当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営理念、グループスローガン及び経営方針
① 経営理念
当社グループは、以下の文章をグループ経営理念として掲げております。
私たちは「人との出会い」を大切にし、
共に過ごす時間の中で、共に学び、共に成長しながら
豊かな社会の創造に邁進し、
「笑顔が溢れる社会づくり」に貢献する。
② グループスローガン
当社グループは「Rise for it」というグループスローガンの下、これまで主として製造請負・製造派遣事業、技術者派遣事業といったモノづくりに関わる労働サービスの提供を行い、また、ITサポート事業、受託製造事業、電子部品卸売業、修理サービス事業といったメーカー等の顧客支援事業へも進出してきました。
このグループスローガンには、人々の毎日がより豊かなものとなるように、”モノづくりを支援する会社”として地球環境、お客様、従業員など、さまざまな「it」を向上させられる存在でありたいという思いが込められております。
③ 経営方針
当社グループは、以下の文章をグループ経営方針として掲げております。
千変万化
私たちは変化し続ける社会環境に対して
常に新たな挑戦を行い、お客様に感動を与える事を
使命として活動し続ける
(2) 経営戦略
当社グループは、2022年3月期から2025年3月期までの4か年を計画期間とする以下の中期経営計画を策定し、その実現と新たな企業価値創造に取り組んでおります。
『2022-2025中期経営計画』
① 基本方針
「事業規模の拡大」「新たな技術の取り込み」「高付加価値化による収益性向上」「成長を支える財務戦略」
② 成長戦略
1.効率的な営業拠点の拡大
既存拠点の機能をコンパクト化しつつ拠点統合を進めるとともに、グループ拠点を相互活用しながら効率的に未進出エリア、戦略的エリアに対しエリア拡大を推進。
2.スマートものづくりの推進
賃借型工場による汎用性のある生産体制提案やロボット導入による自動化オペレーション提案など、市場や顧客ニーズに臨機応変に対応できるものづくり体制を推進。
3.サービス事業の拡大
修理サービス事業で培ってきたノウハウを活かし、今後ますますニーズが高まるエネルギー周辺事業やリサイクル関連事業をターゲットとして事業拡大を目指す。
4.高度人財教育の拡充
企業ОBによる実践的な教育を強化するとともに、これらの教育ノウハウをコンテンツ化し、一般企業に対し教育受託サービスとして展開。
5.ASEAN地域での人財DBの拡充
海外現地での有力大学や教育機関との提携を進め、日本語及び日本文化教育を展開するとともに、日本での就職を希望する海外人材と日本企業を繋ぐサイト運営を推進。
6.M&Aの活用・推進
当社グループが保有する技術・ノウハウが活かせる新領域に進出することで各領域でのシナジーを創出し、事業ポートフォリオの整備を進めながら事業価値の向上を図る。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、『2022-2025中期経営計画』の実行期間を「確立した事業ポートフォリオの強化・拡張により成長を加速」させる期間と捉え、2025年3月末で売上高600億円、EBITDA40億円を目標としております。また、高付加価値サービスの提供とともに業務の効率化を図り、高収益な経営体制を確立すべく、売上高経常利益率の改善を経営上の重要課題として捉えております。
(4) 経営環境
日本の製造業においては、経済安全保障の観点などからサプライチェーンの再構築の必要性が検討されるなか、為替の円安基調も後押しするかたちで製造拠点の国内回帰が一層加速することが見込まれております。一方で、原材料やエネルギー価格をはじめとした物価の上昇などもあり、積極的な設備投資は大手製造業や半導体関連など一部の分野を中心に進められ、中小規模の製造業にとっては人材確保の課題もあり、新たな設備投資に慎重な企業も多く見受けられます。こうした市場環境のなか、ファブレス化を目指すメーカーも増加しており、人材投資は設計開発などの上流工程に集中し、製造工程は外部に委託することで電子機器受託製造(EMS)事業の需要拡大が予測されます。
また、建設業については、2024年4月から「働き方改革関連法」が建設業にも適用され、残業時間の上限規制により人材不足が一層深刻化し、IT業界についても開発の上流工程を担うプロジェクトマネージャークラスのエンジニアが慢性的に不足しており、いずれの業界においても一部でプロジェクトの遅延や延期が発生する状況となっております。
今後、日本の労働人口減少で全ての産業で人材不足が最重要課題となることが確実視されるなか、それを補う技術的イノベーションや産業構造の変化が予想されます。当社グループにおいては、これら産業構造の変化や市場ニーズの変化に対応しうる事業ポートフォリオの再構築を進め、高需要・新領域分野に向けた人材育成に努めることで、新市場および新規顧客の開拓に努めてまいります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 人材の確保と育成
少子高齢化による労働力不足が常態化するなかで、人材の恒常的な確保が求められる一方、ロボットや生成AIといった新たな技術が飛躍的に進歩し、社会の様々な場面で実用化が進んでまいりました。当社グループが事業を展開する製造業、建設業及びIT業においても、こうした技術革新や最新の動向にも迅速に対応できる人材の確保・育成が求められております。
このような市場環境に対応すべく、当社グループでは、『十分な人材の確保』と『新たなニーズに対応できる人材育成』を重要課題と認識しております。
