(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「『人』を軸として、赤ちゃんからお年寄りまで、お客さま一人ひとりに寄り添い、地域に根差し、お客さまの『よく生きる』を一生を通じて支援する」という企業理念のもと、「自分や自分の家族がしてもらいたいサービスを事業化する」「赤ちゃんからお年寄りまで生涯にわたって、一人ひとりの課題解決や向上意欲を応援する」「年をとればとるほど、生きる意味を深く味わい幸せになるサービスを提供する」ことを通じて、企業価値の向上と、すべてのステークホルダーへの貢献を追求しています。
そして、企業理念を事業現場で具体的な活動において実行していくよりどころとして、
『誰もが一生、成長できる。自分らしく生きられる世界へ。ベネッセは目指しつづけます。』
というグループパーパスを2023年2月に公表しました。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
「人」を軸とした企業グループとして日本における人口動態変化に注目しますと、特に顕著な変化として、少子化の進展、働く期間の延伸、高齢化率の上昇が挙げられます。
教育事業を行う当社グループにとって、少子化は、持続的な成長を考えるうえでの重要課題であり、一人ひとりの、あるいは社会全体の課題そのものを掘り下げ、深掘りされた課題に対する市場創造というチャレンジを行っていかなければならないと考えています。
一方で、働く期間の延伸、高齢化率の上昇という社会的ニーズの増大を成長の機会にしていく必要があります。
さらに近年、事業を取り巻く環境に非常に大きな変化が生じており、国内教育事業においては、大学入試における年内入試の拡大と大学入学前教育ニーズの高まり、政府が進める「GIGAスクール構想」の進展と教育現場の負担が増加しています。また、大学・社会人事業においては、社会人領域でのリスキリング需要の拡大が顕著になり、介護事業においては、要介護高齢者の増加に対し、介護人材の不足等が深刻化しつつあります。加えて、介護事業や中国事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、業績回復が遅れています。これらを踏まえた事業変革が必要となってきています。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた業績を速やかに回復し、環境変化を踏まえた事業の進化を図るべく、2021年度を初年度とする5ヵ年の中期経営計画「コア事業の進化と新領域への挑戦」を推進してきました。
この中期経営計画は、2021年度から2022年度をフェーズ1として、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた既存事業の速やかな回復を目指し、2023年度から2025年度をフェーズ2として、コア事業の進化と教育・介護領域等において当社グループの強みを生かした新領域への挑戦により、さらなる成長を図るものです。
フェーズ1を終えてフェーズ2に向かうにあたり、当社グループを取り巻く事業環境に非常に大きな環境変化が生じていることを踏まえて、中期経営計画のフェーズ2をブラッシュアップした「変革事業計画」を2023年5月に発表しました。
この「変革事業計画」は、急激に変化する事業環境の中、グループパーパスの実現を追求し続けるために、今後の当社グループの持続的成長の実現を目指すものであり、ポートフォリオ戦略によって事業全体の方向性を整理し、それをベースに既存のコア事業の変革計画、新たに取り組む事業の変革計画を策定するとともに、メリハリのあるアセット配分とその実現に向けた経営システムの再構築を行うものとなっています。ポートフォリオ構造の変革として、事業を「コア教育」「コア介護」「新領域」の3つの領域に整理し、2028年度にこれらの領域が3本柱となる利益構造を実現するべく、目指す姿からのバックキャストで計画最終年度にあたる2025年度に目指す状態として、以下を目標に置きました。
・コア教育事業においては、構造改革・ニーズ多様化対応等で収益安定化、さらに事業モデル変革に着手
・コア介護事業においては、新型コロナ前の入居率/利益水準へ早期回復し安定成長軌道へ
・新領域においては、2026年度以降の利益成長牽引に向けた戦略投資と売上成長
これらの目標の達成に向け、具体的には以下に取り組みます。
1.コア教育事業
従来の事業運営の延長では、収益性低下は免れないとの認識のもと、2025年度を転換点とした、短中期・長期の時間軸で、これまでの既存組織の枠を超えたコア教育事業領域全体での変革活動をやりきることで、安定収益化を実現していきます。
①短中期(2023~2025年度)に向けた取り組み
・商品価値・営業手法の再設計…顧客基盤維持・強化の取り組みとニーズ多様化への対応
・コスト構造改革…国内教育全体を俯瞰した固定費構造の見直し・削減
②長期(2026年度以降)を見据えた取り組み
・2025年度のNextGIGA構想を契機とするDX化進展を見据えた事業モデル変革
2.コア介護事業
新型コロナウイルス感染症の5類移行という環境変化を捉え、介護施設入居意向の回復を促す施策と営業力・マネジメントの強化により入居率を回復するとともに、対象エリアの新たな拡大を図り、安定成長軌道に乗せていきます。
3.新領域
大学・社会人事業、介護周辺事業、海外事業に戦略投資を振り向け売上成長を加速させていきます。
併せて、「変革事業計画」で掲げるポートフォリオ変革の実現に向けて、以下のマネジメントシステム変革・コーポレート変革を推進していきます。
1.CXO(※)体制の再構築と強化
・コーポレートの専門性向上、横断連携の強化、事業進捗モニタリングの精度向上
2.経営トップ主体で全社リソースアロケーションを行う経営システム構築
・人財リソース強化と最適アロケーションの実現、キャッシュアロケーション意思決定・モニタリングの強化
3.コーポレートの生産性の向上
・コーポレート機能再整理と、シェアード化や最新AI技術等を活用した自動化・機械化
(※)管理部門の専門領域(経営戦略、財務、人事、法務・リスク管理、DX、コーポレート・コミュニケーション)における最高責任者、Chief X Officer(CSO、CFO、CHRO、CLRO、CDXO、CCO)

ここで言う「コア教育事業」とは、校外学習事業、学校向け教育事業、こどもちゃれんじ事業、生活関連事業(たまひよ等)を指し、「コア介護事業」とは、介護・保育事業のうち、主に㈱ベネッセスタイルケア、㈱ベネッセシニアサポートが展開している事業を指します。大学・社会人事業、及び介護・保育事業のうち㈱ベネッセMCM、㈱ハートメディカルケア、㈱ベネッセパレットが展開している事業は「新領域」に含みます。
(4) 目標とする経営指標
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、中期経営計画の最終年度にあたる2025年度において、営業利益320億円以上、ROE(自己資本当期純利益率)10%以上を目指します。また新領域では、2025年度において2022年度の2倍の売上高への成長を目指します。
