文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「品質こそ我らが命」を原点思想とし、「熱と暮らし」「健康と暮らし」をテーマとした商品・サービスの提供に努め、健全で心地よい暮らしの実現を目指します。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2021年度から2025年度を計画年度とする中期経営計画「New ERA 2025」において、以下を達成目標としております。
<2025年度 達成数値目標>
1.連結売上高 4,500億円
2.連結営業利益 500億円
3.連結営業利益率 11.1%
4.連結投下資本利益率(ROIC) 19.0%
5.総還元性向(5年平均) 40.0%
6.生活の質向上商品の売上高 100%UP(2020年度比)
地球環境貢献商品の売上高 70%UP(2020年度比)
7.CO₂削減貢献量 820万t
8.自己資本当期純利益率(ROE) 8.0%
9.連結配当性向 40.0%
※生活の質向上商品=各国の生活水準に合わせて特に生活の質向上に貢献する商品
(生活の質向上項目)
(1)利便性向上によるストレス低減 (2)住空間の安全性向上
(3)衛生改善・健康増進 (4)レジリエンス
※地球環境貢献商品=温室効果ガスや大気汚染物質の排出量低減に貢献する商品
※CO₂削減貢献量=地球環境貢献商品の拡販により、削減したCO₂排出量
従来機器使用時のCO₂排出量 ― 地球環境貢献商品使用時のCO₂排出量
※「6.生活の質向上商品の売上高・地球環境貢献商品の売上高」および「7.CO₂削減貢献量」は、2023年度までの進捗を踏まえ、2024年5月9日に2025年度の達成目標を以下のように上方修正しております。
(修正前)
生活の質向上商品の売上高 50%UP(2020年度比)
地球環境貢献商品の売上高 50%UP(2020年度比)
CO₂削減貢献量 700万t
(修正後)
生活の質向上商品の売上高 100%UP(2020年度比)
地球環境貢献商品の売上高 70%UP(2020年度比)
CO₂削減貢献量 820万t
※「8.自己資本当期純利益率(ROE) 8.0%」および「9.連結配当性向 40.0%」は、2023年5月10日に新たな資本政策を公表し、2025年度の達成目標として新たに追加しております。
(3) 経営環境及び経営戦略等
今後の世界経済は、世界的な物価・金利上昇を背景とした景況感の悪化や金融システムの不安定化、中東やウクライナ情勢の長期化といった不確実性の高い状況下で、原材料・部品等の調達コストやエネルギーコストの高止まり、化石燃料から再生可能エネルギーへのシフトなど、当社グループを取り巻く事業環境は引き続き厳しい状況が継続するものと想定しております。また人工知能やIoTなどの情報技術の急速な進化による生活様式や働き方の変容を通じ、人々の価値基準も大きく変化していくと考えられます。さらに地球温暖化に対する国際的な意識が高まる中、世界各国が脱炭素社会に向けた取り組みを強化しており、化石燃料を取り扱う企業は脱炭素社会を念頭に置いた長期的な事業内容の転換が求められてきております。
このような状況のもと、当社グループは2021年度から2025年度を計画年度とする中期経営計画「New ERA 2025」を推進しております。生活の質の向上や地球環境に貢献する商品の普及を目指す「社会課題解決への貢献」、成長市場や未参入地域での販売拡大による地域面での拡大と新規事業創出による事業面での拡大を図る「事業規模の拡大」、人材育成やソフトウエア開発といった重点分野への投資や消費者志向の発想、収益力の強化を通じた「企業体質の変革」という3つの戦略ストーリーの実現に向けた取り組みをさらに強化してまいります。そして「熱と暮らし」「健康と暮らし」分野における世界の社会課題解決にあらゆるエネルギー源と当社コア技術を活用して貢献することで、お客様との約束である「Creating a healthier way of living(健全で心地よい暮らし方を創造します)」の体現と、持続的で堅実な長期成長を遂げてまいります。
<3つの戦略ストーリー>
1.社会課題解決への貢献…「生活の質の向上」、「地球環境問題への対応」
2.事業規模の拡大…「地域領域の拡大」、「事業領域の拡大」
3.企業体質の変革…「消費者志向への変革」、「無形資産への重点投資」、「収益力の強化」
当社は、生産・販売体制を基礎とした6つの地域別セグメントを報告セグメントとしております。それぞれの事業戦略は以下になります。
〈日本〉
日本国内は少子高齢化や人口減少が続いており、今後は世帯数の減少も予測されます。また脱炭素社会に向けた取り組みやデジタル化の動きも加速していくことも予測され、ガスコンロやガス給湯機器などの既存事業だけでは今後の成長は厳しくなることが予想されます。当社グループは、「熱と暮らし」「健康と暮らし」をキーワードに、ガス衣類乾燥機や食器洗い乾燥機、マイクロバブルバスユニット、ウルトラファインバブル給湯器などの当社の独自性が高い商品による市場拡大と将来の成長基盤となる商品・サービスに向けた研究開発を推進するとともに、ハイブリッド給湯・暖房システム「ECO ONE(エコワン)」を中心とした環境・省エネ性に優れた給湯機器を、経済産業省の給湯省エネ事業での補助金制度を追い風にして普及を加速させることで低炭素社会、脱炭素社会実現に貢献してまいります。また、生活必需品としての側面を持つ当社商品の安定生産・安定供給を果たすべく強靭なサプライチェーン構築に努めてまいります。
〈アメリカ〉
給湯器の販売台数が年間1,000万台にのぼるアメリカ市場では、その約9割がタンクに湯を貯めて使用する貯湯式給湯器となっております。当社グループの主力商品である瞬時にお湯を作るタンクレスガス給湯器は、湯切れの心配がなく省エネ性能も高いため、貯湯式給湯器に比べ、利便性と環境性に優れた商品として現地での評価が高まり、市場が拡大しております。2022年度にはアメリカ市場におけるタンクレスガス給湯器の需要拡大に対応するため、新工場を立ち上げ本格的な現地生産をスタートいたしました。
一方で、一部地域では化石燃料から再生可能エネルギーへのシフトとして、新築住宅へのガス配管を禁止する動きも見られており、電化対応も進めております。
〈オーストラリア〉
天然資源が豊富なオーストラリアは、一次エネルギー消費の多くを石炭や天然ガスなどの化石燃料に依存していますが、近年、脱炭素社会に向けた取り組みとして、化石燃料から再生可能エネルギーへの利用拡大の動きが見られます。当社グループは瞬間式ガス給湯器に加え、電気貯湯式給湯器、家庭用ルームエアコン、ダクト式冷暖房システム、業務用空調機器等、多様なエネルギーの利用環境に対応した給湯機器や空調機器を展開しております。今後も従来機器の省エネ性能を高めるとともに、電気式ヒートポンプ給湯器などの再生可能エネルギーを利用した機器の拡充を図り、現地社会に最適なエネルギー機器の提供に努めます。
〈中国〉
