第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社企業グループは、資産活用の『トータル・ソリューション・カンパニー』として不動産・金融を中心とした資産運用コンサルティング業を基盤に、そこから派生する不動産仲介・不動産管理事業等のフィービジネスの拡充を図りながら、インターネットや雑誌・書籍などのメディア事業、ホテル・レジャー事業、高齢者支援・保育事業など地域の人々の暮らしに密着した関連事業を総合的に展開することでお客様の様々なニーズに応え、一生涯お付き合いいただける『生涯顧客』を創造してまいります。また、国内外を問わず地域に密着した『総合生活文化企業』として、長いお付き合いのなかで様々なサービスを提供することにより安定的な収益が見込める『ストック型収益積層ビジネス』を拡充し、『人が、心が、すべて。』の理念のもと、お客様とともに永続的に発展する企業グループを目指しております。

(2)経営戦略等

 基幹事業であります資産運用コンサルティング業と不動産仲介・不動産管理事業等のフィービジネス業務の強化を図るため、不動産営業店舗「ピタットハウス」におけるサービスの質の向上や賃貸管理受託営業を一層推進し、営業エリアの深耕・拡大、不動産管理物件の拡充等に注力するとともに、グループ内の各事業の連携による新たな商品の企画・サービスの提供、研修制度の充実による人財育成等を積極的に行ってまいります。不動産信託事業は、これまで蓄積してきた資産有効活用のノウハウを活かしながら、信託機能を通して、資産管理から資産継承までワンストップの資産運用コンサルティングサービスの提供を可能とし、顧客基盤の拡大につながっております。また、商品開発におきましては、ユーザーニーズの多様化、『安全』『環境』に対する意識の高まりのなかで、低層から中高層まで対応可能な免震構造の住宅や、セキュリティと居住性の充実を追求した都市型賃貸住宅などユーザーやオーナーの視点に立った良質な『住まい』の企画・開発を引き続き推進するとともに、再開発事業やPFI事業等における施設整備の提案・運営事業にも取り組みながら、都心を中心とした施設管理受託営業の強化も図り、総合的な不動産管理サービス事業を展開してまいります。ホテル・温泉旅館の運営を行うホテル・レジャー事業におきましては、顧客満足度を追求しながら質の高いサービスの提供を目指してまいります。高齢者支援・保育事業におきましては、高齢化社会も見据えた様々なサービスの提供に注力してまいります。また、当社グループのポイントシステム「夢なび」会員の拡大を通して、グループ国内外ともに様々なサービス利用の機会を提供しながら、新たな顧客層の拡大も図り、『総合生活文化企業』として地域に密着した事業展開を継続してまいります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 

 

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

総資産利益率(ROA)

6.1%

6.9%

7.2%

株主資本利益率(ROE)

13.6%

15.1%

14.5%

自己資本比率

46.1%

48.6%

50.0%

 目標とする経営指標といたしましては、資本投下の効率性の観点から総資産利益率(ROA)、株主資本利益率(ROE)及び自己資本比率を重視しております。

(4)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、経済活動の正常化が進む一方で、急速な為替変動による物価上昇等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 こうした中、当社グループにおきましては、首都圏及び国内主要都市を中心に不動産オーナーへの資産活用における建築提案から入居募集、その後の不動産管理までワンストップでのサービスを提供してまいりました。

 このようなストックビジネスによる安定成長を基盤としながら、これまで蓄積してきたノウハウをもとに、個人の不動産オーナーのみならず企業不動産・公有地活用・都市再開発事業等に取り組むことで、管理・運営する建物の用途及び事業エリアの拡充を図りながら、各事業のサービスの向上に努め、さらなる成長へと繋げてまいります。

 また、環境に配慮しエネルギー消費量を限りなくゼロに近づけた住宅やビルの供給、歴史的建造物をはじめとした建物の長寿命化への取り組みを通して脱炭素社会の実現に貢献していくとともに、多様な働き方、価値観が求められる中、社員一人ひとりの個性を尊重し、働きがいを感じながら自分らしく働ける環境整備を推進し、「じっくり育て、活かし、伸ばす」人財育成で持続的な成長を継続し、企業価値の向上、継続した株主還元に努めてまいります。

 中長期的な経営戦略に基づき、社会・経済情勢の変化・将来の見通し・各事業の収益力を踏まえながら、スピーディーな意思決定のもとビジネスチャンスを逃すことなく、グループの総合力を活かし『総合生活文化企業』として国内外のネットワークの着実な拡大、各事業の収益基盤の強化及び人財の育成を行ってまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 サスティナビリティに関するリスクや事業機会、取り組みについては、取締役会等において基本的な方針を協議の上、具体的な取り組みについてはグループ各社が実践しており、必要に応じてリスクマネジメント部、総務部、不動産企画管理室、人事部、経理部が進捗管理やモニタリングを実施し、取締役会等に報告するとともに実施や改善策の支援、助言を行っております。

