当社は、以下の経営環境認識のもとに経営方針及び対処すべき課題を設定し、『先端産業分野において、研究から商業生産まで、顧客とのパートナーシップを重視し、化学品製造に関する課題を解決する』ことを進めてまいります。当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営環境
当社の事業モデルにおいては、医薬品会社や化学会社等の製品開発会社における、新製品の研究開発及び製造の外部委託需要が重要な要素となります。当社の事業領域である有機化学品の受託業界におきましては、技術の細分化・深化が進んだことや、より多品種の化学品等が必要になったこと等により、研究開発及び製造の外部委託傾向が続いています。
また、当社は量産ステージ製品の拡大を企図し、量産設備への設備投資を中心とした投資を進めてまいりました。この結果、量産ステージ製品の売上高に対する割合は安定して50%を超える状況を構築するに至っております。今後も研究・開発ステージ製品から量産ステージへの取り込みが継続するものと認識しております。
当事業年度では、ウクライナ情勢の影響によりサプライチェーンの混乱等が継続しており、当社への影響は現段階では軽微ながらも、今後も十分に注視しなければならない状況であると認識しております。
(2)経営方針及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記のような、当社を取り巻く経営環境及び量産ステージへの対応状況を踏まえ、今後の経営方針としましては、これまでの当社での技術蓄積と顧客との信頼関係を背景に、量産ステージのビジネスを更に拡大する計画であります。
量産ステージでは、研究・開発ステージのビジネスより生産量が増加しますので、既存設備の稼動率の向上に加えて、生産能力の向上が不可欠となります。現有設備の生産能力向上施策を行い、必要に応じて設備の増設を検討いたします。また、研究・開発ステージの品質規格は暫定的な場合が多いのに比べ、量産ステージでは厳格な規格のみならず生産過程全般に渡り品質を保証する体制が求められます。このため、品質管理体制の強化及び品質保証を含めた生産管理体制の強化を進める必要があります。
一方、研究ステージ及び開発ステージのビジネスは、量産ステージへつなぐために持続することが必要であります。市場拡大が期待できる先端領域の選択及び顧客の要望に対応できる優れた技術の習得が課題となります。このための顧客及び業界市場からの積極的な情報の入手及び優秀な人材の確保並びに技術の開発と向上にも努めてまいります。
以上のことから、当社のビジネスを更に拡大するために、以下の①~⑤の5項目を優先的に対処すべき課題として認識しております。
① ステージアップ・グロースモデル強化のための設備の改良・新設
当社は、顧客のステージが研究・開発から量産へと上がるのに伴い、ステージに応じたソリューションを提供して取引を継続し、成長を牽引するモデル(ステージアップ・グロース)を目指しております。
ステージに応じたソリューション提供を行うために、引き続き研究設備、生産設備及び分析設備の改良、新設を図ってまいります。
② 人材育成
当社は、顧客の研究・開発から商業販売における生産ステージまで、機能材料事業部門、医薬事業部門、バイオ事業部門において、課題解決のサービスや有機化学品の製造販売を行っておりますが、それぞれのステージと部門で専門性を持った社員が求められます。先端産業分野で顧客の要望に応じて課題解決のビジネスを継続するために、人材の採用、育成は重要な課題と認識しております。
③ 品質管理及び品質保証の強化
当社では、製品の品質を適切な品質保証体制において担保することにより、顧客との信頼を構築してまいりました。
一方、近年では生産品目の増加に伴い品質管理業務も増加し多様化傾向にあります。特に、法規による品質規格の厳格化や業界の品質基準が高度化してまいりましたので、これに対応できるように分析設備の増強、分析技術の向上に努めます。また、生産管理と品質管理を確実にかつ効率的に行う品質保証体制の充実、強化に努めます。
④ 生産性と効率性の追求
当社は、生産設備を増強し、顧客の生産ステージにある製品の製造販売を増強してきましたが、業務の効率化、合理化によって更なる設備生産性の向上に努めます。そのため、仕入から製造、保管、出荷、廃棄物処理にいたるまで全工程を通して効率化すべく、工場基盤設備の増強及び生産工程のボトルネックの解消、生産状況に応じた設備の増設により安定稼働に注力いたします。
⑤ 新製品開発及び新技術獲得に向けた研究開発の強化
機能材料事業部門では、エレクトロニクス分野の新材料の開発を行っております。用途に応じて顧客と共同で検討を進めておりますが、技術革新の早い分野でありますので、短期に製品化することが課題と考えております。
製薬会社各社は新規作用による医薬品の開発を進めておりますが、当社の医薬事業部門では、これら医薬品の製造ができるように技術開発をするとともに、製薬会社と開発初期から協力を進めることが課題と考えております。
バイオ事業部門では、遺伝子組換え微生物等による化学物質の生産及びバイオテクノロジーと有機合成化学との組み合わせによる化学物質合成を核とした技術開発を進めております。製品を開発する会社と初期から協力を進めることが課題と考えております。
(1) サステナビリティに関する考え方
当社は創業時より「私たちの目標」を経営理念として掲げ、社会の一員としての責任を強く意識して会社経営を行っております。すなわち化学技術によって社会の発展に貢献する上で、自らも成長して持続的な発展を目指し、ビジネスパートナーとは共存共栄を図り、社会の一員としての責任を果たすということです。
上記のとおり、当社の主たる事業である有機化学品の研究・開発・生産ソリューションビジネスの特性に鑑み当社の持続的発展と社会への責任を果たすためには、火災・漏洩等の防止をはじめとしたステークホルダーの安全の確保、環境保全が非常に重要であると認識しています。
