第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営方針

当社グループはミッションに「どこにもないふつう」を掲げています。

業界の常識を疑い、固定概念に囚われない発想で、今まで「ふつうでなかった」を明日「ふつう」にすることで、新しいニーズ、新しい顧客層を生み出し、社会に貢献する企業を目指します。

また、構造改革の一助となることによって、社会的コストの低減化も目指します。

 

(2) 経営戦略等

当社グループのミッション「どこにもないふつう」、を生み出す鍵は「新しいサービスビジネス」の実現です。新しいサービスビジネスで必要な事は「標準化」であり、このことでサービスの均一化、オペレーションのローコスト化を目指し、サービスビジネスの強化につなげます。

gooddaysグループは2024年3月期を第二創業期のスタートと位置付け、新しいビジネスを生み出すことで、グループミッション「どこにもないふつう」の実現を目指しております。従来gooddaysグループでは、顧客毎の個別対応に基づくサービスの提供を基本として行って来ました。いわば競争領域に当たり、売上を上げるためにはリソースの投入が必要であり、抜本的な利益率の改善にはつながりにくい特性を持っております。ITセグメントでは、システム請負開発、システムサービスに当たり、暮らしセグメントでは、リノベーション請負(大型案件等)に当たります。「いままでにないふつう」を生み出すためには、全領域で「標準化」を進め、提供サイド及びユーザーサイドの抜本的オペレーションコスト削減を「仕組み」で実現することが基本になります。

 

現在、ITセグメント、暮らしセグメントでストック型ビジネスの実現を目指しております。

ITセグメントでは、非競争領域、即ち共通化できるエリアの標準化を進めることで、導入コスト・維持コストの抜本的削減を実現します。Redxサービスビジネスがその対象ビジネスとなります。

暮らしセグメントでは、運営サービスビジネスにおいて新しい「One Cycleモデル」(アセット開発/リノベーション/集客メディア/運営)の各々での標準化を強化・継続すること、特に集客メディアをさらに強化することで非競争領域を生み出し、goodroom residenceの拡大を実現します。このための投資を強化・継続することで「ストック型ビジネス」の実現を目指します。

当連結会計年度におきまして、ITセグメントにおける「Redxサービスビジネス」の占める売上の割合は、2023年3月期23.0%から2024年3月期36.7%に進捗しました。暮らしセグメントにおける「運営サービスビジネス」の占める売上の割合は、2023年3月期32.1%から2024年3月期35.2%に進捗しました。

 

(3) 経営環境

新型コロナ感染症の分類が5類へ移行したことにより、個人消費の回復に加えて、インバウンド需要の高まりが見られるなど社会活動、経済活動の正常化が進み国内景気は直近においては回復基調にあります。世界経済に関しては、ロシア・ウクライナ紛争の長期化や不安定な中東情勢、米中関係などの地政学的リスクに加え、インフレーションに向けた世界的金融引き締め政策の長期化、不動産市場の低迷に端を発する中国経済の先行き懸念などに注視する必要があります。

このような経済環境のもと、gooddaysグループは当期を第二創業期のスタートと位置付け、新しいビジネスを生み出すことで、グループミッション「どこにもないふつう」の実現を目指しております。

 

ITセグメント

企業のIT予算は過去10年で最高値とIT投資意欲が活発な状況にあります。IT投資で解決したい”短期的な”経営課題では「業務プロセスの効率化」、”中長期的な”経営課題では事業領域へのIT投資を目的とした選択肢が上位(1位:業務プロセスの効率化(省力化、業務コスト削減)、2位:次世代新規ビジネスの創出、3位:ビジネスモデルの変革)となっております。また、クラウド / ライセンス費用等の高騰がIT予算の増加を不可避にしている状況もあり多くの企業が、コスト上昇に対して対策を実施しております。(注)1

このような環境の中、ユーザー企業のシステム課題の真の解決、内製化含むDX推進の支援を展開することが重要と考えております。

 

暮らしセグメント

不動産物件における新設住宅着工戸数は2022年の86万戸から、2030年度には74万戸、2024年度には55万戸と減少トレンドをたどっていく一方、空き家率は高まっていくと見込まれます。リフォーム市場は7兆円規模で堅調に推移(注)2していく事に加え、ライフスタイルに大きな変化(新しい暮らし方・働き方)が起きており、新設住宅着工戸数の減少に伴い既存ストックを活用するリノベーションのニーズは高まっていくと考えております。

