当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
「ニッチツグループは、その経営の原点を、株主はじめ、取引先各位、地域社会との「パートナーシップ」に置き、たゆみ無い向上心の発揮を通じて、高度な産業生産財を提供し、もって、社会の発展に貢献することを究極の理念とします。」という企業理念を掲げています。
その上で、ニッチツグループ社員一人ひとりが行動するうえでの規範となる以下の行動規準を定めています。
「ニッチツグループの一員であることに誇りを持ち:-
①法と社会規範、社内規則を遵守し、公正・透明な事業活動を心がけます。
②安全、環境保全の重要性を認識の上、主体者意識を伴った、活力ある職場つくりを推進します。
③企業体質の強化に努め、企業情報については適時的確な開示を行います。
④自己責任・協調・相互信頼を基本に、常にグループ全体のシナジー効果を展望の上行動します。」
(2)経営戦略等
当社グループは、2023年5月に策定した中期経営計画「シン・ニッチツ2025」で、ニッチツグループ企業理念の実現を目指して、積極投資によるレジリエンス向上(現場力強化)と新たなビジネス領域への挑戦(成長事業へのリソース投入)により、将来に向けて経営基盤を再構築し、取引先・地域への貢献および企業価値向上を着実に図っていくことを中期経営計画の対象期間である2023年度から2025年度までの基本方針として掲げております。
上記の基本方針に基づく基本経営戦略は、次のとおりです。
1.生産設備へ集中的に積極投資することにより、安全性・生産性の向上を図り、現業の競争力を高める
2.人財への投資(採用・育成・福利厚生制度の充実)を加速して、社員の働きがい向上と当社グループの競争力向上を目指す
3.脱炭素・環境への取り組み等、新たなビジネス領域に挑戦して、現業との両輪とする
(3)目標とする経営指標
当社グループでは、企業としての本来の事業活動の成果を示す指標として「営業利益」「売上高営業利益率」及び「当期純利益」を、また、財務体質強化の観点からは、自己資本比率を主要な経営指標としています。
さらに、中期経営計画「シン・ニッチツ2025」では、当社グループの目指す将来像を市場に対してわかりやすい形で示すこと及び自社の資本コストを意識した計画とすることを目的に、投下資本の収益性指標である自己資本利益率(ROE)及び投下資本利益率(ROIC)も経営指標として取り入れております。
(4)経営環境及び対処すべき課題
世界経済は、欧米において景気がソフトランディングに向かいつつも、中国経済の成長率鈍化、地政学的緊張の高まり、根強いインフレ圧力等により不安定な展開が予想されます。日本経済も賃上げに伴う個人消費の回復が期待されるものの、金利為替動向等先行き不透明な状況にあります。国内造船所は手持工事量が積み上がっているものの、人手不足等から建造量の回復には制約が見込まれます。半導体関連需要は底打ちを見せつつも、全体的な在庫調整局面は継続するものと予想されます。
当社グループは、上記事業環境のもと、中期経営計画「シン・ニッチツ2025」に基づき次の課題に取り組み、持続的な成長の実現に向けて、収益力の強化と安定した経営基盤の確立を図ってまいります。
① 機械関連事業については、引き続き全部門において工事採算の改善及び生産性向上に注力します。舶用機器部門については、工事量の増加及び人員不足に対応し、鋼材の自動加工ラインの新設等生産体制の整備を進めます。産業機器部門では、回復を見せつつある製鉄関連等の工事獲得に努めるとともに、再生可能エネルギー、環境対策関連等の新規分野での受注獲得を積極的に進めます。
② 資源関連事業(ハイシリカ部門)では、半導体関連需要の動向に留意しつつ、今後見込まれる高付加価値製品の需要増に応えるべく生産設備の増強を図るとともに、汎用品については海外生産委託を進めます。また、調達先の多様化による良質な原石の安定調達及び適正在庫水準の確保に努めます。受託加工業務については旺盛な需要に応え引き続き拡大を図ります。
③ 設備の老朽化が進んでいることを踏まえた設備更新を着実に進めるとともに、生産合理化、設備増強等の投資に積極的に取り組みます。
④ 当社の将来の発展を見据えて、人財の確保と育成に努めます。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は、取締役会において経営戦略、経営計画を策定するにあたり、サステナビリティの観点から自社に成長機会をもたらす課題と中長期的な重要リスクとなる課題を選定し、重要性の高いものを優先課題(重要課題)として検討するとともに、必要に応じて議題として取り上げております。
グループ全体のリスク管理の統括機関として、内部統制推進委員会の下に代表取締役社長を部会長とするリスク管理部会を設置しており、リスク管理部会は原則として毎年1回、定期的に開催しております。
リスク管理部会で協議あるいは審議された事項は、定期的または必要に応じて取締役会に報告され、取締役会はこのプロセスを通じて監督するとともに、対応等について適宜、指示を行う体制を構築しております。
(2)戦略