人材の確保については、「海外人材の活躍推進」を掲げ、長きにわたって、海外人材の採用に関するノウハウを築いてまいりました。最近では、ASEAN諸国を中心に現地の理系大学との間で、日本語教育等に関する連携協定を結び、エンジニアを目指す学生に対して、語学教育だけでなく日本文化や生活習慣を学ぶ機会を提供するなど、海外の優秀な人材を獲得するためのネットワークを構築しております。
人材育成については、「未経験からのエンジニア育成」に注力し、今後の需要が期待される分野を中心に研修コンテンツの充実化を図っております。特に近年では様々な場面でロボットが活用されており、当社グループにおいても、成長戦略である「スマートものづくり」を推進すべく、ロボットエンジニアの育成に集中的に取り組んでまいります。
グループ各社が試行錯誤と企業努力のうえ培ってきた多種多様のノウハウを集結することでシナジーを発揮し、当社グループの“強み”となる人材を育成することにより、持続可能な成長と更なる企業価値の向上を目指してまいります。
② 事業ポートフォリオ戦略
2024年3月期の連結業績において、当社グループの中核事業である〈製造請負・製造派遣事業〉の連結売上高構成比は36.8%となります。リーマンショックの影響を大きく受けた2008年当時は、当事業の売上高構成比は約92%もあり、その後国内の製造拠点が海外に移転したことで、長期にわたって業績を下げる要因となりました。
そこで、『モノを作る技術を直す技術に』を合言葉にアフターサービス事業を開始し、新規事業への挑戦やM&Aへの投資を精力的に継続することで事業ポートフォリオの再構築に注力してまいりました。現在のウイルテックグループは、〈製造請負・製造派遣事業〉に加え、製造業、建設業、IT業において高付加価値技術を提供する〈エンジニア派遣事業〉やホタルクス社を含めた〈EMS事業〉が第二・第三の柱事業として成長してきたことで、相互に補完しあいながらシナジー効果が生まれやすい事業体制が整ってまいりました。
企業成長の源泉となる「売上の拡大」を図りつつ、今後は特に「稼ぐ力」にこだわり、ロボット関連事業や海外人材関連事業といった、市場成長性・収益性の高い事業に投資を集中し、さらなる競争力強化と収益力向上に努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社グループでは、経営理念で示す「笑顔が溢れる社会づくり」に貢献するため、「持続可能な社会への貢献」と「持続可能な企業価値の向上」を目指し、サステナビリティ方針を以下のとおり策定しております。
① 事業活動を通じ創造力・技術力の高い人財を育みます
従業員一人ひとりの可能性や創造性を最大限に引き出す仕組みを構築
法令順守はもとより、従業員の人権・人格・個性・多様性を尊重し、それぞれがやりがいと誇りをもって働けるよう、安心・安全な職場環境を整備
② 最適なサービス、技術を提供しつづけます
お客様の期待に応え、今ある課題を解決する、良質なサービス、技術を提供
お客様の期待を超え、未来への成長を持続するため、革新的かつ価値あるサービス、技術を提供
③すべてのステークホルダーと良好な関係を築きます
関連法令を遵守し、公正かつ自由な取引を維持
事業活動を行うあらゆる地域や国において、文化・慣習・法令等を尊重
社会の一員として環境保護などにつながる社会貢献活動を積極的に実施
(2)具体的な取組
当社グループのサステナビリティに関する取組は以下のとおりです。
① ガバナンス
当社グループは、代表取締役社長執行役員を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、あらゆる外部環境の変化によるリスク及び機会を把握し、特に経営に影響を及ぼす課題を基に、当社グループが取り組むべきマテリアリティ(重要課題)の特定及び解決に向けた施策の方向性を協議し、事業部門との連携を図っております。また、必要に応じて傘下の委員会にてマテリアリティの解決に向けた施策を実行する体制を取っております。
サステナビリティ委員会は、代表取締役社長執行役員を委員長、傘下の各委員会の委員長を委員とし、年に2回程度、事業部門と連携して目標設定や計画に対する進捗状況のモニタリング、実施内容の評価を行います。当委員会の内容は、取締役会に報告されることで、取締役会の監督が適切に図られるような体制としております。
[サステナビリティ組織体制]
② 戦略
当社グループは、中期経営計画において掲げた以下6点の成長戦略のうち、「高度人財教育の拡充」を特に重要な戦略としております。
■効率的な営業拠点の拡大
■スマートものづくりの推進
■サービス事業の拡大
■高度人財教育の拡充
■ASEAN地域での人財DBの拡充
■M&Aの活用・推進
高度人財教育の拡充への取組
(人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針)
当社グループは、組織力向上のために適切な人員配置を行うことに加えて、個人として主体的・自律的なキャリア形成を求め、成果だけではなくグループの組織力向上に貢献する人材を育成、支援します。社員が望む多彩なキャリアの形成に応えるよう努めながら、多様性を認め合い、個々人の能力を最大限発揮することのできる環境づくりを目指すことが、グループの持続的な成長につながっていくものと考えております。
(人材の育成に関する戦略及び取組)
リカレント教育需要の取り込み
当社グループでは、企業OBによる実践的な教育を強化するとともに、その教育ノウハウを需要拡大が見込まれる外部企業向け教育サービスへ展開する取組を行っております。これは、現在当社グループが保有するエンジニア教育体制を強化するとともに、新たな領域への取組を行い、枯渇するエンジニア人材需要を取り込むため、エンジニア領域でのリカレント教育が行える体制の構築を目指すものであります。