不動産市場では不況が続く一方で、社会インフラの拡大と所得水準の向上により、中国におけるガス機器市場は拡大が続き、多くのガス機器メーカーが参入する競合市場となっております。当社グループはこれまで培ってきた制御技術により細やかな温度制御を実現した給湯器やセンサー機能を搭載したガスコンロなど、独自の価値提供を通し現地競合メーカーとの差別化を図るとともに現地生産における原価低減を進め、収益性の向上を図ってまいります。成長著しいインターネット販売およびインターネットのプラットフォーマーが持つネット実店舗での拡販やマーケティングの強化を通じ、市場での優位性を高めていくとともに、給湯機器に次ぐ新たなコア事業創出を図ることで中国市場での事業拡大に努めてまいります。
〈韓国〉
韓国経済は輸出依存度の高い中国経済の成長鈍化や少子高齢化の進行に伴い、韓国国内の景気は停滞が続いています。住宅関連事業の内需も厳しい状況にあり、コンロ市場においては、電気コンロの伸長により競合他社との価格競争は激化しています。当社グループは、コストダウンや生産性の向上、不採算商品の整理などの経営改善を着実に進めていくとともに、現地市場のニーズに対応した機器の開発や、内需影響を受けにくい輸出品目の拡充を推進してまいります。
〈インドネシア〉
インドネシアでは2006年から政府主導によるLPガス普及の国家プロジェクトが進められ、多くの家庭にガスコンロが普及しております。当社グループは日本で培った高品質のガスコンロの販売を続け、現地ガスコンロ市場での高いシェア及びブランドを獲得しております。また現地では、所得水準の向上によりキッチン一体型のビルトインコンロやレンジフードなど高価格帯商品へのシフトに加速感が出てきております。当社グループは成長著しいビルトイン商材のラインアップ拡充や主力であるガスコンロ販売を通じ、今後も現地生活文化の向上への貢献と事業拡大を推進してまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、対処すべき事業上の課題として、「生活の質の向上」、「地球環境問題への対応」を掲げ、それぞれの課題解決に向けた取り組みを推進してまいります。
‹生活の質の向上›
当社グループは給湯機器、厨房機器及び空調機器など、人々の生活に密着した商品を展開しており、商品のさらなる価値提供により、健康、上質、心地よさなど、お客様の「楽しみ」や「ワクワク」の体現を図り、「生活の質」の向上に貢献してまいります。
‹地球環境問題への対応›
当社グループの省エネ給湯機器を通して、CO₂排出量削減や大気汚染改善などを図り、「地球規模での環境課題の解決」に本業を通じて貢献してまいります。脱炭素社会実現に向けた長期企業方針「RIM 2050」のもと、当面の低炭素社会においては省エネ給湯機器の販売拡大を推進するとともに、多様なエネルギーに対応する技術の深化を図り、脱炭素社会の実現に対応してまいります。
また当社グループは、健全でリスクに強い財務基盤を構築しつつ、未来への成長投資と株主への安定還元を図ることを資本政策の基本方針としております。健全で心地よい暮らしの実現と、持続的成長に向けた戦略的投資を行うとともに、安定配当および配当性向の段階的な引上げによる配当の拡充と機動的な自己株式の取得による株主還元を通し、企業価値の向上に努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.サステナビリティ共通
ブランドプロミス「Creating a healthier way of living(リンナイは、健全で心地よい暮らし方を創造します)」のもと、生活の質の向上及び地球環境問題という社会課題の解決に向けて取り組んでおります。ESGの視点でサステナビリティの諸課題に取り組むことが上記社会課題の解決に結びつくものであり、積極的に取り組んでおります。
1)ガバナンス
当社は、グループ企業の競争力強化と継続的な企業価値向上の観点から、コーポレートガバナンスの強化、充実が経営上の重要課題として認識しております。当社は、経営の意思決定に社外の声を反映するため、社外取締役4名を選任しております。社外取締役は、当社の経営判断・意思決定の過程で専門分野を含めた幅広い経験及び見識に基づき、監督・助言を行うなど、意思決定の妥当性・適正性を確保するための適切な役割を果たしております。
また、業務執行体制については、経営環境の変化に迅速に対応できる機動的な経営体制を構築するため、執行役員制度を導入しており、社長以下の取締役の一部が執行役員を兼務し、取締役会の決議内容を担当部門の管理責任者に伝え業務執行を行っております。また、3ヶ月単位の全社経営会議および個別経営会議で経営進捗の確認と課題事項の共有化を図っております。
サステナビリティについては、ESG委員会規程に基づき、社長を委員長とする「ESG委員会」にて、関係部門と諸課題・対応策を議論の上、決定しております。また、そこで議論された内容は、定期的に取締役会に報告されます。
リスクについては、リスク管理規程に基づき、社長を委員長とする「リスク管理委員会」のもと、同規程に従った体制を構築し、リスクの低減とリスク対応力の向上に努めております。また、そこで議論された内容は、適宜、取締役会に報告されます。
2)リスク管理
当社は、全本部を含む関係部門が参加するリスク管理委員会を年4回開催しております。同委員会では、グループを含めたリスクに関する社内点検・改善の実施状況や近時の重要リスクについて、報告・確認を行い、情報共有を図るとともにリスクの未然防止に努めております。具体的には、生命・信用・事業活動・財産に影響をおよぼす恐れのあるリスクを特定し、項目ごとに「影響度・発生頻度」にて重要性を評価した「重要リスク一覧表」を作成しております。また、項目ごとに責任担当部門を決め、未然防止の仕組みづくり、危機の早期解決、損害の最小化、再発防止などを議論し、取り組んでおります。
2.気候変動
1)ガバナンス
当社は、2021年にリンナイグループのカーボンニュートラル実現に向けて「RIM 2050」を策定、公表しました。この中では、商品ライフサイクルでの「開発・生産」「商品物流」における事業活動と「商品使用」「廃棄」における商品使用時のCO₂排出量の目標と共に、2030年をターゲットとする「低炭素」に向けて、従来から活動を進めている高効率給湯器「エコジョーズ」やハイブリッド給湯・暖房システム「ECO ONE(エコワン)」の普及拡大を加速すること、2050年をターゲットとする「カーボンニュートラル」に向けては、e-メタン・グリーンLPガスといった技術開発の動向を注視して従来機器における継続利用の可能性を探り、また水素燃焼機器やハイブリッド給湯器と再エネ技術を組み合わせたシステムの開発などによって長期的な事業戦略を模索していくことを定めております。
これらに関する施策については、品質保証本部環境部が主管となり立案し、ESG委員会にて関係部門議論の上、決定されます。また、その議論の内容、進捗に関しては、定期的に取締役会に報告されます。
2)リスク管理
気候変動については、品質保証本部環境部を責任担当部門として、開発本部、生産本部、生産技術本部等の関係部門と連携の上、未然防止の仕組みづくり等を進めております。
3)目標・指標
当社は気候変動リスクへの対応として「エネルギー効率の向上、およびそれを実現した環境配慮型商品の開発・普及」が重要と考え、重要課題(マテリアリティ)の一つを「エネルギー消費量、CO₂排出量」とし、主な目標指標として「商品使用時におけるCO₂削減貢献量」や「環境貢献商品の売上目標」を定め、気候変動リスクへの対応に努めております。
