当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、以下に掲げる経営理念のもと、その実現に向けて、社会倫理を尊重し、社員全員が行動指針、品質・環境方針に従いお客様のニーズを幅広く企業活動に展開し、企業価値の向上を目指しております。
<経営理念>
・お客様第一の信念に徹し、社会の発展に貢献する。
・物心ともに豊かで、公平な働きがいのある会社とする。
・国際的感覚をもち、経営の革新と技術の開発に努める。
(2) 中長期的な経営戦略
当社グループは、2022年度(2023年3月期)~2024年度(2025年3月期)にかけての3ヶ年中期経営計画「中期ビジョン2024」を策定しております。また、「中期ビジョン2024」における経営方針を、「AIRMAN MAKES FUTURE 常に新しい価値を追求し、社会と産業の発展に貢献する」とし、建設・産業機械のリーディングカンパニーを目指してまいります。
<「中期ビジョン2024」の概要>
・基本方針
一段上の成長・拡大に向けて基盤固めに重点を置き、限られた経営資源を成長の一手に集中させる。
・コア成長事業
① 国内市場はモータコンプレッサ拡販施策により、国内シェア15%を達成する。
② 海外市場は北米の需要拡大に対応するため、生産増強などにおける投資を実行する。
・安定収益基盤確保の事業
① 国内市場におけるエンジンコンプレッサ
国内シェアNo.1としての安定収益基盤として期待でき、得られた原資を成長戦略に振り向ける。
② 国内市場におけるエンジン発電機
新製品開発、新規販路、新規パートナーの開拓などの土台作りに注力する。
③ 国内市場における高所作業車
今後の建設需要を取り込み、国内シェアNo.1を維持する。
・サステナビリティ
脱炭素に向けた取り組みとして、以下の施策を実施する。
① 現状の製品群に対する電動化、ハイブリッド化への対応。
② 持続可能な社会を見据えた代替燃料、次世代燃料への対応。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは経営上の目標の達成状況を判断する指標として、企業の本業や財務活動などの収益力を表す売上高経常利益率と、企業の投下資本に対する効率的な運用と収益性を表すROE(自己資本利益率)を用いております。常に変化する市場環境の中で持続的成長と収益性の向上を目指し、経営の合理化及び効率を高め、財務体質の強化により売上高経常利益率10.0%以上、ROE(自己資本利益率)8.0%以上をそれぞれ維持確保することを目標とし、中長期的な経営戦略として「中期ビジョン2024」を策定しております。また、2024年5月23日に公表したとおり、当社グループを取り巻く状況と、将来展望を考慮した結果、当初設定した「中期ビジョン2024」の連結計数目標を修正しております。
なお、修正後の「中期ビジョン2024」における各年度の目標値は以下のとおりです。
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2022年度 実績値 |
2023年度 実績値 |
2024年度 目標値 |
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売上高 |
(百万円) |
49,000 |
51,900 |
56,000 |
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経常利益 |
(百万円) |
5,380 |
7,323 |
7,400 |
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売上高経常利益率 |
(%) |
11.0 |
14.1 |
13.2 |
|
ROE(自己資本利益率) |
(%) |
11.5 |
14.3 |
8.0以上 |
(4) 経営環境及び優先的に対処すべき課題
昨今の経営環境につきましては、国内においては賃金と物価の好循環によって個人消費が改善するほか、各種政策の効果もあって緩やかな回復が続くことが期待されます。海外においては、欧米諸国が金融引締めから順次、緩和に転じることが想定されますが、中国経済の先行き懸念や中東地域をめぐる情勢が下押しするリスクとなっています。
このような経営環境の下、当社グループはこれまで培ってきたコアテクノロジーを基盤に、変化する市場にマッチした製品展開を図り、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社のサステナビリティ基本方針
当社グループは、以下に掲げるサステナビリティ基本方針に基づき行動するとともに、サプライチェーン全体に浸透するべく取り組んでおります。
また、社会や地球環境との調和を図りながら、製品やサービスを通じて世界の人々に喜びや豊かさ、幸福感を提供し続けていくことを目指しており、これらを実現するために、適正な企業統治の下、社会から信用される企業として、革新的な製品やサービスを通じ、社会の課題解決と持続的発展に貢献してまいります。
<サステナビリティ基本方針>
・私たちは、国際ルール、法令を遵守し、公正、誠実に業務を遂行します。
・私たちは、人権を尊重し、児童労働・強制労働は行いません。
・私たちは、ステークホルダーとの関係を大切にし、適時かつ適正な情報開示を行います。
(2)ガバナンス
当社グループは、取締役会がサステナビリティを巡る課題に対応するために、中長期的な企業価値向上の観点から、任意の諮問機関「サステナビリティ委員会」を設置し、これらの課題に積極的・能動的に取り組んでおります。
サステナビリティ委員会は、代表取締役社長を機関の長として構成しており、策定した方針に基づき、サステナビリティを巡る課題に対応する戦略を策定・推進する役割を担っております。
