(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
当社は、培ってきた技術と経験を活かし、価値ある建造物とサービスを社会に提供することで、安心して暮らせる持続可能な社会・環境づくりに貢献することを企業理念としております。
また、一人ひとりがCSRの実践者となり、日常業務の中ですべてのステークホルダーを意識して行動することを目指します。自由闊達で風通しの良い社内風土のもと、会社と社員が互いに信頼しあい、ステークホルダーの皆様とWin-Winの関係を実現する「すべての人を大切に想う」CSR経営を実践してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社は、2018年5月10日に公表した「西松-Vision2027」及び「中期経営計画2020」において、連結売上高、連結営業利益、ROE、自己資本比率及びD/Eレシオを目標とする経営指標として掲げております。特に、ROEは持続的成長への競争力を高めた結果として向上するものであり、当社の目指す経営方針と合致することから、目標とする経営指標として採用いたしました。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
建設業を取り巻く環境は、政府建設投資・民間建設投資ともに堅調に推移する中で、首都圏を中心とする大型再開発プロジェクトや2025年の大阪万博招致決定に伴うインフラ整備などの建設需要によって、当面は安定的に推移すると予想されるものの、長期的には、人口の減少等の影響から、国内建設市場の将来的な縮小は避けられない状況が想定されます。また、技能労働者の減少や高齢化に伴い、建設業の担い手不足も懸念されております。
このような事業環境のもと、当社グループは、2018年度に策定した「西松-Vision2027」及び「中期経営計画2020」の達成に向けて、計画に掲げた施策を着実に実行してまいります。
国内建設事業におきましては、建設事業の進化に向けて、現場業務を分業する部署「“社長プロジェクト”現場工務革新センター」を新設し、本年4月より本格運用を開始いたしました。本プロジェクトでは、2024年から建設業にも適用が予定される時間外労働の罰則付き上限規制を見据え、これまで現場が担ってきた業務の一部を分業することで現場職員の負担軽減を図るとともに、効率化及び生産性向上につなげてまいります。また、建設事業における地球温暖化防止、生物多様性保全及び廃棄物ゼロエミッションを目指し、優れた環境技術を確立するための取り組みを加速してまいります。
海外事業におきましては、これまでの大型土木工事中心の事業展開から、進出国ごとのニーズをとらえた価値あるサービスを国内事業と連携して提供する事業へ転換を図ってまいります。
開発・不動産事業におきましては、建設事業と連携を図り、今後成長が期待される分野において、価値の高い事業を能動的に創出してまいります。
また、将来を見据えた新たな事業を創出する部門として「新規事業統括部」を立ち上げ、当社の強みを活かした新規事業を展開してまいります。
当社グループは、「新しい価値をつくる総合力企業へ」を長期ビジョンに掲げ、事業領域の拡大と建設事業の進化を目指し、多様化するお客様のニーズに応える技術やサービスを提供していくことで、これからも安心して暮らせる持続可能な社会・環境づくりに貢献してまいります。
当社グループの事業に関するリスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりであります。当社グループは、これらリスクの発生可能性を認識したうえで、その発生を回避するための対策を講じるとともに、発生した場合の対策を考え影響の軽減を図っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
建設事業は請負形態をとっているため、発注者が官公庁の場合は公共投資の予算により、民間の場合は企業の設備投資などの動向により建設市場が著しく縮小する可能性があります。この場合、建設工事の受注額が減少し、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出・生産面に海外経済の減速の影響がみられるものの、国内需要の面では、設備投資が増加傾向を続けるとともに個人消費が緩やかに増加するなど、緩やかに回復しました。また、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行き、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響等、年度後半にかけて先行きの不透明感が強まる状況となりました。
建設業界におきましては、政府建設投資・民間建設投資ともに堅調に推移する中で、技能労働者の需給状況等について注視すべき状況が続いております。
このような状況の中、当社グループの連結業績は以下のとおりとなりました。
建設事業受注高は、国内及び海外の土木工事が減少したことから、前期比32,332百万円減少(8.5%減)の348,045百万円となりました。
売上高は、長期大型工事が順調に進捗したこと等により完成工事高が増加し、前期比64,906百万円増加(22.8%増)の349,318百万円となりました。営業利益は、売上高が増加したことに伴い、前期比2,176百万円増加(9.6%増)の24,928百万円となりました。経常利益は、前期比2,437百万円増加(10.4%増)の25,985百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比1,870百万円増加(11.1%増)の18,784百万円となりました。
