第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、

1.社会における「信頼」を創造する。

2.社内における「相互信頼」を大切にする。

3.自分自身で考え行動できる「自立人」をめざす。

4.「挑戦する姿勢」を尊重する。

の経営理念のもと、高品質で信頼できる製品づくりと環境保全への積極的な取組みを通じて、株主・投資家、顧客、取引先、従業員、地域社会等の信頼と期待に応えるとともに、法令その他の社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を行い、社会の発展に貢献することを経営の基本方針としております。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、継続的な利益計上と安定的な配当を可能とする企業体質の構築が重要であると考えております。株主価値の拡大を図るという観点から、売上高経常利益率、総資産経常利益率及び自己資本比率を重要な経営指標と位置づけ、ともに継続的な改善を図ることにより、企業価値の向上を目指します。

 

(3)経営環境

 素形材を主力とする当社グループの経営環境は、国内市場に大きく依存しており需要動向は民間設備投資や公共関連事業の趨勢に大きく左右されます。国内鋳物事業市場の成熟化が進むなか、競合の激化、事業環境の急激な変化など、依然として不透明な状況が続くものと予想されます。

 また、日本経済の先行きにつきましては、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたものの、ウクライナや中東情勢の悪化による原材料や原油価格の高騰、中国の景気減速など、依然として不透明な状況です。

 

(4)経営戦略等と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループの基盤事業である鋳物関連事業においては、成熟市場の中にありますが、グループの経営活動の安定に向け、一層の原価低減、販売力強化及び生産性の向上に取り組んでおります。一方、会社の発展に向けては、新たな事業・製品の開発、育成が不可欠であり、全社を挙げて新たな分野、製品への取組みに注力しております。

このような状況を踏まえ、当社グループは、主力となる鋳物関連事業においては、2024年1月9日付で株式会社小口合金鋳造所の全株式を取得し、同社を子会社化いたしました。同社は、アルミニウム合金を素材とする鋳造品製造会社であり、同社との連携による相乗効果を通じて、当社グループの営業基盤の強化と拡大を実現してまいります。

当社グループの売上構成は、当連結会計年度において、「Casting Field」 81%、「Environment Field・環境エンジニアリング」 17%、「Environment Field・機能材料」 2%、その他の事業 0%となっております。

また、“安定的な事業基盤の構築”と“成長戦略の実現~虹技C&Eグループによる事業展開”という経営目標を具現化するため、『C&Eへのこだわり』をキーワードとした「第7次3カ年計画」を2022年度よりスタートし、以下のような取組みを推進しております。

第7次3カ年計画

基本方針  C&Eへのこだわり

“こだわる”とは『細かな点まで気を使い価値を追求すること』

1. 重点課題

  ①脱炭素社会に向けて

   生産活動においてCO2削減に取り組むとともに、新しいビジネスチャンスを創出する。

  ②DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

   デジタル技術を浸透させることで業務をより良いものへ変革する。

  ③人材育成

   将来に向けての安定的な基盤の構築と成長戦略の礎として技術継承を中心に人材育成に取り組む。

2. 経営目標

  ①安定的な事業基盤の構築

   既存事業での利益の増大をはかり安定的な事業基盤の構築を行う。

  ②成長戦略の実現 ~虹技C&Eグループによる事業展開~

   将来への虹技の持続的発展に向け成長戦略の実現をはかる。

 

なお、脱炭素社会に向けての活動として、政府が宣言した2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、2030年度のCO排出量を2013年度比で46%削減することを中期目標として、ロードマップを策定し取り組んでおります。

