文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、大阪港における事業上の好立地と、充実した設備による付加価値の高いサービスをお客様に提供することを通して、わが国の産業の発展に貢献するという企業理念のもと、「機動的な設備投資推進による既存事業の更なる展開」、「産業構造の変化に対応した新規ビジネスの発掘」、「地場産業と一体となる連携事業の育成」などの事業戦略を継続して推し進めてまいりました。
上記の経営方針のもと、当社グループは、社会・経済情勢の大きな変化に的確に対応するため、第3次中期経営計画「構造変化への挑戦」(2022年度~2024年度)の各種施策を事業環境に合わせて着実に実行したことにより、同計画で定めた定量目標「簡易営業CF(営業利益+減価償却費)600百万円」・「当社版株主総利回り(TSR)の継続的伸長」に対し、2023年度実績において「簡易CF649百万円」・「当社版株主総利回り1.43」となり、定量目標を2年で達成いたしました。
また、この間にも、「Postコロナ・国際紛争の継続」、「内外金利差を主因とする円安」、「国内景気回復・各資材価格上昇・労働力不足等からのインフレ基調」、「脱炭素の動きの加速と石油化学事業縮小均衡の顕在化」、など当社グループを取り巻く環境が更に変化いたしました。このような経営環境の変化に対応するため、次のStepとして、新たに第4次中期経営計画を策定いたしました。
新たなStepにおいても、当社グループは、大阪港における事業上の好立地と、充実した設備による付加価値の高いサービスをお客様に提供することを通して、わが国の産業の発展に貢献するという企業理念のもと、第3次中期経営計画で行ってきた布石を生かし、更なるポートフォリオの改革を進めてまいります。
以上のことから、新たに策定した第4次中期経営計画「産業構造の変化に対応する次世代ビジネスへのStep2」(2024年度~2026年度)の基本方針を以下のように定めております。
① 産業構造の変化にも対応できる、中長期的視野に立った事業ポートフォリオの継続的改善と必要な投資の検
討・実施
② ①を可能ならしめる資本・財務政策の実施
③ サスティナビリティ経営の一層の推進
また、本計画における定量目標として、以下の3項目を掲げております。
〇本計画期間中、累進配当を導入、税引後本業利益の30%以上を配当として還元
→安定配当を基本に、配当/株主還元も考慮したスキーム
※税引後本業利益=(営業利益+受取配当金-支払利息)×(1-税率)
〇EBITDA(特殊要因除く)、2026年度 9億円以上達成
→稼ぐ力、キャッシュ創出力を伸ばしていく
※EBITDA=純利益+減価償却費+金利+税金
〇本計画期間中 総設備投資額を30億円以上
但し、Net有利子負債(長短借入金合計-現預金)の増加を10億円までに抑制
→成長投資を積極的に行いつつ、財務規律は維持
なお、働き方改革制度に対応した職場環境や人事制度を整備するとともに、事業の継続性を担保できる人材を確保し、コンプライアンス意識向上や安全強化等に向けた社員教育の充実、内部統制や社員の行動基準等の自主監査の充実などを通じて、社員の育成を図り、企業の社会的責任を果たす方針であります。
さらに、港湾物流サービスを安定的にご提供できるように、業務上の中核設備を中心に積極的な維持管理を施すとともに、当社グループに所属するすべての者の健康・衛生管理に万全の体制を取ることに細心の注意を払ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、企業活動を通じて全てのステークホルダー(株主・取引先・地域社会・従業員)に貢献するため、継続的に以下の経営上の重要課題に取り組み、企業としての成長と共に持続可能な社会の実現を目指すこととしており、これを「サステナビリティ基本方針」として定めております。
1.エネルギー源・原材料等の地場産業基幹物資の中継基地として、環境や気候変動問題に真摯に対応し、地域社会と共に発展していく。
2.自然災害や火災事故、感染症等の緊急事態に備え、地域関係官庁・住民と協力し事業継続のため適切な危機管理体制を構築するなど、必要な対策を行っていく。
3.人権を尊重し、人材への幅広い投資と多様性ある人材登用等を通じて、健康と安全を確保したよりよい労働環境を創出していく。
4.コーポレートガバナンス・コードに基づいた規律正しい企業統治を行い、会社として経営が健全であることを維持していく。
①ガバナンス
当社は、サステナビリティ基本方針に基づき、リスク管理及びコンプライアンスの統括機関として、また、当社のサステナビリティに影響のある分野における検討事項の審議機関として、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、3ヵ月に1回以上開催することとしております。当委員会の下に専門分野を所掌する各個別委員会(環境・防災・安全衛生)を置き、横断的に重要課題への取組を推進することとしております。
当委員会は全業務執行役員並びに各個別委員会の委員長で構成され、オブザーバーとして常勤監査役及び内部監査室長も出席し、必要に応じて意見を述べております。また、当委員会で検討・決定した事項は、取締役会に報告することとしております。
