(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループは、フィロソフィ経営を実践しており、利他の価値観を共有した集団であることを重視しております。そのうえで「利を求むるにあらず、信任を求むるにあり。変わるのは自分、お客様視点でお困りごとを解決する、期待以上で応える」という大方針のもと、経営において積極果敢に変化・挑戦しながら、事業活動を通した社会課題の解決に取り組むとともに、ステークホルダーの皆様との調和を図り、持続可能で豊かな社会の実現に貢献します。
当社グループは、中長期的に安定した成長を目指し、収益性・生産性の観点から売上高経常利益率20%以上を、また、財務の安全性の観点から自己資本比率50%水準を、株主資本をいかに効率的に運用できたかを表すROE10%以上の水準をそれぞれ維持することを重視しております。
国内経済は、新型コロナが5類に移行されてから1年が経過し、社会経済活動が正常化されるとともに、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の急増によって、緩やかな回復が継続いたしました。金融面においては、ゼロ金利政策が解除されたものの、緩和的な金融環境は維持される見込みです。ただし、足元では米国との金利差を主たる要因とする円安が進んでおり、金利の影響を比較的受けやすいと言われる不動産業を営む当社としては、米国経済の動向等を注視する必要があります。
サステナビリティ・ビジョンと重要課題(マテリアリティ)
1.サステナビリティ・ビジョン
私たちは、社是である利他の心を大切に、事業活動を通して持続可能な社会の実現に貢献していきます。
2.サステナビリティの重要課題
サステナビリティ・ビジョンの実現に向けて、取り組むべき重要な3つの課題を定めています。「環境保
護」「地域創生」「人財育成」の3項目において、それぞれ具体的な施策を展開していきます。なお、今
後の環境や社会動向、および事業環境の変化に応じて、具体的な施策は適宜見直していきます。
当社グループは本年4月に創立25周年を迎え、現行の中期経営計画(2021年5月12日に見直しを公表)における最終年度となりました。現行の中期経営計画期間中においても、当社グループは創業以来掲げている社是「利他」のもと、「全従業員を守り、物心両面の幸福を追求すると同時に、共創の心をもって、人類社会の進化発展に貢献し、持続可能で豊かな社会を実現する」との経営理念の実現に努めてまいりました。その間、コロナ禍という未曽有の逆風に遭遇いたしましたが、それを乗り越え、2024年3月期の決算においては最高業績を更新するに至り、また、現行の中期経営計画の目標達成が視野に入ってきました。そして、節目の年となる本年から、さらに長期にわたって経営理念を実現し、持続的な成長を成し遂げていくためには、長期の目標と施策をいち早く明確にすべきとの判断に至りました。そこで、当社グループが目指す10年後のありたい姿として長期ビジョン2035と、その実現に向けた行動計画となる次期中期経営計画を策定いたしました。
<長期ビジョン2035の概要>
当社グループは社是「利他」の価値観のもと「全従業員を守り、物心両面の幸福を追求すると同時に、共創の心をもって、人類社会の進化発展に貢献し、持続可能で豊かな社会を実現する」を経営理念としております。その実現を通して、今般策定した以下の長期ビジョン2035とその定量目標を目指してまいります。
・長期ビジョン2035
限りある資源を活かし、世界を笑顔と感動で満たす!
未来価値創造に挑み続ける企業グループへ
・定量目標
2035年に売上高3,000億円と経常利益600億円を目指す。
<次期中期経営計画の概要>
10年後のありたい姿「長期ビジョン2035」から遡って現行の中期経営計画を達成した後の3年間(2026年3月期~2028年3月期)を期間とする次期中期経営計画の概要は以下になります。
・基本方針
お客様視点のものづくりと心温かいサービスで、本業連携多角化を推進し、社会課題の解決に取り組む
・定量目標
■サステナビリティ・ビジョン
私たちは、社是(Credo)である利他の心を大切に、
事業活動を通して持続可能な社会の実現に貢献していきます。
■サステナビリティの3つの重要課題(マテリアリティ)
■具体的施策とKPI
■TCFD提言に基づく情報開示
i. ガバナンス
当社では気候変動・環境への対応を経営上の重要課題と認識しています。その諸課題についてはサステナビリティ委員会がリスク検証委員会と連携し、気候変動に係るリスクや機会を取りまとめ、対応策を検討し取締役会へ定期報告します。取締役会は業務執行部門で論議・報告された気候変動課題に関する取り組み施策の進捗を監督し、関連課題に関する事項を少なくとも年に1回以上議題としています。
代表取締役社長は、諮問機関であるサステナビリティ委員会やリスク検証委員会より気候変動関連の取り組み状況について報告を受け、気候変動リスクを含むリスク評価および管理に対する最高責任を負います。
サステナビリティ推進体制

サステナビリティ推進体制における会議体および役割
ii. 戦略
当社では、TCFD提言に基づき、気候変動関連のリスク・機会の把握を目的にシナリオ分析を行いました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)等の科学的根拠等に基づき1.5°Cシナリオと4°Cシナリオを定義し、2030年時点で事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価しました。
