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回次 |
国際会計基準 |
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第7期 |
第8期 |
第9期 |
第10期 |
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決算年月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
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売上収益 |
(百万円) |
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税引前利益 |
(百万円) |
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親会社の所有者に帰属する 当期利益 |
(百万円) |
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親会社の所有者に帰属する 当期包括利益 |
(百万円) |
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親会社の所有者に帰属する持分 |
(百万円) |
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総資産額 |
(百万円) |
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1株当たり親会社所有者帰属持分 |
(円) |
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基本的1株当たり当期利益 |
(円) |
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希薄化後1株当たり当期利益 |
(円) |
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親会社所有者帰属持分比率 |
(%) |
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親会社所有者帰属持分当期利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
△ |
△ |
△ |
△ |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
△ |
△ |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(百万円) |
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従業員数 |
(人) |
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(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
( |
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(注)1.第8期より、国際会計基準(以下「IFRS」という。)により連結財務諸表を作成しています。また、第7期のIFRSに基づいた連結経営指標等もあわせて記載しています。
2.第7期から第9期までの株価収益率は、当社株式は非上場であったため、記載していません。
3.従業員数は就業人員数(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員を含む。)は、年間平均雇用人数を( )外数で記載しています。
4.第7期以降の連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwC Japan有限責任監査法人の監査を受けています。
5.当社は2023年3月29日開催の取締役会決議により、2023年4月13日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っています。第7期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益を算定しています。
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日本基準 |
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回次 |
第6期 |
第7期 |
第8期 |
第9期 |
第10期 |
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決算年月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
2024年3月 |
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売上高 |
(百万円) |
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経常利益 |
(百万円) |
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当期純利益 |
(百万円) |
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資本金 |
(百万円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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普通株式 |
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A種種類株式 |
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A2種種類株式 |
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純資産額 |