このような取組みを推進し、「鋳物と環境の虹技」を定着させ、この不透明な事業環境下において、当社グループの存在感を発揮してまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 取締役会は、事業戦略の策定に際して、気候変動に関する問題を重要な要素の一つとして判断し、第7次3ヵ年計画(2022年4月~2025年3月)の基本方針の一つとして落とし込み、取締役会で承認を受けています。当該3ヵ年計画の重要課題は、ISO9001ならびに14001の活動に落とし込まれ、その計画や目標に沿って各部門で施策を実行し、進捗状況がISOリーダー会議で報告、議論され、代表取締役社長は、年2回開催されるISO経営層会議におけるマネジメントレビューを通じて品質・環境統合マネジメントシステムの有効性を評価し、改善指示を行っています。加えて大気・水質・騒音振動・廃棄物等の環境関連法規を遵守するとともに、関係官庁に届出・報告を適切に行い、地域との協議等も必要に応じて随時行うことで関係者と良好な関係を築いております。

 

(2)戦略

 環境や社会問題が深刻化し、国内外でSDGsの達成に向けた機運も高まる中、当社グループの企業倫理において、「社会に有用な商品の提供」、「社員のゆとりと豊かさの実現」、「個性と能力を活かせる職場の形成」、「環境問題への取り組み」等を行動基準に定めています。

 環境面での戦略では、2021年4月から環境関連事業を事業のもう一つの柱とすべく送風機や省エネ・ノンフロン機器などを扱う機械事業と都市ごみ焼却プラントを建設する環境装置事業を統合し、高効率なごみ処理プラントや工場の環境負荷低減に資する機械の開発・製造に取り組み、事業の拡大を図っております。

 また、主力の鋳物事業では、生産工程で排出されるCO2の削減や循環素材であるスクラップ比率を高める努力を行っております。

 なお、脱炭素社会に向けての活動として、政府が宣言した2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、2030年度のCO排出量を2013年度比で46%削減することを中期目標として、ロードマップを策定し取り組んでおります。

 また、当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、企業の中長期的な成長及び企業価値向上には人材の多様化と育成が欠かせないとの認識のもと、中核人材として活躍を期待する総合職の女性や外国人の採用強化、中途採用者の管理職掌への登用を従来から進めてまいりました。特定分野強化を目的に従来から中途採用を実施し、併せて入社後の本人の能力伸長度合いや適性を見極めたうえで管理職掌への登用を行ってきた経緯があり、すでに一定数の人材が活躍をしております。一方で、女性及び外国人については、未だ従業員に占める割合も小さく、従って管理職掌への登用も十分には進んでおりません。

 今後も入社形態や性別、さらには外国人であるか否かに関係のない多様な採用チャネルを維持すると同時に、人材の適正配置、経営方針に則った人材育成、働きやすい職場環境の整備に努め、"能力と適正"本位の登用によって中核人材の多様性確保に努めてまいります。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、気候変動に伴うリスクとして炭素税等のカーボンプライシングの規制強化とそれに伴うコストへの影響、原材料価格・エネルギー価格の高騰、市場の変化や新技術開発の遅れなどによる売上高の減少などの移行リスクや自然災害や異常気象の増加に対する洪水や水不足により発生する操業やサプライチェーンへの影響が考えられます。これらの事業リスクへの対応としては、取締役及び内部監査室出席による全事業部の予算実績状況及び事業環境等のモニタリングを定期的に実施し、リスクを未然に防止する体制をとっております。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、「女性活躍推進法」及び「次世代育成支援対策推進法」に則して策定している行動計画を目標に推進しておりますが、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、その行動計画に関する目標(2021年度~2025年度)及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

