文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、次の4つの理念を使命として、色彩関連製品を提供するとともに、人と自然環境の融合を理念においた製品づくりを目指しております。
① 色彩を通じて、ゆとりのある生活をみなさまに提供し、社会の繁栄に寄与します。
② グローバリゼーションの中で、地域社会との調和と共生を目指します。
③ 技術革新・サービス向上に努め、お客様のニーズに合った環境に配慮した高品質の製品作りを目指します。
④ 個性溢れる人材を育成し、創造性豊かで活力のある企業集団を目指します。
(2)経営環境
当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展による活動制限の緩和を背景に、企業の生産活動に持ち直しの動きがみられました。一方、年度終盤においては、ロシア、ウクライナ情勢などの地政学リスクの高まりや資源価格上昇、円安の進行など、景気の先行きを不透明なものとする要素も増えております。
また、当社グループの主要需要先である自動車産業においては、引き続き半導体等の部品供給不足といった懸念材料もあり、楽観視できない状況となっております。
このような環境のなか、当社グループは、“色”の専業メーカーとして長年培った、当社独自のプラスチック着色剤及び添加剤の「選定・配合技術」、コアテクノロジーである高度な「分散技術」を駆使し、最終製品の目的に応じた多様なニーズに引き続き的確にお応えするとともに、製販一体となって合理化、効率化に努め、収益確保に全力を注いでまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2021年度を初年度とする新たな中期経営計画(2021年~2025年)“Change & Evolution 2025”を開始しております。新たな中期経営計画は当社創業100周年である2025年に向け、事業構造を変革・進化させることで「次の100年」の成長のための基盤構築を目指すものであります。
当社グループを取り巻く社会環境は日々変化しており、持続可能な社会の実現に向け果たすべき責任も増しております。様々な課題を解決することに真摯に取り組み、2025年度の目標達成に向け着実な取組みを進めてまいります。
[中期経営計画骨子]
1.2025年度のあるべき姿
社会的課題に技術力をもって解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、企業としての成長、飛躍を実現する活力ある会社となることを目指します。
2.中期経営計画 “Change & Evolution 2025” の基本方針
これまで培ってきた当社の事業基盤をさらに強固なものとするとともに、新たな付加価値を市場に提供する事業領域の創造を行うことで、「次の100年」の当社の成長、並びに持続可能な社会の実現にしっかりと貢献してゆくことを基本方針といたします。
① 新たな事業機会の創出
・前中期経営計画からの継続課題である、新たな事業基盤の構築に向けた取組みを強化、実現を可能とする体制を整備
・海外事業比率の引上げ
・適時・適切な投資の実行
② 持続可能な社会への貢献
・「環境リスク低減」の取組みを強化
③ 経営基盤強化
・連結営業キャッシュ・フロー、EBITDA拡大の実現
・ESGを意識したコーポレート・ガバナンスの継続的な拡充
・「働きがい」ある職場の実現、人材活用基盤の整備
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期経営計画“Change & Evolution 2025”の目標として、資本効率の向上を目指し2025年度ROE6%以上を掲げております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、持続可能な社会への貢献に務めることをその目標とし、サステナビリティの推進並びにサステナビリティに関する重要な事項を審議するため、2024年1月にサステナビリティ委員会を設置いたしました。サステナビリティ委員会は「環境」「社会・リスク」「人材」の3つの分科会で構成され、サステナビリティに関する方針、マテリアリティ(重要課題)の選定、中長期計画及び年次計画、活動結果の評価及び評価に基づく改善及び検討すべき課題について審議し、定期的に取締役会に付議・報告することで、経営陣も一体となって取り組んでおります。
当社グループでは、サステナビリティ委員会の3つの分科会、環境チーム、社会・リスクチーム、人材チームで下記の重要課題を選定し、目標設定に向けて取り組んでおります。
当社グループの重要課題
〔環境チーム〕
気候変動への対応、環境に配慮した事業活動、環境配慮商品の開発
〔社会・リスクチーム〕
サプライチェーンマネジメント、働きやすい職場づくり、労働安全衛生、製品価値信頼性の向上
〔人材チーム〕
人権尊重理念の実践、ダイバーシティ推進、働きがいの向上
人材戦略
〔人材育成方針〕
当社グループの競争力の源泉は「人材」であると考えており、当社グループにおいて理想とする人物像へ社員を成長させるため、人材育成を行ってまいります。具体的には、獲得した人材に必要なスキルを身につけさせ能力を最大化させるため、各年次、職位、職能ごとに求められる能力・専門知識の習得を目的とした研修制度だけでなく、従業員一人ひとりの自律的なキャリア構築を支援する多彩な教育研修制度を実施しております。今後も、人材の継続的な育成に取り組んで参ります。
〔社内環境整備方針〕
