第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1)連結経営指標等

回次

第23期

第24期

第25期

第26期

第27期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高

(千円)

8,442,596

12,970,352

12,409,438

12,501,233

11,266,304

経常利益

(千円)

562,011

2,350,026

2,052,166

1,652,929

585,357

親会社株主に帰属する当期純利益

(千円)

249,220

1,548,673

1,309,342

873,059

298,276

包括利益

(千円)

238,375

1,626,036

1,391,847

949,901

361,291

純資産額

(千円)

4,189,446

9,159,327

10,371,550

10,931,266

10,871,254

総資産額

(千円)

5,886,226

11,830,348

12,440,025

12,963,992

12,502,556

1株当たり純資産額

(円)

170.45

356.53

402.52

422.63

418.65

1株当たり当期純利益

(円)

10.71

64.74

52.66

35.11

12.00

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

67.4

74.9

80.5

81.1

83.3

自己資本利益率

(%)

6.4

24.1

13.9

8.5

2.9

株価収益率

(倍)

49.39

37.03

14.83

16.66

33.10

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

616,703

2,066,621

1,850,610

1,803,559

812,010

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

427,900

774,503

784,222

747,072

1,309,117

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

174,893

3,209,167

301,537

495,903

492,917

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

2,024,310

6,525,595

7,290,446

7,851,030

6,861,005

従業員数

(人)

450

594

641

670

678

(外、平均臨時雇用者数)

(130)

(160)

(140)

(139)

(143)

 (注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

    2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第25期の期首から適用しており、第25期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標となっております。

    3.当社は、2021年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第23期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。

 

 

(2)提出会社の経営指標等

回次

第23期

第24期

第25期

第26期

第27期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高

(千円)

6,079,307

9,509,079

9,180,446

9,172,868

8,505,580

経常利益

(千円)

558,437

1,653,379

1,517,247

1,203,199

562,729

当期純利益

(千円)

417,960

1,149,184

1,054,687

702,038

406,954

資本金

(千円)

2,182,379

2,182,379

2,182,379

2,182,379

2,182,379

発行済株式総数

(株)

14,028,700

14,028,700

28,057,400

28,057,400

28,057,400

純資産額

(千円)

3,917,708

8,417,909

9,306,857

9,635,873

9,645,557

総資産額

(千円)

5,000,123

10,456,605

10,862,241

11,020,039

10,836,628

1株当たり純資産額

(円)

168.38

338.53

374.28

387.51

387.90

1株当たり配当額

(円)

6.50

13.00

15.00

16.00

16.00

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

17.96

48.04

42.41

28.23

16.37

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

78.4

80.5

85.7

87.4

89.0

自己資本利益率

(%)

11.2

18.6

11.9

7.4

4.2

株価収益率

(倍)

29.5

49.9

18.4

20.7

24.3

配当性向

(%)

18.1

13.5

35.4

56.7

97.8

従業員数

(人)

275

313

361

390

409

(外、平均臨時雇用者数)

(60)

(83)

(94)

(85)

(88)

株主総利回り

(%)

214.2

968.7

324.2

251.8

182.6

比較指標:東証グロース市場指数(配当込み)

(%)

(65.2)

(126.5)

(83.2)

(79.1)

(91.2)

最高株価

(円)

1,384

6,840

1,253

(5,500)

909

 

610

 

最低株価

(円)

453

1,101

562

(2,289)

519

 

350

 

 (注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所グロース市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所マザーズにおけるものであります。

3.当社は、2021年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第23期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。なお、1株当たり配当額については、当該株式分割前の実際配当額を記載しております。

   さらに、第25期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、( )内に株式分割前の最高株価及び最低株価を記載しております。

4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第25期の期首から適用しており、第25期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標となっております。

5.株主総利回りの比較指数は、東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、第27期より「東証マザーズ指数」から「東証グロース市場指数」へ変更いたしました。

 

2【沿革】

年月

沿革

1997年5月

トランス・コスモス株式会社、国際電信電話株式会社(現 KDDI株式会社)、株式会社NTTPCコミュニケーションズ、プログレッシブネットワークス・インク(現 リアルネットワークス・インク)の出資により、インターネットを利用したストリーミングによる動画や音楽の配信を行うことを目的として、東京都港区赤坂七丁目5番47号にリアル・ストリーム株式会社(資本金480,000千円)を設立