このような環境の中、リノベーションビジネスの拡大とそれに連動した運営サービスビジネスの拡大を通じて新しい暮らし方・働き方の拡大を図り、事業間の連携を行いながら「どこにもないふつう」の暮らしを実現するベースをサービスビジネスとして提供することが重要と考えております。

(注)1.出典:一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査報告書2024」

 2.出典:株式会社野村総合研究所「NEWS RELEASE」 (2023年6月22日発表)

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 新しいビジネスに向けての転換及びストック型ビジネスの強化

gooddaysグループでは、ITセグメント及び暮らしセグメントの両セグメント共、新しい継続サービスに転換できるかが課題です。

 

ITセグメントにおいては、Redxサービスビジネスが対象であり、次が重要な課題です。

・ 「標準化」を推進するための管理及び体制の強化

・ Redxコンセプトに共感を得られるクライアントを顧客にできること

・ Redxサービスが生み出すデータを整理すること、合わせてデータをオープンにすることでユーザーがニーズにあったソリューションを獲得できること

 

暮らしセグメントにおいては、運営サービスビジネス(goodroomソリューション)が対象であり、次が重要な課題です。

・ 新しい「One Cycleモデル」(アセット開発・リノベーション・集客メディア・運営)での標準化を強化、継続できること

・ 集客メディアをさらに強化することでgoodroom residenceの拡大(今後3年余りで2,000室を目指す)に対応できること

・ 大型物件(goodroom residence対象/非対象)について、運営サービスビジネスとリノベーションビジネスの棲み分けを明確にできること及び標準化での一体化を目指すこと

 

② 既存事業の強化

ITセグメントにおいては、ユーザーソリューションビジネス(2025年3月期より金融ビジネス及び流通小売ビジネスを統合)が対象であり、課題は次のとおりです。

・ クライアントの「個別対応エリア」に注力する中で、共通エリアを見出し「標準化」につなげること

・ Redxサービスビジネスで新しく顧客になったユーザーを対象クライアントにできること

 

暮らしセグメントにおいては、リノベーションビジネスが対象であり、課題は次のとおりです。

・ TOMOSブランドを使い、「リノベーション・goodroomメディア集客・仲介」の一気通貫サイクルでの安定的ビジネスを維持すること

・ 運営サービスビジネスが対象としない「共通化」できる大型物件についてさらに標準化することで利益率向上を図ること

 

③ 人材の確保及び育成

最近の「人手不足環境」において、人材強化政策を進めることと合わせて、新しいビジネスモデルの「標準化」を実行することで事業推進ができる人材と業務推進ができる人材を生み出し、魅力ある職場を創出することで人材の応募につながる環境を作り、新規学卒者と合わせてキャリア採用を増加させることが重要な課題です。

 

④ SDGsに関する取組み

SDGsに関する課題については、次の点でgooddaysグループの経営基盤を支える重要課題と捉え、取組みを進めて参ります。

・ SDGsは社会に対する企業の責任と捉える

・ すべてのステークホルダーと共に持続可能な社会の実現に向け役割を果たす

・ 企業活動を通じて社会的課題を解決し、持続的な発展に貢献する

具体的には、ITセグメントではRedxサービスによる抜本的コスト削減で「ロングライフシステム」を実現し構造改革の一端を担い、暮らしセグメントでは、既存不動産の「リノベーション」活用、「ロングライフデザイン」により、脱炭素社会に向けての貢献につなげます。

人的資本経営に着目し、働き方改革、次世代支援等につなげます。

上記を通じて企業価値の向上と持続的成長を目指して参ります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

サステナビリティに関する課題については、当社グループの経営基盤を支える重要課題と捉え、次の通り基本的な取組を進めて参ります。

・ サステナビリティは社会に対する企業の責任と捉える

・ すべてのステークホルダーと共に持続可能な社会の実現に向け役割を果たす

・ 企業活動を通じて社会的課題を解決し、持続的な発展に貢献する

このため、全般的な課題に関して「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」の観点で整理の上実行します。

 

(1)ガバナンス

当社グループはサステナビリティに関する重要事項について、取締役会の下部機関であるグループ経営会議で審議、必要に応じて当会議の決議に基づき取締役会に報告することにしております。

現在「サステナビリティ」に関する専門組織は設定しておりませんが、今後グループ経営会議でサステナビリティ委員会等の設置並びに体制強化の検討を進めて参ります。

 

