第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは「Chances for everyone, everywhere.」 をグループビジョンに掲げ、世界中の人々が国境や言語の壁を越えて、それぞれの能力を活かし、活躍できる世の中の創造を目指しています。グループビジョンの実現に向け、主にビジネスパーソンを対象に英会話学習や資格取得支援サービスを提供する「リスキリング事業」と、未就学児から高校卒業までのK12領域の子どもを対象とする「子ども・子育て支援事業」を展開しております。より良いサービスの提供を通して社会にインパクトをもたらし、望む誰しもがグローバルで活躍できる世の中の実現に寄与してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは中長期的な事業拡大と企業価値向上のため、連結売上高及び連結営業利益を重要な指標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループでは「リスキリング事業」と「子ども・子育て支援事業」を展開し、それぞれの領域において多様なサービスを提供しております。
 
 我が国経済においては、人口減少に伴う外国人材のさらなる活用やインバウンド需要増大などの社会背景を受け、英語の習得は喫緊のニーズとなっていくことが予想されます。AIなどテクノロジーの進歩はありつつも、特にビジネスシーンのリアルなコミュニケーションにおいて「英語を話せる」重要性はさらに高まると考えられます。ビジネスパーソンのリスキリングとして今後も英語のニーズは変わらず見込まれることから、当社グループの事業展開における戦略としても、主にビジネスパーソンに対して「英語を話せるようになる」という成果に繋がるサービスの提供及び訴求を継続してまいります。個人向けサービスとしては、主力の「レアジョブ英会話」を中心にサービスやブランドの認知施策も並行し、潜在ニーズの掘り起こしや第一想起獲得にも注力しております。

また、学習の成果として英語力を客観的に測定できるサービスも合わせて提供することで、他社差別化やサービスの独自性に繋がると考え、引き続きAIスピーキングテスト「PROGOS®」の普及拡大も継続してまいります。

 

2020年度からの学習指導要領改訂により、教育現場では外国語教育の抜本的な強化が図られました。「読む」「聞く」を中心とした従来の英語学習から、コミュニケーションツールとして英語を「話す」ことも重要度が高まっております。当社グループの「子ども・子育て支援事業」で展開するALT派遣は、ALTを教育現場に派遣することで外国語教育の授業を英語面でサポートするサービスです。事業の持続的な成長に向けては、営業活動の拡大はもとより、講師供給をはじめとするサービス品質の向上が持続的なサービス利用につながると考えております。そのため、当社グループの強みを生かし、フィリピンにおける講師ネットワークを活用しての講師供給に加え、パキスタン政府と連携したALT受け入れのスキーム構築など、講師供給の安定化に努めております。また、各自治体・教育委員会に向けては、当社グループの祖業であるオンライン英会話サービスも組み合わせた提案を行い、契約継続につながる他社差別化と競争力強化も図っております。

 

グループ全体として中長期的な成長を目指すうえでは、グループとしてのシナジーを最大限発揮することが重要であると考えております。学校の長期休業期間などにおいてALTが「レアジョブ英会話」のネイティブ講師としてレッスン提供を行ったり、オンライン英会話サービスの講師をALTとして活用したりするなど、人的資本を相互活用しながら、それぞれの事業拡大に努めてまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

当社グループは「Chances for everyone, everywhere.」をグループビジョンに掲げ、「世界中の人々が、それぞれの能力を発揮し、活躍できる世の中の実現」を目指しております。 現在、当社グループはオンライン英会話サービスを主軸に、グローバルリーダー育成プログラムや法律系難関資格のオンライン学習サービス等、英語学習に限らず多様なスキル習得をサポートするサービスを拡大しており、また ALT派遣サービスや子ども向け英会話サービス等、幼児から高校生まで幅広い年代の子どもを対象とするサービスも展開しております。テクノロジーを活用し、世界中の人々が国境や言語の壁を越えて活躍できる社会を創造、またその先のビジョンの実現に向け、以下の事項を今後の主要な課題として認識し、更なる事業展開を図る方針でおります。

 