同時にこれらの社会的責任を果たすためにはトップマネジメントを中心としたガバナンスが非常に重要であると考えています。
※「私たちの目標」は当社ウェブサイトにて公表しております。
(当社ウェブサイト https://www.kncweb.co.jp/company/csr.html)
(2) ガバナンス
当社は前述のとおり、サステナブルな経営を実施するために、社長がトップマネジメントを行う環境マネジメントシステムを構築しています。このシステムは、当社の基本理念に基づき策定された基本方針に従って運営されております。また、このシステムの適切性、妥当性、および有効性を保証するため、社長は年に一度以上、環境マネジメントシステムのレビューを行い、その結果を経営会議で報告しています。これにより、事業プロセスの区別なくガバナンスが発揮される体制を構築しています。なお、当社の環境マネジメントシステムにおいては、火災・漏洩等事故の防止による安全の確保と環境保全が最大の課題と位置付けて運用しています。
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[基本理念]
われわれは地球環境の保全と持続可能な社会の実現を経営の最重要事項の一つであることを認識し、企業活動すべてにおいて地球環境保全活動に積極的に貢献することを宣言します。
(2003年5月9日制定) |
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[環境方針]
(1) 製造過程で発生する可能性のある事故や環境汚染を防止し、地球環境への影響の低減に努めます。 (2) 製造過程で発生する産業廃棄物を適正に処理・廃棄し、環境汚染を防止します。 (3) 資源・エネルギー消費の無駄を無くすように日常活動を見直し、環境負荷の低減に配慮します。 (4) 環境に関する法令や、社内基準を順守し、環境汚染の予防に努めます。 (5) 環境方針を達成するために、環境目標、実施計画及びその他環境マネジメントシステムで規定した事項を定め、実行します。 (6) (5)について定期的なレビューを実施し、環境活動の継続的改善を図ります。 (7) 社員に対する環境教育を実施し、また、契約取引先に対して環境活動を周知することにより、すべての人の環境に関する意識向上を図ります。 (8) この環境方針は社内に掲示して周知します。また、当社ホームページに掲載し、社外の利害関係者が入手できるようにします。 (9) この環境方針が当社内外の変化に対して有効な状態であることを維持するため、マネジメントレビューの機会、或いは当社内外で重大な変化があった場合に見直しを行い、必要に応じて改訂します。
(2019年12月16日制定)
※環境方針の趣旨は当社ウェブサイトにて公表しております。 (当社ウェブサイト https://www.kncweb.co.jp/quality/index.html) |
なお、コーポレート・ガバナンスの詳細に関しては、「
(3) リスク管理
当社の環境マネジメントシステムでは、経営者が認識する事業等のリスク、経営方針のうち優先的に対処すべき課題、当社の状況に関する課題および利害関係者の要求事項等を考慮し、環境側面、順守義務ならびに安全・環境対策も含めた効率的な生産プロセスの追求による顧客要求事項へ応える機会の提供等を含めたリスク及び機会を抽出しています。
なお、サステナビリティ関連を含む当社事業に係る重要なリスクは「
(4) 人的資本に関するサステナビリティについて
化学技術を基盤としたソリューション事業を行っていることにより、人材である従業員は重要なステークホルダーの一つであることを自覚し、その人権を尊重し、同時に適切な育成環境を提供することが重要であると認識しています。
このため、従業員の育成やエンゲージメントの向上は前項に記載のとおり当社のステージアップグロースモデルにとって重要な課題の一つであると認識しております。これを解決するため、当社は価値基準・行動指針に重点をおいた人事制度の構築を目指しています。事実(成果)を重要視し、能力と役割に見合った処遇を行うことで、従業員のスキルや適性を最大限に引き出し、実力と意思で大きな役割に「チャレンジ」することを目的とします。
a) 人事制度の策定
2022年3月18日に開催した取締役会において、新たな人事制度を策定いたしました。本制度においては、価値基準・行動指針・スキルマップに基づいて各職位に求められる資質を明示し、公平な人事評価を行うと共に従業員のキャリアアップの指針となるように定めています。同時に、経営層から組成する人事評議会を設置し、これが上級管理職の評価に携わることにより、経営層の後継者発見、育成に寄与するような仕組みを構築しております。
上記の様に、当社は従業員の属性にとらわれることのないように公平な人事制度を担保することによって多様性を尊重し、種々の属性からなる従業員の技術・価値観によって会社発展がなされると確信しています。
b) 多様性の確保
当社は男性が育児休暇を取得しやすい風土が醸成されており、男性育児休暇取得割合(80.0%)は高い水準にあります。一方、女性従業員に関しても働きやすい環境を目指し、生理休暇、産前産後休業、育児介護休業の制度やセクハラなどハラスメントに対応し解決する社内規程の整備を積極的に行ってきているものの、女性従業員比率(25.7%)に関して、未だ低い状況であるものと認識しています。当社としては今後も製造現場における雇用機会の創出などを進め女性雇用の拡大を目指していきます。また労働市場において当社の取組みについて理解が進んでいないことも女性従業員比率が大きく改善されない原因と考えており、SNSなどを使って発信するなど当社の取組みを理解されるよう努めてまいります。