1997年6月

商号をリアル・ストリーム株式会社から株式会社ジェイストリームに変更

1997年8月

同時アクセス5,600ストリームでサービス開始

 

総理府「総理と話そう」を第1回サービス開始

1998年8月

オンデマンド配信開始

1998年11月

同時アクセス10,000ストリームにネットワーク拡大

1999年2月

業容拡大に伴い、本店を東京都港区赤坂六丁目3番18号に移転

1999年10月

資本金を780,000千円とし、トランス・コスモス株式会社の子会社となる

2000年1月

スライドと動画を連携したプレゼンテーションが行える新サービス「ePresenter」を発表

配信ソフトウエアWindows Media、QuickTimeの正式サポートサービス開始

リッチコンテンツ デリバリーサービス会社としてダウンロードサービス開始

2000年7月

同時アクセス30,000ストリームにネットワーク拡大

2000年8月

大手動画配信ソフトメーカーを集めた「Jストリーム ストリーミング シアター」を開催

2001年1月

臨時株主総会の定款変更決議に基づき、商号を株式会社Jストリーム(登記上の商号は株式会社ジェイストリーム)に変更(効力発生日:2001年3月1日)

2001年2月

有償株主割当(1株につき0.3株の割合)による新株式の発行(発行価格1株につき100,000円)を行い、資本金が225,650千円増加し、1,005,650千円となる

2001年3月

当社の親会社であるトランス・コスモス株式会社は、2001年3月29日付で、同社の100%子会社であるトランス・コスモス・ユー・エス・エイ・インクへ所有する当社株式の全てを譲渡し、当社株式を間接所有することとなる

これによりトランス・コスモス株式会社に加え、トランス・コスモス・ユー・エス・エイ・インクが当社の親会社となる

 

第三者割当による新株式の発行(発行価格1株につき300,000円)を行い、資本金が21,000千円増加し、1,026,650千円となる

2001年6月

当社が発行する全ての額面普通株式を無額面普通株式に転換(効力発生日:2001年6月23日)

2001年7月

有償株主割当(1株につき2株の割合)による新株式の発行(発行価格1株につき50円)を行い、資本金が1,012千円増加し、1,027,662千円となる

2001年8月

有償株主割当(1株につき1株の割合)による新株式の発行(発行価格1株につき50円)を行い、資本金が1,518千円増加し、1,029,181千円となる

2001年9月

株式を東京証券取引所マザーズ市場に上場

 

一般募集による公募新株式の発行(発行株式数8,500株、発行価格1株につき45,000円、発行価額1株につき41,625円)を行い、資本金が162,775千円増加し、1,191,956千円となる
一般募集による公募新株式の発行に伴い発行済株式総数が増加したため、筆頭株主であるトランス・コスモス・ユー・エス・エイ・インクが所有する当社株式の持株比率が過半数未満となる

トランス・コスモス株式会社は実質基準により引き続き親会社である

2002年6月

一般募集による公募新株式の発行(発行株式数6,500株、発行価格1株につき305,500円、発行価額1株につき286,000円)を行い、資本金が929,500千円増加し、2,121,456千円となる

2002年11月

商業登記規則等の一部改正により(2002年11月1日施行)商号の登記についてローマ字の使用が認められたことに伴い、商号を2002年11月1日付で「株式会社ジェイストリーム」から「株式会社Jストリーム」に変更

2003年10月

本店を東京都港区赤坂六丁目3番18号から東京都渋谷区渋谷三丁目25番18号に移転

2004年7月

トランス・コスモス・ユー・エス・エイ・インクをトランスコスモス インベストメンツ アンド ビジネス ディベロップメント インク(トランス・コスモス株式会社の100%子会社)が吸収合併したことにより、同社が当社の筆頭株主となる

 

 

年月

沿革

2005年4月

連結子会社「株式会社エクスペリエンス」を設立

2005年9月

「株式会社バンドワゴン」の株式を取得、連結子会社とする

 

オンキヨー株式会社(現 オンキヨーホームエンターテイメント株式会社)と連結子会社「株式会社CO3」を設立

2006年3月

「株式会社フレックスインターナショナル」(現 クロスコ株式会社)の事業再建支援に関して、トランス・コスモス株式会社と共同で第三者割当増資による新株式の引受を実施、持分法適用関連会社とする