中期経営計画「New ERA 2025」では、商品使用時におけるCO₂削減貢献量を820万tとして目標設定しております。省エネ性・環境性を追求した給湯・暖房機器を開発し、家庭への普及・促進を通して、使用時におけるエネルギー消費、および家庭から排出されるCO₂の削減を目指します。
また、「New ERA 2025」では、当社グループが販売する商品の中でCO₂排出量低減となるものを、地球環境貢献商品として設定しております。2020年度を基準年として、2025年度には地球環境貢献商品の売上高を170%にする目標を掲げております。
事業活動におけるCO₂排出量の削減は、工場や事業所においてグリーン電力の購入や非化石燃料設備の導入によって、スコープ2は国内を2030年までにCO₂排出ゼロ、海外は2050年までにゼロを目指し、スコープ1については国内・海外ともに2050年までにゼロを目指します。
4)戦略
熱機器を取り扱う企業として気候変動に関わる諸課題の検討は重要であると認識しており、それらがリンナイのビジネスに与える影響を想定しております。また、この先の変化に応じた対応や利益影響を検討しております。
※1.5℃シナリオ/4℃シナリオ:
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書(2014年発表)にて用いられた、地球温暖化における約1.5℃の気温上昇、および約4℃の気温上昇によってどのような影響があるかを想定する予測シナリオ
3.人的資本・多様性
中期経営計画「New ERA 2025」では、「社会課題解決への貢献」「事業規模の拡大」「企業体質の変革」を軸とした戦略ストーリーを策定し、持続的で堅実な長期成長を目指しています。次世代への成長の第一歩として掲げたこれら戦略ストーリーを実現するためには、その原動力となる従業員の力を結集し、チャレンジし続けることが必要不可欠となります。当社では、経営戦略に紐づく人的資本への投資を積極的に行うとともに、戦略ストーリーの推進を通じた企業成長を実現することはもちろん、そのプロセスの推進により従業員の成長そしてエンゲージメントの向上を実現していきます。
・人的資本戦略の概略図(指標および目標)
・重点施策(人材育成方針、社内環境整備方針)
『グローバル』人材の育成
海外売上比率が50%を超えた当社にとって、海外市場での成長は事業規模拡大を加速させる大きなドライバーとなります。海外展開をこれまで以上に強力に推進していくため、グローバル人材の質と量を確保していくことは、人材戦略上の重要な位置づけであります。具体的な取組みとして、国別・部門別に必要なポジションを明確化、海外人材育成のためのプログラム展開、海外人材プールの設定を行っています。現在当社の海外出向経験者数は120名、人材プールは118名であり、これからも増加傾向にあります。今後も、社員への教育に関するサポートを充実させ、グローバル市場における競争力を高め、これまで以上に、海外事業の推進に注力し、持続可能な成長と競争力の確保を目指してまいります。
『DX』人材の育成
購買行動や流通構造が変化する社会において、本業における将来的な競争力を確保するため、これまでのビジネスや業務のプロセスの有り方を根本から見直し、消費者志向への転換など企業体質の変革を実現することが必要不可欠です。2024年3月には経済産業省が定めるDX認定制度に基づき、「DX認定事業者」としての認定を取得いたしました。人材面においては、当社のDXを先導する推進コア人材について「DXビジネス人材」、「DX技術人材」と定義し、専門的な育成プログラムを開始しております。現在はDXビジネス人材の候補者を22名設定し人材育成を開始しました。また、推進コア人材以外の社員にもITリテラシーの教育に力を注いでおり、2023年度には約300名の社員がのべ1万時間をスキルアップの時間として利用しました。今後も、新たなビジネスの創出と経営の合理化を実現するため、全社を挙げてスキルアップに取り組んでまいります。
『ブランド』の浸透
当社では、2016年より国内外ともに一貫したブランド戦略を推進・展開しており、そのブランディング活動の中核に位置付けているのが、従業員への浸透活動です。新ブランド制定当初より、従業員一人ひとりがブランドプロミス「Creating a healthier way of living」を理解し、日々の業務の中で体現していくことが、リンナイブランドを確立していく上で必要不可欠な要素と考え、当社社員を中心に浸透教育を実施してきました。また定期的に従業員のブランドに対する理解度を調査しており、2023年度は肯定的な回答が56%(昨年比△4%)という結果でした。これらを踏まえ、各部門毎にブランドアンバサダーや指名者への重点教育を行い、一層のブランド浸透を推進いたしました。全従業員に対してもブランド浸透教育を実施し、当年度は目標とした受講率100%を達成致しました。今後も引き続き従業員一人ひとりがブランドプロミスを意識し、皆様から選ばれるリンナイブランドを確立してまいります。
戦略を支える『人材投資』 (教育機会の増大、多様性の推進、社員の働き方/職場環境)
グローバル、DX、ブランドの取り組みに加え、経営戦略を実行する上で必要不可欠な従業員のパフォーマンス向上を狙う中長期的な人材投資も進めております。企業の成長においては、従業員が会社の方針や戦略に共感し、誇りを持ち自発的に仕事に取り組むことが必要不可欠であると考えています。当社では、2021年度より全社員を対象とした「従業員エンゲージメント調査」 を実施し、現状の各組織課題の明確化および活性化施策を推進しています。直近の2023年10月に実施した第2回エンゲージメント調査では、社員の肯定的回答が前回比△5ポイントと芳しくない結果となりました。人々の生活にかかせない製品・サービスを提供していることに対し、誇りを持ち使命感高く働くことができている一方で、会社や自分自身のキャリアに対する不安や現状維持マインドが強い社内の雰囲気が影響し、エンゲージメントスコアが下がる結果となりました。従業員視点のこれら結果をもとに、会社の成長および従業員のエンゲージメント向上を実現するため、「教育機会の増大」、「多様性の推進」、「社員の働き方/職場環境」といった戦略を支える人材投資をさらに加速させ取り組んでいきたいと考えています。
・「教育機会の増大」
人的資本戦略の中でも社員に対する教育投資は特に重要と認識しており、従業員の能力向上と成長を促進するために積極的な教育機会の提供を行っています。当社の教育訓練費は、過去数年間で着実に増加しており、その推移は下図の通りです。この増加は、従業員の能力向上と成長に直結し、組織全体の競争力を高めることに貢献しています。また従業員の基礎的なビジネススキル・専門性の向上施策および将来のキャリアを踏まえた主体的な学びを後押しする環境の整備を行い、当社の自己啓発プログラムへの参加社員数は796名(前年比136%)と着実に増加しております。従業員の自己啓発は、モチベーション向上やスキルアップだけでなく、組織文化の形成や持続可能な成長にも貢献しています。上記に加え、全社視点で経営を担うリーダーの発掘・育成が必要不可欠として2021年度より中核人材育成プロジェクトを開始しております。現在は2期生の教育プログラムを実施しており、これまでに計48名が同プロジェクトを経験しております。他にも早期のマネジメント力向上施策としてプレマネジメント教育を実施し第1回は計50名が受講いたしました。今後も、教育訓練への投資を継続し、従業員の能力開発と組織の発展に努めてまいります。