(2)戦略

当社グループは、ミッションを「どこにもないふつう」として掲げ、経営方針として「従来の業界の常識に囚われない、新しいサービスを生み出し、構造改革の一助となることで、社会貢献する企業を目指す」としています。このことをサステナビリティのベースとしており、サステナビリティに関する具体的な取組は次の通りです。

 


上記がサステナビリティに関する、人材育成及び環境整備の方針で、今後目標設定につなげます。

 

(3)リスク管理

サステナビリティ課題を含む事業へのリスクについて、最終的に代表取締役社長を責任者とする「リスク・コンプライアンス委員会」にてモニタリング検討を実施して参ります。リスク管理の詳細については「戦略」に基づく取組項目をベースとして今後整理して参ります。

 

(4)指標及び目標

「戦略」にある取組項目を指標として、目標については今後「個別課題」で設定して参ります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当社グループでは、事業等のリスクを、将来の経営成績等に与える影響の程度や発生の蓋然性に応じて「特に重要なリスク」と「重要なリスク」に分類しております。

「特に重要なリスク」については予兆から顕在化まで3か月を待たず急速に悪化し、顕在化した場合、経常利益の1/3を超える損失を発生させると想定されるリスクとして定義しており、それ以外で重要と判断されるリスクについて「重要リスク」と位置付け、リスクマネジメントを推進しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
 

(1) グループ全体

(特に重要なリスク)
① 大規模災害や事故、重大な感染症等に関するリスク

当社グループは、複数の事業拠点を使用し事業運営を行っております。事業継続計画の一環として大規模災害等に関するリスクに対応するため、基幹業務、業務コミュニケーションツールについて安全なデータセンターを基盤とするクラウドサービスの利用を促進するとともに、働き方改革の側面からもリモートワーク環境の整備を推進し、リモートでの業務遂行を可能とする対応を実施してきました。そのため、今回の「新型コロナ問題」発生においてはスムースにリモートワーク体制に移行ができております。さらにオフィスにおける感染予防策、役職員の毎日の健康状態の確認等の対応を速やかに実施しました。

しかしながら、今回のような重大な感染症が急速に進んだ場合には、役職員の長期離脱や各事業拠点の閉鎖等の影響も想定されます。また地震や気候変動等に起因する自然災害や予期せぬ事故の発生も、当社グループあるいは取引先企業の重要な設備や事業拠点に影響を与えるだけでなくサプライチェーンにも重大な影響を与えることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このため、従前以上のリモートにおける生産性向上の施策(コラボレーションツールの適用推進、作業業務管理の改善等)を推進してまいります。

② 経営陣への依存に関するリスク

当社グループの戦略決定及び事業運営は、現在の経営陣による討議の結果、意思決定され、運営されております。しかしながら、当該経営陣が当社グループの事業から離脱する事象が発生し、代替的人材を迅速に確保することができない又は同水準のコストで確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このため、経営人材の育成と確保が最重要課題と認識し推進しております。

 

(重要なリスク)

① 新規事業、新規サービスに対するリスク

当社グループでは、暮らしセグメントにおいて、従前よりgoodroom residence、goodoffice、ワークラウンジ等をサブリース、不動産信託受益物件のマスターリース、不動産取得等を行った上で事業を強化してきました。新規開設にあたりましては事業計画に基づき適切なロケーションと価格帯で提供し、開設後は定期的に評価を実施しております。また今後はITセグメントにおいてもRedxサービスビジネスを中心に投資を伴うサービス開発を事業計画の妥当性を十分に検討した上で、積極的に推進していきます。

しかしながら、当初想定した販売計画、収益計画と実績が大きく乖離し投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

② 人材の確保について

当社グループは、経営課題の克服及び今後の事業発展のためには、優秀な人材が必要不可欠であると認識しております。したがって、人事制度の充実を図り、役職員一人ひとりが、多様なキャリア形成や組織力向上に貢献することを意識し、個人や組織の目標達成が事業発展につながるよう、当社グループの経営理念や経営方針等を理解した社員の育成に努めるとともに、優秀な人材を採用する方針であります。しかしながら、当社グループの求める人材が十分に確保できなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

③ システム障害について

社会のデジタル化が進む中、企業においてもDXとデータの利活用による生産性の向上や社会課題の解決が期待されています。一方で、サイバー攻撃の脅威が急速に高まっており、その対策が脆弱であった場合、個人情報の漏洩や、サーバーダウンなどによる事業停止を引き起こす可能性があります。