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりです。
[人財の育成、社内環境整備に関する方針]
当社グループは、いつの時代も「ニッチツグループ企業理念」に掲げる「高度な産業生産財を提供し、もって、社会の発展に貢献すること」を実現するための共通の基盤となるのは、「人財」であると認識しております。
こうした認識の下、2023年5月に策定しました中期経営計画「シン・ニッチツ2025」では、中期経営計画方針である「取引先・地域への貢献および企業価値向上を着実に図っていくこと」を実現するため、人財への投資(採用・育成・福利厚生制度の充実)の加速による社員の働きがい向上と当社グループの競争力向上を基本経営戦略の一つとして掲げております。
具体的には、多様性の確保の観点も踏まえ採用は性別・国籍・ルートを問わず行うとともに、採用後は適材適所を旨とし、女性・外国人・中途採用者等の中核人材への登用も積極的に行う方針です。
さらに採用した人財については、OJT等による各職場での技術・技能・ノウハウの伝承をはじめとして、上司との面談を通じた目標設定と評価のフィードバック、各種資格の取得支援の拡充等により、一人ひとりの自律的な成長意欲の醸成・涵養に努めるとともに、人財の確保・定着を図るべく独身寮や借り上げ社宅制度の整備、再雇用制度の充実、社員の業績向上に対するインセンティブとなる制度の導入検討等にも取り組んでまいります。
また、社員一人ひとりが成長を続け、もって「活力ある職場」をつくるためには、労働災害の防止をはじめとした社員の安全確保は最重要課題です。当社グループでは「ニッチツグループ行動規準」において「安全、環境保全の重要性を認識の上、主体者意識を伴った、活力ある職場つくりを推進する」ことを掲げるとともに、これに基づく「ニッチツグループ安全宣言」を制定し、社員が安心して働き日々成長を続けられる職場環境の整備に邁進しております。
<ニッチツグループ安全宣言>
① 共に働くすべての人の命を守ります
② 安全で快適な職場環境の確保に努めます
③ 環境保全と地域社会との共生を目指します
なお、職場環境の整備につきましては、工場・オフィスの改善に努めるとともに、多様性のある人財の維持・確保を図るため、介護・子の看護休暇を有給休暇とすること、時間単位での年次有給休暇制度の導入、在宅勤務制度の導入等により働き方改革を推進し、多様な働き方を通じて多様な人財が生き生きと成長できる環境の整備にも取り組んでおります。
(3)リスク管理
リスク管理部会は、当社グループのリスク管理に関して未然防止の観点から、重大リスクの特定によるリスク現象の認識と適切な対応策の整備、運用を毎年度行うとともに、リスクが顕在化した場合またはそのおそれが生じた場合には、「状況の総括的な把握」及び「事態の早期解決のための対応」等を行うこととしております。
特定したリスク及び機会については、担当部門から定期的にリスク管理部会長その他部会メンバーに対して対応策の進捗状況等を報告することにより、グループ横断的な可視化、認識の共有化を図っております。
また上記の他、特に機会につきましては中期経営計画「シン・ニッチツ2025」の中でも特定、明確化し、グループを挙げて今後の成長に向けた推進力とすべく取り組んでまいります。
(4)指標及び目標
当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人財の育成、社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
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指 標 |
目 標 |
実績(当連結会計年度) |
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(注)1.100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数をもって、労働災害の頻度を表す指標
2.1,000延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数をもって、労働災害の重さの程度を表す指標
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をする所存であります。
以下の記載事項には、将来に関するものが含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
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リスク分類 |
リスク項目 |
リスクの内容 |
リスクが顕在化した場合の影響 |
リスク対策 |
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事業 環境 |
市場動向 |
当社グループの事業分野のうち、機械関連事業は火力発電所や製鉄所といった脱炭素化に向けた社会的潮流の影響を大きく受ける産業分野も需要先としており、これら需要先の設備投資の動向等に影響を受けます。また、資源関連事業のハイシリカ部門はシリコンサイクル等による市況変動が大きく、かつ、恒常的な技術革新に伴うスペック(仕様)の変更等の激しいエレクトロニクス関連が主な需要分野であり、その市場動向の影響は不可避です。 |