なお、当社は2023年5月、当社創業家とスウェーデンに本社を置くプライベート・エクイティ投資会社であるEQTからMBO(マネジメント・バイアウト)の提案を受け、今後も大きな変化が予測される事業環境下において、「変革事業計画」の成功確度と実現スピードを高めるうえで、グループ内だけなく外部の経営資源を活用することや、非上場化により中長期的な経営戦略を迅速に実行していくことが有益と考え、2024年1月30日から3月4日に実施された当社株券等に対する公開買付けに賛同し、株主様への応募推奨を行いました。また、この公開買付けの成立により、同年4月29日開催の臨時株主総会にて、株式併合および定款一部変更を決議しました。今後は機動的かつ大胆な経営施策の実行が可能となるため、EQTのノウハウ、ネットワークを活用し、事業シナジーの創出に取り組み、「変革事業計画」の達成に努めていきます。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日である2024年6月27日時点において判断したものであり、予測し得ない経済状況の変化等様々な要因があるため、その結果について、当社グループが保証するものではありません。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みとして、以下の3つの項目について記載しています。
(1) サステナビリティ全般
(2) 環境(気候変動関連等)
(3) 人的資本・多様性
また、それぞれの項目において、①「ガバナンス」、②「戦略」、③「リスク管理」、④「指標及び目標」の4つの構成要素に分けて記載しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) サステナビリティ全般に関する考え方及び取り組み
当社グループは、「Benesse=よく生きる」の企業理念のもと、お客さま一人ひとりの向上意欲と課題解決を、一生涯にわたって支援する企業グループです。当社グループは創業以来「教育」「介護」「生活・子育て」等の分野を中心に様々な社会の課題に取り組んできました。この企業理念は、SDGsの目指す方向である「well-being」とまさに同一であり、当社グループは、出産・子育てを支援し、教育を通じたSDGs17のゴールすべてに貢献する人材の育成、そして今後日本だけではなく世界の課題となる介護領域への取り組みをも通じて、人々の「よく生きる」に貢献することを目指しています。
その中でESG分野においても、人権デューデリジェンスの実施、グループ内のDX推進と連動したラーニングカルチャーの醸成や、生産性向上とワークライフマネジメントの充実等、「人」を重要テーマに活動を続けています。また、環境・気候変動の問題に対しては、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」の提言への賛同を表明し、商品・サービスのデジタル化による環境負荷低減への取り組みや、環境教育の推進を行っており、活動の範囲をグループ全体に広げ、さらなる推進を図っています。
① サステナビリティ全般に関するガバナンス
当社取締役会においては、サステナビリティ/ESGを重要テーマと位置付け、議論を行っています。
また、サステナビリティ/ESGへの取り組みをグループ全体で推進するため、当社サステナビリティ推進本部長を委員長とし、CEOをはじめとする当社業務執行取締役、主要子会社である㈱ベネッセコーポレーション及び㈱ベネッセスタイルケア各社社長並びに当社グループの事業責任者である各カンパニー長を委員とする「サステナビリティ推進委員会」を2018年度より設置し、重要課題に関する議論と取り組みの推進を行っています。同委員会の審議事項は、定期的に経営会議及び取締役会に付議・報告され、取締役会による監督が適切に図られる体制となっています。2022年度からはCEO直下に専任組織を設置し、当社執行役員が専任本部長として就任しています。
グループの人事に関する重要テーマについては、CEOを委員長として、社内取締役、オブザーバーの常勤監査役で構成されるグループ人事委員会にて報告・審議を行っています。当社のCHROは人事領域におけるグループ全体の経営課題の抽出・解決の役割を担っています。人事に関する重要事項については、事業会社経営管理規程に基づく手続きに従ってグループ会社から事前に相談を受けるものとしています。また、重要な人事・労務KPI(目標の達成に向けた行動を評価するための指標)については定期的な情報収集を行い、モニタリングを実施しています。
② サステナビリティ全般に関する戦略
当社グループは、当社グループの理念であり、不変の企業理念である「Benesse=よく生きる」のもと、グループ従業員一人ひとりが事業を通じて企業理念を具現化していくための共通価値として『誰もが一生、成長できる。自分らしく生きられる世界へ。ベネッセは目指しつづけます。』というグループパーパスを2023年2月に掲げました。また、2020年に発表した中期経営計画をブラッシュアップした「変革事業計画」を策定するにあたり、マテリアリティについても改めて現状に即したものに見直しをしました。
グループパーパスの実現のために「子どもを取り巻く学び支援」「社会人のキャリア開発支援」「高齢者介護」というベネッセグループの主要事業を通じた重要な社会課題の解決を、変革を推進する「人財育成」、経済活動の前提となる「地球環境保全」、社会・顧客に誠実に向き合う「企業風土」が土台として支えるというマテリアリティに見直しております。このマテリアリティの見直しにおいては① ベネッセグループ企業理念である「Benesse=よく生きる」とグループパーパスの実現、② 2028年とさらにその先の社会からのバックキャスティングを踏まえたライフステージごとの社会課題、③ ①②を支える土台としてのESGの推進、を重視しています。
「変革事業計画」では、2028年とその先の社会からのバックキャスティングにより、社会とベネッセグループの持続的成長に影響する様々な社会の変化を踏まえ、目指す企業グループの姿のひとつを「人を軸にした社会課題の解決に圧倒的に取り組んでいる企業グループ」に再定義しています。それぞれの社会課題の解決に資する未来に向けた商品・サービスを提供することでパーパスの実現を推進するとともに、信頼性及び推進力の高い企業でありつづけるための確固たる基盤を構築・保持し、「人を軸にした社会課題の解決に圧倒的に取り組んでいる企業グループ」としてさらなる持続的成長を目指します。
各マテリアリティの概要は以下のとおりです。
・ 多様化、多層化する学びに対する支援と意欲を高める教育の実現
子どもたちや学校をとり巻く社会が大きく変化する中、教育機会格差や多様性に寄り添う教育を通じ、未来を生き抜く力を持つ子どもを増やすため、顧客基盤+専門知見+DXによる多様なニーズの充足、多様化する進路や教員の働き方変革の支援、アクセシブルな教育機会の提供などを行います。
・ 学びを通じた企業の持続的成長と個人のキャリア開発支援
求められる資質・能力が変化し、自律的なキャリア開発が求められている今後の社会において、自分軸をもったキャリア・人生を歩む“個”の育成が、企業が持続的に成長する力になると考えています。利用が急増する「Udemy」で培ったネットワーク等を活かし、リスキリング市場をけん引するとともに、リスキル・成長を通じたマッチング事業(採用・異動・就職・転職)を拡大していきます。
・ ご高齢者の“その方らしさ”の追求と介護をとりまく構造課題の解決
要介護高齢者の増加、介護人財不足、DXの遅れなどの課題に対し、高齢者のQOL(Quality Of Life(生活の質))を高めながら、ロールモデルとなる介護人財を増やし、介護を「選ばれる仕事」にしたいと考えています。そのために、積極的な専門人財育成や知見の社会還元を進めるとともに、人×テクノロジーによる暗黙知の可視化等、介護人財不足の解消に貢献します。
・ 変革を推進する組織と人の育成
