第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第113期

第114期

第115期

第116期

第117期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高

(百万円)

53,679

51,927

62,286

78,675

64,768

経常利益又は経常損失(△)

(百万円)

7,840

5,582

11,145

13,679

1,304

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(百万円)

5,021

3,605

7,762

9,382

4,610

包括利益

(百万円)

3,943

6,005

8,374

10,704

1,443

純資産額

(百万円)

47,214

52,423

59,908

68,774

65,578

総資産額

(百万円)

84,061

92,324

109,902

130,762

125,302

1株当たり純資産額

(円)

800.26

887.42

1,014.01

1,174.54

1,114.07

1株当たり当期純利益又は
1株当たり当期純損失(△)

(円)

87.29

62.73

135.12

163.32

80.25

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

54.8

55.2

53.0

51.6

51.1

自己資本利益率

(%)

11.3

7.4

14.2

14.9

7.0

株価収益率

(倍)

8.9

14.3

8.0

6.3

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

9,102

11,984

11,176

7,291

11,208

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

10,612

9,872

11,120

16,627

10,554

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

90

4,350

2,416

4,424

1,780

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

16,321

23,339

26,372

21,987

25,225

従業員数

(名)

892

927

982

1,059

1,145

 

(注) 1.第113期、第114期、第115期および第116期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.第117期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第115期の期首から適用しており、第115期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

4.第117期の株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため記載していません。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第113期

第114期

第115期

第116期

第117期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高

(百万円)

47,791

47,071

55,750

72,044

55,691

経常利益又は経常損失(△)

(百万円)

7,400

4,505

9,400

12,217

2,846

当期純利益又は当期純損失(△)

(百万円)

5,010

2,895

6,652

8,404

5,247

資本金

(百万円)

2,877

2,877

2,877

2,877

2,877

発行済株式総数

(株)

57,546,050

57,546,050

57,546,050

57,546,050

57,546,050

純資産額

(百万円)

41,827

45,725

51,219

58,241

52,662

総資産額

(百万円)

73,699

80,031

93,410

110,267

105,804

1株当たり純資産額

(円)

727.13

795.95

891.57

1,013.73

916.62

1株当たり配当額

(円)

14.00

14.00

22.00

33.00

14.00

(内1株当たり中間配当額)

(7.00)

(7.00)

(8.00)

(10.00)

(7.00)

1株当たり当期純利益又は
1株当たり当期純損失(△)

(円)

87.10

50.38

115.81

146.28

91.34

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

56.8

57.1

54.8

52.8

49.8

自己資本利益率

(%)

12.5

6.6

13.7

15.4

9.5

株価収益率

(倍)

8.9

17.8

9.3

7.0

配当性向

(%)

16.1

27.8

19.0

22.6

従業員数

(名)

651

673

701

744

808

株主総利回り

(%)

105.8

123.7

151.6

149.3

148.1

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(90.5)

(128.6)

(131.2)

(138.8)

(196.2)

最高株価

(円)

1,134

965

1,220

1,069

1,049

最低株価

(円)

611

681

836

858

746

 

(注) 1.第113期、第114期、第115期および第116期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.第117期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3.最高株価および最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。

4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第115期の期首から適用しており、第115期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

5.第117期の株価収益率および配当性向については、1株当たり当期純損失であるため記載していません。

 

2 【沿革】

 

1938年9月

関東水力電気興業㈱、旭電化工業㈱(現・㈱ADEKA)および古河電気工業㈱の3社共同出資により、金属マグネシウム、か性ソーダおよび塩酸の製造を目的として資本金400万円で設立。

1939年11月

群馬県に渋川工場を置き、金属マグネシウム、か性ソーダの操業を開始。

1945年12月

終戦により金属マグネシウムの製造を全廃、か性ソーダを主とした無機工業薬品を製造。

1950年9月

トリクロールエチレンの製造を開始。

1951年11月

株式を店頭公開。

1952年9月

わが国で最初のパークロールエチレンの製造を開始。

1956年3月

わが国で最初の直接酸化法によるシクロヘキサノンの製造を開始。

1960年7月

大阪営業所(現・大阪支店)を新設。

1961年10月

大崎産業㈱(現・カンデン渋川産業㈱)を設立。

 