・「多様性の推進」
リンナイは多様な価値観・経験を持つ人材の活用による新たなアイディア創出のため、様々な取組みを始めています。特に女性社員については、その能力活用についてはまだまだ対策の余地があると認識しております。2023年度の取組状況は以下の通りで、総合職新卒採用女性11名(男女比11%)、一般職から総合職への職系転換が4名(女性4名/対象者4名)、女性管理職比率1.0%(3名が管理職へ昇格)となり様々な方面から多様性推進を積極的に行い、女性社員の基幹業務での活躍を推進しております。また女性社員だけでなく男性社員の育児休業の取得も奨励しており、2025年度:取得率50%の目標に対し、2023年度は取得率36%と進捗致しました。今後は女性社員がキャリアを継続できる働きやすい環境づくりと並行して、育児に対する男性の理解促進や働き方の見直し、無意識の偏見の理解、管理職候補者の選定および計画的な育成などを通じ、社内の風土醸成を行ってまいります。現状はまだ道半ばではありますが、当社の女性活躍推進における課題に対処するために、今後も積極的に取り組みを継続し、全従業員の参画と意識改革を促進してまいります。そして多様性と包括性を推進することで組織全体のイノベーション力と競争力を向上していきます。
・「社員の働き方/職場環境」
当社では、社員の働き方と職場環境の向上に真摯に取り組み、健康サポートや人事制度改定などの取り組みを通じて、社員のエンゲージメントと生産性を向上させることを目指しています。全社員が利用できる福利厚生サービスでは健康をサポートするプログラムを積極的に展開しており、利用者は2,098人(前年比+806名)と年々向上しています。その他定期的な健康診断やストレスチェック、リニューアルした社員食堂での健康食を提供し、社員の健康維持やストレス管理を支援しています。人事制度面においては社員の働き方や時代変化に適した制度の見直しの必要があると考え、時間有給制度の導入、家族手当の見直し、再雇用者の働き方の見直しを実施いたしました。従業員がワークライフバランスの向上を実感し、より充実した職場環境で働くことができるようになることで、組織全体の成果にもポジティブな影響を与えています。今後も社員の声に耳を傾けながら、より良い職場環境の実現に向けて努力を継続してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
戦略・事業を遂行する上でのリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な項目を以下に記載します。
当社グループでは、社長を委員長とする「リスク管理委員会」にて事業活動における様々なリスク項目を抽出して「影響度・発生頻度」にて重要性を評価し「重要リスク一覧表」として明確化することからグループ内統制を図っております。また、項目毎に主管部門も設定し、日常の維持・改善活動を推進しております。
1.市場の環境と状況
1)住設機器メーカーとしての市場リスク
当社グループが事業展開するガス機器を中心とした熱エネルギー機器市場について、国内は既に成熟化しており、数社が競合しております。更には、昨今の電力・ガス販売の自由化に伴うパートナーの変化及びインターネット直販の拡大等により流通は大きな変革期にあります。一方、海外市場は、当社グループ売上の50%を超える規模に成長し、今後は中国、アメリカの生産・販売拡大や中南米、アフリカ等への新規市場開拓も急務となっております。このような国内外の状況を踏まえ、以下を事業全体のリスクとして認識しております。
(1)新製品開発と販売戦略の不成功による、売上・利益の減少、投資の未回収
(2)新規市場開拓の不成功、新規事業の不成功
上記リスクが顕在化した場合は、経営成績や財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
2)法規制・政策・制度等の変更によるリスク
当社グループは、世界各国で現地の法令、規制及び政策に従い事業を遂行しておりますが、これらが変更された場合や見解の相違があった場合及び、予測不能な新たな法令・規制が設けられた場合は、当社グループの経営成績や財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
2.経営に関するリスク
1)製品及びサービス品質
当社グループは、「品質こそ我らが命」を原点思想として、ゼロディフェクト(不良ゼロ)を目標に「熱エネルギー機器」を提供しております。当社社員はその精神の元、各国毎の製品安全の規格を準拠して商品開発し、独自の品質基準で製造・販売・サービス活動を行っています。しかしながら、不具合の発生等、以下を品質に係るリスクとして認識しております。
(1)重大事故や多発故障発生時のリコールによる費用損失
(2)製品・部品の不具合点検と交換による損失
(3)サービス、CS対応の不具合による社会的信用の失墜、ブランド価値の低下
上記リスクが顕在化した場合は、経営成績や財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
2)原材料及び部品の調達と物流
当社グループは、製品の生産において複数の取引先から原材料や部品を調達しています。各社とは密接な情報交換と技術連携を行う中、安定的調達に努めておりますが、以下を製造に係るリスクとして認識しております。
(1)原材料価格(鉄鋼、銅、真鍮、アルミ)の高騰による製造原価の上昇、利益の減少
(2)取引先の倒産や事故、能力不足による部品調達の遅延、当社主要ラインの停止
(3)物流倉庫及びトラックの不足、海運船便の不足による費用アップ、利益減少
(4)サプライヤーにおける人権リスク(強制労働・児童労働、紛争鉱物など)により社会的信用の失墜、ブランド価値の低下
上記リスクが顕在化した場合は、経営成績や財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
3)知的財産権の侵害
当社グループは、商品の生産・販売面で重要と思われる地域において、商標・特許・意匠などを出願し、知的財産権の保護に努めております。しかしながら、当社グループ各社の知的財産権を侵害する可能性のある第三者の商品や類似商品を完全には排除できない状況にあり、以下を知的財産に係るリスクとして認識しております。
(1)第三者によるコピー商品や類似品の生産販売により売上減少、ブランド価値の低下
(2)第三者から知的財産権の侵害を追及され裁判敗訴による損害賠償、商品の販売停止
上記リスクが顕在化した場合は、経営成績や財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
3.人材に関するリスク
1)人材の確保・育成
当社グループは、メーカーとしての企業間競争を勝ち抜くために、新商品を創造する専門技術に精通したエンジニア人材及び、組織運営や経営戦略を企画推進するマネジメント人材の確保・育成を着実に行う必要があります。また、少子高齢化が更に進む将来を鑑み、以下を人材に係るリスクと認識し、中長期を見据えた計画的な採用と育成を行っております。
(1)優秀なエンジニアの確保及び育成計画未達成による新製品開発力の減退
(2)優秀なマネジメント人材の確保及び育成計画未達成による事業の縮小