変革を推進するリーダーシップおよび専門性を強化・向上させ、事業を通して社会課題の解決をけん引する多様な人財を輩出する企業を目指します。変革に必要なキーポジションと専門性の可視化・育成、ダイバーシティ推進、働きやすい環境づくり・キャリア開発支援・適正配置等を通じたエンゲージメントの向上を図っていきます。
・ 持続可能な地球環境の保全
未来を生きる子どもたちが、安心して住みつづけられる環境の保全に社員と共に取り組みます。TCFD等のイニシアチブへの賛同およびシナリオ分析の実施/行動/開示、GHG排出量目標設定、SBTi認証取得などのほか、教材・サービス等を通じた環境教育やタブレット・玩具等のリサイクルを推進しています。
・ 誠実に社会・顧客に向き合う企業風土
パーパスの実現に向けて、誠実で健全な経営をグループ全体で推進し、事業を通して顧客価値を最大化します。そのために、グループパーパス・行動指針に基づく各社行動基準の設定と遵守、継続的にPDCAを用いたコンプライアンス活動、情報セキュリティのさらなる徹底、人権に関する取り組みなどを実施しています。
<ベネッセの価値創造プロセス>

(注)マテリアリティの改定・公表は2023年度、INPUT数値は2022年度
詳細は弊社ウェブサイトをご参照ください。
ベネッセのマテリアリティ:
③ サステナビリティ全般に関するリスク管理
当社は、当社グループ全体のリスクマネジメント及びコンプライアンスの推進を目的としてリスク・コンプライアンス委員会を設置しています。委員長はリスクマネジメント及びコンプライアンスを統括するCLRO(Chief Legal and Risk Officer)が務め、CEO、CXO、主要子会社である㈱ベネッセコーポレーション社長、㈱ベネッセスタイルケア社長及びこれらの会社の事業責任者等が参加しています。同委員会は、人財リスクや情報セキュリティ、BCP等のサステナビリティ関連リスクを含む、グループ各社における各種リスク評価の結果を集約し、グループの横断的なリスクへの対策立案と推進管理を行い、その結果を定期的に取締役会に報告し、必要な指示を受けています。詳細は
④ サステナビリティ全般に関する指標及び目標
当社グループでは、マテリアリティに沿って、以下のように指標・目標を設定しています(今後変更の可能性があります)。
なお、現在検討中の項目について、2024年3月に実施したサステナビリティ推進委員会にて、現在の社内外の環境を踏まえ、領域別の仮説を立て、各カンパニーとの中長期の目標検討の中で協議を進めることを決定しています。
(2) 環境(気候変動関連等)に関する考え方及び取り組み
環境問題は、地球規模で重要な課題であり、環境活動を積極的に推進することは企業の果たすべき義務と考えています。当社グループの企業理念である「Benesse=よく生きる」を実現するうえでも、「環境」を経営の重点課題の1つと位置づけ、「教育」「介護」「生活・子育て」を軸とする当社グループの事業特性に合わせて積極的に推進しています。
環境への取り組みにおいては、グループ環境方針にて(1)商品・サービス、営業活動等における気候変動対策・生物多様性の回復・環境配慮の推進、(2)気候変動対策や生物多様性の回復を目的とする省エネや廃棄物の削減などやリサイクルの促進、生物多様性及び水資源の保全と水資源の効率化、(3)事業特性を活かした環境教育の推進、(4)ステークホルダーとの協働による地域・社会に対する働きかけを掲げており、お子さまの発達段階に応じた環境教育サービスを提供し、気候変動への理解と、対策へのアクションを推進しています。また、自社の脱炭素化にむけてのGHG排出量削減については、2030年目標、2041年目標、2050年目標を設定し、脱炭素化移行計画を推進しています。ベネッセは、「未来からの留学生である子どもたちに美しい地球環境を残す」ことを目指し、これらの活動に取り組んでおります。
なお、詳細は弊社ウェブサイトをご参照ください。
当社グループ環境方針:
TCFDに沿った情報開示:
① 環境(気候変動関連等)に関するガバナンス
気候変動に関する当社グループの取り組みを主導するため、サステナビリティ推進委員会において重要課題に関する議論と取り組みの推進を行っています。詳細は上述の「(1)①サステナビリティ全般に関するガバナンス」をご参照ください。
また、㈱ベネッセコーポレーションでは、ISO14001を取得し、事業部ごとに環境担当者を据え、顧客や事業ステージに沿って毎年各部計画を立案し、GHG排出量削減を含む環境負荷削減と環境教育の推進をしています。
(気候変動への取り組み)
② 気候変動関連に関する戦略
(a)当社グループの主要子会社の一つである㈱ベネッセコーポレーションにおいて、以下に記載のとおり気候変動シナリオの分析を行い、気候変動に関するリスクと機会による影響を把握して、これに基づき戦略及び取り組みを策定、遂行しています。
イ 気候変動シナリオ分析の概要
㈱ベネッセコーポレーションでは、気候変動に関する事業影響を把握し、気候関連リスク・機会に対する当社グループの戦略のレジリエンスを評価することを目的として、シナリオ分析を実施しています。気候変動の事業へのリスクと機会について、㈱ベネッセコーポレーションの主要事業である国内教育事業について、1.5℃シナリオ(※2)と4℃シナリオ(※3)の複数シナリオについて検討しています。
(※2)産業革命前からの地球の平均気温の上昇が2100年ごろに「1.5℃を十分に下回る想定」のシナリオ
(※3)産業革命前からの地球の平均気温の上昇が2100年ごろに「4℃近くまで上がってしまう想定」のシナリオ
なお、詳細は上述の「TCFDに沿った情報開示」をご参照ください。
ロ リスク・機会の重要度の評価
複数のシナリオ分析を行った結果、移行リスク・物理リスク・機会について、重要度(大・中・小)に分けて以下のとおり評価を行いました。

ハ 今後の戦略及び取り組み
上記の検討をした結果、以下の戦略及び取り組みを策定、遂行しています。
・移行リスクに対しては、
CO2削減に配慮した代替素材の検討、資源循環への取り組み(リサイクル)、デジタル教材の定着による配送費の削減、省エネ等のオフィス活動等によるGHG排出量削減、再生可能エネルギー導入目標設定と取り組み推進、タブレットBYOD検討等
・物理リスクに対しては、
生産拠点の分散化、代替輸送手段の確保、物流拠点の水害対策の強化等によるリスク低減等
・機会については、
消費者の変化を踏まえた、新たな環境教育の推進、環境技術革新の商品・サービス・マーケティング活動への反映等
なお、気候変動に関する新しい教育機会の提供の事例については、上述の「TCFDに沿った情報開示」をご参照ください。
(b)当社グループの主要子会社の一つである㈱ベネッセスタイルケアにおいて、以下に記載のとおり気候変動シナリオの分析を行い、気候変動に関するリスクと機会による影響を把握して、これに基づき戦略及び取り組みを策定、遂行しています。
イ 気候変動シナリオ分析の概要
㈱ベネッセスタイルケアについても㈱ベネッセコーポレーションと同様に1.5℃と4℃シナリオで分析しています。
ロ リスク・機会の重要度の評価
複数のシナリオ分析を行った結果、リスク・機会について、重要度(大・中・小)に分けて以下のとおり評価を行いました。

ハ 今後の戦略及び取り組み
上記の検討をした結果、以下の戦略及び取り組みを策定、遂行しています。
・省エネの最適化(LED化、環境マネジメントシステムの導入など)
・再生可能エネルギー+蓄電の実用化(新規ホームへの太陽光発電設置)
