第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本項に記載した将来や想定に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、社是 『「人類ある限り水は必要である」との理念のもと人間の乾きを潤す水まわりを中心に生活の泉、憩の泉の想像を実現する事で社会に貢献し会社繁栄と全社員の幸福の源とする』と、グループ企業理念 「ALWAYS WITH JOY」

Contribution(貢献)

・人と水をつなぐ企業として、社会的責任(CSR)を果たしながら、地球の未来を見据えた企業活動を展開します。

Creation(創造)

・質の高いモノをお届けすることはもとより、感性に響くモノづくりで、感動をもお届けします。

Communication(意思の疎通)

・さまざまな人との「つながり」を絆に変えて、人と人との歓びの環を広げていきます。

に基づき、地域社会にとって有益な存在となることを目指し、企業価値の向上に努めてまいります。 

 

 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、株主価値の増大に向け、グループ各社の収益性を高め、各社間のシナジーを追求し、グループトータルで適正な利益を確保し、着実な成長を図ることを中長期的な目標としております。また、安定配当が可能な収益を確保することにより、企業価値を高め、株主価値の最大化を図ることを重要な経営課題としております。具体的には、事業の収益力を示す売上高、経常利益率及びROEを重視しております。

 

 (3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進み、インバウンド需要の持ち直しやサービス消費の回復など内需を中心に緩やかな景気回復が進みました。その一方で、ウクライナ情勢の長期化及び中東情勢の悪化による地政学リスクの高まりや急激な円安等により、原材料やエネルギー価格をはじめ様々な物価が上昇し、依然として先行き不透明な状況が続くことが予想されます。また、雇用情勢や生活環境、職住のあり方にも大きな変化が訪れ、社会は転換期を迎えています。

このような中、当社グループでは多様化するプライベート空間やパブリック空間に調和する新たな水まわり空間の研究と開発・提案に取り組んでまいります。水に関わる企業として性別・世代・国籍・人種を超えて人の暮らしを潤し、さらにはより安全・安心で一人ひとりの歓びあふれる瞬間に寄り添う製品を手掛けてまいります。

また、当社の販売形態としては、水栓金具を単体で販売する形態(点の販売)から、水道メーター以降、蛇口までの水道インフラ全体をカバーする販売形態(水道(みずみち)・線の販売)へ事業の展開を進めてまいりました。さらには、水栓金具だけでなく、住空間をインスタレーション提案できるメーカーを目指し、事業シェア拡大を進めています。(水道(みずみち)・線の販売から水域(みずいき)・面の販売へ)

当社グループが事業を展開している水栓金具市場は、2022年度1,127億円の市場規模と言われています。うち約50%は住宅市場、残りの約50%は非住宅市場(オフィスビル、ホテル、公共設備)という構成となっております。(参照:一般社団法人日本バルブ工業会「日本バルブ工業会給水栓出荷動向統計」、㈱富士経済「非住宅分野における建材・設備市場の現状と将来展望」、「住設建材マーケティング便覧」)

 

当社の売上のうち、そのほとんどを住宅市場への水栓金具の販売が占めております。今後は当社の事業シェア拡大に向け、非住宅市場(オフィスビル、ホテル、公共設備)への販売にも注力していきたいと考えております。特に、採用案件が増えつつあるホテル向けに加えて、快適な環境を求める声が高まりつつあるオフィス向けや公共設備への提案などを積極的に行っていきたいと考えております。

生産体制につきましては、将来的な国内市場・海外市場における更なる水栓金具(高付加価値水栓)の需要拡大にあわせ、高付加価値製品の安定的な供給体制を確立していきたいと考えています。2023年に開始した岐阜工場の増改築工事におきましては、「高効率化・省力化・環境対策」をコンセプトとし、岐阜工場全体の生産エリアを拡張、随所に自動化生産設備を導入し、工程間の連動化及び生産ラインの増設を行うことで生産能力をさらに一段高めていくことにいたしました。また、太陽光発電等を利用したインフラ設備導入などにより、CO2排出量を削減することで、カーボンニュートラル達成を目指し、「地球や環境に優しいモノづくり」実現に向け、事業活動を推進してまいります。