教育拠点の新設と機能強化
当社グループでは、国内外における教育拠点の新規設立と既存拠点を拡張する取組を行っております。これは、コストを抑制しながら新たな拠点を開設し、既存教育拠点のノウハウを新拠点に水平展開するとともに、教育拠点の拡張と採用の効率化を図り、高効率で高度人材の育成を行う拠点の充実化を目指すものであります。
(社内環境整備に関する戦略及び取組)
女性活躍推進
幅広い層の思考やアイデアを収集し、業務改善や業務改革等に活かすため、ジョブポスティングやキャリア採用などを用いて、女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に努めております。また、女性ならではの視点や思考を交え、経営判断を行うためにも、女性管理職を増やす取組として、管理職の育成を目的とした研修を実施しております。
③ リスク管理
当社グループは定期的に、代表取締役社長執行役員を委員長とするサステナビリティ委員会において、リスク及び機会の識別、マテリアリティの特定を行い、必要に応じて傘下の委員会にて実行する体制を取りながら事業部門のリスク対応を支援しております。これらの活動は定期的に取締役会に報告しております。事業活動に関する一般的なリスク及び当社グループ特有のリスクなどを把握し、継続的にモニタリングできる体制を構築しております。
詳細については、「
④ 指標及び目標
高度人財教育の拡充への取組
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主な戦略 |
指標 |
目標値 ( |
実績 (当連結会計年度) |
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教育拠点の新設と機能強化 |
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女性活躍推進 |
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なお、リカレント教育需要の取り込みに関する指標及び目標については現在検討中であり、外部環境等を踏まえたうえで継続して検討してまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態に関する事項につき、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、以下のとおりであります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(特に重要と認識しているリスク)
(1) 許認可及び法的規制について
当社グループのマニュファクチャリングサポート事業、コンストラクションサポート事業及びITサポート事業は、主として製造請負・製造派遣事業、技術者派遣事業にて構成されております。製造請負事業については、管轄省庁の許認可を必要としておらず、製造派遣との区分が明記された「厚生労働省告示第518号(旧労働省告知第37号)」に則り、事業を運営しております。製造派遣事業及び技術者派遣事業は、労働者派遣法に準拠して厚生労働大臣からの「労働者派遣事業許可」を受けて事業を運営しております。当該許可は5年ごとの更新を行っております。
当社グループはコンプライアンスの徹底を図っており、関係法令の教育、周知に努めているため、本書提出日現在で当社グループが認識している限り、これら許認可等の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、万が一法令違反等が発生し、許可欠格事由に該当した場合、付された許可条件に違反した場合、労働者派遣法若しくは職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反した場合(労働者派遣法第14条)には、監督官庁による許認可の取消し等の処罰により、当社グループの事業及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの許可・届出状況
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会社名 |
許認可等の名称 |
所管官庁等 |
許認可等の番号 |
取得年月 |
有効期限 |
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株式会社ウイルテック |
労働者派遣事業許可 |
厚生労働省 |
派 27-180027 |
2003年8月 |
2026年7月31日 |
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株式会社ワット・コンサルティング |
労働者派遣事業許可 |
厚生労働省 |
派 13-304593 |
2009年11月 |
2027年10月31日 |
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株式会社パートナー |
労働者派遣事業許可 |
厚生労働省 |
派 13-316463 |
2023年2月 |
2026年1月31日 |
(2) 情報セキュリティについて