・オフセットの最大化(CO2フリー電力や環境価値証書)
・EV車両への入れ替えによるガソリン使用でのCO2削減
・激甚災害化への事前対策
③ 気候変動関連に関するリスク管理
上述の「(1)③サステナビリティ全般に関するリスク管理」をご参照ください。
また、当社グループの主要子会社の一つである㈱ベネッセコーポレーションにおいては、ISO14001の認証を2004年より継続しており、事業部ごとの顧客や事業ステージに沿って毎年各部計画を立案し、GHG排出量削減を含む環境負荷削減と環境教育の推進を行っています。また全社員にむけてWEB環境研修を実施し社員の意識向上も図っています。この活動の一環として、毎年社長へのマネジメントレビューも実施しております。
④ 気候変動関連に関する指標及び目標
〈主要子会社の一つである㈱ベネッセコーポレーション〉
・スコープ1・2とスコープ3(※4)の削減目標:基準年(2018年)を100%とした時の削減率
・再生可能エネルギー比率目標 2041年 100%
・スコープ1・2とスコープ3の削減実績:基準年(2018年)を100%としたときの削減率
詳細は、弊社ウェブサイト(
〈当社グループ〉
・スコープ1・2の削減目標:基準年(2022年)を100%としたときの削減率
(※4)
スコープ1:事業者自らによるGHGの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
スコープ2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
スコープ3:スコープ1、スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
(生物多様性への取り組み)
② 生物多様性関連に関する戦略
当社グループの主要子会社の一つである㈱ベネッセコーポレーションにおいて、以下に記載のとおりLEAPアプローチ(※5)にそって分析を行い、生物多様性に関するリスクと機会による影響を把握して、これに基づき戦略及び取り組みを策定、遂行しています。
イ LEAPアプローチにそった分析の概要
まず自然資本とのかかわりの整理を行いました。自然への影響度と重量から、紙と鉱物資源が㈱ベネッセコーポレーションにとって焦点を当てる資源と特定しました。
次にサプライヤー調査を実施しました。製紙会社については、自然資本を毀損する「森林破壊・土地転換」(※6)をしていないことを確認しました。印刷・製本会社については、製紙会社に比べると環境マネジメントを組み入れている会社は少ないですが、インキや印刷方法を環境に配慮したものに切り替えつつあり、環境負荷は高くないと確認しました。
また自社拠点の調査については、㈱ベネッセコーポレーションの自社拠点では基本的にオフィス活動が大半で、操業時の環境負荷は高くない状況であることを確認しました。ただ岡山本社ビルは保護地域内に自社施設を保有しており、一定程度生物多様性への配慮が必要と判断しました。これらの分析をもとに今後の戦略及び取り組みを策定しています。
(※5)LEAPアプローチとは、自然との接点、自然との依存関係、インパクト、リスク、機会など、自然関連課題の評価のための統合的なアプローチとして、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)により開発されたもので、Locate(発見)、Evaluate(診断)、Assess(評価)、およびPrepare(準備)の観点で分析を進めるものです。
(※6)「森林破壊・土地転用」とは、森林を伐採し、その伐採跡地を農地や宅地、工場用地などに土地利用の転換を行うことです。
ロ リスク・機会の評価
LEAPアプローチにそった分析を行った結果、リスク・機会について以下のとおり評価を行いました。
<リスク>
・自然資本の毀損による風水害の甚大化を起因とするサプライチェーン・自社拠点への影響
・紙・鉱物資源等仕入れ価格の変動
・プラスチック規制の強化
・配送料の高騰や再エネ切り替えでのコスト上昇
<機会>
・デジタル化による原材料使用の削減
・BYOD化によるタブレット製造コストの削減と鉱物資源の価格変動リスクの回避
・DM発送量の低減による原材料使用とコストの削減
・環境教育機会増加に応じた売上増加
・環境負荷が低いブランドとしての認知度の向上
ハ 今後の戦略及び取り組み
上記の検討をした結果、以下の戦略及び取り組みを策定、遂行しています。
・資源の効率化(DX化の推進、BYOD化の検討・実施)
・サプライチェーンマネジメントでの自然資本への取り組み(環境方針策定や環境配慮型の印刷・インキ利用拡大など製紙会社・印刷製本会社とのコミュニケーションの維持と必要に応じて要請、協働の検討)
・資源循環(教具玩具のリサイクルの継続、タブレットリユースの継続・拡大、各拠点の廃棄物リサイクルの継続)
・ステークホルダーとの協働(自然共生サイト登録可能性調査検討、ネイチャーポジティブ(※7)につながる活動の探索)
・環境教育(発達段階に応じた環境教育の機会の提供強化)
(※7)ネイチャーポジティブ(自然再興)とは、「自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させる」ことを指します。
③ 生物多様性関連に関するリスク管理
上述の「(2)③ 気候変動関連に関するリスク管理」をご参照ください。
④ 生物多様性関連に関する指標及び目標
〈主要子会社の一つである㈱ベネッセコーポレーション〉
・森林破壊につながらない紙の調達:紙使用量削減、森林破壊につながらない紙の調達100%維持
・GHG排出量削減:「(2)④ 気候変動関連に関する指標及び目標」に同じ
なお、上記以外の指標及び目標も今後検討します。
(3) 人的資本・多様性に関する考え方及び取り組み
当社グループでは創業以来「人を軸とした」事業を展開してきました。そして社内においても志を共にする「人」を財産とする考え方が脈々と受け継がれています。理念に共感する一人ひとりの従業員が自分の仕事を通してお客さまに寄り添い、その課題解決に少しでも役立っているのだという実感を持ち、ひいてはそれが社会課題の解決につながっていくと思えることが当社グループ従業員のやりがいにほかなりません。一人ひとりの従業員がリスキルし、アップデートした力を存分に発揮し、「変革事業計画」を達成していくことを目指しています。その考え方に従って、以下のような社内の人財育成方針や環境整備方針を策定しています。
① 人的資本・多様性に関するガバナンス
グループの人事に関する重要テーマについては、グループ人事委員会にて報告・審議を行っており、また、当社のCHROは人事領域におけるグループ全体の経営課題の抽出・解決の役割を担っています。詳細は上述の「(1)①サステナビリティ全般に関するガバナンス」をご参照ください。
② 人的資本・多様性に関する戦略
イ 人財育成方針
当社グループでは「変革事業計画」の実現に向けて必要な組織能力として、デジタル人財の確保・育成を重要なテーマに掲げています。デジタル人財の育成を進めるにあたり以下のような方針や目標を設定して取り組んでいます。
どの事業領域においても「変革事業計画」の実現に向けてデジタル化は重要なテーマになっています。ITやデジタル活用に対する各事業のニーズが高まる中、DX人財の充足に向けて、DXの各職種のスキル定義を行い、全社員のスキルを把握するとともに、DX職種の必要数を事業ニーズから算定することでDX人財の充足状況を可視化しています。不足しているポジションについては、現場でのOJTに加えて社内事例を豊富に含んだ研修プログラムを受講できるようにする等の既存社員のリスキル施策を通じて充足を進めています。2023年度の当該研修プログラムの参加者は延べ9,207人(前期は延べ6,504人)に上ります。必要要員数自体も増加する中で、2023年度は前年度から5.2%アップして85.3%となっています。また各スキルのレベルについても多くの職種で上昇傾向となっています。
