 中:1億円~10億円 小:1億円以下」としております。
(3)リスク管理体制
ア.リスクの識別・評価プロセス
当社グループは、気候変動に伴うリスクについて、経営・財務・事業などへの影響を考慮し、現状のリスクの再評価を行うとともに新規リスクの抽出・評価を行い、重要リスクを特定・見直しを行っております。また、重要リスクについては取締役会に報告し、管理・監督を行なっております。
イ.リスクの軽減プロセス
特定したリスクについて、そのリスクの軽減のためにサステナビリティ委員会にて対応方針を検討・決定し、関係部署に展開し、その対応状況をモニタリングいたします。
ウ.優先順位づけプロセス
特定したリスクについて、影響度、発生頻度から重要性を判断し、重要なリスクについてはその対応策を検討、実施を行なっております。
エ.全社リスク管理への統合
時間軸を考慮した気候変動関連リスクを検討するサステナビリティ委員会と全社リスクを検討するリスクマネジメント委員会は、定期的に双方のリスク認識についてすり合わせを行い、時間軸が短期かつ緊急性を要するものについては全社的なリスク管理の観点からリスクマネジメント委員会が対策の実施、モニタリングを行います。
(4)指標及び目標
当社グループは、GHGプロトコルに基づき温室効果ガスの排出量の算定を行っております。
現在、目標設定に向けて削減策の洗い出しを進めており、来年度を目処に目標の設定を行う予定であります。
2023年3月期のCO2排出量は下記の通りであります。
|
|
カテゴリー |
説明 |
排出量(tCO2) |
|
スコープ1 |
- |
エネルギー使用量 |
301 |
|
スコープ2 |
- |
電力使用量 |
295 |
|
スコープ3 |
1 |
購入した製品・サービス |
5,977 |
|
2 |
資本財 |
4,008 |
|
|
3 |
エネルギー関連 |
121 |
|
|
6 |
出張 |
853 |
|
|
7 |
雇用者の通勤 |
103 |
|
|
9 |
輸送、配送(下流) |
390 |
(参考)CO2削減貢献量の試算
当社の事業(ファイナンス事業・故障保証事業・パーツ事業)によるCO2削減量を試算しております。
■ファイナンス事業(Reuse) 自動車の廃棄を削減
削減貢献量:約 112,841 tCO2
■故障保証事業(Reduce) 自動車の廃棄を削減
削減貢献量:約 693 tCO2
■リサイクルパーツビジネス(Recycle) 自動車解体工場を保有するグループ会社からパーツを回収し再利用
削減貢献量:約 1,222 tCO2
リサイクルパーツビジネスの削減貢献量
|
|
リビルト |
中古 |
||||
|
排出量(Kg) |
点数 |
合計(tCO2) |
排出量(Kg) |
点数 |
合計(tCO2) |
|
|
エンジン |
641.7 |
638 |
409.4 |
681.3 |
576 |
392.4 |
|
オートマチックミッション |
368.4 |
337 |
124.2 |
516.3 |
256 |
132.2 |
|
クーラー |
39.4 |
22 |
0.9 |
43.8 |
7 |
0.3 |
|
コンプレッサー |
39.4 |
3,167 |
124.8 |
43.8 |
212 |
9.3 |
|
フロントストラット |
131.7 |
0 |
0 |
131.7 |
5 |
0.7 |
|
フロントドア |
157.4 |
0 |
0 |
157.4 |
62 |
9.8 |
|
フロントナックル |
85.2 |
0 |
0 |
85.2 |
5 |
0.4 |
|
フロントバンパー |
37.2 |
13 |
0.5 |
37.2 |
27 |
1 |
|
マフラー |
74.9 |
23 |
1.7 |
74.9 |
197 |
14.8 |
|
マフラーキット |
74.9 |
0 |
0 |
74.9 |
0 |
0 |
|
ラジエーター |
26.3 |
1 |
0 |
34.9 |
8 |
0.3 |
|
合計 |
- |
4,201 |
661.4 |
- |
1,355 |
561.1 |
2.人的資本
当社グループは、「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成する」という人財育成面のミッションを掲げており、事業や未来を創るのは「人」という考えから、社内では人を「財産」としており、「人財」という表記を用いております。心豊かなメンバー(従業員)と共に、最高のファイナンスとサービスの提供、また循環型社会の形成への貢献を通じて、豊かな社会を築き上げることに貢献します。
(1)戦略
当社グループの多様な人財が個々の能力を発揮することで、各事業の成長、更に当社グループの掲げるミッションの達成に繋がると考えております。そのため、従業員がイキイキと働けるよう従業員幸福度「Well-being」の向上に努め、従業員が個々のパフォーマンスを最大化できる環境の醸成が必要となります。
この実現のため、下記の取り組みを行っております。
ア.行動規範(VALUE)
グループとして「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成します」というミッション達成に向けて、行動規範である「VALUE」を「強い・明るい・優しい」と定め、全従業員の意識の共有を図っております。
多様な人財が活躍できる人事制度の導入や、 働きやすい職場環境の創出を実施、又は研修会社を設立し、創業以来実施してきたノウハウを活用して人財育成を内製化しております。
イ.働き方改革
多様な人財が活躍でき、すべての人が十分に力を発揮することができるように様々な働き方の整備を推進しております。実施例としては、物理的な営業オフィスを設けずに、直行直帰にて営業活動が可能となる「ビジネスサイト」を増設しております。
また、「サテライトオフィス勤務」の導入は、居住地から近い場所での勤務を可能とし、ワークライフバランスの向上に繋がっております。こうした取り組みに加え、今後もDX推進による業務効率の改善を通じた職場環境の更なる改善を推進してまいります。
さらに、有給休暇の取得推進(年2回の長期休暇取得制度)や、フレックスタイム制・時短勤務を取り入れております。2022年2月には、ニューノーマル時代の新たな働き方として「テレワーク職」を導入し、育児や介護などの理由により出社での勤務が難しい従業員や、居住地の近辺にオフィスがない従業員の採用・勤続を可能にするなど、従業員個々の生活環境に合わせた柔軟な働き方の実現によって、多様な人財の確保・活躍が期待されます。
ウ.多様な人財の登用
当社グループでは、ダイバーシティ経営を成長戦略の一環と位置付けております。
当社グループの管理職全体における女性の比率は前年より1.5ポイント増加しており、
性別に関係なく、すべての従業員が働き甲斐を持ち、力を発揮できるジェンダーニュートラルな職場環境を構築しております。また、組織の分散化によって、若手従業員を積極的に管理職へ登用しており、当社グループ会社であるプレミア株式会社では、新卒5年目の従業員が最年少拠点長になるなど、若手の採用・教育に注力しております。年齢を問わず「チャレンジをする」姿勢を大切にすることで、若手従業員も様々な業務に挑戦することが出来ております。
エ.研修・育成
新しい社会を創造する心豊かな人財を育成するため、創業以来行ってきたOJTだけでなく、幅広い研修を積極的に実施しております。新卒、キャリアの若手従業員だけでなく、中堅層や幹部層にも多様な研修を用意しております。様々な役職や能力に合わせた内容となっており、若手従業員の管理職登用へも繋がっております。
また、更なる研修体制の充実を図るため、2020年1月に自社の研修会社として株式会社VALUEを設立し、当社グループの人財研修を内製化いたしました。当社グループ内だけでなく、対外的に当社の研修サービスを提供することで、社会全体の人材育成にも貢献しております。
従業員の成長は会社の持続的な成長に必要不可欠であると考えており、育成・研修費用には十分な投資をしております。コロナ禍においても、株式会社VALUEが保有する研修施設を利用することで、密を避けた研修を可能とし、感染症対策を講じながら、必要に応じて対面での研修を実施いたしました。2023年3月期の当社グループが独自に行う研修の費用である人財開発総費用の実績は、約4,742万円と従業員数300~999人以下の会社平均値の約1.65倍となっております。
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
|
人財開発総費用(万円) |