また、サステナビリティ委員会は、気候変動を含めた重要なリスクや機会等について審議・監督を行い、必要に応じて取締役会へ報告し、サステナビリティ課題と全社的な経営戦略の統合を図るとともに、取締役会にて議論・検討することにより、取締役会の監督が適切に行われる体制を整備しております。
(3)マテリアリティのリスクと機会及び主な取り組み
当社グループは、社会や地球環境との調和を図りながら、製品やサービスを通じて世界の人々に喜びや豊かさ、幸福感を提供し続けていくことを目指しています。これらを実現するために、適正な企業統治のもと、社会から信頼される企業として、革新的な製品やサービスを通じ、社会の課題解決と持続的発展に貢献してまいります。なお、当社グループのマテリアリティに関する状況は以下のとおりです。
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マテリアリティ |
リスク・機会 |
主な取り組みと具体例 |
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E 環境 |
気候変動に挑む製品技術開発 |
(リスク) ・環境規制強化に対応するコストの増加 ・省資源・省エネルギー化への技術的対応の遅れによる競争優位性の低下 ・環境保護に関する風評リスクと企業イメージの悪化 (機会) ・研究開発強化による自社の技術力向上 ・持続可能型製品の市場投入による新たな需要の創出 |
CO₂フリーに向けた研究開発 |
・CO₂排出を抑えることができる水素専焼エンジン搭載コンプレッサを開発 ・CO₂を排出しない水素燃料電池式発電装置の開発 |
|
製品の効率化 |
・高効率圧縮機本体の開発 ・エンジンコンプレッサの圧力切り替え仕様、連続可変仕様の開発 ・モータコンプレッサのインバータ仕様による使用条件への最適制御方式の開発 |
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サステナブルな社会への取り組み推進 |
工場の省エネルギー化 |
・工場の使用電力量を見える化することで的確にターゲットを絞り込み、省エネ効果を得る ・休日の待機電力量削減の達成を促進 ・DXにより革新的な生産性向上を実現し、原単位でのエネルギー消費を改善 |
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工場の再生可能エネルギー化 |
・水力発電によるCO₂フリー電力・太陽光エネルギーの導入 |
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有害化学物質の排出量削減 |
・汚泥排出方法の見直しを検討 |
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排出ガス規制対応 |
・国内の第3次排出ガス規制に対応し、海外でも北米、中国の厳しい排出ガス規制に対応する製品を開発 |
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|
廃棄物の削減 |
・廃棄物の発生に影響のある設備、工程の改善 |
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緑化推進活動 |
・工場内「ふるさとの森」づくりを通し、緑化を推進 |
|||
|
S 社会 |
品質向上と安定供給 |
(リスク) ・製品の品質、安全性の問題による信頼喪失、納期の長期化による顧客からの信頼喪失 ・原材料の高騰や調達難による生産停止や出荷への影響 (機会) ・高品質の製品を安定的に供給することで顧客からの信頼獲得 ・調達先の多様化による安定かつ適正価格での原材料調達 |
製品品質の確保 |
・お客様に満足いただける製品の提供を目指し、品質マネジメントシステムを確立、実行し、その有効性を継続的に改善 |
|
安定供給の維持 |
・安定供給のため二社購買の促進とサプライヤーとの信頼関係の構築 |
|||
|
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マテリアリティ |
リスク・機会 |
主な取り組みと具体例 |
|
|
S 社会 |
社会貢献活動 |
(リスク) ・企業活動の内容が社会のニーズと合致しないことによる信頼の喪失 (機会) ・事業の安定による雇用促進と納税、地域社会との信頼関係構築 |
社会貢献活動の推進 |
・地域の活性やスポーツ交流の発展を支援 ・アートを通じ障がい者アーティストの経済的自立を支援 ・海外支援のため、国際協力機構(JICA)に発電機を納品 ・当社工場がある新潟県燕市と包括連携協定を締結 ・地域社会との融和を目指し、工場内「ふるさとの森」の開放 |
|
人権の尊重 |
(リスク) ・少子高齢化による労働力不足 ・不適切な配置による人員流失 (機会) ・誰もが働きやすい環境の整備による採用強化 ・戦略に基づいた人員配置による事業効率の向上 |
労働条件の改善 |
・製造現場の自動化を推進して、誰もが作業しやすい環境を整備 ・間接部門における人材登用方法の見直し |
|
|
戦略のある人事管理体制への移行 |
・65歳以上の雇用制度を導入 ・海外戦略を見据えた人員の再配置を実施 ・将来的な組織の体質強化を見据えた新入社員の配属 |
|||
|
ダイバーシティの推進 |
・女性の採用と管理職への登用、外国人の採用と管理職への登用、キャリア採用比率の向上 ・女性活躍推進に関する研修を実施 |
|||
|
知的財産 |
(リスク) ・他社特許による新規技術開発の弊害発生 (機会) ・先行研究開発を促進し、知的財産の獲得による優位性の確保 |
知的財産、情報資産の適切な管理 |