<DX人財の必要要員数と配置数のGAP分析>
全体の充足率は2022年度の80.1%から2023年度85.3%へ上昇
前期から当期の増加率は下記のとおり

↑:増加 ↑↑:120%以上増加 ↑↑↑:150%以上増加
(※8)BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング):事業戦略の実現に向けて、技術を用いて業務の可視化・効率化・分散化を行い、ビジネスプロセスの構築または再設計を行う
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス):プロジェクトを成功させるために障壁となっている課題の管理を行う。また、必要な資金・人財などのリソース調整や品質・費用・納期のチェック等、プロジェクトマネジメントの支援(一部、指導)を行う
(※9)レベルについて
Lv1:業務内容を理解し、一部他者の支援を受けながら実行することができる
LV2:主体的に実行し、個人として大きな成果を出すことができる
LV3:高い専門性を発揮し、組織として大きな成果を出すことができる
また、他者への指導や後進の育成ができる
ロ 社内環境整備方針
当社グループでは、従業員が生き生きと働くために、エンゲージメント向上とダイバーシティ推進を重要なテーマに掲げています。具体的には(i)エンゲージメント向上や(ii)ダイバーシティ推進に係る方針や目標を設定して環境整備に取り組んでいます。
(i) エンゲージメント向上について
当社グループは、「現場の従業員が生き生きと活躍しているときこそ、事業が成長する」という信念に基づき、20年以上も前から組織アセスメントを実施しています。毎年、その結果を受けて現状と課題認識を経営会議で共有し、その改善計画を事業計画に反映する形で組織力強化のためのPDCAサイクルをグループ経営・各社経営の仕組みに取り入れています。
当社グループ各社のエンゲージメントスコアについては理念の共有・浸透度合いとの相関が高いという結果が出ており、グループ全体での創業日朝礼の実施や、理念冊子の配布等、理念をベースにした社員の思いを共感しあう施策を実施することを通じて社員のやりがいを高めています。また、環境変化が激しく先が見通しにくい今だからこそ、これまで以上に従業員の知恵を集めて、事業提案、業務改革につなげることが重要であるという考えのもと、提案制度「B-STAGE」(ビーステージ)を2021年度からグループ各社全体を巻き込んでスタートしました。3年目を迎えて制度が定着し、受賞企画が検証プロセスを経て新規事業としてリリースされた事例も生まれてきています。
(ii) ダイバーシティ推進について
当社の前身である㈱福武書店では男女雇用機会均等法施行前の1980年代から男女均等処遇を貫いており、男女の区分なく、意欲と実力があれば誰でも活躍できる組織風土が根付いています。現在、当社グループでは、女性の活躍や能力開発をさらに強化すべく、各グループ会社や各組織における女性の管理職比率のモニタリングや幹部のパイプライン強化に取り組んでいます。
また当社グループの障がい者雇用の促進を目的に2005年に設立された特例子会社㈱ベネッセビジネスメイトでは、障がい者一人ひとりの特性を生かした活躍の場を創出し、法定雇用率を上回る雇用率を達成するとともに(2024年4月1日時点 2.57%)、従業員一人ひとりの成長支援を実現する障がい者雇用のあり方を追求しており、厚労省が認定する「もにす認定」(※10)をはじめ各種の表彰を受け、官庁や支援機関からの見学等も数多く受け入れています。
(※10)障がい者雇用に関する優良な取組をしている中小企業を厚生労働大臣が認定する制度
③ 人的資本・多様性に関するリスク管理
上述の「(1)③サステナビリティ全般に関するリスク管理」をご参照ください。
④ 人的資本・多様性に関する指標及び目標
各テーマの指標と目標は以下のとおりです。
(注)達成状況は前期・当期ともに4月1日時点の数値となります
当社グループの事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項、並びに経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを記載しています。なお、当社グループは、管理部門の専門領域ごとにCXOを設置し、専門的な観点からこれらのリスク発生の可能性を把握、認識したうえで、発生の回避及び万一発生した場合でも業績及び財務状況に与える影響を最小限にすべく、具体的施策を検討、実施しています。
本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は有価証券報告書提出日である2024年6月27日現在において判断したものです。
(1) 情報セキュリティ
当社グループの国内教育事業では、主に、小学生から高校生を対象とした「進研ゼミ」等の会員制の通信教育事業、幼児を対象とした「こどもちゃれんじ」、学習塾・予備校・教室等の塾・教室事業、「進研模試」をはじめとする学校向け教育事業を行っています。介護・保育事業では、主に、入居介護サービス事業、在宅介護サービス事業、保育園・学童運営事業を行っています。大学・社会人事業では、主に、社会人向けオンライン教育、留学支援事業を行っています。その他では、主に、中国等における幼児向けを中心とした教育事業、雑誌の出版、通信販売事業を行っています。
当社グループでは、これらの商品・サービスの提供や営業活動を行うにあたって、顧客ごとのニーズに対応した商品・サービスを提供するため、顧客及び潜在顧客の氏名・性別・生年月日・住所・電話番号等の個人情報、その他業務上必要となる各種情報を保有しています。また、これらの事業を展開するにあたり、商品・サービス開発、マーケティング等に関する営業秘密を保有しています。
当社グループは、これらの情報の管理や活用にあたり、機密性・完全性・可用性を考慮した情報セキュリティ環境の構築に力を入れ、標的型メール、ランサムウェア、不正アクセス等の外部からのサイバー攻撃による情報漏えいやサービス停止の防止、内部者による不適切利用・情報漏えい防止の徹底、パブリッククラウドを利用する場合のサービス選定・運用等に関するルールの遵守の徹底、テレワークに対応したセキュリティ環境の構築、認証・監視の強化等、必要な措置を講じています。また、2014年に発生した当社グループにおける顧客個人情報の漏えい事故を踏まえ、事故の再発防止策を徹底して講じ、以降も対策の強化に努めています。
しかしながら、デジタル技術の浸透や発展、情報セキュリティシステムへの攻撃の高度化かつ巧妙化により、当社グループの対策が十分に機能せず外部からのサイバー攻撃を防止できなかった場合や、従業員又は業務委託先の故意又は過失等によって、新たな漏えい事故やサービス停止が発生した場合には、当社グループの信用やブランド価値が毀損され、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(2) 情報システム・ネットワークのトラブル