①オンライン学習サービスの品質向上について

今後の事業拡大のためには、ユーザーのニーズに応じて提供サービスの品質向上を図る必要があると認識しております。近年では、英会話学習のニーズは、単に趣味として英語を話して楽しく過ごすことではなく、ビジネスパーソンや学生等が英語を話せるようになるという「成果」に変化しております。これに対して、当連結会計年度においては、受講者のニーズに応えるレッスン提供体制のアップデートの一環として、ネイティブ講師によるレッスン提供を開始いたしました。また、「資格スクエア」においては法律系難関資格の学習用アプリのサービス拡大や、ChatGPT講座の開設等を行いました。引き続き、ユーザーのニーズに応じて提供サービスの品質向上に取り組み、国際社会での協働を可能にするグローバルリーダーの輩出に寄与できるよう、社会の革新と発展に貢献してまいります。

 

②組織体制、人材の強化について

当社グループが、業容の拡大及び経営体制の強化を実現していく上で、人材の確保・育成は不可欠であります。そこで、社員研修制度の充実、公正な人事制度の確立等に取り組むことで、将来、当社グループの核となる優秀な人材の確保・育成を図ると共に、事業をより効率的且つ安定的に運営していくため、適宜、組織体制の最適化を図ってまいります。

 

③システムの安定的な稼働と強化について

当社グループの事業は、主にインターネット上で展開していることから、サービス提供に係るシステムの重要性は極めて高いものであり、当該システムを安全性高く、且つ安定的に稼働させることが事業展開上重要であります。従って継続的にシステムの安定運用にかかる投資が必要であり、今後においてもシステム強化を行っていく方針であります。

 

④当社グループブランドの知名度向上について

当社グループは、オンライン学習の需要の高まり・普及と共に、新聞・テレビ・雑誌等各種マスメディアで紹介される機会が増加したことから、オンライン英会話サービスにおいては、一定の知名度が得られているものと認識しております。しかしながら、新規サービスの普及、更なる事業拡大及び競合企業との差別化を図るにあたり、当社グループブランドの知名度をより一層向上させ、「世界中の人々が、それぞれの能力を発揮し、活躍できる世の中の実現」を目指すEdTechカンパニーとしてのブランディングに注力することが重要です。各事業セグメントにおいて、以下のとおり取り組みを進めてまいります。

 

●リスキリング事業

主たるサービスである「レアジョブ英会話」の更なる認知度向上を図り、新規ユーザーを安定的に獲得していくことが重要であると認識しております。当連結会計年度においては、SNSを中心とした広告施策を拡大し、ここから更なる新規ユーザーの獲得へと繋がる施策を積極的に実行してまいります。

また、AIを活用したサービスを拡充し、競合他社との差別化を図ることは当社グループにとって重要な課題であり、AI自動採点システムを活用したビジネス英語スピーキングテストである「PROGOS®」を主軸に、AIを活用した新サービスの開発に注力し、EdTechカンパニーとしての認知度向上を進めてまいります。

 

●子ども・子育て支援事業

主たるサービスであるALT派遣サービスの品質向上及びALT人材の供給力の強化により、同サービスの認知度向上・提案可能エリアの拡大を図ることが重要な課題であると認識しております。また、当社グループが創業以来培ってきたオンライン教育の強みを活かし、「当社グループだからこそ提供できるサービス」であるオフラインとオンラインのブレンディッドサービスや児童生徒向けオンライン英会話の提供等、サービスの拡充及び認知度向上に向けたプロモーション活動を強化してまいります。

 

⑤経営管理体制の強化について

当社グループが継続的に安定してサービスを提供し、中長期的に企業価値を向上させるためには経営管理体制の強化や、コーポレート・ガバナンスの充実に向けた取り組みを行うことが重要だと考えております。従って内部統制に係る体制や法令遵守の徹底に向けた体制を強化してまいります。特に、当社グループは多くの個人情報を取り扱っており、個人情報保護法への対応が非常に重要であると認識しております。既に当社はISMSの認証を取得しておりますが、当社グループで継続的改善に取り組み、より高いレベルの運営を目指してまいります。

 

なお、当社は2023年9月19日に開示しました「プライム市場の上場維持基準への適合状況並びにスタンダード市場への選択申請及び適合状況のお知らせ」に記載のとおり、スタンダード市場を選択し、経営資源やコストを中長期的な企業価値向上に資する取り組みに集中的に投下することが、株主の皆様をはじめ、当社のステークホルダーの期待に応える最適な選択であると判断し、2023年10月20日付でスタンダード市場に移行いたしました。所属する市場区分にかかわらず、当社は今後も中長期的な企業価値向上に資する取り組みの推進、株主・投資家の皆様との積極的な対話及びコーポレート・ガバナンスの一層の充実に努めてまいります