・事業に関係する特許の定期調査で技術・競合他社動向の把握、新製品が他社の特許範囲に含まれないことを確認 ・業務上有益な発明、改良、工夫、考案をした従業員を表彰する制度の活用 |
|
|
研究開発促進 |
・多様化するユーザーニーズに応え、製品の高機能化、高品質化を実施 ・2023年度末時点で研究開発の成果として78件の産業財産権を出願中 |
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安全衛生 |
(リスク) ・労働災害の発生による企業活動の停止 ・従業員の心身不調による労働災害の発生 (機会) ・企業活動継続、従業員の健康推進による生産性維持 |
安全教育の実施 |
・安全衛生諸規定に基づき安全教育を実施 |
|
|
工場内安全確保・環境整備 |
・フレーム溶接ラインのワーク移送を自動化、作業者の負荷を低減 ・夏季に高温となる塗装工場内にクーラーを設置、休憩所の増設により環境を改善 |
|||
|
従業員の健康推進 |
・健康意識の向上を図り、従業員が常に健康に働けるよう定期健康診断受診率100%を目指す ・心の健康づくりと職場環境の改善のため、ストレスチェックを実施 |
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|
|
マテリアリティ |
リスク・機会 |
主な取り組みと具体例 |
|
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S 社会 |
ステークホルダーとの対話 |
(リスク) ・適時開示を怠ることによる企業価値の低下、ステークホルダーからの信用喪失 (機会) ・建設的な適時開示により企業価値の向上、ステークホルダーからの信頼獲得 |
適時、的確な会社情報の開示 |
・金融商品取引法や証券取引所が定める情報開示に関する規則に基づき重要な会社情報の開示 ・重要な会社情報以外も、当社ホームページへの掲載や決算短信などで積極的に任意開示を実施 |
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ステークホルダーとの対話の推進 |
・機関投資家・アナリストを対象とした決算説明会、機関投資家との対話、個人投資家向け会社説明会の実施 ・お客様から製品のお問い合わせを受け付けるお客様相談窓口の運用 ・取引先へ日々の調達活動・営業活動を実施するとともに、調達方針説明会・監査等を実施 ・従業員との労使協議会等の対話を通じて、労働安全衛生や給与・福利厚生等の労働環境について相互理解を強化 ・工場の近隣住民との対話や地域のイベントへの参加・協賛、自然災害等の発生時には支援活動を実施 |
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G ガバナンス |
コーポレート・ガバナンス |
(リスク) ・法令違反による企業価値の低下、ステークホルダーからの信頼喪失 ・不適切な企業統治やサイバー攻撃などへの不十分な対処による社会的信用の低下や企業活動の停止 (機会) ・ガバナンス強化による経営の健全化、ステークホルダーからの信頼獲得 |
各種方針、規程の運用 |
・内部統制システムの基本方針決議や情報システム管理規程の改訂 |
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内部通報制度 |
・社内窓口と弁護士事務所に直接相談できる社外窓口を設置、運用 |
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ガバナンス強化 |
・CGコードに則ったガバナンス体制構築 ・リスクマネジメント強化 |
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(4)指標及び目標
当社グループは、気候変動への対応として「CORPORATE REPORT 2023」において2050年の目標を掲げており、重点取組項目を推進しております。
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取り組み分野 |
2050年目標 |
重点取り組み項目 |
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気候変動 |
1 |
製品から排出されるCO₂排出量を2013年度比で90%以上削減 |
・製品の燃費改善 ・電動化、ハイブリッド化のラインナップ拡大 ・CN燃料などエネルギーの多様化に対応する技術開発 |
|
2 |
ライフサイクルにおけるCO₂排出量のカーボンニュートラル |
・生産活動で排出されるCO₂を削減(t-CO₂/売上) ・物流活動で排出されるCO₂を削減 |
|
|
資源循環 |
3 |
限りある資源の有効活用と循環利用の促進 |
・製造段階における危険物の削減 ・製品、製造段階におけるリサイクル率の向上 |
|
生物多様性 |
4 |
多様な植物や生物が生息できる環境を維持し、地域とのコミュニケーションを促進 |
・「ふるさとの森」づくりの継続的な維持管理 |
(5)気候変動における現在進行中の具体的な取り組みについて
当社は化石燃料の代替として注目されている、バイオ燃料に対応した発電機や、水素社会に向けた水素専焼エンジンコンプレッサ/水素専焼エンジン発電機/水素燃料電池式発電装置など、人々の暮らしを支えるだけでなく、持続可能な社会を実現する新製品の開発に挑戦しております。
また、生産活動で排出されるCO₂排出量削減においては、日本政府の「2030年度までに、2013年度比でCO₂排出量を全体で46%、産業部門で38%低減する」という目標を受け、CO₂排出量削減への取り組みとして2022年度に当社工場の屋根上に太陽光発電設備(450kWクラス)を設置し、2023年5月より発電を開始しております。
