(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは「よろこびの食文化の創造」即ち「お客様の感動が私たちの喜びとし、日本一質の高い外食企業を目指す」という経営理念を掲げております。
この経営理念を実現すべく、当社グループは、「食べる」ということを、単に栄養の摂取というレベルに押しとどめることなく、潤いのある人生の喜びとしてとらえ、ひとつの文化にまで高めたいと考えています。そのために、①食材は常に上質のものを使う、②商品に他店にない特長を持たせる、③落ち着ける店舗をつくる、④常に良いサービスを心がける、⑤お値打ち感のある価格設定をすることにより、多くの人々に外食の楽しさ、人生のよろこびを感じていただけるように全力を注いでいます。
この経営理念のもとに、当社グループは外食企業としてさまざまな事業分野に進出して、お客様の多様なニーズにお応えすることとしております。現時点では、しゃぶしゃぶと日本料理の「木曽路」、特選和牛の「大将軍」、国産牛焼肉の「くいどん」、焼肉の「じゃんじゃん亭」、居酒屋の「素材屋」、酒場「大穴」、鶏料理の「とりかく」、和食レストラン「鈴のれん」、からあげ専門店の「からしげ」及び「外販(しぐれ煮、胡麻だれ類)」を運営しております。
それぞれの部門が付加価値の高い料理・サービス・商品を手頃な価格で提供することによって、会社の業績進展と企業価値の向上を図ることを基本方針としています。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当連結会計年度末の部門別の店舗配置状況は、木曽路部門122店舗、焼肉部門55店舗、居酒屋8店舗、鈴のれん5店舗、からしげ4店舗の合計194店舗であります。
今後も中核部門の「木曽路」を中心に拡大しつつ、各部門それぞれに市場の変化や顧客ニーズの多様化に適合したビジネスモデルの構築に努め、経営基盤の拡充を図っていく方針であります。
一方、地域別にみた店舗配置は中部地区59店舗、関東地区103店舗、関西地区29店舗、九州地区3店舗と大都市経済圏を中心に店舗網を形成しております。今後の店舗展開につきましては、東海地区の強固な基盤の上に立って、中部・関東・関西の各地区に出店しバランスのとれた経営基盤を形成していく方針であります。
(3) 目標とする経営指標
当社は成長性と収益性の追求を通じて企業価値の向上を実現していく方針であり、売上高成長率及び売上高経常利益率を経営の目標指標として掲げています。その目標指標の向上のために、経営理念を指針として顧客起点経営に徹し、価値観と独自性のある商品・サービスの開発・提供に努めていきます。同時に高い成長性・収益性が期待される事業分野に対して積極的に経営資源を投入していきます。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境は、人口減少や高齢化、異業種との競争などに加え、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出され飲食業への営業時間の時短要請を受けておりました。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種は徐々に進んでいるものの、大人数での会食や接待を控える動向等は継続しており、厳しい状態が続いております。
このような経営環境のなか、当社グループはウィズコロナ、アフターコロナに向けた新たな取り組みを行い、顧客満足と従業員満足を向上し成長へ繋げるため次の課題に取り組んで参ります。
第一は、「企業の社会的責任の自覚」であります。食の安全・安心を追求するとともにコンプライアンスを徹底できる体制を構築して参ります。
第二は、「経営基盤の強化」であります。事業ポートフォリオの再構築を行って参ります。焼肉事業を第2の柱とし、新事業・新業態への進出・拡大も視野にいれて業容を拡大して参ります。また、従業員の責任と権限の明確化と環境・状況に即した組織改編を随時行います。さらに、経営理念の浸透及びキャリアアッププランの明示等を行うことにより組織力及び教育体制の強化も図って参ります。
第三は、「営業基盤の強化」であります。人と人との接点に外食の喜びを創造する取り組みを行うことにより、お客様との接点の強化に努めて参ります。その取り組みにより、お客様のご要望を把握し、新たなニーズの掘り起こしを行って参ります。また、顧客情報の活用により外食動機を獲得して参ります。さらに、多様化するお客様のニーズに対応するため、マーケティング力の強化及び商品構成・価格構成の見直し・挑戦に努めます。また、季節感・イベント感・地域特性を訴求した商品開発を行い、商品力の強化を行って参ります。
第四は、「生産性の向上」であります。ITや作業合理化機器等の新技術の積極的導入・活用を行い間接業務時間の削減に努めます。また、従業員のスキルアップ、マルチスキル及びモチベーションへの施策を行い、効率的に作業が進むよう図って参ります。さらに生産性向上と品質向上の両立を実行して参ります。
