第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社の中長期的な成長にあたり関連する経営課題は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(経営方針)

 当社は、時代の最先端にある、未知なる領域を開発することに挑戦し、世界を驚かすような未知なる新規事業の創出に挑戦しております。

 当社は、『「最高の集団を自らつくる」時代をつくる』というパーパスのもと、「感情報酬を社会基盤に」というミッションを掲げ、人事クラウドソフトウェアUniposを提供しています。Uniposは、組織内で良い行動を表出化・増幅させることで、風土変革の基盤をつくることができるサービスです。

 従業員同士が「感謝の言葉」と「ピアボーナス」をWeb上で送り合えるサービスであるUniposは、互いの貢献を、従業員同士の言葉により組織全体に見える化することで、モチベーション向上や信頼関係の醸成、異なるチーム間の連携に繋がるなど、組織の生産性を落とす様々な組織課題を解決へと導くサービスであります。また、Uniposによって組織内で称賛が習慣化することにより、組織内の相互理解が深まり関係性の質が改善し、心理的安全性の高いチームづくりや異なる部署との連携が促され、組織風土の改革をもたらします。

 当社は、組織の風土改革に必要な心理的安全性を高めることができるサービスとして上場企業をはじめとする従業員の数が多い企業の人的資本投資に対する予算配分の高まりを見込み、従業員数500人以上の大企業をターゲットに経営資源を集中的に投下します。エンタープライズ企業向けにクラウドソフトウェアの最適化・コンサルティングサービスの拡張を行う事で、顧客満足度の向上を実現してまいります。

 

 

(経営環境)

 Unipos事業

 Unipos事業においては、2024年3月期を通じ、効果的・効率的なマーケティング投資の取捨選択により成長投資の費用の削減など、当社の財務健全化施策を実施しつつ、リードの獲得及び商談の受注に努めてまいりました。当事業年度の売上高は前年比で126百万円増と成長を継続しております。中でも、ストック売上高(継続課金対象となる月額料金)の年間平均売上高比率は90%を超えており、安定的な収益を実現できております。新規で利用を開始した顧客による売上増加分に加え、既に利用開始済みながら一部のご利用に留まっていた顧客内でも利用拡大が進んだこと、第3四半期よりUniposシステム利用料金の価格改定を行ったこと、エンタープライズ企業向けの人的資本経営コンサルティング等のその他売上をクロスセルにより獲得できたこと などにより、売上高を順調に積み上げることができていることが理由であります。今後もUnipos事業の陣容を強化し、さらなる成長につなげていきます。

 

(中期目標)

 上記のような環境において、2025年3月期第4四半期での黒字化、また早期の通期黒字化を目指します。

 ストック売上高成長を加速させるべく引き続き投資効果の高いマーケティング施策を実施し、加えて人的資本強化のための経営コンサルティング需要の高まりとともにさらに支援サービスを拡張し、売上高全体をクロスセルで積み上げていきます。かつ人件費も含めた固定費の逓減によってコスト構造の改善も進めていきます。

当社は以下の中期的方針に沿って取り組んでまいります。

 Unipos事業

・風土改革プラットフォームとしての地位を確立する

・HRテック市場成長率を上回る売上成長率を目指す

・コスト構造を改善し、早期の黒字化を目指す

 

(経営戦略)

 Unipos事業

 Uniposが対象として含まれるHR Techクラウド市場は今後ともますますの拡大が見込まれます。Uniposはこの中でも特にユニークなサービスであり伸びが大きく期待されており、メーカーや金融業など多様な業種への導入も進み、結果としてUniposの事業の成長に大きく貢献しました。

 また、日本政府が掲げる「新しい資本主義」のグランドデザインの中に人的資本への投資が明記され、その具体実行内容の一つに、上場企業において人的資本等の非財務情報の開示が2023年から義務化されることとなりました。このような社会的要請を受け、当社が掲げている組織の風土改革に関する投資が顧客から注目を浴び始めております。当社は、組織の風土改革に必要な心理的安全性を高めることができるサービスとして、上場企業をはじめとする従業員の数が多い企業の人的資本投資に対する予算配分の高まりを見込み、従業員数500人以上の大企業をターゲットに経営資源を集中的に投下してまいりました。2025年度3月期においても引き続き人的資本に対する投資がより一層活況になると予測しており、ストック売上に占める大企業のシェア拡大を目指します。