2006年4月

連結子会社「株式会社BASIS PLANET」を設立

2008年3月

「株式会社エンターメディア」の株式を取得、連結子会社とする

2008年7月

「株式会社エクスペリエンス」の所有株式全てを譲渡

2008年8月

「株式会社インデックスネクスト」(2008年10月に株式会社アップアローズに社名変更)の株式を取得、連結子会社とする

2009年2月

 

 

2009年4月

2009年6月

 

2010年2月

2010年8月

2011年6月

2012年6月

 

 

2013年4月

2013年10月

2016年1月

2016年4月

2017年3月

2017年8月

筆頭株主であるトランスコスモス インベストメンツ アンド ビジネス ディベロップメント インク(トランス・コスモス株式会社の100%子会社)の解散に伴い、同社の親会社であるトランス・コスモス株式会社が当社の筆頭株主として株式を直接保有する形となる

「クロスコ株式会社」の株式を追加取得、連結子会社とする

資本準備金1,430,642千円のうち162,183千円を減少し、同額をその他資本剰余金に振り替える

振り替え後のその他資本剰余金で繰越利益剰余金を欠損補填

資本準備金1,268,458千円のうち600,000千円を減少し、同額をその他資本剰余金に振り替える

本店を東京都渋谷区渋谷三丁目25番18号から東京都港区芝二丁目5番6号に移転

資本準備金668,458千円全額を減少し、同額をその他資本剰余金に振り替える

「株式会社バンドワゴン」は、「株式会社BASIS PLANET」を吸収合併し、商号を「株式会社Jクリエイティブ ワークス」に変更

その他資本剰余金772,584千円のうち146,343千円を減少し、同額を繰越利益剰余金に振り替える

「株式会社エンターメディア」の所有株式全てを譲渡

当社の株式を1株につき100株とする株式分割を実施し1単元100株に変更

「ビムーブ株式会社」の株式を取得、連結子会社とする

「ビムーブ株式会社」を吸収合併

「株式会社アップアローズ」が解散

「株式会社イノコス」の株式を取得、連結子会社とする

2018年8月

「株式会社ビッグエムズワイ」の株式を取得、持分法適用関連会社とする

2019年8月

「株式会社ビッグエムズワイ」の株式を追加取得、連結子会社とする

2020年11月

連結子会社「株式会社ビッグエムズワイ」が「アズーリ株式会社」の株式を取得、連結子会社とする

2021年1月

連結子会社「株式会社ビッグエムズワイ」が「アズーリ株式会社」を吸収合併

2022年4月

市場区分見直しに伴い東京証券取引所グロース市場に移行

2023年7月

「株式会社LAMILA」の株式を取得、連結子会社とする
子会社化後、「株式会社VideoStep」に社名変更

 

3【事業の内容】

 当連結会計年度において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)が営む事業の内容について、重要な変更はありません。

 

(1)当社グループ事業の概要

 当社グループは、株式会社Jストリーム(当社)、連結子会社6社で構成されており、各種のインターネット動画配信用ソフトウエアを用いて、インターネット上で映像や音声等のコンテンツ配信サービスを行うことを主たる事業としております。

 

 顧客層は一般企業、メディア系企業となっております。顧客に提供するサービスは、顧客企業が動画をエンドユーザーに対して配信する際の動画配信プラットフォームの提供やライブ配信の実施、動画そのものやその配信場所となるウェブサイト制作等が中心となっております。多くの場合、ある顧客に対し、複数のサービスを組み合わせ、一体として提供しております。顧客が動画配信をする狙いは、動画コンテンツそのものの販売から動画を利用したプロモーション、情報提供等多岐にわたりますが、当社グループでは、単に動画を配信するだけでなく、顧客の狙い、目標に沿った適切な機能の提供を重視していることから、この事業を動画ソリューション事業と位置付けております。

 

 一般の事業会社は、当社グループのサービスを利用することで、自社で動画専用サーバの保有などを行わずに
映像を視聴させたい相手に確実に届けることができます。販売促進に映像を利用する場合などは、視聴記録の
集計や分析を行うことを通じて効率的にその目的を果たすことができます。また、様々な業界、用途に精通した
プロフェッショナルによる撮影現場対応やウェブサイト構築、映像制作など、当社グループの制作サービスと組み合わせて利用することで、案件管理の労力を抑えつつ、意図した効果をあげることができます。