(百万円) |
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総資産額 |
(百万円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
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1株当たり当期純利益 |
(円) |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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株価収益率 |
(倍) |
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配当性向 |
(%) |
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従業員数 |
(人) |
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(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
( |
( |
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株主総利回り |
(%) |
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(比較指標:-) |
(%) |
( |
( |
( |
( |
( |
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最高株価 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
5,130 |
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最低株価 |
(円) |
- |
- |
- |
- |
2,045 |
(注)1.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載していません。
2.第6期から第9期までの株価収益率は、当社株式は非上場であったため、記載していません。
3.第7期以降の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwC Japan有限責任監査法人の監査を受けています。なお、第6期の数値(1株当たり配当額についてはすべての数値)については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき、算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくPwC Japan有限責任監査法人の監査を受けていません。
4.従業員数は就業人員数(当社から当社外への出向者を除き、当社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員を含む。)は、年間平均雇用人数を( )外数で記載しています。
5.当社は2023年3月29日開催の取締役会決議により、2023年4月13日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っています。第7期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しています。
6.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
7.第6期から第9期までの最高株価及び最低株価については、当社株式は非上場でしたので記載していません。なお、当社株式は2023年6月21日付で、東京証券取引所グロース市場に上場したため、株主総利回り、比較指標については記載していません。
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2014年8月 |
エムスリー株式会社の子会社として東京都港区にエムスリードクターサポート株式会社を設立し、医療機関支援事業を開始 |
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2014年8月 |
訪問診療クリニックを運営する医療機関への経営支援を開始 |
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2015年4月 |
病院を運営する医療機関への経営支援を開始 |
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2016年11月 |
透析クリニックを運営する医療機関への経営支援を開始 |
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2017年3月 |
エムスリーナースサポート株式会社(現 株式会社シーユーシー・ホスピス)を設立し、ホスピス事業を開始 |
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2017年11月 |
医療機関向けに不動産賃貸を行う株式会社ジェイ・アイ・シー(現 株式会社シーユーシー・プロパティーズ)を連結子会社化 |
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2018年1月 |
ソフィアメディ株式会社を連結子会社化し、居宅訪問看護事業を開始 |
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2018年2月 |
医療機関向けに給食サービスを提供する有限会社ワイ・ケー・メディカル(現 株式会社シーユーシー・フーズ)を連結子会社化 |
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2019年6月 |
東南アジアにおける事業統括会社としてCUC SINGAPORE PTE.LTD.をシンガポールに設立 |
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2019年8月 |