 

(優先的に対処すべき課題)

 Unipos事業への専業化によりSaaS企業への転換・構造改革が完了し、パーパス・ミッション、中期目標の実現に向け当社が認識する対処すべき課題について、以下のように考えております。

① Unipos事業の成長と生産性改善の両立

 大企業をターゲットに据え、マーケティングコストの最適化と営業生産性を高めることで、顧客課題を解決する価値を高めます。同時に全社員導入を前提とした新規顧客獲得、既存顧客拡大を行う事で1契約あたりの売上高の向上を目指します。本方針を実現するために、大企業での風土変革や組織マネジメントで活用できる機能の拡充を行います。 またソフトウェア以外のサービスの拡充を図ることにより、大企業の開拓と利用定着を実現し、解約率の低減を実現します。その結果、コストマネジメントを行いながら生産性を向上し事業成長と生産性改善の両立を実現します。

② 財務基盤の強化

 事業成長に対して必要な投資を行う一方、全社的にコストマネジメントを行います。採用抑制・マーケティング費用を削減し、各調達手段を検討しながら財務基盤を強化します。

③ 人的資本への投資

 現時点で持つ人的資本への投資を行い生産性を向上させます。具体的には外部講師による研修や、スキル教育、ChatGPT等AIを活用した各種業務改革を行います。また、人的資本に関する現状につき、開示を積極的に行います。これにより、パーパス・ミッションに共感した優秀な人材の人的資本を強化し、組織能力を向上させます。

④ 経営基盤の強化

 事業成長と生産性を両立するためには、権限と責任を明確化した経営が重要であると認識しております。最適な組織体制により、経営の効率化・迅速化を図ってまいります。また、内部統制の整備・向上が必要不可欠と考えております。コーポレートガバナンスにも積極的に取り組むことで、強固な経営基盤の構築を進めます。

⑤ 技術力の強化と情報セキュリティ体制の継続的な強化

 当社はSaaS事業者として、技術開発力が競争力の源泉であるととらえています。先端技術の把握や顧客価値に繋げるため、技術力を磨いてまいります。同時に、顧客内のコミュニケーションのデータを取り扱う事業者として、現在においてもセキュリティポリシーを策定し、運用を行っておりますが、事業成長・環境変化に合わせ継続的に運用の見直しを行います。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社は、2023年4月より『「最高の集団を自らつくる」時代をつくる』というパーパスを掲げ、「感情報酬を社会基盤に」というミッションの実現を目指しております。当社は、「会社が成長し個人は隷属している」社会から「個人が活躍し会社はその器である」社会への脱却、変革が成され、個人が最高の集団を自由闊達に創り上げることができる時代を作ることが我々の存在意義と定義しております。

 

(1)ガバナンス

 当社は、人的資本経営の計画を策定し、2023年4月より人的資本戦略の推進のため、People&Culture部を発足いたしました。People&Culture部は単なる人事戦略、人材管理にとどまらず、事業計画必達のため人的資本戦略を基本方針に活動し、中長期的な従業員の成長と組織風土づくりに対し責任を持ち、人的資本経営に対するガバナンスの中核を担います。

 

(2)戦略

 人的資本経営戦略としては、アウトカムとして顧客への価値提供の拡大、事業の年間売上目標の達成、帰属意識の向上などを設定し、個々の付加価値創造活動を組織的人的資本に昇華させることをテーマとし、企業価値の最大化を実現します。

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 人材育成の方針については、大きな方針として、個人及び集団として課題を設定し、それぞれに対するインプットアクションを通じて組織的人的資本の創出を実現します。

 個人の課題については、個々の生産性や付加価値を高めるための個力強化を課題とし、自走型学習支援の推進と拡大や全社参加型の課題解決プロジェクトを通じて、組織的人的資本の創出へ繋げていきます。

 集団の課題については、個々の力を集団の力に繋げるための仕組みづくりや、現事業の推進や新規事業開発を担える人材の育成を課題とし、個々の付加価値創造活動の機会創出と活動支援や個々の活動を組織的人的資本に昇華させる仕組みづくりを通じて、組織的人的資本の創出へ繋げていきます。

 

 