シナリオ群の定義
リスク機会の特定及び評価
当社の不動産再生事業と不動産サービス事業を対象として、気候変動に関連する移行・物理リスクを精査し、当社事業への影響度を評価しました。移行リスクでは政策・法規制から市場の変化まで、物理リスクでは急性物理リスクと慢性物理リスクなど、さまざまな項目について検討を行いました。特に当社に影響度の大きいと判断したリスク・機会について対応していきます。
対象範囲:不動産再生事業・不動産サービス事業
影響度 大:影響度は非常に大きい(売上高の19%以上)
中:影響度は大きい(売上高の10~19%)
小:影響度はあるが限定的(売上高の10%未満)
リスクの発生時期 短期: 「1年以内」
中期: 「1~5年以内」
中長期: 「5~10年以内」
長期: 「10年超」
リスク機会一覧
当社で認識しているリスク・機会のうち、事業への影響度が「中」以上のものを記載しております。
財務影響額
当社で認識しているリスク・機会のうち、財務影響を算定した結果を記載しております。
当社はサステナビリティ体制構築のため、全社的なリスク管理に関する規程を定め、気候変動課題を含めたサステナビリティ全般に対応するため「サステナビリティ委員会」を設置しています。気候変動に関するリスクについては、リスク検証委員会がリスク管理委員会より報告されたリスクについて評価を行います。抽出及び評価されたリスクはサステナビリティ委員会による対応策の検討後、各事業部門やグループ会社によるリスク対応が行なわれます。また、取締役会は、リスク管理委員会より気候変動リスクを含む包括的なリスク管理の状況と対応について報告を受けます。

iv.指標と目標
当社は、気候変動関連リスク機会の評価指標として、温室効果ガス排出量の算定を行なっております。Scope1にあたる「燃料の使用(CO2)」、Scope2にあたる「他人から供給された電気の使用(CO2)」、そしてScope3にあたる「その他間接排出量(CO2)」を算定対象としています。今後も温室効果ガス排出量の把握を継続し、対象範囲の拡大を目指すとともに、温室効果ガス排出量削減目標の達成に向け、体制づくりと温室効果ガスの削減活動を進めてまいります。
温室効果ガス排出量
(連結)
(単体)
※1 ガス、ガソリンの使用による排出量 ※2 電力使用による排出量 ※3 その他間接排出量
算定期間:2021年度(2021年4月~2022年3月)、2022年度(2022年4月~2023年3月)、
2023年度(2023年4月~2024年3月)
開示対象:国内・海外連結子会社(Scope1・2)、不動産再生事業(Scope3)
算定方法:マーケットベース
※算定の方法には、ロケーションベース(日本全体の排出平均原単位を使用して算定するもの)とマーケットベース(電力会社ごとの排出原単位を使用して算定するもの)のうち、後者のマーケットベースを採用しております。
※Scope2で使用した排出係数:電気事業者別排出係数 令和2年度、令和3年度、令和4年度各実績
温室効果ガス排出量削減目標(2022年度比)
当社グループのサステナビリティ経営に関する推進状況やESGデータ等につきましては、
■人的資本経営への取り組み
サンフロンティアグループは、経営理念である「全従業員を守り、物心両面の幸福を追求すると同時に、共創の心をもって、人類社会の進化発展に貢献し、持続可能な社会を実現する」に向けて、サンフロンティアフィロソフィの浸透と、社員一人ひとりが経営に参画するアメーバ経営を推進してきました。社員一人ひとりが自発的・主体的に仕事に取組み、サンフロンティアグループ全体の一体感を醸成しながら、それぞれが持つ力を最大限に発揮できる社風や職場環境を作ることで、一人ひとりのやりがいや働きがいを大切にしてきました。そして、大方針である「利を求むるに非ず、信任を求むるにあり」に沿い、目先の利益よりもお客様との信頼関係をベースに事業を展開しています。
サンフロンティアグループにおいては、全従業員の判断そして行動の基軸となるのが、「人としての正しさ」をベースとするフィロソフィです。そして、「フィロソフィ」の中には、「人生の結果・仕事の結果=考え方×熱意×能力」が掲げられています。能力や熱意とともに、「人としての正しさ」という判断軸を大切にするサンフロンティアでは、街や社会の進化発展に貢献すべく、一人ひとりの成長を促しています。グループ事業が多角化し、様々な社員が働く中にあっても、この共通の考え方があることで、事業の枠を超え、社員一人ひとりが、組織横断的につながり、志高き目標へと共創する風土を生み出しています。また、アメーバ経営を推進していくことによって、経営者意識をもった人財が育成され、新たなリーダーの輩出により、組織と事業の拡大に寄与しています。
サンフロンティアグループでは、フィロソフィをベースとする「考え方」を磨くとともに、各人の能力やスキル、更なる専門性を高める教育機会を提供していくことで、一人ひとりが持てる力を最大限に発揮し、「働きがい」「創造性」「成長機会」のある職場環境の実現を目指しています。
◆人的資本に関する考え方
フィロソフィとアメーバ経営の両輪で、善き企業風土・企業文化を作り、経営理念を実現する。

※「アメーバ経営」は、京セラ株式会社の登録商標です
◆求める人物像