(3)製造・営業・サービスにおける従業員の絶対数不足による需給計画の未達成
当社グループは、上記リスクが顕在化した場合は、事業展開、業績成長見通しにおいて悪影響を及ぼす可能性があります。
2)コンプライアンス
当社グループは、コンプライアンスを「社員の行動規範」の最上に位置付け、「倫理綱領」にまとめ社員に配布し、教育および定期的な唱和による意識定着を図っております。そして、以下をはじめとするコンプライアンス関連の違反による社会的信用の失墜や訴訟、行政処分等が発生するリスクの存在を認識し、職場教育の徹底と社風の醸成を推進しております。
(1)カルテル等の競争法違反行為
(2)贈収賄行為
(3)人権侵害行為
当社グループは、これらの「法令及び企業倫理や社会的規範に反する行動等」が発生した場合には、対応に要する直接的費用にとどまらず社会的信用の失墜から、経営成績や財務状態に悪影響を与える可能性があります。
4.海外事業展開に関するリスク
当社グループは、アジア・北米・オセアニア等に、子会社を保有しておりますが、これら海外市場への事業進出には、以下のリスクが存在していることを認識しております。
(1)政策、法令、規則、税制の一方的な変更による、操業停止、移転、事業縮小、損失
(2)テロ・戦争・紛争などの要因での社会的混乱による操業停止(撤退)、事業縮小
(3)出向者及び家族の病気、誘拐、事故事件、風土病感染による救済費用、風評被害
(4)社会的共通資本(インフラ)の未整備による機会損失、損害
上記リスクが顕在化した場合は、将来展開や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
5.為替の変動に関するリスク
当社グループは、連結で海外の売上高が50%を超えておりますが、売上・費用・資産・負債の項目は円換算されており、現地通貨の価値変動以上に換算時の為替レートが影響を受ける可能性があります。また、一般に他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上の重要部分を占めるUSドル、人民元に対する円高)は、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼします。よって、以下を為替の変動リスクとして認識しております。
(1)予想を超える為替変動による利益の減少
(2)海外子会社の円通貨換算の影響による利益の減少
当社グループは、将来の為替相場変動リスクの回避を目的として、通常の営業過程における輸出入取引に係る為替変動リスクに対して、為替予約によるリスクヘッジも行っておりますが、完全に回避できる保証はなく、経営成績や財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
6.ITに関するリスク
当社グループは、効率的な業務遂行のためITシステムを利用しておりますが、システムの高度化・複雑化によって利便性が向上する一方で、以下をITに係るリスクとして認識しております。
(1)個人情報(お客様、従業員)の漏洩による補償及び訴訟
(2)社外秘情報の漏洩による事業への損害、社会的信頼性の失墜と取引額縮小
(3)サイバー攻撃、ハッカー、ウイルスによるシステム破壊や情報漏洩による損失
(4)システム障害による業務の停止及び需給納期の未達成
当社グループはこのようなリスクに対して専門部門(情報セキュリティ対策室)を設けて、ハード面ではサイバー攻撃に備えた対策の実施、ソフト面では通信の監視、社内規程充実や社内教育などのリスク回避策を講じておりますが、上記のリスクが顕在化した場合は、経営成績や財務状態に悪影響を与える可能性があります。
7.自然災害、事故等によるリスク
当社グループは、地震・風水害等の自然災害、火災爆発等の事故を以下の様にリスクとして位置付け、BCPや災害・事故発生時対応規程、社員の安否確認システム構築などを準備しています。
(1)大規模自然災害による事業所機能の停止、サプライチェーンの分断
(2)火災爆発による事業所閉鎖、生産及び出荷の遅延
上記リスクが顕在化した場合は、直接的な復旧費用にとどまらず社会的信用の失墜から、経営成績や財務状態に悪影響を与える可能性があります。
8.感染症に関するリスク
当社グループは、重大な感染症が流行した場合、生産・販売活動が停止することとなり、経営成績や財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は以下を感染症リスクとして認識しています。
(1)感染症の蔓延により、自社製品の生産・販売活動の停止による売上減少
(2)パンデミックによる世界的景気後退の影響により当社製品の販売減少
(3)同影響による得意先・仕入先の休業や倒産により生産数や売上の減少
当社グループは、このような事態を回避すべく早期の対策本部設置により社内統制を図るとともに国や自治体の方針・政策等に従って対応を進めます。
9.環境に関するリスク
全世界における地球温暖化に対する危機感の高まりを受け、日本政府および関連業界で脱炭素社会の実現(カーボンニュートラル)に向けての動きが加速しております。これにより、将来的に化石燃料を使用する製品の製造・販売が規制・禁止されるおそれがあり、経営成績や財務状態に多大なる悪影響を及ぼす可能性があります。
これに伴い、化石燃料を主エネルギーとする家庭用機器を中心に製造・販売する当社グループは、脱炭素社会の実現に向け、2050年にCO₂の排出量ゼロを目指す「RIM 2050」を定めております。商品の製造・輸送時だけでなく、商品使用・廃棄に至るまでの商品ライフサイクル全ての過程においてCO₂の排出量ゼロを目指して取り組んでまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、世界的な物価上昇や金融引き締めによる景況感の悪化、不動産問題等を抱える中国経済の停滞、中東やウクライナ情勢の長期化がもたらす影響など、厳しい状況が続いております。また国内経済においても、新型コロナウイルス感染症による需給バランスへの影響が残るなか、原材料・エネルギーコスト高騰を背景とした物価上昇や先行き不透明な為替変動が続き、予断を許さない状況となっております。
国内の住宅関連業界は、緩やかな減少が続く持ち家住宅を中心に新設住宅着工戸数が弱含みで推移する中、住宅設備機器業界はリフォームにおいて回復の動きが見られております。
このような状況の中、当社グループは中期経営計画「New ERA 2025」における3つの戦略ストーリーである「社会課題解決への貢献」、「事業規模の拡大」、「企業体質の変革」の実現に向けた取り組みを推進しており、5年間の中期経営計画の折り返し地点となりました。この3年間は、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響によって、需給バランス・サプライチェーン・物流など様々な混乱事象に翻弄された期間ではありましたが、残す2年は事業環境が正常化に向かうとの想定のもと、中期経営計画「New ERA 2025」の達成に向け、邁進してまいります。
重点的な取組みとして中期経営計画に掲げた社会課題の解決に向け、カーボンニュートラルへの対応を進めております。具体的には、貯湯式給湯器が主流の米国においては、より省エネ性能の高いタンクレス給湯器の普及により、CO₂の排出量の削減に貢献しております。また、豪州においては、脱炭素社会に向けた取り組みとして、化石燃料から再生可能エネルギーへの利用拡大が急激に進んでおり、電気商材を拡充し対応しております。