指標

目標(2021年度~2025年度

2022年度実績

2023年度実績

女性総合職員数

6

3名

4

男性育児休業取得者数

3名以上

0名

0

年間所定労働時間縮減

1912時間

1912時間

1912時間

①就職説明会等において当社の女性活躍についての情報発信を積極的に展開しており、当連結会計年度で内定者1名(2024年4月入社)の実績をあげることができました。

②育児休業取得がほぼ定着している女性社員に比べ男性社員の取得者がいなかったことから、男性社員の取得に向けた啓発を推進しております。

③所定労働時間の更なる縮減に向け、労使で協議をしております。

3【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境

素形材を主力とする当社グループは、国内市場に大きく依存しており需要動向は民間設備投資や公共関連事業の趨勢に大きく左右されます。また、鋳物関連事業は市場の成熟化が今後も進むことが予想され、高付加価値製品の開発、新規市場の開拓、営業力の強化等に努めていますが、景気変動による民間設備投資、公共投資の動向や重要顧客先の生産活動が大きな影響を受けた場合、経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、従来の鋳物関連事業に加えて、環境関連事業をもう一つの柱とすべく送風機等を扱う機械事業部と都市ごみ焼却施設の建設を担う環境装置事業部を統合して、環境エンジニアリング事業部とし、シナジー効果と売上の拡大に努めております。

主力となる鋳物関連事業においては、国内鋳物事業市場の成熟化に対処するため、鋳物4事業部のうち、主要なお客様が重複し、製品のスケールが類似する大型鋳物事業部と鉄鋼事業部を統合し素形材事業部とし、営業力とモノづくり力の更なる強化を図り、幅広いご要望に対応可能な体制を構築し、売上の拡大に努めております。

また、2024年1月9日付で株式会社小口合金鋳造所の全株式を取得し、同社を子会社化いたしました。同社は、アルミニウム合金を素材とする鋳造品製造会社であり、同社との連携による相乗効果を通じて、当社グループの営業基盤の強化と拡大を実現してまいります。

 

(2)原材料の市況変動

当社グループの主要事業である鋳物関連事業は、主要原材料である銑鉄、スクラップ及びニッケル等の合金鉄の購入価格が、国内及び国際的な資源需給の動向等の影響を受けます。市況が大幅に高騰した場合、原材料費の上昇を抑えきれず、また上昇分の製品販売価格への転嫁や是正の実現には顧客との交渉に長期の時間を要し、利益率の低下をともない経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、安定的な原材料の調達のため、情報収集に努めながら調達価格、時期等について的確な判断を行うとともに、適切な在庫量の維持、確保に努めております。

 

(3)電気料金の価格動向に伴うリスク

 当社グループの主要事業である鋳物関連事業は、大量の電力を使用しており、その電力料金については、再生可能エネルギーの導入拡大等に伴う国内電力供給環境の変化によっては、経営成績に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、省資源・省エネルギーを追求した鋳物製品の生産に努め、当該リスクの最小化に取り組んでおります。

 

(4)海外事業

当社グループの海外子会社「天津虹岡鋳鋼有限公司」及び「南通虹岡鋳鋼有限公司」は、中国において自動車用プレス金型鋳物の生産、販売を行っておりますが、現地の政治または法環境の変化、米中貿易摩擦の影響による経済状況の急激な変動、その他の要因による社会的混乱など、予期しない事象が発生した場合、事業の遂行に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、当社の取締役が海外子会社の総経理に就任するとともに、当該海外子会社の経営上の重要事項やリスク等について取締役会で適宜報告を求め、必要な助言を行っております。さらには、当社、海外事業部により、海外子会社に対する経営管理機能及び支援機能の強化に努めております。

 

(5)自然災害・事故災害

当社グループは、生産活動の中断により生じる損害を最小限に抑えるため、製造設備に対して定期的な保守点検や安全・環境対策のための設備投資等を行っておりますが、地震、台風、水害や不慮の事故等の影響で、製造設備等が損害を被った場合、操業が滞り、経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、事業継続計画(BCP)の策定・訓練の実施、組織的な労働安全衛生体制の運用により、これらの災害等にかかるリスクの低減に努めております。

 

(6)保有株式の時価下落

当社グループは、上場及び非上場の株式を保有しておりますが、将来の市況または投資先企業の今後の業績動向により、当社が保有する株式の時価または実質価額が著しく下落した場合、経営成績に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、保有目的が純投資目的である株式については、株式市場の変動を踏まえ機動的に売却できる体制としているほか、保有目的が純投資以外の目的である投資株式については、保有目的に見合っているかを精査し、合理性が認められない場合には、適宜売却する方針としております。