(新型コロナウイルス感染症に関するリスク情報)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、店舗の営業休止やお客様、従業員等への感染拡大リスクが発生しております。感染が拡大して2年が経過しましたが、さらに長期化する場合、当社グループの業績が大きく影響を受ける可能性があります。厳しい環境下ではありますが、引き続き新型コロナウイルス感染症に関する情報収集及び対応を行い、その影響の最小化に努めて参ります。
当社グループは政府、自治体による「緊急事態宣言」及び「まん延防止等重点措置」を受け、当連結会計年度は、長期間にわたり時短営業や酒類販売の制限を余儀なくされました。昨年度に引き続きテイクアウトの需要に応えるべく店舗でのテイクアウト販売の取り組みを継続すると共に新たなECサイトを開設しております。
さらに当社グループは、お客様、従業員及び各ステークホルダーの方々の安全と健康を第一に考え、本社における在宅勤務や時差出勤、不要不急の来客・出張等の禁止、全従業員の出社前の検温の徹底とマスクの着用、手洗い・うがいの徹底、従業員の体調管理の把握と感染が疑わしい従業員等の出勤停止、全施設へのアルコール消毒液の設置やこまめな消毒等、さまざまな対策を継続的に実施して感染拡大の防止に努めております。
(1)業績の季節変動について
当社グループの主力商品である「しゃぶしゃぶ」の需要は、年末・年始を含めた冬季に高まるため、当社グループの売上高及び営業利益は下半期に片寄る傾向があります。
当社グループの最近5年間の状況は下表のとおりです。
|
|
売上高 |
営業利益又は営業損失(△) |
||||
|
上半期 |
下半期 |
通 期 |
上半期 |
下半期 |
通 期 |
|
|
2018年3月期(百万円) |
19,726 |
24,712 |
44,438 |
△307 |
2,536 |
2,229 |
|
構成比(%) |
44.4 |
55.6 |
100.0 |
- |
- |
100.0 |
|
2019年3月期(百万円) |
19,873 |
25,213 |
45,086 |
△152 |
2,726 |
2,573 |
|
構成比(%) |
44.1 |
55.9 |
100.0 |
- |
- |
100.0 |
|
2020年3月期(百万円) |
20,074 |
23,850 |
43,924 |
△476 |
1,902 |
1,426 |
|
構成比(%) |
45.7 |
54.3 |
100.0 |
- |
- |
100.0 |
|
2021年3月期(百万円) |
13,359 |
17,707 |
31,067 |
△3,314 |
△905 |
△4,219 |
|
構成比(%) |
43.0 |
57.0 |
100.0 |
- |
- |
100.0 |
|
2022年3月期(百万円) |
14,845 |
21,933 |
36,778 |
△3,307 |
△233 |
△3,541 |
|
構成比(%) |
40.4 |
59.6 |
100.0 |
- |
- |
100.0 |
(注)今後につきましても、下半期依存型の傾向は続くことが考えられます。
(2) 主力業態への依存
当社グループの主力業態であるしゃぶしゃぶ・日本料理の木曽路の売上が全体の売上の79.2%(2022年3月期累計実績)を占めています。予期せぬ事情によって主力業態の売上が著しく減少した場合には、他商品の売上で補うことが困難になる可能性があります。
(3) 立地環境の変化
当社グループは、店舗の建物を中心に有形固定資産に投資をしており、2022年3月31日現在の残高は14,520百万円、総資産の30.3%を占めております。店舗を最小単位として固定資産をグルーピングしていますが、店舗の立地環境が大きく変化し、その結果、店舗の業績が悪化し投下資金の回収が困難になる場合には、減損損失又は店舗撤退に伴う費用が発生する可能性があります。
(4) 店舗物件等に係る敷金、保証金及び建設協力金回収に関するリスク
当社グループは、賃借による出店を基本としております。店舗用物件等の賃貸借契約の締結に際して賃貸人に敷金・保証金及び建設協力金を差し入れており、2022年3月31日現在の残高は4,363百万円、総資産に占める割合は9.1%となっております。敷金・保証金は契約期間満了等により賃貸借契約を解約する際に返還される契約となっており、また、建設協力金は、賃借料の支払いと相殺することにより契約期間満了時までに全額回収する契約となっております。しかし、敷金、保証金及び建設協力金については、預託先の経済的破綻等によりその一部又は全部が回収不能となる場合や、賃貸借契約に定められた期間満了前に中途解約をした場合には返還されないことがあります。このような事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(5) 原材料の調達について
当社グループの原材料仕入額において、肉類、野菜、魚介類が50%以上を占めています。異常気象や大規模災害、安全性問題の発生等により、これらの食材の調達が広範囲かつ長期にわたり阻害された場合には、当社グループの業績に大きな影響が及ぶ可能性があります。
(6) 競合の状況について