当社グループでは、システム及び運営するWEBサイト等におきまして、ウィルス対策等セキュリティ対策やシステムの冗長化、監視を実施し、安定的に運用できるように対策を講じております。しかしながら、ITインフラ機器の障害、コンピュータウイルスへの感染、その他不測の事態が生じることにより、システムトラブルが発生した場合には、当社グループのブランドイメージの低下等、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

④ 個人情報を含めた情報管理

当社グループでは、事業活動を通じて個人情報等の秘密情報を取り扱う場合があります。当社グループにおいては、「個人情報の保護に関する法律」に基づき、社内規程の整備、管理体制の構築、外部からの侵入防止対策の実施等を講じるとともにグループ全体でPマークを取得しており、今後ISO/IEC 27001に準拠したISMS 認証(情報セキュリティマネジメントシステム)及びISO/IEC 27017に準拠したISMSクラウドセキュリティ認証の取得を予定しております。

ます。また定期的な研修を通じた人的対策を実施することで情報漏洩と不正使用を未然に防止するように努めております。しかしながら、これらの情報が漏洩した場合、当社グループの社会的信用の失墜、多額の賠償責任、及び法的罰則等により経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループでは、役職員の士気向上や優秀な人材の確保等を目的として、新株予約権を付与しております。2024年3月期連結会計年度末日現在、新株予約権による潜在株式数は1,203,600株であり、発行済株式総数6,775,920株(自己株式32株を含む)に対する割合は17.8%となっております。これらの新株予約権が行使された場合、発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(2) ITセグメント

(特に重要なリスク)

グループ全体に記載したものを除き、特に重要なリスクに該当する事項はございません。

 

(重要なリスク)

グループ全体に記載したもの以外は以下のとおりです。

① 不採算プロジェクトに関するリスク

不採算プロジェクトが発生する要因としては、お客様主導による要件定義又は仕様決めにより意見集約が進まず仕様が二転三転し、それによる工数の増加やプロジェクトの期間の延長等があげられると考えております。

当社グループでは、当社グループ主導で要件定義や仕様決めの方針を出すことで、お客様の真の目的に合致させ、お客様都合によるリスクを減らす取り組みを行っております。また、お客様主導で要件定義や仕様決めがなされるプロジェクト等については契約の在り方を工夫するなど、商談発生時からプロジェクトの進行を通じてリスク管理を行い、納期遅延や不採算プロジェクトの発生を抑制しております。

しかしながら、新規の顧客、あるいは新規の業務や技術への挑戦において、契約条件の不備、当初想定見積りの誤り、プロジェクト管理や体制の不備、技術検証の不足等によって、納期遅延や遅延にともなう遅延損害金や、大幅な工数超過となる不採算プロジェクトが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

② 事業環境の変化に伴う当社グループの競争力低下

IT技術の進化とともに開発手法、データの持ち方、言語、ネットの活用方法等様々な面での技術革新が進展しております。当社グループでは重要な技術要素に関して社内外の技術教育を実施し全体の技術スキルの底上げを実施しております。しかしながら、急速な事業環境の変化に十分な対応ができなかったこと等により当社グループの競争力が低下した場合には、当社グループの事業戦略、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

③ 景気動向及び市場環境の変化による影響

顧客企業を取り巻く事業環境の変化、経営効率化などの動きにより、顧客の情報関連に対する投資抑制策等の影響を受けることが想定されます。

当社グループでは、当社側から率先して変化を先取りした付加価値の高い顧客提案や対応可能な業種を増やす等の対応を実施しております。しかしながら、経済情勢の急速な変化に伴い顧客企業の経営環境がIT投資ができない程悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

「新型コロナ問題」による顧客の経営環境に及ぼす影響による投資抑制等も当事項に該当します。

④ 法的規制について

民法、労働者派遣法、下請法、職業安定法、労働基準法等の労働関連法令等々、多数の法的規制を受けております。当社グループでは、各種法令を遵守するとともに関係する法令の改定及び新規制定等の状況を注視し事業活動を推進しております。しかしながら、何らかの理由により関連法令等の規制が順守できず、監督官庁から処分を受けた場合や、これらの法的規制の大幅な変更があった場合等には、当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 必要な外注先がタイムリーに確保できない場合のリスク

ソフトウェア開発を一部外注しており、外注業者の選定にあたっては、優先的に当社グループからの発注を受ける「戦略的パートナー」を確立するための活動を行う等、外注先確保に注力をしております。しかしながら、外注先の人員確保が予定通りにならない場合や、外注先の倒産等予期せぬ事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 競合のリスクについて