報告セグメント等の業績は以下のとおりであります。(セグメントの業績は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。)
イ 土木事業
当セグメントの売上高は前期比23.1%増の117,982百万円となり、セグメント利益は前期比1.5%減の9,389百万円となりました。
当社単体の土木工事の受注高は、国内民間工事が増加しましたが、海外工事及び国内官公庁工事が減少したことにより、前期比58,851百万円減少(37.7%減)の97,066百万円となりました。
ロ 建築事業
当セグメントの売上高は前期比23.6%増の222,126百万円となり、セグメント利益は前期比21.8%増の13,742百万円となりました。
当社単体の建築工事の受注高は、国内官公庁工事が減少しましたが、国内民間工事及び海外工事が増加したことにより、前期比29,182百万円増加(13.6%増)の243,235百万円となりました。
ハ 開発・不動産事業等
当セグメントは、主にグループ保有不動産の販売及び賃貸収入により構成されております。当セグメントの売上高は前期比38.2%減の9,564百万円となり、セグメント利益は前期比6.8%減の1,812百万円となりました。
当社グループの財政状態は以下のとおりであります。
当連結会計年度末の資産は、受取手形・完成工事未収入金等や未成工事支出金、有形固定資産、投資有価証券が増加したことから、前連結会計年度末と比較して84,971百万円増加(22.3%増)の466,327百万円となりました。
負債は、未成工事受入金が減少しましたが、支払手形・工事未払金等や短期借入金が増加したことから、前連結会計年度末と比較して70,859百万円増加(36.1%増)の266,995百万円となりました。
純資産は、利益剰余金が増加したことから、前連結会計年度末と比較して14,111百万円増加(7.6%増)の199,331百万円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末と比較して5.7ポイント減少し、42.3%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して1,025百万円減少(3.2%減)の31,473百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が26,916百万円となり、仕入債務の増加等により資金が増加しましたが、売上債権や未成工事支出金の増加、未成工事受入金の減少、法人税の支払等により資金が減少し、15,882百万円の支出超過(前連結会計年度は13,570百万円の収入超過)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や投資有価証券の取得等により資金が減少し、23,633百万円の支出超過(前連結会計年度は15,422百万円の支出超過)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により資金が減少しましたが、短期借入金の増加等により資金が増加し、38,555百万円の収入超過(前連結会計年度は4,918百万円の支出超過)となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建設事業及び不動産事業等では、生産実績を定義することが困難であり、建設事業においては、請負形態をとっているため販売実績という定義は実態に即しておりません。
また、当社グループにおいては、建設事業以外では受注生産形態をとっておりません。
よって、受注及び販売の状況については、可能な限り「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの種類に関連付けて記載しております。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況
イ 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更があったものについては、当期受注工事高にその増減額を含めて表示しております。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は、(当期完成工事高+次期繰越工事施工高-前期繰越工事施工高)に一致します。
4 当期受注工事高のうち海外工事の割合は、第81期 10.3%、第82期 3.3%であります。
5 受注工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第81期 請負金額100億円以上の主なもの
第82期 請負金額100億円以上の主なもの
ロ 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は特命と競争に大別され、その比率は次のとおりであります。
(注) 百分比は請負金額比であります。
ハ 完成工事高
(注) 1 海外工事の地域別割合は、次のとおりであります。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第81期 請負金額100億円以上の主なもの
第82期 請負金額100億円以上の主なもの
3 完成工事高に対する割合が100分の10以上の相手先は、次のとおりであります。
ニ 手持工事高
(2019年3月31日現在)
(注) 手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。
請負金額100億円以上の主なもの