当社は、サステナビリティに関連する戦略として、当社の事業特性等も踏まえ、人材の育成及び社内環境の整備に重点的に取り組んでおります。
(人材育成方針)
当社は、サステナビリティ基本方針のもと、「人材」は「人財」であると捉え、人材への幅広い投資を行うとともに、全ての従業員へ公平に育成の機会を提供することを基本として、以下の「人財育成方針」を定めております。
1.サステナビリティ基本方針の理解と、その方針に沿って行動する社員を支援する。
2.業務を通じて得た経験と知識を基に、中長期的な視野が持てるキャリアを形成させ、未来を担う人財へ成長することを支援する。
3.あらゆる機会を通じ、法令遵守第一の精神を醸成する。
4.各種資格取得推奨による従業員の成長を促す。
(社内環境整備方針)
当社は、多様な人材が穏やかに働ける柔軟な環境を創出するため、従業員の安全及び健康を確保し、人権を尊重するとともに、いかなるハラスメントも許さない社内環境を整備することを基本として、以下の「社内環境整備方針」を定めております。
1.社員の安全を確保した、よりよい職場環境を創出していく。
2.人権を尊重し、多様な働き方への支援として、諸制度並びに社内規程を整備する。
3.いかなるハラスメントも許さないための教育・研修を実施していく。
4.健康経営に向けた諸施策を実施していく。
当社は、サステナビリティに関連するリスクとして、①環境リスク、②自然災害リスク、③事故リスク、④コンプライアンスリスクを重要なリスクと捉え、サステナビリティ委員会において、毎年、各部から提出されるリスク管理報告書並びに各個別委員会が行っているパトロール等の活動報告をもとに、リスク及び機会の監視を行うとともに、そのリスクへの対応策等の有効性を確認しております。対応策等の有効性に疑義がある場合は、その改善策を検討し提言するほか、必要に応じて管理すべきリスクの追加等を提案し、その提案に基づき各部がリスク管理報告の見直しを行っております。
リスクの管理状況については、内部監査室が各部のリスク管理報告書に基づきモニタリングを行い、その結果を代表取締役社長及び常勤監査役に報告するとともに、対象部長等に通知し、必要に応じて改善のための対策・措置等を求め、改善措置等の実施状況を確認しております。この改善措置等を翌期のリスクへの対処方針に反映させることで、リスク管理のPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回しております。

④指標及び目標
人材の育成においては、物流業という業態を踏まえ、多種多様な貨物の取扱いを安全第一で遂行するためには、社員の貨物特性の把握並びに取扱い資格の取得が必要不可欠であること、またその業務の水準を維持・アップデートする目的から、以下の指標を定めております。
①資格取得及び講習等の受講
②法令遵守状況の確認
また、社内の環境整備においては、人権を尊重し、多様な働き方への支援を行うことから、その支援の状況及び制度の活用状況として、以下の指標を定めております。
③ハラスメント教育の実施
④育児休業の取得状況
上記の各指標の2024年度目標及び当年度の実績は以下の通りです。
①資格取得及び講習・研修等の受講
・資格取得件数:目標50件以上(当連結会計年度実績 46件)
・受講人数:目標200名以上(当連結会計年度実績 199名)
②法令遵守状況の確認
・ヒアリングの実施率:目標100%(当連結会計年度実績 100%)
③ハラスメント教育の実施
・ハラスメント教育の実施率:目標100%(当連結会計年度実績 100%)
④育児休業の取得状況
・育児休業取得率:目標50%以上(当連結会計年度実績 100%)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。但し、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。なお、文中における将来に関する事項は、連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、大阪港に位置し、主に西日本に事業拠点を有する電力会社や大手メーカー向けの輸入貨物(燃料・原材料)に係る本船荷役や保管・輸送等の物流サービスを担うほか、保有する資産(倉庫やタンクなど)を、商社や卸売会社等の物流拠点として提供する事業を運営しております。このため、急激な外国為替相場の変動、ウクライナ紛争に端を発する経済制裁の影響、感染症の流行による経済活動の停滞、またエネルギーをはじめとする資源価格の変動およびエネルギー政策の転換等といった国内外の情勢が主要取引先企業の事業活動や経営戦略に影響を与えた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
セグメント毎の状況は以下です。
ばら貨物セグメントで取り扱う主要貨物の石炭は、主に火力発電所向けの燃料として使用されています。地球温暖化に向けた取り組みの中で、政府・自治体のエネルギー政策の変更や取引先の方針転換などにより、取扱数量が減少する可能性があります。