外食産業は、比較的参入障壁が低く新規参入が多いこと、また低価格化が進む中、客単価が下がる傾向にあります。さらに国内では少子高齢化が進みマーケットは飽和状態となっております。このような状況下で当社グループは、日本一質の高い外食企業を目指して、QSC(クオリティ、サービス、クリンリネス)の徹底と、生産性向上の追求や経費の抜本的見直しと効率化等により収益基盤の改革を行っております。しかしながら、お客様のニーズの変化、多様化等により更なる競争激化等が進んだ場合は、事業活動、将来の成長が阻害され当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(7) 出店用地と建設業者及び建築資材の確保
当社グループはチェーンレストランとして計画的な出店により業容の拡大を図っていますが、競合状況の変化や土地所有者の都合などにより適切な出店用地を確保できない場合や、出店計画にもとづく建設業者の確保と建設資材の入手に遅延等が発生した場合には、出店計画の進捗が遅れ、当社グループの成長性に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制について
当社グループは、事業活動を行う上でさまざまな法的規制の適用を受けております。これらの法的規制は新設・変更・廃止される可能性があります。
特に当社グループは食品衛生法の規制を受けており、食中毒や異物混入等の未然防止策を徹底しておりますが、重大な衛生問題が発生することにより、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命ぜられた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは食品リサイクル法により食品廃棄物などの再生利用(発生抑制、再生利用、減量)の促進を義務づけられております。そのための設備投資や再生可能品な包材、備品への変更等により、新たな費用が発生する可能性があります。
(9) 人材の確保及び育成について
当社グループは、積極的な店舗展開を行う方針であるため、人材を確保していく必要があります。特に外食産業の店舗運営における知識、経験を持った人材を確保、育成し、定着させていくことは重要な課題であります。一方で、パートタイマーを確保するために「募集時給の見直し」を行う等、賃率が上昇し、総額人件費の高騰に起因しています。このような状態が長期化し、当社グループにおける人材の確保及び育成が出店スピードに追いつかない場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(10)個人情報の管理
当社グループは多数の顧客情報を有しており、その管理に万全を期していますが、予期せぬ事情によって情報流出や不正使用等が発生した場合には、その対応のために多額の費用が発生する可能性があります。
(11)自然災害、事故災害及び疫病に関するリスク
当社グループの店舗網は、関東・東海・関西・北九州の大都市圏に集中しています。これらの地域で地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害及び疫病が発生した場合、従業員や店舗の設備等が大きな被害を受け、その一部又は全部の営業が中断し、当社グループの業績が大きく影響を受ける可能性があります。また、被害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生したが、その後業績が回復せずその投下資金の回収が困難になった場合には、減損損失又は店舗撤退に伴う費用が発生する可能性があります。
(12)継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、2021年3月期において売上高が著しく減少し、重要な営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失並びにマイナスの営業キャッシュ・フローを計上し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が発生しておりました。
当連結会計年度におきましても、2021年4月に新型コロナウイルス感染症拡大による「まん延防止等重点措置」が適用、緊急事態宣言が発出されたことにより、営業時間の短縮、一部店舗の営業休止及び酒類の販売休止を実施しました。本年3月にはまん延防止等重点措置が解除されましたが、大人数での会食や宴会を慎む動きは継続しており、厳しい経営環境にあります。しかしながら、営業時間の正常化に伴い、店内飲食の利用客数は増加傾向にあることに加え、テイクアウト販売の促進等により、徐々に業績は回復基調にあります。
また、客数予想をもとにしたシフト管理の徹底等により人件費を抑えると共に、家賃の減額交渉等を行い、経費削減に取り組んだ結果、当連結会計年度の営業損失は大幅に減少しており、翌連結会計年度における営業利益の計上に向けて、ウィズコロナの環境下においても収益性の維持・向上を可能な営業基盤の強化を図っております。
さらに、当社グループは、財務基盤の一層の強化を目的として、2021年9月に新株予約権による資金調達を決定、実施した結果、順調に自己資本を増強させており、外部借入の一部を繰り上げ返済することで、当面の運転資金を賄う十分な事業資金を有していることから、資金繰り上の懸念はありません。