東京証券取引所市場第二部に上場。

   11月

㈱群馬鉄工所を設立。

1962年10月

名古屋営業所を新設。

1963年8月

東京証券取引所市場第一部に指定。

1964年6月

㈱堀口鉄工所へ出資し、㈱上備製作所(現・連結子会社)発足。

1965年3月

岡山県に水島工場を置き、か性ソーダ、次亜塩素酸ソーダ、およびわが国で最初のエチレン法によるトリクロールエチレン、パークロールエチレンの製造を開始。

1967年10月

塩化ビニリデンの製造を開始。

1969年11月

関東運輸㈱(現・関東電化産業㈱)を設立。

1970年9月

当社独自のフッ酸電解技術を確立し、フッ素系ファイン分野に進出。

   12月

次亜塩素酸ソーダの製造を開始。

1971年1月

六フッ化硫黄の製造を開始。

   8月

塩化アルミニウムの製造を開始。

 

森下弁柄工業㈱との共同出資により、日本酸化鉄工業㈱を設立。

1975年1月

森下弁柄工業㈱、日本酸化鉄工業㈱および森下弁柄販売㈱の3社合併により森下弁柄工業㈱(現・㈱関東電化ファインテック、連結子会社)に資本参加。

1977年10月

複写機用キャリヤーの製造を開始。

1978年3月

関電興産㈱(現・連結子会社)を設立。

1979年6月

わが国で最初のメタルテープ用磁性合金粉「MAP」の製造を開始。

   7月

五フッ化ヨウ素の製造を開始。

1981年6月

四フッ化炭素の製造を開始。

1983年10月

三フッ化メタンの製造を開始。

1984年4月

八フッ化プロパンの製造を開始。

1986年5月

六フッ化タングステンの製造を開始。

   6月

渋川・水島両工場のか性ソーダ製造方式を、イオン交換膜法に全面転換。

1987年3月

三フッ化窒素の製造を開始。

1988年6月

フェライト・キャリヤーの製造を開始。

   9月

顔料用マグネタイトの製造を開始。

1989年1月

四フッ化ケイ素の製造を開始。

   7月

水切り乾燥用塩素系溶剤「カンデンドライ」の販売を開始。

   11月

六フッ化エタンの製造を開始。

1995年10月

渋川工場、フッ素系製品5品目について「ISO9002」の認証を取得。

   11月

下郷産業㈲(現・カンデン渋川産業㈱)に資本参加。

1997年4月

三フッ化塩素の製造を開始。

   5月

水島工場にフッ酸電解設備を新設。

   8月

水島工場で、六フッ化リン酸リチウムの製造を開始。

1998年3月

水島工場、「ISO9002」の認証を取得。

 

 

1999年5月

渋川工場、水島工場「ISO14001」の認証を取得。

   6月

上備産業㈲(現・カンデン水島産業㈱)に資本参加。

2000年4月

渋川工場、「ISO9001」の認証を取得。

   5月

水島工場、「ISO9001」の認証を取得。

   11月

韓国に関東電化KOREA㈱(現・連結子会社)を設立。

2002年9月

台湾に駐在員事務所を新設。

2004年7月

台湾駐在員事務所を格上げし、台灣關東電化股份有限公司(現・連結子会社)を設立。

2005年1月

磁性合金粉「MAP」の製造を中止。

   8月

渋川工場ソーダ電解事業から撤退。

   10月

大崎産業㈱、下郷産業㈱の合併によりカンデン渋川産業㈱に資本参加。
ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエンを上市。

2010年4月

モノフルオロメタン、硫化カルボニルを上市。

2011年6月

上海に科地克(上海)貿易有限公司を設立。

2017年4月

ホウフッ化リチウムを上市。

   11月

韓国に関東電化ファインプロダクツ韓国㈱(現・連結子会社)を設立。

2018年5月

シンガポールに台灣關東電化股份有限公司シンガポール支店を設立。

2020年1月

中国に宣城科地克科技有限公司(現・連結子会社)を設立。

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行。

ジフルオロリン酸リチウムを上市。

2023年4月

KSG-14を上市。

2024年4月

KSG-5を上市。

 

 

 

3 【事業の内容】

当社の企業集団は、当社、連結子会社7社、非連結子会社5社で構成され、無機・有機化学薬品等の基礎化学品事業、フッ素系ガスおよび電池材料等の精密化学品事業、キャリヤーおよび鉄酸化物等の鉄系事業、製品販売等の商事事業および化学工業用設備工事等の設備事業を展開しております。

 

当社および連結子会社の当該事業に係わる位置付けは、次のとおりであります。

 