また、地政学リスクによるサプライチェーンの分断などを回避するため、グループ間の繋がりをより強固なものとして、日本国内での増産体制を整えるとともに、更なる自動化、内製化を推進することにより原価低減を進めてまいりたいと考えております。

研究・開発面につきましては、当社グループの強みであるデザイン性をさらに追求し、水の音、流れる姿、手に伝わる感覚に至るまで、意匠、仕上げ精度、使用感、全てにおいて最上級に相応しいものづくりへの挑戦を続けています。さらに、センサーやAIといったテクノロジーと、人の手と感度によって仕上げる熟練技能とを組み合わせることで、SANEIブランドの品質を自ら規定し、更なる高みを目指してまいります。

社会・地域への貢献活動としましては、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」の会場整備参加にブロンズパートナーとして協賛いたします。ご来場の皆様が快適に過ごして頂けるよう、「迎賓館」「大催事場」「小催事場」をはじめとした会場内の手洗い施設などに水栓をご提供いたします。 また、主力生産拠点である岐阜工場では、岐阜県地球温暖化防止活動推進センター主催の「地球温暖化防止教室」や岐阜県各務原市の「オンライン寺子屋事業」へ参画、清掃ボランティア活動等で、地域貢献・環境保全活動を行っております。今後も社会・地域の皆様と歓びや学びを共有し、持続的な発展を目指してまいります。

 

 

 


 

 

 


 

 

 

当社グループの強み・特徴としましては、下記であると考えております。

① 専業メーカーとしてのブランド展開

プロダクトデザイナーや、建築や空間を手掛けるデザイナーといった方にも積極的に協力いただき、従来とは異なる水栓を提案していることがあります。インテリアを構成する素材の一つとして、その空間のコンセプトに調和するようなデザインの選択肢を提供する製品を揃えております。

これにより、専業メーカーとして市場ポジションを確立しております。

 

② 複数の異なる販売チャネル

水栓金具事業の単一セグメントでありますが、販売チャネル・販路を4つのルートに区分しております。4つの販売チャネル・販路に対し、全国に支店・営業所を設置し、営業拠点展開を行っております。4つの販売チャネル・販路の詳細につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (2) 主な販売チャネル・販路」に記載されているとおりであります。

 

 

 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループが、更なる成長と事業の強化に向け、持続的成長と高収益体質の実現を目指し、より強固な経営基盤の構築を進めるうえで、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

 

①  お客様の生活をより豊かにし、かつ感動を生むモノの開発など、成長分野への資本投下を積極的に進めてまいります。

 

②  需要変動に迅速に対応できる柔軟で効率的な生産体制や物流体制の構築により、為替や物価、主要原材料価格等の変動に左右されにくい、強固な収益基盤を確立してまいります。

 

③  働き方改革を進めるとともに、人材の多様化を図り、会社の持続的発展につなげてまいります。企業にとって、組織に所属する従業員がその能力を活かし、伸ばし、発揮する環境を整えることは、企業業績に直結する大きな経営課題の一つであると考えます。変化に対応し、変革を起こすことのできる「自ら考え行動する人材」を育成出来る様、環境の整備・制度の確立に向け、取り組んでまいります。

 

④  様々なリスクに備えるため、リスク管理体制を整備し、内部統制システムを適切に運用してまいります。

 

⑤  適時適切な情報開示や、コンプライアンスの遵守を通じ、経営の健全化・透明性を確保し、企業価値の向上に努めてまいります。

 

⑥  私たちは水と緑あふれる自然環境の中で、水まわりを中心とした事業活動(原材料調達から生産、物流、販売、使用、廃棄までの当社製品がかかわるライフサイクル全体)において、環境との調和を図りつつ、ビジネスパートナーや地域社会など、様々なステークホルダーの皆様とともに、地域環境に配慮した環境保全活動を推進し、 社会に信頼される企業を目指します。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、1954年の創業以来 「人類ある限り水は必要である」を理念とし、地球に生きる一員としての自覚を持ち、企業活動に取り組んできました。私たちは、国連において採択された 「持続可能な2030年までの開発目標(SDGs)」を企業行動・経営戦略につなげ、 持続可能な社会の実現に貢献いたします。