 

 放送局をはじめとしたコンテンツプロバイダ顧客は、当社グループのサービスを利用することで、自ら設備投資を行って配信に必要な大規模なサーバ設備を保有、常時運用状況の監視、大量の視聴に対応するための回線手配などを予め行うことなく、何時でも必要なときに、アクセス数の多さを気にすることなく、数十万人規模の視聴者に対してコンテンツを提供することができます。

 

(2)当社グループサービスの内容

 

<プラットフォーム系サービス>
 当社グループでは、インターネットを通じて、企業の説明会、広告、教育映像、テレビ番組やイベント映像、音楽、映画など、種類を問わず映像・音声コンテンツを配信しております。映画・音声などをネットワーク配信するためのデジタル圧縮変換(エンコード)作業のほか、医薬や金融などの業界で多く利用されるライブイベントにおける撮影、リアルタイムエンコード等現場対応を含むプロフェッショナル・サービスも提供しております。

 

 動画等データの配信にあたっては、当社が通信キャリアのデータセンターなどに設置しております配信インフラを用いて構築したCDN(Content Delivery Network)を利用いたします。CDNは、大容量のデジタルコンテンツを配信する際に、多くのアクセスを複数のサーバに振り分け、ユーザーに近いサーバからデータ配信を行うことで円滑なコンテンツ配信を実現するネットワークシステムであり、当社のCDNはその中でも映像コンテンツの配信用に最適化しております。また、自社のCDNを活用した動画配信プラットフォームにより、専門知識がなくてもだれでも容易に動画を配信できる環境を提供しております。

 

 個別のサービスとして、オンデマンド、ライブといった動画ストリーミング配信に必要なツールや機能をパッケージングした動画共有・配信プラットフォーム(Online Video Platform:OVP)である「J-Stream Equipmedia」(イクイップメディア)を提供しています。ビジネスストリーミング用途向けの配信基本機能に加え、視聴ログの取得や簡易編集、疑似ライブ機能、視聴解析機能、ユーザー認証型のポータルサイトを簡単に作成できる機能(「EQポータル」)等、継続して機能拡張を実施し、サービスとしての競争力を高めております。

 

 Webページ、画像、ゲームアプリといった動画以外の大容量コンテンツの配信を行うCDNサービス領域においては、高機能かつユーザーが利用しやすい管理画面を備えた「J-Stream CDNext」を提供しております。さらに、企業がライブ配信を実施される際に、イベント会場などに現場の回線設備の準備から、撮影、配信業務を担うスタッフを派遣し、映像コンテンツを配信する配信支援サービスも提供しております。これらの他にも、国内外の優れたネットワークソリューション提供企業との連携を通じ、多様なニーズを充足できるサービスを提供しております。

 

 配信サービスの価格は、OVPとしてパッケージで提供されるサービスについては、配信対象となる映像データの預かり量や、視聴に伴い配信されるデータ量、想定される同時アクセス数や利用できる機能などにより設定された複数のプランを設定し、月あたりの定額課金を行っております。その他個別に行われるライブイベントの受注に際しては、データ配信量に応じたネットワーク利用料のほか、受注する業務範囲や必要とする人員等に合わせ、都度見積りを実施し価格を決定します。多くのアクセスが想定されるデータ配信向けのCDN提供については、ウェブサイトや動画、音声、画像といったコンテンツは問わず、配信データのデータ量を基に金額を設定します。
 

<プラットフォーム系以外のサービス>
 ターゲット顧客、株主、社員といった社内外のユーザーにコンテンツを見せるためのウェブサイトの制作サービスも提供しております。配信サービスを顧客に提供する場合、同時に動画等を掲載するウェブサイトの制作が必要になることが多く、比較的シンプルなIR情報の配信ウェブサイトから、商品プロモーション目的のために高度な音声・映像効果を駆使して作られるウェブサイトに至るまで、様々な目的に応じた制作をしております。特に動画を掲載する場合は、課金を伴う会員専用サイトや従業員向けなど、認証制限があるサイトにおける利用が多く、こうしたサイト構築を多く実施しております。

 