なお、2022年度のCO₂排出量は、2013年度に対して33%削減しております。
(6) 人的資本に関する考え方及び取組
① 人的資本に関する基本方針
当社グループは、100年企業に向かって成長を続けるにあたり、最も重要なステークホルダーの一つである「社員」が誇りをもって働ける会社となることを目指しており、経営理念の実現と行動指針の遵守に必要な、人事戦略の基本方針として「人事ビジョン」を策定しております。人事ビジョンで目指すべき姿とする「公平な働きがいのある会社」を実現するために、以下に掲げる5つの基本方針を柱として取り組んでおります。
<人事ビジョンの基本方針>
・モチベーション
社員一人一人が高いモチベーションを持って組織の士気を高める。
・人材育成
社員一人一人が成長し、成長を実感できる環境を整備・改善する。
・多様性
人材の多様性を推進し、異なる価値観が会社を成長させる。
・グローバル
海外展開拡大を見据えた人事対応を行う。
・人事・配置
戦略的・育成的観点での人事・配置を実現する。
② 人的資本に関する取組
当社グループにおける人事ビジョンを実現するための実施項目及び目標とする指標並びに当連結会計年度の実績は以下のとおりです。
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基本方針 |
実施項目及び目標とする指標 |
当連結会計年度の実績 |
|
モチベーション
|
・公平な人事制度の構築 (目標とする指標) (育児休業取得率) 女性100%維持、男性10%以上 ( 対象者の
・エンゲージメント調査の実施 |
・新人事制度構築に向けて、組織及び職場の改善点などを把握するため、全社員に対しアンケートまたはヒアリングの実施及び社員参加型の検討会を実施し、方向性を共有 (指標の実績) (育児休業取得率) 女性100%、男性38.9% (育児目的休暇制度の取得率) 対象者の
・エンゲージメント調査の実施 |
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人材育成
|
・階層別教育体系の整備
・人材育成を目的としたジョブローテーションの実施
・高年齢者を育成担当として活用 |
・人材育成プログラムとして知識及びスキルの習得を目的とした階層別研修を実施 ・若手社員、管理職とのコミュニケーションを重点とした研修の実施 ・取締役及び幹部候補の研修実施
・65歳以上の雇用制度による若手社員への教育を実施 |
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多様性
|
・女性の採用と管理職への登用 (目標とする指標) (
・外国人の採用と管理職への登用
・中途採用比率の向上 |
・女性社員比率の向上 (指標の実績) (女性社員比率)
・
|
|
グローバル
|
・現地法人の事業規模に対応した人事・配置と人事ローテーション
・即戦力となる人材の中途採用 |
・海外戦略を見据えた人員の再配置を実施
・即戦力が必要な部署への中途採用を積極的に実施 |
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人事・配置 |
・事業戦略と連動した人事・配置の構築
・人事異動の検討に必要な人事情報の整備
・本部間・部門間の人事異動を計画実施 |
・将来的な組織体質の強化を見据えた新入社員の配属 ・人事情報データベースの構築による一元管理及び整備 ・各本部間における人事異動の実施及び将来的な幹部候補の育成 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 市場環境の変動
当社グループは、建設関連機械及び工場設備関連機械の製造・販売を主な事業としており、建設投資や民間設備投資等の変動により、当社グループの製品需要に影響を受けます。
これにより、予想を超えた経済情勢の急激な変動による需要動向に対応が間に合わず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、さらなる販売地域の拡大や新製品投入による新たなニーズに対応するなど、特定の地域やユーザーなどによる業績変動のリスクを低減するよう努めるとともに、社内外の情報を基に需要の変動には逐次対応を図ってまいります。
(2) 為替相場の変動
当社グループの海外売上高比率は、45.7%となっております。北米・欧州の取引においては米ドル・ユーロ建取引となり、為替相場の変動の影響を直接的に受け易くなっております。その他の国におきましても、円と現地通貨との為替相場の変動により間接的に価格競争で影響を受けております。
また、海外現地法人において現地通貨で取引されている収支の各項目は、連結財務諸表を作成する際に円に換算されるため、結果として換算する時点での為替相場の変動に影響される可能性があり、総じて予想を超えた為替相場の変動は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、こうした為替相場の変動に対応するため、為替予約の実施等によるリスクヘッジも検討し、為替リスクの低減を図るとともに、外貨建ての営業債権等については、管理部経理財務グループ経理課が通貨別月別に為替変動による影響額を把握し取締役会に報告しております。
(3) 原材料価格の変動
当社グループ製品は、鉄、銅、原油等を素材とする原材料を多く使用しております。こうした素材価格は市況によって変わり、当社グループが調達する原材料価格に影響し、当社グループで吸収できる範囲を超える変動は業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、生産性の向上や販売価格の見直し等で原材料価格の変動を吸収するように努めてまいります。