社名である「Sun Frontier」の「Sun(太陽)」とは、いちばん高く大きく輝き続ける力強さの象徴であり、万人に降り注ぐ愛の象徴です。また、「Frontier」とは、ベンチャースピリットで事業を開拓し、常に前向きであり、無限の可能性を信じ、新たな価値創造に挑戦し続ける姿勢を表しています。
サンフロンティアに集う社員には、「利他の心」と「フロンティア精神」を併せもった人物像を求めています。
◆人財育成方針
利他の価値観を共有する仲間と共に、持続可能な社会の実現に向けて、
フロンティア精神を持って、新たな領域を切り拓いていける人財を育成します。
将来世代にも継承することができる社会の実現を目指し、周囲の人を思いやる優しさと人としての正しさを貫ける強さを合わせ、未経験の領域にも果敢に挑戦する人財を育成します。
当社グループの人財育成に関する取り組みは
■社内環境整備方針
「働きがい」「創造性」「成長機会」のある職場環境をつくります。
全社員が自ら目標を掲げ、その目標に向かって意欲的に取り組み、
そしてお互いに信頼し合い新たな価値創造に挑み続ける、「共創」の組織を実現します。
<働きがい>
挑戦と成長を後押しし、挑戦した仲間を称える風土
人や社会に貢献するための社員の自発的な取り組みを尊重し、任せてみて、その挑戦を賞賛し合う文化を大切にします。社員それぞれのライフステージに合った環境を提供することで、企業としてより高い目標を達成できると考えています。
<創造性>
未来を構想し、新たな価値創造を目指す風土
未来を描きながら、現状を常に改良改善し、感性を磨き続けることで新しい発想が生まれます。
お互いに人として尊重する環境があるからこそ、多様な発想を活かした新たな価値創造へと繋げることができると考えています。
<成長機会>
学びたい意欲を刺激し、高い目標に取り組む風土
社員自らの知りたい、学びたいという自己成長に対する意欲を尊重し、その学ぶ機会を提供します。
未来の変化を大胆に予測し、自らの目標を見据えて努力をし続けることが、成長し続ける企業の礎を成すと考えています。
■健康経営への取組み
<健康経営宣言>
サンフロンティア不動産は全従業員を守り、物心両面の幸福を目指し、従業員の健康の維持・向上に取り組みます。
<健康経営推進体制>

健康経営推進の最高責任者を代表取締役社長とし、総務部を中心に、衛生委員会、産業医、健康保険組合と連携しております。衛生委員会は月1回、総務部長を委員長に、労務担当者、衛生に関する経験を有する社員と産業医で開催し、社員の健康保持増進を図るための議論、快適な職場環境の形成に関することなどを協議しております。また、総務部と健康保険組合が連携し、今後も定期的情報交換、施策の協議を行ってまいります。
<健康経営で解決したい経営課題>
・従業員の心身の健康維持ならびに増進
・従業員が心身の健康を保つことで、今以上に働きがいを感じ、生産性を向上させる
従業員の心身の健康の維持・増進のための疾病予防、エンゲージメントの向上、メンタルヘルス不調発生リスク改善に取り組んでおります。また、心身が健康であることで働きがいを感じ、さらなる仕事への向上心が生まれると考えております。

当社グループの健康経営に関する取り組みは、
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.当社グループを取り巻く事業環境及び当社事業の特性等について
(1) 事業環境
当社グループは、東京都心部を中心に「不動産再生と活用」に取り組み、企業としての市場競争力を高めるべく影響力のある都心部のオフィスビル及び商業ビルを中心に、仲介・管理・保証・工事・賃貸・売買等の一貫した不動産サービスをワンストップで展開しております。しかしながら、経済情勢が悪化し、空室率の上昇や賃料の下落といったように不動産市況が低迷した場合には、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。
(2) 競合の状況
当社グループの事業は、リプランニング事業、賃貸ビル事業、事業用不動産の売買仲介・賃貸仲介、プロパティマネジメント事業、ビルメンテナンス事業、滞納賃料保証事業、貸会議室事業、ホテル開発事業、ホテル運営事業、海外開発事業及び建設事業等から構成されており、これら各事業が有機的に結合し、事業用不動産に係る一貫したサービスを提供するところにその特徴があります。そして、各事業部門の機能を連鎖させることにより発揮する総合力、及び顧客の広範なネットワークから潜在的な優良物件を購入する等、各部門が連動した事業運営を行なうことにより競争力の維持・強化、競合他社との差別化を図っております。しかしながら、この優位性が保たれない場合は、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) リプランニング事業の特性
①リプランニング事業は、主に事業用不動産を対象とした再生事業であり、不稼働又は空室率が高く低収益の事業用不動産を再生することにより収益の改善を実現させる事業であります。売却先は主に不動産賃貸収入を目的とした投資を行う個人・法人等であります。
経済情勢の悪化や信用収縮等により金融市場に混乱が発生した場合、不動産の流通市場が低迷するおそれがあり、リプランニング事業で扱う物件の棚卸資産としての評価額が下がり、また、販売活動が計画通り進まず、当社グループの経営成績、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