また、2024年3月には企業行動憲章を定めました。グループ社員一人ひとりがSANEIブランドを担っている事を自覚し、率先して社会的責任について行動出来るよう取り組んでまいります。

 

(1) ガバナンス

ガバナンスにつきましては、「第4 提出会社の概況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 ・企業統治の体制を採用する理由」に記載されているとおりであります。

 

(2) 戦略

①人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

当社においては、継続的な成長のためには、優秀な人材の確保及び従業員1人ひとりの持続的な成長が重要であると考えております。これらを実現するために、公平かつ透明性の高い評価制度の確立と働き方の多様化促進を目的とした新人事制度を2023年3月より実施いたしました。

採用においては、定期的な新卒採用に加えて中途採用も積極的に実施して人材の確保に努めているほか、直接雇用への切り替えを進めることで人材の定着を図っております。また、eラーニングの導入や外部資格の取得に対する奨励金の支給などにより、社員の継続的な成長に取り組んでおります。

このほか、当社の持続的発展の実現に向けて女性の力をより一層生かすことが重要との観点から、2020年に「女史ワーキンググループ 3Active」を立ち上げ、女性ならではの視点による新製品企画や福利厚生制度の提案活動を行っております。

 

②カーボンニュートラルに関する方針、戦略

当社グループは、これまでもCO2削減に対応すべく、環境マネジメントシステムISO14001やSDGsの活動においてCO2排出量の削減に取り組んできましたが、2050年のカーボンニュートラル達成に向け取り組みを更に加速させるために、カーボンニュートラル推進委員会(現:CSR推進委員会)を立ち上げました。

CSR推進委員会におきましては、サプライチェーン全体でのCO2削減を実現するため、まずはCO2の排出量算定および分析に取り組んでいるところです。

 

 

 

 

 

(3) リスク管理

当社グループは、事業環境の変化に対応するため、当社グループの内部統制、コンプライアンス及びリスクを統括的に把握・管理することが重要であると認識し、コーポレート本部の中で社内規程の整備をはじめ、平常時・発生時の観点から、適時に既存リスクの見直しや新たなリスクの洗い出しなど、経営上のリスクを総合的に分析し、潜在リスクの最小化や顕在化した場合の対応策に取り組んでおります。

 

 

(4) 指標及び目標

①人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標

(男女間の賃金差異)

当社の男女間の賃金差異につきましては、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4) 労働者の男女の賃金の差異」に記載されているとおりであります。

 

当社では、2023年3月より実施された新人事制度において、女性の離職率低下や男女間賃金差異の緩和に資する施策として、以下の制度改正を実施しております。

 

・希望転勤制度及び勤務地の限定した正社員制度の導入

・育児のための時短勤務可能期間の延長

・総合職・一般職の区分の廃止

 

当社は今後も意欲のある女性が働き続けやすい環境及び上位の役職にチャレンジしやすい環境を整備し、男女間賃金差異の緩和に向けて取り組んでいきたいと考えております。

 

(従業員の中途採用比率)

 

2021年度

2022年度

2023年度

正規従業員の中途採用比率

63.2%

54.3%

70.7

%

 

 

当社では、従前より中途採用に力を入れており、正規従業員に占める中途採用比率は5割以上となっております。今後も個人のライフスタイルの多様化に合わせ、より多様なバックグラウンドを持つ人材を採用することで、優秀な人材の確保及び従業員1人ひとりの持続的な成長を実現していきたいと考えております。

 

なお、当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、上記の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

② カーボンニュートラルに関する指標及び目標

指標につきましては、現在算定および分析中となっております。

当社におきましては、2050年までにサプライチェーンでのカーボンニュートラル達成を目標として、引き続き取り組んでまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.経営環境に関するリスク

(1) 経済動向による影響

当社グループの売上高の大部分は、国内の景気動向や需要動向に大きく影響を受けます。法律・制度の規制緩和や住宅政策の転換、金利動向などにより新築・リフォーム需要が大きく変動した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、業務効率化によるコストダウン等を実施し、強固な財務基盤を維持してまいります。

 