(4) 公的規制等の影響
当社グループ製品は、安全や環境等の公的規格や規制及び輸出入規制、税制の影響をそれぞれの国において受けております。
また、予期しない規制等が設けられた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、こうした規制等に対応するため、情報収集を図るとともに、迅速に対応できる事業体制を構築してまいります。
(5) 製造物責任について
当社グループ製品について、万が一、予期せぬ製品不具合により製造物責任の事象が発生した場合、製造物責任保険で補えず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、公的規格や規制の遵守はもとより、安全性、信頼性の向上に向けて厳しい社内品質基準を設けて製品の開発、製造を行っております。
(6) 天災等の影響
当社グループや各調達先の地域において、地震や水害等の天災や戦争、テロ、事故等により大きな被害が発生した場合、原材料の調達や生産活動に影響を受け当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、新潟県燕市を生産拠点としておりますが、原材料の加工や部品の供給は国内各地及び海外より調達しており、それらサプライチェーンの寸断による生産への影響が最小限となるようBCPの強化を図ってまいります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)におけるわが国経済は、原材料やエネルギー価格の上昇、建設業や物流業の人手不足による機会損失などが景気を下押しする懸念はあったものの、インバウンド需要や企業の設備投資が堅調に推移し、緩やかな回復基調で推移しました。世界経済においては、ウクライナ危機に伴う資源高や、欧米の政策金利高止まり、中国における政府債務の増加や不動産市場の低迷、中東での紛争による地政学リスクの高まりなどを背景に景気は減速しました。
このような情勢のなかで当社グループは、中期経営計画「中期ビジョン2024」に掲げた「常に新しい価値を追求し、社会と産業の発展に貢献する」企業を目指して、成長戦略に取り組んでまいりました。また、原材料価格の高騰に対する販売価格の見直しや生産効率改善による操業度の向上、経費削減の推進により、利益改善を図ってまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績につきましては、次のとおりであります。
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前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
対前期増減率 (%) |
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売上高 |
(百万円) |
49,000 |
51,900 |
5.9 |
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(国内売上高) |
(百万円) |
(26,724) |
(28,199) |
(5.5) |
|
(海外売上高) |
(百万円) |
(22,275) |
(23,701) |
(6.4) |
|
営業利益 |
(百万円) |
4,842 |
6,187 |
27.8 |
|
経常利益 |
(百万円) |
5,380 |
7,323 |
36.1 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
(百万円) |
3,752 |
5,098 |
35.9 |
当社グループでは事業内容を2つのセグメントに分けており、セグメント別の状況につきましては、次のとおりであります。
イ 建設機械事業
建設機械事業セグメントは、主にエンジンコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車などの事業で構成しております。
販売面では、国内におけるホテル、工場及び倉庫などの新築・改修工事が堅調に推移し、主要都市での再開発事業は依然として継続するなど、旺盛な建築工事需要を背景に、高所作業車の出荷が伸長しました。海外においては、北米におけるインフラ投資の旺盛な需要を背景に出荷が堅調に推移したことに加え、米ドル/円の円安効果もあって、前年同期比で増収となりました。利益面では、原材料価格の高騰が依然続いておりますが、販売価格の見直しを推し進めたほか、売上高の増加や米ドル/円の円安効果、工場の操業度向上も寄与して前年同期比で増益となりました。
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|
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前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
対前期増減率 (%) |
|
売上高 |
(百万円) |
39,835 |
41,960 |
5.3 |
|
セグメント利益 |
(百万円) |
4,528 |
6,112 |
35.0 |
ロ 産業機械事業
産業機械事業セグメントは、主にモータコンプレッサ、非常用発電機、部品、サービスなどの事業で構成しております。
販売面では、主力のモータコンプレッサは、中期経営計画「中期ビジョン2024」に掲げた目標達成に向けて、国内のシェア獲得を推し進めた結果、出荷が堅調に推移したことで、前年同期比で増収となりました。利益面では、原材料価格の高騰は大きな下押し要因ではありましたが、モータコンプレッサの販売価格見直しが進んだほか、部品、サービスが好調に推移したことで、前年同期比で増益となりました。