4,027 |
110 |
1,267 |
4,742 |
(注)1.上記金額は、当社グループが独自に行う研修の費用であります。
2.2021年3月期の費用の減少は、新型コロナウイルス感染症の影響により研修機会が減少したためであります。
オ.従業員幸福度「Well-being」の追求
従業員の満足度は個々で異なります。昇格や給与が上がることで満足を得られますが、それだけで中長期的に会社に魅力を感じさせ、必要な人財を惹き付けることができないと考えております。当社グループで仕事をしていて良かったと思う従業員が増えるほど会社は発展していくと考え、当社グループは従業員の「満足度」ではなく、「幸福度」を追求しております。
給与待遇についても、会社の業績に連動して従業員へ還元をしていく方針に基づき、2024年3月期から住宅手当の拡充や給与のベースアップを行っております。
2023年3月期には、持株会の奨励金を5%から15%へと引き上げ、従業員の資産形成にも注力することで持続的な企業成長を目指してまいります。
上記の取り組みはすべて「Well-being」に繋がっており、当社グループの離職率は約8%と平均値である14%を大幅に下回っております。(令和3年雇用動向調査結果の概要参照)
今後も上記の取り組みを継続し、従業員幸福度「Well-being」の向上を追求し、持続的な成長を着実に実現していきたいと考えております。
(2)指標及び目標
当社グループは2030年の目指す姿として「ONE&ONLYのオートモビリティ企業」を掲げております。
その実現には、多様な人財が個々の能力を発揮していくことが必要と考え、今後も様々な役職及び年齢層に合わせた研修を実施してまいります。
具体的には、一人当たりの教育研修費用を7.5万円から10万円へ増加し、ミッションに掲げた「人財」の育成に取り組み強化を図ってまいります。
また、企業の成長には働き方改革やダイバーシティ経営が必須と考えております。当社グループは、2022年3月期より、女性活躍推進プロジェクト「Lean In Premium」を発足し定期的な活動を実施することで、女性従業員がこれまで以上に活躍できる環境の整備に努めております。今後も、女性管理職の登用を積極的に行い、2026年3月期には女性管理職比率25%を目指し、ダイバーシティの推進と共に、持続的な企業成長を目指してまいります。
今後のグローバル事業拡大においては、外国人従業員比率12.4%から15%を目指し、外国人採用および管理職への登用も積極的に行ってまいります。
また、当社グループは社員の生活及び仕事の質向上のため、働き方改革の一環として下記を目標としてまいります。単身赴任者率・有給休暇取得率においては、これまでの取組から、目標に近い実績となっております。
引き続き、目標達成に向けて取り組んでまいります。
|
働き方改革 |
2023年3月期 |
2026年3月期 |
|
男性育休取得率(%) |
10.0 |
50.0 |
|
単身赴任者率(%) |
0.39 |
0.0 |
|
有給休暇取得率(%) |
72.4 |
80.0 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)経済環境の変化について
当社グループの主力事業であるファイナンス事業、故障保証事業及びオートモビリティサービス事業は、経済環境の変化や税制改正、雇用情勢の悪化等が発生すると、個人消費が減退し、ファイナンス事業においては取扱高の減少や債権回収状況への悪影響の発生、故障保証事業においては取扱高の減少、オートモビリティサービス事業においては各種商品の売上減少が発生する可能性があります。また、今般のロシア・ウクライナ情勢については、各国の経済制裁等による海外拠点での営業活動の影響はあるものの、当社グループの連結売上収益に対するウクライナ及びロシア関連の売上の割合は僅少であるため、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に与える影響は限定的と見込んでおります。
(2)大規模災害等について
当社グループは、大規模災害や感染症の拡大等が発生した場合に、重要な事業を継続し顧客及び社会に対する責務を最大限円滑に遂行するため、事業継続体制に関連する規程及び事業継続計画(BCP)を制定し、教育・訓練を実施しております。但し、予想を超えた事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)システムリスクについて
当社グループは、クレジット基幹システムやWeb受付システム、自動審査システム、債権管理システム、故障保証管理システム、モビリティプラットフォーム等のコンピューターシステムや通信ネットワーク、クラウドサービスを使用し、クレジットや故障保証の申込み時に徴収する個人属性情報やクレジット審査に必要な個人信用情報等、重要かつ大量の情報を処理しております。このため、日頃からサーバやネットワーク等のシステムセキュリティの強化及びシステムの安定稼動の維持に努めるとともに、不測の事態に備え、システムの冗長化、データセンターの二重化や通信ネットワークの複数キャリアの利用等の対策を講じておりますが、自然災害や事故、サイバー攻撃等によるコンピューターシステムの停止や通信ネットワークの切断、不備による誤動作、不正使用、不正アクセス、コンピューターウイルス等に起因して当社グループの業務に支障が生じた場合、また、システム開発計画を大幅に見直した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)法的規制等について
当社グループの事業は、「割賦販売法」、「古物営業法」、「道路運送車両法」及び関連する各種法令による規制を受けております。クレジット事業は、「割賦販売法」により「個別信用購入あっせん業者」の事業登録を必要とする事業とされており、同法に基づき業者登録を行い、3年ごとに当該登録の更新を行っております。また、整備事業、個人向けオートリース事業並びにオートモビリティサービス分野の一部事業において、「古物営業法」により古物商許可が必要とされるため、同法に基づき許可を受けております。さらに、整備事業における自動車の分解整備について「道路運送車両法」により自動車分解整備事業の認証が必要とされており、同法に基づき認証を受け、認証工場を営んでおります。
当社グループは「割賦販売法」、「古物営業法」、「道路運送車両法」、また当然ながら「個人情報保護法」や「景品表示法」「債権管理回収業に関する特別措置法」等の法令等を遵守して業務を遂行しており、現時点において当該許認可等が取消となる事由に抵触する事象は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により当該許認可等が取消され又は更新が認められない場合、将来における法律、規則、政策、実務慣行等の変更が発生した場合、遵法コストが増加した場合、上記法令の他「消費者契約法」、「特定商取引法」等に定める契約の取消、無効事由に該当した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、新たな会計基準や税制の導入・変更が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在における当社グループの主な許認可等取得状況は、以下のとおりです。
|
取得・登録者名 |
プレミア株式会社 |
|
|
許認可等の名称 |
個別信用購入あっせん業者 |
古物商許可 |
|
所轄官庁等 |
関東経済産業局 |
東京都公安委員会 |
|
登録年月日 及び登録番号等 |
2010年4月20日 関東(個)第11号 |
2008年10月24日 第301110808929号 |
|
更新年月日 及び登録番号等 |
2013年4月20日 関東(個)第11号-1 2016年4月20日 関東(個)第11号-2 2019年4月20日 関東(個)第11号-3 2022年4月20日 関東(個)第11号-4 |
なし |
|
有効期限 |
2025年4月19日 |
有効期限の定めなし |
|
法令違反の要件 及び主な許認可 取消事由 |
過剰与信防止等の各種行為規則に関する業務改善命令に違反した場合、法定純資産(50百万円)を下回った場合 等 |
盗品等の売買等の防止若しくは速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認められる場合 等 |
|
取得・登録者名 |
プレミアモビリティサービス株式会社 |
PLS株式会社 |
|
許認可等の名称 |
古物商許可 |
古物商許可 |
|