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2024年3月31日現在 |
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( |
管理職に占める 女性労働者の割合(%) |
男性労働者の 育児休業取得率(%) |
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正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
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10.4 |
80.0 |
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①全従業員 ②正規従業員 76.3 ③非正規従業員 55.4 |
(注)1. 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の算出方法をベースとしております。
2.男性労働者の育児休業取得対象者に、パート・有期労働者の者はおりません。
男女間の賃金差異に関しては、管理職割合および非正規従業員の雇用条件の差異から生じるものであります。
非正規従業員は定年退職後における再雇用制度としての嘱託従業員やパート従業員などが含まれており、雇用条件が異なることから差異が生じております。
なお、職位別男女間の賃金差異は課長職級で99.9%(女性の部長職級以上は不在のため除外)、課長職級未満では84.7%となっています。新たな人事制度のもと、女性管理職比率の増加に伴い解消していくものと考えています。
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2022年3月(基準) |
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2024年3月 |
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7.9 |
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75.0 |
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2022年から2027年に向け女性管理職比率10%以上、男性育児休業取得率100%を目標に掲げて活動を行っています。引き続き目標指標の達成、維持あるいは指標の見直しなどを進め、従業員エンゲージメントの向上を図りたいと考えています。
当社における事業等のリスクとして、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)景気、個人消費及び顧客の動向によるリスク
当社は、日本国内を中心とする化学品や医薬品を製造する会社から生産や研究開発を受託しております。顧客に供給している製品はエレクトロニクス用有機材料から、日用品、医薬品の原薬やその他材料まで多種多様であり、顧客において当該材料を利用した最終製品は多岐にわたっているものと推測されます。従って、国内外の景気動向や個人消費動向、顧客動向の影響を大きく受けます。たとえば景気の後退や個人消費の低迷が起こった場合、当該外部環境の影響や各顧客固有の事情によって顧客が外部に委託する生産もしくは研究開発を減らした場合、委託する製品の生産又は研究開発から撤退した場合、さらには顧客の倒産や廃業が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)顧客、当社の研究開発及び生産計画の進捗に関するリスク
当社のビジネスは、顧客の自社商品の研究開発や生産を支援する事業を中心に行っているため、業績はそれら顧客の開発品の開発スケジュールや生産計画に大きく依存します。顧客の研究計画が途中で中止や中断等になるリスクは常にあり、またそれは当社がコントロールできないものです。これらの顧客動向は、営業活動において注視しており、このようなリスクは最小限となるよう努めております。
一方、当社は、将来の製造支援ビジネスのための技術開発や独創的な自社商品の開発も行っていますが、これらが全て実用化され、当社の業績に寄与する保証はありません。
顧客あるいは当社の研究開発計画の進捗が大幅に遅れたり、変更や中断、さらには中止となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)研究開発・製造支援事業特有のリスク
顧客の商品に係る研究・開発、あるいは商業生産初期のステージにおける支援業務では、収益率低下や技術上のトラブル等が発生するリスクを伴います。当社は、顧客とのコミュニケーションを重視し、そのようなリスクを最小限にするよう努力していますが、残念ながら顧客の期待に応えられず、想定していた収益が上がらない等のリスクがあります。
また、原材料の支給や資材、機器の貸与、中間体や製品の一時預かりの機会も多いため、その保管・使用中の劣化、滅失、破損等により、顧客から賠償を求められるリスクがあります。
このような、研究開発・製造支援事業特有の事象が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)競合他社との関係に関するリスク
当社の競争相手は、医薬品原薬製造企業、化学品製造・開発企業、化学分野の研究受託・人材派遣企業等多岐にわたり存在し、研究開発から生産までの各々のステージで競合します。当社の強みは全てのステージで一貫して支援できる体制を持つことと、技術的な幅の広さですが、各ステージにおいては、技術力、生産能力等について当社と比較して優位にある企業もあります。従って、これら競合相手との競争次第では、当社の計画する経営成績に影響をきたす可能性があります。また今後、市場の拡大に伴い、更に新規参入企業が増えて競争環境が激しくなる可能性があります。