当社グループの個人情報や顧客情報は主にファイルサーバーに保管されておりますが、アクセス権限の適切な設定により閲覧者を制限することで、セキュリティを確保しております。個人情報につきましては、適切に管理するため、個人情報の保護に関する法律を遵守するとともに、個人情報管理基本規程等に則り社内管理体制を整備しております。顧客情報につきましては、当社グループの従業員が、取引先企業の生産計画や製品の製造に関する機密情報に接する場合があります。これらの取引先情報が第三者に漏洩しないように、情報セキュリティ管理規程等に則り、従業員に適切な教育を施し、社内管理体制を整備しております。しかし、万が一これらの情報が漏洩した場合には、損害賠償等の法的責任を追及される可能性があり、当社グループの事業及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(重要と認識しているリスク)
(1) 人材投資について
当社グループは、長期的な成長を目指して経営をしており、そのための新規事業開拓に注力しております。新規事業を推進するための人材投資を先行して強化しており、短期的な財務成果より投資を優先することがあります。採用人材の多様性、育成機会を担保する等、人材投資の効果向上を図っておりますが、人材の確保や能力開発が計画通りに進まない等の場合、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 社員の定着について
当社グループは、製造請負・製造派遣事業、技術者派遣事業など主として人材サービスを展開しており、事業の発展のためには、当社グループへの人材の採用と定着が重要な位置を占めております。当社グループでは、Web面接を導入する等採用力向上の取組みを行い、また自社の研修センターを設け、研修を強化することで定着率の向上を図っております。しかし、労働市場の状況によっては、当社グループが必要とする人材を当社グループが計画通りに採用又は定着が進まず、十分な人材を確保できない可能性があります。このような場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 無期雇用社員について
当社グループは、法令を遵守し派遣社員の無期雇用社員化を促進しております。顧客との派遣契約や請負契約が終了した場合、無期雇用社員には職場異動等により働く場所を確保します。しかしながら、就業場所の確保ができない場合には、無期雇用社員の雇用維持費用が発生し、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 業界の競争激化について
当社グループが属する製造請負・製造派遣事業、技術者派遣事業は、多数の競合が存在し、M&Aも積極的に行われる業界であります。そのため、営業面においても経営面においても事業規模の拡大を目指し、競争が激化することが予想されます。当社グループも、既存顧客のシェア拡大、新規顧客の開拓、事業計画に応じたM&Aを展開してまいります。しかしながら、競争の影響を受け、事業が想定通りに進まず、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 労働者派遣法等にかかる雇用安定措置について
労働者派遣法においては、キャリア形成支援や教育訓練が義務付けられているとともに、雇用安定措置が明記されております。雇用の安定と、派遣事業の健全な発展へ向けての措置と認識しており、無期雇用の派遣社員は期間制限なしでの雇用が可能であることから、当社グループにとって事業機会の拡大に資するものと考えております。しかしながら、競争激化等により、当社グループの想定通りに需要が拡大せず、事業が進まない可能性があります。
(6) 製造物責任(PL)について
当社グループの製品には、製造物責任法(PL法)に基づくリスクが内在しております。製品の欠陥に起因して製品回収や損害賠償につながるリスクが顕在化し、これを保険により補填できない事態が生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 取引先業種の景況による影響について
当社グループの取引先企業は、電子部品、電気機器、情報通信機器関連のメーカーが中心であり、連結売上高の約29%を占めております。当社グループは当該分野で製造請負・製造派遣のノウハウを培ってまいりましたが、現状では特定業種に売上が偏った状態となっております。取引先企業の増産減産といった生産変動に対応することで取引先企業のコスト構造をより変動費化する役割を担っているため、電子部品、電気機器、情報通信機器関連分野の景気の影響を受けやすく、これらの顧客業種の市況が悪化した場合には当社グループの売上が急激に変動する等、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 製造拠点の海外移転について
取引先企業であるメーカーが製造拠点を海外に移転し、国内における製造拠点が減少、あるいは生産量が減少した場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)製造請負の請負事業者責任について
当社グループが営む製造請負事業は、取引先企業の工場構内の設備等を賃借し、事業所を設け、製品を製造する事業であります。そのため、賃借した設備の管理や製品の生産管理、在庫管理に責任を負うことになります。当社グループは製造請負事業改善推進協議会から「製造請負優良適正事業者」の認定を受ける等製造請負事業の適正運営に努めておりますが、製造請負事業における取引先企業の設備の破損、不良品の発生等が生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)労働災害等について
当社グループが営む製造請負、製造派遣、EMSでは、取引先企業の工場構内あるいは自社工場において当社グループの従業員が従事しております。製造派遣は法律上、人材を取引先企業に派遣し、派遣された労働者は派遣先の指揮命令等に従うこととなり、労務管理が派遣先に委ねられます。一方、製造請負は法律上、請負事業者の指揮命令等に従いますので、労働者の労務管理は請負事業者である当社グループがその責任を負うこととなります。このように製造派遣と製造請負では労務管理の責任主体が異なり、当社グループは製造請負と自社工場にて営むEMSにおいて責任を負うこととなります。