所轄官庁等 |
東京都公安委員会 |
東京都公安委員会 |
|
登録年月日及び 登録番号等 |
2021年3月2日 第301122115943号 |
2018年10月26日 第301111806570号 |
|
更新年月日及び 登録番号等 |
なし |
なし |
|
有効期限 |
有効期限の定めなし |
有効期限の定めなし |
|
法令違反の要件 及び主な許認可 取消事由 |
盗品等の売買等の防止若しくは速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認められる場合 等 |
盗品等の売買等の防止若しくは速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認められる場合 等 |
|
取得・登録者名 |
PAS株式会社 |
プレミアオートパーツ株式会社 |
|
許認可等の名称 |
古物商許可 |
古物商許可 |
|
所轄官庁等 |
東京都公安委員会 |
東京都公安委員会 |
|
登録年月日及び 登録番号等 |
2016年12月28日 第301111607310号 |
2021年3月2日 第301122115941号 |
|
更新年月日及び 登録番号等 |
なし |
なし |
|
有効期限 |
有効期限の定めなし |
有効期限の定めなし |
|
法令違反の要件 及び主な許認可 取消事由 |
盗品等の売買等の防止若しくは速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認められる場合 等 |
盗品等の売買等の防止若しくは速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認められる場合 等 |
|
取得・登録者名 |
カープレミア株式会社 |
|
許認可等の名称 |
古物商許可 |
|
所轄官庁等 |
東京都公安委員会 |
|
登録年月日及び 登録番号等 |
2022年7月8日 第301122218530号 |
|
更新年月日及び 登録番号等 |
なし |
|
有効期限 |
有効期限の定めなし |
|
法令違反の要件 及び主な許認可 取消事由 |
盗品等の売買等の防止若しくは速やかな発見が著しく阻害されるおそれがあると認められる場合 等 |
|
取得・登録者名 |
PAS株式会社 カープレミア札幌 |
|
|
許認可等の名称 |
自動車分解整備事業(認証) |
自動車特定整備事業(認証) |
|
所轄官庁等 |
国土交通省 |
国土交通省 |
|
認証年月日 及び認証番号等 |
2016年4月14日 第1-2933号 |
2016年4月14日 第1-2933号 |
|
更新年月日 及び登録番号等 |
なし |
認証取得日付 2020年12月25日 |
|
有効期限 |
有効期限の定めなし |
有効期限の定めなし |
|
法令違反の要件 及び主な許認可 取消事由 |
道路運送車両法等の違反、認証条件違反又は役員等の欠格条項違反の場合 等 |
道路運送車両法等の違反、認証条件違反又は役員等の欠格条項違反の場合 等 |
(5)資金調達リスクについて
当社グループの主な資金調達方法は、銀行借入、提携ローン、金融債権の流動化等です。銀行借入では、コミットメントライン等による流動性の確保を通じて資金調達リスクを低減しておりますが、財務制限条項を含むものがあり、当社グループの業績低迷により、資金調達が継続できなくなるリスクがあります。また、コーポレート・ガバナンスの不徹底等に起因する信用力の低下や、金融市場の混乱等により資金調達環境が悪化した場合、新規の資金調達が制限されるリスクがあります。これらの改善がなされない場合には、当社グループの事業の継続に影響を及ぼす可能性があります。
(6)金利の変動について
当社グループでは資金調達の一部は、変動金利による借入となっているため、金融情勢の変化によっては、想定外の調達コストの変動が生じ、その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)コンプライアンスについて
当社グループはコンプライアンスを重要な経営課題の一つと位置づけ、コンプライアンス規程を制定し、コンプライアンス推進体制を構築するとともに、行動規範に基づいた自発的な行動を促すため各種研修を実施し、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めております。しかしながら、コンプライアンス違反による重大な不祥事等、コンプライアンス上の問題が発生した場合、監督官庁等からの処分や社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)個人情報について
当社グループでは、事業の性格上、個人信用情報を中心とした大量の個人情報を取得し、かつ保有、利用しております。このため当社の主要な子会社であるプレミア株式会社及びプレミアワランティサービス株式会社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会によりプライバシーマークの認定(プレミア株式会社、登録番号10670054(05)、更新日2021年9月4日及びプレミアワランティサービス株式会社、登録番号17001612(05)、更新日2021年7月30日)を受けております。また、当社グループは、「個人情報保護方針(プライバシーポリシー)」等を定め、各社・各部門で取り扱う個人情報を特定し、取得や利用、保管する時のリスクを明らかにした上で、そのリスクを軽減する策を決定し、漏えい等の事故を防ぐ体制を構築しております。その他にもネットワークセキュリティの強化、個人情報を取り扱う委託先の確認及び評価、従業員教育、プライバシーマーク内部監査員として認定された当社社員による監査の実施等により、実効性の確保に努めております。但し、当社グループ又は業務委託先等から、個人情報の漏えいや紛失又は不正利用等が発生した場合、当社グループの信用毀損、損害賠償責任を招き、業績に影響を与える可能性があるほか、個人情報取扱事業者として法令に違反した場合、勧告、命令等の行政処分を受ける可能性があります。その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)人財について
当社グループは、人財育成をミッションの一つとして掲げているように、人財こそが競争力の源泉であり、当社グループの最大の強みであるという認識を持っております。そのため、有能な人財の採用、教育研修、人事考課に至るまで情熱を注ぎ、強い組織力を維持することに尽力しております。但し、当社グループが有能な人財の採用及び雇用の維持、人財の教育ができなくなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)市場の競争激化について
当社を取り巻く中古車販売市場の売上動向は、世界的な半導体不足による新車販売の減産を受け、中古車の在庫不足による車両価格の高騰が続いておりましたが、徐々に沈静化傾向が見られます。今後、中古車販売台数の低迷により、ファイナンス事業及び故障保証事業のマーケットにおける競争が今後激しくなり、収益率の低下やシェアの低下等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)風評について
当社グループの風評は、お客様、投資者及び監督官庁等のステークホルダーとの良好な信頼関係の構築・維持に重要であります。法令違反、従業員の不正行為、システム障害等、様々な原因により損なわれる可能性があります。これらを回避することができず、又は適切な対処が行えなかった場合、当社グループは、お客様、投資者及び監督官庁等のステークホルダーとの信頼関係を失うこととなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(12)のれん及び無形資産について
当社は、2015年6月19日にプレミア株式会社のすべての株式を取得した時点でのれん及び無形資産を計上しており、当該資産が当社の同項目のうち大きな部分を占めております。当該資産については、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、将来の収益性が低下した場合には減損損失を計上する可能性があります。なお、当社グループの連結財務諸表はIFRSを採用しており、当該のれん及び無形資産の一部は非償却資産であるため、毎期の定期的な償却は発生しません。参考情報として、当連結会計年度末で3,958百万円ののれん及び4,581百万円の非償却の無形資産を計上しており、取得日以降の償却をしておりません。当該資産について減損損失を計上した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(13)信用リスクについて