②リプランニング事業は、主に金融機関からの借入により資金調達し物件を購入するため、有利子負債残高は物件購入及び売却の状況によって変動します。資金調達にあたりましては、特定の金融機関からの借入に依存することなく、常に複数の金融機関との均衡を図りつつ、安定的、かつ適正な条件での資金調達に努めております。しかしながら、信用収縮等による金融市場の混乱が発生した場合には、事業の展開に必要な資金調達が進まず、当社グループの経営成績、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
③リプランニング事業は、物件を購入し、リプランニング完了後に売却を行いますが、当該事業の売上原価及び売上高は物件の売却時に計上されます。また、一取引当たりの金額は、他の不動産サービス事業等の収入等に比較して高額となっております。したがって、その売却の時期や金額の変動等により、当社グループの経営成績、財政状態が影響を受ける可能性があります。
(4) ホテルの開発について
ホテルの企画、開発、再生から運営に至るまでを当社グループが担いますが、所有物件に関して、一部は安定稼働後に投資家へ販売する場合もございます。ただし、物件販売後も当該物件を賃借し継続して運営することを基本的なビジネスモデルとしております。リプランニング事業とは異なり、ホテル開発事業では、自社にて土地を仕入れ、一から開発を行う場合があります。そのような場合には、竣工までに相当の期間を必要とするため、ホテルの宿泊収入等の収益を計上できない期間が長くなることや、事業期間が相対的に長くなることによって景気変動の影響を受けやすくなることで、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) ホテルの運営について
ホテル運営事業は、一般的に景気動向や個人消費の動向等の影響を受けやすい傾向にあり、景気の低迷による企業の出張需要の減少や個人のレジャー需要の減少、新規ホテルの開業による客室の供給過剰、あるいは感染症の流行等により、客室料金や客室稼働率の低下が起こる場合等、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、為替の変動、近隣国との領土問題や反日感情の増大等の情勢変化が生じた場合、外国人観光客の減少、海外渡航の自粛または消費マインドの減退に繋がることが予想され、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) カントリーリスクについて
当社グループは、海外事業の拡大を戦略の一つとしていますが、海外では為替動向、宗教や文化及び商習慣の相違、経済情勢の不確実性、紛争・内乱・テロ・暴動等政情不安、現地における労使関係のトラブル等のリスクに直面する可能性があります。また、投資規制、送金に関する規制、税率変更を含む税制改正等、政治的、経済的、法的あるいはその他の障害に伴うリスクがあります。海外事業の拡大においては、投資利益の実現までに長い期間を要することがあり、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 災害等について
地震・暴風雨・洪水等の自然災害、戦争、テロ、火災等の人災が発生した場合には、当社グループが保有・管理・投資を行っている不動産の価値が大きく毀損する可能性があり、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 訴訟等のリスク
当社グループが売買・賃貸・売買又は賃貸の仲介・管理等を行う物件に関連して、取引先又は顧客等による訴訟その他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容・結果によっては当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)気候変動・環境に関するリスク
地球環境問題への対応は、企業市民として避けることのできない重要事項と認識しております。環境負荷の低い商品の取り扱い、脱炭素社会への取り組みが遅延した場合、当社グループの社会的評価の低下につながる可能性があり、ひいては業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)サプライチェーンに関するリスク
当社グループは資材や什器類を外部のサプライヤーに依存しています。当社グループの製品で横断的に使用されている資材や什器類に供給不足あるいは納期遅延や価格高騰が発生する場合等には、当社グループの事業期間の長期化や事業原価の上昇等により当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)市場金利に関するリスク
当社グループは、事業の運営・発展のため、金融機関等から短期および長期の有利子負債を調達しています。新規の資金調達が必要となる場合、市場金利の上昇局面においては資金調達コストが増加する可能性があります。また、市場金利の上昇は、不動産購入者の購買意欲の減退や、投資家の要求する不動産の期待利回りの上昇をもたらすことで、当社グループの不動産売却収益の減少や所有資産の価値の下落につながるおそれがあり、当社グループの事業、財政状態および経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。
(12)為替変動に関するリスク