労働災害に関しては、基本的に労働保険の適用範囲内で解決されるものと考えておりますが、当社グループの瑕疵が原因で発生した労働災害において、当社グループが労働保険の適用を超えて補償を要求される等、訴訟問題に発展した場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)自然災害・感染症について
当社グループの従業員が就業している場所は主として工場であり日本各地に点在しておりますが、その地域において大規模な自然災害・感染症が発生した場合、工場の被災、就業維持困難、物流の停止等による工場稼働停止が発生する可能性があります。このような場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)為替変動について
当社グループはベトナムとミャンマーに在外連結子会社を有しております。為替相場の変動は、連結決算における海外連結子会社財務諸表の円貨換算額に影響を与えるため、為替相場に著しい変動が生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)カントリーリスクについて
当社グループはベトナム、ミャンマーに在外連結子会社を有していることから海外各国の独自のビジネス環境を前提として事業を展開しております。海外でのビジネスには、各国の政治、経済の諸条件の変更、各種法制度の見直し等、ビジネスに大きな変動が生じる恐れがあります。当社グループは、こうした事業遂行上の環境変化に対して各国の行政窓口、取引先、各種専門家等から常に最新の情報を収集するよう努めておりますが、予期できない政治、経済の変化や自然災害、紛争の勃発などが生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)M&Aについて
当社グループは事業の成長及び領域拡大を目指しておりますが、その中でM&Aを有効な手段のひとつとして位置付けており、今後も必要に応じて実施する方針であります。
M&Aに際しては、対象企業のビジネス、財務及び法務等について詳細なデューデリジェンスを実施したうえで、取締役会において細心の注意を払って判断を行い実施しております。
M&Aに伴い取得したのれん及び無形資産等は、適切に評価を行い買収した事業から得られる将来の収益力を適切に反映しているものと考えておりますが、想定されなかった事象がM&Aの実行後に発生又は判明した場合や事業環境の悪化等により、当初の予想どおりの収益が得られないと判断され減損を認識した場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(15)税務について
当社グループは、各国租税法、租税条約及び関連諸規定等を遵守し、適切に納税することを基本理念としております。租税回避を企図した取引は行わず、租税制度の定めに則り、誠実な態度で税務業務に取組んでおります。
しかしながら、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,814百万円増加し18,484百万円(前期末比45.9%増)となりました。これは主に、棚卸資産の増加2,801百万円、売上債権の増加2,237百万円及び現金及び預金の増加518百万円によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ5,421百万円増加し10,797百万円(前期末比100.9%増)となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加1,657百万円、退職給付に係る負債の増加1,232百万円及び電子記録債務の増加985百万円によるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ392百万円増加し7,686百万円(前期末比5.4%増)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益666百万円及び配当金の支払い307百万円に伴う利益剰余金の増加359百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は41.6%(前連結会計年度末は57.6%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)における我が国経済は、日経平均株価が35年ぶりに最高値を更新するなど景気回復の動きが見られた一方で、原材料やエネルギー価格をはじめとした物価の上昇、日本銀行の金融緩和政策の見直しに対する警戒感もあり、先行きが不透明の状況で推移いたしました。また、海外経済においても、世界的な金融引締めによる影響や中国経済の低迷に加え、地政学リスクの継続など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
こうした経済情勢のなか、当社グループを取り巻く事業環境については、製造業においては、自動車関連など一部分野で回復傾向にあるものの、電子機器や情報通信機器などは在庫調整による減産が予想以上に長期化いたしました。また、次世代半導体関連の設備投資計画は堅調に推移しているものの、製造工程の需要はもう少し先になる見通しとなっております。建設業については、大規模改修や社会インフラ整備の需要が堅調に維持されております。そのような中で、2024年4月からは「働き方改革関連法」が建設業にも適用され、残業時間の上限規制により人材不足が一層深刻化することが予測されております。IT業界については、AIや5G技術を活用したシステム開発需要は依然旺盛にあるものの、開発の上流工程を担うプロジェクトマネージャークラスのエンジニアが慢性的に不足しており、一部でプロジェクトの遅延や延期が発生しております。一方で、コールセンターやヘルプデスクの導入に伴う若手や未経験者向けのインフラ技術者のニーズも徐々に高まりをみせております。