当社グループでは割賦売掛金や未収金の貸倒損失に備えるため、(14)に記載の取引信用保険等を契約することで貸倒リスクをヘッジしております。なお、2019年3月期からIFRS第9号「金融商品」が適用されたことにより、償却原価で測定する金融資産等に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。但し、景気の動向、個人破産申立の増加、その他の予期せぬ理由等により、保険料の増加及び貸倒引当金の増加の可能性があります。その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(14)保険契約について
当社グループは、クレジット事業における貸倒リスクをヘッジするため、複数の損害保険会社と取引信用保険及び保証機関型信用保険を締結しております。当該保険契約に定められている保険金の支払限度額を超過する貸倒損失が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、貸倒損失の増加による保険料の増加、保険業法の改正及び損害保険会社のスタンス変化等により保険契約が継続できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(15)修理原価について
当社グループが営む故障保証事業においては、保証サービスの提供をご希望されるお客様に一定のお支払いをいただくことで、購入された自動車に故障が発生した際、あらかじめ定めた保証の提供範囲内において、無償で修理対応をしております。このため、高価格帯の車両故障の増加や車両部品の高騰等を原因として、修理原価が事前の想定より著しく増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(16)新規事業について
当社グループは、既存の主要事業であるファイナンス事業、故障保証事業に次ぐ新しい収益の柱としてオートモビリティサービス事業の拡大・伸長を積極的に推進しております。同事業が当初予定していた事業計画を達成できず、十分な収益を将来において計上できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(17)海外事業について
当社グループは、タイ王国におけるオートファイナンス事業、故障保証事業及び自動車整備事業、東南アジア諸国を中心に、故障保証事業及び故障保証に関連するコンサルティング事業等を展開しております。その他の国・地域に事業を展開する可能性もありますが、海外市場への事業進出には以下のようなリスクが内在しております。これらの事象が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
①予期しえない租税制度の変更や外国資本に対する規制等の法律・規制の設定又は改廃
②予期しえない経済的又は政治的事件の発生
③予期しえないテロ・紛争・伝染病等による社会的混乱等
④予期しえない労働環境の急激な変化
⑤社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当社グループの活動への悪影響
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
なお、セグメント間の内部営業収益は含まない実績を表記しております。また、当社グループは、前連結会計年度まで、「ファイナンス事業」、「故障保証事業」及び「オートモビリティサービス事業」の3つを報告セグメントとしておりました。2022年3月1日付で新たにカープレミア株式会社を設立し、また、同4月1日付で当社グループ企業の再編を実施したことに伴い、当連結会計年度より従来の報告セグメントである「ファイナンス事業」、「故障保証事業」及び「オートモビリティサービス事業」に加え、新たに「カープレミア事業」を設け、4区分を報告セグメントとするとともに、前連結会計年度において、「ファイナンス事業」に含めておりましたオートリース事業を「オートモビリティサービス事業」に、「オートモビリティサービス事業」に含めておりました自動車部品の販売事業を「故障保証事業」に集約しております。前連結会計年度のセグメント情報は、実務上可能な範囲で当連結会計年度と同様の方法で計算し、修正再表示しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスのワクチン接種の進展、移動制限の緩和等により、経済活動は緩やかに再開の動きが見られました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による世界的な資源価格の高騰や為替相場の大幅な変動による影響など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。このような経済環境下、当社グループの主要ターゲットである中古車市場につきましては、2022年4月から2023年3月までの国内乗用車の中古車登録台数は3,022,531台(前連結会計年度比4.6%減)と、前年を下回る結果となりました。(出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会統計データ)
当社グループは、法改正を含む外部経営環境の変化に応じたコンプライアンスの徹底を前提として、「世界中の人々に最高のファイナンスとサービスを提供し、豊かな社会を築き上げることに貢献します」「常に前向きに、一生懸命プロセスを積み上げることのできる、心豊かな人財を育成します」というミッションの実現を目指し、主要取引先である自動車販売店や自動車整備工場に対して、クレジット、故障保証に加え、「クルマ」に関する様々な工程においてお役立て頂けるオートモビリティサービスを複合的に提供することで取引接点を拡大し、業容・収益の成長を加速させるとともに、新たな成長モデルの実現に向けた様々な取組みに挑戦しております。
a.財政状態
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ3,593百万円増加し、13,407百万円となりました。これは主に、利益剰余金が3,283百万円増加したこと等によるものです。親会社の所有者に帰属する持分合計は前連結会計年度末に比べ3,666百万円増加し、13,376百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止やワクチン接種の普及により、持ち直しの動きが見られました。しかしながら、新たな変異株の出現による感染の再拡大や半導体の供給不足によるサプライチェーンの混乱などにより、先行きが不透明な状況が続いております。このような経済環境下、営業収益が25,263百万円(前連結会計年度比20.9%増)、営業利益が4,245百万円(前連結会計年度比9.9%増)となりました。
ファイナンス事業は、中古車流通台数の回復遅れや中古車価格の高止まり等の不安定な市場環境が継続しましたが、当第4四半期期初から新車生産台数はおおむね回復し、中古車市場も徐々に回復の兆しが見られました。このような環境下、当社グループは、競争優位性を堅持しながら、自動車販売店の有料会員化による囲い込み活動を行なった結果、クレジット取扱高は前年及び前々年を上回る実績となりました。また、業務のDX化による延滞債権回収の効率化並びに連結子会社である中央債権回収株式会社の回収実績の順調な推移の結果、営業収益は15,020百万円(前連結会計年度比14.3%増)、セグメント利益は4,407百万円(前連結会計年度比34.1%増)となりました。
故障保証事業は、ファイナンス事業と同様に中古車市場の回復傾向が見られるなか、新規取引先の拡大及び有料会員向けの保証サービスの営業促進を図った結果、故障保証取扱高についても前年及び前々年を上回る実績となり、営業収益は6,422百万円(前連結会計年度比13.7%増)となりました。また、故障が発生した修理車両を当社グループの整備工場ネットワークに入庫誘導し、グループ会社から調達した中古部品を修理に利用することで原価低減を図りましたが、本部費用の増加等により、セグメント利益は551百万円(前連結会計年度比28.4%減)となりました。