・業績の悪化 |
機械関連事業については、顧客ニーズに柔軟に対応しつつ新型工事や新分野の取り込み等に注力し、取引業界の多様化を進め、特定顧客の受注動向に左右され難い事業体質の確立を進めております。 資源関連事業のハイシリカ部門については、汎用製品の海外生産委託及び国内工場での高付加価値製品への生産シフトを進め、収益の安定化と拡大を目指すとともに、光学関連など既存分野の深耕や新分野の開拓にも取り組んでおります。 |
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原材料、資材等の調達 |
当社グループは、機械関連事業の一部で鋼材支給を受ける以外は、原材料、副資材等を海外も含めた取引先から調達しており、商品市況の変動等による調達価格の上昇、あるいは何らかの事情による調達不能等のリスクを負っております。 また、電気、ガスの価格高騰が製造原価に与える影響も看過できないものがあります。 |
・生産活動の停滞 ・製品の原価率の上昇 |
安定調達を実現するため、市場動向には常に注意を払うとともに、世界の特定の地域に調達先が偏在しないよう、調達先の多様化を進めているほか、市況を睨みつつ適宜、在庫の確保にも努めております。 また、外貨建てで輸入している原材料については、為替の変動リスクを回避するため、デリバティブ取引(為替予約取引)を利用しております。 なお、電気、ガスにつきましては、省エネを徹底するとともに、使用量に異常値が発生していないか、定期的にチェックしております。 |
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事業 運営 |
人財の確保 |
当社グループの製品の品質や生産物量は、各職場で長年培ってきた技術・技能を有する優秀な人財によるところが大ですが、定年退職等により一定の退職者が発生していくことは避けられません。そして、退職者からの技術・技能の伝承が十分になされなかった場合、当社グループの生産活動等に影響が及ぶ可能性があります。 |
・品質の低下 ・生産物量の減少 |
リファラル採用等、新たな採用活動に取り組むとともに、地域高校生に就業体験の機会を積極的に提供するなど人財の確保を進め、技術・技能の切れ目のない伝承に努めております。 また、海外実習生の受入れも含めた、人員確保と人財育成計画を立案し取り組んでおります。 |
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リスク分類 |
リスク項目 |
リスクの内容 |
リスクが顕在化した場合の影響 |
リスク対策 |
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事業 運営 |
鉱業関連 |
休廃止鉱山に関して、鉱山保安法等の法令により鉱害防止に努めております。それに伴い、関連法令等の改正による鉱害防止等のための新たな費用負担が発生する可能性や、休廃止鉱山における自然災害等に起因する物的・人的被害発生防止のため、新たな対策工事費用等を負担する可能性があります。 |
・純利益の減少 |
鉱害防止等のため、坑廃水処理設備の定期的なメンテナンスを行うとともに、処理能力の向上等の施策も検討・実施しております。 |
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事故、 災害等 |
重大な自然災害 |
当社グループの工場や事業所等において、万一、地震、津波、台風等の自然災害に起因する人的・物的被害が発生した場合には、事業活動に支障が生じ、また、復旧対策等のために多額の費用が発生する可能性があります。 |
・生産活動の停滞 ・工場の操業停止
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自然災害が発生した場合の周辺環境も含めた被害を最小限にするため、定期的な設備点検はもとより、中長期の改修更新の見通しについても適宜、見直しを実施しております。 |
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新型コロナウィルス感染症の蔓延、中東・ウクライナ情勢等の世界情勢の変化 |
新型コロナウィルス感染症が再び蔓延し、収束までに長期を要することとなった場合、当社グループの経営に多大な影響を及ぼす可能性があります。 また、中東・ウクライナ情勢による当社への直接の影響は現時点では限定的ですが、今後の世界情勢の変化により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
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・生産活動の停滞 ・業績の悪化 |