商号を株式会社シーユーシーに変更、本店所在地を東京都中央区に変更 |
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2019年8月 |
ベトナムにおける事業管理会社としてCHANGE UNTIL CHANGE VIETNAM COMPANY LIMITEDを設立 |
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2019年10月 |
ベトナムにて医療機関の経営支援を行うCHANGE UNTIL CHANGE MEDICAL SERVICES COMPANY LIMITED、CHANGE UNTIL CHANGE HEALTHCARE COMPANY LIMITED及びCHANGE UNTIL CHANGE MANAGEMENT SERVICES JOINT STOCK COMPANYを連結子会社化 |
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2019年10月 |
インドネシアにて医療機関の経営支援を行うPT GRHAMEDS CUC HEALTHCAREを設立 |
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2020年2月 |
株式会社日本政策投資銀行と業務資本提携契約を締結し、増資を実施 |
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2020年4月 |
医療機関の管理事務受託会社である透析研究開発株式会社を連結子会社化 |
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2020年4月 |
データヘルスプラットフォームサービスを展開するために株式会社シーユーシー・アイデータを設立 |
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2020年10月 |
外来クリニックを運営する医療機関への経営支援を開始 |
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2020年11月 |
調剤薬局サービスの提供及び眼科材料の販売会社である鶴見駅前コンタクト株式会社、眼科材料の販売会社である有限会社わかくさコンタクトを連結子会社化 |
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2021年2月 |
健康観察支援サービスを開始 |
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2021年4月 |
医療機関の管理事務受託会社である株式会社メディカルパイロットを連結子会社化 |
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2021年6月 |
新型コロナウイルス感染症ワクチン接種支援サービス及び在宅治験を開始 |
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2023年1月
2023年2月 |
ホスピス事業を運営する株式会社ネイチャー、株式会社A&N、株式会社ゆう及び株式会社リ・エンドを連結子会社化 本店所在地を東京都港区に変更 |
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2023年3月 |
インドネシアにて医療機関の経営支援を行うPT CUC CIPTA HUSADAを設立 |
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2023年6月 |
東京証券取引所グロース市場に株式を上場 |
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2023年7月 |
米国における市場調査や事業開発を行う拠点とすることを目的としてCUC America Inc. を設立 |
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2023年8月 |
株式会社シーユーシー・ファイナンスを設立 |
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2023年9月 |
インドネシアにて医療機関の経営支援を行うPT CUC HEALTHCARE INDONESIAを設立 |
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2023年11月 |
当社が行う診療報酬等のファクタリングサービスに係る事業を吸収分割の方法により株式会社シーユーシー・ファイナンスに承継 |
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2024年1月 |
米国において足病及び下肢静脈疾患クリニックの運営を行うAlbaron Podiatry Holdings, LLC(現 CUC Podiatry Holdings, LLC)を連結子会社化 |
当社グループは、当社と国内連結子会社14社、海外連結子会社23社から構成されています。
当社グループは「医療という希望を創る。」というミッションに基づき、医療機関セグメント、ホスピスセグメント及び居宅訪問看護セグメントを報告セグメントとして事業を展開しています。
医療機関セグメントでは、国内においては病院、訪問診療クリニック、透析クリニック、外来クリニック等を運営する医療機関に対して経営支援サービス(経営戦略策定・経営管理支援、マーケティング支援、IT・経理・総務等支援、人事・採用機能支援等に加えて、M&A・PMI支援、新規クリニック開設支援、病床転換支援等のプロジェクト受注)を提供し、海外においては足病及び静脈疾患クリニックの運営等を行っています。
ホスピスセグメントでは、ホスピス型住宅の入居者に提供するサービスの質を最重要視した上で、既存のホスピス型住宅の入居者増加に加え、看取り機能が脆弱な地域を中心にホスピス型住宅の新規展開を加速し、より多くの医療依存度の高い(がん末期、神経難病等を患う)入居者向けに訪問看護及び訪問介護を提供しています。