オートモビリティサービス事業は、有料会員サービスの開発及び新規事業の拡充へ注力したことや、クレジット加盟店数・整備工場ネットワーク社数・有料会員組織の拡大に伴いソフトウェア販売や車両卸販売が伸長した結果、営業収益は2,944百万円(前連結会計年度比64.6%増)、セグメント利益は344百万円(前連結会計年度比232.5%増)となりました。
カープレミア事業は、自動車販売店及び自動車整備工場の有料会員組織を順調に拡大させ、サービス拡充による上位会員組織への移行を図り、会費収入が増加した結果、営業収益は871百万円(前連結会計年度比186.4%増)、セグメント利益は47百万円(前連結会計年度比139.2%増)となりました。
また、海外での事業においては、タイ王国におけるEastern Commercial Leasing p.l.c.の業績伸長及び過年度に認識した減損損失の戻入益(871百万円)を計上した結果、持分法による投資利益が1,075百万円(前連結会計年度比405.0%増)となりました。
一方、費用面につきましては、事業拡大に係る各種費用が増加しましたが、故障保証事業における原価低減施策やDX推進による各種業務プロセスのシステム化等の経費削減施策を講じた結果、21,018百万円(前連結会計年度比23.5%増)となりました。
これらの取組みの結果、当連結会計年度の営業収益は25,263百万円(前連結会計年度比20.9%増)、営業利益は4,245百万円(前連結会計年度比9.9%増)、税引前利益は5,344百万円(前連結会計年度比33.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は4,005百万円(前連結会計年度比36.2%増)となりました。
c.主要な経営指標の状況
当社グループの経営成績に影響を与える主要な経営指標として、ファイナンス事業におきましては加盟店数、クレジット取扱高、クレジット債権残高、3ヵ月以上延滞債権残高率を、故障保証事業におきましては提携先数、故障保証取扱高を、オートモビリティサービス事業及びカープレミア事業におきましては自動車販売店の有料会員数、整備工場の有料会員数、整備工場ネットワーク社数を主要な経営指標として考えております。各経営指標の推移を常に把握し、各経営指標の数値を向上させるべく施策の立案及び実施をPDCAサイクルで回した結果として、当社グループの収益拡大、費用低減及び債権内容の向上に貢献していると考えております。それぞれの経営指標における収益との関連性、当該経営指標に対する当社グループの取組及び各経営指標の推移は以下のとおりです。
(ファイナンス事業)
当社グループが営むファイナンス事業における収益は、主にオートクレジットを中心としたクレジット事業から構成されており、個別のクレジット契約に基づきお客様が支払う分割払手数料の総額を実効金利法で計上しております。個別のクレジット契約は、当社グループと加盟店契約を締結した中古車小売店等の加盟店((注)1.)及び2021年3月期より募集を開始した有料会員制組織を通じてお客様からのクレジット申込を受け、審査等を経てお客様へ提供され、クレジット取扱高((注)2.)及びクレジット債権残高((注)3.)が増加します。従って、クレジット事業におきましては、クレジット加盟店網及び有料会員制組織を拡大することで個別のクレジット契約を増加させ、クレジット取扱高及びクレジット債権残高を積み上げることが、収益の拡大につながってまいります。また、有料会員制組織を拡大することで、自動車販売店における当社グループが提供するオートクレジットの利用率を高めてまいります。
当社グループは、全国主要都市に営業店やアウトバウンド営業に特化したコンタクトセンターを設置し、中古車小売店を中心とした自動車販売業者等に対する新規加盟店契約先の開拓及び既存加盟店の掘起し、有料会員への促進を継続して実施しており、開業以降の加盟店社数は下表のとおり推移しております。また、加盟店社数の増加に伴い、お客様からお申込みいただく個別のクレジット契約も継続的に増加しており、その結果、クレジット取扱高及びクレジット債権残高につきましても下表のとおり推移しております。
一方、収益を拡大するためには、クレジット取扱高及びクレジット債権残高を増加させるのみならず、クレジット債権全体の質を維持管理する必要がございます。債権の質を管理する主要な指標として、延滞債権残高率((注)4.)を設定し、数値が悪化することのないよう延滞債権の回収業務に注力することで、デフォルト債権の発生を抑制し、収益の拡大を図っております。
|
|
2008年 3月期 |
2009年 3月期 |
2010年 3月期 |
2011年 3月期 |
2012年 3月期 |
2013年 3月期 |
2014年 3月期 |
2015年 3月期 |
2016年 3月期 |
2017年 3月期 |
|
加盟店数(社) |
- |
- |
3,616 |
4,755 |
6,432 |
8,696 |
10,813 |
12,533 |
14,225 |
16,061 |
|
クレジット取扱高 (百万円) |
1,979 |
17,286 |
22,771 |
22,440 |
42,067 |
53,029 |
61,314 |
68,796 |
81,624 |
93,912 |
|
クレジット債権 残高(百万円) |
1,666 |
14,825 |
27,313 |
36,347 |
59,110 |
83,166 |
104,784 |
124,950 |
147,964 |
173,317 |
|
延滞債権残高率(%) |
- |
- |
- |
- |
- |
1.05 |
0.98 |
0.96 |
0.89 |
0.93 |
|
|
2018年 3月期 |
2019年 3月期 |
2020年 3月期 |
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
|
加盟店数(社) |
18,440 |
20,417 |
22,549 |
23,907 |
25,603 |
27,252 |
|
クレジット取扱高 (百万円) |
110,286 |
135,184 |
177,430 |
166,386 |
202,302 |
243,799 |
|
クレジット債権 残高(百万円) |
205,554 |
250,687 |
321,349 |
361,405 |
422,289 |
507,830 |
|
延滞債権残高率(%) |
0.84 |
0.84 |
0.86 |
0.91 |
0.78 |
0.81 |
(注)1.加盟店数とは、当社グループと加盟店契約を締結した法人単位をいい、複数店舗をもつ加盟店であっても、1社として集計しております。なお、実績につきましては当社グループの基幹システム切替えを実施した2010年3月期以降を記載しております。
2.クレジット取扱高とは、その期間で新たに締結したクレジット契約金額及びリース保証契約金額の総額です。オートクレジット以外の商品(エコロジークレジット等)の取扱高も含めた値です。
3.クレジット債権残高とは、開業から期末までの累計取扱高のうち、当該時点において返済されていない又は保証期間が経過していないクレジット契約金額及びオートモビリティサービス事業で行うリース契約に対する保証金額の総額をいいます。オートクレジット以外の商品(エコロジークレジット等)の債権残高も含めた値です。
4.延滞債権残高率とは、当該期末時点のクレジット債権残高に対し、延滞月数が3ヵ月を超える債権及び特別債権(お客様が弁護士等に債務整理手続き等を委任している債権)の合計額が占める割合をいいます。なお、実績につきましては債権回収指標の定義見直しを実施した2013年3月期以降を記載しております。
5.本表はクレジット事業を取り扱うプレミア株式会社における実績を記載しております。
(故障保証事業)
当社グループが営む故障保証事業における収益は、お客様が支払う故障保証代金を保証契約期間にわたって按分し、最終的に当社の収益となる故障保証収益相当部分を収益に計上しております。個別の故障保証契約は、当社グループと故障保証販売に係る業務提携契約を締結した中古車小売店等の提携先((注)1.)及び2021年3月期より募集を開始した有料会員制組織を通じてお客様へ提供され、故障保証取扱高((注)2.)が増加します。従って、故障保証事業におきましては、故障保証提携先網及び有料会員制組織を拡大することで個別の故障保証契約を増加させ、故障保証取扱高を積み上げることで、収益の拡大につながってまいります。また、有料会員制組織を拡大することで、自動車販売店における当社グループが提供する故障保証の利用率を高めてまいります。