ITセグメントの事業では、同業者が多く、厳しい競合状態にあります。当社グループでは、「お客様と良好な関係作り」と「必要不可欠な存在」をスローガンとして掲げ、個々のお客様に適合したサービスをモデル化し提供すること等により差別化を図っております。しかしながら、他業種から価格競争力のある積極的な参入等があった場合には、収益や利益率の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 暮らしセグメント

(特に重要なリスク)
① 法的規制について

暮らしセグメントの事業は、不動産業及び建設業に属し、宅地建物取引業法、建設業法、旅行業法、食品衛生法、公衆浴場法、景品表示法及び関連する法令等々、多数の法的規制を受けております。万一、何らかの理由により関連法令等の規制が遵守できず、監督官庁から処分を受けた場合や、これらの法的規制の大幅な変更があった場合等には、当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

なお、宅地建物取引業免許及び特定建設業許可は、当社グループの主要な事業活動に必須の免許であります。当社グループでは各種業界団体への加盟等により、必要な情報を的確に収集するとともに、法令遵守を徹底しており、現時点において、当該免許及び許認可等が取消となる事由は発生しておりません。当社グループでは、引き続きリスクマネジメント活動の強化を重点テーマの一つとして掲げ、各種法令への遵守に向けた社員教育及び体制整備に努めております。

許認可等
 の名称

有効期限

許認可等
 の番号

規制法令

取消事由等

宅地建物
取引業免許

2022年12月19日
 から5年間

国土交通大臣(2) 第9285号

宅地建物取引業法

不正な手段による免許の取得もしくは役員等の欠格条項違反に該当した場合等は免許の取消

(宅地建物取引業法第66条等)

特定建設業許可

2021年11月25日
 から5年間

東京都知事許可

(特-3)

第154585号

建設業法

一般建設業に5年以上の経験を有する常勤役員もしくは同等以上の能力を有する常勤役員がいなくなった場合等は許可の取消

(建設業法第29条)

 

 

(重要なリスク)

グループ全体に記載したもの以外は以下のとおりです。

① 景気動向及び市場環境の変化による影響

建設・不動産市場の動向や行動様式の変化、他業種からの参入等、業界動向の調査・分析を実施しております。しかしながら、今回の「新型コロナ問題」のように建設・不動産市場の急激な縮小や行動様式の急激な変化、競争環境の激化など不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

② 建築等外部委託業者の活用に伴うリスク及び外注費、原材料の価格高騰のリスク

リノベーションビジネスで提供するサービス等においては、当社グループがサービスの開発、マーケティング及びコンセプト策定等を行う一方、設計・建築工事業務等については、設計・施工等の能力、工期、コスト及び品質等を勘案し、外注を活用する場合があります。外注業者の選定及び管理については、協力業者としての基準を設定の上、契約し、安全・品質管理の徹底等に十分に留意しております。また、お客様にとって魅力ある価格帯で提供するため、外注先・資材の仕入れ先を複数確保し、価格の抑制に努めております。

しかしながら、当該外注先の人材・品質・マネジメントに対する当社グループのコントロールが十分機能せずトラブルが発生した場合や外注先からの値上げ要請、資材の需要増加及び為替の変動等により価格が高騰した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

③ 必要な外注先がタイムリーに確保できない場合や資材がタイムリーに調達できない場合のリスク

リノベーションビジネスにおいては、設計・建築工事業務等については、一部外注を活用しており、安定的に施工が実施できるように外注先確保に注力しております。しかしながら、外注先の人員確保が予定通りにならない場合や、外注先の倒産等予期せぬ事態が生じた際に代替となる外注業者の人員確保ができない場合には、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

また、資材に関しましては海外生産品の調達などサプライチェーンに対するグローバルリスクがあり、代替となる資材や複数の調達経路の確保ができない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。このため、調達経路の複数化や重要資材の早期の確認と確保等をさらに推進してまいります。

④ 工事施工等のリスク

リノベーションビジネスでは、品質管理工程を入れて、設計、施工した物件について不具合が生じないよう担保しております。しかしながら、リノベーション実施前の物件自体に想定していなかった欠陥や問題点があった場合や顧客との施行要件の食い違い、仕入れた部材の欠陥など重大な契約不適合責任があった場合には、完成後であっても再度施工を実施し直すことになり、外注先への追加費用、部材の追加費用及び訴訟費用等が発生し、また完成工事補償引当金を計上するなど、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 競合のリスクについて