 

(2)戦略

①気候変動対応に関する取組の方針について

 当社グループは気候変動を事業に対する中長期的なリスク・機会と捉え、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言等を参照しつつ、パリ協定を踏まえて低炭素経済に移行する1.5℃シナリオと、現状予想される以上に気候変動対策が実施されない4℃シナリオを中心に気候変動シナリオ分析を実施すると共に、気候関連リスク・機会の特定やCO2排出削減目標の検討を実施しています。当社グループとしては気候変動リスク・機会に適切に対応して参ります。

 

②人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について

 当社グループは創業以来変わることのない企業理念「人が、心が、すべて。」のもと、「個を活かしながら、全体の調和を重んじる」人事戦略を重視しております。「さがし-育て-活かす」という一連のサイクルを事業展開にリンクさせながら、多様な働き方、価値観が求められる中、社員一人ひとりの個性を尊重し、働きがいを感じながら自分らしく働ける環境整備を推進しています。

 当社グループは92社で構成され、多くの業種や職種があります。社員の適性やキャリアビジョンもまた様々で、それらを入社時の特定分野で縛ることなく自ら手を挙げる機会として「キャリアアップシート制度」(年1回、自ら希望する会社や業種を直接人事部へアピールできる機会)を設け、グループ会社間の業種・職種を横断したキャリア形成を実施しております。

 

(3)リスク管理

 当社グループのリスク管理体制については、グループ各社取締役会が各社におけるリスク管理体制を構築する責任と権限を有しております。リスクマネジメント部は各社と連携し、当社グループにおける現時点及び将来発生し得る可能性も含めたリスクの識別・評価を行い、対応計画を策定、実行するとともに、その進捗状況等について、適宜取締役会等に報告しております。また、気候変動関連のリスク・機会の特定に関しては、総務部、不動産企画管理室が各社と連携してグループ横断的に取組をしております。リスク・機会の識別・評価、活動の進捗管理や情報開示に関する事項等の審議を行い、重要事項は取締役会に報告することとしています。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2025年3月まで13%

13.6%

男女の平均継続勤続年数の差異

2025年3月まで80%

77.2%

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)不動産価格の動向について

・有形固定資産の土地・建物
 当社グループでは2024年3月31日現在、有形固定資産の土地・建物を帳簿価額で1,292億84百万円保有しておりますが、今後の不動産価格の動向及び賃貸不動産の収益状況によっては、減損会計の適用により業績に影響を与える可能性があります。

・販売用不動産(棚卸資産)
 当社グループでは、2024年3月31日現在、棚卸資産としての販売用不動産(仕掛販売用不動産を含む)を帳簿価額で155億30百万円保有しておりますが、今後の不動産価格の動向によっては評価損や売却損の計上等により業績に影響を与える可能性があります。

(2)有利子負債について

 2024年3月期末時点の有利子負債の残高は、前期末と比べて77億83百万円増加し734億33百万円となりました。有利子負債の削減につきましては引き続き取り組んでまいりますが、将来を見据えた設備投資資金等、資金調達は銀行借入によって賄っておりますので、今後の金融情勢によっては、業績に影響を与える可能性があります。

(3)ホテル事業について

 千葉県浦安市におきまして、2005年6月に「ホテル エミオン 東京ベイ」を開業し、約19年が経過いたしました。2018年1月には隣接地に新たに「ホテル エミオン 東京ベイ エミオンスクエア」も開業し、東京ディズニーリゾートのパートナーホテルとして運営しております。また、2018年10月にはカンボジア・プノンペンにグループ初の海外自社施工・自社運営のホテルとして「ホテル エミオン プノンペン」、2020年7月に京都府京都市下京区に「ホテル エミオン 京都」、2021年7月に東京都府中市に「ホテル ケヤキゲート 東京府中」、2023年12月に北海道札幌市北区に「ホテル エミオン 札幌」、2024年4月に神奈川県横浜市中区に「ホテル コメント 横浜関内」をオープンいたしましたが、今後の稼働状況等によっては業績に影響を与える可能性があります。

(4)建築資材の調達について

 建築資材等の価格が高騰した際に、販売価格に反映することができない場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)不動産関連法制の変更について

 将来において、建築基準法・都市計画法その他不動産関連法制、建設業法、建築士法等建築に関する法令をはじめとして、当社グループの各事業の遂行に関連する法令の改廃や新たに法的規制が設けられた場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

