当社は創業以来「情報化の創造・提供による社会貢献」を企業理念として、いかなる系列にも属さない完全独立系の立場を堅持し、業種、技術分野、プラットフォーム等を問わず、常に最新の技術に挑戦しつつ、自由な立場で幅広い分野の開発業務に取り組んでまいりました。どんな時でも時流を超えて不変な「変わらぬ信念」と、時代や周囲の環境に応じて敏感に「変わる経営」とを両輪として、業績の長期安定成長を実現しております。
今後の当社グループを取り巻く経営環境は、国内の個人消費や雇用改善など、景気回復基調がみられる一方、世界的な原材料・エネルギーの価格高騰、為替変動など、景気の先行きは依然として不透明な状況が続くものと予測しております。このような中、AIをはじめとするデジタル技術の進展、ノーコード・ローコード等の開発手法の多様化、さらには企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が活発化するIT業界にあって、市場規模は今後も更なる成長が見込まれている中、人手不足や国際的な市場競争がより激化するものと認識しております。
こうした認識のもと、当社グループでは従前より取り組んできた中期経営計画の必達に向け、諸施策の追加検討と実行計画の策定を行いました。加えて、創業50周年を迎えた当社が長期的に価値創出を続けるため、目指す企業イメージ、事業ポートフォリオ、事業規模などの新たな長期展望及び中期経営計画を策定し実行してまいります。
当社グループでは、この2025年3月期の年度方針として「JAST DNAを次の50年につなげる」を掲げました。当方針の下、DX&SIビジネスでは、サービス・ソリューション等の高付加価値ビジネス推進に加え、新たな事業モデルの構築により高収益スタイルを確立し、最大基盤事業としてビジネス領域を拡大してまいります。また、パッケージ及び医療ビッグデータ等の自社ブランドビジネスでは、各フラッグシップ製品の更なる機能・品質強化に加え、新ビジネス・新サービスの創出及び加速展開、更には戦略的な研究開発投資やアライアンスの推進により、ブランド力向上とともに各ビジネス領域における成長拡大を継続してまいります。最後に、グローバルビジネスでは、SAPビジネスの商圏拡大、既存製品の機能強化やソリューションの広域展開、さらには、アライアンスを活用した新製品の開発・販売により持続的な業績成長を実現してまいります。
毎期業績予想として開示する売上並びに各利益計画値を、達成すべき重要目標経営指標として認識しております。株主資本に対するリターンの追求による企業価値向上の観点からは、資本コストを意識しつつ業績と同様に長期的安定的に成長することを基本方針とし、特別損失等の影響により近年低下しておりました自己資本(連結)当期純利益率も、営業及びマネジメント推進部門の強化による新たなビジネス展開とプロジェクト品質向上、海外子会社のマネジメント体制強化等で、2024年3月期には17.8%まで大きく改善しております。
当連結会計年度における我が国経済は、国内の個人消費や雇用改善など、景気回復基調がみられる一方、世界的な原材料・エネルギーの価格高騰、為替変動など、景気の先行きは依然として不透明であります。
国内IT産業につきましては、直近の統計(経済産業省、特定サービス産業動態統計3月確報)において、2023年の売上高前年比が6.7%増(2022年の売上高前年比は3.8%増)とプラス傾向を継続しておりますが、前述のとおり、先行きが極めて不透明な状況にあると認識しております。
まず、DX&SI事業につきましては、ビジネスポートフォリオを、提案型「共創DX」を推進し高付加価値のビジネス領域を拡大する「SI」、顧客の課題に応じた先端的技術によるソリューションを提案する「ソリューション」、運用保守からデータサイエンス、コンサルティングまで広範なデジタルサービスを提供する「サービス」の3つに定義し、アライアンスと提案力・交渉力の強化で高利益を追求し、基盤事業として規模拡大を推進してまいります。
次に、パッケージ事業は、学校事務支援統合システム「GAKUEN」と大学向け統合型Webサービスシステム「UNIVERSAL PASSPORT」を主軸とする「GAKUEN」シリーズと、金融機関業務をトータルに支援する情報系統合パッケージ「BankNeo」から成っており、GAKUENは、これまで培ってきたブランド力を武器に、現状のビジネスの売上を拡大していくとともに、教育ビッグデータビジネスやITサービスにとどまらない文教DXの包括的サービスを展開していくことで、新たな学習環境の提供・拡大を進めてまいります。BankNeoは、クラウド化の推進とニッチなソリューションの継続的リリース、更には新商材や他社とのコラボレーションなど果敢に挑戦し、地域DXへ向けた市場拡張と業績拡大を推進してまいります。
次に、医療ビッグデータ事業につきましては、レセプト自動点検システム「JMICS」及び保険者業務支援システム「iBss」を基盤とした保険者向けワンストップサービスの拡充に加え、データ利活用サービスの新たなビジネスモデル構築、専門知見集団によるコンサルティング強化等により収益基盤を拡大するとともに、アカデミア連携でのシーズ創出、M&A・アライアンスによる新市場への参入・拡大等により、総合医療DXサービスを推進してまいります。
最後に、グローバル事業では、経済成長著しいASEAN諸国を中心に、中国・南アジアの主要地域に開発・販売拠点を展開しております。mcframe(*1)やSAP(*2)等のERP製品の導入コンサルテーションを通じた顧客のDX推進の支援及び太平洋・中東圏等の未開拓領域への販路拡大、クラウド型人事管理ソリューションAGHRMの機能拡充、更にはアライアンスを活用した新製品の加速展開を推進すること等により、デジタル先進国を中心としたDX市場の成長とともにグローバル成長を加速してまいります。