 

(7)固定資産の減損

当社グループが保有する固定資産について、時価が著しく下落した場合や事業の損失が継続するような場合には、固定資産の減損損失の計上により、経営成績と財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、定期的に減損テストを実施することにより、潜在的な減損リスクの把握に努めております。また、必要に応じて固定資産の回収可能価額を把握するため不動産鑑定評価を実施しております。

 

(8)繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。

将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響する要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当該純損益額が変動する可能性があります。

当社グループでは、関係部門が定期的に監査法人と十分にコミュニケーションをとり、潜在的な税務リスクの把握に努めております。

 

(9)感染症の拡大に伴うリスク

新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和され、概ね収束傾向にありますが、今後の再拡大、別の感染症の流行により当社の事業活動に係る生産体制、物流体制、営業活動等に支障が生じた場合、当社グループの経営成績に大きく影響を与える可能性があります。

また、世界的規模でのサプライチェーンの途絶等による急激な景気の悪化が生じた場合、同じく当社グループの業績に大きく影響を与える可能性があります。

当社グループでは、取引先ならびに従業員の安全を第一に考えるとともに感染拡大を防ぐため、従業員の体調管理の徹底、テレワークやWEB会議の導入、出張制限や勤務形態の見直し等を実施し事業及び営業活動の継続に努めてまいります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和など、回復に向けた動きが見られたものの、ウクライナや中東情勢の悪化による原材料や原油価格の高騰、中国の景気減速などにより、先行き不透明な状況で推移いたしました。

このようなもとで、当社は2024年1月9日付で株式会社小口合金鋳造所の全株式を取得し、同社を子会社化いたしました。これにより、製品の軽量化・低燃費化等に資するアルミニウム合金を素材とする鋳造品製造の領域に、新規参画することとなり、同社との提携により得られる様々な相乗効果を通じて、当社グループの更なる事業基盤の強化と拡大を実現して参りたいと考えています。

また、当社グループは、2022年度を初年度とする第7次3カ年計画の2年目にあたり、『C&Eへのこだわり』をキーワードに、①脱炭素社会に向けて、②DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、③人材育成、の3点を重点課題に設定し、より強固な経営基盤の構築と成長戦略の具現化に努めてまいりました。

 

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

イ.財政状態

当連結会計年度末における総資産は、352億4千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ27億9千万円増加いたしました。

当連結会計年度末における負債合計は、184億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億8千4百万円増加いたしました。

当連結会計年度末における純資産合計は、168億4千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億6百万円増加いたしました。

 

ロ.経営成績

当連結会計年度の業績は、中国国内で自動車用プレス金型鋳物の生産・販売を手がける天津虹岡鋳鋼有限公司および南通虹岡鋳鋼有限公司の業績が、中国景気の減速を背景に低調に推移した一方、国内では原材料や電力料の高騰への対応として、製品の販売価格是正による収益の確保並びにコスト改善諸施策の一層の推進に努めた結果、売上高 259億6千3百万円(前期 267億2千6百万円)、営業利益 7億8千6百万円(前期 8億7百万円)、経常利益 7億1千4百万円(前期 7億1千6百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益 5億3千8百万円(前期 4億6千6百万円)となりました。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

 

 「Casting Field」は、売上高は、209億7千万円(前期 226億4千1百万円)、セグメント利益は、6億1千3百万円(前期 6億9千万円)となりました。

 「Environment Field・環境エンジニアリング」は、売上高は、42億9千3百万円(前期 31億1千7百万円)、セグメント利益は、2億7千1百万円(前期 1億6千6百万円)となりました。

 「Environment Field・機能材料」は、売上高は、6億7千2百万円(前期 9億4千3百万円)、セグメント利益は、4百万円(前期 4千9百万円)となりました。