中長期的な企業価値向上のためには、イノベーションを生み出すことが重要であり、その原動力となるのは、多様な個人の掛け合わせであります。このため専門性や経験、感性、価値観、といった知と経験のダイバーシティを積極的に取り込むことが必要となると考えております。さらに、労働者不足への対応、生産性向上の観点から、性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を推進してくとともに、優秀な人材を確保するため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として期待できる中途採用も積極的に行っております。今後も、具体的な社内環境整備に取り組んで参ります。
当社グループにおいて、全体的なリスク管理は業務監査委員会で行っておりますが、サステナビリティに関するリスクについては、サステナビリティ推進委員会で詳細に検討しております。
提出会社である日本ピグメントでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関し、「女性の職業生活における活躍の促進に関する法律」(平成27年法律第64号)に基づく一般行動計画において、2027年3月31日までに女性管理職比率を15%以上に向上させることを目標として掲げております。当該指標に関する実績は、「
また、今後、サステナビリティ委員会で作成した指標及び目標設定に関しましては、適時開示して参ります。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループの事業は、製品の最終用途で見れば自動車、家電、情報機器関連、OA機器向けなどが中心であり、これらの主要ユーザーが事業展開する、国内及び海外各地域での災害・テロ・政情不安・感染症の拡大等が経済・景気動向に大きな影響を及ぼす場合、主要ユーザーの需要動向の変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業におきましては、売上高の約6割を樹脂コンパウンドに依存しております。また、樹脂コンパウンドにおきましては、顧客樹脂メーカーからのOEMによる生産が主体となっております。このため、顧客樹脂メーカーの販売不振、値下げ要請、調達方針の変化などは、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
国内市場におきましては、主要ユーザーの東南アジア・中国等への生産拠点移転等により、国内市場は伸び悩み傾向にあり、価格競争も厳しい状況であります。このため、今後も主要ユーザーの海外への生産拠点移転等が加速すれば、国内市場の縮小及び価格競争により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業におきましては、原油価格の大幅な上昇やレアメタル市場の大幅な変動に伴う、次のようなリスクにより経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
① 原材料調達費用の上昇
② エネルギーコストの上昇
③ プラスチック製品の価格上昇に伴う需要の停滞
④ 特定着色剤の調達に支障が生ずる
当社グループの財務内容におきましては、次のような変動リスクにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。
② 国内外の取引先の予期しない経営破綻により売上債権が回収できない場合
③ 事業環境の変化による特定事業での収益性の低下や地価動向により保有資産の減損損失が発生する場合
⑦ 急激な外国為替レートの変動により在外連結子会社の財務諸表項目の邦貨換算結果に大きな変動が生じた場合
当社グループは、樹脂コンパウンド、樹脂用着色剤、加工カラーなどの色彩関連事業を中心に事業展開をしておりますが、国内市場は伸び悩み傾向にあります。このため、ユーザーのニーズを適確に把握し、付加価値の高い製品開発を進めるとともに、新規事業の展開を模索する必要があります。これらのことが滞った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国際的な品質管理基準に従って品質管理を行い、各種の製品を製造しております。しかし、取引先のユーザーにおいて不良等が発生し、その要因が当社グループの製造工程による場合には、取引先から補償請求を受ける可能性があります。この場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは海外にも事業を展開しております。これらの地区においては、次のような潜在リスクがあり、以下の事象は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、合成樹脂関連の可燃性製品を製造しておりますので、火災等の事故発生防止に積極的に取り組んでおりますが、地震等の大規模自然災害の発生により当社グループの生産拠点が損害を受ける可能性があり、設備等が被害を受けた場合には、工場の修復等のために費用が発生することになり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、災害やテロ、サイバー攻撃、コンピュータウイルス等により情報システムが長期に停止した場合には、業務処理の遅延等が発生し、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが持続的な成長を維持してゆくためには、優秀な人材の採用と育成が必要であります。しかしながら、日本国内においては少子化による人口減少もあり、人材採用の競争は激しくなっており、また社会環境の変化も重なり人材の流動化も高まっております。