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する基本的な考え方

当社グループは「Chances for everyone, everywhere.」をグループビジョンに掲げ、「世界中の人々が、それぞれの能力を発揮し、活躍できる世の中の実現」を目指し、長期的に持続可能な企業価値向上を推進しております。

上記のビジョン及び企業価値向上の実現には、経営環境の変化が目まぐるしい昨今、従業員一人一人が継続的に成長し、自らの価値を高めることが必要であると考えており、人的資本を重要な経営課題と認識しております。

なお、当社は、本書提出日時点において、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に沿った情報開示等については行っておりません。しかしながら、当社グループのサプライチェーンにおいて、環境負荷の低減に繋がる活動等に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献していくことが重要であると考えております。

その取組の一つとして、CO2排出量及び電気使用量を当社基準において集計し、任意の非財務情報としてコーポレートサイトに公表しております。

<ESGデータベース>

https://www.rarejob.co.jp/sustainability/database

 

現時点では、気候変動問題が当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性は低いと考えておりますが、持続可能な社会、より豊かな社会の実現を目指し、引き続き取組の検討を続け、社会的責任を果たしてまいります。

 

また、事業を通じたサステナビリティへの取組の具体的な内容はコーポレートサイトでも公開しておりますので、ご参照ください。

<ESG/SDGsの取組>

https://www.rarejob.co.jp/sustainability/esg

 

(2)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

当社グループは、人材・労務等をはじめとするサステナビリティに関する重要事項について、取締役会において審議を行っております。当社のサステナビリティ全般に関するガバナンスについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

また、リスク管理に関しては、当社グループ経営における主要なリスクをリスト化し、各リスクの状況を定期的にモニタリング、評価し、取締役会で報告する体制を整えています。その上で、グループ各社に必要な指示、監督を行い、改善に努めております。

 

 

(3)人的資本に関する戦略及び指標と目標

①戦略

グループビジョン「Chances for everyone, everywhere.」を軸に様々な学びの領域で事業を展開する当社グループにとっては、国籍・性別・年齢・入社形態の違い等に関わらず、多様なバッググラウンドを持った従業員各人が、その個性、経験やスキルをそれぞれの役割において最大限に発揮できることがグループの成長に不可欠であると考えております。

また、当社グループにおける人材育成方針としては、従業員各人が自律的に自らのキャリアを形成していくことが重要であり、自発的な学びが最も成果が高いという考えのもと、成長意欲を持つ従業員に対して、書籍購入や資格取得に対する補助手当の支給等をはじめとした様々なスキルアップ支援を各人の現状やニーズに合わせて柔軟に行っております。

 

具体的には、以下の取組を実施しております。

1.人権への配慮

レアジョブグループは、グループビジョンの実現には、全ての事業活動が事業に関わる全ての人の人権を尊重することが必要と認識しております。事業活動のあらゆる場面において、お客様をはじめとする全てのステークホルダーの基本的人権の尊重に取り組みます。そのため、国籍・性別・年齢・入社形態の違い等に関わらず、人材の採用・役職への登用を実施しております。

2.衛生委員会の設置

従業員の残業状況や有給取得状況を議題に改善に向けて話し合い、産業医のアドバイスのもと、改善に向けて取り組んでいます。

3.ストレスチェックの実施

年に1回、グループにおける全ての従業員を対象としたストレスチェックを行い、対象者には産業医との面談機会を設定し、メンタル不調の早期発見、早期改善に努めています。

4.女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定

当計画に基づき、所定外労働時間削減を目標として、毎月の残業時間のモニタリングや残業時間の多い従業員へのヒアリング等を行っています。

5.「レアジョブ英会話」無償受講制度

従業員に対して、「レアジョブ英会話」レッスンを1日2回まで無償受講ができる制度を整備しております。2回のうち1回は就業時間中にレッスンを受講することができ、英語スピーキング力を高めるための機会を提供しております。

 

②指標及び目標

現時点では多様性に関する属性別の目標数値の設定は行っていませんが、今後人材戦略の整備を図る過程で必要に応じて検討をしてまいります。当社では、優秀な人材については国籍・性別・年齢・障がいの有無等の属性に依ることなく積極的に採用及び登用する方針のもと、すべての社員に平等な評価及び登用の機会を設けているため、属性ごとの目標数値を敢えて掲げておりません。