 また、会社紹介等で動画コンテンツそのものを制作するニーズにも対応し、映像制作・収録サービスも提供しています。こうした用途に利用される、ライブ配信にも対応した動画スタジオを保有しております。こうしたウェブ・映像制作サービスは、基本的に受注金額について都度見積りを実施し、納品・検収により案件が比較的短期に完結します。ただし一部においては、動画コンテンツを多く保有するコンテンツプロバイダが、月額課金、いわゆるサブスクリプション型の動画配信サービス(OTTサービス)をはじめる際に必要となるOTTプラットフォームのカスタマイズや、顧客独自のシステムの構築を請け負う開発事業、更にこうしたウェブサイト、システム等の運用・保守サービスを継続的に受注、提供する場合も存在します。その他、連結子会社では多チャンネル事業者、CATV事業者向けのエンコード設備等のインテグレーター業務などを実施しております。

 

 プラットフォーム系以外のサービスの価格は、基本的には制作作業に要する工数(作業量)を基に決定しております。

 

(3)当社グループの技術の特徴

①動画に特化した大容量ネットワークの構築、運用

 動画のデータは画像やテキスト等のデータと比較して非常に大容量です。その利用のされ方も、急激に視聴アクセスが集中するといったピーク性が高く、さらにユーザーによる視聴が一定時間継続されることから、視聴途中で配信が断絶するといった事態が許されないという特徴があります。こうした特徴をもつデータを安定して正確に多数の視聴者に配信するためには、適切な負荷分散を実現するネットワーク設計と構築が必要になります。また、それらが円滑に行われているか等、24時間の監視や負荷の調整など日々の運用対応も重要です。

②多様な配信フォーマット、端末種類に向けた配信のサポート

 当社グループのコンテンツ配信は、受信デバイスごとに業界やベンダーで定められる規格に準拠する方法で配信を実施しております。それぞれの受信デバイスに合わせての最適な配信方式などの技術ノウハウや実績を保有していることと、特に同時に数十万人以上のアクセスに及ぶような配信に対応できるサービス技術に当社グループの特徴があります。

 配信端末については、PC、スマートフォン、VR端末、スマート家電といった端末市場の拡大に対応してコンテンツ配信の対象を広げております。

 また、新たに開発された動画、音声、配信等に関連する技術の調査、実験を積極的に行い、常に最新の技術を提供できるよう努めております。

(4)当社グループの事業系統図

 当社グループは主に営業担当者による顧客への直接販売と、販売代理店経由による販売の2形態の販売を行っております。潜在顧客に向けては、情報通信系や、販売促進・総務・人事等、企業活動の中で動画が活用しやすいシーンに関連する展示会に出展したり、こうした利用シーンごとに想定される顧客の課題に即して自社でオンラインセミナーを開催したりすることを通じてサービス紹介を行い、顧客の課題や関心度を把握して顧客開拓を進めております。営業担当者は、各企業のウェブ担当者や広告宣伝担当者といった販売促進、営業企画などの担当者、若しくは、IR、社内広報、社内情報システムといった広報、IR、社内教育等の担当者等、当社グループのサービスを利用する可能性の高い部署へ提案を行い、各企業や各部署のニーズを把握し、適切なサービスを提案するという形態の営業を行っております。また当社グループでは、顧客獲得早期化のために販売代理店契約を複数の会社と締結し、サービスの販売代理を委託しております。主な販売代理店契約先は、自社既存サービスと当社提供サービスを組み合わせることで市場における競争力の強化を図られているサービス提供会社、ウェブ制作会社及び顧客への提案の中で当社提供サービスを活用される広告代理店、印刷会社、IR関連会社、各種コンサルティング会社等であります。

 当社グループでは、当社提供サービスをご契約頂いた法人のお客様が、当社サービスを利用して自社の若しくは他社より調達したコンテンツを通信事業者のネットワークを通じて一般消費者若しくは社員、パートナーの方々に配信しており、それらの視聴者はPC、スマートフォン、リビングデバイスなどの端末を利用して視聴しております。こうした当社グループの事業系統図は以下のとおりであります。
 
<2024年3月31日における当社グループの事業系統図>

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(注)1.当社の親会社であるトランス・コスモス株式会社は、情報処理サービス事業等を行っており、当社へはその業務の一環である販売代理店として顧客の仲介を行っております。

