第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 経営方針、経営環境及び対処すべき課題の内容

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは創業から今日まで異型押出成形加工を中心に合成樹脂製品のメーカーとして、卓越した独自の技術を根底にその技術を時代に対応させながら、新しい分野へと応用していく研究開発活動を通し、合成樹脂メーカーとして産業資材分野および自動車用品分野において、企画開発設計から提案までトータルにサポートできる「ものづくり企業」を目指して社会の発展に貢献しようと考えております。

産業資材部門では、各々の用途に応じた異型押出成形加工によるプラスチック製品の製造販売を行い、住宅用建材、鋼製家具関連部材、家電製品部材、半導体関連部材、工業部品など広範囲な産業分野に供給しておりますが、これらの製品は、エンドユーザーである個人の消費動向に左右され易く、経営成績に影響を及ぼす可能性があることから、個人消費の影響を受けにくい分野である公共事業関連にも注力し、安定的な収益確保を図ることを課題としております。

自動車用品部門では、自動車用フロアマットの製造販売を主軸とし、国内外の大手自動車メーカーのOEM純正フロアマットとして採用いただいておりますが、これらは自動車の販売動向が、当事業の販売実績に直結することは否めません。当社においては、自動車メーカーのOEM純正品として、より高い付加価値を提供するため、製品開発力を強化することを課題とし、国内外の自動車販売台数の減少が懸念される中において、シェアの拡大および収益拡大を図ろうと考えております。

当社グループは生産拠点を国内外に有しますが、今後においては、事業継続計画の観点からも国内外への生産拠点の分散は必至であると考えられ、その対策と実施を課題といたします。また、海外での生産拠点を起点として、同国および近隣諸国への販売拡大を課題とし、体制を整え推進しております。

当社グループでは、これらの課題を克服するため、経営方針である「英知と活力を集結して事業の発展を目指し、法令順守のもと我々が誇れる会社を目指す。」の下、ビジョンとして「合成樹脂の可能性を切り拓き、新しい未来を創出しよう」を掲げ、中期的な全社実行計画を策定し、販売・生産・技術開発・品質・購買・財務・労務・環境・安全の9部門に重点方針を定め、全従業員参加で課題解決・目標達成に邁進しております。

永続的な事業継続の礎として、法令順守の旗のもと、リスクマネジメントの強化とコンプライアンスの徹底を図り、環境、社会に配慮した企業活動を行いたいと考えております。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、リスクマネジメント委員会において、サステナビリティに関する重要課題のリスクと機会について分析し、監視・管理等の検討を行い、取締役会へ報告いたします。

(リスクマネジメント委員会活動状況)

リスクマネジメント委員会は、毎事業年度、事業活動に影響を及ぼすリスクを洗い出し、次年度に優先的に取り組むリスク項目を定め、必要な対策の検討・指示・進捗確認を行っています。当事業年度は、同委員会を計8回開催し、地震・台風などの自然災害や事件・事故・不祥事といった人的災害等が発生した際の対策強化を図るため、BCP対策の見直しと改善に取り組み、多様なテーマについて議論し対応を進めました。

 

(2) リスク管理

サステナビリティに関する重要課題を特定し、監視・管理等のため、リスクと機会について分析し、対応策について検討を行ってまいります。リスクと機会については、リスクマネジメント委員会にて定期的に確認を行い、必要に応じて重要課題およびその指標や目標を見直すなど適切に対応してまいります。

 

 

(3) 環境経営に係る戦略

当社グループの事業活動及び製品、サービスにおいて環境に与える影響を認識、評価し、下記の方針を定め、全従業員に周知し、全員参加で取り組んでおります。

 

・地球温暖化防止のため、二酸化炭素の排出量を削減する。

・持続可能な社会のための省資源を目指した製造、販売プロセスの構築及び節水に努める。

・全部門において、循環型システムを開発し、廃棄物削減を進める。

・化学物質の適正管理に努める。

・環境に関する法規制及び行政の環境施策を厳守し、環境保全に努める。

・地域社会の環境保全に貢献出来る職場環境作りを目指す。

・環境経営システムの継続的改善に努める。

 

  主な環境経営の取組項目と活動内容

項目

活動内容

二酸化炭素排出量削減

電力の省エネルギー活動

排水量削減

節水活動

廃棄物削減

産業・一般廃棄物削減活動

製品化学物質安全

製品含有化学物質調査活動

 