このような状況のもと当社グループでは、2023年12月25日に照明メーカーである株式会社ホタルクスの全株式を取得し、新たに連結の範囲に含めております。73年に渡り照明メーカーとして培ってきた品質管理ノウハウと、当社がもつ様々な製造現場で培ってきた製造ノウハウの相乗効果を期待するほか、両社の販売チャネルを活かした拡販や当社グループリソースを活かした新たなサービスの開発など、グループシナジーの創出を目指してまいります。その他にも、ロボットやエネルギー関連など新規領域への事業拡大、エンジニア人材の育成、EMS事業における営業強化に注力し、経営成績の確保に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度における売上高は35,696百万円(前期比7.4%増)、営業利益は327百万円(同67.0%減)、経常利益は404百万円(同64.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は666百万円(同1.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績(内部売上を含む)は、次のとおりであります。
〔マニュファクチャリングサポート事業〕
当セグメントにおいては、当社が、製造請負・製造派遣事業、機電系技術者派遣事業及び修理サービス事業を営んでおります。
当社グループの基幹事業である製造請負・製造派遣事業については、電子部品等の在庫調整を背景とした半導体市場の低迷、さらにはスマートフォンやパソコンなどの買い替えサイクルの長期化などにより、当社の主要顧客において減産計画となるなど、需要は大幅に減少いたしました。また、これら生産計画の見直しの影響を受け、労働時間の削減や待機人員が発生したことで原価率が悪化いたしました。その結果、売上高は18,762百万円(前期比10.5%減)となり、セグメント損失は269百万円(前期は603百万円のセグメント利益)となりました。連結売上高に占める当セグメントの売上高(内部売上を除く)の比率は52.5%となり、前期に比べ10.5ポイント低下いたしました。
〔コンストラクションサポート事業〕
当セグメントにおいては、株式会社ワット・コンサルティングが、建設系技術者派遣事業及び請負・受託事業を営んでおります。
建設系技術者派遣事業については、大型再開発プロジェクトなどで人材ニーズは旺盛な状況にあり、建築設備分野についてもBIM関連の技術者のニーズが伸長いたしました。一方で、施工管理技術者の高齢化にともなう人材不足の課題が業界全体で顕在化しており、当社グループにおいては、次代の建設業界を担う未経験者や海外人材の育成に一層注力しております。請負・受託事業については、建設図面の作成や受託研修等の受注が好調に増加している一方で、請負工事については、資材費高騰などを理由に一部受注を控える状況が発生しております。その結果、売上高は5,004百万円(前期比13.4%増)となり、セグメント利益は233百万円(同2.6%増)となりました。連結売上高に占める当セグメントの売上高(内部売上を除く)の比率は14.0%となり、前期に比べ0.7ポイント上昇いたしました。
〔ITサポート事業〕
当セグメントにおいては、株式会社パートナーが、IT技術者派遣事業を営んでおります。
IT技術者派遣事業については、WEBシステムやクラウドシステムに関連する需要は旺盛な状況にあります。IT技術者派遣サービスに加え、システム開発の受託案件を新規で受注するなど、顧客ニーズにあわせた提案営業にも注力いたしました。また、未開拓エリアの需要獲得を目指した営業拠点の拡大など、積極的な営業活動を展開してまいりました。その結果、売上高は2,964百万円(前期比5.6%増)となり、セグメント利益は48百万円(同4.1%増)となりました。連結売上高に占める当セグメントの売上高(内部売上を除く)の比率は8.3%となり、前期に比べ0.2ポイント低下いたしました。
〔EMS事業〕
当セグメントにおいては、デバイス販売テクノ株式会社が受託製造事業及び電子部品卸売事業を、株式会社ホタルクスが照明器具製造・販売事業を営んでおります。
電子部品卸売事業については、半導体製造装置関連で部材の在庫調整による販売減少があったものの、依然堅調な環境関連や設備関連が牽引いたしました。受託製造事業については、部材調達が徐々に改善しはじめたことにより受注残は順調に売上に転化しております。
照明器具製造・販売事業については、住宅向けや一般的なオフィス向けのLED照明において価格競争による売価ダウンが常態化しております。一方で、独自製品を展開する特殊照明については、半導体工場向けで新規受注を獲得したほか、空港向けなどにおいても堅調に推移いたしました。2027年末で生産終了が決定している蛍光ランプ(管球)については、原材料のアップ等から値上げを実施いたしましたが、残る需要を確実に確保することができました。
その結果、売上高は8,557百万円(前期比86.2%増)となり、セグメント利益は418百万円(同149.8%増)となりました。連結売上高に占める当セグメントの売上高(内部売上を除く)の比率は24.0%となり、前期に比べ10.2ポイント上昇いたしました。
〔その他〕