新型コロナウィルス感染症が再び蔓延した場合は、代替勤務等の取り組みにより生産活動への影響を極力低減するよう努めてまいります。 なお、本社や一部のグループ会社の間接部門においては、時差出勤や交代制に基づく在宅勤務、コアタイム制を導入し、現在も継続しております。 中東・ウクライナ情勢等につきましては、状況を注視した上で、適切な対応を行ってまいります。 |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、中東・ウクライナ情勢が長期化するなかで、米国を中心に堅調に推移しインフレも鈍化に向かいつつある一方で、期待された中国経済の回復には力強さが見られない状況にあります。日本経済は物価高により個人消費が低調に推移するなど緩やかな回復にとどまっています。
当社グループを取り巻く事業環境については、造船業界では、コンテナ船等の市況低迷、資材価格の上昇により新造船受注が昨年に続きやや停滞しましたが、人手不足等により建造量が低水準に留まっていることもあり、国内造船所の手持工事量は高水準で推移しています。重電・製鉄業界では、生産設備の統廃合が進展すると同時に設備投資の抑制傾向が続いています。一方、半導体業界では、パソコン等最終消費財向けの需要は底を打ったものの回復スピードは鈍く、産業機器や通信基地等インフラ向け半導体も需要は軟調に推移しました。オフィス賃貸については、都内における平均空室率は低下基調にあり、下落傾向が続いた賃料は足許上昇に転じました。
このような状況のなか、当社グループは、機械関連事業において国内造船所からの需要回復に伴い舶用機器部門の操業が回復基調に転じました。工事量増加に対応して生産体制の再構築、業務効率化を進めるとともに、引き続きスポット工事の積極的な取り込みに努めました。産業機器部門は製鉄関連、重電関連等に需要が見られました。資源関連事業のハイシリカ(精製珪石粉等)部門においては、軟調な半導体封止材向け需要を半導体関連向けガラス等の需要取り込みによりカバーすべく努めました。このように全事業部門を通じて、売上高の確保とコスト削減、業務の効率化等による収益力の強化に努めました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ)財政状態
当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べ368百万円増加し、15,356百万円となりました。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べ82百万円減少し、4,624百万円となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ451百万円増加し、10,732百万円となりました。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の売上高は8,286百万円(前連結会計年度比3.3%増)、営業利益は325百万円(前連結会計年度は38百万円の営業損失)、経常利益は248百万円(前連結会計年度は23百万円の経常損失)となりました。台風被害に係る受取保険金101百万円及び持分法適用関連会社の持分譲渡費用等に係る債務免除益26百万円を特別利益に、機械関連事業のクレーン更新等に係る固定資産処分損146百万円を特別損失に計上したこと等から、親会社株主に帰属する当期純利益は247百万円(前連結会計年度は540百万円の当期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
機械関連事業は、売上高は5,275百万円(前連結会計年度比11.2%増)、セグメント利益は130百万円(前連結会計年度は252百万円のセグメント損失)となりました。
資源関連事業は、売上高は2,198百万円(前連結会計年度比8.4%減)、セグメント利益は137百万円(同1.3%増)となりました。
不動産関連事業は、売上高は139百万円(前連結会計年度比2.2%増)、セグメント利益は32百万円(同19.2%減)となりました。
素材関連事業は、売上高は673百万円(前連結会計年度比9.6%減)、セグメント利益は20百万円(同38.6%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末の4,412百万円に比べ1,699百万円減少し、当連結会計年度末には2,712百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、515百万円(前連結会計年度は241百万円の獲得)となりました。これは主として売上債権の増加494百万円及び棚卸資産の増加420百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、895百万円(前連結会計年度比553.2%増)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出763百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、288百万円(同751.8%増)となりました。これは配当金の支払額63百万円に加え、自己株式の取得による支出212百万円等があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