一方で、社内環境整備状況に係る指標の設定・可視化することは重要であると認識しており、当社基準において、管理職に占める女性労働者数を集計し、コーポレートサイトにて公表しております。人的資本に係る指標及び目標の設定については、引き続き検討し、グループビジョンの実現に向けた施策の制定・実施を推進してまいります。

 

当該指標に関する目標及び実績は、以下のとおりであります。

指標

実績(当連結会計年度末)(

管理職に占める女性労働者の割合

 44.2

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性がある主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針です。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

また、本書提出日現在において、以下に記載したリスクが顕在化する可能性はいずれも低いと判断しておりますが、リスクが顕在化する可能性が発生した場合には、早期に財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローへの影響度の検討及び分析を行い、必要な対応を図る方針としております。

 

(1)市場について

① オンライン英語学習事業の外部環境について

日本の英語学習ビジネスにおいて、オンライン英会話市場は外国語教室市場全体の10.3%、312億円となっております。コロナ禍を経てオンライン学習が一般化したことも含め、市場全体として伸びる余地があります。また、日本人出国者数は1,219,789人(出入国在留管理庁「出入国管理統計」・2024年3月速報値)となり、2019年同月比の約63%まで回復しており、英会話学習ニーズの需要増加が見込まれます。インバウンド需要の増加で日本国内でも英語を利用する機会が増加しており、英語学習ニーズは今後より一層高まると予想されます。

一方で、ChatGPTをはじめAIが加速度的な進歩を遂げている状況下において、競合環境も大きく変化しております。オンライン英会話事業者との品質・価格・サービス競争のみならず、AIを活用した新サービスの台頭、英語学習ニーズそのものの変容等、当社グループのサービス等が優位性を維持できなくなる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

② ALT派遣事業の外部環境について

ALTは、文部科学省の定義において「基本的には、担当教員の指導のもと、担当教員が行う授業にかかる補助をする」役割と定められております。全国の教育機関に教員として各国の外国人材をALTとして派遣し、現場に立って指導する立場となります。

公立学校の場合、各自治体や教育委員会の方針に基づきALTの配置が決定されるので、経済上の理由などによって人員配置や予算の方針が変更された場合、当事業の遂行および業績に影響を与える可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的とした海外渡航・入国制限が行われたように、人材の物理的な移動に制限が発生した場合、各教育機関への人員配置が困難となることから、当事業の遂行および業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)当社の事業について

① 講師の確保について

オンライン英会話事業においては、質の高い英会話レッスンを行うことができる講師が必要となります。現時点において当社グループでは、これらの講師を確保し、オンライン英会話レッスンを提供できているものと認識しております。ALT派遣事業においては、各教育機関にALTを配置することが事業の基本であり、その人員確保が必要となります。
 当社グループでは、引き続きこれらの講師の確保に努めていく方針であります。しかし、今後将来において、当社グループが求める的確なレッスンを行うことができる講師を適切な契約条件によって確保できなくなった場合、あるいはALTとして配置する講師の確保ができなくなった場合、当社グループの事業の遂行及び業績に影響を与える可能性があります。

なお、当該リスクに対して、オンライン英会話レッスンに関してはフィリピン子会社を中心に現地での講師採用及びトレーニングを実施する体制を構築しており、安定的な講師確保に取り組んでおります。ALT派遣事業においては、当社グループの強みを活かしたフィリピンにおける講師ネットワークの活用や、パキスタン政府との連携によるALT受け入れ等、当社独自のALT供給体制を構築し、講師供給力の強化を推進しております。

 

② フィリピンのカントリーリスクについて

オンライン英会話事業の英会話講師は、主にフィリピン在住のフィリピン人であります。また、当社の海外子会社であるRareJob Philippines, Inc.、RIPPLE KIDS EDUCATIONAL SERVICES, INC.及びRarejob English Assessment, Inc.は、フィリピンにおいて、英会話講師の管理やレッスンの供給を行っております。フィリピンは、近年著しい経済成長率をもって発展を遂げており、今後の経済成長が期待されております。