報告セグメントに含まれない事業として、中古OA機器の購入・修理・販売サービス事業、障がい者支援事業及び海外事業を営んでおります。
売上高は710百万円(前年同期比3.7%減)となり、セグメント損失は81百万円(前期は48百万円のセグメント損失)となりました。連結売上高に占める当セグメントの売上高(内部売上を除く)の比率は1.2%となり、前期と比べ0.2ポイント低下いたしました。
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セグメント |
売上高 |
前期比増減 |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
金額 |
増減率 |
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マニュファクチャリングサポート事業 |
百万円 20,956 |
百万円 18,762 |
百万円 △2,194 |
% △10.5 |
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コンストラクションサポート事業 |
4,411 |
5,004 |
592 |
13.4 |
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ITサポート事業 |
2,806 |
2,964 |
157 |
5.6 |
|
EMS事業 |
4,596 |
8,557 |
3,960 |
86.2 |
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その他(注)1 |
737 |
710 |
△27 |
△3.7 |
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調整額(注)2 |
△278 |
△301 |
△23 |
- |
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計 |
33,231 |
35,696 |
2,465 |
7.4 |
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、中古OA機器の購入・修理・販売サービス事業、障がい者支援事業及び海外事業を含んでおります。
2.調整額は、セグメント間取引であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ698百万円増加し4,228百万円(前期末比19.8%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は610百万円(前期は1,157百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益808百万円の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により調達した資金は101百万円(前期は408百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の減少180百万円、有形固定資産の取得による支出38百万円、無形固定資産の取得による支出64百万円の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は15百万円(前期は371百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出210百万円及び配当金の支払額307百万円の減少要因があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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EMS事業 |
4,547 |
228.9 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、株式会社ホタルクスを新たに連結子会社としたこと等によるものです。
ロ.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
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|
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
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|
EMS事業 |
7,972 |
163.8 |
3,220 |
102.4 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、株式会社ホタルクスを新たに連結子会社としたこと等によるものです。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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マニュファクチャリングサポート事業 |
18,743 |
△10.5 |
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コンストラクションサポート事業 |
5,004 |
13.4 |
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ITサポート事業 |
2,960 |
5.5 |
|
EMS事業 |
8,555 |
86.1 |