当社グループは、国外においても事業を展開しており、為替の変動は、海外事業における資金調達時のコストや、当社連結決算上の海外事業損益の取り込み額、資産・負債の計上額の変動要因となります。また、為替の大幅な変動は、輸入価格の変動を通じ、建築コストやエネルギーコスト等に影響を与え、当社グループの個別事業におけるコストの変動要因となる可能性があります。加えて、為替の変動が、テナント企業の業績へ影響を与えることを通じて、当社グループの賃貸収入等に影響を及ぼすおそれがあります。これらにより、当社グループの事業、財政状態および経営成績等に影響を与える可能性があります。
2.資産評価について
(1) 販売用不動産(仕掛販売用不動産を含む)の評価に関するリスク
当社グループは、販売用不動産及び仕掛販売用不動産(オフィスビル、ホテル資産等)の棚卸資産を多く保有しております。これらの棚卸資産の評価については、正味売却価額により評価が行われており、正味売却価額は販売見込額から工事原価の今後発生見込額及び販売経費等見込額を控除した額であり、販売見込額は主として、当社が策定した事業計画に基づき見積もった収益還元価額であります。また、これらの棚卸資産については、商品化の遅延等による所有期間の長期化やテナントリーシングの状況、ホテル稼働率等運営状況による収益性、不動産の投資利回りの変動、市場金利の上昇等のリスクに晒されており、正味売却価額が下落し、評価損の認識等を行う可能性があります。この結果、当社グループの経営成績、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
(2) ホテル事業に係る固定資産の減損損失に関するリスク
当社グループは、ホテル・観光事業セグメントのホテル開発事業、及びホテル運営事業において、固定資産(建物、建物附属設備、土地、ソフトウェア等)を保有しております。これらの固定資産については、将来における不動産市況の変化、ホテル客室の稼働率の低下等のリスクに晒されております。今後、上記のリスクの拡大に伴い、ホテルの事業計画を基礎として算定した、ホテルに係る主要な資産の経済的残存使用年数にわたって得られる割引前将来キャッシュ・フローの見積総額が減少した場合には、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。この結果、当社グループの経営成績、財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
3.法的規制について
当社グループの事業は、宅地建物取引業法、建設業法、不動産の鑑定評価に関する法律、不動産投資顧問業登録規程、金融商品取引法、建築士法、警備業法、マンションの管理の適正化の推進に関する法律、賃貸住宅管理業者登録規程、建築物における衛生的環境の確保に関する法律等による法的規制を受けており、関連許認可を得ております。
当社グループの主要な業務に係る免許や許認可等の有効期限等は下記のとおりであり、現在、当該免許及び許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、万一、将来このような事由が発生した場合、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、今後、これらの関係法規が改廃された場合や新たな法的規制が設けられた場合にも、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。
(1) 有効期間その他の期限が法令、契約等により定められている主なものは以下のとおりであります。
(2) 不動産証券化事業を行うに当たりましては、資産流動化法に基づく特定目的会社、会社法に基づく株式会社・合同会社のいずれかにより設立されたSPC(特別目的会社)を利用することになります。この内、資産流動化法に基づく特定目的会社により、証券化事業を行う場合には資産流動化法の規制を受けることになります。
4.会計基準・不動産税制の変更について
会計基準、不動産税制に関する変更があった場合、物件の取得、売却のコスト増加等により当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5.個人情報保護
当社グループは業務上、ビルオーナー様、テナント様、ホテル宿泊者等の個人情報を保有する「個人情報取扱事業者」に該当し、今後の事業拡大につれ関連情報が増加することが予想されます。これに対しては、情報管理体制を強化し、内部情報管理の徹底を図っておりますが、不測の事態により、顧客情報等個人情報が外部に流失した場合は当社グループの信用を毀損し、経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
我が国経済は、金利の先高観が高まる中、雇用・所得環境の改善が続き、回復が継続しました。世界経済は、各国政策金利の高止まりや、中国経済の減速および地政学リスクの影響による原油高等、先行きが懸念される一方、今後の米国における大統領選挙前の政策金利の引き下げタイミングや、米国経済の軟着陸に対する関心が高まっております。