|
|
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前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
対前期増減率 (%) |
|
売上高 |
(百万円) |
9,164 |
9,939 |
8.5 |
|
セグメント利益 |
(百万円) |
1,431 |
1,638 |
14.5 |
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,184百万円減少し、11,324百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、棚卸資産の増加及び法人税等の支払額等により、前連結会計年度に比べ1,100百万円増加し、3,970百万円の収入超過となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出及び保険積立金の積立による支出等により、前連結会計年度に比べ1,889百万円減少し、2,757百万円の支出超過となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出及び配当金の支払額等により、前連結会計年度に比べ2,330百万円減少し、2,489百万円の支出超過となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
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建設機械事業(千円) |
38,246,509 |
113.9 |
|
産業機械事業(千円) |
4,990,737 |
107.5 |
|
合計(千円) |
43,237,247 |
113.1 |
(注) 金額は販売価格によって表示しております。
ロ 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
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建設機械事業(千円) |
3,600,175 |
102.1 |
|
産業機械事業(千円) |
1,310,244 |
109.7 |
|
合計(千円) |
4,910,420 |
104.0 |
(注) 金額は仕入価格によって表示しております。
ハ 受注実績
当社グループにおける製品は、ほとんど見込生産によっておりますので、受注実績の記載を省略しております。
ニ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
建設機械事業(千円) |
41,960,233 |
105.3 |
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産業機械事業(千円) |
9,939,972 |
108.5 |
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合計(千円) |
51,900,205 |
105.9 |
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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Alliance North America, Inc. |
10,850,526 |
22.1 |
12,040,666 |
23.2 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第一部 企業情報、第2 事業の状況、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1) 経営成績等の状況の概要、① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、厳しい事業環境のなか、生産・販売活動を積極的に推し進めてまいりました結果、売上高につきましては、前年同期比5.9%増の51,900百万円となりました。これは海外が6.4%増の23,701百万円、国内が5.5%増の28,199百万円となったことによるものであります。
営業利益につきましては、前年同期比27.8%増の6,187百万円となりました。これは主に販売価格の見直しを推し進めたほか、売上高の増加や米ドル/円の円安効果、工場の操業度向上も寄与したことによるものであります。
経常利益につきましては、前年同期比36.1%増の7,323百万円となりました。
特別利益・特別損失につきましては、主に固定資産処分損55百万円を計上しております。
税効果会計適用後の法人税等負担額につきましては、前連結会計年度の1,607百万円から、2,160百万円となりました。
このような結果、非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の3,752百万円から、35.9%増の5,098百万円となりました。
また、財政状態の分析につきましては、次のとおりであります。
当連結会計年度末の財政状態は、総資産が前連結会計年度末に比べ3,110百万円増加し、56,347百万円となりました。
流動資産につきましては、「第一部 企業情報、第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、④ 連結キャッシュ・フロー計算書」に記載のとおり現金及び預金が減少したこと及び生産の増加により商品及び製品が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,023百万円増加し、40,140百万円となりました。