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機械関連事業 |
5,514,495 |
16.9 |
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資源関連事業 |
1,792,105 |
△15.9 |
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素材関連事業 |
686,440 |
△7.9 |
|
合計 |
7,993,041 |
5.3 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2. セグメント間の取引については相殺消去しております。
(ロ)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
|
機械関連事業 |
6,988,115 |
49.6 |
4,105,969 |
74.0 |
|
素材関連事業 |
636,759 |
16.4 |
282,720 |
176.8 |
|
合計 |
7,624,875 |
46.2 |
4,388,689 |
78.3 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(ハ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
|
機械関連事業 |
5,275,232 |
11.2 |
|
資源関連事業 |
2,198,213 |
△8.4 |
|
不動産関連事業 |
139,867 |
2.2 |
|
素材関連事業 |
673,659 |
△9.6 |
|
合計 |
8,286,972 |
3.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
㈱大島造船所 |
2,456,147 |
30.6 |
2,595,538 |
31.3 |
|
デンカ㈱ |
827,112 |
10.3 |
- |
- |
(注)当連結会計年度のデンカ㈱の販売実績割合は10%未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。なお、連結財務諸表の作成に当たっては、有価証券等の資産の評価などについて、過去の実績や当該取引の状況等を勘案し、合理的と考えられる見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があることからこれらの見積りと異なる場合があります。
見積り及び仮定のうち、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えるものは以下のとおりです。
有価証券
当社グループは、その他有価証券のうち、取得価額に比べ実質価額が著しく下落したものにつきましては、回復可能性があると認められる場合を除き、減損処理を行っております。
市場価格のない株式等以外の有価証券につきましては、期末日における時価の簿価に対する下落率が50%以上の場合には、回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満の下落の場合には、回復可能性について検討を行い判断しております。
世界経済及び日本経済の動向に伴う株価の変動等で評価損の計上が必要となる可能性があり、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において有価証券の金額に影響を与える可能性があります。
固定資産の減損
当社グループは、資産又は資産グループの減損損失を把握するにあたっては、原則として事業部別に、子会社は会社別にグルーピングを実施しております。事業用資産については収益性の低下により、資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損処理しております。
回収可能価額の算定にあたっては、資産の耐用年数、将来キャッシュ・フロー、割引率について一定の仮定を設定しております。これらの仮定のうち、将来キャッシュ・フローの算定に当たっては、経営者によって承認された将来の事業計画を基礎としており、当該事業計画における、当社の機械関連事業のうち造船に関しては新規造船にかかる受注量、船腹量及び竣工量の見込みに関する重要な仮定に基づいております。これらの重要な仮定は、将来の経済状況等に影響を受けるため、重要な仮定が変動した場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において有形固定資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
繰延税金資産
当社グループは、連結財務諸表と税務上の資産、負債の金額に相違が発生する場合、将来減算一時差異及び繰越欠損金に係る繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の認識は、課税所得が生ずる可能性の判断において、事業計画に基づいて合理的に見積りを算定しております。