不動産市場においては、東京ビジネス地区(都心5区/千代田・中央・港・新宿・渋谷)の平均賃料が、40カ月連続の下落後、2023年11月に底(坪単価19,726円)を打ち、足元では同19,820円(2024年3月)とやや上昇基調となっています。また、平均空室率は2023年6月にピーク(6.48%)となった後、概ね改善が続き、2024年3月には5.47%となっています(民間調査機関調べ)。これまで、コロナ禍におけるリモートワークの推奨および大型の新築オフィスビルの竣工ラッシュによる空室面積の増加等の影響で、全般的に軟調な市況でしたが、新型コロナウイルス感染症の5類移行(2023年5月)を経て、オフィスの重要性が再認識されたことによる需要の回復が進み、今後の更なる空室率の低下ならびに賃料上昇への期待感が高まっています。そして、不動産投資市場においては、日本銀行によるマイナス金利政策が解除されたものの、緩和的な金融環境が維持され、低金利や円安の状態が継続すると見られます。
このような中、海外投資家等によるオフィスへの投資姿勢が再び買いに転じると予想されるとともに、観光需要の回復によりホテルへの旺盛な投資需要も継続しています。このような環境下、当社グループの中核事業である不動産再生事業では、当期の販売件数が前年度より増加したことに加え、利益率も高い水準を維持したことにより、売上高、利益ともに増加し、引き続き全社業績を力強く牽引しています。不動産サービス事業においては好調な業績を継続しました。ホテル開発事業では、前期の2ホテルの売却の反動で売上高は減少したものの、当期における1ホテルの売却で利益は増加しました。また、ホテル運営事業では、「全国旅行支援」や新型コロナウイルス感染症の5類への移行、そして円安の影響により、国内だけでなく訪日外国人観光客の回復によって観光需要がさらに増加し、前期比で売上高、利益ともに大幅に増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高79,868百万円(前期比3.5%減)、営業利益17,600百万円(同18.1%増)、経常利益17,374百万円(同18.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11,917百万円(同2.6%増)となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業)
①リプランニング事業では、ビルの購入から、再生・活用企画、建設工事、テナント誘致、滞納賃料保証サービス、管理、更にその後のビル経営に至るまで、一貫した不動産サービスをワンストップで提供しております。当期においては、オフィス事業の各部門の連携と仕入体制の強化により、計画を上回るペースで仕入れが進捗しました。引き続き、次年度の商品化・販売に向けて仕入れの強化を継続しています。商品化においては、現場におけるお客様の真のニーズを商品に反映させ、付加価値の高い物件にバリューアップすることに努めました。物件販売においては、当期に25件(ニューヨーク物件2件、小口商品1件含む)を販売し、セグメント利益率も30%の高水準を維持しました。引き続き、地域密着のリーシング力を活かして、高稼働・高付加価値の不動産を国内外の投資家様に販売してまいります。また、ニューヨークで展開しているアパートメントのリプランニング事業においても、継続的に仕入れと販売に注力しており、当期に1件の仕入れと2件の販売を行いました。加えて、不動産特定共同事業においては、小口商品8号案件であるCompass練馬を完売し、9号案件であるCompass桜新町の1次組成を行いました。当期の業績は、物件販売が堅調に推移するとともに、且つ高水準の粗利益率を維持したことにより、前期比で売上高、利益ともに増加しました。
②賃貸ビル事業では、ストック事業として安定した収益基盤を構築することを目的に、リプランニング事業における賃貸ビル物件数を拡大しつつ、不動産サービス部門で蓄積したオペレーション力を活かしながら、中長期的に賃料収入の増加を図っております。当期の業績は、棚卸資産として保有する物件数の増加により、前期比で売上高、利益ともに増加しました。
以上の結果、不動産再生事業全体の売上高は51,027百万円(前期比1.9%増)となり、セグメント利益は15,602百万円(同1.7%増)となりました。
(不動産サービス事業)
不動産サービス事業では、①プロパティマネジメント事業、②ビルメンテナンス事業、③売買仲介事業、④賃貸仲介事業、⑤貸会議室事業、⑥滞納賃料保証事業等を行っております。
①プロパティマネジメント事業では、ニーズに沿ったビル管理によってテナント様の満足度を高めることを目指しています。同時に、賃貸仲介部門との協働によるテナント様誘致、適正賃料への条件改定等に取り組むことで、ビルオーナー様のご要望に適う高稼働・高収益なビル経営をサポートさせていただいております。当期の業績は、受託棟数が前期末より36棟増加し、稼働率が同4.31%ポイント改善したこともあり、前期比で売上高、利益ともに増加しました。
②ビルメンテナンス事業では、「東京を世界一美しい街に」を合言葉に、建物を維持・管理する為の点検、清掃、リニューアル工事や調査等の事業を行っております。ガラス清掃・外壁清掃・外壁補修等の工事を強みに、オフィス事業の各部門と協働しております。当期の業績は、新型コロナウイルス感染症関連による施設消毒業務の減少や不採算現場の解約等により、前期比で売上高、利益ともに減少しました。
③売買仲介事業では、不動産コンサルティングの一環として、プロパティマネジメント事業や賃貸仲介事業をはじめとする他部門のお客様からのご相談にスピード対応で取り組んでおります。オフィス事業が一体となってビルオーナー様のビル経営に寄り添って顧客層を拡大し、積み重ねてきた信任をベースに売買仲介の成約に繋げております。当期の業績は、前期に大型案件の成約があったことにより、売上高、利益ともに減少しました。