日本においては、より高い省エネ性能が求められる時代のニーズに適合したハイブリッド給湯・暖房システム「ECO ONE」を普及するために、経済産業省の給湯省エネ事業での補助金制度を追い風にするとともに、より省スペース・施工性を向上した「ECO ONE X5」を中心に、拡販を進めております。さらに、共働き世帯の増加により高まる家事の時短ニーズに応える食器洗い乾燥機やガス衣類乾燥機の販売も順調に推移し、お客様との約束である「Creating a healthier way of living(健全で心地よい暮らし方を創造する)」の実現と持続的で堅実な長期成長に向けた取り組みも着実に進めております。
当連結会計年度の業績は、販売面につきましては、世界的な物価上昇や一部地域での金利の高止まりにより消費マインドが低迷し、自社・流通在庫が高水準で推移しておりましたが、下期にかけて解消に向かい、増収となりました。損益面につきましても、在庫水準の適正化に伴い、生産体制を例年水準に戻したことや価格改定効果の浸透などにより大きく回復しましたが、上期のマイナスを挽回するに至らず、当社グループの営業利益は減益となりました。
この結果、売上高は4,301億86百万円(前期比1.2%増)、営業利益は393億62百万円(前期比5.0%減)、経常利益は460億71百万円(前期比3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は266億67百万円(前期比2.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
日本は、売上高1,923億54百万円(前期比2.3%減)、営業利益179億65百万円(前期比23.9%減)となりました。
アメリカは、売上高578億75百万円(前期比3.8%増)、営業損失11億97百万円となりました。
オーストラリアは、売上高303億38百万円(前期比9.7%増)、営業利益は12億45百万円(前期比5.6%増)となりました。
中国は、売上高718億86百万円(前期比8.7%増)、営業利益は121億46百万円(前期比14.9%増)となりました。
韓国は、売上高318億74百万円(前期比0.7%減)、営業利益は16百万円(前期比97.7%減)となりました。
インドネシアは、売上高149億13百万円(前期比8.0%減)、営業利益は27億45百万円(前期比14.4%増)となりました。
(注)売上高についてはセグメント間の取引を相殺消去した数値によっております。
②キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況について、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて36億16百万円増加し、1,238億29百万円(前期比3.0%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
主に営業利益の確保による資金の増加、法人税等の支払による資金の減少等の結果、営業活動によって得られた資金は433億47百万円(前期比123.6%増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主に有形固定資産の取得による支出等により、投資活動の結果支出した資金は199億68百万円(前期比33.6%減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主に自己株式の取得による支出や配当金の支払い等により、財務活動の結果支出した資金は236億64百万円(前期比11.0%増)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本 (百万円) |
201,113 |
86.64 |
|
アメリカ (百万円) |
13,521 |
110.58 |
|
オーストラリア (百万円) |
11,386 |
107.78 |
|
中国 (百万円) |
66,624 |
107.68 |
|
韓国 (百万円) |
29,128 |
95.81 |
|
インドネシア (百万円) |
14,179 |
91.87 |
|
報告セグメント計 (百万円) |
335,954 |
92.64 |
|
その他 (百万円) |
18,814 |
96.01 |
|
計 (百万円) |
354,769 |
92.82 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本 (百万円) |
23,355 |
101.71 |
|
アメリカ (百万円) |
1,351 |
52.31 |
|
オーストラリア (百万円) |
10,879 |
117.83 |
|
中国 (百万円) |
2,673 |
106.61 |
|
韓国 (百万円) |
1,576 |
71.65 |
|
インドネシア (百万円) |
1,219 |
78.46 |
|
報告セグメント計 (百万円) |
41,057 |
100.03 |
|
その他 (百万円) |
5,573 |
90.94 |
|
計 (百万円) |
46,631 |
98.85 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
c.受注実績
当社グループは受注見込による生産方式をとっておりますので、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本 (百万円) |
192,354 |
97.7 |
|
アメリカ (百万円) |
57,875 |
103.8 |
|
オーストラリア (百万円) |
30,338 |
109.7 |
|
中国 (百万円) |
71,886 |
108.7 |
|
韓国 (百万円) |
31,874 |
99.3 |
|
インドネシア (百万円) |
14,913 |
92.0 |
|
報告セグメント計 (百万円) |
399,242 |
101.2 |
|
その他 (百万円) |
30,943 |
101.3 |
|
計 (百万円) |
430,186 |
101.2 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは2021年度から2025年度を計画年度とする中期経営計画「New ERA 2025」を推進しております。計画遂行の達成状況を判断するための客観的な指標として、中期経営計画の最終年度である2025年度における連結売上高営業利益率11.1%および連結ROIC19.0%の達成を重要な数値目標としております。また、2023年5月に連結ROEを重要な経営指標として定め、「中長期的な利益の持続的成長」という基本方針のもと、2025年度の目標を8.0%と設定いたしました。