課税所得は、経営者により承認された将来の事業計画を基礎としており、当該事業計画において、売上高の増加及び粗利率の改善に関して重要な仮定に基づいております。これらの重要な仮定は、将来の経済状況等に影響を受けるため、重要な仮定が変動した場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
受注損失引当金
当社グループは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、連結会計年度末における受注契約に係る損失見込額を計上しております。損失見込額算定に当たっては翌連結会計年度以降に発生するコストを見積っております。
翌連結会計年度以降に発生するコストは、合理的な見積りに基づいて算定しておりますが、実際に発生したコストが見積りと異なる場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において受注損失引当金の金額に影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、15,356百万円と、前連結会計年度末比368百万円増加いたしました。これは、主として投資有価証券や売上債権、棚卸資産等が増加したことによるものであります。
負債合計は4,624百万円となり、前連結会計年度末比82百万円減少いたしました。これは、主として受注損失引当金が減少したことによるものであります。
純資産合計は10,732百万円となり、前連結会計年度末比451百万円増加いたしました。これは、主としてその他有価証券評価差額金が増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は69.9%となりました。
2)経営成績
当連結会計年度は、機械関連事業の舶用機器部門における船殻ブロック及びハッチカバーの売上高が増加したことなどから、売上高は8,286百万円(前連結会計年度比3.3%増)、営業利益は325百万円(前連結会計年度は38百万円の営業損失)、経常利益は248百万円(前連結会計年度は23百万円の経常損失)となりました。
特別損益につきましては、台風被害に係る受取保険金101百万円及び持分法適用関連会社の持分譲渡費用等に係る債務免除益26百万円を特別利益に、機械関連事業のクレーン更新等に係る固定資産処分損146百万円を特別損失に計上しました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は247百万円(前連結会計年度は540百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
(ロ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因といたしましては、市場動向、特に新造船市況、原料確保、生産性の向上、収益の安定化と拡大、為替動向等があります。
市場動向につきましては、機械関連事業の舶用機器部門については、新造船受注はやや停滞しつつも、国内造船所の手持工事量は高水準で推移しており、工事量の増加及び人員不足に応じた生産体制の整備を進めます。産業機器部門では、回復を見せつつある製鉄関連等の工事獲得に努めるとともに、再生可能エネルギー、環境対策関連等の新規分野での受注獲得を積極的に進めます。
原料確保につきましては、資源関連事業のハイシリカ部門においては調達先の多様化による良質な原石の安定調達に努めます。
生産性の向上につきましては、老朽化が進んでいることを踏まえた設備更新を着実に進めるとともに、生産合理化、設備増強等の投資に積極的に取り組みます。また、人財の確保と育成に努めます。
収益の安定化と拡大につきましては、機械関連事業では、全部門において見積精度の向上及び工程管理の徹底等による工事採算の改善及び生産性向上に努めます。資源関連事業のハイシリカ部門では、引き続き汎用製品の海外生産委託及び国内工場での高付加価値製品への生産シフトを進めます。
為替動向につきましては、当社グループの債務(原料及び製作品の調達)に外貨建てがあることから、債権の一部を外貨建てにすることで外貨建て債務に係る為替リスクの低減や為替予約の実施によるリスクヘッジに努めます。
(ハ)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)キャッシュ・フロー計算書に係る分析
「第2「事業の状況」4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析②キャッシュ・フローの状況」に記載いたしましたとおり、当連結会計年度の営業活動の結果、515百万円の資金を使用しております。これは主として事業の回復等に伴う運転資本の増加に伴うものであります。
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度比758百万円増の895百万円となりました。その主な内容は、機械関連事業における長崎県松浦工場の生産体制の整備、拡充を目的とした設備投資にかかる資金支出であります。