当社グループは、全国主要都市に営業店を設置し、オートクレジット加盟店と同様中古車小売店を中心とした自動車販売業者に対し新規提携先の開拓及び既存提携先の掘起し、有料会員への促進を継続して実施しており、開業以降の提携先数は下表のとおり推移しております。また、提携先数の増加に伴いお客様からお申込みいただく個別の故障保証契約も継続的に増加しており、その結果、故障保証取扱高につきましても下表のとおり推移しております。
|
|
2009年 3月期 |
2010年 3月期 |
2011年 3月期 |
2012年 3月期 |
2013年 3月期 |
2014年 3月期 |
2015年 3月期 |
2016年 3月期 |
2017年 3月期 |
|
提携先数(社) |
- |
1,726 |
2,818 |
5,539 |
9,166 |
11,817 |
14,148 |
14,963 |
17,461 |
|
故障保証取扱高(百万円) |
29 |
124 |
230 |
506 |
1,083 |
1,371 |
1,630 |
1,892 |
2,181 |
|
|
2018年 3月期 |
2019年 3月期 |
2020年 3月期 |
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
|
提携先数(社) |
19,857 |
18,500 |
21,517 |
23,724 |
19,909 |
22,324 |
|
故障保証取扱高(百万円) |
2,501 |
2,998 |
4,363 |
4,493 |
5,147 |
5,761 |
(注)1.提携先数とは、当社グループと業務提携契約を締結した法人単位をいい、複数店舗をもつ提携先であっても、1社として集計しております。なお、実績につきましては当社グループの基幹システム切替えを実施した2010年3月期以降を記載しております。
2.故障保証取扱高とは、各連結会計年度等のある一定期間において、新たに締結した故障保証契約金額の総額をいいます。
3.本表は2019年3月期まで故障保証事業を取り扱うプレミア株式会社における実績を記載しており、2020年3月期より当社子会社であるプレミアワランティサービス株式会社及びEGS株式会社も含めた実績を記載しております。
4.2019年3月期及び2022年3月期の提携先数の減少は、契約改定に伴う加盟店整理によるものです。
(オートモビリティサービス事業)
当社グループが営むオートモビリティサービス事業における収益は、主に自動車販売店及び整備工場などのモビリティ事業者へ提供する各種サービスの取引額を収益として計上しております。具体的なサービス内容は、ファイナンス事業で発生する引揚車両の販売、整備工場向け業務ソフトウェアの販売、2022年7月に開設したエンドユーザー向け車情報サイト(カープレミアサイト)の運営などがあり、自動車販売店の有料会員数及び整備工場の有料会員数、整備工場ネットワーク数を増加させ、当社サービスの利用率を上げることやサービスラインナップを拡充させることが、収益の拡大につながってまいります。
(カープレミア事業)
当社グループが営むカープレミア事業における収益は、主に自動車販売店及び整備工場の有料会員制組織((注)1.)を通じた会費収入、個人のお客様に向けた自動車の整備・鈑金などがあり、「カープレミア」ブランドの認知度向上により有料会員数を増加させることが収益の拡大につながってまいります。
当社グループは、整備工場専門の営業部門を設置し、全国の整備工場の有料会員及び整備工場ネットワークの開拓を行っており、事業開始以降の提携先数は下表のとおり推移しております。
|
|
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
|
自動車販売店 有料会員数(社) |
370 |
1,525 |
2,581 |
|
整備工場 有料会員数(社)((注)2.) |
- |
251 |
370 |
|
整備工場 ネットワーク数(社) |
2,523 |
3,514 |
4,279 |
(注)1.自動車販売店及び整備工場の有料会員数とは、当社グループと加盟契約を締結した自動車販売店・整備工場単位をいいます。なお、実績につきましては募集を開始した2021年3月期以降を記載しております。
2.組織改編に伴い、廃止予定の会員種別の社数については、実績から除いて記載しております。
(参考情報)
当社グループは「ファイナンス事業」「故障保証事業」「オートモビリティサービス事業」「カープレミア事業」を営んでおります。これらの4事業を現状の主力事業と位置づけており、事業継続期間の長い主力事業における主な指標の状況を参考情報として記載いたします。
なお、以下の指標は、2015年7月に当社の完全子会社となったプレミア株式会社(以下「プレミア」という。)、2020年10月に設置したプレミアワランティサービス株式会社、2020年1月に設立したプレミアモビリティサービス株式会社、2022年3月に設立したカープレミア株式会社の実績について記載しております。
(ファイナンス事業)
当第4四半期期初から新車生産台数はおおむね回復し、中古車市場も徐々に回復の兆しがみられるなか、以下の各種施策により各クレジットの債権残高は以下の結果となりました。
ア.オートクレジット
残債型クレジット「ザンプレ」や84回を超える長期クレジットの取扱いに加え、システム利用による営業ルートの効率化、コンタクトセンターのアウトバウンド営業による加盟店再稼働施策の推進、契約書ペーパーレス化の促進、自動車販売店の有料会員化による囲い込み活動等により、クレジット債権残高が456,200百万円(前連結会計年度比18.8%増)に伸長しました。その他の主な指標は下表のとおりです。
イ.ショッピングクレジット
ショッピングクレジットとは、太陽光発電システム等の購入に伴うエコロジークレジットや、各種高額商品・サービスの購入や利用に伴うクレジットをいいます。
担当部署による販売促進を強化し、太陽光発電システム販売大手との取引や、クレジットの対象となる商品・サービスの拡充を実現いたしました。それにより、クレジット債権残高が33,827百万円(前連結会計年度比22.2%増)となりました。その他の主な指標は下表のとおりです。
(故障保証事業)
ファイナンス事業と同様に回復傾向が見られるなか、自社商品や有料会員向け商品の販売促進及び提携商品に特化した営業人員の配置並びにバックオフィスの組織細分化によるマネジメント体制・効率性の強化を図った結果、故障保証取扱高が5,761百万円(前連結会計年度比11.9%増)となりました。その他の主な指標は下表のとおりです。
(オートモビリティサービス事業)
オートモビリティサービス事業は、有料会員サービスの開発及び新規事業の拡充へ注力したことや、クレジット加盟店数・整備工場ネットワーク社数、有料会員組織の拡大に伴いソフトウェア販売や車両卸販売が伸長した結果、営業収益は2,944百万円(前連結会計年度比64.6%増)、セグメント利益は344百万円(前連結会計年度比232.5%増)となりました。その他の主な指標は下表のとおりです。
(カープレミア事業)
カープレミア事業は、自動車販売店及び自動車整備工場の有料会員制ネットワーク組織を順調に拡大させ、サービス拡充による更なる会員数の増加を図った結果、有料会員数は自動車販売店で2,581社(前連結会計年度比69.2%増)、整備工場で370社(前連結会計年度比47.4%増)となりました。その他の主な指標は下表のとおりです。
〔主要事業等における主な指標の状況〕
|
事業サービス名 |
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前期比 (%) |
||
|
ファイナンス事業 |
オート クレジット |
利用者数(人)(注)1. |
104,948 |
118,060 |
+12.5 |
|
|
加盟店数(社) |
25,371 |
26,958 |
+6.3 |
|||
|
新規加盟店数(社) |
1,895 |
1,924 |
+1.5 |
|||
|
取扱高(百万円) |
187,982 |
224,579 |
+19.5 |
|||
|
債権残高(百万円) |
383,895 |
456,200 |
+18.8 |
|||
|
|
内_提携ローン債権(注)2. |
351,162 |
418,357 |
+19.1 |
||
|
|
内_自社債権(注)3. |
27,919 |
35,158 |
+25.9 |
||
|
|
内_流動化債権(注)4. |
1,465 |
0 |
- |
||
|
|
内_集金保証債権(注)5. |
3,350 |
2,685 |
△19.9 |
||
|
ショッピング クレジット |