液体貨物セグメントと物流倉庫セグメントにおいては、タンクや倉庫などを物流拠点として利用する取引先と長期の利用契約を締結しておりますが、経営環境の変動に伴う取引先の経営戦略の変更などにより、当該契約が中途解約される場合や満期を迎えた契約が更新できない場合などには、その後の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、企業系列に属さない独立した立場で、大量ばら貨物(石炭・コークスなど)専門の港湾荷役や液体貨物専用の入着バースを併設するタンク群による貨物保管などの特殊な事業を、大阪港における特定専用地域である特殊物資港区(大阪市此花区)で展開しております。当該事業に欠かせない充実した大型設備を好立地に保有していることから作業効率も高く、西日本における一定の競争力を有しております。一方、その特性から、取扱貨物が産業経済に不可欠な原材料やエネルギー資源などが中心であるため、特定の取引先への売上依存度が相対的に高くなる傾向にあり、かかる取引先、或いはわが国の資源政策に何らかの大きな変化があった場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
事業特性に由来する問題に対しては、既存取引先との良好な関係を発展することにより取扱貨物の種類の多様化を図るとともに、大阪港でこれから始まるBIG EVENT(大阪万博、統合型リゾート施設等)に潜む新規ビジネスの発掘や、港湾地域に拠点を構える地場産業のグローバル化を支える港湾物流を取り込むこと等により、事業の多様化と収益化を進めてまいります。
当社グループの事業所の用地は、子会社の用地を除き大阪市からの借地であります。そのため、契約に定められた目的以外の利用に関しては大阪市の承諾を得る必要があります。
当社グループは、毎年既存設備に対して計画的に維持更新のための設備投資を行うほか、事業基盤を確固たるものにするため、新たな設備投資を行っています。2025年3月期からは、第4次中期経営計画に基づき、設備投資の継続を通して収益を拡大することを目指しています。しかし、経済動向や当社を取り巻く環境の変化により、当初計画通りに設備投資を実施できない場合は、当社グループの今後の事業展開に支障を来す可能性があります。
ただし、第2次中期経営計画から、毎年ローリング方式により同計画を見直すことといたしており、設備投資についても、時宜に適った設備投資戦略を策定し、企業価値を高めてまいります。
(5)資金調達について
当社グループは、必要資金を主に金融機関からの借入により調達しております。現在のところ、設備投資資金や運転資金の調達に支障をきたすような状況になく、借入金利も安定した状況にあります。ただし、経済活動の停滞等により、当社の業績が長期に亘り著しく低迷した場合や金融市場が極度に逼迫した場合には、希望する時期または条件により資金調達が実行できない可能性があります。これにより、設備投資計画や収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの競争と将来性は、マネジメントはもちろん、各部門における専門的知識や技能を持った有能な人材の確保・育成が必要不可欠であります。このため、定期採用に加え、年間を通じて人材紹介会社を活用した中途採用を実施しているほか、社内での社員研修の内容の充実を図っております。しかし、業務に精通した人材の確保や予定通りの人材の育成ができなかった場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、大型荷役設備(クレーン)を使用して、ばら貨物の作業を実施しております。当該設備については専門担当部署が常時点検するとともに、早期に部品等の更新を行ない、設備の耐久性を維持・確保しております。また、主要な基幹部品については、すべて常備する万全な体制といたしております。しかし、突発的な要因により設備に予想しない不具合が発生した場合には、事業活動に影響を与える可能性があります。
また、当社は、事業設備が一ケ所に集中していることから、大規模な台風や地震による被害を受けた場合、全事業活動が停止する可能性があります。2018年9月に襲来した台風に際しては、事業活動への影響は全くありませんでしたが、損失額280百万円相当の被害を受けました。なお、当該費用については全設備に保険を付保していることから、業績に大きな影響はありませんでしたが、地震に係る被害については保険支払額に制限があるため業績に影響が出る可能性があります。
当社グループは、事業活動を遂行するにあたり多額の固定資産を保有しております。今後の経済変動等による固定資産の時価の下落や、資産グループの収益力の低下等に伴い、減損損失が発生する可能性があります。
(9)法律等の公的規制について
当社グループの事業は、港湾運送事業法、倉庫業法、消防法、貨物運送事業法等に基づく許認可を受け、事業の遂行に関連する各種法令や業界慣行に従い事業活動を行っています。今後、これらの法令等の改廃や新たな法的規制が設けられた場合、事業活動の自由度が減少することや新たな費用の発生等が見込まれ、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)有価証券について