(2) 為替レートの変動

当社グループは、中国における子会社での現地生産による外貨建取引、また、同子会社の資産及び負債等は連結財務諸表作成時において円換算されるため、為替変動によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、上記以外の取引については円建取引を原則とすることで、為替リスクの回避・軽減に努めております。

 

(3) 金利の変動

当社グループは安定的に事業を継続するため、運転資金や必要な設備の新規投資の更新を毎年行っております。その際、有利子負債や自己資本比率について適正水準維持に努めつつも、必要な資金を主として銀行借入により調達しております。新たに借入を行う際に、借入金利が変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、金利変動リスクを回避・軽減する目的で、主に固定金利により資金調達を行っており、一定期間における金利変動による影響を軽微なものに抑えるよう努めております。

 

(4) 競争の激化

当業界における価格競争は、熾烈なものとなっています。当社グループは、市場ニーズにマッチした品質・機能・価格面において競争力を有する製品・サービスを市場投入できるメーカーであると考えておりますが、将来においても競争を優位に展開できる保証はなく、激しい価格競争にさらされた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、付加価値の高い製品の開発による競争優位性の確保、およびコスト削減に取り組んでいます。

 

(5) 原材料価格の高騰

当社グループは、銅合金などを使用した水栓金具を製造しております。原材料価格の上昇時におきましては、コスト削減・販売価格への転嫁などで吸収を図っておりますが、予想以上の原材料価格高騰によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、国内外の複数の調達先や協力業者との取引関係を強化することで、常に最適かつ安定的な調達ができる体制を構築しております。これらに全社一丸となり取り組んでまいりますが、全てを吸収することが困難な場合においては、原材料や副資材などの上昇分に対し、製品価格への転嫁に取り組んでまいります。

 

 

(6) 物流費の高騰

当社グループの事業活動においては、顧客への配送業務を伴うため、燃料価格の上昇や物流委託会社の人件費高騰により物流委託会社への支払いコストが増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、物流業務の効率化などにより費用低減を図り、複数の物流委託会社へ取引を分散することで物流コストの上昇を抑えるよう努めております。これらに全社一丸となり取り組んでまいりますが、全てを吸収することが困難な場合においては、物流費の上昇分に対し、製品価格への転嫁に取り組んでまいります。

 

(7) 自然災害、感染症等

当社グループは、製造ラインの中断による影響を最小化するために、生産設備などにおける定期的な災害防止点検を行っております。しかし、生産施設で発生する人的あるいは自然災害などによる影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。当社グループの工場は岐阜県(各務原市)・大阪府(大阪市)・中国大連と分散しているものの、当社グループを取り巻くサプライ・チェーンは中部地区に集中しており、当地方における大規模な地震やその他操業に影響する災害などが発生した場合、生産及び出荷が遅延することにより売上高が低下し、生産拠点等の修復のために多額の費用を要することとなる可能性があります。さらに、社会的な生産活動の停滞、原材料の供給不足、日本市場の需要低下といった間接的な影響を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、開発・生産拠点および調達先などに甚大な損害が生じた場合、生産や出荷が遅延するリスクに備え、BCP(事業継続計画)の策定を進め、リスクの回避・軽減に努めております。

ウイルスなどの感染症等につきましては、新型コロナウイルス等の感染症が想定を上回る規模で発生及び流行した場合、社会的な生産活動の停滞、原材料の供給不足、住宅設備業界における展示会等のイベント中止やショールームの休館・来場者制限、日本市場の需要低下といった影響を受ける可能性があります。特に住宅設備業界において経済活動・販売活動が制限される状況となった場合には、管工機材ルートやメーカールートにおいて売上高が減少するといった直接的な影響を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

幸いにも当社グループは、ホームセンターやEC向けのリテールルートや海外ルートといった複数のルートでも販売を行っており、販路の多角化を推進していることが当該リスクの回避・軽減につながっていると考えております。また、当社グループは、本社管理部門が中心となり、全ての従業員とその家族の健康維持を最優先とし、感染予防・拡大防止のための措置、勤務形態、顧客対応等を指示するなど、BCP体制を構築しております。加えて、各国、地域の行政の指針・ガイドラインに沿って、状況に応じた判断・対応をとるとともに各国法人の状況を適時に把握し社内外に情報を発信しております。