居宅訪問看護セグメントでは、利用者に提供するサービスの質を最重要視した上で、既存の訪問看護ステーションの利用者拡大に加え、新規エリアへの訪問看護ステーションの新規開設を行い、居宅の利用者向けに訪問看護を提供しています。
急性期(注1)から回復期(注2)、慢性期(注3)、終末期(注4)の各ステージにおいて、当社グループは、患者、医療従事者、医療機関向けに様々なサービスを展開しています。具体的には、急性期から終末期に亘るステージでは、医療機関セグメントにおいて病院やクリニック等に対する経営支援サービスを提供しています。また、回復期から終末期に亘るステージでは、ホスピスセグメントにおいてホスピス事業を、居宅訪問看護セグメントにおいて居宅訪問看護事業を運営しています。
(注)1.発症初期又は急性に発症した期間。
2.急性期を経過し、在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを行う期間。
3.長期に亘り療養が必要な期間。
4.治療効果が期待できず余命が残り僅かと判断された期間。
医療機関セグメント、ホスピスセグメント及び居宅訪問看護セグメントの主要なサービス内容等は以下のとおりです。
(1)医療機関セグメント
我が国では、超高齢社会に適合するために医療機関の機能転換(急性期医療から回復期医療への転換)が求められる中で、過去からの高齢者増加、診療報酬改定、新型コロナウイルス感染症の蔓延等も一因として、医療機関は厳しい経営環境に置かれていると考えています。また、日本の労働人口は今後も減少することが見込まれており、医療従事者確保の難易度は高い状況が続いています。2009年時点の日本国内の上位10位医療法人病床数シェアは約3%(注1)にとどまり、数多くの民間医療機関が存在する一方で、2022年時点で日本における病院経営者の68.7%が60歳以上(注2)であり、2017年時点で後継者不在の病院が68.4%(注3)であることから、事業継続が危ぶまれる医療機関が数多く存在していると考えています。
当社グループがサービスを提供する海外の医療業界、特に米国においては、日本と同様に、高齢者人口の増加が進み、糖尿病等の患者数が増加しており、生活習慣病疾患に関連した医療ニーズの高まりが見込まれます。
(注)1.以下の外部統計資料記載のデータに基づき、以下の計算方法により当社が算出した推計値。「医療法人(病院)のM&Aの実態」(公正取引委員会、2013年)より、2009年度の医療法人別事業収益上位10位法人の病床数合計は28,129床。「医療施設数及び病院病床数の推移」(厚生労働省、2012年11月16日)より、2009年度の一般病床数の概数は約900,000床。これらから、2009年度における医療法人別事業収益上位10法人の病床数は全国の病床数の約3%にとどまっていたと推定。
2.「令和4年医師、歯科医師、薬剤師統計の概況」(厚生労働省、2024年)。
3.「医業承継の現状と課題」(日本医師会総合政策研究機構、2019年)。
① 医療機関への経営支援
当社は、国内においては病院、訪問診療クリニック、透析クリニック、外来クリニック等を運営する医療機関向けに運営支援(経営戦略策定・経営管理支援、マーケティング支援、IT・経理・総務等支援、人事・採用機能支援等をオールインワン月額報酬で受託)及び売上成長支援(M&A・PMI(Post Merger Integration:事業承継後の統合プロセス)、新規クリニック開設または病床転換等への支援をワンタイム報酬で受託)を提供しています。
当社の医療機関への経営支援の特徴は、上記の広範なサービスを一体的に提供することにあり、多くの支援先医療機関に当社の経営支援人材が常駐し、医療機関を効率的かつ安定的に運営できるように支援することにより、支援先医療機関と継続的に契約している点が特徴です。具体的な経営支援サービスの例は以下のとおりです。
・医療職の採用や人材確保(リテンション)のノウハウ提供
・教育研修体制の整備
・集患戦略、診療科の選択等による売上収益拡大戦略の策定
・部門別管理会計と予実分析
・人事制度、報酬体系の整備
・後継者不在の医療機関の事業承継におけるアドバイザー業務と事業承継後のPMI
・急性期病床から回復期病床への転換
・新規のクリニック展開をする際の開設場所の選定、マーケティング、人材採用、教育、行政手続き支援等
常駐型の経営支援の他にも、大規模病院向けの非常駐型コンサルティングサービス(診療報酬改定への対応戦略、医療機器保守費用の削減支援等)、診療報酬ファクタリングサービス及び医療材料の販売等を行っています。また、ベトナム及びインドネシアにおいても医療機関に対して経営支援を行っています。
② 海外における医療機関の運営
ミシガン州、オハイオ州、イリノイ州等の米国中西部を中心に足病及び下肢静脈疾患クリニックを運営しています。交通事故による外傷や関節炎、糖尿病性足潰瘍等の、膝より下の部位の疾患にかかる診察から手術等の幅広いサービスを患者に提供しています。加えて足病患者が頻繁に抱える下肢静脈瘤等の疾患に対応する等、周辺の診療領域においても診断、治療サービスを展開しています。米国で運営しているクリニックは、民間医療保険、公的医療保険、患者からの自己負担金により収入を得ています。
また、生活習慣病患者が増加傾向にある一方、「かかりつけ医」の概念が普及していないベトナムにおいて、日本標準の医療サービスを提供するため、地域のベトナム人の方々を支えるプライマリ・ケアのクリニックを運営しています。ベトナムで運営しているクリニックは民間医療保険及び患者からの自己負担金により収入を得ています。
③ 給食サービス
支援先医療機関が運営する病院、介護医療院、介護老人保健施設、住宅型有料老人ホーム及びサービス付き高齢者向け住宅等並びにホスピスセグメントが運営する住宅型有料老人ホームに食事を提供しています。それらの施設における食事は患者や入居者の治療や健康管理の一環として重要な役割を担っているため、衛生管理体制を徹底した上で、各施設における患者や入居者の身体状態や症状に合わせた食事を提供しています。
④ 不動産賃貸
支援先医療機関及びホスピスセグメントに対する不動産の賃貸及び保守管理を行っており、不動産賃料を売上収益として計上しています。
(2)ホスピスセグメント