一方、フィリピンの経済成長による英会話講師の報酬水準の上昇のほか、今後の法令改正及び新たな法令の制定、新たな判例あるいは取引慣行や諸規則及び税制改正等は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、フィリピンにおいて政情の不安定化や、内乱、テロなどの政治・社会情勢が悪化した場合についても、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 技術、システム面のリスクについて

オンライン英会話事業をはじめ、当社グループのサービス提供及び事業運営において、コンピュータ及びインターネットの利用が不可欠です。また、近年は情報セキュリティ分野における脅威が複雑化・強大化しており、ネットワーク監視やセキュリティシステムの重要性が一層高まっております。

こうした背景を踏まえ、電力供給不足や災害・事故等による通信ネットワークの不具合によるサービス提供の停止や、外部の脅威や従業員の過誤等による重要なデータの消去又は不正流出が発生した場合、当社グループは損害賠償の請求を受ける、あるいは、社会的信用を失うことになり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

サービスの安定稼働や品質向上の観点では、技術進歩に合わせたシステム及びインフラのアップデートが必須となります。そのため、予測に基づくユーザー数等の拡大、新サービスや機能の開発・導入に備えた継続的な投資を計画しております。

ユーザー数の拡大や、サービスや機能の開発・導入の進捗等が当初の計画から大幅に乖離する場合、当初の計画よりも投資回収が滞り、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 新規事業展開について

当社グループでは、今後も引き続き、市場ニーズに応じた英会話サービスの開発及び新規事業として、グローバルリーダー育成研修サービスの展開や海外進出、K12(未就学児から高校卒業までの教育期間)領域、幅広い学びの領域への事業拡大などに取り組んでいく方針ですが、これらによりシステム投資、宣伝広告などの追加的な支出が発生し、短期的に利益率が低下する可能性があります。また、予測とは異なる状況が発生し新サービス、新規事業の展開が計画どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ ALT派遣事業の許認可について

ALT派遣事業においては、国内における人材派遣事業は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「派遣法」という。)に基づき、厚生労働大臣の許可を受けて行っております。派遣法では、労働者派遣事業の適正な運営を確保するため、派遣事業を行う者が派遣元事業主としての欠格事由に該当し法令に違反した場合や、当該許可の取消事由に該当した場合、当該事業の全部又は一部の停止や、許可の取消を命じられる場合があります。万一、当社グループにおいて重大な法令違反が発生し、許可の取消又は事業の停止を命じられた場合は、ALT派遣事業の事業活動全体に支障をきたすと想定され、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、政治・経済状況や市場の変化を取り巻く環境変化等を理由として、関係法令の改正や解釈の変更が行われる可能性があります。その場合、ALT派遣事業の事業活動に影響が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(3)組織体制について

① 代表取締役社長への依存及び当社グループの事業推進体制について

当社の代表取締役社長である中村岳は、経営方針や経営戦略の決定から新サービスの開発等の各業務分野に至るまで、当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしております。また、取引先やその他各分野に渡る人脈など、当社グループの事業推進の中心的役割を担っており、当社グループにおける同氏への依存度は高いものとなっております。

このため当社では、取締役会やグループ経営会議等において、その他の役員及び幹部社員との情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかし、現時点においては、何らかの理由により同氏が当社の経営者として業務遂行が継続できなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

② 人材の確保と育成について

今後の事業の拡大及び業務内容の多様化に対応して、優秀な人材を適切な時期に確保する必要があります。しかしながら、人材の確保が計画通りに進まない場合や、社外流出等の事由により既存の人材が業務に就くことが困難になった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 小規模組織における管理体制について

当社は、2024年3月31日現在、取締役(監査等委員である取締役を除く)2名、監査等委員である取締役3名(全員が社外取締役)、従業員52名と小規模組織にて運営しておりますが、事業成長やM&A等により、当社グループの事業規模は拡大しております。当社では、事業の拡大に応じた組織整備や内部管理体制の拡充を図っておりますが、事業の拡大に応じた組織整備や内部管理体制の拡充が順調に進まなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)コンプライアンスについて