*1 mcframeはビジネスエンジニアリング㈱の登録商標であり、SCM/ERPソフトウェアを中心に構成される製品群の総称です。
*2 SAPはSAP SEの登録商標であり、企業における会計システム、物流システム、販売システム、人事システム等からなる基幹システムパッケージに代表されるビジネスアプリケーション群です。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「情報化の創造・提供による社会貢献」を企業理念とし、お客様、株主の皆様、社員、社会の「四方良し」を掲げ、それぞれの価値を最大化し、中長期的な企業価値の向上と持続的な会社の成長を実現させたいと考えております。
当社グループは、従来より社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)の取り組みとして、本業を通じた組織の社会的責任に関する原則と主題を取り決めた国際規格ISO26000の7つの原則及び7つの中核主題への取り組みを経営に組み込んでおります。さらに、環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO14001(環境マネジメントシステムに関する国際規格)を取得し、継続的にPDCAサイクルを回しております。
また、当社として2021年7月に「SDGs宣言」を公表しており、持続可能な開発目標の達成を全社員の共通認識として捉え、サステナビリティ重点課題についても、当PDCAサイクルの中で継続、改善を推進しております。
当社グループとしては、これら中核課題・重点課題をサステナビリティに関するマテリアリティ(重要課題)と定め、事業活動と融合させるべく体制の構築及び具体的取り組みを推進しております。
上記「(1)ガバナンス」に掲げた当社グループにおけるマテリアリティ(重要課題)に関する各種戦略に関しては、それぞれのテーマについて主管部門が課題解決に向けた方針及び計画を定め継続的にPDCAサイクルを回しております。なお、当社グループにおける各種マテリアリティ(重要課題)のうち、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、以下のとおり示しております。
「人材の育成及び社内環境整備に関する方針」
社内認定制度であるJCPL(JAST Certified Project Leader)制度を通じて、プロジェクトマネジメントに必要な知識や技術を持ったIT技術者の育成を進めるとともに、DX人材育成に向けた研修カリキュラムの開設や管理職層選抜によるワーキンググループ活動を実施しております。
従業員エンゲージメント、ウェルビーイング、従業員の定着率を向上させるため、ワークライフバランスを整えながら従業員一人ひとりが働きがいを持って能力を十分に発揮できる仕組みづくりと、安心して働き続けることができる働きやすい職場環境、時間や場所にとらわれない働き方ができる環境の整備に努めてまいります。具体的には以下を整備しております。
①エンゲージメント向上施策
中期的な組織力の維持・向上を目指し、組織課題を客観的に把握する目的でのサーベイを実施して、エンゲージメントレベルの把握と改善活動を実施しております。
②健康経営の推進とウェルビーイング視点の取り込み
社員の健康状況を把握し、継続的に改善していく取り組みを、個人と組織のパフォーマンスの向上に向けた重要な投資と位置づけ、健康経営を戦略的かつ計画的に取り組んでおります。
③テレワーク制度
働き方の多様化やワークライフバランスの両立に向けて、組織と個人の生産性を維持・向上させるべく、運用ルールの整備とデジタル化・ペーパーレス化等による場所に捉われない働き方を実現しております。
当社グループにおいて、サステナビリティ活動全般に関するリスク管理は、CSR活動・SDGs推進活動を通じた課題及び評価、ステークホルダーからの要望・期待など総合的に勘案し特定の上、全社的に取り組んでおります。この取り組みの状況及び結果を取締役会に適宜報告する体制を整えており、リスク管理体制の充実につとめております。リスク管理の詳細は「3 事業等のリスク」をご参照ください。
上記「(1)ガバナンス」に掲げた当社グループにおけるマテリアリティ(重要課題)に関する指標及び目標のうち、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、以下のとおり示しております。
また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標
(注) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率、労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