2.KDDI株式会社は、通信事業者として当社にネットワークを提供するとともに販売代理店として顧客の仲介も行っております。

3.株式会社CO3は、インターネット上でコンテンツを配信するプラットフォームや、それに必要な各種機能の開発を主に行っております。当社は同社へ各種の開発や管理業務委託を行うことなどを通じ、事業上の関係を持っております。

4.株式会社Jクリエイティブ ワークスは、ウェブサイトの企画、制作、デザイン及び運営代行等を主に行っております。当社は同社にウェブサイト制作や顧客のウェブ関連システムの運営業務を発注することなどを通じ、事業上の関係を持っております。

5.クロスコ株式会社は、映像制作、ライブ配信イベント運営やサポート等を主に行っております。当社は同社にライブ配信・映像制作関連作業を発注することなどを通じ、事業上の関係を持っております。

6.株式会社ビッグエムズワイは、製薬メーカー等と医師のコミュニケーションに利用される映像、情報コンテンツの制作や各種システム開発、ライブ配信、収録スタジオ提供等を主に行っております。当社は同社と営業協力等を行い事業上の関係を持っております。

7.株式会社イノコスは、多チャンネル事業者、CATV事業者向けのエンコード設備等のインテグレーター業務や動画・音声などのコンテンツ・サービスを提供するOTT(Over-the-Top)事業者向けのサービス基盤提供を行っております。当社は同社に各種関連機器を発注することなどを通じ、事業上の関係を持っております。

8.株式会社VideoStepは、主としてデスクレスワーカーの利用、技術伝承のための利用を対象とする動画マニュアルSaaS『VideoStep』の開発・提供を行っております。当社は同社と営業協力等を行い事業上の関係を持っております。

4【関係会社の状況】

(1)親会社

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業の内容

議決権の被所有割合(%)

関係内容

トランス・コスモス

株式会社

東京都渋谷区

29,065

情報処理サービス業

50.35

当社サービスの提供

役員の兼任

(注)1.有価証券報告書を提出しております。

2.議決権の被所有割合は自己株式を控除して計算しております。

 

(2)連結子会社

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業の内容

議決権の所有割合(%)

関係内容

クロスコ株式会社

東京都港区

100

映像制作、
ライブ配信

74.94

当社サービスの提供

外注先

 役員の兼任

株式会社CO3

東京都港区

90

会員管理等
システム開発

55.56

当社サービスの提供

外注先

役員の兼任

株式会社Jクリエイティブワークス

東京都港区

39

Web制作、
サイト運用受託

100.00

当社サービスの提供

外注先

役員の兼任

株式会社イノコス

東京都中央区

33

デジタル放送機器仕入販売

90.00

デジタル放送機器仕入等

役員の兼任

株式会社ビッグエムズワイ

東京都中央区

10

映像・Webサイト、Webコンテンツ制作

100.00

当社サービスの提供

外注先

資金援助

役員の兼任

 

株式会社VideoStep

東京都港区

25

動画とAIを活用したクラウドサービスの提供

100.00

役員の兼任

 (注)株式会社ビッグエムズワイについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

     主要な損益情報等      ① 売上高     1,752百万円

                 ② 経常損失      36百万円

                 ③ 当期純損失     27百万円

                 ④  純資産額      831百万円

                 ⑤  総資産額    1,154百万円

 

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

(2024年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

全 社(共通)

678

(143)

合計

678

(143)

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.当社グループは、単一セグメントのため、従業員数は全社(共通)としております。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

(2024年3月31日現在)

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

409

(88)

36.4

6.3

6,012,638

 

セグメントの名称

従業員数(人)

全 社(共通)

409

(88)

合計

409

(88)

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社グループは、単一セグメントのため、従業員数は全社(共通)としております。

 

(3)労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

9.9

66.7

81.3

80.6

85.4

労働者の男女の賃金の差異について

・人員は事業年度末日を含む全期間に在籍している労働者数です。

・賃金は、上記対象社員の基本給、超過勤務手当、賞与を含み、通勤手当を除した合計です。

・正社員は、当社から社外への出向者を含み、他者から当社への出向者を除きます。

・非正規社員は、契約社員、嘱託社員、パートタイマーを含み、派遣社員を除きます。なお、パートタイマーは所定労働時間に依らず人員数を基に算出しております。

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。