(3)リスク管理

 当社は、2024年3月期において、Unipos事業へのコミットメントを従業員に求め、バリューやパーパスを策定致する中、退職率の急増に対するリスク管理として、当社と従業員のパーパスの融合やその他エンゲージメント施策を実施し、eNPS(職場に対する推奨度)などの指標の測定などを通じて従業員の状態を把握し、従業員の労働意欲の減退や退職リスク等に備え、従業員が長期的なキャリアを想起しやすい環境づくりに取り組んでおりました。

 しかし、当社が目指していることは誰しもに推奨できる集団ではなく、「個々の自分らしさを発揮すること」×「帰属意識が高い」を両立した状態であると考え、2025年3月期においては当社の独自指標としてインクルージョンスコアを設定し、高める方針と致します。

 インクルージョンスコアを高めることで、従業員自身や組織、プロダクトそれぞれに効力感が高まる状態を目指し、退職に対するリスク管理とすることとしました。

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(4)指標及び目標

 人的資本経営戦略においては、今期のテーマ及び指標として以下を定義しております。

 テーマ①「個々の自分らしさを発揮する」×「帰属意識が高い」

 テーマ②「個々の付加価値創造活動を組織的人的資本に昇華させる

 指標としては、次の5つの目標を掲げます。

 ①「インクルージョンスコア」60%以上

 ②「挑戦指標」50%以上 ※「挑戦指標」とは、Unipos投稿で挑戦を表現する特定ハッシュタグのある投稿をもらった従業員の割合を指す

 ③「越境指標」60%以上 ※「越境指標」とは、Unipos投稿で所属本部以外の従業員から投稿をもらった従業員の割合を指す。

 ④プロジェクトによる経営課題解決数16件以上

 ⑤学習支援制度の利用率60%以上

 

3【事業等のリスク】

 

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しております。

 

(1)他社との競合について

 当事業年度末現在において、Uniposには強力な競合サービスは現れていないと認識しております。競合の参入があっても競争力を保てるよう、これまで当社は積極的なマーケティング投資を通じ顧客獲得に努めるほか、大企業向け機能等を先行して機能開発を行ってまいりました。今後も、大企業をターゲットに据え、マーケティング投資の最適化と営業生産性を高めることで1契約あたりの売上高を増加させ、さらなる機能開発やソフトウェア以外のサービス拡充を図ることにより、大企業の開拓及び利用定着を実現し、Uniposのブランドを確立しつつ競争力を維持してまいります。

 しかしながら、Uniposが対象とする働き方改革関連市場の成長や人的資本経営の注目とともに、事業機会に着目した競合サービスが現れる可能性があります。資金力や知名度等を活かして競合が当該市場に参入してきた場合には、当社の事業の状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)感染症の拡大について

 当社は、新型コロナウイルス感染症等の感染症の発生及び流行によりUniposの受注や利用開始時期が遅れる等により、Unipos事業の状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)プライバシー保護について

 当社は、個人情報及び利用者のプライバシーを尊重し、「個人情報の保護に関する法律」、「EU(欧州連合)一般データ保護規則(GDPR)」等の法令を遵守しております。

 しかしながら、プライバシー保護に関する各種規制が変更され、当社としての対応が遅れた場合、当社に対する信頼性が低下する可能性があり、事業の状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)特定人物への依存について

 当社の代表取締役である田中弦は、経営戦略の構築等に際して重要な役割を担っております。当社は、特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の当社における業務執行が困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)情報セキュリティについて

 当社が運営するサービスには、氏名、住所、性別、生年月日、メールアドレス等の利用者個人を特定できる情報を取得しているため、「個人情報の保護に関する法律」における個人情報取扱事業者として同法の適用を受けております。個人情報の管理については、社内でのアクセス権限の設定、アクセスログの保存、外部データセンターでの情報管理、個人情報管理に関する規程の整備を行っております。また、従業者に対し個人情報保護についての教育等を通じて関連ルールの存在を周知徹底し、意識の向上を図ることで関連ルールの遵守に努めております。さらに、Unipos株式会社として、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格である「ISO27001(ISMS)」の認証を取得するなど、情報セキュリティの確保に積極的に取り組んでおります。

 しかしながら、外部からの不正アクセス、社内管理体制の瑕疵、その他想定外の事態の発生により個人情報が社外に流出した場合、損害賠償請求を受ける可能性や当社の社会的信用を失うこと等が想定され、当社の事業の状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)システムの安定性について