このような、競合他社との関係において、当社の優位性を示すことが難しくなる状況に陥るような場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)製品の品質に関するリスク
当社は、厳格な品質管理基準に従って各種製品を製造しておりますが、全ての製品について欠陥が無く、将来にわたってリコールが発生しないという保証はありません。大規模な製品事故は、多額のコストや当社の評価に重大な影響を与え、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)資材調達に関するリスク
当社は、様々な化学薬品を使用しますが、なかには特殊な原材料もあります。重要なものは複数購買等の対策を講じて安定製造、安定供給に努めていますが、代替が利かない材料も存在します。その供給元からの調達に問題が発生した場合には、生産計画に支障をきたし、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)原料、資材価格の変動によるリスク
当社は、原油価格に連動する試薬、溶剤等の様々な化合物を原料や資材として国内外から直接又は間接的に調達しています。当社では、これらの市場価格を注視して不利益を被らないよう努力をしておりますが、購入原材料や資材の価格が変動した場合、またそうした購入原料価格の変動を販売価格に転嫁できない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)外部委託に関わるリスク
当社は、事業活動を行う上で、生産、試験、物流、産業廃棄物搬出・処分等の業務を外部に委託しています。委託に当たっては、購買先として審査を行い、必要に応じて監査を行う等その業務を適切に管理していますが、委託先で生じた何らかの問題が、当社の委託業務に支障をきたし、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)大口取引先への依存によるリスク
取引上位10社の占める売上高の割合は、68%となっております(2024年3月期)。これらの企業との取引条件の変更、契約解除あるいは取引先の製品の需要減退が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを低減するため、新規大口顧客の開拓などに注力しております。
(10)事故・災害のリスク
当社は、安全操業のために製造設備の保守・点検を実施しています。事業活動継続には、この保守・点検は必要不可欠です。しかしながら、製造設備で発生する事故、自然災害等による影響を完全に防止できる保証はありません。当社で発生した火災、爆発、漏洩、悪臭、騒音等により、物的・人的被害を及ぼした場合には、当社の事業活動に支障をきたし、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)主要な事業の前提となる許認可、届出に関わるリスク
当社の主な事業は医薬品原薬製造を含む有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業であり、この事業を遂行するために以下に代表される様々な許可等を取得しております。これらの許可等については、各法令で定める手続きを適切に実施しなければ効力を失います。また、各法令に違反した場合、許可等の取消し、又は期間を定めてその業務の全部もしくは一部の停止等を命ぜられることがある旨が定められております。当社は、現時点において、許可等の取消し等の事由となる事実はないものと認識しておりますが、将来、当該許可等の取消し等を命ぜられた場合には、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
・危険物製造所許可、屋内貯蔵所許可、危険物屋外タンク貯蔵所許可、危険物一般取扱所許可
・毒物劇物製造業登録、毒物劇物一般販売業登録、毒物劇物輸入業登録
・医薬品製造業認可
・向精神薬製造製剤業免許、向精神薬試験研究施設設置者登録
・覚せい剤原料取扱者指定
・農薬登録
また、当社の事業遂行上必要な申請等として、以下に代表されるものがありますが、許可等と同様、万一遺漏があり、管轄当局からの指導、処分を受けた場合には、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
・化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)に基づく、新規化学物質に係る申出、申請
・労働安全衛生法に基づく、新規化学物質に係る届出、申請
・遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)に基づく申請
(12)医薬品の外部委託に係る規制動向に関するリスク
当社の事業上、深く関係する法令のひとつに「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「薬機法」)があります。この薬機法の2005年4月改正(当時は薬事法)において、製造のアウトソーシング化という国際情勢、社会情勢に対応して全面外部委託が認められました。この改正は当社の事業にとって歓迎するものではありますが、薬機法の本質は安全対策であり、規制動向が将来にわたって必ずしも当社の事業にとってプラス方向となる保証はありません。医薬品の外部委託に係る規制動向によっては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)法的規制に関するリスク