当社グループは、取引関係の維持・強化等を目的として、金融機関や取引先等の株式を戦略的に保有しております。これらの時価のある株式の取得原価は615百万円です。一方、当連結会計年度末の貸借対照表計上額(時価)は3,692百万円となり、評価差額は3,076百万円の評価益となっています。取得原価が相対的に低いことから、今後の経済情勢または発行会社の経営状態の変動等により大幅な下落が生じた場合でも、評価損を計上する可能性は少ないと考えられますが、包括利益や財政状態へは影響を及ぼす可能性があります。
なお、当該株式については、政策保有意義の希薄化が認められる、またはその兆候がある株式については、取締役会の決議に基づき、順次売却していくこととしておりますが、政策保有意義のある株式についても、当社が目標とする経営基盤が確立できた段階に至った場合、または、企業価値を高める大規模な設備投資に係る資金需要が発生した場合には、改めて売却について検討する方針であります。
(11)退職給付債務について
当社グループは確定給付企業年金制度を採用しており、年金資産を外部に運用委託しております。このため、運用成績の悪化などにより積立額に不足が生じ会社が負担することになる場合、業績と財務状況に悪影響を及ぼす恐れがあります。
(12)パンデミックリスクについて
当社グループは、感染症の安全対策として、消毒等の衛生管理に加え、在宅勤務、時差出勤等を実施する体制を整え、事業活動を継続して実施していますが、従業員が罹患した場合、または、専属下請作業会社の作業員が罹患した場合には、当社グループの事業活動に影響を与え、業績と財務状況にも悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行により社会・経済活動の正常化が進展し、緩やかな回復基調となりました。一方、ウクライナ情勢の長期化や、中東情勢の緊迫化など不安定な状況が継続しており、これらを背景とする原材料・エネルギー価格の高騰、物価上昇や金融・為替市場の急激な変動など、引き続き先行きが不透明な状況が続いております。
このような情勢のもと、当社グループは、競争力のある事業基盤を形成し、全てのステークホルダーへの貢献を継続して達成するため、第3次中期経営計画(2022年度~2024年度)に基づき、各種施策の検討を進めてまいりました。外部環境の変化に対応して経営資源を配置・投入し、中長期的視野に立った設備投資や更新投資、メンテナンスを実施していくことで、既存事業の足場固めを行うとともに、新規ビジネスを開拓・育成することや地場産業との関係を深めることなどによって、当社の強みを生かした付加価値のある仕事を追求するなど事業ポートフォリオを改善し、長期に亘り安定した収益を維持・拡大できる事業基盤の強化に努めてまいりました。
ばら貨物については、港湾物流サービスを常に安定的にご提供できるよう、クレーン等荷役設備のメンテナンスを積極的に行いました。また、新規の付加価値が高いオペレーションを行うため既存倉庫の大規模改修を行い、下半期より安定して稼働しております。液体貨物に関しても、メンテナンスを適時・的確に行い事業の安定性を高めてまいりました。また、タンクの更新・新設を含めた設備投資を検討してまいります。倉庫事業に関しても、パートナー様と連携を強化し、収益改善に向け様々な取り組みを検討してまいります。
上記の事業活動を踏まえ、当連結会計年度の売上高は、4,112百万円となり、前連結会計年度に比べ246百万円、6.4%の増収となりました。
売上原価は、売上の増加に伴い荷役関係諸払費が増加したことや、既存設備への積極的なメンテナンスによる修繕費の増加、設備投資や更新投資に伴う減価償却費の増加などにより、3,332百万円となり、前連結会計年度に比べ112百万円の増加となりました。また、販売費及び一般管理費は、543百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は235百万円となり、前連結会計年度に比べ78百万円、50.0%の増益となりました。経常利益は、受取配当金を収受したことなどにより335百万円となり、前連結会計年度に比べ92百万円、37.9%の増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度において税務上の繰越欠損金が解消されたことなどにより法人税等が増加したことから211百万円となりました。また、前連結会計年度に比べ18百万円、9.5%の増益となりました。
セグメントごとの営業成績は、次のとおりであります。
大型クレーンを使用する荷役業務は、主に原材料貨物の取扱数量が減少したことなどにより、荷役業務の売上高は前連結会計年度に比べ2.8%減少し、750百万円(前連結会計年度は772百万円)となりました。
海上運送業務は、内航船による輸送料金の改定を行ったことなどから、売上高は362百万円(前連結会計年度は337百万円)となりました。
保管業務は、前連結会計年度期中で稼働した新倉庫が期初より安定して稼働したことなどから、売上高は405百万円(前連結会計年度は343百万円)となりました。
その他業務は、一部原材料貨物の取扱減少に伴い、付随する陸上運送業務が減少したことなどから、売上高は687百万円(前連結会計年度は725百万円)となりました。