AI、ビッグデータ、ブロックチェーン等のデジタル技術の進展、ノーコード、ローコード等の開発手法の多様化、クラウドに代表される新たな情報処理テクノロジーの急速な普及と変遷により、当社が開発に携わる情報システムは複雑化の一途をたどっており、システム要件の定義不足や相違による手戻りや見積精度不良による不採算案件の発生リスクが高まっております。加えて、製品やサービスの品質や欠陥等に対する社会的関心並びに社会的影響の高まりから、品質保証に関する顧客の要求水準は年々高くなっております。このような状況に対し当社グループでは、製品・サービスの品質の向上及び安定化につきましては従業員教育の徹底、見積・受注プロセスにおける審査機能の強化、見積技術の向上並びにプロジェクト管理の充実を含め細心の注意を払っております。しかしながら、これらによっても不採算案件や瑕疵等の発生を完全に排除できない可能性があり、これらが発生した場合、顧客への補償、製品の補修等に係る費用の増大並びに信用の低下により、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは医療データを始めとする重要度の高い情報を取り扱っており、顧客及び従業員等に係る機密情報並びに個人情報の漏洩や、各種の過失による事故あるいは不正行為の防止については、社内規程の制定、従業員の教育、専門組織による定期的検査等によって徹底を図っております。また、サイバー攻撃は日々高度化、巧妙化しており、サイバーセキュリティリスクが重要な経営課題となっております。このため、当社ではCSIRT(※)組織として「JAST-SIRT」を設置し、サイバーセキュリティに関する脅威の監視や分析、対応能力の強化を行っております。加えて、最悪の事態に備え、情報漏洩賠償責任保険に加入しておりますが、事故や不正行為等を100%防止することは困難であり、これら事故等の事象が発生した場合、当社グループの信用低下あるいは賠償責任等が発生し、さらには当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
※ CSIRT(Computer Security Incident Responce Team
の略称) コンピュータセキュリティにかかるインシデントに対処するための組織の総称。
当社グループは、各事業分野において、事業運営に関する訴訟リスクが存在します。訴訟等を提起された結果、予期せぬ多額の損害賠償を命じられる場合があり、その額によっては、当社グループの業績と財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
デジタル技術の多様化、専門性の高度化等により、業界全体の傾向として優秀な人材の確保が困難な状況となっております。当社グループにおいては、新卒・中途の社員採用及び外部委託等協力会社からの調達により開発体制を確保しておりますが、受注状況の変化により十分な要員を確保できない場合は、当社グループの業務に支障を来たす可能性があります。さらに、需給関係の崩れや物価高の影響等により外部委託の発注単価が上昇する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、優良な協力会社の確保のための社内体制を強化するとともに、海外へのオフショアや国内へのニアショアによる技術者の確保、そして、従業員定着のためのエンゲージメント向上施策の実施や健康経営の推進など、リスクの軽減に努めております。
当社グループでは、製品の開発や新たなビジネスシーズ発掘のため、積極的な研究開発投資を行っております。しかしながら、変化の激しい業界の将来の需要を的確に予測し、適正な収益につながる新製品やサービスを常に開発・供給できるとは限らず、先行投資の規模と、その後の収益化の状況に大きな差異が生じた場合は、当社グループの業績及び成長見通しに影響を与える可能性があります。
当社グループは、企業買収等の実施に当たっては、対象となる企業の財務内容や事業について詳細な事前審査を行い、意思決定のために必要かつ十分な情報収集と検討を行っております。しかしながら、これら事前のリサーチによって各案件のあらゆる問題を抽出し解決できるとは限らず、買収等の成立後、当社グループが認識していない問題が明らかになった場合や、経営環境や事業状況の変化等によりシナジー効果を十分に発揮できず、売上や利益が想定を大きく下回る場合には、連結財務諸表におけるのれん及びその他無形資産等の減損処理や財務諸表における関係会社株式の評価減を行う必要が生じる等、当社グループ及び当社の業績に影響を与える可能性があります。また、当社は、各子会社について、グループ全体の企業価値向上に寄与するべく、開発・販売体制並びにガバナンスの強化を図っておりますが、業績低迷や地政学的な状況悪化等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、大地震等の自然災害や感染症の世界的流行(パンデミック)等が発生し業務遂行が困難となる場合に備え、事業継続計画やガイドラインを策定し、初期対応や迅速な業務の復旧を可能にするための対応体制や環境等の整備を実施しております。また、当社グループが入居する主要オフィスは事業を継続する上で高度防災機能を有しており、当社グループが利用するデータセンターはセキュリティ対策や耐震等の災害対策において高い水準にあります。また、パンデミック状況下における事業継続を果たすため、必要な計画と体制を構築し感染対策の徹底を図っており、現時点では当社グループの事業に大きな影響を与えるリスクとはなっておりません。しかしながら、一企業のコントロールを超える特別な事象や状況が発生し、業務の中断が不可避となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループにおいては、完全独立系の特長を活かし、特定の業種、技術分野、メーカー等に依存しない事業運営を行っており、景気動向の影響を比較的受け難い特長がありますが、国内外の景気が長期にわたり低迷すると、顧客企業の収益悪化によるシステム開発投資の抑制等で、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