 

(4) 人的資本・多様性への取組

企業の持続的な成長のために、社会のグローバル化や顧客ニーズの多様化といった市場変化に対応した多様な人材に活躍してもらうダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンが求められているとの認識を持っております。

当社グループでは、女性や高齢者、外国人、育児・介護を担う者など多様な人材と多様なスキルを適材適所で発揮できる制度および環境の整備を推進しております。また、一人ひとりの成長を支援し、個の力をチームで活かし育むことにより、働きがいのある職場環境の実現を目指し、健康維持増進の観点から健康経営活動の取り組みやダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進に取り組んでいく方針であります。

 

・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

労働者不足や生産性向上の観点から、多様な人材の受け入れに関する取組みを行っております。女性については、女性従業員の採用を積極的に進めております。また、外国人については、現在、正社員として在籍し各職場で活躍をしております。

 

 

健康経営の取組項目と活動内容

項目

活動内容

健康診断

生活習慣予防

 

 

 

 

 

生活習慣病の早期発見・早期対応を目的に、定期健康診断の項目を省略せず、全従業員に血液検査を実施しています。これにより、入社から退職まで一貫した生活習慣病対策が可能となっています。また、35歳以上の従業員には、胃や大腸等のガン発見を目的に、胃部X線、便潜血検査を実施しています。さらに、その他のがん検診や、子宮頸がん・乳がん等の婦人科検診等のオプション検査の受診を希望する場合には、会社の健康診断受診日に合わせて受診することを認めています。

生活習慣病予防

女性特有の健康課題対策

仕事と治療の両立支援

 

 

失効した「年次有給休暇」の半分の日数を「ヘルスケア休暇」として付与しています(最大20日積立可)。がん検診や、子宮頸がん・乳がん等の婦人科検診を受診するために休業する場合や、がん治療等の長期間治療による通院のために休業する場合、不妊治療の通院のために休業する場合に使用可能としています。

感染症対策

 

 

季節性インフルエンザの予防対策として、会社内での集団接種(会社費用負担)を実施しています。集団接種を実施していない事業所では、接種者に対し費用補助(全額)を行っています。

健康アンケート

 

 

従業員の健康意識の把握や健康推進活動上のニーズの把握等を行うため、年1回、全従業員を対象としたアンケートを実施しています。アンケートで得られた結果を次年度の健康推進活動に活かすべく取り組んでいます。

運動習慣促進イベント

 

 

健康行動促進アプリを活用し日々の歩数チェックを行うほか、社内でチーム対抗ウォーキングイベントを実施するなど、年に数回、運動習慣促進イベントを実施しています。

コミュニケーション

促進イベント

 

 

社長と従業員との「ランチ対話会」を、年間を通じて定期的に実施しています。 社長が各事業所に出向き、ランチを食べながら運動や健康などをテーマに対話を行っています。 会社幹部と一般従業員のコミュニケーション、一般従業員同士のコミュニケーション促進の場として活用しています。

各種健康情報の発信

 

 

 

 

社内ポータルサイト上に「健康経営活動のページ」を作成し、健康経営に関わる情報を一元的に参照できるようにしています。また、健康経営活動の写真などを随時掲載し、社内コミュニケーション促進にも活用しています。「健康」に関する情報や、「食」に関する情報も定期的に発信し、従業員の健康意識の啓発に取り組んでいます。

 

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 事業内容について

異型押出成形加工による合成樹脂製品の専門メーカーとして、自動車用品をはじめ住宅用建材、鋼製家具関連部材、家電製品部材、半導体関連部材、工業部品など幅広く各産業分野に製品の供給を行っております。

① 自動車用品部門について

自動車用フロアマットの製造販売を主軸とし、国内外の大手自動車メーカーの純正品として採用されております。これらOEM純正フロアマットは、自動車の販売動向が当事業の販売実績に直結することは否めないことから、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 産業資材部門について

汎用樹脂のみならず、多彩なエンジニアリングプラスチックに至るまで、各々の用途に応じた異型押出成形加工によるプラスチック製品の製造販売を行っており住宅用建材、鋼製家具関連部材、家電製品部材、半導体関連部材、工業部品など広範囲な産業分野に供給しております。これらの製品は、エンドユーザーである個人の消費動向に左右され易く、特に住宅や家電製品の需給関係によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原材料の仕入価格の変動について