(6)不動産関連税制の変更について

 将来において、不動産関連税制や所得税関連等の税制が変更された場合に、不動産取得・売却時のコストの増加、また住宅購入顧客の購買意欲、賃貸住宅オーナー等の事業意欲の減退等により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

(7)個人情報の管理について

 当社グループが行っている事業におきましては、多くの顧客の個人情報を保有しております。当社グループでは、個人情報保護方針を制定し、情報管理に関する規程及び運用マニュアル等によって、個人情報管理の強化と徹底を図っております。しかしながら、不測の事態により、当社グループが保有する顧客情報が社外へ漏洩した場合等には、顧客への信用低下やトラブル解決のための費用負担等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(8)自然災害、人災等によるリスク

 地震、暴風雨、洪水その他の自然災害、事故、火災、戦争、暴動、テロその他の人災等が発生した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の業績は、売上高は2,334億8百万円(前期比0.2%減少)、営業利益は304億98百万円(前期比8.6%増加)、経常利益は333億96百万円(前期比11.3%増加)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は220億95百万円(前期比9.3%増加)となりました。

 事業種類別セグメントごとの業績の概況は次のとおりであります。

 

建設事業

 建設事業におきましては、資産運用及び資産継承のコンサルティングとして創業から変わらぬ地域密着営業を行っており、賃貸住宅をはじめ商業ビル・ホテル・高齢者支援施設・保育施設・物流倉庫などグループの総合力を活かした豊富なコンテンツによる土地有効活用の提案を行っております。

 社会インフラとして普及に注力しております『免震構造の建物』におきましては、地域特性を踏まえ『土地・所有者・入居者』すべてに最適な土地活用を提案してまいりました結果、累計受注棟数は2024年3月末現在では616棟となりました。

 環境への取り組みとしましては、太陽光発電設備を標準仕様とした木造賃貸集合住宅の提案を促進してまいります。また、温室効果ガスの管理・削減に向けた取り組みとして外部認証規格であるPAS2080の認証を設計施工会社としてはアジアで初めて取得いたしました。カーボンマネジメントの知見と経験を蓄積しながら脱炭素化に貢献してまいります。

 当連結会計年度の業績は、工事が順調に進捗いたしましたが、建築資材価格の高騰及び労務費上昇の結果、売上高772億8百万円(前期比4.1%増)、営業利益69億25百万円(前期比7.0%減)、受注残高は1,311億40百万円(前期比4.2%増)となりました。

 

賃貸仲介事業

 賃貸仲介事業におきましては、不動産管理物件数の増加に伴い、仲介手数料及び更新手数料が堅調に推移いたしました。また、グループの総合力を活かし、地域密着営業による法人取引の拡大にも注力してまいりました結果当連結会計年度の業績は、売上高78億79百万円(前期比2.5%増)、営業利益24億95百万円(前期比0.5%増)となりました。

 

売買仲介事業

 売買仲介事業におきましては、グループ各社と連携したCRE(企業不動産)ソリューションの提案による法人取引の強化を図りながら、不動産売却サポートサービス「マイホームオークション」を積極的に活用し、売主・買主双方に透明性の高い取引を推進してまいりました結果、仲介手数料及び取扱高は堅調に推移いたしました。当連結会計年度の業績は、売上高76億66百万円(前期比14.4%増)、営業利益28億30百万円(前期比53.2%増)となりました。

 

不動産管理事業

 不動産管理事業におきましては、管理物件数の増加に伴い、管理手数料売上及びメンテナンス売上が堅調に推移するとともに、賃貸事業売上も順調に進捗いたしました。時間貸駐車場「ナビパーク」におきましてはスマホアプリの開発により駐車場料金のキャッシュレス決済を推進、社員の技術力向上のため「スターツテクニカル研修センター」の開設など、お客様のニーズに合わせ、提供するサービスの品質向上にも努めてまいりました結果、当連結会計年度の業績は、売上高905億10百万円(前期比4.4%増)、営業利益125億53百万円(前期比11.1%増)となりました。

 

分譲不動産事業

 分譲不動産事業におきましては、2024年3月に新築分譲マンション「アルファグランデ日暮里」(東京都荒川区:総戸数44戸)の完成引渡、「スターツプロシード投資法人」へ賃貸住宅5棟の譲渡、新築分譲戸建「クオンガーデン文京千石」(東京都文京区:総戸数2戸)等の販売を進めてまいりましたが、前連結会計年度におきまして「スターツプロシード投資法人」へ賃貸住宅6棟143億45百万円の譲渡を行いましたため、当連結会計年度の業績は、売上高89億54百万円(前期比61.7%減)、営業利益4億91百万円(前期比69.6%減)となりました。