当社グループでは、顧客及び潜在顧客の個人情報、その他業務上必要となる各種情報を情報システム上で管理しています。また、インターネットを利用した教育サービス、学校向けのICT教育支援サービス・クラウド型学習支援・校務支援サービス等を提供しています。
これらの情報システム及びネットワークの管理にあたっては、当社グループが提供する商品・サービスに必要なインフラ整備を進めるとともに、管理監督体制の強化と規程類に基づく運用の徹底に継続的に取り組み、情報システム及びネットワークの安定稼働の確保に力を入れ、適切なサーバの管理や情報のバックアップ、事業のDX化に伴うシステム開発力の向上、重要な案件の新規開発に当たっての事前審査及びモニタリング強化等開発リスク低減のための必要な措置を講じています。
しかしながら、当社グループで管理する情報又は開発・提供する商品・サービスに対して、当社グループが採用するパブリッククラウドにおける障害、ハードウェアやソフトウェアの欠陥や事故による障害、災害・事故発生による大規模なネットワーク障害等が発生した場合には、商品・サービスの継続的かつ安定的な提供が阻害されるのみならず、受注・債権管理等の事業基盤の停止等により、当社グループの業績及び事業運営に影響を与える可能性があります。
(3) 人材確保
当社グループが、今後も個々の顧客のニーズや状況に応じた商品・サービスを開発、運営するためには、DX領域をはじめ、事業計画の実行を支える高度な専門性を有する人材が不可欠であり、各事業の人材ニーズを把握したうえで、必要なスキルを可視化し、職種ごとの人材採用強化や育成プログラムを導入する等、人材確保と人材育成を推進しています。
また、介護・保育事業の継続的な成長の実現、及び安定したサービス提供のためには、介護・保育スタッフの充分な確保と定着が重要な問題であると考えています。特に介護事業では、介護スタッフの専門性を高める施策、DX化による業務支援、人材の職能や経験、スキルに応じた評価を反映した処遇制度の充実を図ることで、優れた人材が当社グループで活躍できる環境を整備し、人材の確保に努めています。
しかしながら、人材採用競争の激化、労働市場の状況変化等により優秀な人材の確保に不十分な状況が生じる場合、社内人材の育成が奏功しない場合や雇用継続に支障をきたす場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(4) 自然災害
当社グループは、地震・風水害等の大災害発生に備え、グループ共通のBCP基本計画書を策定しております。これに基づき、当社及びグループ各社において、安否確認システムの導入、各種訓練の実施、施設の設備対応、災害備蓄品の保管、主要事業における業務継続計画書の策定等を行い、お客さま及び従業員等の安全確保と事業継続ができる体制の構築に努めています。
しかしながら、当社グループの主要な事業会社の本部機能が東京に集約され、かつ多くの入居介護施設が首都圏に集中して設置されていること、並びに通信教育事業及び模試事業等の主な製作・物流機能が岡山に集中していることから、首都直下型地震や南海トラフ地震等の大災害が発生した場合、被災地域における当社グループ施設等の損壊、停電、及び交通、通信、物流といった社会インフラの混乱及び途絶、取引先の被災等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(5) パンデミック
当社グループでは、国内教育事業における塾・教室事業及び留学支援事業、介護・保育事業、直島事業、中国事業等、場を用いたサービス提供をしています。今後の変異ウイルスや新型インフルエンザ等による新たなパンデミック(感染症・伝染病の大流行)発生時に備え、新型コロナウイルス感染症の対応経験も踏まえた感染対策と発生の場合の事業継続に関する準備を行っています。例えば、塾・教室事業におけるオンラインレッスン実施のための環境整備、介護・保育事業における感染症対策のガイドライン・マニュアル改定とその実行、事業所における在宅勤務と出社を組み合わせたハイブリッド勤務の継続等が挙げられます。また、自然災害に備えたBCPを踏まえ、新たなパンデミックを視野にパンデミックBCPの策定を検討しています。
しかしながら、新たなパンデミックが発生し、その影響が現在の想定を超えた場合、場を用いたサービスでの営業自粛による売上減少及びパンデミック対策に要する費用の増加等により、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を与える可能性があります。
(6) 海外事業関連
当社グループでは、東アジア・東南アジア・南アジアでの事業を進めています。
海外事業は、各国・地域の法律・規則類、外資規制及び税制の差異及び変更、政治情勢及び経済情勢の悪化、商慣習及び文化等の相違、労働問題、日本との関係の悪化等の社会環境の変化、戦争やテロの発生等により影響を受ける可能性があるため、当社グループでは、事業展開地域の法制度の改正や行政の動向等に係る情報収集等に加え、リスクの顕在化に備え、速やかに対応ができるよう準備を進めています。
また、依存度の高い現地事業パートナー等の、経営状況の悪化等による当社グループへの影響をできる限り低減するため、継続的なモニタリング等、情報収集に努めています。
しかしながら、これらの国・地域において予想を超える事態が発生することにより、海外事業展開や事業継続に支障をきたし、又はこれらに対する対応に想定以上の負担を余儀なくされることにより、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。また、想定を上回る規模で、現地事業パートナー等の経営悪化等が発生した場合には、事業に支障が生じる可能性があります。
(7) 調達・製作
当社グループの通信教育事業の教材及びダイレクトメールの製作・物流業務については、教材のデジタル化推進やダイレクトメール以外のマーケティング手法の開拓により、調達、製作、物流等のコストの低減に努めています。これに伴う既存取引先への影響についても丁寧なコミュニケーションを重ねています。また、通信教育事業の教材のうち、教具・玩具については、主に中国から調達していますが、人件費や原材料費の高騰等による調達コストの上昇や、カントリーリスクによる入庫遅延等の発生可能性を踏まえて、新たな調達先の選定を進めています。
しかしながら、かかる施策が奏功する前に現在の想定を上回る規模で、用紙等の原材料費の高騰、物流コストや為替相場の変動等による調達コストの増加、カントリーリスクの顕在化等が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(8) 商品安全、場の安全
当社グループの国内教育事業、及び中国等での教育事業では、教具・玩具の提供、塾・教室、コンサート等のイベントの開催、通信販売等、多種多様な商品・サービスを提供しています。また、介護・保育事業では、高齢者や乳幼児、小学生に対するサービスも提供しています。これらの事業では、顧客に安心して商品・サービスを利用していただくため、商品安全及び場の安全を確保すべく管理体制の構築及び向上に努めています。
商品安全に関しては、国際的な商品安全基準を基に当社の安全基準を策定し、設計段階から商品の安全性を評価・管理するとともに、顧客からの声を反映し、より安全性の高い商品開発に努めています。また、塾・教室事業や介護・保育事業においては、現場運営における事故防止ガイドライン、各種マニュアルの制定、及び事故対応に関する研修等を実施することによって、安心・安全な場の提供に努めています。