 

2.事業活動に関するリスク

(1) 新商材・新ブランドの企画・開発・販売

当社グループは、多様化するプライベート空間やパブリック空間にマッチする製品を提供するため、キッチンルーム・バスルーム・洗面ルームなどの水まわりにおける新商材や新ブランドの企画・開発・販売を行っております。

新商材・新ブランドの企画・開発・販売が想定通りに進まない場合には、先行投資が回収できなくなること、追加費用の発生、在庫の増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、新商材や新ブランドの企画・開発・販売におきましては、投資対効果を慎重に判断し、決定してまいります。

 

(2) 海外での事業活動

当社グループは、中国、台湾、インドネシア、タイ等のアジア諸国においても事業活動を行っており、法律・規制や租税制度の変更、テロ・戦争・内乱などによる政治的社会的混乱や予期し得ない経済情勢の悪化により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、日本本社の専門部門が各国の経済・社会・政治的状況や、各国法規制の動向について情報を収集するようにしております。また対応が必要な事象が生じた際には、現地の代理店等と連携して適宜対応をおこなう体制を整備しております。

 

 

(3) 人材確保等に関するリスク

当社グループにおいては、継続的な成長のためには、優秀な人材の確保が重要であると考えておりますが、採用が計画通りに進まなかった場合、人材の流出があった場合や人材確保等のために人件費が上昇した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、これらのリスクを低減する目的で、中長期的に安定した企業収益を確保し、企業収益の投資先として積極的な求人活動の実施、長期的な雇用維持に向け従業員の福利厚生の充実に充てるなどして、人材確保による影響の低減を図っております。

 

(4) 製品の欠陥

当社グループは、品質管理基準に従い製品を製造しておりますが、全ての製品について欠陥がなく、将来においてリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。万一、大規模なリコールが発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、開発段階からの仕様品質の熟成や製造工程内品質保証体制の構築に努めるとともに、ISO9001等の国際標準規格に基づく品質マネジメントシステムを運用する等、製品欠陥の発生予防に努めています。また、製造物責任賠償に繋がるような製品欠陥の発生に備え、影響範囲を速やかに把握するトレーサビリティ(製造履歴の追跡)システムを導入する等、迅速な対応を可能とする品質管理体制の強化に努めています。

 

3.法的規制及び訴訟等に関するリスク

(1) 環境法規制

当社グループは、気候変動や天然資源の枯渇、廃棄物問題、有害化学物質による汚染などの環境問題を自社の存続にも関わる問題と捉え、環境理念を掲げ、環境に配慮をした事業活動を行っております。しかしながら、災害、事故及びトラブル等による環境汚染が生じた場合や関連法令の改正等によって新規設備投資等によるコストの増加が生じた場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、開発・生産拠点および調達先などに甚大な損害が生じた場合、生産や出荷が遅延するリスクに備え、BCPの策定を進めており、気候変動の緩和に向け、サプライチェーン全体での温室効果ガス削減に取り組んでいます。また、関係部署担当者の教育などを実施することで、管理体制を強化するほか、規制の変更などのタイムリーな把握と対応に努めています。

 

(2) 知的財産権の保護

当社グループは、知的財産権が当社製品の優位性の確保にあたり、重要な役割を果たしていると認識し、知的財産権を厳しく管理すると同時に、他社の知的財産権を侵害しないための社内体制を構築しております。しかしながら、当社グループが保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合や当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、専門の部署を設置し特許の調査や出願、社内への啓発活動、社内規則の制定等、発生防止に努めています。

 

 

(3) 情報システムに関するリスク

当社グループは、会社運営の全般にわたり情報システムを利用しております。情報システムの信頼性の維持には、万全を期しておりますが、災害、事故及びトラブル等によるハードウェアやネットワークの損傷、外部からの不正アクセス、コンピューターウイルス感染によるシステムトラブルや情報漏洩等の問題が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを可能な限り回避するために、適切なシステム障害の復旧プランを策定し訓練するとともに、情報セキュリティ専門部署によるモニタリングの実施と定期的な報告を行うことで、リスクの低減を図っております。

 