当社グループで製造する異型押出成形品の主原料が石油化学製品であることから、原材料の仕入価格は国際的な原油市場と関係があり、原油価格の大幅な価格変動が原材料の仕入価格に影響を及ぼす傾向があります。国際石油価格の著しい変動により、石油化学製品市場に大幅な価格変動が発生した場合、仕入価格の上昇によっては当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 為替相場の変動による影響について

当社グループの取り扱う製品および商品、または原材料には、外貨建取引が含まれております。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算しております。従いまして、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。日本への輸入品については、為替相場の変動によるリスクを軽減する目的で、為替予約等のデリバティブ取引を用い外貨建て仕入価格の安定化に努めております。しかしながら、為替相場変動の影響を完全に回避することは不可能であり、場合によっては当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 当社グループの特定取引先に対する依存度について

当社グループの取り扱う製品および商品は、各産業分野に分散されておりますが、当連結会計年度における、主な販売先に対する販売実績の総販売実績に対する割合は、株式会社ホンダアクセスに対して22.9%、スズキ株式会社に対して16.5%、丸紅プラックス株式会社に対して12.5%と販売比率が高くなっております。今後も当該取引先との安定的な取引を確保できるよう努めてまいりますが、当該取引先との長期契約や資本関係は無く、取引の継続性や安定性が保証されていないため、当該取引先の経営施策や取引方針の変更等によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、各産業分野の他取引先への拡販活動により、特定の取引先への販売依存によるリスクを低減してまいります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により企業の生産活動や設備投資、個人消費などの増加を受け、総じて緩やかな回復基調をたどりました。一方で、ウクライナ情勢の長期・膠着化、中東情勢等の地政学リスクの高まりに伴う物価の上昇基調、急激な円安の進行など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

このような経済環境のもと、自動車用品関連については、自動車業界において半導体や部品供給の安定化により各自動車メーカーの生産に回復傾向が見られたことから、自動車の販売は堅調を維持しており、当社の自動車用フロアマットの売上は好調に推移しました。産業資材関連については、エアコン配管用化粧カバーは、猛暑にも関わらずエアコンの売れ行きが振るわなかったため想定を下回る結果となりました。公共事業向けインフラ補修部材は、納期調整が多かったため前期に比べ売上減少となりました。マガジンスティックは、上半期の半導体供給不足の影響により受注が減少し、売上減少となりました。また、合成木材関連の主要製品である合成木デッキ材については、エクステリア市場との関係性が近い住宅業界において、住宅価格高騰による高止まりの影響を受け、受注減少により売上は減少し、総じて低調となりました。

損益面においては、継続的な原材料価格やエネルギー価格の高騰による国内製造コストの上昇と併せて、急激な円安による輸入価格の上昇により収益の減少は余儀なくされておりますが、期を通じてのグループ全社での合理化や原価低減活動の他、販売拡大や価格の適正化等により収益確保に取り組んでまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は90億88百万円(前期比9.5%増)、営業利益は1億48百万円(前期は営業損失3億12百万円)、経常利益2億40百万円(前期は経常損失1億94百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億79百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2億38百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は16億96百万円と前連結会計年度末と比較して642千円の減少となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益が2億34百万円、減価償却費3億18百万円、賞与引当金の増加30百万円、売上債権の増加1億80百万円、棚卸資産の減少1億52百万円、仕入債務の減少2億43百万円、未収入金の減少32百万円、その他の資産の減少1億17百万円、訴訟損失引当金の減少(和解金の支払額)90百万円、法人税等の還付額32百万円などにより、当連結会計年度における資金の収入は4億2百万円となり、前連結会計年度末と比較して4億72百万円の収入増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

有形固定資産の取得による支出2億34百万円、保険積立金の解約による収入95百万円などにより、当連結会計年度における投資活動による資金の支出は1億60百万円となり、前連結会計年度末と比較して2億65百万円の支出減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

短期借入金の減少1億37百万円、長期借入金の返済による支出2億84百万円、長期借入れによる収入2億8百万円、配当金の支払額66百万円により、当連結会計年度末における財務活動による資金の支出は2億80百万円となり、前連結会計年度末と比較して7億99百万円の支出増加となりました。

 

 