これらの状況から、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象又は状況は現時点において存在しないものと判断しております。
なお、文中の将来に関する事項の判断につきましては、有価証券報告書提出日現在においてなされたものであります。
当社は、前連結会計年度末より連結財務諸表を作成しておりますので、経営成績の状況において前年同期連結会計期間との比較分析は行っておりません。
なお、2021年1月27日(みなし取得日 2021年3月31日)に行われた株式会社大将軍の企業結合について、前連結
会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定しております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、当連結会計年度の連結財務諸表に含まれる比較情報において取得原価の当初配分額に重要な見直しが反映されています。前連結会計年度末との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額を用いています。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)におけるわが国の経済環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けました。新型コロナウイルスワクチンの接種率の向上等により段階的に軽減しているものの、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
外食業界におきましては、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による営業時間の短縮、酒類の提供禁止や提供時間の制限がありました。本年3月にはまん延防止等重点措置が解除されましたが、大人数での会食や宴会を慎む動きは継続しており、厳しい経営環境が続いております。
このような環境の中で、当社グループは、新型コロナウイルス感染症対策として、従業員のマスク着用、個人衛生チェックの徹底、アルコール消毒液の店内設置、客席のパーテーション設置など、感染予防対策を引き続き実施し、ご来店いただけるお客様に安心してお食事を楽しんでいただけるよう努めております。また、各業態において、巣ごもり需要の獲得に向けたテイクアウトの強化に努めております。TVCMや新聞折り込み広告等による認知の向上、お持ち帰り「お弁当販売」に加え、ご自宅でお楽しみいただける、お持ち帰り「しゃぶしゃぶセット」・「すきやきセット」の販売、季節やお客様のオケージョンに合わせたお弁当の販売等に取り組んで参りました。
費用面においては、引き続き、一部店舗の休業及び時短営業店舗の従業員の一時帰休、客数予想をもとにしたシフト管理の徹底等により人件費を抑えると共に、家賃の減額交渉等を行い、経費削減に努めました。
なお、営業外収益には、営業時間短縮要請に係る時短協力金等の助成金収入を53億27百万円計上しました。
資金面については、8月31日に当社グループの更なる成長と安定的な財務体質の構築を実現するために第三者割当による第1回新株予約権を発行して資金調達を開始しました。
店舗展開、改築・改装につきましては、3店舗の出店、5店舗の改装(1店舗は改装中)、11店舗の退店を実施し、当連結会計年度末の店舗数は194店舗となりました。
なお、働き方改革の一環として株式会社木曽路において、5月10日、11日の2日間、全店一斉休業を実施しました。今後も働き易い魅力ある企業作りにも努めて参ります。
(財政状態の状況)
当連結会計年度末における総資産は478億98百万円となりました。この主な内訳は、流動資産が227億21百万円、有形固定資産が145億20百万円、無形固定資産が29億61百万円、投資その他の資産が76億93百万円であります。
一方、負債合計は212億96百万円となりました。この主な内訳は、流動負債が109億93百万円、固定負債が103億3百万円であります。また、当連結会計年度末における純資産合計は266億1百万円となりました。この主な内訳は、資本金が115億53百万円、資本剰余金が113億71百万円、利益剰余金が45億20百万円であります。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は55.5%、1株当たり純資産は983.02円となりました。
(経営成績の状況)
当連結会計年度の売上高は367億78百万円、営業損益は35億41百万円の損失、経常利益は18億20百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は6億50百万円となりました。1株当たり当期純利益は25.15円となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別の概況については、当社グループの事業は単一セグメントでありますので、その概況を部門別に示すと次のとおりであります。
木曽路部門