(4) 訴訟の提起

当社グループは、事業活動を進めていく中で様々な訴訟等を受ける可能性があります。訴訟が提起された場合には、結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、法令遵守と倫理に基づいた企業活動を行う旨を宣言し、当社グループの取締役および従業員が事業遂行にあたって、各種法令や倫理基準並びに社内コンプライアンス行動規範等から逸脱した行為を行うことがないよう、従業員に周知を行う等の徹底を図っております。また、自浄機能として内部通報制度を導入するなどコンプライアンス・リスクへ対応しております。

 

4.その他のリスク

(1) 資産価値の変動

当社グループは、有形固定資産を保有しており、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しておりますが、今後、業績動向によっては減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが所有する棚卸資産、投資有価証券等の投資その他の資産についても、評価額の引き下げを行う必要が生ずる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに対して、当社グループは取締役会や経営会議等における投資計画、投資金額の適切性に関する審議を行うほか、投資後の定期的なモニタリング及びフォローアップによる投資価値の定期的な検証を行っております。また、時価のある有価証券・投資有価証券については月次でモニタリングを実施して時価及び損益の把握に努め、時価のない有価証券・投資有価証券については、適時、財務状況等の把握に努めることで、それぞれ投資先の状況を定期的に確認しております。

 

(2) 退職給付債務

当社の従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。このため、実際の金利水準が悪化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 繰延税金資産

繰延税金資産の計算は、将来の課税所得など様々な予測・仮定に基づいており、経営状況の悪化や税務調査の結果等により、実際の結果が予測・仮定とは異なる可能性があります。従って、将来の課税所得の予測・仮定に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化を反映して、国内の消費活動は回復基調が続きました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化及び中東情勢の悪化、急激な円安等により、原材料やエネルギー価格をはじめ様々な物価が上昇し、先行きは依然として不透明な状況です。

一方、当社の需要と関係の深い新設住宅着工戸数は、4月~3月までの累計で80万0千戸(前年比7.0%減)となりました。(参照:国土交通省e-Stat政府統計の総合窓口「建築着工統計調査報告」)

このような経済状況の中、当社グループは「人類ある限り水は必要である」の理念を実践し、自然や社会と調和したより快適で心地よい水まわり空間の提案に注力し、既成概念にとらわれることなく、ライフスタイルに合わせた水まわり空間のデザインを追求してまいりました。

営業面では、より快適で心地よい水まわり空間の提案として、デザイン水栓シリーズ、ウルトラファインバブル製品や高機能シャワー製品など高付加価値製品の販売強化に努めました。また、2023年5月にオープンしたショールーム&ショップ「WAILEA 御堂筋」(大阪市中央区)をはじめとした国内ショールームの充実、「JAPAN DIY HOMECENTER SHOW 2023」、「HCJ2024 国際ホテル・レストラン・ショー」、「建築・建材展2024」等の大型展示会への出展等を通じ、ブランド訴求力と認知度の向上に注力いたしました。

製品面では、当社の成長戦略であるブランド戦略(デザイン水栓シリーズ)並びに水域戦略(空間提案)を構成する製品「soroe」シリーズが、国際的に権威のある「iF デザイン アワード 2024」および「レッドドット・デザイン賞 2024」を受賞いたしました。さらには、ウルトラファインバブル製品のラインナップとして「suin ウルトラファインバブル浄水ミストシャワーヘッド」、高機能シャワー製品のラインナップとしてノーマル(シャワー)水流とボディメンテナンスの高圧ジェット水流が簡単に切り替えできる「ボディメンテナンスシャワー」を発売しました。

 

これらの結果、当社グループの当連結会計年度における連結業績につきましては、売上高は販売価格改定の浸透、既存販売ルートの売上拡大の両面により堅調に推移し、275億32百万円(前年比3.6%増)となりました。利益面では、高機能・高付加価値製品の売上が増加したことに加えて、生産の効率化への取り組みなどを行った結果、営業利益は19億75百万円(前年比117.9%増)、経常利益は19億73百万円(前年比117.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億48百万円(前年比113.9%増)となりました。

 