 その他の事業は、売上高は、2千7百万円(前期 2千4百万円)、セグメント損失は、4百万円(前期 セグメント損失2百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べて5億4千1百万円増加し、26億3千3百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、5千3百万円の減少(前連結会計年度 1億1千9百万円 減少)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益7億1千4百万円、減価償却費15億4千9百万円による資金の増加と売上債権及び契約資産の増加9億5千3百万円、仕入債務の減少8億6千万円、法人税等の支払2億4千9百万円による資金の減少によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、16億1千8百万円の減少(前連結会計年度 11億5千2百万円 減少)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出12億4千2百万円による資金の減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、21億9千9百万円の増加(前連結会計年度 2億3千8百万円 増加)となりました。主な内訳は、長期借入れによる収入20億円、短期借入金の純増加額11億7千3百万円による資金の増加と長期借入金の返済による支出7億5千3百万円、配当金の支払1億1千4百万円による資金の減少によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

Casting Field

20,622

△10.1

Environment Field・環境エンジニアリング

4,311

39.1

Environment Field・機能材料

672

△26.0

その他

27

12.8

合計

25,633

△4.9

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は販売価格によっております。

 

ロ.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 「Casting Field」のうち一部鋳物製品については見込み生産を行っているため、受注高及び受注残高の金額には含まれておりません。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高(百万円)

前年同期比

(%)

Casting Field

17,234

△16.6

5,611

7.2

Environment Field・

環境エンジニアリング

1,889

△0.6

1,015

△70.2

Environment Field・

機能材料

678

△21.4

34

21.0

その他

27

12.8

合計

19,830

△15.5

6,661

△23.2

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

ハ.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

Casting Field

20,970

△7.4

Environment Field・環境エンジニアリング

4,293

37.7

Environment Field・機能材料

672

△28.7

その他

27

12.8

合計

25,963

△2.9

 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績等

1)財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は、216億2千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億1千2百万円増加いたしました。これは、主として契約資産が16億4千6百万円増加したことなどによります。

固定資産は、136億2千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億7千8百万円増加いたしました。これは、主として投資有価証券が11億7千6百万円増加したことなどによります。

この結果、総資産は、352億4千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ27億9千万円増加いたしました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は、142億1千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億2百万円減少いたしました。これは、主として短期借入金が11億4千万円増加した一方、支払手形及び買掛金が8億4千3百万円、未払金が7億5千8百万円減少したことなどによります。

固定負債は、41億8千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億8千6百万円増加いたしました。これは、主として長期借入金が13億7千6百万円増加したことなどによります。

この結果、負債合計は、184億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億8千4百万円増加いたしました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、168億4千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億6百万円増加いたしました。これは、主としてその他有価証券評価差額金や親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金が増加したことなどによります。

この結果、1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べ520円46銭増加し4,134円60銭となり、自己資本比率は、前連結会計年度末の36.4%から38.4%となりました。

 

2)経営成績

(売上高)

売上高は、259億6千3百万円(前年同期比 2.9%減)となりました。そのうち国内売上高は194億6千6百万円(前年同期比 6.2%増)、海外売上高は64億9千6百万円(前年同期比 22.6%減)となりました。

(営業利益)

売上原価は、223億3千3百万円(前年同期比 3.2%減)となりました。

販売費及び一般管理費は、28億4千3百万円(前年同期比 0.2%増)となりました。

これらの結果、営業利益は、7億8千6百万円(前年同期比 2.6%減)となりました。

(経常利益)

営業外損益は、前期の△9千1百万円(純額)から△7千1百万円(純額)となりました。

そのうち営業外収益は、前期の1億6千6百万円から1億8千9百万円に増加し、営業外費用は、前期の2億5千7百万円から2億6千万円に増加いたしました。

これらの結果、経常利益は、7億1千4百万円(前年同期比 0.2%減)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益は、7億1千4百万円(前年同期比 0.2%減)となりました。