当社は、化学品、医薬品、農薬、遺伝子組換え等に関する多くの規制に従い業務を遂行しており、法令遵守には最大限の注意を払っていますが、過失あるいは政策、実務慣行、解釈変更によって発生する事態が、当社の業務遂行や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に環境及び化学品安全等に対する法的規制が強化され、新たな対策コストが発生する可能性があります。
当社では、法令の改正情報などの能動的な収集に努め、適宜対応しておりますが、法的規制に関連した事象が当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14)知的財産管理に関するリスク
当社は、知的財産権が事業活動・製品競争力に重要な役割を果たしていることを認識し、知的財産権の取得による自社権利の保護に努める一方で、他社の知的財産権を調査し、問題の発生防止を図っております。しかしながら、他社との間で知的財産権を巡る紛争が生じた場合や、他社から知的財産権を侵害された場合には、事業活動に支障をきたし、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15)情報漏洩リスク
当社の事業の特徴として、秘密保持契約を締結した上で顧客の商品開発に関わる技術情報や営業情報を預かり、取り扱う業務が日常的に発生します。役職員には、これらの情報が、企業活動における根幹であることを十分に理解させるため、啓発、教育を適宜実施し、また秘密保持誓約を提出させる等、情報漏洩の防止には万全を期しています。しかしながら、万一情報の漏洩が発生した場合には、当社が賠償責任を負う可能性があり、また情報漏洩が発生したことで、社会的信用の低下、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(16)コンピューター・システムに起因する運営のリスク
当社は、会社運営の全般にわたってコンピューターによる業務処理を実施しております。外部からのコンピューターウイルス攻撃によるシステムトラブルやデータ破壊、更には情報の盗難、漏洩等への対策として、コンピューターセキュリティーの強化等を適宜実施しております。しかしながら、予期せぬ地震・火災等の災害によるハードウェアやネットワークの損傷や、現状のコンピューターセキュリティーで防ぐことのできない外部からの攻撃の発生等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(17)訴訟等に関するリスク
当社の事業又は活動に関連して、知的財産権、製造物責任、環境、労務等、様々な訴訟、紛争、その他の法的手段が提起される可能性があります。現在、当社の業績と財政状態に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来において、重要な訴訟等が提起された場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお当社では、顧問弁護士を選任し、常に相談できる体制をとっております。
(18)固定資産投資に関わるリスク
有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業においては、顧客の要求に対応できる製造設備を予め揃えておくことは非常に重要であり、商談状況を踏まえて大きな設備投資を行うことがあります。しかしながら、既述のとおり、生産を実施する当社のビジネスは、それら顧客の開発品の開発スケジュールや生産計画に大きく依存します。このリスクは当社の設備投資においても重要な問題です。設備投資は常に慎重に十分な検討を経て決断しますが、想定していた収益が上がらない、あるいは顧客の開発計画が変更、中止になったために、回収計画に狂いが生じるリスクは存在します。このような場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(19)固定資産の減損に関するリスク
当社が保有する固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。同会計基準では、減損の兆候が認められる資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合に、帳簿価額を回収可能価額(当該資産又は資産グループから得られる割引後将来キャッシュ・フローの総額もしくは当該資産又は資産グループの正味売却価額のいずれか高い方の金額)まで減額し、その減額した当該金額を減損損失として計上することとなります。
また当社は、キャッシュ・フローを生み出す資産又は資産グループの最小単位として、事業部単位(機能材料事業部、医薬事業部、バイオ事業部)を基本とした資産のグルーピングを行っております。
このため、当該資産又は資産グループが属する事業部の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(20)金利変動リスク及び資金調達リスク
当社は、設備投資資金や運転資金を金融機関からの借入により賄っておりますが、有利子負債には変動金利条件となっているものがあります。変動金利による調達については、今後の金利動向によって、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(21)人材確保に関するリスク
当社は、有機合成化学や生化学等の分野の技術者の新卒・中途採用を継続的に行い、技術者の育成に努めています。しかしながら、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、あるいは当社の人材が社外に流出する可能性は否定できません。より一層、優秀な人材の確保に注力してまいりますが、人材の確保及び育成が計画どおりに進まなかった場合には、当社の事業展開に支障をきたし、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(22)自然災害、戦争、テロ等によるリスク