④賃貸仲介事業では、当期に新橋店と池袋店の2拠点を開設し、都心主要エリアに12拠点のサービス網を構築しました。リーシング現場でいち早く得たテナント様のニーズや変化を、オフィス空間の最適活用の研究や提案に活かすことで、リプランニング事業の商品企画において、お客様視点の新たな価値創出に繋げております。また、ビルオーナー様のお困りごとを解決するために取り組んでいるサブリース事業においても、当期に2件新規受託し、物件数は合計19件となりました。引き続きお客様に寄り添い、身近な相談窓口としてサービスを提供し、地域社会に貢献してまいります。当期の業績は、賃貸仲介が堅調に推移したため、前期比で売上高、利益ともに増加しました。
⑤貸会議室事業では、集合研修を再開する企業が増加し、貸会議室に対する需要が高まる中、お客様のご要望にお応えするサービスを通して、新規利用とともにリピート需要も増加しました。当期は日本橋、市ヶ谷、八重洲、新宿、新橋の5つのエリアにビジョンセンターを新規開業し、運営規模は15拠点、6,481坪となりました。引き続き東京都心部を中心に拠点拡大を加速してまいります。当期の業績は、10拠点の新設や増床により受注が増加したため、前期比で売上高、利益ともに大幅に増加しました。
⑥滞納賃料保証事業である「TRI-WINS(トライウインズ)」では、オフィス・店舗における入居調査・審査・滞納保証・建物明渡訴訟・退去まで一貫して、ビルオーナー様に寄り添ったサービスを提供しております。一般的な賃貸保証と比較してサービスの領域が広範なものとなっており、ビルオーナー様・テナント様双方が抱えるリスクや課題を解決し、日本経済の成長や社会の安定に貢献していく「三方良し」=Win-Win-Winのサービスです。当期の業績は、主たる事業である信用保証の業績が引き続き安定的に進捗したことにより、売上高および利益ともに堅調に推移しました。
以上の結果、不動産サービス事業全体の売上高は10,497百万円(前期比18.7%増)となり、セグメント利益は5,612百万円(同14.8%増)となりました。
(ホテル・観光事業)
ホテル・観光事業では、①ホテル開発事業、②ホテル運営事業等を行っております。
①ホテル開発事業では、前期に2ホテルの売却があったことにより、前期比で売上高は減少しましたが、分譲型コンドミニアムホテル1区画および1ホテルの売却により、利益は大幅に増加しました。ホテル売却で回収した資金に加え、2023年10月6日に払い込みが完了した転換社債により調達した資金等を活用し、今後、「たびのホテル」ブランドを中心に、M&Aを含む開発に再投資して事業を拡大してまいります。現時点(2024年5月現在)で日本各地における計画中のホテルは10棟、1,347室あり、運営中のホテルと合わせて39ホテル、4,456室となる予定です。
②ホテル運営事業では、福島県猪苗代町における旅館「静楓亭(せいふうてい)」(11室)および関西エリアにおける「ジョイテルホテルなんば道頓堀」等を含めた5ホテル(612室)が当社グループに加わったことにより、現時点(2024年5月現在)で合計26ホテル(3,109室)を運営しております。引き続き、「心温かい楽しいホテル」をテーマに、スタッフの心温かいサービスを通じて、熱狂的ファンづくりに注力してまいります。当期においては、国内観光需要の拡大の継続、インバウンド回復の効果もあり、当社グループの高付加価値戦略に基づく稼働率と客室単価の上昇が継続しました。その結果、前期比で売上高、利益ともに大幅に増加しました。
以上の結果、ホテル・観光事業全体の売上高は16,977百万円(前期比26.1%減)となり、セグメント利益は4,369百万円(同153.9%増)となりました。
(その他)
その他では、①海外開発事業、②建設事業等を行っております。
①海外開発事業においては、成長が期待できるベトナムへ進出してマンション開発等の事業を展開しております。2023年10月に、中部最大都市であるダナン市で分譲マンションの開発用地を取得し、来期上半期に着工予定です。引き続き日本の高度な施工技術による良質な住宅を提供することを通して、地域社会の発展に貢献してまいります。当期の業績は、前年度の物件販売の反動により、売上高、利益ともに減少しました。
②建設事業においては、事業用ビルのリニューアル企画や修繕・改修工事、内装仕上工事および電気通信工事等を行っております。当期の業績は、グループ会社において大型工事の売上を計上したため、前期比で売上高、利益ともに増加しました。
以上の結果、その他全体の売上高は2,409百万円(前期比34.8%増)となり、セグメント利益は301百万円(同6.4%増)となりました。
当期の主な取り組みは次のとおりであります。当社は、「サンフロンティア不動産は全従業員を守り、物心両面の幸福を目指し、従業員の健康の維持・向上に取り組みます。」という健康経営宣言のもと、従業員の心身の健康維持ならびに増進と、従業員が心身の健康を保つことで、今以上に働きがいを感じ、生産性を向上させることを目指しています。この度、経済産業省および日本健康会議が選定する「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されました。この認定を励みに、より一層従業員の心身の健康の維持・増進への取り組みを強化してまいります。また、当社グループは、「私たちは、社是(Credo)である利他の心を大切に、事業活動を通して持続可能な社会の実現に貢献していきます。」というサステナビリティ・ビジョンのもと、「環境保護」「地域創生」「人財育成」を重要課題(マテリアリティ)とし、事業を通して社会課題解決に取り組んでいます。2024年2月に、株式会社みずほ銀行との間で、「Mizuhoポジティブ・インパクトファイナンス」の契約を締結しました。今後も引き続き、限りある資源の無駄遣いを抑えて新たな価値創造に挑み続け、お客様の喜びと幸せづくりを通じた事業活動を進めることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)は、生産業務を定義することが困難であるため、生産実績の記載は省略しております。