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報告セグメント計 |
35,263 |
7.7 |
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その他 |
432 |
△8.7 |
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合計 |
35,696 |
7.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、株式会社ホタルクスを新たに連結子会社としたこと等によるものです。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
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金額 (百万円) |
割合(%) |
金額 (百万円) |
割合(%) |
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スカイワークスフィルターソリューションズジャパン株式会社 |
6,149 |
18.5 |
3,742 |
10.5 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
ロ.経営成績の分析
売上高
当連結会計年度における売上高は35,696百万円となり、前連結会計年度比で2,465百万円増加いたしました。セグメントごとの売上高の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
売上原価
当連結会計年度における売上原価は30,690百万円となり、主に人件費の増加により前連結会計年度比で2,142百万円増加いたしました。売上原価の売上高に対する比率は86.0%と前連結会計年度比で0.1ポイント上昇しております。
なお、売上総利益は5,005百万円となり、前連結会計年度比で323百万円増加いたしました。
販売費及び一般管理費
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は4,678百万円となり、主に人件費の増加により前連結会計年度比で987百万円増加いたしました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は13.1%と前連結会計年度比で2.0ポイント上昇しております。
なお、営業利益は327百万円となり、前連結会計年度比で664百万円減少いたしました。
営業外損益
当連結会計年度における営業外収益は110百万円となり、主に助成金収入の減少により前連結会計年度比で40百万円減少いたしました。営業外費用は34百万円となり、主に為替差損の増加により前連結会計年度比で23百万円増加いたしました。
なお、経常利益は404百万円となり、前連結会計年度比で728百万円減少いたしました。
売上高経常利益率
当連結会計年度における売上高経常利益率は1.1%となり、主に待機社員の削減による原価率の改善により前連結会計年度比で2.3ポイント低下いたしました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金及び設備資金は内部資金又は借入により資金調達することとしております。短期運転資金の調達につきましては自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入を基本としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(のれん)
当社グループは、企業結合等により発生したのれんについては、対象となる子会社の将来の超過収益力等に基づき認識し、その効果が発現されると見込まれる期間で均等償却するとともに、継続して減損の兆候の有無を検討しております。当該検討にあたっては、被取得企業の取得時点及び当連結会計年度末の事業計画等を基礎に、回収可能性について合理的に判断をしております。
株式会社パートナーの取得にあたり発生したのれんの評価は、同社及び当社の経営者による理解や予測に基づいて作成した同社のITサポート事業の将来性及びIT技術者の増員等を前提とした事業計画を基礎としております。
見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、被取得企業の業績が悪化した場合等には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、繰延税金資産が減額され評価性引当額を設定した場合等には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(販売代理店契約)
契約の名称:販売代理店契約
契約期間 :2012年4月から1年間(以降1年ごと自動更新)
相手先 :パナソニックインダストリアルマーケティング&セールス株式会社(日本)
契約の概要:パナソニック製制御部品及びFAコンポーネント並びにパナソニックインダストリアルマーケティング&セールス株式会社が取り扱う関連商品の日本国内における販売に関する事項を定めております。
(取得による企業結合)
当社は、2023年11月9日開催の取締役会において、株式会社ホタルクスの全株式を取得し、子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結し、2023年12月25日付で全株式を取得いたしました。
なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。
当期における研究開発費は