固定資産につきましては、開発管理棟の建設等により有形固定資産が増加したこと、時価の上昇により投資有価証券が増加したこと及び保険積立金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,086百万円増加し、16,207百万円となりました。
流動負債につきましては、支払手形及び買掛金が減少したこと及び未払法人税等が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ341百万円減少し、14,913百万円となりました。
固定負債につきましては、退職給付に係る負債が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ69百万円増加し、3,858百万円となりました。
純資産につきましては、利益剰余金が増加したこと、市場買付により自己株式が増加したこと及び時価の上昇によりその他有価証券評価差額金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ3,381百万円増加し、37,575百万円となりました。
その結果、当連結会計年度末における自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.5ポイント増加し、66.4%となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの経営成績に与える大きな要因について、2つのセグメント別に分析すると以下のとおりであります。
イ 建設機械事業
・市場環境の変動について
当セグメントは、主に国内外の都市開発事業やインフラ網の整備、様々なエネルギー開発・資源掘削等に向けた民間投資・公共投資の変動により、製品需要に影響を受けます。こうしたなか、グループ全社による情報収集・共有を図ることで、市場ニーズを柔軟に製品開発・販売手段に反映させ、事業の収益拡大に努めてまいります。
・為替相場の変動について
当セグメントの北米・欧州の取引は米ドル・ユーロ建取引となり、当社グループの事業活動や経営成績において為替変動の影響を直接的に受け易くなっております。これに対し、為替予約の実施等によるリスクヘッジも検討し、為替リスクの低減を図ってまいりますが、これにより全てのリスクを回避できるとは限らず、予想を超えた為替相場の変動は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、海外現地法人において現地通貨で取引されている収支の各項目は、連結財務諸表を作成する際に円に換算されるため、結果として換算する時点での為替相場の変動に影響される可能性があります。
・原材料価格の変動について
当セグメントの製品には鉄、銅、原油等を素材とする原材料を多く使用しているため、原材料価格の変動によりセグメント利益に影響を受けます。これに対し製品開発段階から原価低減活動に基づく徹底したコスト低減に取り組み、生産面においても生産性の向上を追求することで原材料価格の変動を吸収するように努めます。
・公的規制等の影響
排出ガス規制や様々な製品安全規格、輸出入規制、税制などの影響をそれぞれの出荷国において受けております。これに対し、グループ全社による情報収集・共有を図ることで、製品開発・販売手段に柔軟に反映させ、最適な対応に努めてまいります。
ロ 産業機械事業
・市場環境の変動について
当セグメントは、主に国内の経済情勢や企業業績結果を背景とした設備投資などの変動により、製品需要に影響を受けます。こうしたなか、IoTを活用した機械の保守・管理を提案するソリューションビジネスを展開し、製品情報へのフィードバックによる開発の促進、部品販売・サービスの充実を図り、事業の収益拡大に努めてまいります。
・為替相場の変動について
当セグメントは、主に国内市場での展開であることから、為替相場の変動の影響は軽微であります。
・原材料価格の変動について
当セグメントの製品には鉄、銅、原油等を素材とする原材料を多く使用しているため、原材料価格の変動によりセグメント利益に影響を受けます。これに対し製品開発段階から原価低減活動に基づく徹底したコスト低減に取り組み、生産面においても生産性の向上を追求することで原材料価格の変動を吸収するように努めます。
・公的規制等の影響
様々な製品安全規格、トップランナーモータの搭載規制、生産性向上や省エネ貢献による優遇税制などの影響を受けております。これに対し、グループ全社による情報収集・共有を図ることで、製品開発・販売手段に柔軟に反映させ、最適な対応に努めてまいります。
③ 経営上の目標の達成状況についての分析
当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、「第一部 企業情報、第2 事業の状況、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1) 経営成績等の状況の概要、① 財政状態及び経営成績の状況」で述べたとおりであります。
なお、「中期ビジョン2024」で掲げた目標と実績については以下のとおりであります。
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|
2023年度 目標値 |
2023年度 実績値 |
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売上高 |
(百万円) |
49,600 |
51,900 |
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経常利益 |
(百万円) |
6,700 |
7,323 |