当社グループとして人材を継続的に採用し、育成することが難しい場合には、事業活動に支障をきたす可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの5類移行による人流回復や高水準の賃上げなどにより、個人消費は持ち直しており、国内の景気も緩やかに回復基調で推移しましたが、大幅な為替変動や資源価格の高騰による景気への影響が懸念されます。世界経済においては、物価上昇や各国の金融引締めに伴う景気の下振れ懸念は高く、またウクライナおよび中東情勢などの地政学リスクの警戒感が高まり、先行きが不透明な状況が続いております。 このようななか当社グループにおいては、半導体不足等の影響により自動車関連の減産が続いていることや中国での需要低迷、および資源価格高騰等による製造コスト増もあり、当連結会計年度の売上高は266億8千3百万円(前期比2.8%減)、経常利益は6億4千8百万円(前期比907.6%増)となりました。一方、特別利益として為替換算調整勘定取崩益8億7千1百万円、投資有価証券売却益6億5千3百万円を計上し、特別損失として当社の連結子会社である天津碧美特工程塑料有限公司の固定資産の減損損失3億5百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は7億4千万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失5億1千9百万円)となりました。
当社グループのセグメント別の業績は次のとおりです。
(日本)
国内部門別の概況として、樹脂コンパウンド部門は、国内自動車生産は回復傾向にはあるものの、全体取扱数量の減少に伴い部門営業利益は昨年を下回りました。
樹脂用着色剤部門は、自動車関連の販売、化粧品・トイレタリー向けで回復を見せ、一部の飲料用MBが堅調なことも相まって、部門営業利益は昨年を上回りました。
加工カラー部門は、主要取引先の自動車用内装材関連、建材関係が堅調に推移し、液体分散体で大型ディスプレイ用途が徐々に回復傾向にあり、部門営業利益は昨年を上回りました。
この結果、当連結会計年度の売上高は144億1千4百万円(前期比6.8%増)、営業利益は6千万円(前期営業損失3億3千6百万円)となりました。
(東南アジア)
東南アジアは、中国をはじめとする各国での需要低迷の影響から販売は減少し、当連結会計年度の売上高は117億8千4百万円(前期比12.1%減)となりましたが、営業利益は、販売構成の変化や為替等の影響により4億3千8百万円(前期比42.2%増)となりました。
(中国)
中国は、日系自動車販売の回復が見られず販売が減少し、当連結会計年度の売上高は4億8千4百万円(前期比14.5%減)となり、営業損失は7千3百万円(前期営業損失3千万円)となりました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前期に比べ8億7千6百万円増加し32億2千万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の収入は前期と比べ5億3千万円増加し、15億2千3百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益の増加などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金は前期と比べ8億9千万円支出が減少し、1億9千1百万円の増加となりました。これは投資有価証券の売却による収入が7億9千3百万円増加したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の減少は8億9千6百万円となりました。前期は31億7千4百万円の減少でした。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 売上の中には受注生産によるものがあります。その売上高は総売上高に対して当連結会計年度では日本が27%、東南アジアが41%、中国が1%であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、半導体不足等の影響により自動車関連の減産が続いていることや中国での需要低迷もあり、266億8千3百万円で前期に比べて7億8千万円減収となりました。セグメントの状況では、日本の売上高は144億1千4百万円と前期に比べ9億1千8百万円の増収となり、東南アジアの売上高は117億8千4百万円と前期に比べ16億1千6百万円の減収となりました。
(営業利益)
当連結会計年度においては資源価格高騰等による製造コスト増加の影響などにより4億2千5百万円の営業利益となり、前期に比べ4億8千4百万円の増益となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は3億1千万円と前期に比べ3千9百万円減少し、営業外費用は8千7百万円と前期に比べ1億3千9百万円減少し、経常利益は6億4千8百万円と前期に比べ5億8千4百万円の増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
このほか特別利益として投資有価証券売却益6億5千3百万円、為替換算調整勘定取崩益8億7千1百万円を計上し、特別損失として減損損失6億1千1百万円の計上により、税金等調整前当期純利益は15億6千3百万円となりました。
税金等調整前当期純利益から法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は7億4千万円となり前期に比べ12億6千万円の増益となりました。
財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度の総資産は296億2千6百万円と前期末の290億8千1百万円に比べ5億4千5百万円の増加となりました。