利用者数(人)(注)1. |
3,081 |
3,258 |
+5.7 |
||
|
加盟店数(社) |
232 |
294 |
+26.7 |
|||
|
新規加盟店数(社) |
82 |
103 |
+25.6 |
|||
|
取扱高(百万円) |
8,823 |
9,859 |
+11.7 |
|||
|
債権残高(百万円)(注)6. |
27,675 |
33,827 |
+22.2 |
|||
|
|
内_提携ローン債権(注)2. |
24,144 |
30,360 |
+25.7 |
||
|
|
内_自社債権(注)3. |
2,537 |
2,483 |
△2.1 |
||
|
故障保証事業 |
利用者数(人)(注)1. |
193,734 |
200,327 |
+3.4 |
||
|
提携先数(社) |
19,909 |
22,324 |
+12.1 |
|||
|
新規提携先数(社) |
3,923 |
3,785 |
△3.5 |
|||
|
取扱高(百万円)(注)7. |
5,147 |
5,761 |
+11.9 |
|||
|
オートモビリティ サービス事業/ カープレミア事業 |
自動車販売店 有料会員数(社) |
1,525 |
2,581 |
+69.2 |
||
|
整備工場 有料会員数(社)(注)8. |
251 |
370 |
+47.4 |
|||
|
整備工場ネットワーク数(社) |
3,514 |
4,279 |
+21.8 |
|||
(注)1.利用者数とは、次のとおりです。
オートクレジット利用者数:プレミアがお客様とクレジット契約(立替払契約又は保証委託契約)を締結した数
ショッピングクレジット利用者数:オートクレジットと同様
故障保証利用者数:お客様が故障保証商品の申込みを行った数
2.提携ローン債権とは、プレミアの加盟店を通じてオートクレジット等の申込みがあった際、プレミアが信用調査のうえ承認した顧客に対し、プレミアの連帯保証により提携金融機関が融資を行う債権をいいます。当該債権は、連結財政状態計算書の金融債権には含まれておりません。なお、当該債権のうち、3ヵ月超延滞を経て、提携金融機関に対しプレミアが代位弁済を行った債権は、自社債権となります。
3.自社債権とは、主に、プレミアの加盟店が不特定の消費者に割賦販売を行う際、プレミアが信用調査のうえ承認した顧客に対し、プレミアがその代金を顧客に代わって加盟店に立替払いをし、顧客からは約定の分割回数により立替代金の回収を行う債権をいいます。当該債権は、連結財政状態計算書の金融債権を構成するものです。
4.流動化債権とは、クレジット債権から生ずるキャッシュ・フローを受益権化し、その受益権の一部を外部の第三者へ売却するスキームにおける原債権をいいます。当該債権は、連結財政状態計算書の金融債権を構成するものです。なお、当該債権のうち、3ヵ月超延滞を経て、プレミアが買戻しを行った債権は、自社債権となります。
5.集金保証債権とは、プレミアの加盟店を通じてオートクレジットの申込みがあった際、プレミアが信用調査のうえ承認した顧客に対し、プレミアの連帯保証によりプレミア加盟店が融資を行う債権をいいます。当該債権は、連結財政状態計算書の金融債権には含まれておりません。
6.ショッピングクレジットの債権残高は、和解分の債権残高が含まれております。なお、和解分の債権は分別が不可能であるため、内訳には記載しておりません。
7.故障保証事業の取扱高は、2022年3月期第3四半期に一部商品の取扱高の集計基準の見直しを行い、新基準を適用して記載しております。
8.組織改編に伴い、廃止予定の会員種別の社数については、実績から除いて記載しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動による収入449百万円(前連結会計年度は1,608百万円の支出)、投資活動による支出2,320百万円(前連結会計年度は1,028百万円の支出)及び財務活動による収入6,181百万円(前連結会計年度は2,797百万円の収入)でした。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,415百万円増加し、14,848百万円となりました。
|
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
1,608 |
△449 |
△2,057 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
△1,028 |
△2,320 |
△1,292 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
2,797 |
6,181 |
+3,383 |
(営業活動によるキャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度における営業活動の結果、減少した資金は449百万円となりました。収入の主な内訳は、税引前利益5,344百万円、金融保証契約の増加額6,751百万円であり、支出の主な内訳は、金融債権の増加額9,270百万円、その他の資産の増加額4,303百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は2,320百万円となりました。支出の主な内訳は、無形資産の取得による支出1,836百万円、有形固定資産の取得による支出319百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度における財務活動の結果、獲得した資金は6,181百万円となりました。収入の主な内訳は、長期借入金の借入による収入13,358百万円、短期借入金の借入による収入3,500百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出6,349百万円、短期借入金の返済による支出2,600百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
c.販売実績
(事業サービス別営業収益)
当連結会計年度における営業収益実績を事業サービス別に示すと、以下のとおりであります。
|
事業サービスの名称 (百万円) |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前連結会計年度比 (%) |
|
ファイナンス事業 |
13,138 |
15,020 |
+14.3 |
|
故障保証事業 |
5,647 |
6,422 |
+13.7 |
|
オートモビリティサービス事業 |
1,788 |
2,944 |
+64.6 |
|
カープレミア事業 |
304 |
871 |
+186.4 |
|
その他 |
11 |
6 |
△43.8 |
|
合計 |
20,888 |
25,263 |
+20.9 |
(注)1.セグメント間収益を除く外部収益を表記しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(事業サービス別取扱高)
当連結会計年度における取扱高実績を事業サービス別に示すと、以下のとおりであります。
|
事業サービスの名称 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前連結会計年度比(%) |
|
ファイナンス事業(百万円) |
202,302 |
243,799 |
+20.5 |
|
故障保証事業(百万円) |
5,147 |
5,761 |
+11.9 |
(注)1.ファイナンス事業の取扱高とは、ある一定期間(2023年3月期であれば2022年4月1日から2023年3月31日までの期間)において、新たに締結したクレジット契約金額の総額及びリース保証契約金額の総額をいいます。
2.故障保証事業の取扱高とは、ある一定期間(2023年3月期であれば2022年4月1日から2023年3月31日までの期間)において、新たに締結した故障保証契約金額の総額をいいます。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。
a. のれん及び耐用年数が確定できない無形資産の評価
b. 償却原価で測定する金融資産の減損
c. 保険資産の計上
d. 持分法投資会社の評価
e. 繰延税金資産の回収可能性
f.収益の認識