しかしながら、商品やサービスの提供にあたり、商品・サービスの瑕疵に起因して、顧客の生命・身体や財産を害する事故等が発生した場合、当社グループの社会的信用が失墜し、事業の継続自体に影響を与える可能性があります。
(9) 子会社業績の悪化の影響
当社グループは、成長領域と位置付けた分野を中心に、積極的に投資を実施したいと考えております。そのため、連結財務諸表におけるのれんを含む無形固定資産や当社財務諸表における関係会社株式は、今後も増加する可能性があります。
しかしながら、当社及び当社グループの収益性が著しく低下した場合には、連結財務諸表においては当社及び当社グループの保有する土地・建物・のれん等について、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することが必要となります。また、当社財務諸表においては、当社の保有する関係会社株式について、その帳簿価額を時価又は実質価額まで減額し、当該減少額を関係会社株式評価損として計上することが必要となります。その結果、当社及び当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。なお、連結子会社㈱ハートメディカルケアを取得したことに伴うのれん(当連結会計年度末残高1,975百万円)について、当期において減損損失を計上していないものの、減損の兆候を識別しておりますが、これにかかる会計上の見積りの前提条件等については、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
また、当社が保有する㈱ハートメディカルケアの株式(当事業年度末残高3,855百万円)の評価にかかる会計上の見積りの前提条件等については、「第5 経理の状況 2(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
<事業環境>
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に移行されたことに伴う経済活動の正常化が一段と進み、またインバウンド需要の回復等も相まって、企業活動及び個人消費行動は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化等に伴う資源価格や原材料価格の高騰、中国経済の先行き懸念、及び欧米の金融引き締め政策の長期化等に起因する円安の継続等、景気動向の先行きについては依然不透明な状況にあります。
このような環境において、国内教育事業及び大学・社会人事業では、少子化にともなう市場の縮小や教育ニーズの多様化に伴う選択肢の拡大の中で、家庭学習におけるデジタル教材の浸透やSTEAM教育などの教科学習以外への高い関心、いわゆる「GIGAスクール構想」を背景とした学校教育におけるICT活用の活性化とそれに伴う学校現場の負担増、また大学入試の多様化や早期化、それに伴う入学前教育市場の拡大、さらにはリスキルなどに代表される大学生及び社会人教育市場の活性化等、市場環境に劇的な変化が生じています。これにより、新たな教育事業の機会は拡大し続け、新規参入の企業も加わり競争が激化しており、当社グループにおいても商品戦略やマーケティング手法等の変革に取り組んでおります。
介護・保育事業では、新型コロナウイルス感染症の5類への移行後、介護サービスの利用に関する顧客行動は業界全体で回復基調での推移となっています。高齢化の進行に伴い、引き続き介護サービスへのニーズは拡大することが予想される中で、介護職の有効求人倍率は高水準での推移が続いており、依然として人材の確保及び維持が業界全体の課題となっています。
<当期の業績>
当期の当社グループの連結業績は、前期比減収減益となりました。
減収の主な要因は、介護・保育事業における既存拠点における入居率の回復、価格改定、及び新規拠点開設に伴う顧客数の増加、「進研ゼミ」及び国内の「こどもちゃれんじ」における価格改定、大学・社会人事業及び学校向け教育事業の受注増等による増収があったものの、「進研ゼミ」及び国内と中国の「こどもちゃれんじ」の延べ在籍数減少による減収があったことです。
営業利益及び経常利益の減益の主な要因は、減収によるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益の減益の主な要因は、経常利益の減益に加え、投資有価証券評価損の計上、台湾におけるこどもちゃれんじ講座事業の事業整理損の計上、MBOに伴うアドバイザリー費用等の公開買付関連費用の計上、及び法人税等の増加等によるものです。
ROEは、4.1%となり前期比3.4ポイントの減少となりました。
<セグメントの業績>
当期より、報告セグメントの区分を変更しており、前期との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。詳細は、「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(注) 上記に記載している売上高は、「セグメント間の内部売上高又は振替高」を含んだ金額を記載しております。
(注) 上記に記載している調整額には、セグメント間取引消去、各報告セグメントには配分していない全社費用が含まれております。
[国内教育事業]
減収の主な要因は、「進研ゼミ」及び国内の「こどもちゃれんじ」における価格改定、学校向け教育事業の受注増があったものの、「進研ゼミ」及び国内の「こどもちゃれんじ」において延べ在籍数減少による減収があったことです。
減益の主な要因は、減収によるものです。
[介護・保育事業]
増収の主な要因は、入居介護サービス事業において、既存ホームの入居率の回復に伴う顧客数の増加、価格改定、高齢者向けホーム及び住宅数を前年同期比5ホーム拡大したことによる増収があったことです。
増益の主な要因は、増収によるものです。
[大学・社会人事業]
増収の主な要因は、社会人向けオンライン教育プラットフォームサービス事業において顧客数の増加等による増収があったことです。
減益の主な要因は、増収による増益があったものの、㈱進研アドにおける商品サービス構成の見直しによる減益、社会人向けオンライン教育プラットフォームサービス事業における要員の増加等の費用増があったことです。
[その他]
減収の主な要因は、直島事業における宿泊施設等の利用者数の増加による増収があったものの、2023年7月1日付で㈱ベネッセインフォシェルを㈱ベネッセコーポレーションに吸収合併したことに伴い、同社の業績は第1四半期連結累計期間の末日までを計上していること、及び中国事業における延べ在籍数の減少による減収があったことです。
減益の主な要因は、減収によるものです。
(販売実績)
(注)1.「セグメント間の内部売上高又は振替高」は含んでおりません。
2.当期より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。なお、前期については、変更後の区分方法により作成しております。
(国内教育事業における進研ゼミ事業及び国内こどもちゃれんじ講座事業の概要)
「進研ゼミ」は、小学生から高校生を対象とした通信教育講座であり、通信添削を中心として毎月継続的に行う家庭学習システムであります。また、国内教育事業の「こどもちゃれんじ」は、日本における、主に幼児を対象とした通信教育講座であります。各講座の国内における延べ在籍数は次のとおりであります。
(介護・保育事業における高齢者向けホーム及び住宅数)
(海外こどもちゃれんじ講座事業の概要)
その他の「こどもちゃれんじ」は、中国、台湾における、主に幼児を対象とした通信教育講座であります。各講座の延べ在籍数は次のとおりであります。