我が国では、急速な高齢化による将来的な医療費の増大が見込まれており、病院医療よりも医療費を大幅に抑えられる在宅医療の拡大が厚生労働省を中心に推進されています(注1)。また、2020年時点で約7割の方が病院で亡くなる(注2)一方で、2021年時点で約6割の方が自らの死期が迫っていると分かった時に人生の最期を自宅で迎えたいと思っている(注3)状況です。
しかしながら、そのように自宅で最期を迎えたいと思っている方を受け入れる仕組み、受け皿が現在は十分ではないと考えています(注4)。
当社グループは、上述のような社会課題を解決するために、ホスピスセグメントにおいて、ホスピス事業を行っています。
(注)1.「第2回在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(厚生労働省)。
2.「令和2年人口動態統計」(厚生労働省)。
3.「人生の最期の迎え方に関する全国調査(2021年)」(日本財団)。
4.「第8次医療計画策定に向けた在宅医療について」(厚生労働省)。
[サービスの内容]
① ホスピス型住宅の運営
ホスピス事業で使用する施設(ホスピス型住宅)は、対象を主にがん末期の方や神経難病等を患っている方に限定した、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅であり、ホスピス型住宅に併設された訪問看護事業所及び訪問介護事業所から24時間365日体制でサービスを提供しています。
ホスピス型住宅は、病院と自宅の中間に位置づけられる施設であり、自宅にいるような暮らしをしながら、痛みや苦痛を和らげつつ充分なケアを受けることが可能となっています。また、入居者が最期まで自分らしく生きていると実感でき、その家族も含めて快適な生活を送ることができるように努めています。
ホスピス事業の特徴の1つとして、入居者の希望があった場合には、訪問診療を担う医師の判断の下、看護師や介護士が可能な限り入居者が希望する食事をする機会や外出する機会を提供することが挙げられます。感染症予防策を十分に講じた上で可能な限り家族との面会を調整し、残された時間で心に残るひとときを過ごせるよう努めています。
ホスピス型住宅の入居者とは、入居に際して賃貸借契約を締結し、家賃収入等を毎月の収入として得ています。
② 訪問看護、訪問介護、居宅介護支援、居宅介護及び重度訪問介護
健康保険法、介護保険法、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)に基づき、訪問看護、訪問介護、居宅介護支援、居宅介護及び重度訪問介護等を提供しています。
(i)訪問看護
医師の訪問看護指示書に基づき、医療的ケアを必要とする入居者に対して訪問看護を提供しています。ホスピス事業では、訪問看護の診療報酬及び訪問看護の介護報酬の収入を得ています。訪問看護の診療報酬・介護報酬は、国民健康保険団体連合会及び社会保険診療報酬支払基金より支払われる診療報酬並びに入居者からの自己負担金で構成されています。ホスピス型住宅に訪問看護事業所を併設することで、24時間365日の訪問ができ、入居者が安心して生活できるような体制を整えています。
(ii)訪問介護
介護士等が入居者(要介護者等)を訪問し、入浴・排泄・食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事等を提供して、訪問看護の介護報酬の収入を得ています。ホスピス型住宅に訪問介護事業所を併設することで、訪問看護事業所と連携しながら訪問看護サービスと親和性の高い訪問介護サービスを提供しています。
(iii)居宅介護支援
一部の施設においては、居宅介護支援事業所を併設し、在籍するケアマネジャーによるケアプランの作成支援を行っています。居宅介護支援サービスを利用した入居者には自己負担金はなく、売上収益は介護保険の収入のみを得ています。
(iv)居宅介護及び重度訪問介護
障害者総合支援法に基づき、障害のある方が住み慣れた地域で生活するため、日常生活又は社会生活を営む支援として、居宅介護サービス及び重度訪問介護サービスの提供を行っています。重度訪問介護サービスとは、重度の肢体不自由者の方に、入浴・排泄・食事等の介護並びに調理・洗濯・掃除等の家事等の総合的な障害福祉サービスを提供するものです。これらのサービスは個々の方の障害程度や勘案すべき事項(社会活動や介護者、居住等の状況)を踏まえ、個別に支給決定された報酬を得ています。
[終末期の患者を取り巻く概況]
多死社会を迎える日本で、がんによる死亡者数は年間約40万人にのぼります(注1)。特にがん末期の方は手厚い医療及び介護ケアが必要になります。
また、全国の指定難病患者数は約105万人に上り(注2)、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症等338個の疾患が指定されています。難病の方もがん末期の方と同様に手厚い医療及び介護ケアが必要です。
終末期の限られた時間を自宅で過ごしたい要望がある一方で、必要な医療及び介護ケアを自宅で提供することは、家族の負担があまりに大きく難しいため、ホスピス型住宅に対する社会的ニーズは強いと考えています。
(注)1.「令和4年(2022)人口動態調査」(厚生労働省)。
2.「令和4年度衛生行政報告例」(厚生労働省)。
(3)居宅訪問看護セグメント
超高齢社会である我が国では、在宅医療に対する国民のニーズが高まっている(注1)ことから、症状の重い患者の自宅療養生活を支える体制が必要となり、24時間365日対応の在宅医療体制の拡充が必要であると考えています。
これらのニーズを受け、全国の訪問看護ステーション数は、2012年の約7,000事業所から2022年の約14,800事業所へと近年急速に増加しています(注2)。一方、2020年時点で訪問看護事業所の57%が5人未満の看護職員で運営している小規模事業所であり(注3)、24時間365日対応の安定的な運営が可能な大規模事業所のニーズを満たしていないといえます。
そのような中で当社グループは、次世代の居宅訪問看護のスタンダードモデルとして24時間365日対応の安定的な運用が可能な従業員数を有する大規模事業所を効率的に運営すること、医療依存度の高い利用者に対して質の高いサービスを提供できる体制を構築すること、及び居宅訪問看護に携わる一人ひとりがその人らしく活躍できる仕組みをつくることを目指しています。
(注)1.「在宅医療の最近の動向」(厚生労働省)。
2.「介護サービス施設・事業所調査の概況」(厚生労働省)。各年9月に訪問看護費を請求した訪問看護ステーション及び病院・クリニックが運営する居宅訪問看護事業所数の合計(介護保険ベース)。