① 法的規制について

a. 個人情報保護法について

当社グループは、個人情報を含む多数のユーザー情報を保有及び管理しております。当社グループはこれらの情報資産の適切な管理に最大限の注意を払っており、ISMSの認証を取得しております。しかしながら、外部からの不正アクセス、システム運用における人的過失、従業員の故意等による顧客情報の漏洩、消失、改竄又は不正利用等が発生し、当社グループがそのような事態に適切に対応できず信用失墜又は損害賠償による損失が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

b. 特定商取引に関する法律について

当社グループが運営しているオンライン英会話サービスは、その殆どが「特定商取引に関する法律」の通信販売に該当しております。当社グループは同法の規定を遵守して業務を行っておりますが、同法を違反し、違反の旨の公表や通信販売に関する業務の停止命令を受けた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
  c. 労働者派遣法について

当社グループが運営しているALT派遣事業は、労働者派遣事業として派遣法及び人材紹介事業として職業安定法に基づき、いずれも厚生労働大臣の許可を受けて行っています。当社グループは同法の規定を遵守して業務を行っておりますが、同法を違反し、許可の取り消しや業務の全部又は一部の停止命令を受けた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

② 知的財産権について

当社グループが各種サービスを展開するにあたっては、第三者に帰属する著作権等の知的財産権、肖像権等を侵害しないよう、事前に権利関係を調査するなど細心の注意を払っております。しかしながら、万が一、第三者の知的財産権、肖像権等を侵害した場合には、多額の損害賠償責任を負う可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 訴訟発生リスクについて

当社グループでは、役職員に対するコンプライアンス教育を徹底し、法令違反等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社グループ及び役職員の法令違反等の有無に関わらず、取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。これら提起された訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生や企業イメージの悪化等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)その他

① 配当政策について

当社は、株主に対する利益還元を重要な経営上の施策の一つとして認識しております。一方で、将来の成長投資に必要となる内部留保の充実と、財務基盤の確立、株主への利益還元を総合的に勘案することも重要だと考えております。このため、当社の資本コストを上回る投資案件がある場合には、企業価値向上につながる戦略的投資を実行し、持続的な売上高及び利益成長を実現することと、それを可能とする健全な財務基盤の確立を優先することが、株主の皆様との共通の利益の実現に資すると考えております。

したがって、当社は、当面の間は上記政策に沿う範囲の中で、株主の皆様に対して、安定的かつ継続的な増配を実現する形で剰余金の配当を行うことを基本方針といたします。しかしながら、本リスク情報に記載されていないことも含め、当社グループの事業が計画通り進展しない等、当社グループの業績が悪化した場合、継続的に配当を行えない可能性があります。このようなリスクを認識し、今後も経営計画の策定に際しては十分な検討を行い、目標達成を目指して取り組んでまいります。

 

② 為替変動について

オンライン英会話事業の英会話講師は、主にフィリピン在住のフィリピン人であります。講師報酬は主にフィリピンペソ建てで支払うことになっております。一方、ユーザーからのレッスン料収入は、円建てで決済しております。従いまして、フィリピンペソに対して円が安くなると、当社グループにとって円換算での報酬が高くなり、仕入コストが上昇することから価格競争力が弱くなります。為替変動に対するリスクヘッジを行ってはおりますが、現地通貨と円貨との急激な為替変動などが起こった場合、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ レッスン受講率について

オンライン英会話事業の収益モデルは、売上高はユーザーからの月額固定報酬である一方、主な売上原価である講師に支払う講師報酬は、主にレッスン数に連動して支払いを行っております。ユーザー1人当たりのレッスン受講率が上昇してレッスン提供数が増加した場合、売上原価である講師報酬が増加し、売上高総利益率が悪化する可能性があります。一方、レッスン数が減少した場合、短期的には講師報酬が減少し、売上高総利益率が改善しますが、レッスン数と継続率には一定の相関関係が認められるため、継続率が低下し、売上高が減少する可能性があります。

 

④  ソフトウエアについて

当社グループは、オンライン英会話事業に関する各種サービスを提供するため、継続的にシステム開発投資を行い、将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認められたものをソフトウエア(ソフトウエア仮勘定を含む)として無形固定資産に計上しております。これらの資産を利用して提供するサービスの収益獲得又は費用削減が著しく損なわれた場合には、当社グループが保有するソフトウエア等の資産について減損損失の計上が必要となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤ M&A等によるのれんについて

当社グループは、成長戦略の一環として積極的に行っているM&Aに伴い発生した相当額ののれんを計上しております。当社グループは、当該のれんにつきまして、それぞれの事業価値及び事業統合による将来のシナジー効果が発揮された結果得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えております。