非支配株主に帰属する当期純利益又は非支配株主に帰属する当期純損失は、前期の5千5百万円から△5千1百万円に減少したため、親会社株主に帰属する当期純利益は、5億3千8百万円(前年同期比 15.3%増)となりました。

また、1株当たり当期純利益は164円66銭(前連結会計年度 142円34銭)に増加いたしました。

 

ロ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営に重要な影響を与える可能性のある要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりと認識しており、これらのリスクについては発生の回避に、また発生した場合の対応に万全を期すべく努力してまいります。

ハ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、継続的な利益計上と安定的な配当を可能とする企業体質の構築が重要であると考え、株主価値の拡大を図るという観点から、売上高経常利益率、総資産経常利益率及び自己資本比率を重要な経営指標として位置付けております。

当連結会計年度における売上高経常利益率は2.8%(前期 2.7%)、総資産経常利益率は2.1%(前期2.2%)であり、自己資本比率38.4%(前期 36.4%)となりました。

 

ニ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)Casting Field

 鋳型は、鍛鋼用鋳型の需要が好調に推移し、売上高は、前期を上回りました。ロールは、主要顧客先の国内電炉メーカー向け案件や輸出案件の受注確保に努め、売上高は、前期を上回りました。自動車用プレス金型鋳物は、各主要顧客先のカーメーカーや金型メーカーの需要が伸び悩み、売上高は、前期を下回りました。大型産業機械用鋳物は、大型工作機械、プレス機および減速機向けが好調に推移し、売上高は、前期を上回りました。小型鋳物は、土木用鋳物が好調に推移し、売上高は、前期を上回りました。デンスバーは、中国景気の減速を背景に、主要顧客先の建設機械および産業機械向け等の需要が低迷し、売上高は、前期を下回りました。中国国内で自動車用プレス金型鋳物の生産・販売を手がける天津虹岡鋳鋼有限公司および南通虹岡鋳鋼有限公司は、中国景気の減速や競合他社との競争激化により、売上高は、前期を下回りました。

 この結果、当事業の売上高は、209億7千万円(前期 226億4千1百万円)、セグメント利益は、6億1千3百万円(前期 6億9千万円)となりました。

 

2)Environment Field・環境エンジニアリング

 環境装置事業は、大型案件の工事が進捗したことにより、売上高は、前期を上回りました。送風機は、民間設備投資が堅調に推移し、売上高は、前期を上回りました。環境・省エネ商品のトランスベクターは、半導体関連向けの需要が好調に推移し、売上高は、前期を上回りました。

 この結果、当事業の売上高は、42億9千3百万円(前期 31億1千7百万円)、セグメント利益は、2億7千1百万円(前期 1億6千6百万円)となりました。

 

3)Environment Field・機能材料

 KCメタルファイバーは、自動車向け摩擦材の需要が低調に推移し、売上高は、前期を下回りました。

 この結果、当事業の売上高は、6億7千2百万円(前期 9億4千3百万円)、セグメント利益は、4百万円(前期 4千9百万円)となりました。

 

4)その他の事業

 当事業の売上高は、2千7百万円(前期 2千4百万円)、セグメント損失は、4百万円(前期 セグメント損失2百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ.キャッシュ・フローの状況

 当社グループは、営業活動によって得られた資金を、市場環境や資本効率等を総合的に勘案し、更新投資及び成長投資、手許資金、株主還元に適切なバランスで配分し、また必要に応じて追加の資金を財務活動によって調達することをキャッシュ・フローの基本方針としております。なお、更新投資は生産設備の更新及び合理化設備に、成長投資は人材獲得及び育成、研究開発及びそれに伴う設備投資等に、手許資金は運転資金、財務基盤の強化等に、株主還元は配当金の支払等に充当しております。

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 同期間における営業活動によるキャッシュ・フローは5千3百万円の支出であり、投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得等により16億1千8百万円の支出及び財務活動によるキャッシュ・フローは長期借入金、短期借入金の収入や返済等により21億9千9百万円の収入となったことから、当連結会計年度における連結ベースの資金は、前連結会計年度から5億4千1百万円増加し、26億3千3百万円となっており、企業運営に必要となる十分な水準の資金を確保していると評価しております。