③生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

自動車用品関連

6,057,035

16.1

産業資材関連

3,225,455

△2.7

合計

9,282,490

8.8

 

(注) セグメント金額は販売価格によっております。

 

b.受注実績

受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

自動車用品関連

5,992,133

17.9

産業資材関連

3,096,415

△3.6

合計

9,088,548

9.5

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社ホンダアクセス

1,406,612

17.0

2,082,947

22.9

スズキ株式会社

1,359,439

16.4

1,497,273

16.5

丸紅プラックス株式会社

1,162,242

14.0

1,131,593

12.5

 

 

 

 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績及び財政状態の分析

a.経営成績

当連結会計年度における経営成績の概況につきましては「第2〔事業の状況〕 4〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕 (1)経営成績等の状況の概況」に記載のとおりであります。

b.財政状態

当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保、および健全なバランスシートの維持を財務方針としております。

当連結会計年度末の総資産は、95億79百万円となり、前連結会計年度末と比較して86百万円の減少となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比較して50百万円の減少となりました。その主な要因は、受取手形及び売掛金の増加2億1百万円、棚卸資産の減少1億6百万円、未収入金の減少32百万円、未収還付法人税等の減少31百万円によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末と比較して36百万円の減少となりました。その主な要因は、有形固定資産の減少45百万円、投資有価証券の増加24百万円、繰延税金資産の減少53百万円、退職給付に係る資産の増加1億17百万円によるものであります。

当連結会計年度末の負債は、25億81百万円となり、前連結会計年度末と比較して3億62百万円の減少となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比較して3億1百万円の減少となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の減少1億67百万円、短期借入金の減少1億37百万円、未払法人税等の増加50百万円、賞与引当金の増加31百万円、訴訟損失引当金の減少90百万円によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末と比較して61百万円の減少となりました。その主な要因は、長期借入金の減少76百万円、退職給付に係る負債の増加14百万円によるものであります。

当連結会計年度末の純資産は、69億97百万円となり、前連結会計年度末と比較して2億76百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金の増加1億13百万円、為替換算調整勘定の増加59百万円、退職給付に係る調整累計額の増加86百万円によるものであります。

 

②経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2〔事業の状況〕 3〔事業等のリスク〕」に記載のとおりであります。

 

③経営戦略の現状と見通し

当社グループを取り巻く経済環境は、日米金利差などに起因する為替変動の影響、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢による原材料価格やエネルギー価格の高止まり、中国の景気低迷など不透明な状況が続くものと予想されます。

当社グループは創業から今日まで異型押出成形加工を中心に合成樹脂製品のメーカーとして、卓越した独自の技術を根底にその技術を時代に対応させながら、新しい分野へと応用していく研究開発活動を通し、合成樹脂メーカーとして産業資材分野および自動車用品分野において、企画開発設計から提案までトータルにサポートできる「ものづくり企業」を目指して社会の発展に貢献しようと考えております。

 

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

a.キャッシュ・フロー

当連結会計年度における経営成績の概況につきましては「第2〔事業の状況〕 4〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資金調達について

当社グループにおける主な資金需要として、運転資金、設備投資資金、有利子負債の返済及び利息の支払い等が必要であります。当社はこれらの資金需要につきましては、主に営業活動によるキャッシュ・フローによって賄っております。また、事業活動を円滑に行うための資金調達に際しては、事前に充分な検討を加え、低コストで安定的な資金の確保を重視しており、今後において運転資金及び設備投資資金等による資金需要が発生する場合に備えております。

 

⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、設立以来の企画提案型の企業姿勢を基礎とし、新素材の開発から製品の開発、さらには、生産技術の開発に至るまで積極的な研究開発活動を行っており、自社企画製品の拡大と付加価値の高いビジネスを創造しております。

現在、研究開発活動は各事業本部の研究開発部門で先進技術の研究開発を効果的に推進しております。

当連結会計年度における研究開発費は82百万円であります。自動車用品関連においては、安全性および機能性を重視したフロアマットの製品開発、サステナブル対応製品やその他アイテム用品の開発に取り組んでおり、研究開発費の総額は54百万円であります。産業資材関連においては、お客様のニーズが多様化・高度化しつつ、社会がスピーディーに変化しているなか、今後も成長が期待される産業分野に注力し、当社グループのノウハウを活かした製品開発に取り組んでおり、研究開発費の総額は28百万円であります。