当社グループは、株主価値の最大化のために、グループ各社の収益性を高め、着実な成長を図ることが重要と考えることから、売上高、経常利益率及びROEを指標としております。当社グループの当連結会計年度における経常利益率は7.2%(前期比3.8ポイント増)、ROEは10.8%(前期比5.3ポイント増)となっております。厳しい環境ではありますが、引き続き株主価値の最大化を目指してまいります。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ7億63百万円増加し、242億18百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ1億円増加し、158億58百万円となりました。これは主に、棚卸資産が7億89百万円増加した一方、現金及び預金が7億45百万円減少したことによります。固定資産は前連結会計年度末に比べ6億62百万円増加し、83億59百万円となりました。これは主に、建物及び構築物が5億41百万円増加したことによります。

負債は、前連結会計年度末に比べ4億69百万円減少し、104億90百万円となりました。これは主に、仕入債務が14億62百万円減少した一方、借入金が2億65百万円増加、未払法人税等が5億24百万円増加したことによります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ12億32百万円増加し、137億27百万円となりました。この結果、自己資本比率は54.2%となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7億49百万円減少し、14億97百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、3億31百万円の収入(前年同期比6億58百万円の収入減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益19億59百万円、減価償却費6億43百万円、棚卸資産の増加額7億78百万円、仕入債務の減少額14億64百万円によるものです。なお、仕入債務の減少額は、支払手形及び電子記録債務のサイトを120日から60日に短縮したことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、11億26百万円の支出(前年同期比2億92百万円の支出増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出10億81百万円によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、40百万円の収入(前年同期は89百万円の支出)となりました。これは主に、借入金の純増による収入2億65百万円、配当金の支払額2億22百万円によるものです。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

当社グループは、単一セグメントです。当連結会計年度の生産実績、販売実績は次のとおりであります。

 

 a.生産実績

当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

 

区分

生産高(千円)

前期比(%)

水栓金具事業

19,610,664

117.7

合計

19,610,664

117.7

 

(注) 金額は販売価格によっております。

 

b. 受注実績

当社グループは、大部分の品目につき見込み生産を行っておりますので、記載を省略しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

 

区分

販売高(千円)

前期比(%)

水栓金具事業

27,532,749

103.6

合計

27,532,749

103.6

 

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載されているとおりであります。

 

b.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績に重要な影響を与える大きな要因としては、経済動向、為替及び金利の動向、原材料及び物流費の高騰、製品の欠陥及び事故災害、等があります。

経済動向については、新規住宅着工件数の減少が続いており、厳しい業界内競争が続いていると認識しております。一方でリフォーム市場や非住宅市場(主にホテル・オフィスビル・商業施設)は成長が予測されており、当社は同市場をターゲットに、高付加価値製品の開発・拡販や水まわりにおける住空間のインスタレーション提案に取組み、着実な成長を目指しております。

為替及び金利の動向については、米中関係および東アジア地域の経済動向の不確実性により、先行き不透明な状況が続いていると認識しております。当社では、為替リスクを回避するため中国における子会社との取引は円建取引を原則としております。金利動向は、主に固定金利により調達しており、金利変動による影響は比較的少ないものと考えております。

原材料及び物流費の高騰については、価格上昇に対する販売価格への転嫁に取り組むことや、原価低減および物流体制の見直しを推進し、更なるコスト削減を図っていきます。

製品の欠陥及び事故災害については、継続的な生産工程における改善活動、品質管理・保証体制の一層の充実、安全・安定運転に万全を期すことにより、経営に重要な影響を与えるような事態の抑制に努めてまいります。

なお、経営成績については、以下の通りです。

 

(売上高)

当社グループの当連結会計年度における売上高は、住宅市場向けの受注増加、デザイン水栓シリーズ・高機能製品など高付加価値製品の拡販、販売価格改定の浸透等により、前連結会計年度に比べ9億68百万円増加し、275億32百万円(前期比3.6%増)となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

当社グループの当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ1億21百万円減少し、189億3百万円(前期比0.6%減)となりました。この結果、当社グループの当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ10億89百万円増加し、86億29百万円(前期比14.4%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当社グループの当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ20百万円増加し、66億53百万円(前期比0.3%増)となりました。この結果、当社グループの当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ、10億68百万円増加し、19億75百万円(前期比117.9%増)となりました。