ロ.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資資金については、長期借入金で調達しております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は120億3千万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は26億3千3百万円となっております。

 当社は、将来の資金需要に対して安定的、機動的かつ効率的な資金調達を可能にするため金融機関11社と総額85億円の特定融資枠契約を締結しております(借入実行残高60億円、借入未実行残高25億円)。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間の収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。ただし、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますので、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

イ.固定資産の減損

 固定資産の減損の認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

ロ.繰延税金資産の回収可能性

 繰延税金資産の認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 KOGI C&Eグループ(当社及び連結子会社)は多様な技術を追求する企業として有用な商品を創出し、この国の産業の礎と未来の発展のために資することを行動指針として日々の研究開発に勤しんでおります。

 当社は鋳物4事業部の内、主要なお客様が重複し、製品スケールが類似する大型鋳物事業部と鉄鋼事業部を統合し、新たに素形材事業部を2023年4月に発足させ、より一層のお客様への貢献を第一義として技術開発の強化に努めています。

 鋳物関連事業分野では、機能性に優れた鋳鉄材などの材料開発を進める一方で、商品開発ツールとして金属3Dプリンタの活用は言うまでもなく、既存技術の醸成と適用によって広い分野において寄与できる新たな材料の創造・開発にも取り組んでおります。また当社の高品質な鋳鉄材を産業界に幅広く供するための最新解析技術の開発も実施しております。

 他方、機械・環境関連事業分野では省力化・省エネ化などに対応した先進的な機能性素材、機械・環境関連設備の設計及び技術開発を推し進めております。

 現在、研究開発活動は当社の開発部員、各事業部の技術スタッフ等で実施しております。また海外子会社の天津虹岡鋳鋼有限公司及び南通虹岡鋳鋼有限公司では技術スタッフが実施しております。研究開発に専門的に携わっている人数は準構成員含めて当社グループ全体で43名であります。

 当連結会計年度における全社の研究開発費は394百万円であります。なお、研究開発費には、開発部で行っている熱解析、流動解析、応力解析などのためのシミュレーション技術の開発や全社的な基礎的研究など、各事業に配分できない費用が11百万円含まれております。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次の通りであります。

 

1 Casting Field

 主に開発部と関連事業部の技術スタッフが研究開発活動を実施しております。

 開発部では通常の一般鋳鉄材では成し得ない高剛性と高強度を有する低炭素球状黒鉛鋳鉄を開発しました。本開発材は継続的に新聞記事に取り上げられ、昨年11月には企業・大学・学生マッチング in HIMEJI 2023(於:兵庫県立大学)にPR出展し、各産業界から注目を集めております。さらにお客様との交流を通して同年12月には試作品を初納入し、現在評価を進めております。また同開発材の量産化についても様々な形状及び方法にて、その技術の成熟を図っております。

 金属3Dプリンタについては新商品・新商材の開発用ツールとして種々の試作品の創製に取り組んでおります。その過程においては産学官連携プロジェクト「ひょうごメタルベルトコンソーシアム」に2019年から委員として参画し、関連大学や企業との交流を積極的に推し進め、技術の質的な向上を図っております。

 解析の分野においてはお客様の設計仕様を踏まえつつ、より質の高い鋳物製品を提供するため、流動解析と熱解析に応力解析を連動させた鋳造CAEの技術向上にも取り組んでおります。一方ではそれら解析ソフトの機能を応用し、鋳造にて発生する欠陥の予測技術の開発にも着手しております。本技術は鋳造方案、条件及び鋳造欠陥情報を機械学習させることで種々の製品における鋳造欠陥予防措置が可能となります。今後は当技術を醸成することで、鋳物製品の品質確度の向上を図ってまいります。さらに幅広い鋳造プロセスに対応した最新の鋳造解析ソフトの適用も事業部門と共に進めております。