しかし、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られない場合、減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 自然災害等の大規模災害による被害について

地震、津波、台風等の自然災害や火災等の事故及び通信ネットワークを含む情報システムの停止等により、当社グループの事業活動が停滞又は停止するような被害を受けた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 会計制度・税制等について

会計制度又は税制の予期せぬ新たな導入や変更等が行われた場合、当社グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、税務申告において税務当局との見解の相違が生じた場合にも、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症対策の枠組みが変更されたことによる経済活動の正常化や、インバウンド需要の高まり、雇用・所得環境の改善などの各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復が見られました。一方でウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化など不安定な国際情勢、資源価格や原材料価格の高騰による物価上昇、円安基調の継続など、先行きが不透明な状況が続いております。

このような状況の中、個人の海外への渡航は限定的で、新型コロナウイルス感染症にかかる海外渡航の制限による、日本人出国者数の減少からの回復はいまだ緩やかであり、当社グループの事業の英語学習市場においては、依然として個人の英語学習に対する優先順位が上がりづらい環境となっておりました。

しかしながら、中長期的には超少子高齢化による国内市場の縮小や生産人口の減少が予想される日本において、企業による海外市場への進出や、外国人材の積極的な採用が国内企業にとって不可避となります。その結果、グローバルに活躍できる人材や、外国人材と協働できる人材が多く求められるようになり、そのような変化の中で、グローバルな言語である英語の重要性と学習ニーズが高まると想定されます。

それらを踏まえて、当社グループは中長期的な市場環境変化を見据えた英語学習ニーズに応えるべく取り組みを続けております。

 

リスキリング事業では、手軽なオンライン英会話学習の場を提供するだけでなく、実際に「英語を話せる」ようになる「成果」を重視したサービスの拡大と品質向上に取り組んでおります。現在は外国語のコミュニケーション能力を表す指標・国際標準規格のCEFRに基づいた、AIを用いた英語のスピーキング力測定サービス「PROGOS®」や、シャドーイング練習が可能なアプリ「ソロトレ」の提供、AIを用いたレッスンフィードバック機能の開発などを行っております。これらにより効果的な学習に繋がるラーニングサイクルの構築を進めております。また、より短期間で確実な「成果」を得ることができる英会話コーチングの「スマートメソッド®コース」の提供も行っております。

 

子ども・子育て支援事業では、小学3年生からの英語教育導入やCEFRに基づいた学習指導要領改訂により、実践的な英会話力の向上が重視されています。それに伴い、小・中学校の英語教育における重要な役割を担うALTの派遣人数は当社グループにおいても堅調に推移しております。また、当社グループのフィリピンにおける講師ネットワークや、パキスタン政府との連携によるALT受け入れなど、当社独自のALT供給体制の構築を進めることにより、事業拡大の基盤作りに取り組んでおります。

 

以上の結果、当社グループの当連結会計年度における売上高は10,175,419千円と前年同期比4,388,096千円75.8%)の増収、EBITDAは1,146,293千円と同598,658千円(109.3%)の増加、営業利益は696,998千円と同468,649千円205.2%)の増益、経常利益は700,700千円と同421,269千円150.8%)の増益、親会社株主に帰属する当期純損失は288,067千円と同482,106千円の減益となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

リスキリング事業

当連結会計年度において、個人向けのオンライン英会話サービスのユーザー数は硬直的であり、また法人向けサービス売上は大型添削受託案件の縮小が影響したため、売上高は5,150,409千円と前年同期比165,904千円(△3.1%)の減収となりました。一方で価格改定による利益率の向上や営業費用のコントロールの結果、セグメント利益は788,238千円と同119,584千円(17.9%)の増益となっております。

 

 
子ども・子育て支援事業

当連結会計年度において、当社グループではALT派遣事業を開始したことにより、売上高は5,025,010千円と前年同期比4,554,001千円(966.9%)の増収となりました。その結果、セグメント利益は271,631千円と同369,684千円の増益となっております。

 

また、当社グループのEBITDAは営業利益+減価償却費+のれん償却額で算出しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は前連結会計年度末より420,772千円増加し、2,664,124千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、834,708千円(前連結会計年度は471,066千円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額により391,549千円の支出があったものの、非資金項目1,291,904千円を計上したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により得られた資金は、321,778千円(前連結会計年度は1,725,109千円の支出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入144,735千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により支出した資金は、766,557千円(前連結会計年度は371,160千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出361,368千円及び自己株式の取得による支出299,965千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社グループは、主にインターネットを利用したオンライン英会話レッスンおよびALT派遣事業を提供しており、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b. 受注実績