財務活動の結果使用した資金は、同254百万円増の288百万円となりました。これは主として配当金の支払いに加え、自己株式の取得であります。
これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は2,712百万円となり、前連結会計年度末比1,699百万円減少いたしました。
2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要は、生産活動に必要な運転資金、生産性向上及び老朽化した設備の更新等を目的とした投資資金が主であります。
当社グループの事業活動に必要な運転資金及び投資資金につきましては、内部資金の活用及び金融機関からの借入れにより資金調達を行なっております。
手許資金につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は2,712百万円であり、十分な流動性を確保しております。
(ニ)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、企業としての本来の事業活動の成果を示す「営業利益」を主要な経営指標と位置付けていますが、これに加え、「当期純利益」「営業利益率」「ROE」「ROIC」などを、また、財務体質強化の観点からは、自己資本比率を主要な経営指標としています。
(ホ)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析、検討内容
機械関連事業
舶用機器部門については、船殻ブロックがスポット工事の積極的な取り込みにより建造隻数の減少をカバーすることで引き続き堅調に推移するとともに、ハッチカバーについても受注、売上とも大幅に回復し操業度も改善しました。産業機器部門は、風力発電関連の剥落もあり売上がやや低調に推移しましたが、製鉄関連、重電関連の受注は順調に回復しつつあります。また、工事部門も大型工事を受注する等回復基調にあります。なお、松浦工場における60Tジブクレーンの更新等に伴い減価償却費等が増加しました。
この結果、機械関連事業全体では、売上高は5,275百万円(前連結会計年度比11.2%増)、セグメント利益は130百万円(前連結会計年度は252百万円の営業損失)となりました。
セグメント資産は、現金及び預金の減少等により、前連結会計年度末に比べ915百万円減少し、7,482百万円となりました。
資源関連事業
半導体封止材などの原料であるハイシリカ(精製珪石粉等)部門は、半導体関連が市況低迷に伴う需要減少により大きく減収となりました。一方、光学関連は半導体関連向けガラスの需要が堅調に推移し、特殊ガラス等の減少をカバーしました。また、高単価製品用原石の調達難、品質のばらつき発生への対応により原料費が上昇しました。
この結果、2022年9月末での結晶質石灰石部門の事業終了の影響も含め、資源関連事業全体では、売上高は2,198百万円(前連結会計年度比8.4%減)、セグメント利益は137百万円(同1.3%増)となりました。
セグメント資産は、棚卸資産や売上債権、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ632百万円増加し、2,291百万円となりました。
不動産関連事業
賃貸ビルの稼働状況が順調に推移する一方でメンテナンス費用が発生したことにより、売上高が139百万円(前連結会計年度比2.2%増)、セグメント利益は32百万円(同19.2%減)となりました。
セグメント資産は、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ9百万円増加し、2,411百万円となりました。
素材関連事業
耐熱塗料部門は主力の設備用の好調に加え、工業用・輸出用にも回復が見られました。ライナテックス(高純度天然ゴム)関連部門は、前年度のスポット要因の剥落で苦戦しました。
この結果、素材関連事業全体では、売上高は673百万円(前連結会計年度比9.6%減)、セグメント利益は20百万円(同38.6%減)となりました。
セグメント資産は、売上債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ21百万円増加し、891百万円となりました。
不動産賃貸契約
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契約会社名 |
賃貸先 |
契約内容 |
契約期間 |
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㈱ニッチツ (当社) |
事業会社4社、一般社団法人1団体他 |
建物賃貸借契約 |
契約締結日から満2年 (更新可能) |
当社グループ(当社及び連結子会社)は、粉砕技術を活かした高純度の新製品の開発等の研究活動を推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
(資源関連事業)
自社素材をベースとした環境関連資材の開発を進めるほか、精製珪石粉の高純度化研究開発を継続して行っております。