基礎化学品事業――― 当社が製造販売しております。

精密化学品事業――― 当社および関東電化ファインプロダクツ韓国㈱が製造販売しております。また、関東電化KOREA㈱は韓国で、台灣關東電化股份有限公司は台湾で、それぞれ当社製品を販売しております。宣城科地克科技有限公司は、本格稼働に向け工事を進めております。

鉄系事業―――――― 当社が鉄系製品を製造販売するほか、㈱関東電化ファインテックが鉄酸化物を製造販売しております。

商事事業―――――― 関電興産㈱は、当社製品を販売し、当社は、同社より原材料を購入しております。また、同社は、フッ素系ガスの容器整備を行っております。

設備事業―――――― ㈱上備製作所は、化学設備関連および一般産業用の工事を行い、当社は、同社に対して設備等の設計、建設、保全工事等を委託しております。

 

以上述べた連結子会社と当社との関係を事業系統図に示すと次のとおりであります。

 


なお、非連結子会社と当社との関係は、次のとおりであります。

 

当社は、カンデン渋川産業㈱、カンデン水島産業㈱に対しては、工場内作業等を、㈱群馬鉄工所には、工場設備の建設・保全工事等を、関東電化産業㈱には、各種環境測定・分析業務等を委託しております。

科地克(上海)貿易有限公司は、中国で当社製品の販売と原材料の調達を行っております。

 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

主要な事業
の内容

議決権の
所有割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

関電興産㈱  (注)2

東京都中央区

10百万円

商事事業

100.0

当社製品の一部販売
並びに原材料等の購入、
容器整備、保険代理店
役員の兼任等……有

㈱上備製作所 (注)3

東京都千代田区

120百万円

設備事業

49.4

化学工業用設備の製作
並びに加工、修理
役員の兼任等……有

㈱関東電化ファインテック

       (注)4

三重県伊賀市

27百万円

鉄系事業

100.0

鉄系製品の製造
役員の兼任等……有

関東電化KOREA㈱

             (注)2、5

韓国

ソウル特別市

300百万ウォン

精密化学品
事業

100.0

当社製品の一部販売
役員の兼任等……有

台灣關東電化股份有限公司

台湾

新竹市

7百万NTドル

精密化学品
事業

100.0

当社製品の一部販売
役員の兼任等……有

関東電化
ファインプロダクツ韓国㈱

(注)2

韓国

天安市

42,000百万
ウォン

精密化学品
事業

100.0

債務保証
役員の兼任等……有

宣城科地克科技有限公司

      (注)2

中国

宣城市

5,000万USドル

精密化学品
事業

98.3

資金の貸付
役員の兼任等……有

 

(注) 1.主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。

2.関電興産㈱、関東電化KOREA㈱、関東電化ファインプロダクツ韓国㈱および宣城科地克科技有限公司は特定子会社に該当しております。

3.持分は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としております。

4.関東電化KOREA㈱については売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等

 

関東電化KOREA㈱

(1) 売上高

14,685

百万円

(2) 経常利益

316

百万円

(3) 当期純利益

252

百万円

(4) 純資産額

4,944

百万円

(5) 総資産額

6,827

百万円

 

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

基礎化学品事業

40

精密化学品事業

620

鉄系事業

49

商事事業

44

設備事業

104

全社(共通)

288

合計

1,145

 

(注) 1.従業員数は就業人員であります。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

808

39.7

15.6

7,539,750

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

基礎化学品事業

40

精密化学品事業

466

鉄系事業

14

全社(共通)

288

合計

808

 

(注) 1.従業員数は就業人員であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(3) 労働組合の状況

当社および関電興産㈱の労働組合(組合員数674人)は、各事業所にそれぞれ支部をもつ単一組合であり、上部団体は日本化学エネルギー産業労働組合連合会に加盟しております。また、㈱上備製作所高崎工場の労働組合(組合員数46人)は、産業別労働組合J・A・Mに加盟しており、㈱関東電化ファインテック(組合員数15人)は、連合三重オブザーバー加盟であります。

なお、それぞれの労働組合の労使関係は極めて安定しており、現在組合との間に特記すべき事項はありません。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

管理職に占める
女性労働者の割合(%)
(注1)

男性労働者の
育児休業取得率(%)(注2)

労働者の男女の
賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

1.3

29.0

83.0

83.0

42.3

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

男性労働者の育児休業取得率(%)(注)

㈱上備製作所

子が生まれた男性労働者無し。

 

(注) 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。