 

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

当社グループの当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ7百万円減少し、36百万円となりました。また、営業外費用は前連結会計年度に比べ6百万円減少し、38百万円となりました。この結果、当社グループの当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ10億67百万円増加し、19億73百万円(前期比117.8%増)となりました。

 

(特別損益、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)

当社グループの当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ5百万円増加し、10百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度に比べ1億4百万円減少し、25百万円となりました。これは主に、前期に工場の建て替えに伴って旧設備の簿価及び撤去費用について減損損失を認識したことによるものです。また、法人税等は、前連結会計年度に比べ4億59百万円増加し、6億31百万円となりました。この結果、当社グループの当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ7億18百万円増加し、13億48百万円(前期比113.9%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載されているとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

(資本需要)

当社グループの事業活動における運転資金需要について、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料費及び人件費等)、受注維持拡大のための販売費、製品開発力の維持強化及び新規事業立ち上げに資するための研究開発費等によるものです。投資活動については生産性の向上等を目的とした設備投資によるものです。

今後において、必要な設備投資や研究開発投資を継続していく予定であります。今後の資金需要も見据えて、最新の市場環境や受注動向も勘案し、資産の圧縮及び投資案件の選別を行っていく予定であります。

 

(財務政策)

当社グループの運転資金、設備資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について金融機関からの借入により資金調達を行っております。

運転資金に関しては、手許資金(利益等の内部留保金)を勘案の上、不足が生じる場合には短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手許資金、長期借入金による調達を基本としております。

ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。

事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、発行費用等の調達コスト、既存借入金の償還時期等を勘案し調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、水栓金具の研究開発力の維持、向上が図れるように、世の中に無い新規性の高いモデルの商品開発を積極的に進めております。

研究開発活動は、開発本部長を総責任者とし研究部・開発部を有する開発本部にて取り組んでいます。

研究部の主な目的は、「当社固有の要素技術」を生み出す事を目的としております。メカと電子コア技術の融合による利便性を向上させ、新しいライフスタイルの提供に主眼をおき、人と環境に優しい新技術開発を方針としております。

主要課題としましては、将来を見据え、電子デバイスの応用技術、操作系を中心としたキーパーツの操作感(品位)向上を課題に取り組んでおります。

さらに、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後も電子デバイスの応用技術は非接触型水栓の開発に重要な要素であり、メカと融合させることにより、「安心・安全」に寄与できるような商品の研究開発を進めております。

開発部の主たる目的は『「点」から「線」へ、そして「面」へ』の概念を基本とした空間提案ができ、心地よさ(品位)を感じることのできる商品の創出です。環境配慮はもちろんのこと、使用感や質感等にこだわり商品開発に取り組んでおります。

開発本部内として「面」への展開をより強固とするため、2024年5月に開発本部の新事業所「R&Dセンター」を開設いたしました。

研究開発の目標管理については『工場会議』で審議しております。具体的な研究開発課題については、月次で「進捗報告会」を開催し、スピーディーな対応ができる体制となっております。さらに研究開発業務の合理化・改善活動は月次で「本部会議」を開催し継続的改善を実施しております。

なお、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は、134,705千円であります。

 

当社グループは単一セグメントであるため、製品ごとの主な研究開発活動を下記に記載しております。

年度

主な新製品又は新技術名

2024年3月期

YORI SUTTOシリーズト

ールタイプバージョン追加シングル

ワンホール混合栓K4732

PJV-1T-MCGP等

columnシリーズ等カ

ラーバリエーション追加シン

グルワンホール洗面混合栓K47

5EPJV-1-SJP等

ウルトラファインバブル発生装置搭載サーモシャワー混合栓バージョン追加SK18

C-M6L19・SK18CK-M6L19・SK18CT6・SK18CT6K

ウルトラファインバブル発生装置付シングルスプレー洗面混合栓K371

10E6JV・K37110E6JK

FB洗濯機用送り座水栓・FB洗濯機用ニップル・FB洗濯機用アダプターY14

33T6V・Y1433T6K・PY1236-40TVX・PM100-20

予洗い水栓“プレパシュ+”

Y49