 なお、新築分譲マンション「アルファグランデ越谷レイクタウン」(埼玉県越谷市:総戸数39戸)の販売開始により当連結会計年度における契約残高は、23戸12億51百万円となりました。

 

出版事業

 出版事業におきましては、会員数400万人超を有する女性向けウェブサイト「オズモール」の成功報酬型送客サービス「オズのプレミアム予約」では、レストラン予約を中心に利用者数が増加いたしました。また、書籍・電子書籍及び電子コミックにつきましても、個別作品では「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」の大ヒットに続き、「すべての恋が終わるとしても」シリーズが動画系SNSで話題になったことをきっかけに累計25万部を超えるヒット作となっております。当連結会計年度の業績は、読者ニーズに沿った商品展開、SNS等を活用した販促施策を行ってまいりました結果、売上高78億85百万円(前期比20.0%増)、営業利益22億21百万円(前期比44.8%増)となりました。

 

ホテル・レジャー事業

 ホテル・レジャー事業におきましては、2023年12月に国内9カ所目のホテルとして「ホテル エミオン 札幌」(北海道札幌市北区:客室数295室)を開業いたしました。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類となるなど社会活動の正常化が進み、国内レジャー需要が好調に推移いたしました結果、当連結会計年度の業績は、売上高125億95百万円(前期比38.8%増)、営業利益12億22百万円(前期比524.3%増)となりました。

 

高齢者支援・保育事業

 高齢者支援・保育事業におきましては、グループホーム「きらら府中中河原」(東京都府中市)、グループホーム「きらら高砂」(東京都葛飾区)、グループホーム/小規模多機能「きらら要町」(東京都豊島区)を開設いたしました。グループホーム等入居系施設の入居率維持に努めながらも、品質向上のための育成研修の実施や、既存事業所の処遇改善及び新規事業所開設による人件費等の増加により、当連結会計年度の業績は、売上高116億16百万円(前期比4.0%増)、営業利益5億93百万円(前期比1.1%増)となりました。

 

金融・コンサルティング事業

 金融・コンサルティング事業におきましては、スターツプロシード投資法人の運用委託に係る報酬、住宅ローン手数料、少額短期保険契約件数及び受託資産増加に伴う信託報酬が堅調に推移しております。当連結会計年度の業績は、売上高81億79百万円(前期比8.9%増)、営業利益17億9百万円(前期比37.6%増)となりました。

 

物販・文化事業

 物販・文化事業におきましては、カードキーシステム「シャーロック」シリーズの製造・販売、美術館の運営を行っております。当連結会計年度の業績は、売上高9億11百万円(前期比0.8%減)、営業利益1億75百万円(前期比18.4%増)となりました。

 

②財政状態及びキャッシュ・フローの状況

財政状態の状況

 当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末と比べて310億8百万円増加し3,241億9百万円となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の増加に伴う現金及び預金の増加、有形固定資産の取得による増加であります。

 総負債におきましては、前連結会計年度末と比べて107億76百万円増加し1,587億90百万円となりました。また、有利子負債残高は前連結会計年度末と比べて77億83百万円増加し、734億33百万円となっております。

 

キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて83億92百万円の資金を獲得し、868億78百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、建設工事代金等の売上債権の増加42億35百万円、販売用不動産等の棚卸資産の増加37億86百万円、法人税等の支払98億66百万円等による資金の使用の一方で、税金等調整前当期純利益332億80百万円、減価償却費60億96百万円、建設工事等の仕入債務の増加33億6百万円等により257億30百万円の資金を獲得(前連結会計年度は341億48百万円の資金を獲得)いたしました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは「ホテル エミオン 札幌」や「ホテル コメント 横浜関内」等の建設及び賃貸不動産の取得等により207億72百万円の資金を使用(前連結会計年度は107億1百万円の資金を使用)いたしました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、剰余金の配当49億52百万円の一方で、「ホテル エミオン 札幌」等のプロジェクト資金の銀行借入により30億27百万円の資金を獲得(前連結会計年度は129億49百万円の資金を使用)いたしました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.受注高、完成工事高、繰越高及び施工高

 建設事業の受注高、完成工事高、繰越高及び施工高は、次のとおりであります。

種別

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期繰越高

(百万円)

当期受注高

(百万円)

(百万円)

完成工事高

(百万円)

次期繰越高

当期施工高

(百万円)

手持高

(百万円)