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売上高経常利益率 |
(%) |
13.5 |
14.1 |
|
ROE(自己資本利益率) |
(%) |
8.0以上 |
14.3 |
当社グループは、「中期ビジョン2024」で掲げた目標を達成するために、常に変化する市場環境のなか、持続的成長と収益性の向上を目指し、国内外の事業拡大に努めてまいります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第一部 企業情報、第2 事業の状況、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1) 経営成績等の状況の概要、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ 資金需要
当社グループの資金需要は、営業活動については、生産に必要な運転資金(材料、外注加工費及び人件費等)、受注活動や市場調査等のための販売費、マーケットインの発想を基にした製品競争力強化等のための研究開発費が主な内容であります。投資活動については、事業拡大や生産性向上等を目的とした設備投資が主な内容であります。なお、将来見込まれる成長分野への資金需要も見据え、最新の市場環境や受注動向を勘案し、投資案件の選別を行っていく予定であります。
ハ 財務政策
当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、営業キャッシュ・フローで獲得した自己資金を基本としながら、金融機関からの借入や社債の発行による外部からの資金も利用しております。外部からの資金調達につきましては、安定的かつ低利を前提としながら、将来の金融情勢の変化等も勘案してバランスのとれた調達を実施しております。
資金の流動性については、各部署からの報告に基づき担当部署が適時に資金繰計画を作成・更新するとともに、手許流動性の維持などにより流動性リスクを管理しております。
なお、当社(提出会社)は機動的な資金調達及び当社グループ全体の資金効率アップのため、取引銀行4行と総額2,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第一部 企業情報、第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
イ 北米事業から生じた売掛金に対する貸倒引当金
北米事業から生じた売掛金に対する貸倒引当金の計上に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第一部 企業情報、第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項、重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
ロ 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率、予想昇給率、発生した給付額、利息費用等の要素が含まれております。
なお、割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に設定しております。
実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合または変更された場合、その影響額は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
ハ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。また、回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮しております。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、業績等の変動や課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合、繰延税金資産の修正を行うため、将来の税金費用に影響を及ぼす可能性があります。
特記事項はありません。
当社グループにおける研究開発活動は主に連結財務諸表を作成する当社が行っており、多様化するユーザーニーズに応え、製品の高機能化、高品質化を追求するとともに、地球環境に配慮した空気圧縮機及び発電機への開発に取り組んでまいりました。
また、次世代製品の開発に向けてあらゆる新技術を蓄積し、脱炭素に向けた持続可能型製品の研究開発を開発部内の技術開発グループを中心に推進しています。
当連結会計年度におけるセグメント別の主な研究開発の成果及び産業財産権の状況並びに研究開発費の総額は次のとおりであります。
(1) セグメント別の主な研究開発の成果
① 建設機械事業
・新歯形を採用した高効率エアエンドを搭載したエンジンコンプレッサの開発
・各国の排ガス規制に適合したエンジンコンプレッサおよびエンジン発電機の開発
・脱炭素に向けた持続可能型製品として、水素専焼エンジンコンプレッサ、水素専焼エンジン発電機、バイオ燃料エンジン発電機、水素燃料電池式発電装置のコンセプトモデルの開発
② 産業機械事業
・高効率オイルフリーエアエンドとIPMモータ、インバータを搭載し消費空気量に応じて適切な回転速度で運転できる屋内設置型のオイルフリースクリュコンプレッサの開発
・機外への油や燃料の流出を防止する屋外設置型の油冷式スクリュコンプレッサの開発
(2) 産業財産権の状況
当連結会計年度末における当社が所有している産業財産権は、国内外をあわせて314件で、出願中のものは78件であります。
(3) 研究開発費の総額
当連結会計年度における研究開発費の総額は、