3.「第220回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3」(厚生労働省)。
[サービスの内容]
① 訪問看護
居宅の利用者向けに訪問看護のサービスを提供しています。医師の訪問看護指示書に基づき、看護師やセラピスト(注1)が医療的ケアを必要とする利用者の自宅に訪問し、訪問看護を行っています。具体的には健康状態のアセスメントや日常生活の支援をはじめとし、心理的な支援、予防的看護、家族や介護者への支援、社会資源の活用支援、エンドオブライフケア(注2)等、多岐にわたるサービスを実施しています。
居宅訪問看護事業では、訪問看護の診療報酬及び訪問看護の介護報酬の収入を得ています。訪問看護の診療報酬及び介護報酬は、国民健康保険団体連合会及び社会保険診療報酬支払基金より支払われる報酬並びに利用者からの自己負担金で構成されています。
質を重視した訪問看護を提供するため、人材育成や制度改正への対応、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)策定と運用支援、災害対策、感染症対策等を主とした本部での後方支援の体制を整えています。多職種が協働・連携することによる多角的な視点でのよりよいサービス提供に努めており、理学療法士や作業療法士だけでなく、言語聴覚士も過半数の訪問看護ステーションに在籍し、脳卒中の後遺症や先天的障害を抱える乳幼児等に対する多様なリハビリにも対応しています。また、精神疾患を抱える利用者にも対応できるよう、基本的に各訪問看護ステーションに精神科対応可能な看護師や作業療法士が在籍し、利用者への個別対応を可能にしています。
現在、医療ニーズの高い利用者への対応強化のため、24時間365日対応の体制をとる訪問看護ステーションを順次増やし、夜間や土日祝日の訪問ニーズに可能な限り対応しています。これにより利用者家族の負担軽減にも貢献しています。
(注)1.セラピストは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の総称。
2.救命、延命治療における患者及び家族の意思決定の権利を守り、本人の自己決定を支援する考え方を基礎としたケア。
② 通所介護(デイサービス)
要介護状態となった利用者が可能な限り居宅で自立した日常生活を送れるように、生活機能の維持又は向上を目指して日帰りで機能訓練を提供するサービスを提供しています。デイサービスを提供することにより利用者の社会的孤立感が解消されるのみならず、利用者家族の身体的、精神的負担を軽減する効果も期待されます。
デイサービスには、理学療法士又は作業療法士を専属で配置しており、個別又は集団のリハビリプログラムにより、利用者一人ひとりに合ったトレーニングを行っています。介護保険制度の要支援・要介護に認定されている方が主なサービス利用者であり、デイサービスでは主に介護保険の収入を得ています。
③ 居宅介護支援
介護を必要とする方が居宅で適切にサービスを利用できるように、介護支援専門員(ケアマネジャー)が心身の状況や生活環境、本人及びその家族の希望等を伺いながら、個々人に合った居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、サービスを提供する事業所等との連絡及び調整を行っています。
居宅訪問看護事業で運営する居宅介護支援事業所は訪問看護ステーションに併設しているため、医療ニーズの高い利用者にも迅速に対応することができます。経験豊富なケアマネジャーが利用者からの様々な質問や相談に対して、医療・福祉提供機関等と連携を図りながら解決策を見出します。
居宅介護支援サービス利用者の自己負担金額はなく、売上収益は介護保険の収入を得ています。
④ 在宅治験
自宅等の病院外で治験を行う際の治験実施医療機関及び治験協力者(訪問診療クリニックや訪問看護ステーション等)の選定支援又は治験協力者としての業務を行っています。多くの案件では在宅治験を実施する医療機関に対して、居宅訪問看護事業の訪問看護サービスを提供しています。
今後も患者負担を軽減しつつ新薬開発のスピードアップを支援することで社会に貢献していきます。在宅治験では、製薬会社から治験業務を受託している医療機関より業務受託収入を得ています。
[医療職の働き方]
2022年時点で、約156万人の日本の看護師及び准看護師のうち、訪問看護師はわずか4.9%しかいません(注)。更に訪問看護師は病院で数年の経験を積んでから訪問看護に転職することが多いため、20代後半から30代前半の出産や育児の時期を迎える世代が多く、出産・育児で離職中の訪問看護師の中には復職に不安を感じている方が多く存在すると考えられます。24時間365日対応の体制を整えるためには、今まで以上に柔軟な働き方が求められます。
当社グループでは、日本に一刻も早く24時間365日対応の在宅医療体制を行き渡らせるため、訪問看護師やセラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)等の医療スタッフが働きがいと働きやすさを感じながら安心して働き続け、成長し続けることを目標としています。
そのために、採用から入社時研修、育成制度、仕事と家庭の両立支援、評価・表彰制度、従業員満足度調査、社内外のコミュニケーション等がミッションと一気通貫で接続されるように制度や施策を構築しています。
(注)「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(厚生労働省)。
[事業系統図]
事業セグメントごとの事業内容及び主な関係会社は以下のとおりです。
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区分 |
事業内容 |
主な関係会社 |
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医療機関セグメント |
医療機関への経営支援 海外における医療機関の運営 給食サービス 不動産賃貸 |
株式会社シーユーシー 透析研究開発株式会社 CUC SINGAPORE PTE.LTD. CUC Podiatry Holdings, LLC 株式会社シーユーシー・フーズ 株式会社シーユーシー・プロパティーズ |