当連結会計年度においては、世界的な物価の上昇や金利の高止まりにより販売が低調に推移したことに加え、原材料・エネルギー価格の高騰を始めとした各種コスト増により収益性が鈍化した結果、連結売上高営業利益率は9.2%(前期比0.5ポイント減)、連結ROICは、引き続き供給遅延対策として実施している棚卸資産増加や設備投資の進捗、成長投資の実行により投下資本が増加したことで10.5%(前期比2.8ポイント減)となりました。また連結ROEは販売減による減益となるなか、配当性向の段階的な引上げおよび自己株式取得により7.1%(前期比0.3ポイント減)となりました。中期経営計画に掲げた戦略の実現に向け、今後もグループ全体の連携を図り収益性と資本効率を高めてまいります。
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ299億74百万円増加し5,770億88百万円(前連結会計年度末は5,471億14百万円)となりました。
流動資産は、3,414億37百万円(前連結会計年度末は3,415億20百万円)となりました。これは主に、棚卸資産が111億74百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、2,356億50百万円(前連結会計年度末は2,055億93百万円)となりました。これは主に、有形固定資産が292億58百万円増加したことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、電子記録債務等の減少と、繰延税金負債等の増加により、前連結会計年度末に比べて2億64百万円減少し1,396億50百万円(前連結会計年度末は1,399億14百万円)となりました。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び為替換算調整勘定が増加した一方で、自己株式の取得及び消却をしたこと等により、前連結会計年度末に比べて302億38百万円増加の4,374億38百万円(前連結会計年度末は4,071億99百万円)となり、自己資本比率は67.2%となりました。
b.経営成績
(売上高)
売上高は、国内では下期にかけて流通在庫が適正化したことに加え、ハイブリッド給湯器などの重点商品の販売が伸長し、海外ではアメリカや中国を中心に主力商品の販売が増加したことによって、前連結会計年度に比べ1.2%増の4,301億86百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、原材料価格やエネルギー費の高騰などにより、前連結会計年度に比べ1.9%増の2,923億43百万円となりました。販売費及び一般管理費は、販売拡大に伴う販売促進費の増加などによって、前連結会計年度に比べ1.6%増の984億79百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、為替差益の増加などによって、前連結会計年度に比べ2.2%増の266億67百万円となりました。
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
〈日本〉
流通在庫が下期に適正化し、期初から調整していた生産を第3四半期に例年水準に戻したことに加え、補助金の追い風を受けたハイブリッド給湯・暖房システム「ECO ONE」が伸長するなど重点商品の販売が順調に推移しました。しかし、上期のマイナス分を取り返すことが出来ず、日本の売上高は1,923億54百万円(前期比2.3%減)、営業利益は179億65百万円(前期比23.9%減)となりました。
セグメント資産は、下期にかけて販売が伸長したことで売上債権が増加したことなどによって、前連結会計年度末に比べ18億68百万円増加し、3,610億53百万円となりました。
〈アメリカ〉
新築住宅着工に持ち直しの動きはあるものの金利の高止まりが継続し、消費マインドが低調に推移しましたが、為替換算影響によりアメリカの売上高は、578億75百万円(前期比3.8%増)となりました。利益面においては、期初からの減産調整により固定費の負担が増し、大幅な営業赤字となりましたが、下期には在庫削減に伴う保管費用の減少や人件費の抑制などの経費削減効果により改善しました。この結果、上期の営業赤字を縮小し、営業損失は11億97百万円となりました。
セグメント資産は、棚卸資産が減少したことなどによって、前連結会計年度末に比べ47億71百万円減少し、453億4百万円となりました。
〈オーストラリア〉
住宅市況が弱含みで推移したことに加え、電化への市場変化が急激に進むなか、ヒートポンプ給湯器や電気タンク式給湯器などの電気商材の販売が引き続き好調となりました。その結果、オーストラリアの売上高は303億38百万円(前期比9.7%増)、営業利益は12億45百万円(前期比5.6%増)となりました。
セグメント資産は、販売の増加により売上債権が増加したことなどによって、前連結会計年度末に比べ26億65百万円増加し、329億87百万円となりました。
〈中国〉
依然として不動産市況は低調に推移していることに加え、消費マインドの低下が継続するなか、EC販売が好調に推移したことやECのプラットフォーマーが持つ実店舗によって販売地域が拡大したことで、売上高は718億86百万円(前期比8.7%増)、営業利益は121億46百万円(前期比14.9%増)となりました。
セグメント資産は、販売の増加により売上債権が増加したことなどによって、前連結会計年度末に比べ145億15百万円増加し、933億53百万円となりました。
〈韓国〉
期末にかけて、住宅着工件数に底打ちの動きが見られたものの激しい価格競争により主力のボイラー販売が低調に推移した結果、売上高は318億74百万円(前期比0.7%減)となりました。利益面においては、厳しい状況下で、固定費削減を徹底し営業利益は16百万円(前期比97.7%減)となりました。
セグメント資産は、リース資産等の有形固定資産が増加したことなどによって、前連結会計年度末に比べ11億94百万円増加し、231億96百万円となりました。
〈インドネシア〉
物価上昇に伴い個人消費が低迷し、販売は低調であったものの、販売価格の改定、原材料価格の低下、原価低減活動の結果、インドネシアの売上高は149億13百万円(前期比8.0%減)、営業利益は27億45百万円(前期比14.4%増)となりました。
セグメント資産は、営業活動によるキャッシュ・フローの獲得により現金及び預金等などが増加したことなどによって、前連結会計年度末に比べ18億95百万円増加し、167億62百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、主に営業利益の確保により、営業活動によって433億47百万円の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)を獲得した一方で、投資活動においては、営業拠点、工場など成長分野への積極的な設備投資を推進したことなどによって199億68百万円、また、財務活動においては、継続的な増配と自己株式の取得による株主還元を実施したことなどによって236億64百万円の資金をそれぞれ支出しました。これらの結果、当連結会計年度末における資金は、前連結会計年度に比べて36億16百万円増加し、1,238億29百万円となりました。