2.中国において通信教育事業等を行っている倍楽生商貿(中国)有限公司等2社の決算日は12月末日のため、上記の連結会計年度の延べ在籍数は、1月から12月における延べ在籍数となっております。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、5,283億9千1百万円と、前期比2.4%、131億6千8百万円減少しました。
流動資産は、2,582億5千万円と、前期比2.8%、73億7千6百万円減少しました。この減少は、現金及び預金の増加があったものの、有価証券が減少したこと等によるものです。
有形固定資産は、1,658億9千5百万円と、前期比1.7%、27億9千6百万円増加しました。この増加は、主にリース資産の増加によるものです。
無形固定資産は、362億6千1百万円と、前期比3.4%、12億9千1百万円減少しました。この減少は、主にのれんの減少によるものです。
投資その他の資産は、679億8千4百万円と、前期比9.7%、72億9千6百万円減少しました。この減少は、退職給付に係る資産の増加があったものの、投資有価証券が減少したこと等によるものです。
セグメントごとの資産を示すと、次のとおりであります。
[国内教育事業]
国内教育事業の資産は、2,054億4千5百万円と、前期比0.4%、7億6千4百万円減少しました。この減少は、退職給付に係る資産、商品及び製品の増加があったものの、現金及び預金、未収入金、並びに繰延税金資産が減少したこと等によるものです。
介護・保育事業の資産は、2,211億9千8百万円と、前期比4.0%、85億5千8百万円増加しました。この増加は、主に現金及び預金、リース資産、並びに受取手形及び売掛金の増加によるものです。
大学・社会人事業の資産は、170億2千9百万円と、前期比19.6%、27億8千7百万円増加しました。この増加は、主に受取手形及び売掛金、退職給付に係る資産、並びに繰延税金資産の増加によるものです。
その他の資産は、418億8千万円と前期比13.2%、63億9千5百万円減少しました。この減少は、主に受取手形及び売掛金、現金及び預金、並びに商品及び製品の減少によるものです。
(負債)
当連結会計年度末の総負債は、3,627億1千2百万円と、前期比4.6%、175億9千3百万円減少しました。
流動負債は、1,612億4千8百万円と、前期比4.4%、74億2千8百万円減少しました。この減少は、未払金の増加があったものの、前受金、1年内返済予定の長期借入金が減少したこと等によるものです。
固定負債は、2,014億6千4百万円と、前期比4.8%、101億6千4百万円減少しました。この減少は、リース債務、受入入居金の増加があったものの、長期借入金が減少したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、1,656億7千8百万円と、前期比2.7%、44億2千4百万円増加しました。この増加は、剰余金の配当による減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、その他有価証券評価差額金の増加等によるものです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、105億6千4百万円増加し、1,141億1千1百万円(前期比10.2%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、260億4千3百万円の資金の獲得となりました。これは、前受金の減少84億1千6百万円等があったものの、非資金費用である減価償却費192億4千2百万円、税金等調整前当期純利益113億6千1百万円があったこと等によるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の獲得が38億9千8百万円増加(前期比17.6%収入増)しておりますが、主に、税金等調整前当期純利益が33億4千8百万円の減益となったものの、未払金の増減額が56億9千9百万円の支出減となったこと、投資有価証券評価損等のその他の損益が26億1千万円の増加となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは169億4千万円の収入となりました。これは、有価証券の取得・売却による収支が205億円の収入となったこと等によるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の獲得が359億1千2百万円増加(前連結会計年度は189億7千1百万円の支出)しておりますが、主に、有価証券の取得・売却による収支が219億9千8百万円の収入増、投資有価証券の取得・売却による収支が157億1千1百万円の収入増となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは330億7千7百万円の資金の支出となりました。これは、長期借入れによる収入と返済による支出の収支が231億8百万円の支出となったこと、配当金の支払額57億8千7百万円があったこと等によるものです。
また、前連結会計年度と比較して資金の支出が184億5千9百万円増加(前期比126.3%支出増)しておりますが、主に、長期借入れによる収入と返済による支出の収支が180億4千万円の支出増となったことによるものです。
当社グループは、主として個人を対象とした業務を行っておりますので、生産能力として表示すべき適当な指標はありません。これに代えて、売上高及びグループ規模と比較的関連性が強いと認められる国内教育事業における進研ゼミ会員の延べ在籍数、国内こどもちゃれんじの延べ在籍数、介護・保育事業における高齢者向けホーム及び住宅数、並びにその他における海外こどもちゃれんじの延べ在籍数を「(1)経営成績」に販売実績と合わせて記載しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(3)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
当連結会計年度において、今後の機動的かつ大胆な経営施策の実行に十分な資金を保持しており、財務状況に配慮しつつも「変革事業計画」の達成に向けて、成長領域と位置付けた分野でのM&AやDXのさらなる推進、事業基盤強化等のための投資等を行っていきたいと考えております。なお、M&Aは、投資対象を厳選したうえで、積極的に実施したいと考えております。
これらの資金需要につきましては、主に現在保有している自己資金のほか、DXの推進や事業基盤強化等は今後創出するキャッシュ・フローにて対応する予定です。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表及び当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表及び財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表及び財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当期において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
当期における当社グループ全体の研究開発費は
セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。