しゃぶしゃぶ・日本料理の「木曽路」業態は、1店舗の出店、1店舗の改装(現在改装中)と2店舗の退店により、当連結会計年度末店舗数は122店舗であります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、時短営業を実施いたしました。店内飲食での法人の宴会需要や予約獲得状況は回復しておらず厳しい状況が続いております。このような環境の中で新規顧客の獲得、来店動機づくりにTVCMを実施するとともに、引き続き、お持ち帰りお弁当販売やご自宅でお楽しみいただける「しゃぶしゃぶセット」等の販売で客数増に努めました。
その結果、売上高291億13百万円(前年同期比 4.9%増加)となりました。
焼肉部門
特選和牛の「大将軍」・国産牛焼肉の「くいどん」は、2店舗の出店、3店舗の改装、1店舗の退店により、当連結会計年度末店舗数は42店舗であります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、時短営業、酒類の販売制限の影響を大きく受け、厳しい営業となりました。その結果、売上高は49億34百万円となりました。
なお、前連結会計年度に株式会社大将軍の全株式を取得し、完全子会社化を行い連結範囲に含めております。連結子会社の企業結合日(みなし取得日)を前連結会計年度末としているため、前連結会計年度においては連結範囲に同社の業績は含めておりません。そのため、前年同期との対比は行っておりません。
焼肉の「じゃんじゃん亭」業態は、当連結会計年度末店舗数は13店舗であります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、時短営業、酒類販売の制限や業態転換により店舗数が減少したため、売上高は12億41百万円(同 19.0%減少)となりました。
その他部門
居酒屋(素材屋、とりかく、ウノ、大穴)業態は、8店舗の退店により、当連結会計年度末店舗数は8店舗(前年同期末比 8店舗減少)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、酒類の提供禁止や制限により店舗の休業と時短営業を実施いたしました。ランチ営業やお弁当販売等を実施し、2022年3月にまん延防止等重点措置は解除されたものの、大人数での宴会需要や接待の低迷や時短営業、酒類販売の制限などが大きく影響しました。その結果、売上高は6億90百万円(同 27.5%減少)となりました。
和食 しゃぶしゃぶの「鈴のれん」業態は、店舗の異動はなく、当連結会計年度末店舗数は5店舗であります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、時短営業を実施いたしました。店舗数の減少や時短営業が大きく影響しましたが、前年同期は、店舗休業を実施したこともあり、売上高は4億79百万円(同 2.7%増加)となりました。
その他業態は、からあげ専門店の「からしげ」、外販(しぐれ煮、胡麻だれ類)、不動産賃貸等であります。売上高は3億68百万円(同 2.1%減少)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は176億17百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は36億56百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が9億91百万円、助成金収入53億27百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は16億41百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出16億23百万円、差入保証金の差入による支出2億17百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4億円となりました。これは主に、短期借入れによる収入118億円、短期借入金の返済による支出187億円等によるものであります。
③販売及び仕入の実績
イ.販売実績
当社の事業は飲食店としての事業がほとんどを占める単一セグメントであります。当連結会計年度における販売実績の内訳を部門別・地域別に示すと次のとおりであります。
・部門別販売実績
|
部門別 |
事業内容 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
木曽路部門 |
しゃぶしゃぶ・日本料理の「木曽路」 |
29,113百万円 |
104.9 |
|
焼肉部門 |
特選和牛の「大将軍」・ 国産牛焼肉の「くいどん」 |
4,934 |
- |
|
焼肉の「じゃんじゃん亭」 |
1,241 |
81.1 |
|
|
その他部門 |
居酒屋 |
690 |
72.6 |
|
和食 しゃぶしゃぶの「鈴のれん」 |
479 |
102.7 |
|
|
その他 |
368 |
98.0 |
(注)総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。
・地域別販売実績
|