 また鋳鉄の原材料に関してコストダウンを目的とした研究にも着手しており、今後の利益拡大につながることが期待できます。

 事業部門においては連続鋳造鋳鉄棒に関して大型材の品種拡大や品質の維持向上を図ることによって主力商品群のラインナップが充足化し、ゆるぎない業界随一のシェアのさらなる向上と売上拡大に貢献しております。

 大型鋳物製品においてはこれまでに培ってきたフルモールド鋳造法の技術をさらに錬成し、高難度の鋳物を製造しております。また高い品質を要求される量産鋳物や大型工作機械鋳物の製造については最新の解析技術を駆使しており、高確度の品質を担保出来ております。今後は更なる用途拡大を進めてまいります。

 圧延ロール関連商品についてはこれまで国内の製鋼メーカーに納入し、お客様から高評価をいただいております。その製造過程においては同部門の熟練した技術を元に様々な鋳造方法を用いて形鋼やその他向けに質の高いロールを製造しており、売上拡充の一役を担っております。

 また公共関連商品においては安全性およびセキュリティ性能を向上させた自社型マンホールや解析によって強度を担保した電線共同溝(CCボックス)用鋳鉄蓋さらにはその技術を応用した量産型鋳鉄製グレーチングの開発も進めており、売上の拡大にも貢献しています。また伝統的な街並みの景観を損なわない鋳鉄製景観商品の開発も継続的に行っており、様々な地域への展開も進めております。

 中国国内で自動車用プレス金型鋳物の生産・販売を手がける天津虹岡鋳鋼有限公司及び南通虹岡鋳鋼有限公司は、鋳鉄材の製造技術及び生産性向上のための技術開発にも取り組み、それに係る特許申請を行っております。上記の取り組みに加えて、ITを活用したモノづくりにも積極的に取り組んでおります。

 当事業に掛かった研究開発費は371百万円であります。

 

2 Environment Field・環境エンジニアリング

 送風機事業においては当該事業部の技術スタッフが中心となって研究開発を進めており、これまでにも様々な送風機を開発し、現在の受注増に寄与しております。さらに流体数値解析を用いて低騒音でかつ高い効率を有する送風機を継続して開発中であり、集塵機業界など設備のリプレースも含めた市場シェアの大幅な拡充を目指しております。

 環境関連事業では、この事業部の技術スタッフが中心になって研究開発を進めております。これまでに開発されたストーカー式焼却炉は実際の大型ごみ焼却施設として稼働しており、安定的な燃焼効率や大幅な省エネ効果が得られるなどお客様から高評価を得ています。2022年1月より施工を開始した東京都八丈町のクリーンセンター建設工事は今年3月に竣工し、現在順調に稼働しております。今後も当社の高い環境関連技術の拡充を図りつつ更なる受注の増大に繋げていきます。また送風機器関連技術のノウハウを生かした新たな商品開発や太陽光を利用した機器の開発も進めております。これら技術の早期実用化をさらに推し進め、鋳物事業に次ぐ中核事業となるように人材を含めた技術的リソースの醸成も深めてまいります。

 

3 Environment Field・機能材料

 機能材料関連事業では、主に開発部と関連事業部の技術スタッフで研究開発を実施しております。

 自動車の摩擦材として使われているメタルファイバーはその材質、サイズ及び形状の種類を大幅に拡大して様々な用途開発に取り組んでおります。その高い機能性は展示会等にてお客様や産業界において広く知られることとなり、好評を得ております。さらに今後需要が見込まれる電磁波シールド材や素材の熱伝導特性を利用した放熱部材などの分野に向けて開発部と共同で当社オリジナル材料の開発を推進しつつ、ファイバー素材と様々な媒体との複合化技術ならびにファイバーの焼結技術の蓄積と開発も進めることで、お客様への提案型のビジネスモデルを展開してまいります。

 当事業に掛かった研究開発費は11百万円であります。