 当社が運営するサービスの中には、24時間稼働、年中無休での運用が求められているものがあるため、システムの安定的な稼動が当社の業務遂行上必要不可欠な事項となっております。そのため、当社では継続的な設備投資を実施するだけではなく、使用しているサーバー設備やネットワークの監視や、定期的なデータのバックアップ等、システム障害の発生防止に努めております。

 しかしながら、アクセスの急増、コンピューターウィルス、自然災害等、当社の想定していない事象の発生によるサービスの停止により収益機会の喪失を招く恐れがあります。このような事態が発生した場合には当社が社会的信用を失うこと等が想定され、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)災害等の発生について

 当社は、地震、火災等の自然災害やテロ事件等が発生した場合に備え、事業活動に必要なサーバーについては定期的なバックアップ、稼働状況の監視等により当社のサービスの一時停止の事前防止又は回避に努めております。しかしながら、これら自然災害やテロ事件等により、電力その他のエネルギーの使用が制限された場合には、当社が提供するサービスが一時停止となり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

(ⅰ)経営成績

 当社は、『「最高の集団を自らつくる」時代をつくる』というパーパスのもと、「感情報酬を社会基盤に」というミッションを掲げ、人事クラウドソフトウェアUniposを提供しています。Uniposは、組織内で良い行動を表出化・増幅させることで、風土変革の基盤をつくることができるサービスです。

 

 事業環境としましては、日本政府が掲げる「新しい資本主義」のグランドデザインの中に人的資本への投資が明記され、その具体実行内容の一つに、上場企業において人的資本等の非財務情報の開示が2023年から義務化されることとなりました。このような社会的要請を受け、当社が掲げている組織の風土改革に関する投資が顧客から注目を浴び始めております。当社は、組織の風土改革に必要な心理的安全性を高めることができるサービスとして、上場企業をはじめとする従業員の数が多い企業の人的資本投資に対する予算配分の高まりを見込み、従業員数500人以上の大企業をターゲットに経営資源を集中的に投下してまいりました。

 

 Unipos事業において、当事業年度の売上高は前年比で126百万円増と成長を継続しております。中でも、ストック売上高(継続課金対象となる月額料金)の年間平均売上高比率は90%を超えており、安定的な収益を実現できております。新規で利用を開始した顧客による売上増加分に加え、既に利用開始済みながら一部のご利用に留まっていた顧客内でも利用拡大が進んだこと、第3四半期よりUniposシステム利用料金の価格改定を行ったこと、エンタープライズ企業向けの人的資本経営コンサルティング等のその他売上をクロスセルにより獲得できたこと などにより、売上高を順調に積み上げることができていることが理由であります。

 

 コスト面においては前期、前々期より進めております固定費を含めた各種コストの削減効果が継続的に出ており、オフィスの移転・縮小により家賃関連費用の定常的かつ大幅な抑制、事業規模を踏まえた組織体制の見直しを行ってまいりました。当事業年度における人件費関連の費用の削減、効果的・効率的なマーケティング施策の 取捨選択により成長投資の費用の削減など、当社の財務健全化に向けた各種コスト削減施策を実施してまいりました。その施策により人件費関連の費用が前年同期比で約180百万円減、マーケティングコストが前年同期比で約 143百万円減と大きく削減することができました。

 

 ストック売上高が約90%という安定的な収益構造をベースに、高い成長をさらに加速させるべく引き続き投資効果の高いマーケティング施策の実施と人件費も含めた固定費の逓減によって、業績向上に伴い、コスト構造もより改善に向かうと見込んでおり、早期の決算黒字化へ繋がっていくものと考えております。

 

 その結果、当事業年度の売上高は930百万円(前期比15.7%増)、営業損失は510百万円(前期は営業損失983百万円)、経常損失は502百万円(前期は経常損失976百万円)、当期純損失は502百万円(前期は当期純損失913百万円)となりました。

 

 なお、当社はUnipos事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

(ⅱ)財政状態

(資産)

 当事業年度末における総資産は431百万円減少し、1,403百万円となりました。

 流動資産は243百万円減少し、1,306百万円となりました。これは主として現金及び預金が204百万円減少したこと等によるものであります。

 固定資産は188百万円減少し、97百万円となりました。これは主として敷金及び保証金が186百万円減少したこと等によるものであります。

(負債)