暮らしセグメントの事業は、リノベーションあるいは仲介を専門に行っている同業者が多く、それぞれ単体では厳しい競合状態にあります。当社グループでは、リノベーションビジネス及び運営サービスビジネスの各ビジネスの連携で、リノベーションから客付けまでを一連で行うことにより競争力を発揮し、同業者との差別化を図っております。しかしながら、今後当社グループのサービスを上回る付加価値を生み出す競合先が出現した場合には、収益や利益率の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。

⑥ 季節変動について

リノベーションビジネスにつきまして、売上高が下半期に集中する傾向があります。これは、取引先の決算期及び賃貸物件の需要状況に合わせた市場投入を行っていることによるものであります。また、運営サービスビジネスにおいても同様に、新生活シーズンにともない下半期に売上高が集中する傾向にあります。

売上高が下期に集中しておりますため、想定外の事象の発生により下半期の業績が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におきまして、新型コロナ感染症の分類が5類へ移行したことにより、個人消費の回復に加えて、インバウンド需要の高まりが見られるなど社会活動、経済活動の正常化が進み国内景気は直近においては回復基調にあります。世界経済に関しては、ロシア・ウクライナ紛争の長期化や不安定な中東情勢、米中関係などの地政学的リスクに加え、インフレーションに向けた世界的金融引き締め政策の長期化、不動産市場の低迷に端を発する中国経済の先行き懸念などに注視する必要があります。

このような環境の中、gooddaysグループは当期を第二創業期のスタートと位置付け、新しいビジネスを生み出すことで、グループミッション「どこにもないふつう」の実現を目指しております。従来gooddaysグループでは、顧客毎の個別対応に基づくサービスの提供を基本として行って来ました。いわば競争領域に当たり、売上を上げるためにはリソースの投入が必要であり、抜本的な利益率の改善には繋がりにくい特性を持っております。ITセグメントでは、システム請負開発、システムサービスに当たり、暮らしセグメントでは、リノベーション請負(大型案件等)に当たります。「いままでにないふつう」を生み出すためには、全領域で「標準化」を進め、提供サイド及びユーザーサイドの抜本的オペレーションコスト削減を「仕組み」で実現することが基本になります。

ITセグメントでは、非競争領域、即ち共通化出来るエリアの標準化を進めることで、導入コスト・維持コストの抜本的削減を実現します。Redxビジネスがその対象ビジネスとなります。暮らしセグメントでは、運営サービスビジネスにおいて新しい「One Cycleモデル」(アセット開発/リノベーション/集客メディア/運営)の各々での標準化を強化・継続すること、特に集客メディアを更に強化することで非競争領域を生み出し、goodroom residenceの拡大を実現します。このための投資を強化・継続することで「ストック型ビジネス」の実現を目指します。

当連結会計年度におきまして、ITセグメントにおける「Redxサービスビジネス」の占める売上の割合は、2023年3月期23.0%から2024年3月期36.7%に進捗しました。暮らしセグメントにおける「運営サービスビジネス」の占める売上の割合は、2023年3月期32.1%から2024年3月期35.2%に進捗しました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は過去最高値となりましたが、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益におきましては、前年同期を下回る結果となりました。

 

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

6,391

7,449

1,058

16.6

営業利益

546

502

△44

△8.2

経常利益

549

481

△67

△12.3

親会社株主に帰属する

当期純利益

359

300

△58

△16.3

 

 

セグメント別の概況は次のとおりであります。

 

(ITセグメント)

 ITセグメントは、上述の通り強化するビジネス(ストック型ビジネス)を明確にするため、ビジネスセグメントの変更を行いました。従来の「サービスビジネス」、「金融ビジネス」、「流通小売ビジネス」の構成からサービスビジネスのシステム保守とハードウェア・ソフトウェアの販売・導入等を金融ビジネス、流通小売ビジネスに振り分けた上、新たにRedxサービスビジネスを新設し「Redxサービスビジネス」、「金融ビジネス」、「流通小売ビジネス」の構成に変更しております。