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積り及び判断が行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積り及び判断については、継続して評価し、事象の変化等により必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等の概要は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また「中期経営計画2020」に基づく当連結会計年度業績計画の達成状況及び前期比較の分析は次のとおりであります。
建設事業受注高は、前期比323億円減少(8.5%減)、期首計画比130億円増加(3.9%増)の3,480億円となりました。当期の受注は、国内建築工事の受注が好調であったため、期首計画は達成しましたが、国内土木工事と海外土木工事の新規受注が今一つであったため、前期と比較すると若干の見劣り感のある結果となりました。
売上高は、前期比649億円増加(22.8%増)と増収となり、期首計画3,500億円に対してもほぼ予定どおりの3,493億円となりました。前期比で売上高が増加した主な要因は、前期に進捗が遅れていた長期大型工事が当連結会計年度は順調に進捗したことが挙げられます。
営業利益は、前期比21億円増加(9.6%増)、期首計画比19億円増加(8.4%増)の249億円となりました。営業利益は前々期に次ぐ過去2番目に高い数値となり、営業利益率も前期の8.0%から若干は下がったものの、7.1%と比較的高水準を維持しました。前期比で営業利益が増加したのは売上高の増加が主な要因ですが、売上高の増加と比較して営業利益の増加が少なかったのは、当連結会計年度に竣工する大型工事が少なかったほか、職員の処遇改善費用などにより一般管理費や工事原価が増加し、売上総利益率が前期比1.8ポイント減少したことが主な要因であります。
当連結会計年度は連結決算の実施から20年目となりますが、連結経常利益として過去最高の数値となりました。親会社株主に帰属する当期純利益も過去2番目に高い数値となり、評価できる内容であったと考えております。
ロ 経営成績等に重要な影響を与える要因の分析
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える主な要因は、景気動向に伴う建設市場の動向、資材価格の変動及び建設技能労働者確保の状況であります。
国内経済は、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行きなど海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等、先行きの不透明感が強まる状況となっております。また、国内建設市場は、政府建設投資・民間建設投資ともに当連結会計年度と同水準で推移するものと予想されますが、建設資材・建設技能労働者等の需給動向は引き続き留意が必要な状況にあり、懸念要素の残る経営環境となっております。
これらの要因に対処しつつ、持続的な成長を遂げるため、当社グループは、2018年度に策定した「西松-Vision2027」及び「中期経営計画2020」に掲げる各種施策に取り組んでおります。
ハ 目標とする経営指標の達成状況
当社グループは、2018年度を初年度とする「中期経営計画2020」において、「連結売上高3,800億円」「営業利益250億円」「ROE8%以上」「自己資本比率50.0%程度」「D/Eレシオ0.3倍程度」を目標とする経営指標として掲げ、この達成に向けて各種施策に取り組んでおります。
初年度である当連結会計年度の業績達成状況は「イ 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。また、自己資本比率及びD/Eレシオの達成状況は「ニ 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
ニ 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度末の財政状態の概要は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前期末と比較して849億円増加(22.3%増)の4,663億円となり、大幅な増加となりました。これは、連結売上高が前期比649億円増加(22.8%増)したことに伴い受取手形・完成工事未収入金等や未成工事支出金が合計で624億円増加したことに加え、開発・不動産事業を中心とした投資225億円を実施したことが主な要因であります。そのため、有利子負債残高は前期末と比較して428億円増加(99.0%増)の861億円(D/Eレシオ0.4倍)となり、大幅な増加となりました。
次期につきましては、開発・不動産事業を中心に390億円を設備投資する計画としております。この設備投資が計画どおり進んだ場合には、期末の有利子負債は820億円(D/Eレシオ0.4倍程度)となる見込みであります。
自己資本比率は、42.3%と前期から5.7ポイント減少しました。これは、純資産が前期比141億円増加(7.6%増)の1,993億円となったものの、総資産が849億円増加(22.3%増)したことが主な要因であります。
ホ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要は、主として、土木事業及び建築事業に係る材料費、労務費、外注費、経費及び営業費用としての一般管理費等の運転資金と、開発・不動産事業等に係る固定資産の購入、改修費用等の設備投資資金であります。