地域別 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
中部地区 |
11,159百万円 |
- |
|
関東地区 |
19,009 |
- |
|
関西地区 |
5,999 |
- |
|
九州地区 |
657 |
- |
ロ.仕入実績
|
項目別 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
原材料 |
肉類 |
4,766百万円 |
- |
|
|
野菜類 |
1,063 |
- |
|
|
魚介類 |
2,335 |
- |
|
|
調理済加工食品 |
2,645 |
- |
|
|
飲料 |
697 |
- |
|
|
米・パン類 |
450 |
- |
|
|
乳製品 |
153 |
- |
|
小計 |
12,112 |
- |
|
|
商品 |
店頭商品 |
122 |
- |
|
合計 |
12,234 |
- |
|
(注)店頭商品とは菓子類及び胡麻だれ等であります。
(2)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは適切な成長性と収益性の確保を通じて着実な業容拡充と企業価値の向上を図ることを経営目標としております。そのために、売上高成長率及び売上高経常利益率を目標指標としています。業績の中期的展望については、当面は、過去最高業績水準である、売上高500億円、営業利益・経常利益30億円、利益率6.0%を業績目標としています。この中期的展望を元に、単年度の売上高、営業利益・経常利益、及び同利益率の目標値を設定し、目標達成に向けた施策や目標との乖離原因等について分析・検討して参ります。
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルスワクチン接種率の向上や治療薬の開発等により徐々に経済が回復基調にあるものの、依然として新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せないことに加えて、ウクライナ情勢等の地政学的リスクによる資源・エネルギーや食材等の価格高騰により、景気の先行き不透明感は強まることが予想されます。
このような経営環境の中で、当社グループは引き続き店内飲食だけでなく、持ち帰り弁当やしゃぶしゃぶセット等の販売で客数増の施策等を行い、売上の増大を図って参ります。また、基本方針どおり、お客様の食の安全・安心を追求するとともにコンプライアンスを徹底して参ります。そして、組織の在り方を見直し、教育体系を整備し、新規出店や新事業開発で企業規模の拡大を目指して参ります。新世代の木曽路へ魅力のある企業づくりを行い、人材の確保、定着、育成へとつなげて参ります。
さらに、当社グループは事業ポートフォリオの再構築を行って参ります。焼肉事業を第2の柱とし、新事業・新業態への進出・拡大も視野にいれて業容を拡大して参ります。また、人と人との接点に外食の喜びを創造する取り組みを行うことにより、お客様との接点の強化に努めます。その取り組みにより、お客様のご要望を把握し、新たなニーズの掘り起こしを行って参ります。
以上の施策を実行して参りますが、今後も新型コロナウイルス感染症の収束状況等により、業績が大きく変動する可能性があります。業績予想の修正が必要になった場合は速やかに開示いたします。
(3)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要は原材料及び人件費を主とした、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規出店、店舗の改築・改装、名古屋工場設備改修及び情報システム関連投資等によるものであります。
当社グループの事業活動拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入と社債の発行等による資金調達を基本的な方針としており、今後の調達の安定性と低コスト調達を実現するために調達方法の多様化も進めて参ります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は127億88百万円となっており、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は176億17百万円となっております。
当社グループは将来の資金需要に円滑な調達を進めるため、株式会社日本格付研究所より、発行体格付け「BBB⁻」を取得しております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び該当見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
新株予約権買取契約証書
当社は2021年8月31日開催の取締役会において、野村證券株式会社を割当予定先として第三者割当による第1回新株予約権(行使価額修正条項付)(以下「本新株予約権」という。)を発行することを決議し、2021年9月16日に本新株予約権に係る「株式会社木曽路第1回新株予約権買取契約証書」を締結しております。
特記すべき事項はありません。