予期せぬ地震や風水害、戦争やテロ行為あるいは感染症等の発生により、当社や取引先等が深刻な被害を受けたり、さらにはこれらの要因から社会的混乱が発生した場合には、一定の事業活動が困難になり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(23)気候変動に関するリスク
気候変動については、世界共通の解決すべき社会課題と認識され、早急な対応が求められています。当社の事業である有機化学品の研究、開発、生産ソリューションにおいては、サプライチェーンを通じて気候変動の原因とされるGHGを排出します。その為、気候変動による自然災害の発生に伴う事業活動への悪影響及び炭素税をはじめとするカーボンプライシング等の導入により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度の末日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における国内経済は物価の上昇や円安に影響を受けつつも、雇用・所得環境が改善され緩やかに回復し所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まり緩やかな景気回復が進んでまいりました。そのような中、世界的には金融引締めや中東情勢の悪化による経済の回復ペースの鈍化が日本経済への下押し圧力となる懸念もあり、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響も不透明な状況でありました。
このような状況の下、当社は中期経営計画の基本方針に沿って、引き続き生産ソリューション提供の拡大による事業構造の変革、新技術の開発、製造合理化等による一層の業績改善に注力してまいりました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当事業年度末における流動資産は8,558,550千円となり、前事業年度末に比べて1,099,237千円増加いたしました。
これは主に売掛金が164,695千円減少した一方で、現金及び預金が1,014,271千円、仕掛品が276,740千円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は10,063,081千円となり、前事業年度末に比べて2,117,882千円増加いたしました。これは主に設備の購入等で建設仮勘定が1,336,617千円、繰延税金資産が815,105千円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、総資産は18,621,632千円となり、前事業年度末に比べて3,217,120千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は2,968,796千円となり、前事業年度末に比べて240,600千円増加いたしました。
これは主に短期借入金が500,000千円減少した一方で、1年内返済予定の長期借入金が218,367千円、未払法人税等が604,184千円それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は2,565,986千円となり、前事業年度末に比べて1,634,731千円増加いたしました。これは主に資金調達により長期借入金が714,989千円、長期前受収益が913,863千円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、5,534,782千円となり、前事業年度末に比べて1,875,332千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は13,086,849千円となり、前事業年度末に比べて1,341,787千円増加いたしました。
これは主に当期純利益の計上等により利益剰余金が1,238,456千円増加したことによるものであります。
b.経営成績
(売上高)
売上高は、9,154,577千円(前年同期比6.1%増)となりました。
機能材料事業部門は、量産ステージにてエレクトロニクス関連材料の一部で川下企業の在庫調整の影響を受け需要が軟調となりましたが、医薬関連材料はそれら軟調な需要を上回る状況で好調に推移しました。また、研究・開発ステージ製品の販売についても堅調に推移した結果、機能材料事業部門の売上高は2,714,728千円(前年同期比4.1%減)となりました。
医薬事業部門は、量産ステージは開発ステージからのステージアップ製品や大型案件の影響により好調に推移しました。開発ステージでは一部開発ステージ製品が端境期となったため、軟調に推移しました。研究ステージについてもFTEなどを中心に堅調に推移した結果、医薬事業部門の売上高は4,609,941千円(前年同期比8.2%増)となりました。
バイオ事業部門は、量産ステージにて需要の更なる取込みに成功したことで好調に推移しました。研究・開発ステージについては堅調に推移した結果、バイオ事業部門の売上高は1,829,907千円(前年同期比19.1%増)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は3,295,671千円(同0.2%減)となりました。売上総利益率は機能材料事業の製品構成差異の影響により、前事業年度の38.3%から当事業年度の36.0%に低下しております。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、1,214,286千円(同6.5%増)となりました。役員数の増加に伴う報酬額の増加や、課税所得増加に伴い租税公課が一時的に増加、新入社員獲得に向けた広告・採用費が増加したことによる影響が主な増加の要因であります。その結果、営業利益は2,081,385千円(同3.8%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、助成金収入等により、23,316千円(同48.6%減)となりました。