以上により、ばら貨物セグメントの売上高は2,205百万円(前連結会計年度は2,178百万円)となりました。ばら貨物セグメントの営業損失は42百万円となり、前連結会計年度に比べ59百万円、363.7%の減益となりました。
石油類は、白油系の荷動きが回復し、通年に亘り安定したタンク運営を継続できたことやタンク運営に係る特別作業料を収受したことなどから、売上高は953百万円(前連結会計年度は821百万円)となりました。
化学品類は、タンク保管料の改定を行ったことなどから、売上高は401百万円(前連結会計年度は373百万円)となりました。
以上により、液体貨物セグメントの売上高は1,355百万円(前連結会計年度は1,195百万円)となりました。液体貨物セグメントの営業利益は456百万円となり、前連結会計年度に比べ67百万円、17.2%の増益となりました。
物流倉庫は、前連結会計年度期中で業態転換した冷蔵倉庫が期初より寄与したことなどにより、物流倉庫セグメントの売上高は530百万円(前連結会計年度は470百万円)となりました。物流倉庫セグメントの営業利益は199百万円となり、前連結会計年度に比べ134百万円、208.2%の増益となりました。
売電事業によるその他セグメントの売上高は20百万円となり、前連結会計年度並みとなりました。セグメントの営業利益は前連結会計年度並みの7百万円となりました。
当連結会計年度末の総資産は10,076百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,132百万円増加しました。これは積極的な設備投資に伴い有形固定資産が増加したことや保有する株式の時価の上昇により投資有価証券が増加したことなどによるものです。
負債合計につきましては、長期借入金の約定返済が進みましたが、新たな資金調達により長期借入金が増加したことや投資有価証券の時価の上昇に伴い繰延税金負債が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて835百万円増加し、3,811百万円となりました。
純資産合計につきましては、利益剰余金やその他有価証券評価差額金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて1,297百万円増加し、6,265百万円となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は850百万円となり、前連結会計年度末に比べて84百万円減少しました。各キャッシュ・フロー別の状況及びそれらの要因は以下の通りです。
営業活動によるキャッシュ・フローでは、755百万円の資金増加(前連結会計年度は631百万円の資金増加)となりました。これは税金等調整前当期純利益を302百万円、減価償却費を332百万円計上したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得による支出を1,044百万円行ったことなどから1,081百万円の資金減少(前連結会計年度は1,113百万円の資金減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、長期借入金の返済による支出が172百万円あったものの、長期借入金による収入が500百万円あったことなどから、241百万円の資金増加(前連結会計年度は126百万円の資金減少)となりました。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引はありません。
2 主な相手先別の売上実績及び総売上実績に対する割合は、次の通りであります。
品目別取扱数量
(注) ばら貨物セグメントの保管数量の内訳は以下の通りであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上高)
ばら貨物セグメントでは、コークスなどの原材料貨物の取扱減少により荷役業務で減収となりましたが、前連結会計年度期中で稼働した新倉庫が期初より安定して稼働したことや、当連結会計年度期中に大規模改修工事が完了した倉庫が下期より稼働したことなどで保管業務で増収したことなどから、売上高は2,205百万円となり、前連結会計年度に比べ27百万円、1.3%の増収となりました。
液体貨物セグメントでは、荷役業務においては白油系の貨物の荷動きが回復したことなどから増収となりました。保管業務においても石油類・化学品類共にタンクの稼働率が通年に亘り堅調であったため増収となりました。また、その他業務においてタンク運営に係る特別作業料を収受いたしました。この結果、売上高は1,355百万円となり、前連結会計年度に比べ160百万円、13.4%の増収となりました。
物流倉庫セグメントでは、前連結会計年度期中で営業倉庫から業態変更を行った冷蔵倉庫が、当連結会計年度期初より安定して稼働したことなどから、売上高は530百万円となり、前連結会計年度に比べ60百万円、12.8%の増収となりました。