 当事業年度末における負債は65百万円増加し、900百万円となりました。

 流動負債は150百万円増加し、356百万円となりました。これは主として前受金が101百万円増加したこと等によるものであります。

 固定負債は84百万円減少し、544百万円となりました。これは長期借入金が84百万円減少したことによるものであります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産は496百万円減少し、502百万円となりました。

 これは主として利益剰余金が502百万円減少したこと等によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,116百万円となり、前事業年度末に比べ204百万円減少いたしました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、302百万円の支出となりました。

 これは主に、売上債権の増減額116百万円があったものの、税引前当期純損失の計上が502百万円あったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、177百万円の収入となりました。

 これは主に、敷金及び保証金の回収による収入176百万円があったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、79百万円の支出となりました。

 これは主に、長期借入金の返済による支出80百万円があったこと等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(ⅰ)生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(ⅱ)受注実績

当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(ⅲ)販売実績

当事業年度における販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。

 

サービスの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

広告事業

0.0%

Unipos事業

930,292

117.0%

合計

930,292

115.7%

(注)当社はUnipos事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは減損会計における将来キャッシュ・フローであります。なお、当事業年度の減損会計における将来キャッシュ・フローに用いた会計上の見積り及び仮定は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1) 注記事項 (損益計算書関係)※2減損損失」に記載のとおりであります。

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(ⅰ)経営成績

 Unipos事業の進捗を表す指標として、当社は「売上高」、「ストック売上高比率」、「YoY成長率」を重視しています。

 Unipos事業では、当事業年度において、売上高は前年同期比36百万円増を達成し、高い成長性を保ち続けております。売り上げに占めるストック売上高比率は87.3%となっており、売上の大部分をストック売上が占めております。ストック売上高は過去最高であり、ストック売上高比率の低下はエンタープライズ企業向けの人的資本経営コンサルティング等のその他売上が顕在化したことによるものであり、売上高全体はクロスセルにより伸長しております。

 

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 費用面においては、継続したコストダウンに取り組んでおりUnipos事業へのメリハリのある成長投資により成長投資額を抑制した結果、販売費及び一般管理費は1,176百万円(前期は1,477百万円)となりました。

 この結果、営業損失は510百万円(前期は営業損失983百万円)となりました。また、当期純損失は502百万円(前期は当期純損失913百万円)となりました。

 

(ⅱ)経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因として、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した経営環境、また、「事業等のリスク」に記載したリスクが挙げられます。

 経営環境につきましては、Unipos事業については働き方改革関連市場の広がりが主要な要因となります。また、費用面においてはUniposのマーケティング投資の費用対効果が主要な要因となります。これらの要因の詳細につきましては「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 その他の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(ⅲ)資本の財源及び資金の流動性

 当社は、事業環境の変化に耐えうる流動性を確保しつつ、事業の成長に向けた投資を行うために必要な資金を確保することを財務活動の目標ととらえております。

 流動性の確保にあたっては、事業への成長投資を行うべく、金融機関からの借入れにより流動性を高めるよう努めております。

 当社における資金需要としましては、Unipos事業においては顧客獲得に向けたマーケティング投資が中心であります。そのため当社では、金融機関からの借入による資金調達を図っております。

 

(ⅳ)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 「経営成績」で述べたとおり、Unipos事業の目標達成を判断するための重要指標は、当社においては「売上高」、「ストック売上高比率」、「YoY成長率」であります。

 

 「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した経営方針のもと、当社は以下の中期的方針に沿って取り組んでまいります。

 Unipos事業

 ・風土改革プラットフォームとしての地位を確立する

 ・HRテック市場成長率を上回る売上成長率を目指す

 ・コスト構造を改善し、早期の黒字化を目指す

5【経営上の重要な契約等】

(重要な契約の締結)

相手先の名称

所在地

契約の名称

契約締結日

契約内容

契約期間

Sansan株式会社

東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル 13F

資本業務提携契約書

2021年5月19日

Unipos事業連携、広告事業連携、Sansan株式会社が有するSaaS企業としての営業、マーケティング等のノウハウ提供

2021年5月19日から

Sansan株式会社

東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル 13F

施設使用契約書

2021年10月31日

東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル 7Fの施設の提供

2021年11月1日から2024年12月31日

Sansan株式会社

東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル 13F

解約合意書

2024年5月10日

東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル 7Fの施設の解約

2024年12月31日まで

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。