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載は省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 調整額はセグメント間の取引消去であります。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(※1)当連結会計年度は、外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
当連結会計年度末における総資産は188,661百万円(前連結会計年度末比23.7%増)、負債は94,244百万円(同37.5%増)、純資産は94,416百万円(同12.4%増)となりました。
総資産の増加の主な要因は、販売用不動産の減少8,149百万円、繰延税金資産の減少388百万円等があったものの、現金及び預金の増加5,851百万円、仕掛販売用不動産の増加34,826百万円及び有形固定資産の土地の増加912百万円等があったことによるものであります。
負債の増加の主な要因は、流動負債その他に含まれる前受金の減少789百万円等があったものの、1年内返済予定の長期借入金の増加6,764百万円、社債の増加9,999百万円及び長期借入金の増加7,101百万円等があったことによるものであります。
純資産の増加の主な要因は、期末配当金の支払い1,216百万円及び中間配当金の支払い1,265百万円等があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上11,917百万円等があったことによるものであります。
なお、自己資本比率は48.0%(同4.9%ポイント減)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動による資金が11,003百万円減少、投資活動による資金が4,254百万円減少、財務活動による資金が21,040百万円増加した結果、期首残高に比べ5,951百万円増加し、当連結会計年度末残高は47,866百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロー及びそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、11,003百万円の支出超過(前期は16,544百万円の収入超過)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益17,295百万円、減価償却費2,124百万円等があったものの、棚卸資産の増加に伴う減少26,770百万円、法人税等の支払額3,505百万円及び売上債権の増加に伴う減少1,187百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、4,254百万円の支出超過(前期は6,681百万円の支出超過)となりました。これは主に、差入保証金の回収による収入205百万円等があったものの、有形固定資産の取得による支出2,457百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出954百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、21,040百万円の収入超過(前期は2,039百万円の収入超過)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出18,991百万円、配当金の支払い2,481百万円等があったものの、長期借入れによる収入32,558百万円、社債発行による収入9,999百万円等があったことによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産再生事業に関する棚卸資産の仕入れであります。棚卸資産の仕入れは、個別の棚卸資産を担保とした金融機関からの長期借入金及び営業活動で獲得した資金によって行っております。当該棚卸資産は一年以内を目途に販売することとし、借入金は、月例約定返済を織り込みつつ、棚卸資産の販売時に一括返済することを基本方針としており、資金の流動性は十分に確保されております。
(財務施策について)
当社グループにおける財政施策については、有利子負債に占める短期借入金の比率を下げ、長期借入金の比率を上げることによって加重平均借入期間を伸長させる負債構造を目指しております。加えて、現金及び預金を手厚く確保することを基本方針としており、強固な財務基盤の構築に取り組んでおります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。