営業外費用は、支払利息の計上等により、9,870千円(同0.9%減)となりました。
その結果、経常利益は2,094,830千円(同4.7%減)となりました。
(特別損益、税引前当期純利益)
特別利益は、固定資産売却益の計上により1,149千円となりました。
特別損失は、固定資産除却損の計上により2,801千円となりました。
その結果、税引前当期純利益は2,093,179千円(同3.6%減)となりました。
(当期純利益)
法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額を加えた税金費用は600,155千円(同4.7%減)となり、その結果、当期純利益は1,493,023千円(同3.2%減)となりました。
当社は、単一セグメントであるため、セグメントごとの経営成績は記載しておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,311,547千円となり、前事業年度末に比べて1,014,271千円の増加となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果、得られた資金は3,204,538千円(前年同期は1,993,942千円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益2,093,179千円、減価償却費922,360千円の資金増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果、2,369,133千円の支出(前年同期は1,146,863千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2,352,367千円の資金減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果、178,866千円の収入(前年同期は523,391千円の支出)となりました。これは主に短期借入金の純減額500,000千円、長期借入金の返済による支出516,644千円の資金減少要因があった一方で、長期借入れによる収入1,450,000千円の資金増加要因があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社は、単一セグメントであるため、セグメント情報に代えて事業部門別で開示しております。
a.生産実績
当事業年度の生産実績は、次のとおりであります。
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事業部門の名称 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
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生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
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機能材料事業部門 |
1,804,124 |
102.2 |
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医薬事業部門 |
2,742,005 |
105.7 |
|
バイオ事業部門 |
1,231,278 |
118.1 |
|
合計 |
5,777,408 |
106.9 |
b.受注実績
当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。
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事業部門の名称 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
|||
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受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
機能材料事業部門 |
2,752,252 |
92.5 |
770,144 |
105.1 |
|
医薬事業部門 |
2,398,310 |
36.2 |
3,904,079 |
63.8 |
|
バイオ事業部門 |
1,755,051 |
118.1 |
474,761 |
86.4 |
|
合計 |
6,905,614 |
62.3 |
5,148,985 |
69.6 |
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
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事業部門の名称 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
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|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