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ホスピスセグメント |
ホスピス型住宅の運営 訪問看護、訪問介護、居宅介護支援、居宅介護及び重度訪問介護 |
株式会社シーユーシー・ホスピス 株式会社ネイチャー 株式会社A&N 株式会社ゆう |
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居宅訪問看護セグメント |
訪問看護 通所介護(デイサービス) 居宅介護支援 在宅治験 |
ソフィアメディ株式会社 |
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名称 |
住所 |
資本金 |
主要な事業の内容 (注)1 |
議決権の所有割合又は被所有割合 |
関係内容 |
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(親会社) |
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エムスリー株式会社 (注)2 |
東京都港区 |
29,317百万円 |
インターネットを利用した医療関連サービスの提供 |
(被所有) 63.45% |
役員の受入1名 |
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(連結子会社) |
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株式会社シーユーシー・ホスピス (注)3 |
東京都港区 |
50百万円 |
(ホスピス) ホスピス事業 |
100.00% |
資金貸付 不動産の賃貸 役員の兼任2名 従業員の出向 |
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ソフィアメディ株式会社 (注)4 |
東京都港区 |
84百万円 |
(居宅訪問看護) 居宅訪問看護事業 |
100.00% |
資金借入 役員の兼任3名 債務保証 従業員の出向 |
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CUC SINGAPORE PTE. LTD.(注)5 |
シンガポール共和国 |
24,720千 米ドル |
(医療機関) 持株会社 |
100.00% |
役員の兼任2名 |
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CHANGE UNTIL CHANGE VIETNAM COMPANY LIMITED(注)5、6 |
ベトナム社会主義共和国 |
468,214百万 ベトナムドン |
(医療機関) 持株会社 |
100.00% (100.0%) |
役員の兼任1名 |
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CHANGE UNTIL CHANGE MEDICAL SERVICES COMPANY LIMITED(注)5、6 |
ベトナム社会主義共和国 |
463,234百万 ベトナムドン |
(医療機関) 持株会社 |
100.00% (100.0%) |
役員の兼任1名 |
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CHANGE UNTIL CHANGE HEALTHCARE COMPANY LIMITED(注)5、6 |
ベトナム社会主義共和国 |
462,164百万 ベトナムドン |
(医療機関) 持株会社 クリニックの運営 |
100.00% (100.0%) |
役員の兼任1名 |
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CUC Podiatry Holdings, LLC(注)5、6、7 |
アメリカ合衆国 |
14,243千 米ドル |
(医療機関) 持株会社 |
79.35% (79.35%) |
役員の兼任2名 |
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その他連結子会社30社 |
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(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称及び事業の概要を記載しています。
2.有価証券報告書の提出会社です。
3.株式会社シーユーシー・ホスピスについては、2024年3月期に係る売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上収益に占める割合が10%を超えています。
主要な損益情報等
① 売上高 9,026百万円
② 経常利益 237百万円
③ 当期純利益 146百万円
④ 純資産額 1,163百万円
⑤ 総資産額 3,291百万円
4.ソフィアメディ株式会社については、2024年3月期に係る売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上収益に占める割合が10%を超えています。
主要な損益情報等
① 売上高 10,946百万円
② 経常利益 737百万円
③ 当期純利益 464百万円
④ 純資産額 4,041百万円
⑤ 総資産額 5,505百万円
5. 特定子会社に該当します。
6.議決権の所有割合の()内は間接保有割合で内数です。
7.2024年1月6日付で、CUC Podiatry Holdings, LLCの持分の79.35%を取得し、子会社としました。
(1)連結会社の状況
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2024年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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医療機関 |
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( |
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ホスピス |