うち施工高

(百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

一般住宅

3,437

2,011

5,449

3,092

2,356

0.7

15

3,100

賃貸住宅

101,693

47,742

149,436

53,526

95,910

0.7

623

54,063

その他

19,928

25,284

45,212

17,572

27,640

3.2

890

16,704

125,059

75,038

200,098

74,191

125,906

1.22

1,530

73,867

 

種別

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前期繰越高

(百万円)

当期受注高

(百万円)

(百万円)

完成工事高

(百万円)

次期繰越高

当期施工高

(百万円)

手持高

(百万円)

うち施工高

(百万円)

 

 

 

 

 

 

 

 

一般住宅

2,356

2,652

5,009

2,784

2,224

0.1

2

2,771

賃貸住宅

95,910

52,369

148,279

58,484

89,794

0.9

843

58,704

その他

27,640

27,419

55,060

15,939

39,121

1.7

677

15,630

125,906

82,441

208,348

77,208

131,140

1.16

1,523

77,106

  (注)1.前期以前に受注したもので、契約の更新等により受注額に変更のあるものについては、当期受注高及び次期繰越高の手持高にその増減を含んでおります。

2.次期繰越高の施工高は、未成工事支出金により手持高の施工高を推定したものであります。

3.当期施工高には分譲不動産事業の分譲にかかる施工高は含まれておりません。

4.「その他」は、店舗、倉庫等のほか、リフォーム工事等の少額受注であります。

 

b.契約及び販売実績

      分譲不動産事業の契約及び販売実績は次のとおりであります。

種別

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期契約残高

当期契約高

当期販売高

当期契約残高

数量

金額

 (百万円)

数量

金額

(百万円)

数量

金額

(百万円)

数量

金額

 (百万円)

 戸建住宅

4

894

3

626

7

1,520

 マンション分譲

111

4,465

117

5,618

179

7,464

49

2,620

 賃貸住宅

6

14,345

6

14,345

 中古住宅

 土地

1

16

1

16

 その他収入

-

27

27

 合計

116

5,375

126

20,618

193

23,373

49

2,620

 

種別

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前期契約残高

当期契約高

当期販売高

当期契約残高

数量

金額

 (百万円)

数量

金額

(百万円)

数量

金額

(百万円)

数量

金額

 (百万円)

 戸建住宅

9

870

9

870

 マンション分譲

49

2,620

44

2,170

70

3,539

23

1,251

 賃貸住宅

5

4,493

5

4,493

 中古住宅

1

38

1

38

 土地

 その他収入

11

11

 合計

49

2,620

59

7,585

85

8,954

23

1,251

 

 c.セグメント別販売実績

セグメント別の販売実績につきましては、次のとおりであります。

なお、各事業とも、当社の営業店舗等において最終需要者に対し直接に販売、工事請負契約の締結並びに役務の提供を行っております。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

前年同期比

(%)

 

一般住宅

3,092

1.3

2,784

1.2

90.0

建設事業

賃貸住宅

53,526

22.9

58,484

25.1

109.3

 

その他

17,572

7.5

15,939

6.8

90.7

74,191

31.7

77,208

33.1

104.1

賃貸仲介事業

7,684

3.3

7,879

3.4

102.5

売買仲介事業

6,701

2.9

7,666

3.3

114.4

 

不動産管理手数料

11,307

4.8

12,077

5.2

106.8

不動産管理事業

メンテナンス売上

26,970

11.5

28,836

12.4

106.9

 

賃貸収入

48,390

20.7

49,596

21.2

102.5

86,668

37.1

90,510

38.8

104.4

 

戸建住宅

1,520

0.7

870

0.4

57.2

 

マンション分譲

7,464

3.2

3,539

1.5

47.4

分譲不動産事業

賃貸住宅

14,345

6.1

4,493

1.9

31.3

 

中古住宅

38

0.0

 

土地

16

0.0

 

その他収入

27

0.0

11

0.0

42.9

23,373

10.0

8,954

3.8

38.3

出版事業

6,572

2.8

7,885

3.4

120.0

ホテル・レジャー事業

9,076

3.9

12,595

5.4

138.8

高齢者支援・保育事業

11,170

4.8

11,616

5.0

104.0

金融・コンサルティング事業

7,512

3.2

8,179

3.5

108.9

物販・文化事業

919

0.4

911

0.4

99.2

合計

233,871

100.0

233,408

100.0

99.8

 (注) 建設事業「その他」は、店舗、倉庫等のほか、リフォーム工事等の少額受注であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果

 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態及びキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動について、当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金需要と販売用不動産取得需要であります。運転資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は金融機関より短期借入金で調達を行っております。また、販売用不動産取得資金及び設備投資に係る資金につきましては、金融機関より短期借入金及び長期借入金で調達を行っております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。