Redxサービスビジネスにおきまして、株式会社ロフトへのRedxクラウドPOSの導入を皮切りに、複数のお客様への導入が決定しました。2025年3月期には、上半期に1社、下半期に2社が運用を開始する予定となっております。Redxは流通小売業界における「店舗共通インフラ」の提供を目指し、あらゆる業態で共通利用が可能な「RedxクラウドPOS」に加えて「クラウド店舗DX」の開発を進めており、2025年3月期の上半期に1社運用を開始する予定です。今後は三越伊勢丹グループのグループ会社である三越伊勢丹システム・ソリューションズとの業務提携に基づき「百貨店共通フロントシステム」の開発及び百貨店業界全体への展開を進めます。2023年7月に出資及び業務提携を締結したスカイファーム社と共同でRedxクラウドPOSとNEW PORT(モバイルオーダーシステム)による商業施設向けソリューションを2025年3月期上半期に向けて準備しました。その結果、売上は前年同期比83.3%増となりました。Redxサービスビジネスに向けての投資は2023年3月期に比べ強化しております。

金融ビジネスにおきまして、金融機関におけるインターネットを中心とした決済システム(EC決済、カード決済等)の開発支援及び運用保守を継続して行っております。大規模なシステム改修の周期(3年~4年程度)のピークを超えてきており、売上は前年同期比14.1%減となりました。

流通小売ビジネスにおきまして、既存顧客に向けたシステム保守に関連するシステム改修を実施し、この中より既存POSのセルフ化、既存POSと新しいクラウドサービスの連携等新しいシステム開発の受注につながりました。その結果、売上は前年同期比6.2%増となりました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は前年同期を上回りましたが、Redxサービスビジネスへの投資を強化・継続したことで、セグメント利益は前年同期を下回る結果となりました。

 

ITセグメント

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

3,239

3,718

479

14.8

セグメント利益

358

333

△24

△6.9

 

 

(暮らしセグメント)

暮らしセグメントについても、上述の通り強化するビジネス(ストック型ビジネス)を明確にするため、ビジネスセグメントの変更を行いました。従来の「リノベーションビジネス」、「賃貸(仲介、メディア)ビジネス」、「運営ビジネス」の構成から仲介ビジネスをリノベーションビジネスへ取込み、メディアビジネスと運営ビジネスを一体化することで「リノベーションビジネス」、「運営サービスビジネス」の構成に変更しております。

リノベーションビジネスにおきまして、受注先が従来の管理会社経由から、ファンド等の法人顧客、運営につながる遊休不動産の活用を求める事業会社等へ広がっております。従来の通常案件(法人及び個人顧客等の案件)についても順調に推移しております。施工体制の強化も順調に進んでおり、建築工事費の上昇(人件費、資材費、運送費等)、新築マンションの価格の高止まり等はあるものの、リノベーションの引合いは好調であり施工面含めた柔軟な対応に改善が見られたこともあり、売上は前年同期比12.9%増となりました。

運営サービスビジネスにおきまして、新しい暮らし方の実現に向けた運営施設の増設を進めております。当連結会計年度にgoodroom residence「学芸大学(全29室)」、「保土ヶ谷(全55室)」、「調布国領(全70室)」を開設し高い稼働率にて順調に推移しております。goodroom residenceは2024年3月期迄で累計約200室が稼働しています。一方、新しい暮らし方と働き方の連携を図ることを目的としてgoodoffice(シェアオフィス、ワークラウンジ等)においても「学芸大学」、「汐留」、「保土ケ谷」、「東陽町」を開設しました。運営施設の増設及び好調な稼働率により、売上は前年同期比29.8%増となりました。

以上の結果、当連結会計年度は過去最高となる売上高及びセグメント利益となりました。

 

暮らしセグメント

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

3,152

3,730

578

18.3

セグメント利益

144

150

5

3.6

 

 

生産、仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

IT

2,355,800

6.3

暮らし

2,120,753

24.6

合計

4,476,553

14.3

 

(注)1. セグメント間取引については相殺消去しております。

      2. 金額は、製造原価によっております。

 

② 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比(%)

IT

469,451

278.2

暮らし

445,172

4.8

合計

914,623

66.6

 

(注)1. セグメント間取引については相殺消去しております。

      2. 金額は、仕入価格によっております。

   3. ITセグメントにおいて、著しい変動がありました。これは主にRedx関連機器の仕入高の増加によるものであります。

 

③ 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

IT

3,569,819

3.6

1,055,309

△12.4

暮らし

3,984,143

31.3

423,068

149.3

合計

7,553,962

16.6

1,478,377

7.6

 

(注)1. セグメント間取引については相殺消去しております。

   2. 暮らしセグメントの受注残高において、著しい変動がありました。これは主にリノベーションビジネスにおける大型案件の受注高が増加したことによるものであります。

 

 

④ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

IT

3,718,680

14.8

暮らし

3,730,779

18.3

合計

7,449,459

16.6

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社大和総研

652,117

10.2

 

(注) 当連結会計年度の株式会社大和総研に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。

 

(2) 財政状態

(資産)

当連結会計年度期末における総資産は5,049百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,152百万円増加いたしました。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が817百万円増加、建物及び構築物が265百万円増加、土地が174百万円増加、投資有価証券が133百万円増加、差入保証金が41百万円増加した一方で、現金及び預金が415百万円減少、商品が30百万円減少したことなどによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度期末における負債は2,335百万円となり、前連結会計年度末に比べ858百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が500百万円増加、買掛金が409百万円増加、契約負債が126百万円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が198百万円減少したことなどによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度期末における純資産は2,714百万円となり、前連結会計年度末に比べ293百万円増加いたしました。これは主に当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益によって利益剰余金が300百万円増加した一方で、配当金の支払により利益剰余金が16百万円減少したことなどによるものであります。

 

(3)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末と比べ415百万円減少し、1,078百万円(前連結会計年度比27.8%減)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度における営業活動の結果、収入は36百万円(前連結会計年度は624百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が474百万円、仕入債務の増加による収入が401百万円あった一方で、売上債権が増加したことによる支出が817百万円あったことなどによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度における投資活動の結果、支出は748百万円(前連結会計年度は519百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が540百万円及び投資有価証券の取得による支出が157百万円あったことなどによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度における財務活動の結果、収入は296百万円(前連結会計年度は50百万円の支出)となりました。これは主に短期借入金の借入による収入が500百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が198百万円あったことなどによるものであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な資金を安定的に確保し、グループ内で効率的に活用することとしており、原則として自己資金を中心に賄い、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達を行うことを基本としております。

当社グループは現段階を成長過程の途上と考えており、その後の営業活動で得た資金は既存事業の安定的成長及び新規分野の成長の資金にするとともに、成長の基礎を作る研究開発に充当する方針としております。またその成長資金の資金需要を充たすために、自己資金に加えて金融機関からの借入を活用し、株主価値が希薄化する安易な株式市場からの調達は慎重に対処することとしております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、下記については重要なものとして、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。

①持分法適用関連会社に関するのれんの評価

②繰延税金資産の回収可能性

③固定資産の減損

その他の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は以下のとおりであります。

④完成工事補償引当金

完成工事高に対して将来予想される契約不適合責任費用を過去の補償実績を基礎にした一定の比率で算定し、完成工事補償引当金として計上しています。

引当金の見積りにおいて想定していなかった完成工事の不具合による補償義務の発生や、引当の額を超えて補償費用が発生する場合は、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。一方、実際の補償費用が引当金の額を下回った場合は引当金戻入益を計上することになります。

⑤履行義務が一定の期間にわたり充足される場合の売上高及び売上原価の計上

ソフトウェア請負案件及びリノベーション工事については、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識する方法により売上高を計上しています。想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、売上高及び売上原価が影響を受け、当社グループの業績を変動させる可能性があります。

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

業務提携契約

 

契約会社名

相手先の
名称

相手先の
所在地

契約
締結日

契約期間

契約内容

グッドルーム㈱

東急住宅リース㈱

東京都新宿区

2015年
4月1日

1年で自動更新

業務提携契約

当社
グッドルーム㈱

小田急電鉄㈱
小田急不動産㈱

東京都渋谷区

2016年
8月31日

小田急電鉄㈱が

当社株主である間

業務提携契約

グッドルーム㈱

阪急阪神不動産㈱

大阪府大阪市
北区

2017年
1月17日

1年で自動更新

業務提携契約

当社
オープンリソース㈱
グッドルーム㈱

三菱地所㈱

東京都千代田区

2018年
7月31日

三菱地所㈱が

当社株主である間

業務提携契約

当社

コクヨ㈱

大阪府大阪市
東成区

2020年
12月28日

契約満了及び解消に

関しては、別途協議

業務提携契約

当社

gbDXTechnology㈱

東京都渋谷区

2021年
3月29日

gbDXTechnology㈱

が当社株主である間

業務提携契約

当社

スカイファーム㈱

神奈川県横浜市西区

2023年

7月27日

当社がスカイファーム㈱の株主である間

業務提携契約

オープンリソース㈱

㈱三越伊勢丹システム・ソリューションズ

東京都中央区

2024年

3月21日

1年で自動更新

業務提携契約

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。