当社グループの事業の特異性として、顧客によるSI開発・ソリューション・サービス・パッケージ製品等の検収時期が多くの企業の会計期末にあたる3月に集中するものの、受注案件の多くが履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益認識することで、四半期毎の売上高及び営業利益は概ね平準化しております。しかしながら、進捗度に基づき収益認識の対象とならない一部受注案件については、依然として会計期末に業績が集中する傾向にあります。
最近2年間における四半期ごとの売上高、営業利益
(単位:百万円)
(単位:百万円)
当社グループが取扱う商品は、メーカー及び代理店から調達しますが、最低発注量が大きい製品もあり、在庫の陳腐化リスクを負うことになります。当社グループでは、販売状況を見極めながら必要数量の予測を的確に行うよう努めていますが、調達した商品が陳腐化した場合、または原材料不足等に起因するサプライチェーンの停滞による調達遅延により適時に顧客に供給できず事業機会を逸失した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、商品に不具合等が発生した場合、顧客への補償、製品の補修等に伴い、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、投資その他の資産として、有価証券等を保有しております。これら資産の残高は、換金性の高い流動資産と比較して相当に少額ではありますが、予測が困難な市況の急変あるいは発行体の破綻等の事態が発生した場合、評価額の減少によって業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、中国・ASEAN・南アジア地域に複数の海外子会社を保有しております。各社が事業を展開する国や地域における政治・経済・社会情勢の変化に伴う政策や法規制の変更、さらには国際紛争の発生などにより、顧客に対するシステム・サービス提供の停止や為替相場の変動が生じるなど、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社及び連結子会社の顧客との契約から生じる収益は、主にソフトウェアの受注制作等によるものであり、一定の期間にわたり履行義務が充足される契約については、期間がごく短い契約を除き、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。履行義務の充足に係る進捗度による収益の認識の基礎となる工事原価総額の見積りについては、プロジェクト管理の充実を含め細心の注意を払っております。しかしながら、適時・適切な工事原価総額の見積りの誤りにより、履行義務の充足に係る進捗度による収益の認識を誤る可能性があります。プロジェクトの見積コストが収入見込額を上回るものについては、回収可能額を厳格に査定し、回収不能額を損失計上しております。将来的にコストが増加した場合には、損失の追加計上が生じる可能性があります。
当連結会計年度における当社及び連結子会社からなる企業集団(以下「当社グループ」といいます。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度末における当社グループの資産、負債及び純資産の状況につきましては、次のとおりであります。
(資産)
流動資産の残高は157億10百万円(前連結会計年度末比10.7%増)となりました。これは主として現金及び預金、売掛金及び契約資産の増加によるものであります。また、固定資産の残高は43億11百万円(同33.6%増)となりました。
(負債)
流動負債の残高は52億22百万円(同11.0%増)となりました。これは主として契約負債(営業に関する前受金)、未払費用及び未払法人税等の増加によるものであります。また、固定負債の残高は20億87百万円(同10.2%増)となりました。
(純資産)
純資産の合計残高は127億12百万円(同17.5%増)となりました。
当社グループの業績は、売上高261億83百万円(前連結会計年度比11.3%増)、営業利益は27億91百万円(同17.0%増)、経常利益は28億61百万円(同16.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は20億86百万円(同17.8%増)となりました。なお、セグメント別の状況は次のとおりとなっております。
(DX&SI事業)
当事業につきましては、売上高152億51百万円(前連結会計年度比6.4%増)、営業利益22億50百万円(同8.3%増)となりました。主な要因は、新規・既存顧客ともに大型プライム案件が拡大し、同事業全体の収益性が向上したことによるものであります。
(パッケージ事業)
当事業につきましては、売上高49億33百万円(同9.9%増)、営業利益13億83百万円(同10.6%増)となりました。主な要因は、金融機関向け情報系統合システム「BankNeo」におけるPP(プログラム・プロダクト)販売が前年を下回ったものの、戦略的大学経営システム「GAKUEN」シリーズにおけるPP(プログラム・プロダクト)販売、導入支援サービス及び仕入販売等がそれぞれ増収となったことによるものであります。
(医療ビッグデータ事業)
当事業につきましては、売上高26億44百万円(同30.8%増)、営業利益6億86百万円(同50.2%増)となりました。主な要因は、分析サービス及び生活保護向けレセプト管理クラウドサービス等の高収益ビジネスが増収となったことによるものであります。
(グローバル事業)