当社グループは2018年度に10年後の将来を見据えた「西松-Vision2027」を策定いたしました。「西松-Vision2027」では、1,000億円を人財や事業領域の拡大、建設事業の進化など、将来のための成長投資に回すとともに、1,200億円をストックビジネス強化のため、開発・不動産事業を中心とした価値の高い事業創出に投資し、安定的収益基盤を強化してまいります。
これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入金及び社債による調達で対応していくこととしております。
手許の運転資金については、子会社も含めたグループ全体としての余剰資金の管理に努め、資本効率の向上を図っております。また、機動的な資金調達を目的として主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結しており、流動性リスクに備えております。
キャッシュ・フローの状況の概要は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。営業キャッシュ・フローが支出超過となった要因のうち、売上債権の増加については、主に工事進行基準対象の国内官公庁工事において、工事代金入金時期が当連結会計年度末を跨いだことによる一時的なものであると認識しております。
へ セグメント情報に記載された区分ごとの財政状態及び経営成績の分析
当社グループは、セグメント情報に記載された区分ごとに資産及び負債を配分していないため、セグメント別の財政状態の分析・検討は記載しておりません。
セグメント情報に記載された区分ごとの経営成績等の状況の概要は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また「中期経営計画2020」に基づく当事業年度業績計画の達成状況は次のとおりであります。なお、当社グループの受注高、売上高及び売上総利益(完成工事総利益・不動産事業等総利益)は、その大半を当社単体で占めていることから、以下の分析・検討は、いずれも当社単体の数値を記載しております。
(土木事業)
受注高は、期首計画比で179億円減少(15.6%減)の970億円となりました。これは、国内官公庁工事の新規受注が今一つ揮わなかったことや、海外工事に関して新規受注がなかったことが主な要因であります。受注の種類別でみるとダムや鉄道、上下水道のトンネル工事の受注額が前期比で減少となりました。
売上高は、期首計画比で26億円減少(2.2%減)の1,173億円となりました。これは国内の大型工事が順調に進捗したものの、海外土木工事の進捗が計画を下回ったためであります。
完成工事総利益は、期首計画比で3億円増加(1.9%増)の170億円となりました。これは国内の大型工事が順調に進捗したことに加え、一部の大型工事において設計変更が確定したこと等によるものです。この結果、完成工事総利益率についても期首計画比0.6ポイント増加の14.5%となりました。
(建築事業)
受注高は、期首計画比で332億円増加(15.8%増)の2,432億円となりました。これは、国内民間工事の受注が大幅に増加したことによるものです。特に100億円以上の大型工事を複数受注したことから、物流施設や共同住宅、工場・発電所等を中心に受注額を大きく伸ばしました。前期に引き続き国内民間工事を中心に川上営業による計画受注を推進しており、受注時の利益率は高い水準を保っております。
売上高は、ほぼ期首計画どおりの2,101億円となりました。これは国内の大型工事が順調に進捗したこと等によるものです。
完成工事総利益は、期首計画比で13億円増加(6.2%増)の226億円となりました。これは期首手持工事の大型物件において順調に利益を伸ばすことができたほか、期中入手工事も目標どおりの利益を確保することができたためです。この結果、完成工事総利益率は、期首計画比0.8ポイント増加の10.8%となりました。
(開発・不動産事業等)
売上高は、期首計画比で13億円増加(16.7%増)の93億円となりました。また不動産事業等総利益は、ほぼ期首計画どおりの25億円となりました。
なお、当事業年度において、賃貸事業用の土地・建物の取得及び自社開発物件の建設等に195億円を投資しました。賃貸事業用の土地・建物のうち主なものは、「第3 設備の状況 2 主要な設備の状況」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社は、社会基盤整備の要請や顧客の要望に応えるべく、実践的な技術を中心に幅広く研究開発活動を行っております。
(土木事業・建築事業)
当社では、省力化・生産性向上・高品質化に寄与する技術をはじめ、社会インフラのリニューアル技術、防災・減災に資する技術、省エネ・低炭素社会に貢献する各種の環境関連技術に関する研究開発を行っております。また、戸田建設株式会社との共同研究をはじめ、大学などの研究機関や異業種・同業種企業、公共機関との共同研究も積極的に進めております。
当連結会計年度における研究開発活動に要した費用総額は
② 切羽作業をAIで自動判定する「掘削サイクル判定システム」
② 自社所有オフィスビルでZEB Readyを取得
① 再生可能エネルギーを最大限に活かすための蓄電システム
LPWAとIoT技術を活用した、当社開発の傾斜監視クラウドシステムを農業分野に応用することで、自宅にいながら畑やハウスの状況が把握できるようになります。また、これまで営農者の経験によって収穫時期を決めていましたが、積算温度・日照時間を把握することによって、データに基づいた最適な収穫時期がわかるようになります。農作業の省力化を図るため“手軽”に開始できる環境監視クラウドシステムの構築によって、農業分野における新しいサービスの提供を目指します。今後も新たな社会貢献につながるサービスや技術開発を進めてまいります。
(開発・不動産事業等)
研究開発活動は特段行っておりません。