資産のうち流動資産は159億9千6百万円と前期末の150億4千8百万円に比べ9億4千7百万円の増加となりました。この主な要因は現金及び預金が8億4千2百万円、その他が1億2千1百万円それぞれ増加したことなどによるものです。固定資産は136億2千9百万円と前期末の140億3千2百万円に比べ4億2百万円の減少となりました。この主な要因は、投資その他の資産が2億1千6百万円増加し、有形固定資産が5億8千7百万円減少したことなどによるものです。
(負債の部)
負債合計は139億2千8百万円と前期末の138億9千万円に比べ3千7百万円の増加となりました。負債のうち流動負債は101億3千7百万円と前期末の98億9千5百万円に比べ2億4千2百万円の増加となりました。この主な要因は支払手形及び買掛金が1億9百万円、未払法人税等が1億5千9百万円、その他が2億7千8百万円それぞれ増加し、短期借入金が3億5百万円減少したことなどによるものです。固定負債は37億9千万円と前期末の39億9千5百万円に比べ2億4百万円の減少となりました。この主な要因は長期借入金が3億1千1百万円減少し、繰延税金負債が1億5千6百万円増加したことなどによるものです。
(純資産の部)
純資産合計は156億9千8百万円と前期末の151億9千万円に比べ5億7百万円の増加となりました。この主な要因は利益剰余金が5億8千3百万円増加したことなどによるものです。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす要因として、当社グループを取り巻く事業環境が、主要ユーザーの生産拠点の海外シフトに伴う国内需要の伸び悩みや、原油価格の高騰による原材料価格の上昇等を背景に価格競争の激化等により、厳しい状況が続くものと予想される事などがあります。このほか、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は48億9千8百万円となっております。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は32億2千万円となっております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
中期経営計画の基本方針及び目標とする経営指標は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
また、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(注) 販売数量に一定の単価を乗じた額を受け取っております。
(2)株式譲渡契約
当社は、2024年3月1日開催の取締役会において、住化カラー株式会社の株式を取得することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結のうえ、2024年4月30日付で同社の株式を取得いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載しております。
(3)吸収分割契約
当社は、2024年5月10日開催の取締役会において、2024年10月1日(予定)を効力発生日として、当社が営む一切の事業(但し、グループ経営管理事業を除きます。)に関して有する権利義務の一部を、当社の完全子会社かつ分割準備会社として設立した株式会社日本ピグメント分割準備会社に吸収分割の方法により承継させることを決議し、2024年5月10日付で、当該吸収分割に係る吸収分割契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。
当社グループの研究開発活動は、主に日本国内で行っていることから製品別に状況を記載しております。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
当連結会計年度の研究開発活動は、樹脂コンパウンド、樹脂用着色剤を中心とした関連分野において、益々多様化、高度化する市場の要求に応えるべく、技術開発部を中心に、幅広い研究活動を展開しております。
当社グループの主要事業である当部門では、ユーザーの新しいニーズに応える為に、当社グループの長年にわたる研究開発で蓄積した高分散技術を応用し、自動車、家電、OA機器をはじめ、高機能性フィルム等の分野においても、食品用途から工業用まで幅広く研究開発を行っております。また、環境対応を主眼とし、リサイクル性を付与した製品、環境に配慮した製品づくりの研究開発にも取り組んでおります。
この部門では、当社グループ独自の着色剤選定技術、分散技術を基に生産されるマスターバッチ、ドライカラーなどの製品を自動車、家電、雑貨、繊維、シート、フィルム等の各分野に提供しております。高機能性、高意匠性を兼ね備えた製品は、市場から高い評価を得ております。昨今の厳しい品質要求に応え、さらなる高機能化、高付加価値化を目指し、新製品の研究開発、製造工程の改善など積極的に取り組んでおります。
ディスプレー用途ではカラーフィルター用ミルベースにおいて、国内外の多くのお客様より高い性能評価を頂いております。また、電子材料用途ではこのミルベースのナノ分散技術を応用した液体分散体や半導体向け導電材の研究開発も進めております。
環境にやさしい製品開発にも取り組んでおり、植物由来の原料や天然繊維を使用したコンパウンド加工技術の開発など天然由来の素材を使用した環境重視の製品の研究開発を行っております。このほか、当社グループでは最新ハードウエアに使用可能な新CCM(コンピューターカラーマッチングシステム) の研究開発及び、長年にわたり蓄積された分散技術を駆使し、ナノ分散を目指した新規用途向け製品の研究開発に取り組んでおります。