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( |
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居宅訪問看護 |
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( |
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その他 |
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( |
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全社(共通) |
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( |
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合計 |
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( |
(注)1.従業員数は就業人員数(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員を含む。)は、年間平均雇用人数を( )外数で記載しています。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は当社グループの人事、総務、経営管理及び経理等の管理部門の従業員です。
3.従業員の著しい増減は、業容拡大に伴う採用数の増加によるものです。
(2)提出会社の状況
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2024年3月31日現在 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
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( |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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医療機関 |
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( |
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全社(共通) |
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( |
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合計 |
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( |
(注)1.従業員数は就業人員数(当社から当社外への出向者を除き、当社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員を含む。)は、年間平均雇用人数を( )外数で記載しています。
2.平均年間給与は、賞与及びライフプラン手当等を含み、通勤手当は除いています。なお、平均年間給与の算出における従業員数は、当社外から当社への出向者を除いて算出しています。
3.平均年齢及び平均勤続年数は、従業員(当社から当社外への出向者を除き、当社外から当社への出向者を含む。)の平均です。
(3)労働組合の状況
当社において労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しています。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
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当事業年度 |
補足説明 |
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管理職に占める女性労働者の割合(%) (注) |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注) |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注) |
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正規労働者 |
非正規労働者 |
全労働者 |
正規労働者 |
非正規労働者 |
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* |
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男女間賃金格差の算出に当たり、正規労働者には、短時間勤務者を含めています。 (女性11名、男性1名) |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「*」は男性の育児休業取得の対象となる従業員が無いことを示しています。
② 主要な連結子会社
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当事業年度 |
補足説明 |
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名称 |
管理職に占める女性労働者の割合 (%) (注)1. |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2. |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1. |
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全労働者 |
正規労働者 |
非正規労働者 |
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(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。