当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、以下のとおりであります。

 

セグメントの名称

売上高(千円)

前期比(%)

リスキリング事業

5,150,409

△3.1

子ども・子育て支援事業

5,025,010

966.9

10,175,419

75.8

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績につきましては、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ666,187千円増加し、3,601,015千円となりました。これは主に、売掛金568,484千円増加したことによるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,244,924千円減少し、2,655,350千円となりました。これは主に、前払金1,165,035千円減少したことによるものであります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債につきましては、前連結会計年度末に比べ283,886千円増加し、1,972,794千円となりました。これは主に、未払費用225,401千円増加したことによるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ71,815千円減少し、2,449,949千円となりました。これは主に、繰延税金負債300,166千円増加した一方、長期借入金331,368千円リース債務49,540千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ790,806千円減少し、1,833,621千円となりました。これは主に、利益剰余金402,040千円資本剰余金187,223千円非支配株主持分142,835千円減少したことによるものであります。

 

 

b.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高につきましては、前連結会計年度に比べ4,388,096千円増加し、10,175,419千円となりました。これは主に、ALT派遣事業を開始し売上増加に寄与したことによるものであります

 

(売上原価)

当連結会計年度における売上原価につきましては、前連結会計年度に比べ3,384,218千円増加し、5,732,875千円となりました。これは主に、ALT派遣事業の売上増に伴い、講師の人件費等の費用も増加したことによるものであります。

この結果、売上総利益は4,442,544千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業損益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度に比べ535,229千円増加し、3,745,545千円となりました。これは主に、株式会社ボーダーリンクの子会社化の影響により、人件費等が増加したことによるものであります。
 この結果、営業利益は696,998千円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用及び経常損益)

当連結会計年度における営業外収益につきましては、前連結会計年度と比べ57,329千円減少し、43,857千円となりました。これは主に、持分法による投資利益86,978千円減少したことによるものであります。

当連結会計年度における営業外費用につきましては、前連結会計年度と比べ9,950千円減少し、40,155千円となりました。これは主に、為替差損19,883千円減少したことによるものであります。

この結果、経常利益は700,700千円となりました。

 

(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純損益)

当連結会計年度における特別利益につきましては、前連結会計年度と比べ35,287千円増加し、51,216千円となりました。これは主に、新株予約権戻入益18,990千円増加したことによるものであります。

当連結会計年度における特別損失につきましては、前連結会計年度と比べ868,208千円増加し、876,329千円となりました。これは主に、減損損失796,738千円増加したことによるものであります。

この結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純損失は124,412千円となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は288,067千円となりました。

 

c.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況)

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(資金需要及び財政政策)

当社グループの資金需要のうち主なものは、フィリピン人講師への報酬、ALT人件費、その他人件費及び販売活動のための広告宣伝費等の運転資金、及びソフトウェア開発や設備投資にかかる資金であります。加えて、当社グループは、既存事業の相乗効果が期待できる場合や、新規事業へ参入するために必要があると判断した場合には、事業提携やM&A等について積極的に検討をしていく方針であり、これらの施策のための資金需要があります。これらの資金需要に対し、営業活動によるキャッシュ・フローや金融機関からの借入金等により必要となる資金を調達しており、資金の流動性は十分に確保されております。

 

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、「Chances for everyone, everywhere.」をグループビジョンに掲げ、世界中の人々がそれぞれの能力を活かし、活躍できる世の中の実現を目指し、人々の「学び」を支援するサービスを提供しております。

現在、ビジョンの実現に向け、大人から子どもまで、幅広い学びの領域への事業拡大を目指し取り組みを進めており、中長期的な事業拡大と企業価値向上のため、連結売上高及び連結営業利益を重要な指標と位置付けております。当連結会計年度における連結売上高は10,175,419千円、連結営業利益は696,998千円となっております。

 

e.経営者の問題認識と今後の方針について

当社の経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。
 課題に対処していくため、事業環境の変化に柔軟に対応していくと共に、競合企業との差別化の推進や収益性の向上に取り組み、強固な事業基盤を確立してまいります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。