また、今後の資本政策については基本方針に基づき、生活必需品としての要素が高い当社グループ商品の安定供給を図るべく、災害時における早期復旧費用などのリスク対応資金を確保し、健全な財務基盤を構築するとともに、持続的成長に向けた研究開発や設備投資、無形資産への戦略的投資と、安定配当および配当性向の段階的な引上げによる配当の拡充と機動的な自己株式の取得を通じた総還元性向の向上による株主還元の充実に努めてまいります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは、原材料や部品の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は主に設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金、設備投資及び長期運転資金について、営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は37億62百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の数値ならびに当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社グループの重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、特に製品保証引当金及び繰延税金資産に関する見積り及び判断が連結財務諸表の作成に重要な影響を及ぼすと考えております。
a.製品保証引当金
当社及び一部の連結子会社は、製品の無償修理費用の支出に備えるため、製品保証引当金として製品に関する保証費発生見積額を計上しております。当該会社の保証費発生見積額は、過去の発生実績率に基づいて計算した額を計上しておりますが、実際の発生実績率又は製品保証費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要になる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、課税所得の将来の見積額や一時差異等のスケジューリングの結果に基づき繰延税金資産を計上しております。今後、経営環境の悪化等により課税所得の見積りを減額された場合等には繰延税金資産を取り崩す必要が生じ、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当ありません。
当社グループの研究開発は、人々がより健康的で豊かな、より楽しみに満ちあふれたワクワクする生活と、脱炭素社会の実現に向けた取組みにより持続可能な地球環境に貢献することの両立を目的としております。そのため、電子・制御技術、ガス、燃焼及び流体制御技術、センサー技術、AI/IoT技術を核として、誰もが安心してお使い頂けるよう、また、健全で心地よい暮らし方を提案できるよう、商品の安全高度化を進めながら、省エネや省資源・リサイクル等を追求した付加価値の高い環境配慮型機器や、カーボンニュートラルに向けた水素燃焼機器、電化対応機器(ヒートポンプ機器)の研究開発を進めております。また外部と積極的に連携し2023年度は25件の研究テーマを実施してまいりました。
現在の研究開発は、当社の開発本部および生産技術本部において給湯、厨房、空調の各分野を中心に推進しております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(給湯機器関係)
国内の家庭用給湯分野では、環境に配慮した商品(ハイブリッド給湯器、ヒートポンプ、電化対応商材)の開発スピードを向上させるため、人員の補強・試験設備の増設により開発体制を更に強化しました。ハイブリッド給湯・暖房システム製品において、普及を促進するため、新築集合住宅向けに集合用ハイブリッド、既築戸建て住宅向けにプラグインハイブリッドを発売し、ラインアップを充実させました。
お客様の生活の質向上を目指して、「Air Bubble Technology(エアバブルテクノロジー)」搭載給湯器のラインアップを拡充しました。ガス給湯暖房用熱源機にマイクロバブルバスユニットを内蔵し、分譲マンションなど設置環境に制約のある集合住宅にも導入しやすくした「RUFH-ME/UME」シリーズを発売しました。
また、業務用給湯の分野では、業界初の水漏れ検知機能を搭載し、遠隔監視システムにも対応してメンテナンス性を向上させ、連結運転を最大24台から30台に増やした業務用エコジョーズ50号給湯器と、食品衛生法の改正により厳格な衛生管理が求められる食品事業者向けに、最高85℃の高温出湯機能を追加した業務用エコジョーズ32号を発売しました。
海外向け給湯分野では、新機能のガスコントロールを搭載して、プロパンガスでも天然ガスでも調整不要のまま使用することを可能にしたアメリカ向けコンデンシング給湯器を開発しました。従来品に比べて軽量化やさらなる効率向上を実現し、地球環境に貢献します。また、中国や台湾向けにウルトラファインバブル搭載給湯器を開発し、日本のエアバブルテクノロジーを海外にも展開しました。
(厨房機器関係)
ビルトインコンロの分野では、西部ガス株式会社、福岡市、株式会社メディヴァと共同で、誰もが安心して使い続けられることを目指したガスコンロ「SAFULL+(セイフルプラス)」を開発しました。「SAFULL+」では高齢者や認知症の方を対象とした製品評価を実施し、視覚や聴覚、認知機能が低下したときに必要とされるガスコンロの機能を具現化しました。高齢者や認知症の方に配慮し、間違え防止のカラーリングや、安心して鍋が置けるゴトク、聞き取りやすい音声案内を採用しました。慣れ親しんだガス火調理が続けられることで「調理は楽しい」「自分で作ったご飯はおいしい」と思える体験を実現し、心身ともに健康な状態を維持する効果も期待できます。
食器洗い乾燥機においては、ステンレスドアシリーズの標準スライドオープンタイプハイグレードモデル「Prime(プライム)」を開発しました。ドアパネルに加えてフロント操作部にも同一のステンレス素材を用いたことで、キッチン全体の統一感を高めます。デザイン性と機能性、2つのニーズを叶えるステンレスドアの食器洗い乾燥機が、理想のキッチンを実現します。
また、キッチンのインテリアに合わせて扉の色が選べる「カラーオーダー」食洗機、「ILOビルトイン食器洗い乾燥機」を開発しました。食洗機の扉形状には、フロントオープンと標準スライドオープンの2種類を取りそろえています。自分の好きな色が選べる「ILOビルトイン食器洗い乾燥機」が、こだわりのキッチン空間に彩りを添えます。
(空調機器関係)
空調分野では、洗濯の家事負担を軽減し、生活の質の向上に貢献するガス衣類乾燥機「乾太くん」のデラックスタイプを10年ぶりにフルモデルチェンジしました。乾太くんとしては初めて「リンナイアプリ」に対応し、スマートフォンで残り時間の確認や完了通知を受け取ることができます。
また、浴室空間においては、お風呂のピンクぬめりの原因菌を除菌し、浴室掃除の負担を軽減するプラズマクラスター25000搭載の壁掛型浴室暖房乾燥機を発売しました。
さらに、居室空間においても、より快適な環境を提供するため、空気清浄機能付きガスファンヒーターをモデルチェンジしました。プラズマクラスター7000を搭載、適用床面積を15畳から21畳にアップし、空気清浄能力を向上しています。
なお、当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)の特許出願公開件数は195件、登録件数は173件、2024年3月31日現在の特許権所有件数は、2,289件であります。