新型コロナウイルス感染症の拡大防止やワクチン接種の普及により、経済の持ち直しの動きが見られましたが、新たな変異株の出現による感染の再拡大や半導体の供給不足によるサプライチェーンの混乱などにより、先行きが不透明な状況が続いております。しかしながら、主力事業における営業活動も継続できていることなどから、当社グループの国内事業における業績影響は僅少であり、a.及びe.について、のれんや無形資産の減損損失や繰延税金資産の取り崩しも限定的と考えております。またb.及びc.についても、ファイナンス事業における債権内容の悪化等の影響も同じく僅少であり、従って、クレジット債権に関する保険契約方針についても変更ございません。
d.について、過年度に認識した減損損失の戻入益(871百万円)を計上しております。これは、持分法適用関連会社であるEastern Commercial Leasing p.l.cの業績回復に基づく株価の継続的な回復状況を認識した結果であります。回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値により測定しており、当連結会計年度において持分法による投資利益は1,075百万円となっております。
なお、当社グループの会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについて、翌連結会計年度における資産や負債の帳簿価額に重要な影響を生じさせるようなリスクを伴う会計上の見積り及び仮定につきましては、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4.重要な見積り及び判断の利用」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
当連結会計年度末における資産、負債、資本の状況は以下のとおりであります。
|
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
増減 |
|
資産合計(百万円) |
81,800 |
101,992 |
+20,192 |
|
負債合計(百万円) |
71,987 |
88,585 |
+16,598 |
|
資本合計(百万円) |
9,814 |
13,407 |
+3,593 |
|
親会社の所有者に帰属する持分合計(百万円) |
9,710 |
13,376 |
+3,666 |
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ20,192百万円増加し、101,992百万円となりました。これは主に、金融債権が9,270百万円、現金及び現金同等物が3,424百万円増加したこと等によるものです。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ16,598百万円増加し、88,585百万円となりました。これは主に、金融保証契約が6,753百万円、借入金が7,923百万円増加したこと等によるものです。
(資本の部)
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ3,593百万円増加し、13,407百万円となりました。これは主に、利益剰余金が3,283百万円増加したこと等によるものです。親会社の所有者に帰属する持分合計は前連結会計年度末に比べ3,666百万円増加し、13,376百万円となりました。
b.経営成績の分析
当連結会計年度末における営業収益、費用合計、親会社の所有者に帰属する当期利益の状況は以下のとおりであります。
|
|
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減 |
|
営業収益(百万円) |
20,888 |
25,263 |
+4,375 |
|
費用合計(百万円) |
17,024 |
21,018 |
+3,994 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) |
2,941 |
4,005 |
+1,064 |
(営業収益)
当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度に比べ4,375百万円増加し、25,263百万円となりました。なお、事業サービス別の営業収益につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(費用合計)
当連結会計年度における費用合計は、前連結会計年度に比べ3,994百万円増加し、21,018百万円となりました。主な増加要因は、認知度向上を目的としたマスマーケティングの実施やDX推進による投資、オートモビリティサービス事業の拡大によるものです。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ1,064百万円増加し、4,005百万円となりました。主な増加要因は、事業拡大に伴う営業収益の増加に加え、故障保証事業における原価低減施策やDX推進による各種業務プロセスのシステム化等の経費削減施策によるものです。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループにおける資金需要は、大きく分けて運転資金需要とクレジット事業の立替資金需要の二つがあります。運転資金需要のうち主なものは営業費用等の支払いであります。また、立替資金需要につきましては、クレジット事業におけるお客様が商品等を購入された際の代金を加盟店に立て替えることにより発生するものであります。
当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。また、立替資金につきましては、内部資金より充当し、一定程度の債権が積み上がった時点で流動化を実施しております。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
e.経営者の問題認識と今後の方針について
今後、世界的な資源価格の高騰や為替相場の大幅な変動による影響など、不透明な状況が続くことが予想されますが、このような経済環境の中で当社グループが業容を拡大しつつ、より良い商品及びサービスを継続的に提供していくためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対応していくことが必要であると認識しております。課題への対応にあたって、経営者として常に外部環境の変化に関する情報を入手及び分析を実施し、現在及び将来における事業環境を把握しながら、それに対する課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。
子会社であるプレミア株式会社は、以下のとおり、「オートクレジット(提携ローン方式)の提携に関する基本契約」及び「太陽光ローン(提携ローン方式)の提携に関する基本契約」を締結しております。
|
相手先の名称 |
住信SBIネット銀行株式会社 |
オリックス銀行株式会社 |
楽天銀行株式会社 |
|
|
所在地 |
東京都港区 |
東京都港区 |
東京都港区 |
|
|
代表者 |
円山 法昭 |
錦織 雄一 |
永井 啓之 |
|
|
相手先の業種 |
銀行業 |
銀行業 |
銀行業 |
|
|
契約名 |
オートクレジット |
太陽光ローン |
オートクレジット |
オートクレジット |
|
(提携ローン方式)の |
(提携ローン方式)の |
(提携ローン方式)の |
(提携ローン方式)の |
|
|
提携に関する基本契約 |
提携に関する基本契約 |
提携に関する基本契約 |
提携に関する基本契約 |
|
|
契約締結日 |
2010年2月26日 |
2010年10月1日 |
2014年10月1日 |
2016年6月17日 |
|
契約の更新に係る事項 |
有効期間は締結日から1年間であり、有効期間満了の2ヵ月前までに双方いずれからも書面による更新拒絶の申出がないときは1年間延長したものとみなされ、以後同様 |
|||
|
対象となる物品 |
自動車等 |
太陽光発電装置等 |
自動車等 |
自動車等 |
|
相手先の名称 |
GMOあおぞらネット銀行 株式会社 |
|
所在地 |
東京都渋谷区 |
|
代表者 |
山根 武 |
|
相手先の業種 |
銀行業 |
|
契約名 |
オートクレジット |
|
(提携ローン方式)の |
|
|
提携に関する基本契約 |
|
|
契約締結日 |
2020年9月30日 |
|
契約の更新に係る事項 |
有効期間は締結日から1年間であり、有効期間満了の2ヵ月前までに双方いずれからも書面による更新拒絶の申出がないときは1年間延長したものとみなされ、以後同様 |
|
対象となる物品 |
自動車等 |
該当事項はありません。