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機能材料事業部門 |
2,714,728 |
95.9 |
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医薬事業部門 |
4,609,941 |
108.2 |
|
バイオ事業部門 |
1,829,907 |
119.1 |
|
合計 |
9,154,577 |
106.1 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
住友化学株式会社 |
1,056,787 |
12.2 |
- |
- |
|
東レ株式会社 |
967,879 |
11.2 |
958,190 |
10.5 |
2.当事業年度の住友化学株式会社への販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績等につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社の経営成績は、有機化学品の研究・開発・生産ソリューション事業における顧客の開発品の開発計画や生産計画に大きく依存します。また、提供するソリューションの内容は顧客の要望により変化します。当社は顧客の要望に応えるための技術開発、設備導入を行い競争力の向上に努めていますが、顧客の計画進捗状況、技術開発状況によって経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
その他の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
当社は、売上高及び経常利益を重要な経営指標として位置付けております。
当事業年度における売上高は9,154,577千円となり、2023年5月12日に開示しております売上高目標8,960,000千円に比べ、194,577千円(2.2%増)の増収となりました。これは機能材料事業部の医薬医療関連材料や半導体関連材料の他、バイオ事業部門における旺盛な外部委託需要の取り込みに成功したためであります。経常利益は2,094,830千円となり、経常利益目標1,700,000千円に比べ、394,830千円(23.2%増)の増益となりました。増益の要因は増収要因に加え原材料、エネルギー価格の高騰が想定を下回ったためです。引き続き、本指標の改善に邁進してまいります。
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指標 |
2024年3月期 (計画) |
2024年3月期 (実績) |
2024年3月期 (計画比) |
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売上高(千円) |
8,960,000 |
9,154,577 |
194,577千円 (2.2%増) |
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経常利益(千円) |
1,700,000 |
2,094,830 |
394,830千円 (23.2%増) |
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売上高経常利益率 |
19.0% |
22.9% |
3.9ポイント増 |
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用及び労務費のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、製造設備投資等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
なお、当期末の有利子負債残高は、1,970,066千円となりました。
運転資金及び設備投資資金については、原則として自己資金で賄うこととしております。今後も所要資金は「営業活動によるキャッシュ・フロー」を源泉に自己資金調達を原則とする方針であります。多額の設備投資資金が必要となった場合は、必要資金の性格に応じて金融機関からの借入、資本市場からの直接調達も検討する方針であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(受注損失引当金)
当社は、受注契約等に基づく製造案件のうち、当事業年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能なものについて、翌事業年度以降に発生が見込まれる損失額に対して、受注損失引当金を計上しております。
製造案件の総原価の見積りに当たっては、契約内容を基に、工数、原材料等必要経費を算出し、見積総原価額を決定しておりますが、想定以上の工数を要する等の事象が発生した場合に、総原価の金額に影響を与える可能性があります。このため、すべての製造案件について進捗状況の確認を行い、再度見積りを実施することとしております。
該当事項はありません。
当社の研究開発活動については、各事業部門により進められており、主に研究開発活動に従事する従業員数は13名であります。
当事業年度の研究開発費は、
当社は、各事業部門において機能性材料、医薬原薬及び中間体の製造方法及び遺伝子組換え等のバイオテクノロジーの研究開発を進めております。
機能性材料については、顧客等との共同研究により新規機能性材料等の製造開発等を行っております。医薬原薬及び中間体の製造方法については、低分子医薬品の製造方法開発及び中分子(核酸・ペプチド医薬)の製造方法開発を行っております。
遺伝子組換え等のバイオテクノロジーについては、遺伝子組換え微生物等による化学物質の合成研究を行っております。