当事業につきましては、売上高33億54百万円(同25.5%増)、営業利益4億2百万円(同48.4%増)となりました。主な要因は、中国におけるSI開発案件が減収となったものの、マレーシアにおけるSAP導入サポート案件の受注引き合いが拡大し増収となったことによるものであります。
(報告セグメントに帰属しない一般管理費等)
全社費用につきましては、一般管理費19億31百万円(前年同期比15.5%増)となりました。主な要因は、社員数の拡大に伴う教育研修の充実及び採用活動の強化に加え、オフィス拡大及びITインフラ強化に伴う投資によるものであります。
当連結会計年度における当社グループの現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の状況は、期首の資金残高67億93百万円より7億22百万円増加し、75億15百万円となりました。
なお、各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得た資金は18億88百万円(前連結会計年度は10億73百万円の収入)となりました。この差額は主として税金等調整前当期純利益の増加及びその他債務の支出の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は7億61百万円(前連結会計年度は5億41百万円の使用)となりました。この差額は主として有形固定資産の取得による支出及び貸付けによる支出がそれぞれ増加した一方、連結の範囲の変更に伴う子会社株式の取得による収入が発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は4億24百万円(前連結会計年度は2億80百万円の使用)となりました。この差額は主として配当金の支払額が増加したことによるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は売上原価によっており、セグメント間の取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 1.各指標の算出式は下記のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
・株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除)により算出しております。
・有利子負債は、連結貸借対照表に記載されている借入金の合計額を使用しております。
・利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金につきましては、内部資金または金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末において、取引銀行4行との間で合計5億円の貸出コミットメント契約を締結しております(借入実行残高はありません)。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループは、運転資金及び設備投資など事業活動に必要な資金については、自己資金及び金融機関からの借入により調達することとしております。
今後も営業活動により得られるキャッシュ・フロー及び借入を基本に将来必要な資金を調達していく考えであります。
今後の成長に向けた課題は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社グループは、売上高、各利益指標に加え、自己資本(連結)当期純利益率(ROE)を重要目標経営指標としております。
当連結会計年度における当社グループの業績については、売上高は261億83百万円となり、2023年5月12日公表の売上高連結業績予想253億円に比べ3.5%の増加、営業利益は27億91百万円となり、同25億40百万円に比べ9.9%の増加、経常利益は28億61百万円となり、同26億円に比べ10.1%の増加、親会社株主に帰属する当期純利益は20億86百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益連結業績予想18億80百万円に比べ11.0%の増加となりました。また、当連結会計年度末の自己資本(連結)当期純利益率(ROE)は17.8%となりました。
2025年3月期における重要目標経営指標としましては、2024年5月13日に公表いたしました連結業績予想(売上高285億70百万円、営業利益31億50百万円、経常利益32億円、親会社株主に帰属する当期純利益23億円)を掲げており、当該目標達成に向けて邁進するとともに、自己資本(連結)当期純利益率(ROE)の継続的向上を維持してまいります。
また、中長期的には、資本コストを上回る収益性の向上や企業価値最大化も経営上の重要テーマと認識しており、投下資本利益率(ROIC)や時価総額についても継続成長を目指してまいります。なお、当連結会計年度末の投下資本利益率(ROIC)は17.2%、時価総額は449億円となりました。
該当事項はありません。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
DX&SI事業におきまして新ビジネスの創生に向けた調査・研究及び金融機関向け次世代製品の開発に取り組んだ結果、研究開発費は
パッケージ事業におきまして金融機関向け情報系統合システム「BankNeo」の機能拡充、戦略的大学経営システム「GAKUEN」シリーズの新機能開発等に取り組んだ結果、研究開発費は
医療ビッグデータ事業におきましてレセプト自動点検性能の向上並びにサービスの拡充を中心に取り組んだ結果、研究開発費は
特定の事業に属さない分野におきまして、研究開発費は52,880千円となりました。