売電事業のその他セグメントの売上高は20百万円となり、前連結会計年度並みとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は4,112百万円となり、前連結会計年度に比べ246百万円、6.4%の増収となりました。
なお、売上高の分析につきましては、「第2『事業の状況』 4『経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析』 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の項目もご参照下さい。
売上原価につきましては、作業外注費である荷役関係諸払費は売上の増加に伴い増加し、1,200百万円となり、前連結会計年度に比べ51百万円増加しました。修理維持費につきましても積極的に既存設備のメンテナンスを行ったことにより、前連結会計年度に比べ31百万円増の383百万円となりました。また、設備投資や更新投資に伴い減価償却費につきましても増加しました。これらの結果、売上原価は前連結会計年度と比べ112百万円増の3,332百万円となり、売上高に対する割合は81.0%(前連結会計年度は83.3%)となりました。
販売費及び一般管理費は、人件費が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ55百万円増の543百万円となりました。売上高に対する割合は13.2%(前連結会計年度は12.6%)となりました。
以上の結果、営業利益は235百万円となり、前連結会計年度に比べ78百万円、50.0%の増益となりました。売上高に対する割合は5.7%(前連結会計年度は4.1%)となりました。
営業外収益は受取配当金が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ13百万円増の122百万円となりました。営業外費用については前連結会計年度並みの23百万円となりました。
以上の結果、経常利益は335百万円となり、前連結会計年度に比べ92百万円、37.9%の増益となりました。売上高に対する割合は8.2%(前連結会計年度は6.3%)となりました。
特別損失として、固定資産除売却損を33百万円計上しました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は211百万円となり、前連結会計年度に比べ18百万円、9.5%の増益となりました。売上高に対する割合は5.1%(前連結会計年度は5.0%)となりました。
財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2『事業の状況』 4『経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析』 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の項目に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2『事業の状況』 3『事業等のリスク』」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
ばら貨物セグメントの資産は2,730百万円となり、前連結会計年度末に比べて766百万円増加しました。これは、ばら貨物倉庫の大規模改修工事などを行ったことにより、有形固定資産が増加したことなどによるものです。
液体貨物セグメントの資産は998百万円となり、前連結会計年度に比べて2百万円増加しました。これは、売上の増加に伴い売掛債権が増加したことなどによるものです。
物流倉庫セグメントの資産は、減価償却などにより、前連結会計年度末に比べて101百万円減少の1,115百万円となりました。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2『事業の状況』 4『経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析』 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2『事業の状況』 4『経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析』 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要の主なものは、荷役関係諸払費や借地料、修理費などの営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資であります。また、株主還元については、安定的な配当を継続することを基本方針とし、経営の安定性と財務体質の維持・強化を重視する観点から、内部留保の水準と利益の見通しを考慮して実施してまいります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、運転資金の効率的な調達を行うために、取引銀行4行と総額850百万円の当座貸越枠を設定しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
該当事項はありません。